(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スリーブは、前記バルーンの遠位側に位置した結合セグメントを更に有し、前記結合セグメントは、前記環状凹部内に位置決めされている、請求項1記載のカニューレ組立体。
前記バルーンの周りに取り外し可能に設けられた状態調節補助具を更に含み、前記状態調節補助具は、小径挿入プロフィールを定める滑り嵌め状態で前記全体として管状のカニューレ本体の前記外面に沿って前記バルーンを近位側に圧縮するよう寸法決めされている、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載のカニューレ組立体。
前記管状スリーブの所定の長さ分を局所的に加熱するステップは、幅0.200インチ(5.080mm)である発熱体を局所的に加熱して約0.0015インチ(0.0381mm)の周囲壁厚を備えたバルーンを形成するステップを含む、請求項11乃至13のうちいずれか一に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
外科用接近システム、例えばトロカールシステムは、体壁を横切ると共に体腔内で行われる低侵襲手術を容易にする。例えば、腹部手術では、トロカールは、腹腔内における器械の使用を容易にするために腹壁を横切る作業チャネルを提供する。トロカールシステムは、典型的には、作業チャネルを提供するカニューレ及び体壁、例えば腹壁を横切ってカニューレを配置するために用いられる栓子を有する。栓子は、カニューレの作業チャネル内に挿入され、そして結果的に体壁の貫通が行われるのに十分な大きさの貫通力で体壁に突き通される。変形例として、栓子付きのカニューレを「ハッサン(Hassan)」術、即ちカットダウン(cut-down:切開)術によって形成された切開創中に通し、この切開創は、体壁がその厚さ全体にわたって切開されるまで体壁を通る小刻みな切開創を含む。カニューレがいったん体壁を横切ると、栓子を取り外すことができる。
【0004】
カニューレが体壁内の定位置に位置した状態で、種々の器械をカニューレから体腔内に挿入することができる。手技中、1つ又は2つ以上のカニューレが用いられる場合がある。手技中、外科医は、器械をカニューレ内で操作し、2つ以上の器械を一度に用いる場合がある。外科医による器械の操作により、器械と器械が挿入されているカニューレとの間に摩擦力が生じる場合がある。かかる摩擦力の結果として、カニューレが体壁内で内方又は外方に動く場合がある。カニューレが定位置に固定されていなければ、カニューレを通る器械の近位側又は遠位側への運動により、カニューレが体壁から滑り出る又は体壁中に更に入り込む恐れがあり、それにより、場合によっては患者の外傷が生じる。
【0005】
トロカールと関連したカニューレの表面は、全体として滑らかである。カニューレ表面の滑らかさにより、体壁を通るカニューレの配置が比較的容易且つ安全になる。しかしながら、滑らかなカニューレは、カニューレが体壁を貫通していったん配置されると、所望の保持特性を発揮しない場合がある。これにより、器械及び検体がカニューレ及びトロカールの関連シールシステムを通って体腔から取り出される際に問題が生じる場合がある。カニューレがいったん配置されると最も適切な位置に固定されたままであるようにすることが極めて望ましい。加うるに、ハッサン法を用いる場合、切開創は、切開創を通って配置される場合のあるカニューレよりも大きい場合がある。したがって、患者体内にガスを送気するためにカニューレを挿入した後に切開創部位を封止する手段を提供することが望ましい場合がある。
【0006】
トロカール‐カニューレ固定又は安定化の問題に対する種々の解決策が開発された。これら解決策は、厚いフォームボルスタが体壁への挿入箇所の近位側に位置した状態でカニューレの遠位部分に取り付けられるインフレート可能なバルーン、カニューレの外面と関連した隆起糸又は隆起リング、カニューレの遠位端部のところに配置された機械的に配備可能な拡大部分及びトロカールの近位端部と関連した縫合糸ループ又はフックを含む。これら解決策は、或る程度の固定又は安定化をもたらしたが、これら解決策により、カニューレが大きな外径を有する場合が多くなった。さらに、バルーントロカールと関連した厚いフォームボルスタは、カニューレの使用可能な長さを減少させた。直径の増大を最小限に抑える保持手段を備えたスリーブを有するカニューレ固定又は安定化器具が要望されている状況が続いている。加うるに、カニューレ固定又は安定化器具は、低プロフィールを有する(薄型のものである)と共にカニューレの作業長さを増大させるのが良い。
【0007】
上記の技術的内容を達成する方法は、接近器具と関連したカニューレよりも大きく寸法決めされると共に通常その遠位端のところ又はこの遠位端寄りに配置されたインフレート可能なドーナツ形(トロイダル)バルーンを含む。体壁を通る接近チャネルの挿入中、バルーンをデフレートさせる。接近チャネルが体腔内に位置して適性に配置されると、バルーンをインフレートさせる。接近器具と関連したバルーンのうちの大抵のものは、膨張可能であり又は弾性材料で作られている。幾つかの場合において、バルーンは、非膨張性又は非弾性材料で作られる。
【0008】
本発明による種々の実施形態のバルーントロカールは、一般に、内視鏡器械のための組織平面及び/又は潜在的な空間を通る導入経路を確立し又は接近を得るための腹部、婦人科及び胸部低侵襲外科的処置で使用できる。種々の実施形態では、バルーントロカールは、トロカールカニューレの遠位端のところに位置するインフレート可能なバルーン及びカニューレの遠位端寄りに位置したボルスタを有する。バルーントロカールを使用するため、外科医は、バルーントロカールを体腔内に挿入してカニューレのバルーン区分が例えば腹部手術のために体腔内に位置し、腹膜内層を越え、そして腹腔内に位置するようにする。バルーンをインフレートさせ、カニューレの遠位端寄りに配置されたボルスタをカニューレの長さに沿って遠位側に動かしてバルーンを体壁の内側に押し付けて切開創を封止する。ボルスタが体壁の外面に当てられた状態で、バルーンを体壁の内面に当てた状態で圧縮状態に維持する。このようにすると、シール(封止部)がバルーンと体壁との間に作られ、それにより外科医は、患者の体内にガスを送気することができる。バルーンは、腹腔鏡手術の持続時間中インフレートされたままであるのが良く、腹腔鏡手術は、最大4時間以上続く場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び
図2を参照すると、複数のトロカール100が体壁50、例えば腹壁を貫通し、体腔52、例えば腹腔内に配置された代表的な腹腔鏡下外科的処置又は手技が示されている。体壁50を膨らませて腹腔鏡下手技のための作業空間を提供するよう体腔52内にはガスが送気され又は体腔52はガスでインフレートされている。トロカール100は各々、カニューレ110及びシール150を有している。正圧がカニューレ110と関連したシール150によって体腔52内に維持されている。加うるに、カニューレ110は、隣接の組織に対してガス密シールを形成しなければならない。正圧がカニューレ110と関連したシール150かカニューレと隣接の組織との間のシールかのいずれから失われた場合、手技が損なわれる場合がある。
【0016】
体腔52をインフレートさせると、体壁50が大幅に膨らまされる場合がある。接近部位は、体壁50の膨隆下で拡大してカニューレ110の位置決め及び密封具合を損ねがちな場合がある。上述したように、トロカール100を介して用いられた器械190の操作の結果として、カニューレ110が体壁50を通って接近部位内において近位側の方向か遠位側の方向かのいずれかに動く場合がある。これが起こると、或る程度の液状化が起こる場合があり、カニューレ110と体組織との間の好ましい関係が損なわれる場合がある。
【0017】
次に
図3〜
図6を参照すると、カニューレ110、シールハウジング150及び栓子160を有する代表的な組み立て状態のトロカール100が示されている。カニューレ110は、体壁50を通ってこれを容易に挿入することができるよう滑らかな外面102を有している。シールハウジング150は、逆行性ガス流を阻止するシールシステムを収容している。栓子160は、カニューレ110を通す経路を体壁50を貫通して作る切断又は穿通器械である。外科用栓子160は、一般に、関連のカニューレ110に適した欠損部を組織に作るような寸法形状のものである。しかしながら、欠損部は、トロカール100又はカニューレ110を操作しているときの手術手技中、拡大する傾向をもつ場合がある。器械190を遠位側に押したり近位側に押したりし又は挿入したり引き抜いたりしているときに、カニューレ110は、器械190とトロカールハウジングのシール150との間の摩擦に起因して動く場合があり又は偶発的に抜ける場合がある。
【0018】
特に
図6〜
図8を参照すると、カニューレ110の外面102が複数の隆起特徴部115を有するトロカール100又は接近器具が示されている。これら隆起特徴部115は、トロカール100を介して器械190を操作しているとき、特に検体を取り出しているときに近位側への運動及び遠位側への運動に対する抵抗を増大させるような寸法形状のものである。先行技術は、順次隆起したリング又は隆起した並目ねじ115を有している。先行技術のリング又はねじ山115は、カニューレ110を或る程度まで安定化することができるが、これらリング又はねじ山は、必ずしも、カニューレ110を体壁50の隣接の組織に密着させるわけではない。これらシステムの使用と関連してガスの損失が生じる場合がある。隆起リング又はねじ山115は又、体壁50を貫通するのに必要な挿入力を増大させる。挿入力は、連続して位置した別々の隆起リング又は特徴部と比較して、連続並目ねじ115の場合に減少する場合がある。というのは、ねじ山付きカニューレ110は、実際には、適当な回転なしに押し通すのではなく、ねじ山方向及びピッチに従って組織欠損部中に「ねじ込まれる」からである。
【0019】
図9〜
図12を参照すると、先行技術の外科用接近器具100が、カニューレ110を有し、このカニューレは、その遠位端部側部分122と関連したインフレート可能なバルーン120を有している。バルーン120は、未インフレート状態においてカニューレ110にぴったりと嵌まるような寸法形状のものである。カニューレ110を体壁50を貫通して体腔52内に正しく配置した後バルーン120をインフレートさせる。バルーン120は、一般に、滑り反力部材、例えばフォームボルスタ180と関連している反力によって体壁50の内面54に当てて保持される。ボルスタ180は、カニューレ110の近位部分と関連している。先行技術の器具と関連したバルーン120は、代表的には、カニューレ110の一部として構成された「厚肉(厚壁)」構造体である。バルーン120は、一般に、カニューレ110の遠位端部側部分122に結合され、インフレーションチャネル又はルーメンがカニューレ110の壁内に設けられる。
【0020】
図13を参照すると、前進させた固定特徴部を含むトロカールカニューレ組立体210の実施形態が示されている。トロカールカニューレ組立体210は、シールハウジング212と、スリーブ組立部品(サブアセンブリ)214とを含むのが良く、スリーブ組立部品214は、トロカールカニューレ216、インフレート可能なバルーン220を含むスリーブ218、保持ディスク222、及び先端部プロテクタ224又は状態調節補助具を含む。トロカールカニューレ組立体の或る特定の実施形態に関し本明細書において説明する種々の観点をバルーンカニューレ又は保持カニューレのいずれにも用いることができる。
【0021】
引き続き
図13を参照すると、シールハウジング212又は弁ハウジングは、器械用シール及びゼロシールを有するのが良い。幾つかの実施形態では、弁ハウジングは、カニューレ216に取り外し可能に結合されるのが良く、一実施形態では、この弁ハウジングは、送気用ガスを体腔、例えば腹腔内に供給する入口を有する。種々の実施形態において弁ハウジング内に納められた器械用シール及びゼロシールは、別々のものであっても良く一体形シールであっても良い。ゼロシール及び器械用シールは、弁ハウジングを通ってカニューレ216のルーメン236(
図14)内に至る器械用経路を封止することができる。他の実施形態では、トロカールカニューレ216は、別個の弁ハウジングが設けられていない状態でトロカールカニューレ内に直接位置決めされた器械用シール及びゼロシール(別々又は一体形シール)を有しても良く、封止された器械用チャネル経路を備えたトロカールカニューレは、近位端から遠位端までの比較的短い長さを有し、それにより高さの低いプロフィールが定められる。
【0022】
或る特定の実施形態では、トロカールカニューレ組立体210は、標準サイズを有する外科用器械、例えば腹腔鏡的手術用ツールを受け入れるよう寸法決めされているのが良い。例えば、トロカール組立体210は、最大5mm外科用ツール製品種目に合わせて寸法決めされた外科用ツールを受け入れるよう寸法決めされる共に形作られた「5mmトロカールカニューレ」であるのが良い。他の実施形態では、トロカール組立体210は、11mm又は12mm外科用ツール製品種目とそれぞれ同じほど大きく寸法決めされた外科用ツールを受け入れるよう寸法決めされると共に形作られた「11mmトロカールカニューレ」又は「12mmトロカールカニューレ」であるのが良い。幾つかの実施形態では、トロカールカニューレ組立体210は、トロカールカニューレ組立体210、シールハウジング212、及びシールハウジング212及びカニューレ組立体210を通って挿入可能な栓子を含むキットに含まれるのが良い。
【0023】
図13及び
図14を参照すると、トロカールカニューレ216は、流体入口ポート226を有するのが良い。流体入口ポート226は、流体源、例えば注射器又はシリンジを受け入れるようになっている。流体は、空気、別のガス、例えば二酸化炭素、ガス混合物又は液体、例えば水、食塩水、若しくは別の溶液を含むのが良い。さらに本明細書において説明するように、流体入口ポート226は、流体入口ポート226への流体の追加によりバルーン220がインフレートされるようスリーブ218に流体結合されている。
【0024】
幾つかの実施形態では、流体入口ポート226は、一方弁、例えばポペット弁又は逆止弁228を有するのが良い。流体が逆止弁228を通って流体入口ポート226にいったん追加されると、逆止弁228は、この流体をトロカールカニューレ組立体210のスリーブ218及びバルーン220内に維持する。逆止弁228は、バルーン220をデフレートさせることが望ましい場合、この流体が例えば注射器によって逃げ出ることができ又はこの流体を抜き取ることができるよう選択的に開かれるのが良い。
【0025】
トロカールカニューレ
図15を参照すると、幾つかの実施形態では、トロカールカニューレ216は、近位端230、遠位端232、及び近位端230から遠位端232まで長手方向軸線Lに沿って延びるルーメン236を有する。ルーメン236は、外科用器械、例えば腹腔鏡的外科用ツールを受け入れるよう構成されている。
【0026】
引き続き
図15を参照すると、幾つかの実施形態では、トロカールカニューレ216は、近位端230のところに設けられたシールハウジングインターフェース238、シールハウジングインターフェース238の遠位側に設けられた流体入口ポート226、流体入口ポート226から遠位側に延びる全体として管状のカニューレ本体240、カニューレ216の遠位端232に隣接したところでカニューレ本体240に設けられた環状凹部、例えば環状溝242、及び遠位先端部244を有する。シールハウジングインターフェース238は、シールハウジングに密着するシール、例えばOリング246(
図14)を有するのが良い。
【0027】
図示の実施形態では、流体入口ポート226は、流体入口250及び流体ドーム252を有する。流体入口250は、インフレーション流体源を受け入れるよう構成され、この入口ポート内には逆止弁228が設けられるのが良い(
図14)。
【0028】
図示のように、流体入口ポート226の流体ドーム252は、流体入口250に流体結合されている。幾つかの実施形態では、流体入口ポート226は、全体として滑らかな外面254を有するのが良い。滑らかな外面254により、接着剤がスリーブ218の下に流れて比較的強固なバルーンとカニューレの結合部を得ることができる。幾つかの実施形態では、流体入口ポート226は、湾曲したプロフィール、例えば全体として涙滴の形状を呈するよう形作られるのが良く、流体ドーム252は、バルーンインフレーション/デフレーションのための流体経路が塞がった状態になる恐れを減少させるよう湾曲したプロフィールを有するのが良い。他の実施形態では、流体入口ポート226は、別の湾曲したプロフィール、例えば全体として円筒形、全体として楕円形、又は全体として長円形のプロフィールを有するのが良い。他の実施形態では、流体入口ポート226は、別の曲線状のプロフィールを有するのが良い。
【0029】
カニューレ本体
引き続き
図15を参照すると、幾つかの実施形態では、カニューレ本体240は、流体入口ポート226からカニューレ216の遠位端232まで遠位側に延びている。カニューレ本体240は、外面260及び第1の外径D1を有する。幾つかの実施形態では、カニューレ本体240の外面260は、この上へのスリーブ218の取り付けを容易にするよう構成されているのが良い。例えば、カニューレ本体240の外面260は、カニューレ本体240上でのこれに沿うスリーブ218の摺動前進を容易にするよう比較的軽度の模様付き表面仕上げを有するのが良い。
【0030】
幾つかの実施形態では、カニューレ本体240は、流体入口ポート226からカニューレ216の遠位端232まで全体として長手方向に延びる1本又は2本以上の流体チャネル262又は溝を有するのが良い。流体チャネル262は、カニューレ本体240の画面260に形成されるのが良く、この流体チャネルは、カニューレ本体240中に深さdにわたって延びるのが良い。図示のように、流体チャネル262は、流体入口ポート226に流体結合されており、この流体チャネルは、スリーブ218のバルーン220に隣接した或る箇所まで遠位側に延びている(
図14)。かくして、流体チャネル262は、バルーン220のインフレーション及びデフレーションのための流体通路の実現を可能にするようバルーン220と関連して働くことができる。有利には、流体チャネル262がカニューレ本体240内に埋め込まれた状態で、スリーブ組立部品214は、比較的小さな外径及び低プロフィールを有することができる。望ましくは、比較的小さな直径及び低プロフィールにより、カニューレ組立体210は、比較的小さな挿入力を示すことができる。同様に、バルーン220と流体チャネル262の幾何学的形状により、バルーン220がデフレーション中、流体流路を塞ぐ事態の発生を減少させることができる。
【0031】
引き続き
図15を参照すると、カニューレ本体240は、トロカールカニューレ216の遠位端に隣接したところに環状凹部、例えば環状溝242を有するのが良い。幾つかの実施形態では、環状溝242は、トロカールカニューレ216の長手方向軸線Lに全体として垂直な向きをなしてカニューレ本体240に形成されている。他の実施形態では、他の向きをなした環状溝242を形成することができる。或る特定の実施形態では、図示のように、環状凹部は、トロカールカニューレ216の遠位端に隣接したところでトロカールカニューレ216の長手方向軸線Lに沿って比較的短い距離にわたって延びる凹み表面を備えた環状溝242を有する。他の実施形態では、環状凹部又は環状溝は、遠位端に隣接して位置する或る場所から近位側にトロカールカニューレ216の近位端又は遠位端との間に位置する或る場所まで又はトロカールカニューレ216の近位端に隣接して位置する或る場所まで延びる凹み面を有するのが良い。
【0032】
図16は、環状溝242の一実施形態の切除詳細図である。幾つかの実施形態では、環状溝242は、近位縁270、遠位縁272、及び近位縁270と遠位縁272との間に位置する環状インターフェース表面274を有するのが良い。環状インターフェース表面274は、カニューレ本体240の第1の外径D1よりも小さい第2の外径D2を有するのが良い。近位縁270は、カニューレ本体240の第1の外径部D1と環状インターフェース表面274の第2の外径部D2との間に延びる全体として段付きの縁を有するのが良い。望ましくは、段付き縁は、インフレート形態にあるバルーン220内に流体を維持するようカニューレ本体240に対するスリーブ218の封止性能を高めることができる。
【0033】
引き続き
図16を参照すると、幾つかの実施形態では、環状溝242の遠位縁272は、傾斜した縁を有するのが良い。傾斜縁は、環状インターフェース表面274に対して横方向の角度をなして延びるのが良い。他の実施形態では、環状溝242の遠位縁272は、全体として段付きの縁又は別の幾何学的プロフィール、例えばアール付き(丸みのある)曲線状の縁を有する縁から成るのが良い。
【0034】
図15を参照すると、幾つかの実施形態では、カニューレ216の遠位端232のところの遠位先端部244は、カニューレ216の長手方向軸線Lに垂直な平面に対して角度θをなして延びる遠位縁278を有する。角度θは、約5°〜約45°であるのが良い。5mmサイズのカニューレ組立体210の幾つかの実施形態では、遠位先端部244の遠位縁278は、長手方向軸線Lに垂直な平面に対して約17°の角度をなして傾けられているのが良い。他のサイズ、例えば11mm及び12mmカニューレを含むカニューレ組立体210の実施形態では、この角度は、相関関係をなすカニューレ216にマッチするよう僅かに異なるのが良い。例えば、11mmカニューレ組立体の幾つかの実施形態では、角度θは、約20°であるのが良く、12mmカニューレ組立体の幾つかの実施形態では、この角度θは、約12°であるのが良い。カニューレ組立体210の他の実施形態に関し、他の角度を用いることができる。
【0035】
有利には、傾斜した遠位先端部244は、カニューレの長手方向軸線に垂直な遠位縁を備えた真っ直ぐな先端部から成る遠位先端部と比較して、カニューレ組立体210を体壁、例えば患者の腹壁中に挿入するのに必要な力を大幅に減少させることができる。真っ直ぐな先端部を有するバルーントロカールは、主として、カットダウン技術を用いて体壁を通り、比較的大きな切開創を通って手術部位中に導入される。望ましくは、傾斜遠位先端部244は、種々の切開創長さを有する種々のカニューレ挿入技術を含む外科的処置において固定用カニューレの使用を容易にすることができる。例えば、傾斜遠位先端部を備えた固定用トロカールは、ブレード付き、ブレードなしの光学的、又はガス注入栓子を用いた挿入技術を含む挿入技術によって比較的小さい挿入力で挿入できる。
【0036】
幾つかの実施形態では、カニューレ本体240は、ポリカーボネート材料で作られるのが良い。望ましくは、この材料の硬度及び相対的剛性により、カニューレ216は、可撓性スリーブ218及びバルーン220を取り付けるための支持用管として且つ栓子又は他の医療器械を挿入するためのポートとしての役目を果たすことができる。他の実施形態では、カニューレ本体240は、他の材料、例えばポリエステル材料から成るのが良い。
【0037】
スリーブ
或る特定の実施形態では、スリーブがトロカールカニューレの近位端に隣接したところからトロカールカニューレ遠位端に隣接したところまで延びている。スリーブは、近位端及び遠位端を有し、この遠位端に隣接してインフレート可能なセグメントが設けられている。スリーブは、スリーブの遠位端及びスリーブの近位端のところでトロカールカニューレに結合されるのが良い。
【0038】
スリーブは、結合時に直径方向において比較的低いプロフィールを作る技術によってトロカールカニューレに結合されるのが良く、このスリーブは、望ましい封止性能を有し、しかも、効率的に製造可能である。例えば、幾つかの実施形態では、トロカールカニューレは、実質的に滑らかな連続した外面を有するのが良く、スリーブは、化学的結合部を形成するための接着剤の塗布によってこの滑らかな表面に結合されるのが良い。他の実施形態では、スリーブは、融着結合領域を形成するための熱溶接又はUV溶接によってトロカールカニューレに結合されるのが良い。幾つかの実施形態では、
図17〜
図19を参照して更に説明するように、スリーブは、外面の非連続領域のところで、例えば、外面に形成された1つ又は2つ以上の環状溝のところでトロカールカニューレに結合されるのが良い。幾つかの実施形態では、互いに異なる結合技術を遠位端のところで用いるのではなく、スリーブの近位端のところで用いるのが良く、他方、他の実施形態では、実質的にほぼ同じ結合技術をスリーブの近位端と遠位端のところに用いることができる。
【0039】
図18を参照すると、スリーブ218及びカニューレ組立体210の実施形態が示されている。図示の実施形態では、スリーブ218は、近位端281のところに設けられた近位インターフェース区分280又はカップラ、カップラから遠位側に延びる細長い管状本体282、細長い管状本体282の遠位側に位置決めされたバルーン220、及びバルーンの遠位側に位置した結合セグメント284を有する。
【0040】
幾つかの実施形態では、スリーブ218は、例えばストレッチ吹込み成形によって一体的単体的に形成されるのが良い。有利には、ストレッチ吹込み成形法は、バルーン材料、厚さ及び形状の高度の制御を可能にする。
【0041】
スリーブ218は、ポリオレフィン材料、例えば通常熱収縮管材としてのポリオレフィン材料から成るのが良い。或る特定の実施形態では、SumitomoA2クリアーポリオレフィン管材を用いるのが良い。有利には、ポリオレフィン材料から成るスリーブ218は、ラテックス又はシリコーンゴム材料と異なり、ラテックスがなく、非孔質であり且つノンフラグメンティング(non-fragmenting )である。望ましくは、ポリオレフィン管材は、軟質且つ可撓性であるのが良く、高度の架橋性を有するのが良く、その結果、このポリオレフィン管材は、他の試験対象の材料と比較して、材料厚さが所与の場合、比較的高い強度を有する。ポリオレフィンスリーブ218を含むカニューレ組立体210の実施形態では、信じられないほど薄いバルーン区分を有しているにもかかわらず、バルーン220は、代表的には、設計インフレーション圧力の平均5倍の圧力であっても破断なく過剰インフレート可能である。また、ポリオレフィン材料の軟らかさと可撓性により、ユーザにとっての器具の手触りが向上する一方で、挿入力も又減少する。他の実施形態では、スリーブは、他の材料、例えばシリコーン材料、シルラン、ポリイソプレン、ポリウレタン材料、ポリウレタンブレンド、TYGON (登録商標)、VITON (登録商標)、SANTOPRENE(登録商標)、MYLAR (登録商標)、又は別の適当なポリマー材料から成っていても良い。
【0042】
図示の実施形態では、カニューレ組立体は、カニューレ216上の遠位側の場所に位置決めされた1つのバルーン220を含む。種々の他の実施形態では、患者の腹壁厚さ及び解剖学的構造のばらつきを考慮に入れて追加のバルーンを設けるのが良い。また、互いに異なる場所に設けられたバルーンは、互いに異なる材料を用いていることができる。バルーンは、膨張性であっても良く非膨張性であっても良く又はこれら両方の組み合わせであっても良い。バルーン220は、一実施形態では、ドーナツ形状であり又は一観点では、円盤状である。バルーン220の寸法及び/又は配置場所は、トロカールをカニューレ216の所望の保持を患者の体に合わせて変化させるよう様々であって良い。
【0043】
引き続き
図18を参照すると、カップラ280は、カニューレ216に係合するよう寸法決めされると共に形作られている。例えば、図示の実施形態では、カップラ280は、カニューレ216の流体ドーム252の涙滴形状にマッチするよう変身した又は全体として涙滴形状の湾曲したプロフィールを有する。有利には、この合致したプロフィールにより、スリーブをカニューレ216に取り付けたときに締り嵌めを可能にすることができ、それによりこれら相互間の漏れの恐れが減少する。
【0044】
幾つかの実施形態では、近位端281のところのカップラの外面には、模様が付けられている。この粗い表面は、スリーブ218の接着剤の結合を容易にし、それによりスリーブ218は、バルーン220を完全にインフレートさせたときにカニューレ216から分離されるのが阻止される。例えば、粗加工された又は模様付きの表面は、複数本の比較的小さなチャネルを作ることができ、これらチャネルは、スリーブ218とカニューレ216の強固な接着剤結合部を作るようウィッキング又は毛管作用プロセスを介して化学的接着剤の流れを高める。望ましくは、カップラのところの模様付き又は粗加工表面により、スリーブ218は、もしそのようにしていなければ接着剤と結合するのが困難な場合のある材料から成ることが可能である。
【0045】
引き続き
図18を参照すると、スリーブ218の細長い管状本体282又はシャフトは、カップラ280から遠位側に延びている。このシャフトは、一様であり且つ薄壁のものであるが、保持ディスク222又は他のボルスタの摺動運動に耐えるに足るほど厚い。
【0046】
図19は、スリーブ218がカニューレ216上に位置決めされたカニューレ組立体210の遠位端を示している。有利には、ストレッチ吹込み成形法によって形成されたスリーブ218が細長い管状本体282の厚さt1の制御を高めることができ、それによりトロカールカニューレ組立体210の外径が最小限に抑えられ、その結果患者にとって小さな切開創サイズが得られる。幾つかの実施形態では、細長い管状本体282は、約0.008インチ(0.2032mm)〜約0.012インチ(0.3048mm)の厚さt1を有するのが良い。
【0047】
引き続き
図19を参照すると、図示のように、スリーブ218は、細長い管状本体282の遠位側に位置した非膨張性のインフレート可能なバルーン220を有している。バルーン220は、細長い管状本体282の厚さt1よりも小さい厚さt2を有するのが良い。有利には、ポリオレフィン材料をストレッチ吹込み成形してバルーン220を形成することにより、比較的小さな厚さの高強度材料が得られる。幾つかの実施形態では、バルーンは、約0.0005インチ(0.0127mm)〜0.002インチ(0.0508mm)の厚さを有するのが良い。或る特定の実施形態では、バルーンは、約0.0015インチ(0.0381mm)の厚さを有するのが良い。
【0048】
有利には、バルーン/シャフトインターフェースのところの急激な厚さの移行(変化)をストレッチ吹込み成形法により著しく軽減させ又はなくすことができる。望ましくは、ストレッチ吹込み成形法のバルーン厚さにおける比較的高度の制御は、カニューレ組立体の遠位端部に隣接したところの外径を最小限にするのにも寄与することができ、その結果、挿入力が減少する。
【0049】
図17を参照すると、スリーブ218は、その遠位端のところに面取り先導縁部298を有するのが良い。望ましくは、結合セグメント284の長手方向軸線に対する面取り先導縁部298の角度は、カニューレの遠位端とスリーブの遠位端との間に滑らかな移行部をもたらすよう選択されるのが良い。結合セグメント284が環状溝242内に位置決めされた状態で、結合セグメントの長手方向軸線は、カニューレの長手方向軸線に実質的に平行である。かかる滑らかな移行は、遠位端のところに全体として角のあるコーナー部を有するトロカールカニューレ組立体と比較して、トロカールカニューレ組立体にとっての挿入力の減少に寄与することができる。幾つかの実施形態では、面取り先導縁部298の角度は、結合セグメント284の長手方向軸線に対して約50°〜約65°であるのが良い。
【0050】
図17及び
図19は、スリーブ218がカニューレ216上に位置決めされたカニューレ組立体210の遠位端の切除詳細図である。幾つかの実施形態では、スリーブ218の遠位端283のところの結合セグメント284の外面288は、模様付きであり、それにより接着剤を保持することによるスリーブ218の接着剤の結合を助けると共に毛管作用プロセスによる接着剤のウィッキングによってスリーブとカニューレとの間における接着剤の流れを促進するための粗い結合面が得られる。幾つかの実施形態では、環状溝242の環状インターフェース表面274は、カニューレへのスリーブの結合を助けるために模様付きであり、例えば、小さなピット、溝又は粗い表面を備えている。幾つかの実施形態では、シアノアクリレート系瞬間接着剤とUV硬化接着剤の組み合わせが結合セグメント284を環状溝242に結合するスリーブ‐カニューレ結合部に使用することができる。他の実施形態では、他の接着剤、例えばシアノアクリレート系接着剤のみ若しくはUV硬化接着剤のみ又は別のタイプの接着剤を用いることができる。望ましくは、接着剤を実質的に環状溝242内に塗布するのが良く、その結果、カニューレ216の遠位端232がスリーブ218とカニューレ216との間に滑らかで低プロフィールの移行部を有することができるようにする。有利には、スリーブ218とカニューレ216との間の低プロフィール移行部は、カニューレ組立体210を手術部位内に位置決めするのに必要な沿う入力を減少させることができる。
【0051】
幾つかの実施形態では、接着剤290を主としてカニューレ本体240の環状溝242内に配置することによって低プロフィール移行を一層高めることができる。スリーブ218の結合セグメント284及びカニューレ216の環状溝242は、接着剤290を主として環状溝242内に配置するのを助けるような寸法形状のものであるのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、環状溝の環状面は、カニューレの長手方向軸線に沿って第1の長さl1を有し、結合セグメントは、カニューレの長手方向軸線に沿って第2の長さl2を有し、第2の長さは、第1の長さよりも短い。かくして、幾つかの実施形態では、環状溝242の環状インターフェース表面274は、係合セグメント291及び露出セグメント293を有するのが良い。係合セグメント291は、第2の長さl2で定められると共に結合セグメント284と係合するのが良い。露出セグメント293は、第1の長さl1と第2の長さl2の差によって定められるのが良い。露出セグメント293は、望ましくは、スリーブ218の結合セグメント284を環状溝242に対して維持するよう接着剤のビードを配置するのに十分な表面を提供するよう寸法決めされるのが良い。かくして、幾つかの実施形態では、接着剤290が結合セグメント284を環状溝242に結合するよう環状インターフェース表面274の露出セグメント293に少なくとも部分的に塗布されるのが良い。
【0052】
幾つかの実施形態では、スリーブ218は、環状溝242への結合セグメント284の接着に類似したシアノアクリレート系瞬間接着剤とUV硬化接着剤の組み合わせにより近位インターフェース表面280又はカップラのところでカニューレ216に接着されるのが良い。他の実施形態では、他の接着剤、例えばシアノアクリレート系接着剤のみ若しくはUV硬化接着剤のみ又は別のタイプの接着剤を用いることができる。
【0053】
保持ディスク
図21及び
図22は、カニューレ組立体210上に位置決め可能な保持ディスク222を示している。幾つかの実施形態では、カニューレ組立体210は、スリーブ218の細長い管状本体282周りでバルーン220の近位側に位置決めされた近位固定部材、例えば保持ディスク222を含む。トロカールカニューレ組立体210を体壁を通って手術部位のところに挿入した後、バルーン220をインフレートさせてトロカールカニューレ組立体210の位置を手術部位内に維持するのが良く、近位固定部材又は保持ディスク222は、トロカールカニューレ216が手術部位中へ一層前進するのを阻止することができる。
【0054】
図22に示されているように、保持ディスク222は、保持ディスク222を通る通路294を定める中央穴292を備えた全体として円形のディスクから成るのが良い。中心穴292の通路294は、内周部にリブ付きプロフィールを有するのが良い。リブ付きプロフィールは、複数個の環状溝296を含むのが良い。リブ付きプロフィールは、スリーブ218の細長い管状本体282の外面に摩擦係合するのが良く、その結果、保持ディスク222は、スリーブ218に沿って手動で摺動可能であるが、選択された位置に留まりがちである。
【0055】
幾つかの実施形態では、保持ディスク222は、弾性ポリマー材料、例えばKRATON(登録商標)材料で作られるのが良い。KRATON(登録商標)材料で作られた保持ディスク222は、スリーブ218の外面との所望レベルの摩擦係合をもたらすことができ、しかも、トロカールカニューレのユーザにとって人間工学的に心地よい軟質の且つ柔軟性のある感触を提供することができる。有利には、保持ディスク222の丸形コーナー部及び軟質材料は、トロカールを定位置に保持するための無外傷性手段となる。幾つかの実施形態では、保持ディスク222を射出成形法により形成することができる。有利には、単一の成形保持ディスク222を有するトロカールカニューレの実施形態は、製造上及び組立て上の効率を有することができ、しかも多数の組立て状態のコンポーネントを含むクランプ機構体に関して使いやすさを高めることができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、トロカールカニューレ組立体210は、トロカールカニューレ216が手術部位中へ一層前進するのを阻止するためにカニューレ本体240に沿う近位側への保持ディスク222の運動に抵抗するよう構成されているのが良い。例えば、カニューレ本体240の外面260は、これがカニューレ本体の近位端のところの外径に対して遠位端のところのこれよりも小さな外径を有するよう僅かなテーパを有するのが良い。かくして、保持ディスク222とスリーブ218との摩擦係合により生じる摩擦力は、保持ディスク222をトロカールカニューレ216に沿って近位側に摺動させているときに増大することができる。保持ディスク222は、トロカールカニューレ216を体壁に対して固定するために使用できる。締まり嵌め、リブ付きプロフィール、及びテーパ付きカニューレ216は、器械がカニューレ216内に挿入されるときに保持ディスク222がカニューレ本体240に沿って前進するのを阻止する。
【0057】
幾つかの実施形態では、弾性ポリマー材料から成る保持ディスク222は、張力下で貯蔵されると、クリープを呈する場合がある。有利には、カニューレ本体240の外面260が僅かなテーパを有する場合、使用前に、保持ディスク222は、保持ディスク222のクリープの発生を減少させるために用いられていないとき、比較的小さな外径を有する遠位端に隣接して位置決めされるのが良い。使用中、保持ディスク222をカニューレ216のシャフトに沿って上方に大きなカニューレ直径の領域まで近位側に前進させ、それによりディスク222の配置及び固定を可能にする。加うるに、かかるテーパ付きカニューレ本体240は、カニューレ本体240の製造性において別の利点を有する場合がある。例えば、かかるテーパ付きプロフィールは、カニューレ本体240が射出成形法で作られる実施形態では、金型からのカニューレ本体240の取り出しを容易にすることができる。
【0058】
他の実施形態では、カニューレ組立体210は、クランプ機構体を備えたボルスタ222′、例えば全体として円筒形又は円錐形の安定化部材を含むのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、カニューレ組立体210は、オキヒサ等(Okihisa et al.)に付与された米国特許第8,162,893号明細書(発明の名称:TOROCAR STABILITY ASSEMBLY)に記載された種々のクランプ機構体のうちの1つを含む安定化組立体を含むのが良い。なお、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0059】
状態調節補助具及びバルーン折り畳み
図20を参照すると、幾つかの実施形態では、トロカール組立体210は、バルーン220を本体240に対して収縮させると共にバルーン220を輸送中保護するための状態調節補助具224を含むのが良い。さらに、所要の挿入力がバルーン220のところのトロカールカニューレ組立体210の全体的外径と比例して変化することが観察できる。かくして、使用前において、小さな直径を有すると共にカニューレ216の遠位先端部244からバルーン220までの比較的に滑らかな移行部を有する挿入形態にバルーン220を折り畳むことによって挿入力を減少させることが望ましい場合がある。
【0060】
デフレート状態の又は挿入形態にある非弾性又は非膨張性バルーン220は、カニューレ本体240の外面260に自動的に同形化するわけではない。幾つかの実施形態では、バルーン材料は、皺になり、折り目及び/又はひだを形成する傾向を有する場合があり、しかも種々の箇所でカニューレ本体240の外面260から遠ざかって突き出る場合がある。非インフレート状態のバルーンが備える場合のある凸凹は、体壁を通る非インフレート状態の保持バルーン220の挿入中に抵抗をもたらす場合がある。バルーン220を挿入状態に折り畳むことにより、挿入に必要な力を減少させることができる。幾つかの実施形態では、挿入形態では、バルーン220は、カニューレ本体240に沿ってカニューレ216の近位端230に向かって折り畳まれる。バルーン220を近位端230に向かって折り畳むことにより、その結果として、挿入形態においてバルーン220に1つ又は2つ以上の折り目が作られる場合がある。例えば、幾つかの実施形態では、バルーン220を一段法で近位側に折り畳むことができ、他の実施形態では、バルーン220を当初、最初の折り畳みで遠位側に折り畳むのが良く、次に、第2の折り畳みで近位側に折り畳むのが良い。バルーン220をトロカール配置方向とは逆に折り畳むことによって、バルーンは、挿入力を減少させると共にバルーン直径方向プロフィールを低くするのを助ける。状態調節補助具224は、バルーン220を手術部位への挿入のためにトロカールカニューレ組立体210から取り外すまで、バルーン220を挿入形態に維持することができる。さらに、状態調節補助具224は、カニューレ組立体210のバルーン220及び/又は遠位先端部244を輸送中又は手術の際の使用に先立って、損傷しないよう保護することができる。
【0061】
有利には、トロカールカニューレ組立体は、状態調節補助具224がバルーン220上でこれに沿って送り進められてバルーンが成形可能な状態にあるときにバルーン220をカニューレ本体240に対して収縮させる場合、減少した直径及び比較的小さい挿入力を達成することができる。例えば、
図29及び
図30を参照して以下に更に説明するように、ストレッチ吹込み成形バルーンにより、状態調節補助具224をこのバルーンが残留熱を保持しているとき、バルーン220上でこれに沿って前進させるのが良い。成形可能な状態を持続する時間は、用いられる材料及びバルーン220の厚さに基づいて様々な場合がある。したがって、バルーン材料の温度及び/又はバルーンの成形からの経過時間をモニタしてバルーン220が成形可能な状態にあるときに状態調節補助具224の利用を保証することが望ましい場合がある。かくして、状態調節補助具224は、成形されたバルーン220が冷えているときにこのバルーン220を収縮させてカニューレに締着させるのが良い。有利には、バルーン220が成形可能な状態にある間にバルーン220を収縮させてこれをカニューレ本体に締着させて、同等のあらかじめ成形されたバルーンを折り畳んでこれをカニューレ本体に取り付けるやり方に対して、小さな外径を達成することができる。さらに、挿入力の一層の著しい減少は、バルーンが残留熱を保持している間であって状態調節補助具224をカニューレ本体上に位置決めする前にバルーン220を二段法(最初の遠位タック又は折り目の形成に続き、第2の遠位折り目を形成する)で折り畳んだ場合に観察できる。
【0062】
図20は、中空管状セグメントを有する状態調節補助具224を示している。図示の実施形態では、状態調節補助具224は、内径を備えた内面300を有する管材の一区分から成る。内面300の内径は、トロカールカニューレ組立体の折り畳みバルーン220上に滑り嵌めをもたらすよう寸法決めされている。図示の管状セグメント型状態調節補助具224は、望ましくは或る特定の製造上及び組立て上の効率をもたらすことができる比較的単純な構造のものである。他の実施形態では、状態調節補助具は、多くの形態、例えば、適当な内径の収縮管、キャップ、コーン又はコイルの形態を取ることができる。或る特定の実施形態では、状態調節補助具は、種々の材料で作ることができ、かかる材料としては、例えば、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック、金属及びガラスが挙げられる。幾つかの実施形態では、状態調節補助具は、全体として円錐形であるのが良く又は使用に先立って取り外しを容易にするようテーパ付き内面を有するのが良い。望ましくは、状態調節補助具は、状態調節を最適化すると共にバルーンの損傷を阻止するよう滑らかな内面を有するのが良い。
【0063】
一実施形態では、状態調節補助具224は、バルーン220を越える状態調節補助具224の近位側への運動を阻止するよう構成されていることが望ましい場合がある。幾つかの実施形態では、状態調節補助具224は、状態調節補助具224が近位側に動いてバルーン220を越えるのを阻止するよう近位端のところの直径よりも遠位端のところの直径が幾分小さいよう形作られており、その目的は、状態調節補助具224をバルーン220に取り付けた状態に維持することにある。他の実施形態では、状態調節補助具224は、状態調節補助具224が近位側に動くのを阻止する戻り止め又は突出部を有するのが良い。幾つかの実施形態では、カニューレ組立体210は、保持ディスク222又はボルスタ222′と状態調節補助具224との間に設けられていて、状態調節補助具224がバルーン220を越えて近位側に動くのを阻止するスペーサを更に含むのが良い。保持ディスク222又はボルスタ222′は、一実施形態では、バルーン220の近くに位置決めされ、或いは、状態調節補助具224は、状態調節補助具224がバルーン220を越えて近位側に動くのを阻止するよう保持ディスク222又はボルスタ222′に接触するほど十分長い。状態調節補助具224がバルーン220を越えて近位側に動くのを阻止することにより、状態調節補助具224がバルーン220との接触関係を失い、それにより圧力を失ってバルーン220及び先端部244の保護を失うのが阻止される。
【0064】
製造方法
図23〜
図30は、本明細書において説明したトロカールの製造方法の種々の実施形態を示している。本明細書において説明したカニューレ組立体210の実施形態は、予備成形されたスリーブ218を含むのが良い。幾つかの実施形態では、カニューレ216を射出成形法により適当な材料、例えばポリカーボネート又はポリエステル材料で作るのが良い。
【0065】
図29を参照すると、カニューレ組立体210を製作する方法が示されている。幾つかの実施形態では、ポリオレフィン熱収縮管のロールを区分又はブランクに切断し、次にこれを加熱してこの管を収縮させてカニューレ216よりも僅かに大きい取り付けサイズまで小さくする。次に、スリーブ218をカニューレ216に嵌めた状態で位置決めする(402)。僅かに大きめのスリーブ218をカニューレ216上にいったん取り付けると、スリーブ218を加熱して(416)、収縮させ、それによりカニューレ本体240の外面260に締着させるのが良い。例えば、スリーブの細長い管状本体282を取り付けのためにライン・ツー・ライン(line-to-line)で形成するのが良く、次に、僅かに加熱してこれを収縮させ、それによりカニューレ本体240の外面260に締着させるのが良い。スリーブ218をカニューレ216に嵌めた状態で位置決めする(402)。スリーブ218を前進させるのが良く、次に、スリーブ218の近位インターフェース区分280がカニューレ216の流体入口ポート226周りに位置決めされると共にスリーブ218の結合セグメント284が環状溝242内に位置決めされる(412)。
【0066】
図29を参照すると、幾つかの実施形態では、スリーブがカニューレ216上にいったん位置決めする(402)と、スリーブ218を近位端281のところで切り落とし、次に遠位端283のところで切断し、それにより面取り先導縁部298を形成し又は作るのが良い。
【0067】
図29を参照すると、予備成形スリーブ218をいったんカニューレ216上でこれに沿って前進させると共にスリーブ218の結合セグメント284をカニューレ216の環状溝242内に位置決めすると、スリーブ218をカニューレ216に連結し又は結合する(410)のが良い。例えば、幾つかの実施形態では、スリーブ218の近位端281及びスリーブ218の遠位端283を各々、カニューレ216に結合する(410)。幾つかの実施形態では、スリーブ218の近位インターフェース区分280をカニューレ216の近位端230に隣接して位置する場所に接着し、結合セグメント284を環状溝242に接着する。例えば、シアノアクリレート系接着剤及びUV硬化結合接着剤のうちの1つ又は2つ以上を用いてスリーブ218をカニューレ216に結合するのが良い。
【0068】
保持ディスク222をスリーブ218の外面周りでバルーン220の近位側に位置決めするのが良い。保持ディスク222をスリーブ組立部品214に取り付けると、取り付け具を用いてディスク222を僅かに拡張してこれをバルーン220上に取り付けると共に考えられるバルーン220の損傷を回避するのが良い。
【0069】
引き続き
図29を参照すると、いったんスリーブ218をカニューレに嵌めた状態で位置決めし(402)、そしてこれに結合する(410)と、次に、この組立部品を結合部位の近位側に位置する遠位端のところで局所的に加熱する(412)。加熱される材料の量は、直接バルーンの形成を開始させ、バルーンの壁厚を定める。壁厚の優れた制御は、バルーンに形成されるべき管の区分に熱を送り出す発熱体の適当な幅を選択することによって達成できる。例えば、幅が0.200インチ(5.08mm)である発熱体は、周囲壁厚が0.0015インチ(±0.0005インチ)のバルーンを首尾一貫して作る。他の実施形態では、異なるサイズの発熱体は、スリーブ218の遠位端を局所的に加熱して互いに異なる厚さのバルーンを形成することができる。
【0070】
スリーブをいったん局所的に加熱する(412)と、インフレーション流体をスリーブ218に適用して、結合部の近位側でスリーブ218の遠位端に隣接してバルーンを形成する(418)。
図23は、バルーン220の形成の仕方を概略的に示している。幾つかの実施形態では、バルーンは、全体として円形のディスク形状に形成されるのが良い。他の実施形態では、バルーンは、全体としてトロイド形又はドーナツ形のバルーンに形成されるのが良い。他の実施形態では、バルーン220は、他の形状、例えば全体として切頭円錐形プロフィール又は別の丸形プロフィールを有する状態で形成されるのが良い。有利には、バルーン形状のこの制御は、器具の全体的作業距離を最大にすることができる。さらに、丸形バルーン形状及び軟質材料は、トロカール組立体210を定位置に保持するための無外傷性手段となる。
【0071】
バルーンをいったん形成すると、バルーンを状態調節してバルーンを収縮させ、これをカニューレに締着させる(424)。例えば、
図24に示されているように、バルーン220をスリーブ218の細長い管状本体282に沿ってカニューレ216の遠位端230に向かって挿入形態に折り畳むのが良い。上述したように、挿入力の著しい減少は、バルーンを二段法(バルーンが残留熱を保持している間、最初の遠位タック又は折り目の形成に続き、第2の遠位タック又は折り目を形成する)で折り畳んだ場合に観察できる。望ましくは、バルーンが局所化熱からの熱を保持しているときにバルーンを状態調節して(424)バルーンの収縮具合を高めるのが良い。
図30に示されているように、幾つかの実施形態では、次に、状態調節補助具224をバルーン220上でこれに沿って前進させて(426)バルーン220を使用されるまで折り畳み状態に保ち、そしてカニューレ遠位先端部244からバルーン220への滑らかな移行状態を保持するのが良い。
図25及び
図26は、状態調節補助具によるかかる状態調節の仕方を概略的に示している。状態調節補助具224の内面は、望ましくは、バルーン220を収縮させてこれをカニューレ本体240に締着させるよう寸法決めされた内径D3を有している。
【0072】
幾つかの実施形態では、最終のスリーブ組立部品214の形態(
図13)では、状態調節補助具224をカニューレ216の遠位端232に当てて扁平にした状態で保持ディスク222をカニューレ216の遠位端232の相対的に近くに配置する。保持ディスク222は、アンカーとして働き、この保持ディスクは、状態調節補助具224が使用前にバルーン220を越えて近位側に摺動するのを阻止する。同様に、カニューレ216の遠位端232に隣接した位置で、保持ディスク222をカニューレ本体240の比較的小さな直径のところに配置して使用前の内径を引き伸ばすのを回避するのが良い。
【0073】
種々のバルーン220を折り畳む技術を用いて比較的直径方向に低いプロフィールをもたらしてトロカールカニューレ組立体の挿入力を減少させるのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、バルーン220を単一の折り畳みステップで近位側にそれ自体折り畳むのが良い。状態調節補助具224を用いてバルーン220を保持ディスク222又はボルスタ222′に押し付けるのが良く又は保持ディスク222又はボルスタ222′に向かって押すのが良く、それによりバルーン220は、近位側の方向にそれ自体折り畳まれる。他の実施形態では、以下に更に説明するように、バルーン220を二段法で折り畳むのが良く、最初の遠位側の折り目を作り、次に近位側の折り目を作る。トロカールカニューレ組立体の製造方法に含まれるべきバルーン折り畳み技術は、所望の挿入力及び製造性の容易さをもたらすよう選択されるのが良い。望ましくは、挿入力の一層の減少は、二段折り畳み法をバルーンが成形可能な状態にあるときに実施すれば、達成できる。
【0074】
幾つかの実施形態では、空気の排出後に又は空気の排出中、スリーブ又はコーン(例えば、ボルスタ基部)が設けられていないトロカールの保持ディスク222又はボルスタ222′を滑らせ又は押してバルーン220の近位端に当て、それにより力をトロカールカニューレ216の近位端230から遠ざかって遠位側に押し又は加える。ボルスタの遠位端306を
図25に概略的に示されているように、バルーン220の近位端308に隣接して位置決めするのが良い。状態調節補助具224を用いてバルーン220を保持ディスク222又はボルスタ222′に押し付けるのが良く又は保持ディスク222又はボルスタ222′に向かって押すのが良く、それによりバルーン220は、近位側の方向にそれ自体折り畳まれる。バルーン220に対する状態調節補助具224の圧縮力は、状態調節補助具224がバルーン220上をこれに沿って滑っているときに続く。この摺動運動により、
図25及び
図26に概略的に示されているように、バルーン220が十分に圧縮されて好ましい圧縮状態になる。状態調節補助具224は、直線運動又は僅かなねじり運動を用いて前進させることができ、それにより相対的に低いバルーン挿入プロフィールが提供される。保持ディスク222又はボルスタを状態調節補助具224が定位置にあって折り畳みバルーン220に全体を覆っているとき、近位側に動かすのが良い。状態調節補助具224をバルーン220に被せて、特にバルーン220の折り目を覆って配置することにより、バルーン220の折り目が維持されると共に/或いはバルーン220からの空気の排出が維持される。一実施形態では、取り外し可能な基部支持体をカニューレ216に取り外し可能に取り付けてバルーン220の近位端を押すための支持体として用いる。
【0075】
図27及び
図28に概略的に示されているように、滅菌310をバルーン220に及ぼし又は適用し、例えば、ガンマ滅菌をバルーン220に施すことにより、バルーン220は、カニューレ216に当たって折り畳まれた状態が更に維持され、しかもカニューレ216の外面に当てられ又はこれに向かって扁平にされ又は平べったくされるべきバルーン220の外側プロフィールが一層減少する。その結果得られるバルーン220のインフレーション形態が
図28に概略的に示されている。
【0076】
滅菌310プロセスは、或る特定の実施形態では、電子ビーム、ガンマ線又は熱を含むのが良い。照射は、所定の状態、寸法及び形状への折り畳み材料の「硬化」をもたらす。圧縮状態のバルーン220の材料は、このプロセス中、部分的に架橋される場合がある。熱を加えることができる状態では、スリーブ218のために熱収縮可能な材料を用いることができ、それにより滑り嵌め状態の状態調節補助具224を非インフレート状態のバルーン上でこれに沿って摺動させることと関連した摩擦なしにバルーン220が圧縮される。照射プロセス320は、一実施形態では、バルーン220との組立て状態のトロカールカニューレ216及びスリーブ218が外科的使用のために滅菌される滅菌プロセスを含むのが良い。
【0077】
真空、注射器又は他の空気排出器具を用いて流体をバルーンから除去するのが良い。一実施形態では、キャップがトロカールカニューレ組立体210の逆止弁228を覆うのが良く、それによりバルーン220からの流体の排出の維持を容易にすると共にバルーン220内への周囲空気のしみこみを阻止する。状態調節補助具224によるバルーン220の圧縮又は絞りは、空気の排出の維持を容易にすると共にバルーン220内への周囲空気のしみこみを阻止する。バルーン付きトロカールカニューレ組立体210を回してこれにトルクを加えて使用中体腔又は切開創に当てると、バルーン220は、破裂する場合がある。バルーン220の折り畳みは、バルーン220の破裂の恐れを高めることはなく、しかも挿入中におけるバルーン220の潜在的な損傷を阻止する。一実施形態では、状態調節補助具224の滅菌中及び/又は滅菌後及び/又は取り出しに先立って、状態調節補助具224がバルーン220上に配置され又はバルーン220上に位置したままである間、注射器又は他の空気排出器具を更に利用して空気をバルーンから除去する。
【0078】
図31を参照すると、図示のように、バルーンが成形可能な状態にある間に利用される状態調節補助具224を含むバルーン付きトロカール(点線でプロットされている)の幾つかの実施形態は、状態調節補助具が設けられていない状態で形成されたバルーンを有する同等なバルーン付きトロカール(実線としてプロットされている)と比較して減少した挿入力のプロフィールを有することができる。
図31は、種々の例示のバルーン付きトロカールカニューレの挿入力と挿入深さ(プロットした挿入力プロフィールの上方に概略的に示されたカニューレに沿う基準位置と比較して)の関係を示している。照明されている線は、面取り先導縁部298を備えると共に本明細書において更に説明した状態調節補助具224を備えたバルーンを含む例示のトロカールカニューレ組立体に関して、これらの観点を備えていない例示のバルーン付きトロカールカニューレと比較した場合の挿入力の局所最大値又は「ピーク」の減少を示している。例えば、基準位置5では、局所挿入力の最大値を状態調節補助具を備えたバルーンによって減少させることができる。挿入力最大値における或る特定の有利な減少は、これら観点のうちの一方又は両方を有するバルーン付きトロカールカニューレによって達成できることが想定される。
【0079】
本願は、或る特定の好ましい実施形態及び実施例を開示しているが、当業者であれば、本発明は、具体的に開示した実施形態を越えて他の変形実施形態及び/又は本発明の使用並びに本発明の明らかな改造例及び均等例に及ぶことは、理解されよう。さらに、本発明の種々の特徴を単独で又は上記において明示的に説明した本発明の特徴以外の本発明の他の特徴と組み合わせて利用できる。かくして、本明細書に開示した本発明の範囲は、上述の特定の開示した実施形態によって制限されることはなく、以下の特許請求の範囲の公正な読みによってのみ定められるべきである。