(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カテーテル(4)、特に局所麻酔用カテーテルの解除可能ブロックシステム(1)であって、カテーテル(4)を収容可能なベース(2)と、シェル(3)が前記ベース(2)から離間する開位置とシェル(3)が前記ベース(2)に係止されて前記カテーテル(4)を定位置でブロックする閉位置との間で前記ベース(2)に回転可能に取り付けられるシェル(3)とを有し、
前記ベース(2)は長手軸(X)による主方向を有するハウジング(20)を画定し、前記ハウジング(20)は、前記長手軸(X)に沿って延在するブロック孔(241)を有し、前記ハウジング(20)の先端壁部(212)と当接可能なスリーブ(24)を包囲可能なものであり、
前記システムは、前記長手軸(X)に沿って延在するガイド孔(251)が設けられるとともに、休止位置とアクチュエータ(25)が前記スリーブ(24)に軸力を印加して前記スリーブを変形させるブロック位置との間において前記ハウジング(20)内で前記長手軸(X)に沿って並進運動可能であるアクチュエータ(25)を有し、前記アクチュエータ(25)は第1駆動要素(255)を有し、
前記ブロック孔(241)と前記ガイド孔(251)とは前記カテーテル(4)を収容可能とされており、
前記シェル(3)は、前記シェル(3)が開位置から閉位置へシフトする時に前記アクチュエータ(25)の前記第1駆動要素(255)と協働して前記アクチュエータ(25)を前記長手軸(X)に沿ってブロック位置へシフトさせる第2駆動要素(33)を有し、
前記第1駆動要素(255)は前記長手軸(X)に対して傾斜した復帰斜面(255a)を有し、
前記第2駆動要素(33)は、前記シェル(3)から延在し、前記シェル(3)が閉位置へ動かされた時に前記復帰斜面(255a)と接触して前記アクチュエータ(25)を前記ブロック位置へ復帰させるように配設された突出部を有し、
前記第1駆動要素(255)は、前記シェル(3)が閉位置にある時に前記第2駆動要素(33)の先端壁部(33b)と接触可能で、前記長手方向(X)に対して略垂直な面で前記復帰斜面(255a)から延在する根元固定壁部(255b)を有する、解除可能ブロックシステム。
前記スリーブ(24)の前記ブロック孔(241)の内径が前記カテーテル(4)の外径と実質的に等しい、請求項1から3のいずれか一項に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記ハウジングは前記アクチュエータ(25)の前記第1駆動要素(255)に対向して延在する開口部(231)を有し、前記シェル(3)の前記第2駆動要素(33)は前記ハウジング(20)の前記開口部(231)を通して前記第1駆動要素(255)と協働するように配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記要素(255)の形状が実質的に環状であって、前記復帰斜面(255a)が前記長手方向(X)に垂直な面に対して斜めに配向される、請求項1に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記先端部(254)は、前記アクチュエータ(25)が前記ハウジング(20)から抜けることを防止する、前記先端部(254)から径方向に延在する隆起部(258)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記アクチュエータ(25)および前記ハウジング(20)は、前記アクチュエータ(25)から径方向に延びる一つ以上の直線状の溝部および細溝(250,221)に係合し、前記ベース(2)における前記アクチュエータ(25)の回転を防止する、請求項1から7のいずれか一項に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記ベース(2)がさらに医療器具への接続要素(10)を有し、前記接続要素(10)は前記ハウジング(20)と流体連通状態にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記ハウジング(20)と前記接続要素(10)との間に延在し、前記カテーテル(4)の自由端部を収容可能な、透明点検室(26)を有する、請求項9に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記係止手段は、解除されると解除可能ブロックシステム(1)を開くように前記ベース(2)のオリフィス(273)と嵌合する少なくとも一つのフック(322)を有する、請求項11に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
前記係止手段(32)は、前記シェル(3)に固着されて、前記ベース(2)から延在するタブ(325)と協働してスナップ固定可能なフック(326)を有し、前記タブは操作者が圧力のみで前記フック(326)を解除できるように弾性変形可能である、請求項11に記載の解除可能ブロックシステム(1)。
【背景技術】
【0002】
カテーテル、とりわけ局所麻酔用のカテーテルは、たいていは0.43*0.80mm、0.50*0.90mm、または0.50*1.00mm程度と直径が小さく、また特に褶曲問題を回避するため比較的弾性を備える材料で製作される。そのため、これらカテーテルが小寸法であると、ベースで人間工学的にブロックするのは困難である。しかし、局所麻酔の範疇でのフィルタなどの医療器具にカテーテルを接続することをねらいとする場合には、これが必要である。
【0003】
そのため、カテーテルを受容するように設計された内部孔を有して締め付けによりナットによって圧縮され得るエラストマ材料製のスリーブを収容可能な本体を有するベースを使用することが提案されている。ナットによるスリーブの径方向圧縮は実際に、ベースの定位置にカテーテルを保持する。このタイプのベースは例えば、出願人によって出願された特許文献1に図示されている。
【0004】
使用時において、圧縮性スリーブへのカテーテルの導入を可能にするためスリーブが緩められる時には、特にスリーブを圧縮するナットを紛失する危険があることに出願人は注目した。ベースを使用することがもう可能ではなくなるか、少なくとも紛失部品が交換されるべきである。また、締め付けの間に、ねじれによってナットが回転中に圧縮性スリーブを引きずる危険があるため、カテーテルがブロックされると、今度はスリーブがナットを引きずることによって初期形状を回復してカテーテルに印加された応力を開放するが、これはベースでのカテーテルの適切な機械的作用に対する妨害となり得る。
【0005】
また、フィルタなどの医療器具にベースが固着されてフィルタが交換されるか単に引き抜かれなければならない時には、ベースの(概して標準的なルアーまたはルアーロックタイプの)ノズルから医療器具を緩めるとナットの緩みを発生させることがあり、医療器具を緩める間にノズルによってベースを保持することが必要なほどである。
【0006】
カテーテルがベースに正しく保持されたかどうかを判断するのは困難であって、ナットが圧縮性スリーブに充分に締め付けられるかカテーテルがベースに正しく挿入されたことを確認するものが何もないほどであることにも、出願人は注目した。また、このような締め付けは現在、人間工学的とは考えられない。
【0007】
ブロックされるカテーテルのものと実質的に直径が等しい中央孔を有して径方向に圧縮可能であるように設計された比較的細い管形スリーブを有するベースを利用することも提案されている。
【0008】
例えば、特許文献2は、カテーテルを収容可能な変形可能な細いスリーブを有するベースと内側溝部を備えるシェルとを有するシステムを提案している。シェルはベースに回転取り付けされ、ベースに閉じられた時にスリーブの内径を局所的に縮小させてカテーテルを定位置でブロックするように内側溝部によってスリーブを径方向に変形させるのに適している。
【0009】
特許文献3は、カテーテルを着脱可能に受容して必要時にこのカテーテルにおける流体の通過を防止可能なバルブを記載している。この目的のため、バルブは、カテーテルを収容可能なベースと、シェルがベースから離間する開位置とシェルがベースに係止されてカテーテルを定位置でブロックする閉位置との間で並進するようにベースに取り付けられるシェルとを有する。ベースは、カテーテルを収容可能なブロック孔が設けられたスリーブを包囲するハウジングを画定する。システムは、休止位置と、アクチュエータがスリーブに横力を印加してこれを局所的に変形させるブロック位置との間においてハウジング内で並進運動可能であるアクチュエータを、有する。アクチュエータは、この正確なブロック位置で、カテーテルを変形させて流体の通過を防止することも行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明のねらいは、人間工学的で使用しやすく効果的で操作者からの過剰な力を必要としない、ベースでのカテーテルの解除可能ブロックシステムを提案することである。
【0012】
任意であるが、別の目標は、システムによってカテーテルが適切にブロックされて部品が誤配置されやすくなるのを回避することを操作者に対して保証して、操作者による介入を除いてシステムが固定されたままとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のため、本発明は、カテーテル、特に局所麻酔用カテーテルを収容可能なベースと、シェルがベースから離間する開位置とシェルがベースに係止されてカテーテルを定位置でブロックする閉位置との間で回転可能にベースに取り付けられるシェルとを有する、カテーテルの解除可能ブロックシステムを提案する。
このシステムにおいて、ベースは、長手軸による主方向を有するハウジングを画定し、このハウジングは長手軸に沿って延在するブロック孔を有し、ハウジングの先端壁部と当接可能なスリーブを包囲するものであり、
システムは、長手軸に沿って延在するガイド孔が設けられて、休止位置と、アクチュエータがスリーブに軸力を印加してこれを変形させるブロック位置との間でこの長手軸に沿ってハウジング内で並進運動可能であるアクチュエータをシステムが有して、アクチュエータが第1駆動要素を有し、
ブロック孔とガイド孔とがカテーテルを収容可能とされており、
シェルは、開位置から閉位置へシェルがシフトする時にアクチュエータの第1駆動要素と協働して長手軸に沿ってアクチュエータをブロック位置へシフトさせる第2駆動要素を有する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明による解除可能ブロックシステムの任意であるが非限定的ないくつかの特徴は、以下の通りである。
−ハウジングが
*ブロック室と、
*ブロック室の延長部として長手軸に沿って延在するリングと、
*ブロック室とリングとの間で長手軸に沿って延在する通路と、
を有する。
−アクチュエータの先端部の外径が最大でもリングの内径と等しい。
−スリーブのブロック孔の内径がカテーテルの外径と実質的に等しい。
−ハウジングはアクチュエータの第1駆動要素と対向して延在する開口部を有し、シェルの第2駆動要素はハウジングの開口部を通して第1駆動要素と協働するように配置される。
−第1駆動要素はアクチュエータの先端部から外側まで延在する復帰斜面を有し、第2駆動要素は、シェルから延在、シェルが閉位置へ動かされた時に復帰斜面と接触するように配設された突出部を有する。
−要素の形状が実質的に環状であって、復帰斜面が長手方向に垂直な面に対して斜めに配向される。
−要素は、シェルが閉位置にある時に突起の先端壁部と接触可能で、長手方向に対して実質的に垂直な面で復帰斜面から延在する根元固定壁部を有する。
−先端部は、アクチュエータがハウジングから抜け出るのを防止可能で、先端部から径方向に延在する隆起部を有する。
−アクチュエータおよびハウジングは、アクチュエータから径方向に延在する一つ以上の直線状溝部および細溝に係合し、ベースにおけるアクチュエータの回転を防止する。
−ベースが医療器具への接続要素を有し、接続要素がハウジングとの流体連通状態にある。
−システムは、カテーテルの自由端部を収容可能で、ハウジングと接続要素との間に延在する透明点検室を有する。
−ベースへの係止手段をシェルが有し、解除されると解除可能ブロックシステムを開くようにベースのオリフィスに嵌合する少なくとも一つのフックを係止手段が有する。
−係止手段は、シェルに固着されて、ベースから延在するタブと協働してスナップ固定するフックを有し、タブは操作者が圧力のみによりフックを解除できるように弾性変形可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の他の特徴、目的、および長所は、非限定的な例として挙げられた添付の図を参照して記される以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
本発明によるカテーテルの解除可能ブロックシステム1を、添付の図を参照して以下に説明する。
【0017】
システムは、カテーテル4例えば局所麻酔用カテーテルを収容可能なベース2と、これを定位置で着脱可能にブロックするようにベース2に固着され得るシェル3とを有する。ブロックシステム1は、(システムに挿入およびブロックされると)カテーテル4を医療器具、例えばフィルタとの流体連通状態とする、医療器具との接続要素10も有する。従来通り、これは、雄型または雌型であるルアーまたはルアーロックタイプのノズルでよい。
【0018】
シェル3は、好ましくはボールジョイントリンクによるベース2への接続手段31と、ベース2への係止手段32と、駆動要素33とを有する。
【0019】
ベース2は、長手軸Xによる主方向を有するハウジング20を有し、ハウジング20は、
−シェル3と対向して配設される開口部231と、
−ハウジング20に収容されるスリーブ24と、
−アクチュエータ25がスリーブ24へ軸力を印加してこれを変形させるブロック位置と、アクチュエータ25がスリーブ24へ実質的な力を印加しない休止位置との間においてハウジング20内で並進運動可能なアクチュエータ25であって、ハウジング20の開口部と少なくとも部分的に対向して配設され、シェル3の駆動要素33と協働する駆動要素255を有するアクチュエータ25と、
−アクチュエータ25およびスリーブを通過して長手軸Xに沿って延在する、カテーテル4を収容可能な孔251,241と、を有する。
【0020】
以下において、「根元(proximal)」は操作者に近接する位置にある部位(例えば端部)を指すものとし、「先端(distal)」は操作者から離間した部位を指すものとする。
【0021】
例えば、ハウジング20は、
−ブロック室21と、
−ブロック室21の延長部として延在するリング22と、
−ブロック室21とリング22との間に延在して開口部23を形成する通路23と、
を有する。
【0022】
ブロック室21と通路23とリング22とは、ハウジング20の主方向に沿って長手軸X上に連続的に延在する。これらは、基部27への接続により相対的に配置される。変形例として、ハウジング20が基部27に固着されるのでなく一体式であってもよい。また別の変形例では、ハウジング20と基部27とが一体式である。
【0023】
スリーブ24はブロック室21に収容されるのに対して、アクチュエータ25は通路23およびリング22に少なくとも部分的に収容される。
【0024】
シェル3は、ピボットリンクによってベース2に連接されることが好ましい。このため、基部27は、例えば、システム1の端部のレベルでシェル3から延在する相補的オリフィスを有する二つの耳部311と協働可能な2本のピン271を有してもよい。ピン271は、シェル3の耳部311の嵌着を容易にするための面取り272を有してもよい。
【0025】
ブロック室21は例えば、通路23を終端とする根元開口部と、医療器具への接続要素10との流体連通状態にある先端開口部211とを有する、実質的に管形の形状を有してもよい。先端開口部211は、概ね切頭または環状の形状であるブロック室21の先端壁部212に近接する位置にある。この先端壁部212は、先端開口部211を封鎖せずにスリーブ24を受容してその並進をブロックできる。
【0026】
ベース2は、ブロック室21と接続要素10との間に延在する透明点検室26も有してもよい。操作者が点検室26の中身を視認できるように、この点検室26は透明な材料で製作されるか透明材料で製作された点検窓を有してもよい。点検室26は、先端壁部212によってブロック室21に接続されている。特に管形の形状を有して、その寸法がブロック室21の先端開口部211の直径に概ね対応させるとよい。
【0027】
以下で分かるように、点検室26はカテーテル4の自由端部を収容して、ベース2にカテーテル4を配置するための視覚的標識の役割を果たすことができる。
【0028】
点検室26は、ベース2へのシェル3の接続により解除可能ブロックシステム1を閉じることができる。シェル3の係止手段32は、点検室26に対向して設けられている。特に、係止手段32は、シェル3がベース2へ折り重ねられた時に室26のいずれか一方の側に位置しており、反対側で点検室26と嵌合可能なフック322を自由端部のレベルに有する二つのタブ321を、有してもよい。タブ321は、フック322が点検室26の下に嵌合するまで点検室26の側壁部を摺動するように拡開する構成を持ち、タブの弾性復帰の作用を受けて定位置に保持され、ベース2に固着された状態にシェル3を保持する。任意であるが、この弾性復帰は、システム1が正しく閉じられたことを操作者が確認するための聴覚的標識として特に役立つ。
【0029】
システム1を開くには、フック322を外してシェル3をベース2から分離させるだけで充分である。このため、点検室26と対向するベース2の基部27の下面274にオリフィス273が形成されて、注射器ノズルなどの物品のノズルの通過を可能にするのに対して、フック322は斜面として作用する傾斜下面323を有する。操作者は、フック322の下面323を押圧するようにオリフィス273へ物品を導入して、フック322を拡開し、点検室26を解除するだけで充分である。
【0030】
オリフィス273は、物品のノズルのための通路を残すような寸法を持つとよい。変形例として、
図6に図示されているように、フック322がオリフィス273を介してベースの下面274のレベルをかすって(brush)もよい。オリフィス273は、物品のノズルの導入とフック322の拡開とを可能にするような寸法を持つ。
【0031】
変形例として、
図8aから8dに図示されているように、シェル3の係止手段32が、シェル3とベース2のいずれか一方の側に設けられてもよい。特に、係止手段32は、シェル3がベース2に折り重ねられた時にベース2の方向に延在して、ベース2から延在するスナップロックタブ325と対向関係で嵌合可能なフック326を自由端部のレベルに有する、二つの側方タブ324を有するとよい。
【0032】
ベース2のスナップロックタブ325は側面に沿ってベース2に固着され、コネクタ10の方向に長手軸Xと実質的に平行に延在する。ベース2の上面を越えないような寸法をスナップロックタブ325が持つことが好ましい。スナップロックタブ325は、フック326の通過を可能にしてこれを定位置に維持するように、弾性的に変形可能である。それゆえ、フック326がスナップロックタブ325の下に嵌合するまで拡開してスナップロックタブ325の上を摺動するように側方タブ324が設けられ、フックはスナップロックタブ325の弾性復帰の作用を受けて定位置に保持され、シェル3をベース2に固着された状態に維持する。任意であるが、この弾性復帰は、システム1が正しく閉じられたことを操作者が確認するための聴覚的標識として特に役立つ。
【0033】
図に描かれた実施形態では、シェル3の外側に対してオフセットするようにシェル3の下面の面に延在する表面328に側方タブ324が固着される。このようにして、シェル3をベース2に閉じる間に、フック326がスナップロックタブ325の外面と接触して、フック326が通過できるまでこれをベース2に近づけることによってこれを変形させる。
【0034】
スナップロックタブ325の各々は、操作者により接触可能なように外面に形成され、操作者がベース2へ近づけることにより指圧のみでスナップロックタブ325を変形させてフック326を解除できるようにする隆起部327を備える。自発的な動作を用いて、操作者はシェル3をベース2から分離して解除可能ブロックシステム1を開き、カテーテルを解除することができる。
【0035】
タブ324,325のスナップ固定が、解除可能ブロックシステムの適切な閉口を操作者に対して保証する操作者のための聴覚的標識を構成すると好都合である。また、係止手段32はスナップ固定の安全性を保証し、再度開口のためには操作者による介入が必要とされる。
【0036】
任意であるが、シェル3を持ち上げる際のシステム1の取り扱いを容易にするため、シェル3および/またはベース2が浮き彫り34、例えば耳部を備えるとよい。
【0037】
スリーブ24は変形可能な材料で製作されることが好ましく、圧縮性であるとよい。例えば、スリーブ24はポリイソプレンなどのエラストマ材料で製作されるとよい。
【0038】
スリーブ24は、カテーテル4を受容するように設計されたブロック孔241を有する。カテーテル4を孔241へ導入してからアクチュエータ25によりスリーブ24が変形される時にそのブロックを容易にするため、このブロック孔241の内径はカテーテル4の内径と実質的に等しくなるように選択される。ブロック孔241はスリーブ24と同軸であることが好ましい。
【0039】
スリーブ24の形状は、ブロック室21における配置、そのためカテーテル4をブロックするように設計されたブロック孔241の配置を保証するため、ブロック室21の内部空間の形状と実質的に相補的である。それゆえ、実質的に管形の形状のブロック室21については、スリーブ24の形状は実質的に回転円筒形である。その直径も、ブロック室21への挿入を可能にしてハウジング20に対する配置を保証するため、やはりブロック室21の内径に応じて選択される。例えば、スリーブ24の外径はブロック室21の内径と実質的に等しいとよい。
【0040】
それゆえ、スリーブ24がブロック室21に配置されると、ブロック孔241はブロック室21(およびハウジング20)と同軸である。
【0041】
リング22は実質的に管形の形状を有して、根元開口部と通路23を終端とする先端開口部とを有してもよい。図示された実施形態では、リング22はシェル3への接続手段を支承し、ここでは2本のピン271がベース2の面において長手軸Xに対して径方向に延在する。シェル3は、ピン271に取り付けられ、ピン271の軸を中心としてシェル3を旋回させるのに適した二つの耳部311を有する。シェル3の形状はまた、ブロックシステム1が開いている時、つまりシェル3がベース2に折り重ねられていない時にはカテーテル4の導入を防止しないように選択される。例えば、ブロックシステム1が開いている時にはその根元端部がリング2の外側の壁部で停止するようにシェル3を形成してもよい。
【0042】
通路23は、ブロックシステム1のシェル3と対向して延在する開口部を有する。例えば、通路23は、リング22の延長部として半円形断面のU字形壁部232を有して、開口部231がその全長にわたって延在してもよい。変形例として、通路23は管形の形状としてもよく、シェル3の駆動要素33を収容できる寸法の窓の形状で開口部231が形成される。
【0043】
アクチュエータ25は、スリーブ24と接触してハウジング20の先端壁部212の方向にスリーブを押圧し、ブロック孔241の内側区分を縮小させカテーテル4を定位置でベース2に対してブロックできる。
【0044】
この目的のためにアクチュエータ25は、長手軸Xに沿った並進運動が可能であり、リング22に少なくとも部分的に収容される根元ガイド部252と、通路23に少なくとも部分的に収容されてプッシャを形成する先端部254とを有する。
【0045】
先端部254はスリーブ24を押圧するのに対して、ガイドとして作用する根元部252は、スリーブ24およびベース2に対してカテーテル4を位置決めし、またブロック室21にアクチュエータ25を位置決めする。
【0046】
アクチュエータ25はカテーテル4を通過させるガイド孔251を有し、その根元端部253はカテーテル4の導入を容易にするため広げられている。このガイド孔251の内径は、孔251へのカテーテル4の導入を可能にしてからスリーブ24への案内を容易にするため、カテーテル4のものより若干大きくなるように選択される。例えば、ガイド孔251の直径は、幅広の根元端部253と、スリーブのブロック孔241と対向して配置される先端端部との間で減少するとよい。実施形態によれば、ガイド孔251の先端端部の直径は最大でもブロック孔241の根元端部の直径と等しく、導入の間にカテーテル4がスリーブ24で停止するのを防止する。
【0047】
ガイド孔251は、アクチュエータ25と同軸であることが好ましい。そのため、スリーブ24がリング2に配置されると、ガイド孔251はリング22と(そのためハウジング20と)同軸である。
【0048】
アクチュエータ25の根元ガイド部252の形状はリング22の形状と実質的に相補的であって、アクチュエータ25と通路23およびブロック室21との整合を保証することが好ましい。そのため、実質的に管形の形状のリング22については、ガイド部252は実質的に回転円筒形の形状である。リング22へのガイドの挿入を可能にするように、またアクチュエータ25の並進方向にこれが保持されるようにするため、ガイド部252の直径もリング22の内径に応じたものである。
【0049】
根元ガイド部252は、アクチュエータ25がシステム1から抜け出るのを防止するために設けられた手段258を有してもよい。これらの手段258は特に、根元端部からある距離で根元部252の外面から突出する一つ以上の隆起部であるとよい。隆起部258の寸法は、隆起部258のレベルでの根元部252の外径がリング22の内径より大きくなるように選択される。このようにして、アクチュエータ25がブロックシステム1に載置されると、アクチュエータがハウジング20から引き抜かれることはなく、アクチュエータがリング22の根元端部の方向にある点を越えて移動することを隆起部258が防止する。
【0050】
任意であるが、後述するようにアクチュエータ25のピストン257が常にスリーブ24と接触していること、そしてスリーブ24を軸方向に変形させない休止位置、またはアクチュエータ25がブロック室21へ導入されてスリーブ24を変形させるブロック位置にアクチュエータがあることを保証するように、隆起部258の軸方向位置が選択されてもよい。事実これは、アクチュエータ25の休止位置においてもガイド251孔およびブロック孔241の連続性を保証し、そのためカテーテル4の導入を容易にする。
【0051】
先端部254は実質的に通路23に延在し、本体256と上述のピストン257と駆動要素255とを有する。本体256とピストン257と駆動要素255とは特に一体式であるとよい。変形例として、ピストン257および駆動要素255が本体256に装着されてもよい。
【0052】
本体256は、アクチュエータ25の根元ガイド部252とアクチュエータ25の先端端部との間で長手軸Xに沿って延在して、ピストン257を駆動要素255に接続する。本体256の直径は特に、リング22および/またはブロック室21の内径より短いとよい。
【0053】
ピストン257は、先端部254の先端端部のレベルに配設される。これは、長手軸Xに対して横方向に延在する円筒形ヘッドの形状を有し、アクチュエータ25の並進方向に対して横方向に延在する実質的に平面状の先端壁部257aを有する。
図5b,5c,6b,6cに描かれているように、ヘッドは例えば回転円筒形であって、スリーブ24を変形させてカテーテル4をブロックすることを可能にするのに充分な厚さを有する。変形例として、ヘッドが円錐形であって、ピストン257の先端壁部257aと本体256との間で減少する直径を有してもよい。
【0054】
駆動要素255は、ピストン257と根元ガイド部252との間に延在して、通路23の開口部231と少なくとも部分的に対向するように配設される。駆動要素255は、シェル3の相補的な駆動要素33と協働する。シェル3をベース2に閉じると決められた距離にわたってアクチュエータ25をスリーブ24の方向に並進させるように、駆動要素255,33の形状が決定される。
【0055】
例えば、ベース2の駆動要素255は、並進方向に垂直な方向に要素255へ力が印加される時にスリーブ24の方向の推力を発生させる力のための根元復帰斜面255aを有する。このため、復帰斜面255は先端部254の本体256に対して実質的に横方向に延在し、斜面は長手軸Xに対して好ましくは15°と85°の間の角度αで斜めに配向されている。復帰斜面255aの角度αは、スリーブ24を軸方向に圧縮するためアクチュエータ25が移動する距離に応じて決定され、要素255の直径に左右される。そのため、角度αが小さいほど、同じ距離を移動するための要素255の直径は大きくすべきである。
【0056】
推力は、シェル3の駆動要素33により印加される。このため、シェル3の駆動要素33は、復帰斜面255aと協働してアクチュエータ25をシフトさせるのに適した突出部の形状を有する。例えば、シェル3は、ピン271の軸についてのシェル3の回転により、シェル3がベース2に折り重ねられ、ブロックシステム1を閉じる時に要素255と接触してから復帰斜面255aの上に乗るように、設けられる。アクチュエータ25はハウジング20内で並進運動可能であるので、シェル3がベース2で停止されるまで、突起が斜面255aを進む間にスリーブ24の方向にハウジング20内で変位する。
【0057】
図示された実施形態では、シェル3の方向に先端部254の本体256付近から延在する環状を駆動要素255が有し、その外径はスリーブ24のものと実質的に等しく、その復帰斜面255aは本体256のいずれかの側に延在する。シェル3は二つの突起33を有するとよく、各々が復帰斜面255aと接触するのに適している。
【0058】
シェル3は、係止手段32によってこの位置に固定されるとよい。
【0059】
任意であるが、要素255と突起33との協働によってシェル3が定位置に保持されていてもよい。そのために、要素255は、斜面255aの延長部において、ベース2の基部27の方向に、長手軸Xに対して横方向に延在する固定壁部255bを有する。これにより、突起33は、傾斜した復帰斜面255aを移動した後に、要素255の固定壁部255bで停止され、こうしてシステム1を閉位置に固定する。実際には、システム1が閉じられた時にアクチュエータ25によりスリーブ24が変形されると、ブロックシステム1の根元端部の方向にピストン257へ軸力を印加して初期形状を回復し、こうして固定壁部255bを突起33へ押圧する。(ブロックシステム1が閉じられた時に)要素255の固定壁部255bに平行な先端壁部33bを持つ突起33の使用によって固定が改善され得るため、スリーブ24により印加される進行力の方向(長手軸Xに平行な軸方向)に対して垂直な面で、固定壁部255bと先端壁部33bとが全面にわたって接触する。必要であれば、突起33の先端壁部33bも、復帰斜面255aと相補的な傾斜部33aを有してもよく、システム1が閉じられた時に、先端壁部33bは固定壁部255bおよび復帰斜面255aの両方と接触して、ベース2へのシェル3のブロックを補強する。
【0060】
長所として、要素255の固定壁部255bと突起33との協働によるシェル3のブロックは、フック322の固定解除中に付加的な抵抗を発生させる。
【0061】
変形例として、また同等物として、アクチュエータ25が突起を、シェル3が復帰斜面を備える要素を支承してもよい。ブロックシステム1の操作は同じままであり、(シェルの駆動要素33を形成する)カムの駆動壁部における(駆動要素255を形成する)突起の摺動のため、システム1を閉じるとハウジング内でアクチュエータ25の変位が生じる。
【0062】
ガイド孔251へのカテーテル4の導入を容易にするため、ガイド部252の長さは長手軸Xに沿ったリング22の長さより大きいとよい。このようにして、根元ガイド部252が隆起部258で停止されると、その根元端部253がリング22およびベース2よりも突出してガイド孔251の幅広部を解離させる。この実施形態はまた、ブロックシステム1が嵌合せずスリーブ24が圧縮されていなくてアクチュエータ25が明らかに休止位置にあることを操作者が確認できるという長所も有する。
【0063】
また、アクチュエータ25が長手軸Xを中心に自転し、その結果として要素255がもはや突起33と対向せずにカテーテル4のブロックを妨げることを防止するため、長手軸Xに平行に延在する一つ以上の溝部および直線状の細溝をアクチュエータ25およびハウジングが備えるとよい。例えば、リング22が、アクチュエータの根元ガイド部252から突出する多くの溝部250と協働し、内面に等距離で分散された4本の細溝221を有してもよく、あるいはその逆でもよい。
【0064】
変形例として、溝部221が例えばピストン257のレベルでアクチュエータ25の先端部252から延在して、ハウジング20のブロック室21に形成された直線状の細溝250と協働してもよい(またはその逆であってもよい)。この変形例の実施形態では、アクチュエータ25のピストン257がブロック位置と同じように休止位置でもブロック室21に存在することを保証するようにアクチュエータ25に隆起部258が配置される。
【0065】
そのため本発明による解除可能ブロックシステム1のお蔭で、操作者は、非常に小径のものであってもカテーテル4を、単純に、人間工学的に、安全に、迅速に、そして最少の労力で接続することができる。
【0066】
このため、ピン271の軸を中心とするシェル3の回転によりシェル3をベース2から引き抜くことによって、最初にブロックシステム1を開く。アクチュエータ25はスリーブ24に力を加えず、結果的にブロック孔241が開いてカテーテル4の導入を可能にし、必要であればその根元端部253がリング22よりも突出する。次にアクチュエータ25のガイド孔251にカテーテル4を導入してから、カテーテル4を押圧して、点検室26に達するまでアクチュエータ25およびスリーブ24中を連続して通過させる。点検室26によって、カテーテル4の先端端部は接続要素10に充分近接していることを操作者は視覚的に確認できる。ブロックシステム1によりカテーテル4が着脱可能にブロックされる準備が整い、カテーテル4はアクチュエータ25の孔251とスリーブ24の孔241と点検室26とに延在する。
【0067】
操作者は次に、シェル3をベース2へ折り重ねてブロックシステム1を閉じカテーテル4をブロックする。閉じる間に、シェル3の突起33がアクチュエータ25のカム255と当接する。この最初の抵抗にもかかわらず閉じ続けると、アクチュエータ25がスリーブ24の方向に変位されてこれを軸方向に変形させる(スリーブ24はブロック室21の先端壁部212により保持されている)。ベース2の長手軸Xに沿ったこの軸方向変形の作用は、スリーブ24のブロック孔241の断面を縮小してカテーテル4をスリーブ24内の定位置でブロックすることである。
【0068】
操作者は、システム1のコネクタ10へ適応ノズルをねじ込むことにより、医療器具、例えばフィルタを固着することができる。
【0069】
操作者がカテーテル4を引き抜きたい時には、コネクタ10から医療器具を抜いて、ブロックシステム1を開き、適切な寸法の物品をベース2のオリフィス273へ挿入し、次にベース2のピン271を中心とする回転によりベースからシェル3を離間させてブロック要素255および突起33を解離させてアクチュエータ25を休止位置へ復帰させる必要がある。スリーブ24は初期形状を回復してカテーテル4を解除し、操作者はブロックシステム1からカテーテルを引き抜くことができる。