特許第6294558号(P6294558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6294558
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】コーナーパット
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   B65D81/05 510A
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-227920(P2017-227920)
(22)【出願日】2017年11月28日
【審査請求日】2017年11月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305006624
【氏名又は名称】ダイナパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丸山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】阿久沢 竜介
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−139174(JP,U)
【文献】 特開平07−149372(JP,A)
【文献】 実開昭52−087473(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第2646908(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 57/00−59/08
B65D 81/00−81/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面及び前記第2面に挟まれた側面と、を備える筒状の基本形態を有するコーナーパットであって、
前記第1面に設けられた、前記筒の幅方向に延びる折り目と、
前記折り目の一端から、前記側面及び前記第2面を通り、前記折り目の他端に至る切れ目と、
前記第2面のうち、前記切れ目よりも、前記筒の軸方向における一方の側に存在し、前記折り目よりも、前記一方とは反対の側に突出した第1突出部と、
前記第2面のうち、前記切れ目よりも、前記反対の側に存在し、前記折り目よりも、前記一方の側に突出した第2突出部と、
を備え、
前記折り目が谷となるように前記コーナーパットを折り曲げたとき、前記第1突出部と、前記第2突出部とが当接するコーナーパット。
【請求項2】
請求項1に記載のコーナーパットであって、
前記第1突出部の端部、及び、前記第2突出部の端部は、直線形状を有するコーナーパット。
【請求項3】
請求項1に記載のコーナーパットであって、
前記第1突出部の端部、及び/又は、前記第2突出部の端部は、段差のある形状を有するコーナーパット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーナーパットであって、
前記第1突出部、及び/又は、前記第2突出部は、前記第1面の前記折り目と平行な折り目を有するコーナーパット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーナーパットであって、
前記側面のうち、前記切れ目よりも前記一方の側にある部分の幅と、前記側面のうち、前記切れ目よりも前記反対の側にある部分の幅とが異なるコーナーパット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーナーパットであって、
段ボールにより構成されるコーナーパット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はコーナーパットに関する。
【背景技術】
【0002】
製品を梱包するとき、製品を保護するために、外装箱と製品との間に緩衝材が入れられる。緩衝材として、L字コーナーパットがある。L字コーナーパットは、外装箱のコーナー部分に用いられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平02−001264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
段ボール等を用いて角筒形状の部材を組み立て、その部材をL字状に折り曲げてL字コーナーパットとすることが考えられる。しかしながら、上記の部材の形態を、L字状に折り曲げた形態に維持するためには、テープ等の他の部材を用いて固定する作業が必要である。
【0005】
本開示の一局面は、テープ等の他の部材を必ずしも使用しなくても、折り曲げた部分がL字状の形態を維持することができるコーナーパットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面は、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面及び前記第2面に挟まれた側面と、を備える筒状の基本形態を有するコーナーパットであって、前記第1面に設けられた、前記筒の幅方向に延びる折り目と、前記折り目の一端から、前記側面及び前記第2面を通り、前記折り目の他端に至る切れ目と、前記第2面のうち、前記切れ目よりも、前記筒の軸方向における一方の側に存在し、前記折り目よりも、前記一方とは反対の側に突出した第1突出部と、前記第2面のうち、前記切れ目よりも、前記反対の側に存在し、前記折り目よりも、前記一方の側に突出した第2突出部と、を備え、前記折り目が谷となるように前記コーナーパットを折り曲げたとき、前記第1突出部と、前記第2突出部とが当接するコーナーパットである。
【0007】
本開示の一局面であるコーナーパットを、第1面の折り目が谷となるように折り曲げたとき、第1突出部と、第2突出部とが当接する。そのことにより、本開示の一局面であるコーナーパットは、テープ等の他の部材を必ずしも使用しなくても、折り曲げた部分がL字状の形態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】L字コーナーパット1の構成を表す展開図である。
図2】角筒状の形態としたL字コーナーパット1の構成を表す斜視図である。
図3】角筒状の形態としたL字コーナーパット1の構成を表す斜視図である。
図4】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット1の構成を表す斜視図である。
図5】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット1の構成を表す斜視図である。
図6】L字コーナーパット101の構成を表す展開図である。
図7】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット101の構成を表す斜視図である。
図8】L字コーナーパット201の構成を表す展開図である。
図9】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット201の構成を表す斜視図である。
図10】L字コーナーパット301の構成を表す展開図である。
図11】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット301の構成を表す斜視図である。
図12】L字コーナーパット401の構成を表す展開図である。
図13】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット401の構成を表す斜視図である。
図14】L字コーナーパット501の構成を表す展開図である。
図15】三角筒の形態としたL字コーナーパット501の構成を表す斜視図である。
図16】三角筒の形態としたL字コーナーパット501の構成を表す斜視図である。
図17】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット501の構成を表す斜視図である。
図18】L字状に折り曲げた形態としたL字コーナーパット501の構成を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の例示的な実施形態を説明する。
<第1実施形態>
1.L字コーナーパット1の構成
L字コーナーパット1の構成を図1図5に基づき説明する。図1は、L字コーナーパット1の展開図である。L字コーナーパット1は、段ボールにより構成される。L字コーナーパット1は、図1に示すように展開された状態において、矩形形状を有する。L字コーナーパッド1はコーナーパッドに対応する。
【0010】
L字コーナーパット1は、第2面3、側面5、側面7、第1面形成部9、11を備える。第2面3と側面5との間には折り目13が形成されている。第2面3と側面7との間には折り目15が形成されている。側面5と第1面形成部9との間には折り目17が形成されている。側面7と第1面形成部11との間には折り目19が形成されている。折り目13、15、17、19は、それぞれ、軸方向Aに平行である。軸方向Aは、後述するように、L字コーナーパット1を角筒状の形態としたとき、その角筒における軸方向に沿って、一方に向かう方向である。
【0011】
第1面形成部9には、幅方向Wに延びる折り目21が形成されている。第1面形成部11には、幅方向Wに延びる折り目23が形成されている。幅方向Wは、後述するように、L字コーナーパット1を角筒状の形態としたとき、その角筒における幅方向である。幅方向Wは、折り目13、15、17、19と直交する。折り目21と折り目23とは同一直線上にある。
【0012】
L字コーナーパット1は切れ目25を備える。切れ目25は、折り目21における側面5側の端部21Aから、側面5、第2面3、及び側面7を通り、折り目23における側面7側の端部23Aに至る。
【0013】
第2面3は、切れ目25により、第1領域27と、第2領域29とに区分される。第1領域27は、切れ目25よりも軸方向Aの側に存在する。第2領域29は、切れ目25よりも軸方向Bの側に存在する。軸方向Bは軸方向Aの反対方向である。第1領域27は、第1突出部31を備える。第1突出部31は、切れ目25に臨む端部である。図1に示すようにL字コーナーパット1が展開された状態において、第1突出部31は、折り目21、23よりも、軸方向Bの側に突出する。第1突出部31は、幅方向Wにおいて、折り目15と切れ目25とに挟まれている。
【0014】
第2領域29は、第2突出部33を備える。第2突出部33は、切れ目25に臨む端部である。図1に示すようにL字コーナーパット1が展開された状態において、第2突出部33は、折り目21、23よりも、軸方向Aの側に突出する。第2突出部33は、幅方向Wにおいて、折り目13と切れ目25とに挟まれている。
【0015】
第1突出部31における第2突出部33の側の端部31Aは、直線形状を有する。端部31Aは、折り目13、15に対し傾斜している。傾斜の方向は、軸方向Bにゆくほど、折り目13に近づく方向である。
【0016】
第2突出部33における第1突出部31の側の端部33Aは、直線形状を有し、端部31Aと同一直線上にある。端部33Aは、折り目13、15に対し傾斜している。傾斜の方向は、軸方向Aにゆくほど、折り目15に近づく方向である。
【0017】
図2図3に示すように、折り目13、15、17、19において折り曲げることで、L字コーナーパット1は角筒状の形態となる。このとき、第1面形成部9、11は重なり、第1面35となる。また、折り目21と折り目23とは重なる。第1面35と第2面3とは対向する。側面5と側面7とは対向する。
【0018】
図4図5に示すように、折り目21、23が谷となるように折り曲げ、L字コーナーパット1をL字形状とすることができる。このとき、図4に示すように、端部31Aと端部33Aとが当接する。上述したように、端部31Aは、軸方向Bにゆくほど、折り目13に近づく方向に傾斜しており、端部33Aは、軸方向Aにゆくほど、折り目15に近づく方向に傾斜しているので、L字コーナーパット1をL字形状としたとき、端部31Aと端部33Aとはしっかりと当接する。
【0019】
2.L字コーナーパット1が奏する効果
(1A)L字コーナーパット1をL字形状としたとき、端部31Aと端部33Aとが当接する。端部31Aと端部33Aとの摩擦力により、L字コーナーパット1は、テープ等の他の部材を必ずしも使用しなくても、L字状の形態を維持することができる。
【0020】
(1B)端部31Aと端部33Aとは、それぞれ、直線形状を有する。そのため、L字コーナーパット1の製造が容易である。
(1C)L字コーナーパット1は段ボールにより構成される。そのため、化成品から成るL字コーナーパットに比べて廃棄に伴う問題が生じ難い。また、L字コーナーパット1は、使用しないときは、図1に示すように、展開した状態にすることができる。その結果、L字コーナーパット1が占めるスペースを低減できる。
<第2実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0021】
第2実施形態のL字コーナーパット101において、図6に示すように、端部31Aは、端部33Aに比べて、折り目13の方向に接近している。端部33Aは、端部31Aに比べて、折り目15の方向に接近している。端部31Aと端部33Aとの間には段差37が存在する。
【0022】
図7に示すように、折り目21、23が谷となるように折り曲げ、L字コーナーパット101をL字形状とすることができる。このとき、第1突出部31の先端側の端部31Bが、第2突出部33の内面に当接する。内面とは、図6において背面側にある面である。また、第2突出部33の先端側の端部33Bが、第1突出部31の内面に当接してもよい。
【0023】
2.L字コーナーパット101が奏する効果
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1C)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0024】
(2A)L字コーナーパット101をL字形状としたとき、端部31Bが、第2突出部33の内面に当接する。あるいは、端部33Bが、第1突出部31の内面に当接する。そのことにより、折り目21、23における折り曲げの角度を浅くすることができない。その結果、L字コーナーパット101は、テープ等の他の部材を必ずしも使用しなくても、L字状の形態を維持することができる。
<第3実施形態>
1.第2実施形態との相違点
第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0025】
第3実施形態のL字コーナーパット201において、図8に示すように、第1突出部31は、根元部39と、折り目41と、先端部43と、を備える。根元部39の形状は、第2実施形態における第1突出部31と同じである。先端部43は、根元部39よりも軸方向B側にある。折り目41は、根元部39と先端部43との間にある。折り目41は幅方向Wに平行である。
【0026】
第2突出部33は、根元部45と、折り目47と、先端部49と、を備える。根元部45の形状は、第2実施形態における第2突出部33と同じである。先端部49は、根元部45よりも軸方向A側にある。折り目47は、根元部45と先端部49との間にある。折り目47は幅方向Wに平行である。
【0027】
図9に示すように、折り目21、23が谷となるように折り曲げ、L字コーナーパット201をL字形状とすることができる。また、折り目41において、先端部43を根元部39に対しL字状に折り曲げることができる。また、折り目47において、先端部49を根元部45に対しL字状に折り曲げることができる。
【0028】
このとき、第1突出部31は、第2突出部33に対し、外側から包むように当接する。また、第2突出部33が、第1突出部31に対し、外側から包むように当接してもよい。
2.L字コーナーパット201が奏する効果
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1C)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0029】
(3A)L字コーナーパット201をL字形状としたとき、第1突出部31が、第2突出部33に対し、外側から包むように当接する。あるいは、第2突出部33が、第1突出部31に対し、外側から包むように当接する。そのことにより、折り目21、23における折り曲げの角度を浅くすることができない。その結果、L字コーナーパット201は、テープ等の他の部材を必ずしも使用しなくても、L字状の形態を維持することができる。
<第4実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第4実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0030】
第4実施形態のL字コーナーパット301において、図10に示すように、側面5のうち、切れ目25より軸方向A側にある部分(以下では第1部分5Aとする)は、側面5のうち、切れ目25より軸方向B側にある部分(以下では第2部分5Bとする)よりも厚い。
【0031】
また、側面7のうち、切れ目25より軸方向A側にある部分(以下では第1部分7Aとする)は、側面7のうち、切れ目25より軸方向B側にある部分(以下では第2部分7Bとする)よりも厚い。
【0032】
図11に示すように、折り目21、23が谷となるように折り曲げ、L字コーナーパット301をL字形状とすることができる。側面5、7の厚みは、L字の頂点を境として変化する。
2.L字コーナーパット301が奏する効果
以上詳述した第4実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)〜(1C)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0033】
(4A)L字コーナーパット301を使用する場所の一部に、十分なスペースがない場合がある。その場合、例えば、L字コーナーパット301のうち、第1部分5A、7Aを含む部分を、スペースが小さい部分に使用し、第2部分5B、7Bを含む部分を、相対的にスペースが大きい部分に使用することができる。よって、使用する場所の一部に十分なスペースがない場合でも、L字コーナーパット301を使用することができる。
<第5実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第5実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0034】
第6実施形態のL字コーナーパット401において、図12に示すように、第1突出部31は、先端側に凸部51を備える。そのため、端部31Aは、段差53を有する形状となっている。また、第2突出部33は、先端側に凸部55を備える。そのため、端部33Aは、段差57を有する形状となっている。
【0035】
また、第4実施形態と同様に、第1部分5Aは、第2部分5Bよりも厚い。また、第1部分7Aは、第2部分7Bよりも厚い。
図13に示すように、折り目21、23が谷となるように折り曲げ、L字コーナーパット401をL字形状とすることができる。このとき、凸部51が、端部33Aのうち、段差57の部分に当接し、凸部55が、端部31Aのうち、段差53の部分に当接する。
【0036】
以上詳述した第5実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)〜(1C)と、第4実施形態の効果(4A)とを奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(5A)折り目21、23が谷となるように折り曲げ、L字コーナーパット401をL字形状としたとき、上述したように、凸部51が、端部33Aのうち、段差57の部分に当接し、凸部55が、端部31Aのうち、段差53の部分に当接する。そのため、第1突出部31と第2突出部33とがロックされ、位置がずれ難い。その結果、L字コーナーパット401は、L字状の形態を一層確実に維持することができる。
<第6実施形態>
1.L字コーナーパット501の構成
L字コーナーパット501の構成を図14図18に基づき説明する。図14は、L字コーナーパット501の展開図である。L字コーナーパット501は、段ボールにより構成される。L字コーナーパット501は、図14に示すように展開された状態において、矩形形状を有する。
【0037】
L字コーナーパット501は、第2面103、側面105、第1面形成部109、111を備える。第2面103と側面105との間には折り目113が形成されている。第2面103と第1面形成部111との間には折り目119が形成されている。側面105と第1面形成部109との間には折り目117が形成されている。折り目113、117、119は、それぞれ、軸方向Aに平行である。軸方向Aは、L字コーナーパット501を、断面が3角形である筒状の形態(以下では三角筒とする)としたとき、三角筒における軸方向に沿って、一方に向かう方向である。
【0038】
第1面形成部109には、幅方向Wに延びる折り目121が形成されている。第1面形成部111には、幅方向Wに延びる折り目123が形成されている。幅方向Wは、L字コーナーパット501を三角筒の形態としたとき、三角筒における幅方向である。幅方向Wは、折り目113、117、119と直交する。折り目121と折り目123とは同一直線上にある。
【0039】
L字コーナーパット501は切れ目125を備える。切れ目125は、折り目121における側面105側の端部121Aから、側面105、及び第2面103を通り、折り目123における第2面103側の端部123Aに至る。
【0040】
第2面103は、切れ目125により、第1領域127と、第2領域129とに区分される。第1領域127は、切れ目125よりも軸方向Aの側に存在する。第2領域129は、切れ目125よりも軸方向Bの側に存在する。軸方向Bは軸方向Aの反対方向である。第1領域127は、第1突出部131を備える。第1突出部131は、切れ目125に臨む端部である。図14に示すようにL字コーナーパット501が展開された状態において、第1突出部131は、折り目121、123よりも、軸方向Bの側に突出する。第1突出部131は、幅方向Wにおいて、折り目119と切れ目125とに挟まれている。
【0041】
第2領域129は、第2突出部133を備える。第2突出部133は、切れ目125に臨む端部である。図14に示すようにL字コーナーパット501が展開された状態において、第2突出部133は、折り目121、123よりも、軸方向Aの側に突出する。第2突出部133は、幅方向Wにおいて、折り目113と切れ目125とに挟まれている。
【0042】
第1突出部131における第2突出部133の側の端部131Aは、直線形状を有する。端部131Aは、折り目113、119に対し傾斜している。傾斜の方向は、軸方向Bにゆくほど、折り目113に近づく方向である。
【0043】
第2突出部133における第1突出部131の側の端部133Aは、直線形状を有し、端部131Aと同一直線上にある。端部133Aは、折り目113、119に対し傾斜している。傾斜の方向は、軸方向Aにゆくほど、折り目119に近づく方向である。
【0044】
図15図16に示すように、折り目113、117、119において折り曲げることで、L字コーナーパット501は三角筒の形態となる。このとき、第1面形成部109、111は重なり、第1面135となる。また、折り目121と折り目123とは重なる。第1面135と第2面103とは対向する
図17図18に示すように、折り目121、123が谷となるように折り曲げ、L字コーナーパット501をL字形状とすることができる。このとき、図17に示すように、第1突出部131と第2突出部133とが当接する。
【0045】
2.L字コーナーパット501が奏する効果
(6A)L字コーナーパット501をL字形状としたとき、第1突出部131と第2突出部133とが当接する。そのことにより、折り目121、123における折り曲げの角度を浅くすることができない。その結果、L字コーナーパット501は、テープ等の他の部材を必ずしも使用しなくても、L字状の形態を維持することができる。
【0046】
(6B)L字コーナーパット501は段ボールにより構成される。そのため、化成品から成るL字コーナーパットに比べて廃棄に伴う問題が生じ難い。また、L字コーナーパット501は、使用しないときは、図14に示すように、展開した状態にすることができる。その結果、L字コーナーパット501が占めるスペースを低減できる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0047】
(1)L字コーナーパットの材質は、段ボール以外の材質であってもよい。L字コーナーパットの材質として、例えば、段ボール以外の紙、樹脂、金属等が挙げられる。
(2)L字状とは、折り目21、23、121、123における角度が厳密に90度でなくてもよい。L字状とは、例えば、上記の角度が75〜105度でもよい。
【0048】
(3)第1実施形態において、端部31A、端部33Aの形状は曲面形状であってもよい。他の実施形態でも同様である。
(4)各実施形態のコーナーパッドは、L字状に折り曲げ可能な部分(以下では屈曲可能部とする)を複数備えていてもよい。屈曲可能部は、コーナーパッドを構成する角筒の軸方向に沿って、所定の間隔をおいて設けられている。それぞれの屈曲可能部は、各実施形態における折り目21、23、切れ目25と同様の構成を有しており、L字状に屈曲可能である。それぞれの屈曲可能部は、L字状に屈曲させたとき、L字状の形態を維持することができる。
1つのコーナーパッドが備える屈曲可能部の数は、例えば、1、2、3、4、5・・・とすることができる。各実施形態のL字コーナーパッドは、屈曲可能部の数が1である場合の形態である。例えば、屈曲可能部の数が2である場合、それぞれの屈曲可能部を屈曲させ、例えば、コーナーパッドの全体の形態をコの字状にすることができる。また、例えば、屈曲可能部の数が3である場合、それぞれの屈曲可能部を屈曲させ、例えば、コーナーパッドの全体の形態を矩形状にすることができる。
(5)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(6)上述したL字コーナーパットの他、当該L字コーナーパットを構成要素とするシステム、L字コーナーパットの製造方法、L字コーナーパットを使用する梱包方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1、101、201、301、401、501…L字コーナーパット、3、103…第2面、5、7、105…側面、9、11、109、111…第1面形成部、13、15、17、19、21、23、113、117、119、121、123…折り目、21A、121A…端部、23A、123A…端部、25、125…切れ目、27、127…第1領域、29、129…第2領域、31、131…第1突出部、31A、131A…端部、33、133…第2突出部、33A、133A…端部、35、135…第1面、37…段差、39、45…根元部、41、47…折り目、43、49…先端部、51、55…凸部、53、57…段差
【要約】
【課題】テープ等の他の部材を必ずしも使用しなくても、折り曲げた部分がL字状の形態を維持することができるコーナーパットを提供すること。
【解決手段】コーナーパットは、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面及び前記第2面に挟まれた側面とを備える。コーナーパットは筒状の基本形態を有する。コーナーパットは、前記第1面に設けられた、前記筒の幅方向に延びる折り目と、前記折り目の一端から、前記側面及び前記第2面を通り、前記折り目の他端に至る切れ目と、前記第2面のうち、前記切れ目よりも、前記筒の軸方向における一方の側に存在し、前記折り目よりも、前記一方とは反対の側に突出した第1突出部と、前記第2面のうち、前記切れ目よりも、前記反対の側に存在し、前記折り目よりも、前記一方の側に突出した第2突出部と、を備える。前記折り目が谷となるように前記コーナーパットを折り曲げたとき、前記第1突出部と、前記第2突出部とが当接する。
【選択図】図1
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