(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294764
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】スプロケット及び伝動機構
(51)【国際特許分類】
F16H 55/30 20060101AFI20180305BHJP
F16H 7/06 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
F16H55/30 C
F16H7/06
F16H55/30 D
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-109413(P2014-109413)
(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公開番号】特開2015-224704(P2015-224704A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100092200
【弁理士】
【氏名又は名称】大城 重信
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】足立 祥平
【審査官】
岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−336879(JP,A)
【文献】
特開2008−240793(JP,A)
【文献】
実開昭62−163359(JP,U)
【文献】
特開2002−349675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 55/30
F16H 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の周面に複数の歯が形成され、チェーンが掛け回されるスプロケットであって、
前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、円周方向厚さが幅方向で連続的に変化する形状に形成され、
前記歯の噛合部は、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした形状に形成されていることを特徴とするスプロケット。
【請求項2】
前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の端部から中央部に向かって円周方向厚さが大きくなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
【請求項3】
前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の中央以外で最も円周方向厚さが大きくなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスプロケット。
【請求項4】
前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から、一方の端部に向けての円周方向厚さの変化量と他方の端部に向けての円周方向厚さの変化量とを異なるものとした形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスプロケット。
【請求項5】
複数のスプロケットと、前記複数のスプロケットに掛け回されるチェーンとを有する伝動機構であって、
少なくとも1つのスプロケットが、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたスプロケットであることを特徴とする伝動機構。
【請求項6】
少なくとも2つのスプロケットが、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたスプロケットであり、
前記少なくとも2つのスプロケットの歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置がそれぞれ異なる、又は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から少なくともいずれかの端部に向けての円周方向厚さの変化量がそれぞれ異なる、あるいは、前記幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置と前記円周方向厚さの変化量の両方がそれぞれ異なることを特徴とする請求項5に記載の伝動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の周面に複数の歯が形成され
、チェーンが掛け回されるスプロケット、及び、複数のスプロケットと、前記複数のスプロケットに掛け回されるチェーンとを有する伝動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転を確実に伝達する伝動機構として、本体の周面に複数の歯が形成されたスプロケットにチェーンを掛け回す伝動機構が慣用されている。
スプロケットの歯がチェーンと噛み合うことによって、複数のスプロケットの間で、タイミングと回転力が確実に伝えられるが、噛み合いに伴って騒音や振動が発生することは避けられない。
この騒音や振動を低減するためのチェーンとして、幅方向に多数のリンクプレートを屈曲可能に連結し、リンクプレートに設けられた歯部がスプロケットの歯と噛み合うサイレントチェーンが知られている。
従来、サイレントチェーンが掛け回されるスプロケット500の歯510の噛合部511は、幅方向の全てのリンクプレートに対して均等に噛み合うように、
図7、
図8に示すように、全ての高さ位置(
図8では、歯先に近い側からt1、t2、t3の3位置を示した。)において、それぞれ幅方向で円周方向厚さが同じとなる形状に形成、すなわち、
図8に示すt1断面、t2断面及びt3断面において、円周方向両側の噛合部511が平行となる形状に形成されており、サイレントチェーンに対して均一に噛み合って力が伝達されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−265996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスプロケット500は、初期状態ではサイレントチェーンに対して均一に噛み合って力が伝達されるように構成されているが、サイレントチェーンに張力がかかると、サイレントチェーンの連結ピンが撓んだりスプロケットの回転軸が撓んだりするため、従来のスプロケットでは、スプロケットの歯の噛合部とサイレントチェーンとが、幅方向で均一に接触して力を伝達することが阻害され、振動や騒音が増加したりチェーンの幅方向の一部領域に大きな荷重がかかるという問題があった。
また、スプロケットが片持ち支持の場合、スプロケットの回転軸の撓みも発生しやすく、サイレントチェーンとスプロケットのアライメントがずれてサイレントチェーンを幅方向の片方に偏奇させる力が発生し、サイレントチェーンに偏荷重がかかるのみならず、サイレントチェーンのガイドリンクがスプロケットの歯の側面と強く接触して振動や騒音がさらに増加したり、最悪の場合、噛合が外れるおそれもあった。
【0005】
チェーンとスプロケットのアライメントがずれた際の振動や騒音の増加を抑制するために、スプロケットの歯の側面の形状を工夫したものが公知である(特許文献1等参照)。
しかしながら、サイレントチェーンの連結ピンが撓んだりスプロケットの回転軸が撓んだりするような場合には、スプロケットの歯の噛合部とサイレントチェーンとが幅方向で均一に接触して力を伝達することに関しては格別に寄与するものではなく、また、アライメントのずれによる幅方向の片方に偏奇させる力の発生を直接防止するものではなかった。
【0006】
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、スプロケットとチェーンとを幅方向で均一に接触して力を伝達させて、チェーンの幅方向の偏荷重を抑制するとともに、アライメントのずれによる幅方向の片方に偏奇させる力の発生を抑制し、振動や騒音の発生を抑制し、噛合が外れを防止するスプロケット及び伝動機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスプロケットは、本体の周面に複数の歯が形成され
、チェーンが掛け回されるスプロケットであって、前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、円周方向厚さが幅方向で連続的に変化する形状に形成され
、前記歯の噛合部は、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした形状に形成されていることにより、また、本発明に係る伝動機構は、複数のスプロケットと、前記複数のスプロケットに掛け回されるチェーンとを有する伝動機構であって、少なくとも1つのスプロケットが、前述のスプロケットであることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0008】
本請求項1に係るスプロケット及び本
請求項5に係る伝動機構によれば、歯の噛合部は、所定の高さ位置において、円周方向厚さが幅方向で連続的に変化する形状に形成されていることにより、チェーンとスプロケットの噛み始めの際に、幅方向で同時に接触することがなく、単位時間あたりの接触衝撃が減少し、トータルでの騒音や振動が低減される。
また、チェーンに張力がかかった際のチェーンの連結ピンやスプロケットの回転軸が撓む分を、歯の形状で補完するように形状を設定することができるため、スプロケットの歯の噛合部とチェーンとが幅方向で均一に接触して力を伝達し、チェーンの幅方向の偏荷重を抑制するとともに、アライメントのずれによる幅方向の片方に偏奇させる力の発生を抑制し、振動や騒音の発生を抑制し、噛合が外れることを防止することができる。
さらに、チェーンの張力に応じて連結ピンやスプロケットの回転軸の撓みが変化するが、それに応じた最適な形状を設定することで、フリクションや騒音の低減、チェーンの幅方向の偏荷重の抑制、歯飛びや噛合が外れることの防止等の各種作用を、使用条件に応じて最適化することが可能となる。
【0009】
さらに、歯の噛合部は、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした形状に形成されていることにより、チェーンがスプロケットと噛み合い始めから着座するまで、チェーンとスプロケットとの接触の幅方向の均一性を滑らかに変化させることができる。
このことで、噛み合い始めはチェーンの幅方向の一部のみ接触し、着座時に幅方向で均一に接触するように形状を設定することで、チェーンの噛合時の騒音や振動を低減しつつ、着座時のチェーンの幅方向の偏荷重を抑制することが可能となる。
本請求項2に記載の構成によれば、歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の端部から中央部に向かって円周方向厚さが大きくなる形状に形成されていることにより、チェーンの連結ピンの撓みが小さい時には、幅方向中央部においてチェーンと歯が接触し、撓みが大きくなるにつれて幅方向全体で接触することとなるため、低負荷時には幅方向の一部で接触してフリクションや騒音を低減し、高負荷の際には幅方向で均一に接触してチェーンの幅方向の偏荷重を抑制し、チェーンの強度を充分に保つことができる。
【0010】
本請求項3に記載の構成によれば、歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の中央以外で最も円周方向厚さが大きくなる形状に形成されていることにより、スプロケットの回転軸が撓んだ際にアライメントが正しくなるように設定することが可能となり、チェーンの幅方向の偏荷重を抑制することが可能となるとともに、歯飛びや噛合が外れることを防止することが可能となる。
本請求項4に記載の構成によれば、歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から、一方の端部に向けての円周方向厚さの変化量と他方の端部に向けての円周方向厚さの変化量とを異なるものとした形状に形成されていることにより、連結ピンの撓みとスプロケットの回転軸の撓みが重畳した際にも最適な形状とすることが可能となる。
本請求項6に記載の構成によれば、
少なくとも2つのスプロケットの歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置
がそれぞれ異なる、又は、
所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から少なくともいずれかの端部に向けての円周方向厚さの変化量
がそれぞれ異なる、あるいは
前記幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置と前記円周方向厚さの変化量の両方が
それぞれ異なることにより、複数のスプロケットでチェーンとの接触状態を異なるものとすることができ、接触音の次数を異ならしめてトータルでの騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るスプロケットの斜視図及び側面図。
【
図3】本発明の第2実施形態に係るスプロケットの斜視図及び側面図。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るスプロケットを有した伝動機構の参考図。
【
図6】本発明の他の実施形態に係るスプロケットの歯の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のスプロケットは、本体の周面に複数の歯が形成され
、チェーンが掛け回されるスプロケットであって、歯の噛合部は、所定の高さ位置において、円周方向厚さが幅方向で連続的に変化する形状(以降「クラウニング形状」という)に形成され、
歯の噛合部は、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした形状に形成され、また、本発明の伝動機構は、複数のスプロケットと、複数のスプロケットに掛け回されるチェーンとを有する伝動機構であって、少なくとも1つのスプロケットが、前述のスプロケットであり、スプロケットとチェーンとを幅方向で均一に接触して力を伝達させて、チェーンの幅方向の偏荷重を抑制するとともに、アライメントのずれによる幅方向の片方に偏奇させる力の発生を抑制し、振動や騒音の発生を抑制し、噛合が外れを防止するものであれば、その具体的な構成はいかなるものであってもよい。
スプロケットに掛け回されるチェーンは、サイレントチェーン、ローラチェーン、ブシュチェーン等いかなるものであってもよく、また、スプロケットの歯と噛み合う構造のものであれば、タイミングベルト等の可撓性伝動部材であってもよい。
なお、以下の説明で参照する図面は、寸法の関係性をわかりやすくするため、幅方向の寸法より円周方向の寸法を誇張して表示している。
【実施例1】
【0013】
本発明の第1実施形態に係るスプロケット100は、
図1、
図2に示すように、周面に複数の歯110が形成され、歯先112から歯底113の間の所定領域が、チェーンと接触する噛合部111を構成している。
歯110の噛合部111は、所定の高さ位置、本実施形態においては少なくとも歯高さt1〜t3の位置を含む領域において、円周方向厚さが幅方向の中央で最も厚くなり、中央から両端部にかけて同じように対称的に薄くなるクラウニング形状に形成されている。
また、本実施形態のクラウニング形状は、
図2に示すように、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした以下の寸法関係を有する形状に形成されている。
【0014】
wa1:歯先112に近い高さt1での幅方向の端部の円周方向厚さ
wb1:歯先112に近い高さt1での幅方向の中央の円周方向厚さ
wa2:中間付近の高さt2での幅方向の端部の円周方向厚さ
wb2:中間付近の高さt2での幅方向の中央の円周方向厚さ
wa3:歯底113に近い高さt3での幅方向の端部の円周方向厚さ
wb3:歯底113に近い高さt3での幅方向の中央の円周方向厚さ
とした時、
wb1<wb2<wb3
wb1−wa1>wb2−wa2>wb3−wa3
の関係となっている。
【0015】
サイレントチェーンのリンクプレート(図示せず)の歯型を、最初に歯110の噛合部111の歯先112に近い高さt1部分と接触し、連続的に接触点が歯底113側に移動して高さt3部分に着座するように構成した場合、チェーン張力によるサイレントチェーンの連結ピンの撓みと高さt3でのクラウニング形状を一致させることで、スプロケット100とサイレントチェーンとを幅方向で均一に接触して力を伝達させることができる。
また、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量が大きいため、歯110の噛合部111とサイレントチェーンの最初の接触時には幅方向の中央のみとなり、着座までに徐々に幅方向の全体が接触することとなるため、単位時間あたりの接触衝撃が減少し、トータルでの騒音や振動が低減される。
【0016】
なお、使用条件が、チェーン張力によるサイレントチェーンの連結ピンの撓みを無視できる程度の低負荷を中心とするものであれば、高さt3位置ではクラウニング形状を施さなくてもよい。
また、クラウニング形状を構成する歯110の断面の噛合部111側の曲線は、円弧、サインカーブ、自由曲線等いかなるものであってもよく、直線部分が含まれていてもよい。
また、円周方向の両側で異なる形状としてもよい。
【実施例2】
【0017】
本発明の第2実施形態に係るスプロケット200は、
図3、
図4に示すように、第1実施形態と同様に、周面に複数の歯210が形成され、歯先212から歯底213の間の所定領域が、チェーンと接触する噛合部211を構成している。
歯210の噛合部211は、所定の高さ位置、本実施形態においては少なくとも歯高さt1〜t3の位置を含む領域において、円周方向厚さが幅方向の一方の端部(図示では右側端部)で最も厚くなり、他方の端部(図示では左側端部)にかけて薄くなるクラウニング形状に形成されている。
また、本実施形態のクラウニング形状は、
図4に示すように、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした以下の寸法関係を有する形状に形成されている。
【0018】
wa1:歯先212に近い高さt1での幅方向の他方の端部の円周方向厚さ
wb1:歯先212に近い高さt1での幅方向の一方の端部の円周方向厚さ
wa2:中間付近の高さt2での幅方向の他方の端部の円周方向厚さ
wb2:中間付近の高さt2での幅方向の一方の端部の円周方向厚さ
wa3:歯底213に近い高さt3での幅方向の他方の端部の円周方向厚さ
wb3:歯底213に近い高さt3での幅方向の一方の端部の円周方向厚さ
とした時、
wb1<wb2<wb3
wb1−wa1>wb2−wa2>wb3−wa3
の関係となっている。
【0019】
本実施形態のスプロケット200を使用した伝動機構の概略を、
図5に示す。
伝動機構では、ハウジング220に設けられた2つのスプロケット200、500にサイレントチェーンCH(説明のためスプロケット200、500向こう側のみを図示)が掛け回されている。
一方のスプロケット500(図面左側)は、両持回転軸221によってハウジング220に両持ちで支持され、他方のスプロケット200(図面右側)は、片持回転軸222によってハウジング220に片持ちで支持されている。
【0020】
このような伝動機構においては、チェーン張力によって片持回転軸222の開放側が撓むため、通常の従来のスプロケット500であればサイレントチェーンCHとのアライメントがずれるが、図示の実施形態では、片持回転軸222側のスプロケット200が前述の形状を有することにより、片持回転軸222が撓んだ状態の時に、幅方向で均一に接触することができるため、偏荷重を抑制することが可能となるとともに、歯飛びや噛合が外れることを防止することが可能となる。
なお、図示左のスプロケット500は、前述の第1実施形態の形状としてもよい。
【0021】
また、スプロケット200のクラウニング形状を構成する歯210の断面の噛合部211側の曲線は、直線、円弧、サインカーブ、自由曲線等いかなるものであってもよい。
さらに、
図6に示すように、幅方向の中央よりも一方の端部寄りで最も円周方向厚さが大きく、そこから、両端部にかけて薄くなり、両端部で厚さが異なるクラウニング形状に形成してもよい。
このように構成することで、負荷時の片持回転軸222撓みが僅かな場合でも、幅方向で均一に接触することができ、かつ、歯の噛合部とサイレントチェーンの最初の接触時には幅方向の中央となり、着座までに徐々に幅方向の全体が接触することとなるため、単位時間あたりの接触衝撃が減少し、トータルでの騒音や振動が低減される。
【0022】
以上説明した各実施形態は、本発明に係るスプロケット及び伝動機構の具体例であるが、本発明に係るスプロケットがこれらに限定されるものではなく様々な変形が可能であり、また、本発明に係る伝動機構も、様々な構成のスプロケットを適宜組み合わせて構成されてもよい。
【符号の説明】
【0023】
100、200、500 ・・・ スプロケット
110、210、510 ・・・ 歯
111、211、511 ・・・ 噛合部
112、212、512 ・・・ 歯先
113、213、513 ・・・ 歯底
114、214、514 ・・・ 中心軸孔
220 ・・・ ハウジング
221 ・・・ 両持回転軸
222 ・・・ 片持回転軸
CH ・・・ サイレントチェーン