(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明者らは、集中化されていないスケジューラを用いる分散された調整のための方法を発明した。
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、集中化されていないスケジューラを用いる分散されたリソースおよび空間的な調整の方法を開示する。基地局における各スケジューラは、そのスケジューリング決定を担当し、他の基地局における他のスケジューラから分散されたスケジュールを考慮に入れる。
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、それぞれセルをカバーする複数の基地局を持つネットワークにおける通信をスケジューリングする方法を開示する。方法は、少なくとも1つのユーザ機器(UE)からのチャネル状態情報に基づいて、第1の基地局によって、第1の調整行列を取得するステップであって、第1の調整行列は、第1の基地局に対するサブバンド送信に関連するスケジューリング情報および第1の重みを示すステップと、複数の基地局の少なくとも別の基地局に第1の調整行列を送信するステップと、第1の基地局によって、少なくとも別の基地局から第2の調整行列を受信するステップであって、第2の調整行列は、第2の基地局に対するサブバンド送信に関連する第2の重みを示すステップと、第1の基地局によって、関連する第1の重みが関連する第2の重みより大きいサブバンドで送信するステップと、を含む。
【0007】
例示的な実施形態では、方法は、少なくとも1つのUEからのフィードバックに基づいて、第1の重みを決定するステップであって、フィードバックは、プリコーディング行列インジケータ(PMI:precoding matrix indicator)と、チャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)と、ランク・インジケータ(RI:rank indicator)フィードバックとの少なくとも1つを含むステップを含む。
【0008】
例示的な実施形態では、第1の重みを決定するステップは、バッファ状態と、ネットワーク負荷と、ユーザ優先度と、トラフィック優先度と、コスト指数との少なくとも1つにさらに基づく。
【0009】
例示的な実施形態では、第1の重みを決定するステップは、運用、管理、および保守(OAM:operations, administration and management)から重み関数を受信するステップを含み、第1の重みは、重み関数に基づく。
【0010】
例示的な実施形態では、重み関数は、複数の基地局に優先度を割り当てる。
【0011】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のプリコーディング行列インジケータと、少なくとも別の基地局に関連する望ましくないプリコーディング行列インジケータとを示している。
【0012】
例示的な実施形態では、第2の調整行列は、第2のプリコーディング行列インジケータを示している。
【0013】
例示的な実施形態では、方法は、第2のプリコーディング行列インジケータの1つが、望ましくないプリコーディング行列インジケータの1つに一致するサブバンドでスケジューリング情報を調整するステップをさらに含む。
【0014】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のUE IDと、少なくとも別の基地局に関連する望ましくないUE IDとの少なくとも1つを示している。例示的な実施形態では、第2の調整行列は、第2のUE IDを示している。
【0015】
例示的な実施形態では、方法は、第2のUE IDの1つが、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満である望ましくないUE IDの1つに一致するサブバンドでスケジューリング情報を調整するステップをさらに含む。
【0016】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1の送信電力レベルと、少なくとも別の基地局に関連する望ましくない送信電力レベルとの少なくとも1つを示している。
【0017】
例示的な実施形態では、第2の調整行列は、第2の送信電力レベルを示している。
【0018】
例示的な実施形態では、方法は、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満であるスケジューリング情報を調整するステップであって、スケジューリング情報は、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満であるサブバンドに対する送信電力レベルを示しているステップをさらに含む。
【0019】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のプリコーディング行列インジケータと、少なくとも別の基地局に関連する望ましいプリコーディング行列インジケータとを示している。
【0020】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のUE IDと、少なくとも別の基地局に関連する望ましいUE IDと、を示している。
【0021】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1の送信電力レベルと、少なくとも別の基地局に関連する望ましい送信電力レベルとを示している。
【0022】
例示的な実施形態では、方法は、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満であるサブバンドでスケジューリング情報を調整するステップをさらに含む。
【0023】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、他の基地局から直接ではない情報に基づく。
【0024】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、少なくとも1つのユーザ機器(UE)からのチャネル状態情報に基づいて第1の調整行列を取得するように構成されたメモリおよびプロセッサを含む基地局であって、第1の調整行列は、基地局に対するサブバンド送信に関連するスケジューリング情報および第1の重みを示す基地局と、複数の基地局の少なくとも別の基地局に第1の調整行列を送信するように構成された送信機と、少なくとも別の基地局から第2の調整行列を受信するように構成された受信機であって、第2の調整行列は、第2の基地局に対するサブバンド送信に関連する第2の重みを示し、送信機は、関連する第1の重みが関連する第2の重みより大きいサブバンドで送信するようにさらに構成された受信機とを開示する。
【0025】
例示的な実施形態では、プロセッサは、少なくとも1つのUEからのフィードバックに基づいて第1の重みを決定するように構成され、フィードバックは、プリコーディング行列インジケータ(PMI)と、チャネル品質インジケータ(CQ1)と、ランク・インジケータ(RI)フィードバックとの少なくとも1つを含む。
【0026】
例示的な実施形態では、プロセッサは、バッファ状態と、ネットワーク負荷と、ユーザ優先度と、トラフィック優先度と、コスト指数との少なくとも1つにさらに基づいて決定するように構成される。
【0027】
例示的な実施形態では、プロセッサは、OAMからの重み関数に基づいて第1の重みを決定するように構成され、第1の重みは、重み関数に基づく。
【0028】
例示的な実施形態では、重み関数は、複数の基地局に優先度を割り当てる。
【0029】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のプリコーディング行列インジケータと、少なくとも別の基地局に関連する望ましくないプリコーディング行列インジケータとを示している。
【0030】
例示的な実施形態では、第2の調整行列は、第2のプリコーディング行列インジケータを示している。
【0031】
例示的な実施形態では、プロセッサは、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満であるスケジューリング情報を調整するように構成され、スケジューリング情報は、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満であるサブバンドに対する送信電力レベルを示している。
【0032】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のUE IDと、少なくとも別の基地局に関連する望ましくないUE IDとの少なくとも1つを示している。
【0033】
例示的な実施形態では、第2の調整行列は、第2のUE IDを示している。
【0034】
例示的な実施形態では、プロセッサは、第2のUE IDの1つが、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満である望ましくないUE IDの1つに一致するサブバンドでスケジューリング情報を調整するように構成される。
【0035】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1の送信電力レベルと、少なくとも別の基地局に関連する望ましくない送信電力レベルとの少なくとも1つを示している。
【0036】
例示的な実施形態では、第2の調整行列は、第2の送信電力レベルを示している。
【0037】
例示的な実施形態では、プロセッサは、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満であるサブバンドの送信電力レベルに対してスケジューリング情報を調整するように構成される。
【0038】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のプリコーディング行列インジケータと、少なくとも別の基地局に関連する望ましいプリコーディング行列インジケータとを示している。
【0039】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1のUE IDと、少なくとも別の基地局に関連する望ましいUE IDとを示している。
【0040】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、第1の基地局に関連する第1の送信電力レベルと、少なくとも別の基地局に関連する望ましい送信電力レベルとを示している。
【0041】
例示的な実施形態では、プロセッサは、関連する第1の重みが関連する第2の重み未満であるサブバンドでスケジューリング情報を調整するように構成される。
【0042】
例示的な実施形態では、第1の調整行列は、他の基地局から直接ではない情報に基づく。
【0043】
例示的な実施形態について、添付の図面に関連して提供する以下の詳細な説明からより明白に理解されるであろう。
図1〜
図3は、本明細書に記述されるような限定を目的としない例示的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
ここで、様々な例示的な実施形態について、一部の例示的な実施形態を示した添付図面に関してより完全に記述する。
【0046】
したがって、例示的な実施形態は、様々な変更および代替形式が可能であるが、その実施形態は、一例として図面に示され、本明細書に詳細に記述されるであろう。しかし、例示的な実施形態を開示された特定の形式に制限する意図はなく、それとは反対に、例示的な実施形態は、特許請求の範囲内に当てはまる変更、等価物、および代替案をすべて包含することを理解されたい。同様の番号は、図の記述の全体にわたって同様の要素を指している。
【0047】
第1、第2などの用語は、様々な要素を記述するために本明細書で使用することができるが、これらの要素は、これらの用語によって限定するべきでないことを理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素は第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連するリストに記載されたアイテムの1つまたは複数の一部またはすべての組合せを含む。要素が別の要素に「接続される(connected)」または「結合される(coupled)」と言及された場合、他の要素に直接的に接続または結合することが可能であり、または介在する要素が存在する場合があることを理解されるであろう。これとは対照的に、要素が別の要素に「直接的に接続される(directly connected)」または「直接的に結合される(directly coupled)」と言及された場合、介在する要素は存在しない。要素間の関係を記述するために使用される他の言葉は、同様に解釈されるべきである(たとえば、「の間(between)」と「直接的に間に(directly between)」、「隣接する(adjacent)」と「直接的に隣接する(directly adjacent)」など)。
【0048】
本明細書に使用する用語は、特定の実施形態についてのみ記述することを目的とするものであり、例示的な実施形態に限定することを意図するものではない。本明細書に使用する場合に、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、そうでないことが文脈に明白に示されていない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書に使用する場合、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、および/または「含んでいる(including)」という用語は、記述された機能、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を示すものであるが、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在や追加を排除するものではないことをさらに理解されるであろう。
【0049】
また、一部の代替実装では、示された機能/行為を図に示したのとは異なる順に実施できることに注意されたい。たとえば、関与する機能/行為に依存して、連続して示された2つの図は、実際には、実質的に同時に実行することができるし、または場合によっては逆順に実行することができる。
【0050】
特に定義しない限り、本明細書に使用するすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野において当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持っている。用語、たとえば一般に使用される辞書に規定されているものは、関連する技術分野の文脈における意味に一致する意味を持つものと解釈するべきであり、特に本明細書に規定されていない限り、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されるものではないことをさらに理解されるであろう。
【0051】
例示的な実施形態および対応する詳細な記述の部分は、ソフトウェア、またはアルゴリズムおよびコンピュータ・メモリ内のデータ・ビットの動作を記号で表現したものに関して示したものである。これらの記述および表現は、当業者が他の当業者に仕事の本質を効果的に伝達するものである。本明細書で使用し、一般的に使用されるアルゴリズムという用語は、望ましい結果につながる首尾一貫した連続したステップであると考えられる。ステップは、物理量の物理的な操作を必要とするものである。通常、必須ではないが、これらの量は、格納、転送、組合せ、比較、または操作可能な光学的、電気的、または磁気的な信号の形をとる。これらの信号は、主に一般的に使用する理由から、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などと呼ぶことが、時には便利であると分かっている。
【0052】
以下の記述では、説明的な実施形態について、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装し、既存のネットワーク要素または制御ノードで既存のハードウェアを使用して実装できる、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むプログラム・モジュールまたは機能プロセスとして実装できる(たとえば流れ図の形式の)動作の行為および記号表現を参照して記述する。そのような既存のハードウェアは、1つまたは複数の中央制御装置(CPU:Central Processing Unit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)コンピュータなどを含むことができる。
【0053】
特に別記しない限り、または考察から明白でない限り、「処理」または「コンピューティング」または「計算」または「決定」または「表示」などの用語は、コンピュータ・システムのレジスタおよびメモリ内の物理的な電子量として表されたデータを操作し、コンピュータ・システムのメモリもしくはレジスタ、または他のそのような情報記憶装置、伝送デバイスもしくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータへと変形するコンピュータ・システム、または同様の電子計算デバイスの動作およびプロセスを指すものである。
【0054】
本明細書に開示するように、「記憶媒体」、「記憶ユニット」、または「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュ・メモリ・デバイス、および/または情報を格納するための他の有形の機械可読媒体を含む、データを格納するための1つまたは複数のデバイスを表すことができる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、限定しないが、携帯形または固定された記憶デバイス、光学記憶デバイス、および命令および/またはデータを格納し、含み、または運ぶことができる様々な他の媒体を含むことができる。
【0055】
さらに、例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合せによって実装することができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実装された場合、必要なタスクを実行するためのプログラム・コードまたはコード・セグメントは、コンピュータ可読記憶媒体などマシンまたはコンピュータ可読媒体に格納することができる。ソフトウェアに実装された場合、1つまたは複数のプロセッサは、必要なタスクを実行する。
【0056】
コード・セグメントは、手続き、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、または命令、データ構造、もしくはプログラム文の任意の組合せを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引き数、パラメータ、またはメモリ内容を渡すかつ/または受信することにより、別のコード・セグメントまたはハードウェア回路に接続され得る。情報、引き数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ受け渡し、トークン・パッシング、ネットワーク伝送などを含む、任意の適切な手段を介して、渡す、転送する、または伝送され得る。
【0057】
本明細書で使用する場合、「ユーザ機器」または「UE」という用語は、ユーザ機器、移動局、モバイル・ユーザ、アクセス端末、モバイル端末、ユーザ、加入者、ワイヤレス端末、端末、および/または遠隔局と同意語の場合があり、ワイヤレス通信ネットワークにおけるワイヤレス・リソースのリモート・ユーザを記述する場合がある。したがって、UEは、ワイヤレス電話、ワイヤレスに装備されたラップトップ、ワイヤレスに装備された装置などの場合がある。
【0058】
「基地局」という用語は、1つまたは複数のセルサイト、基地局、ノードB、拡張されたノードB、アクセス・ポイント、および/または無線周波数通信の終点として理解することができる。現在のネットワーク構造は、モバイル/ユーザ・デバイスとアクセス・ポイント/セルサイトとの区別を考慮することができるが、以下に記述した例示的な実施形態は、また、たとえばアドホックおよび/または網目状ネットワーク構造など、その区別がそれほど明瞭でない構造に一般的に適用することができる。
【0059】
基地局からUEへの通信は、典型的には、ダウンリンクまたは順方向リンク通信と呼ばれる。UEから基地局への通信は、典型的には、アップリンクまたは逆方向リンク通信と呼ばれる。
【0060】
サービスを提供する基地局は、現在UEの通信ニーズを処理している基地局を表すことができる。
【0061】
図1は、例示的な実施形態によるシステムを示している。ワイヤレス通信システム100は、たとえば、ロングターム・エボリューション(LTE)プロトコルに従う場合がある。例示的な実施形態は、LTEに制限されていないことを理解されたい。
【0062】
ワイヤレス通信システム100は、第1のeNB110Aと、第2のeNB110Bと、第3のeNB110Cと、第1のUE122を含む複数のユーザ機器(UE)120と、第2のUE124と、第3のUE126と、第4のUE128と、ゲートウェイ/MME130とを含む。各eNB110A〜110Cは、単一のセルまたは複数のセルの場合がある有効範囲領域を持つことができる。ゲートウェイ/MME130は、それぞれの機能を達成するためにともに動作する、1つまたは複数のプロセッサと、関連するメモリとを含むことができる。ゲートウェイ/MME130は、1つまたは複数のモビリティ管理エンティティ(MME)、ホームeNBゲートウェイ、セキュリティ・ゲートウェイ、および/または1つもしくは複数の運用、管理、および保守(OAM:operations,administration and management)ノード(図示せず)を含むことができる。説明に便利なように、ゲートウェイ/MME130は、単一のノードとして示されているが、しかし、ゲートウェイ/MME130は、個別のノードとして表され得ることを理解されたい。
【0063】
ワイヤレス通信システム100は、そこに図示されている機能に制限されないことに注意されたい。これらの機能は、例示的な実施形態の説明のために示されている。ワイヤレス通信システム100は、ホーム加入者サーバ(HSS)、オフラインの課金システム(OFCS)、サービスを提供するゲートウェイ(S−GW)、および公衆データ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P−GW)など一般的なLTE機能を含むことができることを理解されたい。
【0064】
UE120は、第1のeNB110Aと、第2のeNB110Bと、第3のeNB110Cとの少なくともそれぞれ1つとワイヤレス通信をすることができる。UE120は、たとえば、モバイル電話、スマートフォン、コンピュータ、または携帯情報端末(PDA)の場合がある。第1のeNB110Aと、第2のeNB110Bと、第3のeNB110Cとは、X2インターフェースを通じて相互に通信する。より具体的には、第1のeNB110Aおよび第2のeNB110Bは、X2インターフェースX
ABを通じて通信し、第3のeNB110Cおよび第2のeNB110Bは、X2インターフェースX
BCを通じて通信し、第1のeNB110Aおよび第3のeNB110Cは、X2インターフェースX
ACを通じて通信する。
【0065】
X2インターフェースは、3GPP基準によって定義されている。したがって、簡潔さのために、X2インターフェースX
ABと、X
BCと、X
ACとについて、より詳しくは記述しない。
【0066】
ゲートウェイ/MME130は、それぞれS1インターフェースS1
Aと、S1
Bと、S1
Cとを通じて、第1のeNB110Aと、第2のeNB110Bと、第3のeNB110Cと通信する。
【0067】
eNB110A〜110Cは、分散された調整を実行するように構成される。
【0068】
各基地局(たとえばeNB110A〜110C)は、制約として調整ポリシーを用いて独立してスケジューリング決定を実行する。各基地局は、既知のアルゴリズムを使用して制約なく、比例して公平な最大のC/I(搬送波対干渉波比)アルゴリズムなど仮のスケジューリング・アルゴリズムを実行する。リソース割り当て、サービスを提供するeNBのプリコーディング・ベクトル、および協調セットの隣接eNBからのコンパニオン・プリコーディング行列インジケータ(PMI)など、スケジューリング決定は、隣接するeNBの間で交換される。各eNBは、オペレータによってOAMインターフェースを通じて調整ポリシーが供給される。
【0069】
各eNB110A〜110Cは、リソースおよび空間的な調整の一般的な目標を達成するために、隣接セルからの調整ポリシーおよびスケジューリング決定に基づいてスケジューリング・アルゴリズムを再計算する。
【0070】
調整ポリシーは、リソースおよび空間的な調整に対する各eNBの制御関数、およびスケジューリング行列の計算に組み込まれるCoMP協調セットの各eNBの重み関数W
i,j,cを定義し、iは、サブフレーム・インデックスであり、jは、サブバンド・インデックスであり、cは、セルである。隣接セルの信号強度が構成されたしきい値を超えているとUEが報告する場合、協調セットが定義される。例として
図1を使用すると、eNB110A〜110Cは、協調セットと考えられ得る。
【0071】
理解されるように、サブバンドは、その中で特定の形式に従って配置された情報ビットを含むフレームが伝達される、運用しているシステムの帯域幅の一部である。サブフレームは、フレームの一部である。サブフレームおよびサブバンドの組合せは、リソース・ブロック・ペアの組である。
【0072】
リソース割り当ておよびプリコーディング行列など他のスケジューリング決定を用いる重み関数W
i,j,cは、協調セットのeNBの間で交換される情報要素で指定される。制御関数は、事前に供給された調整ポリシーに従うようにCoMP協調セットの各eNBに強制する。制御関数は、スケジューラの間の調整のためのクラスタのすべてのeNBに対するルールの組である。たとえば、制御関数は、クラスタのeNBの中でランクが生成されるラウンドロビン・ルールに従うことができる。最高ランクのeNBは、最初にリソースを割り当て、次いで、2番目に高くランク付けられたeNBというように、所与のサブフレームに対して最低ランクを用いる最後のeNBまでリソースを割り当てる。次のサブフレームで、第1のeNBは、ランクの最下部に移動し、他のすべてのeNBは、1ランク上に移動する。調整ポリシーは、たとえば、OAMによって整列されたCoMPクラスタの各eNBに対して同じ場合があり、そうでない場合、重み付けの解釈は、eNBの中で多様な場合がある。制御および重み関数W
i,j,cは、トラフィック到着およびシステム負荷など変数の時間変化関数の場合がある。
【0073】
CoMP調整スケジューリング/ビームフォーミングに対する分散された調整は、協調セットの各eNBからの調整ポリシーおよび最初の予備的なスケジューリング決定に基づく。制御関数は、協調セットの各eNB110A〜110Cからスケジューリング行列およびチャネル状態情報を受信した後に、各eNBが従うべきルールを定義する。
【0074】
分散された調整では、各eNB110A〜110Cは、スケジューリングのための制約としてスケジューラ・アルゴリズムに協調セットの隣接セルから最初のスケジューリング行列と、UEフィードバック(CQI/PMI/RIおよびコンパニオンPMIなど)と、重み関数W
i,j,cとを組み込む。
【0075】
eNB110A〜110Cは、CoMP協調セットからの複数のスケジューリング行列が受信された場合、各スケジューリング・インスタンスでスケジューリング行列の優先度を決定するために重み関数W
i,j,cを使用する。分散された調整の重み関数W
i,j,cは、リソースおよび空間的な調整に対してスケジューリング決定において誰がより高い優先度を持つかを決定するために各eNB110A〜110Cによって使用される。協調セットのスケジュールされたサブバンドに対して最高の重みを用いるeNBは、そのリソース割り当ておよびプリコーディング・ベクトルの個別設定を保持する。
【0076】
より低い重みを用いるeNBは、より高い重みを用いるeNBへの干渉を最小限にするために、リソース割り当て、プリコーディング・ベクトル、および/または送信された電力を調整するスケジューリング行列を調整する。
【0077】
重み関数W
i,j,cは、リソースまたは空間的な調整なく達成可能な割合の関数である。
【0079】
達成可能な割合R
i,j,cは、所与の送信電力および干渉を用いるUEのCQI/PMI/RI(チャネル品質インジケータ/プリコーディング行列インジケータ/ランク・インジケータ)フィードバックから得られる。デルタ関数Δ
cは、バッファ状態(B)、システム負荷(L)、ユーザ優先度(U)、トラフィック優先度(T)、およびコスト指数(C)など、堅牢なトラフィック到着および異なるタイプのユーザに対する追加の関数である。
Δ=g(B,L,U,T,C)
【0080】
達成可能な割合と、重み関数と、デルタ関数とは、各eNBでスケジューラによって得られる。
【0081】
デルタ関数Δ
cは、トラフィック到着およびシステム負荷に基づく時間変化関数の場合がある。デルタ関数Δ
cは、セル負荷がオペレータによって構成されたしきい値を超えている場合、リソースおよび空間的な調整においてより高い優先度を得るためのステップ増加関数の場合がある。デルタ関数Δ
cは、また、好ましいユーザに対する余分なボーナスの重みとして定義され得る。
【0082】
重み関数W
i,j,cは、OAMによりベンダーまたはオペレータによって指定され得る。必要な場合、そのような重み関数W
i,j,cは、より良好な有効範囲またはUE経験のために特定のセルを優先するまたは優先しないために、セル固有の方法で指定され得る。たとえばPFタイプの重み関数、上限が制限された重み関数など、異なる優先度戦略を促進するために、異なるタイプの重み関数W
i,j,cがOAMによって提供され得る。
【0083】
CS/CB(調整されたスケジューリングまたは調整されたビームフォーミング)に対する分散された調整の手順について、以下に記述する。下に挙げた実例は、ビーム調整を促進するためのものである。しかしながら、例示的な実施形態は、PMI情報を、たとえば、CoMPの半静的/動的なポイントのミューティング(muting)になる各セルからの送信電力もしくは推定されたPL、または一部のUEが所与の物理リソース・ブロック(PRB)で割り当てられることがより望ましくなる、またはより望ましくなくなる各セルからのセルIDなど、他と交換することによって、他のタイプの調整を行うために容易に拡張され得る。他の方式は、情報の組合せ、または各行列が1タイプの情報共有および個々の重み付け値に対して専用の複数の調整行列を共有/交換することによって実装され得る。情報共有のタイプは、OAMで事前に構成され得る。各eNB110A〜110cは、リソースおよび空間的な調整ならびに関連する重み関数W
i,j,cなしで、UEのCSI(チャネル状態情報)のフィードバックに基づいて最初のスケジューリング決定を実行する。次いで、各eNBは、CoMP協調セットの隣接セルに、スケジューリング決定、PMI、および重みベクトルなど調整行列を送る。
【0084】
調整行列は、サブバンド・スケジューリング情報(sb
i,c)と、サービスを提供するセルおよび隣接セルのPMI(PMI
i,c)と、重みベクトル(W
i,c)とを含む。eNB110A(セル1)の調整行列の一例を以下に示す。
【0086】
CoMP協調セットはUE固有の構成であるため、各eNBは、すべての隣接eNBにスケジューリング決定を送る。各サブバンド・スケジューリング決定は、リソース・ブロックおよびサービスを提供するセルのPMI、ならびに関連する隣接セルからの最悪のコンパニオンPMIを含む。UEがCoMP調整に対する複数のCSIプロセスを用いて構成される場合、サービスを提供しないセルのすべてのPMIは、調整行列に含まれる。
【0087】
PMI
1,1、PMI
2,1、PMI
N,1は、サービスを提供するセルPMIを指している。PMIがゼロに等しい場合、対応するサブバンドおよびセルは、すべての隣接eNBによって自由に使用され得る。PMI
1,2と、PMI
3,2と、PMI
3,3と、PMI
N,3とは、隣接セルが考慮に入れるべきPMI(CS/CBに対する最悪のコンパニオンPMIまたはDPS(動的ポイント選択)およびJT(ジョイント送信)に対する最良のコンパニオンPMI)である。情報共有のタイプがOAMで事前構成されている場合、それらは最良のコンパニオンPMIであり得ることに注意すべきである。それがゼロに等しい場合、対応するサブバンドは、特定の隣接セルに対して空間的な制限を持たない。2つ以上の最悪/最良のコンパニオンPMIが存する可能性がある場合、PMI
i,cは、単一のPMIインデックスもしくは複数のインデックス、または複数のPMIに対する単一組のインデックスを含むことができることを理解されたい。
【0088】
各eNB110A〜110Cは、隣接セルからの調整行列が受信された後、重みベクトルに基づいて、それらのスケジューリング行列を再計算する。スケジューリング行列は、スケジューラがスケジューリング決定のために取り入れるパラメータの組である。
【0089】
重みベクトルが隣接する重みベクトルより高い場合、サービスを提供するセルは、最高の優先度を持ち、サブバンドのリソースおよびプリコーディング・ベクトルを維持する。隣接eNBは、隣接eNBが、サービスを提供するeNBのスケジューリング行列を受信した後に、干渉を低減するためにスケジューリングを調整する。所与のサブバンドのCoMP協調セットの1つの隣接eNBは、サービスを提供するeNBより高い重みベクトルを持っているとサービスを提供するeNBが決定した場合、スケジュールされたPMIが、たとえばPMI
1,2、PMI
3,2、PMI
3,3など、隣接eNBの最悪のコンパニオンPMIであるならば、サービスを提供するeNBは、スケジューリング決定を調整する。上記の調整行列に示すように、サービスを提供するeNBは、好ましいPMIを用いるサブバンドのランク・リストの別のUEにリソースを割り当てることができる。さらに、サービスを提供するeNBは、別のサブバンドにUEのリソース割り当てを移すことができる。
【0090】
サービスを提供するeNBは、所与のサブバンドのCoMP協調セットの2つの隣接eNBがサービスを提供するeNBより高い重みベクトルを持っているかどうか、を決定するように構成される。サービスを提供するeNBの対応するPMIが隣接eNBの一方の最悪のコンパニオンPMIである場合、サービスを提供するeNBは、スケジューリング決定を調整する。最悪のコンパニオンPMIは、特定のUEへのほとんどの干渉を作り出す隣接セルからのPMIである。PMIが最悪のコンパニオンでない場合、干渉は、所与のUEに対して最悪ではない。
【0091】
サービスを提供するeNBの対応するPMIが隣接eNBの一方の最悪のコンパニオンPMIである場合、サービスを提供するeNBは、好ましいPMIを用いるサブバンドのランク・リストの別のUEにリソースを割り当てる。サービスを提供するeNBは、別のサブバンドにUEのリソース割り当てを移し、すべてのサブバンドに対するプロセスを繰り返すことができる。
【0092】
図2は、それぞれセルをカバーする複数の基地局を持つネットワークにおける通信をスケジューリングする方法を示している。上に記述したように、
図2の方法は、eNB110A〜110Cのいずれによっても実行され得る。
【0093】
S205で、eNBは、少なくとも1つのユーザ機器(UE)からのチャネル状態情報に基づいて第1の調整行列を取得し、第1の調整行列は、基地局に対するサブバンド送信に関連するスケジューリング情報および第1の重みを示している。S210で、eNBは、複数の基地局の少なくとも別の基地局に第1の調整行列を送信する。S215で、eNBは、少なくとも別の基地局から第2の調整行列を受信し、第2の調整行列は、第2の基地局に対するサブバンド送信に関連する第2の重みを示している。S220で、eNBは、関連する第1の重みが関連する第2の重みより大きいサブバンドのデータを送信する。
【0094】
図3は、マクロeNB110Aの例示的な実施形態を示している。また、マクロeNB110Aは、
図3に図示していない機能を含むことができ、図示している機能に制限されるべきではないことを理解されたい。
【0095】
図3を参照すると、基地局110aは、たとえば、データ・バス259と、送信ユニット252と、受信ユニット254と、メモリ・ユニット256と、処理ユニット258とを含むことができる。
【0096】
送信ユニット252と、受信ユニット254と、メモリ・ユニット256と、処理ユニット258とは、データ・バス259を使用して、相互にデータを送信および/またはデータを受信することができる。送信ユニット252は、ワイヤレス通信ネットワーク100の他のネットワーク要素に、1つまたは複数のワイヤレス接続を介して、たとえば、データ信号、制御信号、および信号強度/品質情報を含むワイヤレス信号を送信するためのハードウェアおよび任意の必要なソフトウェアを含むデバイスである。
【0097】
受信ユニット254は、ネットワーク100の他のネットワーク要素への1つまたは複数のワイヤレス接続を介して、たとえば、データ信号、制御信号、および信号強度/品質情報を含むワイヤレス信号を受信するためのハードウェアおよび任意の必要なソフトウェアを含むデバイスである。
【0098】
メモリ・ユニット256は、磁気記憶装置、フラッシュ記憶装置などを含むデータを格納することができる任意のデバイスの場合がある。メモリ・ユニット256は、事前スケジューリングおよびスケジュールされたデータの送信ならびに再送信をサポートするために、データおよび制御信号のバッファリングおよび格納に使用される。
【0099】
処理ユニット258は、たとえば、入力データに基づいて特定の動作を実行するように構成されたマイクロプロセッサを含むデータを処理することができる、またはコンピュータ可読コードに含まれる命令を実行することができる任意のデバイスの場合がある。処理ユニット258は、スケジューラを含むことができる。
【0100】
たとえば、処理ユニット258は、少なくとも1つのユーザ機器(UE)からのチャネル状態情報に基づいて、第1の基地局によって、第1の調整行列を取得することができ、第1の調整行列は、第1の基地局に対するサブバンド送信に関連するスケジューリング情報および第1の重みを示している。さらに、処理ユニット258は、マクロeNB110Aのスケジューリングを調整するように構成される。
【0101】
例示的な実施形態についてこのように記述したが、これは多くの方法で変更できることは明白であろう。そのような変形形態は、例示的な実施形態の精神および範囲からの逸脱と見なされるものではなく、当業者にとって明白であろうすべてのそのような変更は、特許請求の範囲内に含まれることを意図するものである。