【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明によれば、独立請求項の主題によって達成される。好都合な実施形態およびさらなる発展が、従属請求項の主題を形成する。
【0009】
電荷担体によって容器を殺菌するための本発明による装置は、容器を所定の搬送経路に沿って搬送する第1の搬送装置を有する。さらに、この装置は、この搬送装置上に配置された複数の殺菌装置を備えており、これらの殺菌装置の各々が、電荷担体を生成するための電荷担体生成装置と、電荷担体を加速させる加速装置と、容器の開口を通って容器の中へと導入することができる棒状の電荷担体案内装置とを有する。さらに、電子案内装置が、電荷担体をこの電子案内装置から発する出口窓を有する。
【0010】
本発明によれば、個々の殺菌装置の各々が、容器を棒状の電荷担体案内装置に対して容器の長手方向に移動させるための移動装置を有し、各々の容器のこの容器に組み合わせられた電荷担体案内装置に対する移動の経過を、互いに別個独立に制御することが可能であり、当該装置が、個々の殺菌装置の加速電荷担体の一時的な不具合(特に、機能不良によって生じる)を検出する少なくとも1つの検出装置を有する。
【0011】
この場合において、移動装置が、検出装置によって殺菌装置における加速電荷担体の不具合が検出された場合に、この殺菌装置とこの殺菌装置によって殺菌される容器との間の相対移動を停止および/または逆転させるようなやり方で、前記1つ以上の検出装置へと(特に信号によって)動作可能に接続および組み合わせられる。
【0012】
このように、上述のアークが検出され、移動の経過が適切に調節され、この場合には相対移動が停止されるまたは逆方向にされることによって、補償される。駆動装置が、電動モータによる駆動部(例えば、リニアモータ)であると好都合であるが、空気式、磁気式、または油圧式の駆動部も使用可能である。
【0013】
さらに装置は、好都合には、出口窓に少なくとも或る時間にわたって気体の媒体を作用させる冷却装置を有する。この場合、この冷却装置は、気体の媒体を案内するために棒状の電荷担体案内装置に沿って延びるダクトを有することができる。搬送装置を、容器が連続的に搬送されるようなやり方で設計すると、好都合である。搬送装置を、個々の殺菌装置が配置される回転ホイールとすることが、特に好ましい。このように、容器を円形の経路にて搬送することが好ましい。
【0014】
さらなる好都合な実施形態の場合には、容器に対する棒状の電荷担体案内装置の移動が、この容器の輪郭に合わせられ、例えばこの容器の輪郭の断面が変化している場合に、容器と電荷担体案内装置(あるいは、電荷担体案内装置の出口窓)との間の相対速度も変化させることができる。
【0015】
さらなる好都合な実施形態の場合には、装置が、相対移動の方向に対して直角な方向に電荷担体を偏向させる(方向を変える)偏向装置(diverting device)を有することで、電荷担体が容器の内壁の方向に向けられる。
【0016】
したがって、上述の連続走行の装置の場合において、処理経路を必要な線量に合わせるべきではなく、処理時間および線量を、電荷担体案内装置と容器との間の相対移動の上述の調整によって行なうべきであることも提案される。この場合、梱包手段が、通常は所定の移動の経過にて運ばれ、この種のアークが生じた場合に速やかに停止させられ、必要であればこの場合にカバーされる距離だけ戻され、放射の出力の回復後にさらに移動させられる。移動装置が個々の容器を電荷担体案内装置に対して移動させることが好都合であり、すなわちこの設計の場合には、電荷担体案内装置そのものは、容器の長手方向に移動することがない。しかしながら、対照的に、電荷担体案内装置を容器に対して容器の長手方向に移動させ、容器そのものは移動させないことも、可能であると考えられる。さらに、これら2つの移動の組み合わせも可能である。このように、例えば通常の稼働の枠組みにおいては常に容器を移動させ、アークの発生の場合に、電荷担体案内装置を追加で移動させ、すなわち上述の不具合の補償が行なわれるようなやり方で移動させることができる。
【0017】
ここで述べた工程に加え、あるいはここで述べた工程に代えて、そのような電荷担体の放射の不具合に、電荷担体の横方向への偏向を変えることによって対処することも可能であると考えられる。例えば、このように、アークの発生を受けた後の横コイルによる意図的な操作によって、電荷担体の偏向を、未殺菌領域にも電荷担体が作用するようなやり方で変更することができる。
【0018】
上述のように、電荷担体が電子であることが好ましい。しかしながら、搬送経路に沿った容器の移動は、この種のアークの発生の場合にも変更されないことが好都合である。
【0019】
好都合な実施形態の場合には、制御装置が、殺菌装置を、少なくとも電荷担体案内装置が再び容器から引き出されるときに電荷担体の放射を発するようなやり方で制御する。この場合、加速電荷担体の不具合が検出された場合に、容器に対する電荷担体案内装置の相対移動が停止され、あるいは電荷担体案内装置が少なくとも局所的に容器へと再び導入される。
【0020】
したがって、この設計においては、容器の上述の内面の殺菌を、反対方向への移動の最中に、すなわち放射フィンガを容器から引き出す際に、行なうことが提案される。特に、この反対方向への移動は、この場合には殺菌が容器の底から行なわれるため、殺菌にきわめて効果的である。このように、細菌類の容器への進入を阻止する電荷担体の雲を、容器からの放射フィンガの引き出しの直後に達成することもできる。殺菌の本質的な部分が反対方向への移動の最中に生じ、すなわち電荷担体案内装置を容器から引き出す際に生じるよう、移動装置について、電荷担体案内装置の容器への移動が、容器からの電荷担体案内装置の移動よりも迅速であることが好都合である。
【0021】
このように、個々の電荷担体案内装置(以下では、放射フィンガとも称される)を、ターンテーブル上に配置することが可能である。処理対象の容器が、入口スターホイールおよび出口スターホイールによってターンテーブルへと出し入れされる。容器を、ターンテーブルにおいてそれぞれの放射フィンガの下方の中心に配置することが好ましい。放射の出力に従ってあらかじめ定められる移動の経過および瓶の形状に応じて、今や容器が上方へと動かされ、放射フィンガが容器へと沈み、その後に容器が再び下方へと動かされる。この場合に、上述のように、容器の上方移動は電気駆動部によって制御され、好都合には放射線の放射体の調節回路へと接続される。アークの場合、電圧が再び生成されるまで、駆動部が容器の移動を速やかに停止させる。
【0022】
したがって、さらなる好都合な実施形態の場合には、装置が、容器を第1の搬送装置から所定の受け渡し位置へと移動させる第2の搬送装置を有する。さらに、容器を容器の殺菌のための上述の装置へと受け渡すさらなる搬送装置(特に、搬送スターホイールの形態である)を設けることが好都合である。さらなる好都合な実施形態の場合には、出口窓が容器の内部に位置している時間期間を、変化させることが可能である。このように、容器が全体として殺菌される処理角度を変化させることができることも好都合である。
【0023】
このように、放射フィンガを容器から引き出した後で、さらなる搬送装置への受け渡しまでの容器の可変の搬送経路を設けることも好都合である。
【0024】
さらなる好都合な実施形態の場合には、装置がクリーンルームを有し、プラスチック材料製の容器がクリーンルーム内を搬送される。したがって、この場合には、電荷担体による容器の殺菌が、特に上述のクリーンルームを通過する容器の搬送の最中に実行される。好都合な実施形態の場合には、このクリーンルームが、局所的には上述の搬送装置によっても形成される。このように、例えば、搬送装置をホイールの形態に設計することができ、その場合には、例えばこのホイールの壁が同時に上述のクリーンルームの境界の壁も構成する。
【0025】
上述のように、搬送装置を回転キャリアの形態に設計することが好都合である。
【0026】
さらに本発明は、容器を殺菌する方法であって、容器が搬送装置によって所定の搬送経路に沿って運ばれ、この搬送の最中に容器の少なくとも1つの内壁が電荷担体を作用させることによって殺菌される方法に関する。この場合に、電荷担体は、容器の殺菌のために生成されて棒状の電荷担体案内装置の内側において加速装置によって加速され、電荷担体案内装置は、容器の長手方向に沿った電荷担体案内装置と容器との間の相対移動によって容器へと所定の移動の経過にて導入され、その後に容器から取り出され、電荷担体案内装置が少なくとも局所的に容器の内側に位置しているときに、容器の内壁へと電荷担体が作用させられる。
【0027】
本発明によれば、検出装置が電荷担体の放射の一時的な不具合を検出し、電荷担体の放射の不具合を受けて、容器と電荷担体案内装置との間の相対移動を停止させ、さらには/あるいは移動の方向を反転させる。
【0028】
容器を搬送経路に沿って連続的に搬送すると好都合である。
【0029】
好ましい方法の場合には、容器の殺菌が、電荷担体案内装置が容器から引き出されるときに実行される。開発作業の枠組みにおいて、本出願の出願人は、特に容器の内壁の殺菌を放射フィンガの引き出しのプロセスのこの部分においてきわめて好都合な様相で達成できることを明らかにした。このように、この方法において、容器が「下方から」殺菌され、すなわち容器の底部から殺菌される。
【0030】
さらなる好都合な方法の場合には、電荷担体案内装置が容器内に存在する時間期間が、電荷担体の放射の不具合の発生の場合に延長される。
【0031】
本発明が、容器の他の構成要素の殺菌にも適用可能であり、特に容器の外壁および容器の蓋の殺菌に適用可能であることを、指摘しておく。本出願の出願人は、この種の装置についても保護を請求する権利を保持する。
【0032】
容器の構成要素(特に、容器の外壁および/または容器の蓋)を電荷担体によって殺菌するためのこの種の装置は、容器の構成要素を所定の搬送経路に沿って搬送する第1の搬送装置と、特に搬送経路に対向して不動の様相に配置された少なくとも1つの殺菌装置とを有し、殺菌装置が、電荷担体を生成するための電荷担体生成装置と、電荷担体を加速させるための加速装置と、電荷担体を発する出口窓とを有し、出口窓を容器の構成要素へと向けることができる。
【0033】
この場合に、装置が、殺菌装置の加速電荷担体の不具合を検出する少なくとも1つの検出装置を有し、搬送装置が、加速電荷担体の不具合が検出装置によって検出されたときに容器の搬送の移動が停止され、さらには/あるいは反転されるようなやり方で、検出装置に組み合わせられる。この場合に、容器を搬送する搬送装置そのものを停止させ、あるいは容器を搬送する搬送装置そのものの移動の方向を反転させることが可能であり、そのようにすることが好ましいと考えられる。しかしながら、容器の移動を、容器ロックまたは蓋ロックなどの追加の手段によって停止させ、あるいは反転させることも、可能であると考えられる。
【0034】
容器の構成要素(特に、容器の外壁および/または容器の蓋)を殺菌する適切な方法において、容器の構成要素が搬送装置によって所定の搬送経路に沿って搬送され、この搬送の最中に、容器の構成要素の少なくとも一領域が、電荷担体を作用させることによって殺菌され、その場合に、電荷担体が容器の構成要素を殺菌するために生成され、加速装置によって加速される。本発明によれば、検出装置が電荷担体の放射の一時的な不具合を検出し、電荷担体の放射の不具合を受けて、容器と電荷担体案内装置との間の相対移動を停止させ、さらには/あるいは移動の方向を反転させる。
【0035】
したがって、容器の他の構成要素に関して、電荷担体の放射の不具合を、この場合には特に搬送経路に沿った容器の搬送の移動ではない搬送の移動を停止させ、あるいは少なくとも短い時間だけ反転させることによって、補償することも提案される。
【0036】
この場合に、例えば蓋を、例えば表面放射体であってよい放射装置の下方または間を通って積極的に移動させることができる。この場合に、これらの表面放射体を、これらの表面放射体を過ぎて連続的に搬送される容器の構成要素(例えば、蓋)のための適切な線量に合わせて設計することが好都合である。
【0037】
容器(特に、容器の外壁)の殺菌の場合には、容器を、例えば分割遅延スターホイールによって、この場合にはやはり好ましくは表面放射体である殺菌装置を過ぎて搬送することができる。この場合にも、容器の搬送は、好都合には連続的に実行される。しかしながら、容器を搬送経路に沿って時限の様相で搬送することも可能であると考えられる。
【0038】
アークの発生の場合に、分割遅延スターホイールシステムが速やかに反応し、好都合には容器を移動方向とは反対の方向または搬送方向とは反対の方向に後方へと枢動させ、あるいは該当の容器を短い時間だけ停止させることができる。
【0039】
上述のように、殺菌対象の容器は、特に瓶であるが、本発明をプラスチック材料製の容器へと成形することができるプラスチック材料製の予備成形物の殺菌にも適用できると考えられる。
【0040】
さらなる利点および実施形態が、添付の図面から明らかである。