(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294736
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】集合光モジュール、光配線基板およびそれを用いた情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/10 20060101AFI20180305BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20180305BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20180305BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20180305BHJP
【FI】
H05K7/10 C
G02B6/42
G06F1/18 F
H01L31/02 C
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-77014(P2014-77014)
(22)【出願日】2014年4月3日
(65)【公開番号】特開2015-198222(P2015-198222A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2016年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】517121630
【氏名又は名称】APRESIA Systems株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 俊明
(72)【発明者】
【氏名】須永 義則
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正尭
(72)【発明者】
【氏名】山嵜 欣哉
(72)【発明者】
【氏名】中條 徳男
(72)【発明者】
【氏名】松嶋 直樹
【審査官】
梅本 章子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0266274(US,A1)
【文献】
米国特許第05337388(US,A)
【文献】
特開2003−185882(JP,A)
【文献】
特開平08−106029(JP,A)
【文献】
特開平11−214068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/10
G02B 6/42
G06F 1/18
H01L 31/0232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光モジュールを配線基板に搭載するための集合光モジュールであって、
光配線が接続された複数の前記光モジュールと、
複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、
それぞれの光モジュールは、光素子と、電子回路と、前記光素子と前記電子回路を搭載する電気配線用基板と、前記電気配線用基板に接続される光モジュールの電気コネクタと、前記電気配線用基板が収納される方形のケースとを備え、
前記モジュールケースは、個々の光モジュールを収納する複数の凹部を備え、それぞれの凹部は4つの側壁と底壁で構成されており、前記底壁は前記光モジュールの電気コネクタが通る孔部を備えており、かつ前記凹部に収納される前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化された集合光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の集合光モジュールにおいて、
前記フローティング機構は、弾性体を備えている集合光モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の集合光モジュールにおいて、
前記フローティング機構は、個々の光モジュールを収納する凹部の側壁に配置した板ばねを備えている集合光モジュール。
【請求項4】
複数の光モジュールを配線基板に搭載するための集合光モジュールであって、
光配線が接続された複数の前記光モジュールと、
複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、
前記モジュールケースは、収納する前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記フローティング機構は板ばねを備えており、前記板ばねは、個々の光モジュールを収納する凹部の4辺の側壁に配置され、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されている集合光モジュール。
【請求項5】
複数の光モジュールを配線基板に搭載するための集合光モジュールであって、
光配線が接続された複数の前記光モジュールと、
複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、
前記モジュールケースは、収納する前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記フローティング機構は板ばねを備えており、前記板ばねは個々の光モジュールを収納する凹部の側壁に配置され、前記板ばねは、光モジュールを収納する複数の凹部に配置される複数の板ばねが連結して一体化されており、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されている集合光モジュール。
【請求項6】
配線基板と複数の光モジュールを集合した集合光モジュールを備える光配線基板であって、
前記配線基板は電気コネクタを備えており、
前記集合光モジュールは、複数の前記光モジュールと、複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、
それぞれの光モジュールは、光素子と、電子回路と、前記光素子と前記電子回路を搭載する電気配線用基板と、前記電気配線用基板に接続される光モジュールの電気コネクタと、前記電気配線用基板が収納される方形のケースとを備え、
前記モジュールケースは、個々の光モジュールを収納する複数の凹部を備え、それぞれの凹部は4つの側壁と底壁で構成されており、前記底壁は前記光モジュールの電気コネクタが通る孔部を備えており、かつ前記凹部に収納される前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されており、
前記集合光モジュールを前記配線基板に搭載すると、前記配線基板の電気コネクタと前記光モジュールの電気コネクタとが嵌り合う光配線基板。
【請求項7】
請求項6に記載の光配線基板において、
前記集合光モジュールのフローティング機構は、弾性体を備えている光配線基板。
【請求項8】
請求項6に記載の光配線基板において、
前記フローティング機構は、個々の光モジュールを収納する凹部の側壁に配置した板ばねを備えている光配線基板。
【請求項9】
配線基板と複数の光モジュールを集合した集合光モジュールを備える光配線基板であって、
前記配線基板は電気コネクタを備えており、
前記集合光モジュールは、複数の前記光モジュールと、複数の前記光モジュールを収納
するモジュールケースとを備え、
前記モジュールケースは、収納する前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記フローティング機構は板ばねを備えており、前記板ばねは、光モジュールを収納する凹部の4辺の側壁に配置され、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されており、
前記集合光モジュールを前記配線基板に搭載すると、前記配線基板の電気コネクタと前記光モジュールの電気コネクタとが嵌り合う光配線基板。
【請求項10】
配線基板と複数の光モジュールを集合した集合光モジュールを備える光配線基板であって、
前記配線基板は電気コネクタを備えており、
前記集合光モジュールは、複数の前記光モジュールと、複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、
前記モジュールケースは、収納する前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記フローティング機構は板ばねを備えており、前記板ばねは個々の光モジュールを収納する凹部の側壁に配置され、前記板ばねは、光モジュールを収納する複数の凹部に配置される複数の板ばねが連結して一体化されており、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されており、
前記集合光モジュールを前記配線基板に搭載すると、前記配線基板の電気コネクタと前記光モジュールの電気コネクタとが嵌り合う光配線基板。
【請求項11】
配線基板と複数の光モジュールを集合した集合光モジュールを備える光配線基板であって、
前記配線基板は電気コネクタを備えており、
前記集合光モジュールは、複数の前記光モジュールと、複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、
前記モジュールケースは、収納する前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されており、
前記集合光モジュールを前記配線基板に搭載すると、前記配線基板の電気コネクタと前記光モジュールの電気コネクタとが嵌り合うものであり、
前記集合光モジュールは、複数の光モジュールが複数行および複数列に行列状に配置されたものであり、
前記集合光モジュールと集積回路が隣接配置されている光配線基板。
【請求項12】
配線基板と複数の光モジュールを集合した集合光モジュールを備える光配線基板であって、
前記配線基板は電気コネクタを備えており、
前記集合光モジュールは、複数の前記光モジュールと、複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、
前記モジュールケースは、収納する前記光モジュールのフローティング機構を備え、
前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されており、
前記集合光モジュールを前記配線基板に搭載すると、前記配線基板の電気コネクタと前記光モジュールの電気コネクタとが嵌り合うものであり、
前記集合光モジュールは、中央に開口部を有し、複数の光モジュールが前記開口部の周辺に配置されたものであり、
前記集合光モジュールの開口部に集積回路が配置されている光配線基板。
【請求項13】
請求項6〜請求項12の何れか一つに記載の光配線基板を搭載した情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板内のデータ伝送に光を用いる光インターコネクト技術に関し、光モジュールの構造を改良した集合光モジュールおよび光配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバ、ルータ、ストレージなどの情報処理装置では、装置内や基板内でのデータ伝送の高速化の要求が高まっており、従来の電気伝送からより高速な伝送が可能となる光伝送に移行しつつある。
【0003】
情報処理装置においては、スイッチLSI、インターフェースモジュール、CPUなどのLSIを搭載した、スイッチ基板、ブレード基板などの複数の回路基板が、バックプレーンに取り付けられている。複数の回路基板をバックプレーンに接続し、回路基板間の信号伝送を行う。また、回路基板内においても、LSIとコネクタとの間で信号伝送を行う。回路基板内の信号伝送には、従来、電気配線による電気伝送が用いられていた。しかし、電気伝送では、伝送速度が速くなるにつれて基板配線の損失が大きくなるため、またクロストークが発生するため、高速化することが困難になってきている。このため、回路基板内の信号伝送に光伝送を用いることが検討されている。
【0004】
回路基板内の信号伝送に光インターコネクト技術を用いたものとして、特許文献1には、「光信号を伝送する光伝送路と、光信号を電気信号に変換し、または電気信号を光信号に変換する光素子とを光学的に接続する光モジュールであって、光伝送体および当該光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体と、配線パターンおよび接続電極が設けられた配線基板と、配線基板上に配置され、光素子を含む電子部品が上面に搭載されると共に電子部品の電極に電気的に接続される下面電極が下面に設けられた電子部品搭載基板と、上部構造体と電子部品搭載基板とを配線基板上に垂直方向へ押圧して固定することにより、電子部品搭載基板の光素子に対して上部構造体の光伝送路を光学的に接続すると共に電子部品搭載基板の下面電極と配線基板の接続電極とを接触させて電気的に接続する装着体とを備えており、電子部品搭載基板の下面電極と配線基板の接続電極のいずれか一方が突起状に形成されていることを特徴とする光モジュール。」(請求項1)と記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、ボード間インタコネクション装置において、レンズアレイを内包するフェルールと半導体レーザ或いはフォトダイオードが搭載されたチップキャリアを、弾性体を介して配線基板に支持することが記載されている。そして、弾性体は、チップキャリアを配線基板の主面に対して垂直方向に支持するとともに、第1配線基板の光送信部のフェルールと第2配線基板に光受信部のフェルールを接続する際に、割りスリーブ内で光軸方向に対して圧力を加えることが記載されている。(請求項1,2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−198921号公報
【特許文献2】特開2001−196625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、配線基板上に固定された弾性を有する嵌合部材(装着体)により、光ファイバ等の光伝送体を有する光モジュールを、配線基板に取り付けることが記載されている。しかし、特許文献1には、1つの光モジュールを配線基板に取り付けることが記載されているのみで、複数の光モジュールを配線基板上に取り付ける際の課題については記載されていない。
【0008】
特許文献2に記載の発明は、配線基板間の光相互接続装置に関するものであって、複数の光モジュールを配線基板上に取り付けることや、複数の光モジュールを一括して勘合することは記載されていない。
【0009】
本発明は、複数の光モジュールを配線基板上に搭載する際の、搭載の簡便化、高密度化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0011】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、集合光モジュールの一例を挙げるならば、複数の光モジュールを配線基板に搭載するための集合光モジュールであって、光配線が接続された複数の前記光モジュールと、複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されたものである。
【0012】
また、本発明の光配線基板の一例を挙げるならば、配線基板と複数の光モジュールを集合した集合光モジュールを備える光配線基板であって、前記配線基板は電気コネクタを備えており、前記集合光モジュールは、複数の前記光モジュールと、複数の前記光モジュールを収納するモジュールケースとを備え、前記複数の光モジュールと前記モジュールケースがユニット化されており、前記集合光モジュールを前記配線基板に搭載すると、前記配線基板の電気コネクタと前記光モジュールの電気コネクタとが嵌り合うものである。
【0013】
本発明において、前記モジュールケースは、収納する前記光モジュールのフローティング機構を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の光モジュールを、1つのモジュールケース内に収容した集合光モジュールとすることにより、光モジュールの配線基板への搭載の簡便化、および高密度化を図ることができる。
【0015】
また、各光モジュールにフローティング機構を付与することにより、電気コネクタ間の位置ずれを吸収し、集合光モジュールの一括嵌合を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例1の集合光モジュールを示す図である。
【
図2】従来の、複数の光モジュールを配線基板上に配置した1例を示す図である。
【
図3】実施例1の集合光モジュールの課題を示す図である。
【
図4】本発明の実施例2の集合光モジュールを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施例2の集合光モジュールを示す平面図である。
【
図6A】本発明の実施例2の集合光モジュールの製造工程を示す図である。
【
図6B】本発明の実施例2の集合光モジュールの製造工程を示す図である。
【
図6C】本発明の実施例2の集合光モジュールの製造工程を示す図である。
【
図6D】本発明の実施例2の集合光モジュールの製造工程を示す図である。
【
図6E】本発明の実施例2の集合光モジュールの製造工程を示す図である。
【
図8】本発明の実施例3の光配線基板を示す図である。
【
図9】本発明の実施例4の光配線基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2に、従来の、複数の光モジュールを配線基板上に搭載した光配線基板の1例を示す。配線基板10に、光モジュール22を1つずつ逐次に取り付ける。光モジュール22を取り付けると、光モジュール22の電気コネクタ(オス)(図示せず。)と配線基板上の電気コネクタ(メス)28とが、嵌り合い電気的に接続される。各光モジュール22には、光ファイバ12が接続されており、光ファイバの他端には、コネクタ14が取り付けられている。光モジュール22には、ヒートシンク16がネジおよびナットにより取り付けられる。
【0018】
このような光配線基板において、搭載する光モジュールの数が増加すると、位置合わせを行って取り付けるのに長時間を要することとなる。また、光モジュールを高密度に取り付けることは困難である。
【0019】
本発明は、これらの課題を解決するもので、先ず、複数の光モジュールを配線基板上に搭載する際に、光モジュールの配線基板への搭載の簡便化、高密度化を図るものである。
【0020】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、実施の形態を説明するための各図において、同一の機能を有する要素には同一の名称、符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
【実施例1】
【0021】
図1に、本発明の実施例1の集合光モジュールを搭載した光配線基板を示す。
図1において、集合光モジュール20は、複数の光モジュール22、モジュールケース24およびモジュールカバー26で構成されている。モジュールケース24内に、複数の光モジュール22を収容し、モジュールカバー26を被せることにより、集合光モジュール20を構成する。モジュールケース24には、個々の光モジュールを収容する複数の凹部を備えるのが、好ましい。光モジュール22には、コネクタ14を取り付けた光ファイバ12が接続されており、複数の光モジュールを有するユニット化した集合光モジュール20が構成される。そして、配線基板10上の電気コネクタ(メス)28と、光モジュール22の電気コネクタ(オス)(図示せず)との位置を合わせて、配線基板10に集合光モジュール20を搭載する。集合光モジュール20上には、ヒートシンク16をネジおよびナットにより取り付ける。
【0022】
本実施例によれば、光モジュールをユニット化して集合光モジュールとすることにより、複数の光モジュールを配線基板へ同時に一括して搭載することができる。また、複数の光モジュールを高密度に取り付けることができる。
【実施例2】
【0023】
実施例1のように、複数の光モジュールを1つのモジュールケース内に収容した集合光モジュールでは、モジュールケースの加工精度や、電気コネクタ(オス、メス)の実装精度等により、電気コネクタのオス−メス間に位置ずれが発生する。そのため、全ての電位コネクタを一括して勘合させ、全光モジュールの導通を確保することが困難である。
【0024】
図3(a)は集合光モジュールの長手方向の側面図を、
図3(b)は集合光モジュールの短手方向の側面図を示す。モジュールケースの加工精度が±100μm、電気コネクタ(オス)の搭載精度が±200μm、電気コネクタ(メス)の搭載精度が±200μmとすると、
図3(a)および
図3(b)に示す位置ずれを発生し、電気コネクタのオス−メス間に最大で500μm程度の位置ずれを発生する。従来技術では、300μm程度までしか位置ずれを吸収できず、全光モジュールの導通を取ることができない。
【0025】
実施例2は、この課題を解決するもので、各光モジュールにフローティング機構を付与することにより、電気コネクタのオス−メス間の位置ずれを吸収し、集合光モジュールの一括嵌合を実現するものである。
【0026】
図4および
図5に、本発明の実施例2の集合光モジュールを示す。
図4は集合光モジュールの斜視図を、
図5は集合光モジュールの1部分の平面図を示す。光モジュール22を収納するモジュールケース24のそれぞれの凹部の側壁部(例えば4辺)に、板ばね27等の弾性体を設ける。モジュールケース24の凹部に光モジュール22を取り付けた場合、
図5の矢印で示すように、板ばね27の弾性により光モジュール22が平面方向に自由に動くことができ、フローティングする。光モジュールが自由に動くことにより、配線基板に設けた電気コネクタ(メス)と光モジュールの電気コネクタ(オス)とが嵌り合う。
【0027】
図6A乃至
図6Eに、本発明の実施例2の集合光モジュールの製造工程を示す。
図6Aに示すように、モジュールケース24のそれぞれの凹部の側面部に板ばね27を設置する。
図6Bに示すように、板ばねを設置したそれぞれの凹部に、光ファイバ12が取り付けられた光モジュール22を取り付ける。そして、モジュールカバー26を取り付けることにより、集合光モジュール20を構成する。
図6Cに示すように、集合光モジュール20を配線基板10に搭載する。その際に、集合光モジュールが板ばね27から成るフローティング機構を備えることにより、配線基板上の電気コネクタ(メス)28と光モジュールの電気コネクタ(オス)とが嵌り合う。
図6Dに示すように、集合光モジュール20上にヒートシンク16を搭載する。
図6Eの完成図に示すように、配線基板10上に、複数の光モジュール20を搭載し、ヒートシンク16を取り付けた光配線基板ができあがる。
【0028】
本実施例によれば、光モジュールを収納するモジュールケースの側壁部に板ばねを設けることにより、各光モジュールにフローティング機構を付与する。これにより、電気コネクタのオス−メス間の位置ずれを吸収することができ、集合光モジュールの一括嵌合を実現することができる。
【0029】
図において、モジュールケースの凹部に設ける板ばね27はそれぞれ分離されているが、複数の凹部に配置される複数の板ばねを連結して一体化してもよい。複数の板ばねを連結して一体化することにより、モジュールケース24への板ばね27の取り付けが容易になる。
【0030】
本実施例では、弾性体として板ばねを用いたが、板ばね以外のコイルばね等の弾性体を使用できることは、明らかである。また、本実施例では、板ばねを凹部の4辺に設けたが、少なくとも対向する2つの辺の一方に設ければよい。
【0031】
ここで、モジュールケースに収容する光モジュールの1例を示す。
図7において、光素子(発光素子または受光素子)1と電子回路2(発光素子駆動回路または電気信号増幅回路)を、電気配線用基板3に搭載する。電気配線用基板3は、発光素子からの光を透過させる材料からできている。電気配線用基板3の光素子1と電子回路2を搭載した面と反対側の面に光ファイバ5付き光コネクタ4を搭載する。光コネクタ4は、光路を90度変換する反射器とレンズをモノリシックに集積化した構造を備えている。これにより、光ファイバ5と光素子1との光結合を可能にする。電気コネクタ(オス)7はインライン型コネクタで、電気配線用基板3に接続されている。電気コネクタ(オス)7を配線基板9に設置されている電気コネクタ(メス)8に挿入することにより、光ファイバ5付き光コネクタ4が搭載された光モジュール6を、配線基板9上に設置する。
【実施例3】
【0032】
本発明の実施例3の光配線基板は、集合光モジュール内の複数の光モジュールの配置、および、集合光モジュールと集積回路との配置を改善したものである。
【0033】
図8に、本実施例の集合光モジュールおよび集積回路を搭載した光配線基板を示す。集合光モジュール20は、複数の光モジュール22が複数行および複数列に行列状に配置されたものである。そして、配線基板10上に、集合光モジュール20とスイッチIC等の集積回路30が隣接して搭載されている。集積回路30と、各光モジュールの取り付け位置の電気コネクタ(図示せず)とが、配線基板10上の配線パターンで電気的に接続されている。複数の光モジュール22を搭載した集合光モジュール20を配線基板10に取り付けることにより、電気コネクタ同士が接続される。
【0034】
図において、点線の矢印は光ファイバ12を示し、この例では、一方向に光ファイバが取り付けられている。
【実施例4】
【0035】
図9に、本発明の実施例4の集合光モジュールおよび集積回路を搭載した光配線基板を示す。集合光モジュール20は、中央に開口部32を有し、複数の光モジュール22が、開口部32の周辺に配置されている。そして、配線基板10上において、集合光モジュール20の開口部32にスイッチIC等の集積回路30が配置されている。
【0036】
集積回路30と、周辺に設けた各光モジュールの取り付け位置の電気コネクタ(図示せず)とが、配線基板10上の配線パターンで電気的に接続されている。複数の光モジュール22を搭載した集合光モジュール20を配線基板10に取り付けることにより、電気コネクタ同士が接続される。
【0037】
図において、点線の矢印は光ファイバを示し、この例では、4つの方向に対称的に光ファイバが取り付けられている。
【0038】
本実施例によれば、集合光モジュール20の開口部32に集積回路30を配置し、開口部32の周辺に複数の光モジュール22を配置することにより、集積回路30と光モジュール22との配線が容易になる。また、集積回路30と光モジュール22とで放熱フィンを兼用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 配線基板
12 光ファイバ
14 コネクタ
16 ヒートシンク
20 集合光モジュール
22 光モジュール
24 モジュールケース
26 モジュールカバー
27 板ばね
28 電気コネクタ(メス)
29 電気コネクタ(オス)
30 集積回路
32 開口部