(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態1に係る穿刺器具組立体を説明するための側面図である。
【
図2】
図1に示される内針を説明するための側面図である。
【
図3】
図1に示される外套管を説明するための側面図である。
【
図4】
図1に示されるコネクタに取り付けられる止血弁を説明するための側面図である。
【
図5】
図1に示される支持部を説明するための側面図である。
【
図6】
図1に示される支持部を説明するための断面図である。
【
図7】
図1に示される支持部の湾曲状態を示している側面図である。
【
図8】実施の形態1に係る穿刺器具組立体の使用方法に係る穿刺を説明するための側面図である。
【
図9】実施の形態1に係る穿刺器具組立体の使用方法に係る内針抜去を説明するための側面図である。
【
図10】実施の形態1に係る穿刺器具組立体の使用方法に係る止血弁装着を説明するための側面図である。
【
図11】実施の形態1に係る穿刺器具組立体の使用方法に係るガイドワイヤ挿入を説明するための側面図である。
【
図12】実施の形態1に係る穿刺器具組立体の使用方法に係るバルーンカテーテル挿入を説明するための側面図である。
【
図13】実施の形態1に係る変形例1を説明するための側面図である。
【
図14】実施の形態1に係る変形例1を説明するための断面図である。
【
図15】実施の形態1に係る変形例1の湾曲状態を示している側面図である。
【
図16】実施の形態1に係る変形例2を説明するための断面図である。
【
図17】実施の形態1に係る変形例3を説明するための断面図である。
【
図18】実施の形態2に係る穿刺器具組立体を説明するための側面図である。
【
図19】実施の形態2に係る穿刺器具組立体の使用方法に係る穿刺を説明するための側面図である。
【
図20】実施の形態2に係る穿刺器具組立体の使用方法に係る内針抜去を説明するための側面図である。
【
図21】実施の形態2に係る穿刺器具組立体の使用方法に係るガイドワイヤ挿入を説明するための側面図である。
【
図22】実施の形態2に係る穿刺器具組立体の使用方法に係るバルーンカテーテル挿入を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、実施の形態1に係る穿刺器具組立体を説明するための側面図、
図2は、
図1に示される内針を説明するための側面図、
図3は、
図1に示される外套管を説明するための側面図、
図4は、
図1に示されるコネクタに取り付けられる止血弁を説明するための側面図、
図5および
図6は、
図1に示される支持部を説明するための側面図および断面図、
図7は、
図1に示される支持部の湾曲状態を示している側面図である。
【0019】
実施の形態1に係る穿刺器具組立体100は、医療用の長尺物をダイレクトに挿入することが可能であり、例えば、血管に生じた病変部の治療のために使用され、導入針部110、外套管120および支持部130を有する。穿刺器具組立体100における血管に導入される部位の長さは、短くかつ細径であり、皮膚の刺入点から病変部までの距離が短いため、正常血管を傷つける可能性も低く、低侵襲治療の観点で好ましい。
【0020】
医療用の長尺物は、例えば、バルーンカテーテルである。皮膚の刺入点は、例えば、手首、腕、大腿など、通常に血管を確保する部位で可能であるが、特に、ひざ裏や、踵である。病変部は、例えば、ひざ下の血管の狭窄部あるいは閉塞部である。治療は、血管の再開通である。
【0021】
次に、導入針部110、外套管120および支持部130を、順次詳述する。
【0022】
導入針部110は、
図2に示されるように、内針112、内針ハブ114およびフィルター部116を有する。
【0023】
内針112は、比較的短尺であり、皮膚に穿刺可能に構成されており、刃先113が外套管120から露出するように、外套管120に挿入される。内針112の構成材料は、金属やプラスチックである。金属は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金である。プラスチックは、ポリオレフィンやポリエステルである。例えば、ポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートである。
【0024】
内針ハブ114は、透明な材料から構成され、内針112が装着されて連結される。フィルター部116は、気体を透過させるが液体は遮断する通気フィルターを有しており、例えば、血液が内針112内を流下して通気フィルターに到達した場合、血液との接触により通気も遮断されるので、外部からの空気の侵入を防止することが可能である。また、内針ハブ114およびフィルター部116への血液流入により、内針112(刃先113)が血管に入ったことを視認することが可能である。
【0025】
外套管120は、
図3に示されるように、内腔122、溝124およびコネクタ126を有する。外套管120は、イントロデューサシースを兼ねており、つまり、イントロデューサシースとしての機能を有しており、手技が簡便化することが可能である。なお、符号121は、外套管120の先端部である。外套管120は、低い穿刺抵抗で体内に経皮的に挿入するためには、先端がテーパー状であることが好ましい。
【0026】
内腔122は、弁体(不図示)を有し、内針112および医療用の長尺物であるバルーンカテーテルが挿通可能に構成されている。弁体は、Y字スリットや、十文字状あるいは一文字状のスリットを有し、液密を確保するために設けられており、血液等の液体の漏出を防止する。
【0027】
溝124は、外套管120の先端部121に配置され、超音波に対して反射エコーを生成するように構成されている。したがって、血流が少なく、血流を確認しながら穿刺するフラッシュバックが困難な状況であっても、リアルタイムにエコー画面で視認しながら、外套管120の先端部121の位置が特定できるため、操作性に優れる。血流が少ない部位は、例えば、下肢の末梢血管である。
【0028】
コネクタ126は、ルアーテーパーを有し、例えば、導入針部110および止血弁140を着脱可能としている。
【0029】
外套管120の構成材料は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂等からなる群より選択される少なくとも1種を主とする。例えば、ポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66であり、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートであり、フッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体である。
【0030】
外套管120は、摩擦抵抗を減少させるため、外面の少なくとも一部に親水化処理を施こすことが好ましい。親水化処理は、物理活性化処理やコーティング処理である。物理活性化処理は、例えば、プラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射である。コーティング処理は、例えば、界面活性剤、水溶性シリコン、親水性高分子材料の塗布である。
【0031】
親水性高分子材料は、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質、アクリルアミド系高分子物質、水溶性ナイロン等のうちの1種または2種以上を組み合わせである。例えば、セルロース系高分子物質は、ヒドロキシプロピルセルロースであり、ポリエチレンオキサイド系高分子物質は、ポリエチレングリコールであり、無水マレイン酸系高分子物質は、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体であり、アクリルアミド系高分子物質は、アクリルアミド−グリシジルメタクリレート共重合体である。
【0032】
外套管120の内腔122に配置される弁体の構成材料は、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ブチルゴム、イソプレンゴムである。
【0033】
止血弁140は、外套管120のコネクタ126に接続され、外套管120からの血液漏れを防止するために使用され、
図4に示されるように、弁部142、サイドチューブ144および三方活栓146を有する。
【0034】
弁部142は、ルアーテーパーおよびロック機構を有するコネクタ141を備えており、外套管120のルアーテーパーを有するコネクタ126に着脱可能である。サイドチューブ144は、弁部142と三方活栓146とを連結している。
【0035】
三方活栓146は、ポート147A〜147Cおよび流路の切り替えるためのコック148を有する。ポート147Aは、サイドチューブ144に接続され、ポート147Bおよび147Cは、ルアーテーパーを有する。ポート147B,147Cは、例えば、シリンジが装着され、生理食塩水等の液体を注入したり、弁部142(外套管120)から流入する液体を吸引したりするために使用される。なお、ポート147Bは、ロック機構を有する。
【0036】
止血弁140は、着脱可能であるため、例えば、血管をバルーンで拡張させて狭くなった血管を押し広げるバルーニングや、内側にカッターをつけたカテーテルを用いて血管の内側からコレステロールを直接削り取るアテレクトミー術の後において、「吸引」が可能であるため好ましい。例えば、バルーニングやアテレクトミー術の後において、吸引シリンジが接続された止血弁140を取り付けることで、バルーニングやアテレクトミー術の際に干渉せず、かつ、血流に同伴されて流れてくる血栓やコレステロール等のかすを吸引することが可能である。また、止血弁140を取り外して、外套管120に直接シリンジを接続することも可能である。つまり、必要に応じて、止血弁140を外套管120のコネクタ126に対して着脱できるため、多様な手技に適用することが可能である。
【0037】
支持部130は、外套管120のキンクを抑制するために使用されるプロテクタであり、硬質プラスチック材料から形成されることが好ましく、外套管120が挿通可能に構成された内腔132(
図6参照)を有し、外套管120の基端部に配置されて、装着される。硬質プラスチック材料は、例えば、ナイロン6やナイロン66等のポリアミドである。
【0038】
支持部130は、外套管120が挿入された状態において湾曲可能かつ湾曲形状を保持し得る筒状体134と、筒状体134が連結された支持部基部138とを有する。筒状体134は、互いに屈曲自在に連結された複数の筒状部材135からなる。最大湾曲角度は、例えば、45度である。複数の筒状部材135は、隣接する部材同士が屈曲自在に嵌合されている。このような構成により、湾曲自在かつ湾曲形状を保持することができる。
【0039】
より具体的には、筒状部材135は、球状先端部136と、円錐台状基部137とを有する。球状先端部136は、隣接する筒状部材135の円錐台状基部137と旋回自在に嵌合され、かつ密着している。筒状体134の湾曲形状は、隣接する筒状部材135同士の摩擦つまり球状先端部136と円錐台状基部137との摩擦に基づいて保持される。このように、湾曲可能かつ湾曲形状を保持し得る構成が、単純な構造によって、達成されている。
【0040】
湾曲角度は、筒状部材135の数を増減することで調整したり、また、円錐台状基部137と球状先端部136との嵌合構造を変更し、筒状部材135の一個あたりの可動範囲を調整したりすることで、制御することも可能である。なお、支持部基部138に隣接する筒状部材135の円錐台状基部137は、支持部基部138に対して固定されている。先端に位置する筒状部材135は、球状先端部136を有しない。支持部130は、いずれの方向にも湾曲することが可能である。
【0041】
次に、穿刺器具組立体100の使用方法を説明する。
【0042】
図8は、穿刺を説明するための側面図、
図9は、内針抜去を説明するための側面図、
図10は、止血弁装着を説明するための側面図、
図11は、ガイドワイヤ挿入を説明するための側面図、
図12は、バルーンカテーテル挿入を説明するための側面図である。
【0043】
まず、必要に応じて切皮メスにより刺入点191の皮膚に小切開を加えた後、
図8に示されるように、外套管120の先端部121から露出している内針112の刃先113によって、皮膚190を穿刺し、体内組織194の内部を延長する血管192に、外套管120の先端部121を導入する。内針112(刃先113)が血管に入ったことは、内針ハブ114およびフィルター部116への血液流入により視認される。
【0044】
導入針部110が外套管120から取り外されて装着が解除されると、外套管120から内針112が抜去される。そして、
図9に示されるように、外套管120の先端部121を前進させ、血管192の走行に一致させ、また、支持部130が湾曲させられ、その湾曲形状が保持される。この際、外套管120の先端部121に配置される溝124の位置を、リアルタイムにエコー画面により視認することで、外套管120の先端部121の位置が管理される。
【0045】
外套管120のコネクタ126に、
図10に示されるように、止血弁140の弁部142のコネクタ141が連結され、外套管120に止血弁140が装着される。つまり、外套管120は、イントロデューサシースとして機能するため、手技が簡便化される。また、この際、支持部130の湾曲形状は保持され、例えば、45度に固定されており、外套管120における外部に位置する部位であるコネクタ126が、横になることが抑制されるため、止血弁140の装着が容易である。また、シースダイレータの使用を省略することも可能であるため、血管に対する低侵襲を図ることが可能である。
【0046】
止血弁140の弁部142に、
図11に示されるように、ガイドワイヤ150の柔軟な部分を先にして、ガイドワイヤ150が挿入される。ガイドワイヤ150の先端部は、外套管120の内腔122を経由し、外套管120の先端部121から突出し、目的部位に向かって前進させられる。ガイドワイヤ150の外径は、例えば、0.014インチタイプである。ガイドワイヤ150の挿入長さは、例えば、ガイドワイヤ150の外周に付加されているデプスマークを確認することで、適宜調整される。この際、支持部130の湾曲形状は、保持されているため、ガイドワイヤ150の挿入操作が容易である。
【0047】
バルーンカテーテル160が、止血弁140の弁部142に挿入され、
図12に示されるように、その先端部に配置されたバルーン162が、外套管120の内腔122を経由し、外套管120の先端部121から突出し、先行するガイドワイヤ150に沿って前進し、目的部位に配置され、拡張する。例えば、目的部位が血管の狭窄部である場合、バルーン162は、狭くなった血管を押し広げて再開通させることになる。この際、支持部130の湾曲形状は、保持されているため、バルーンカテーテル160の挿入操作が容易である。
【0048】
バルーン162は、外套管120の刺入点191の近傍つまり外套管120の先端の近傍に位置決めすることも可能である。これは、例えば、刺入点191がひざ裏や踵であり、かつ、刺入点191の近傍に病変部位が位置する場合に優位である。
【0049】
次に、実施の形態1に係る変形例1〜3を順次説明する。
【0050】
図13および
図14は、変形例1を説明するための側面図および断面図、
図15は、変形例1の湾曲状態を示している側面図である。
【0051】
支持部130の筒状体134を構成する筒状部材135は、球状先端部136および円錐台状基部137を有する形態に限定されず、例えば、
図13〜15に示されるように、拡径状先端部136Aおよび縮径状基部137Aを有し、段差形状を呈する形態を適用することも可能である。
【0052】
この場合、拡径状先端部136Aは、隣接する筒状部材135の縮径状基部137Aと旋回自在に嵌合され、かつ密着している。筒状体134Aの湾曲形状は、隣接する筒状部材同士の摩擦つまり拡径状先端部136Aと縮径状基部137Aとの摩擦に基づいて保持される。
【0053】
支持部基部138Aに隣接する筒状部材135Aの縮径状基部137Aは、支持部基部138Aに対して固定されており、支持部基部138における縮径状基部137Aが固定される部位は、拡径状先端部136Aと略一致する形状を有する。先端に位置する筒状部材135Aの拡径状先端部136Aは、縮径状基部137Aとの嵌合構造を有しない。
【0054】
図16は、変形例2を説明するための断面図である。
【0055】
外套管120の先端部121に配置される溝124
Aは、外套管120の内腔面に配置されることが好ましい。この場合、溝124
Aに保持される空気層が介在し、エコーを効率的に生じさせることが可能である。溝124
Aの形状および配置数は、
図16に示される形態に限定されない。溝124
Aの形成は、機械(切削)加工、レーザー加工、ショットブラスト加工等を適宜適用することが可能である。
【0056】
図17は、変形例3を説明するための断面図である。
【0057】
外套管120の内腔122に挿通可能である医療用の長尺物は、バルーンカテーテルに限定されず、例えば、ステントデリバリーカテーテル170を適用することも可能である。ステントデリバリーカテーテル170は、バルーン162の外周に配置されるステント172を有する。ステント172は、狭窄部の内面に密着させて留置されることで管腔を保持する生体内留置物であり、拡張可能に構成されている。変形例3においては、バルーン162は、その外周に配置されるステント172を拡張して、拡径するように構成されている。
【0058】
符号174は、円筒状のマーカーを示している。マーカー174は、X線不透過材料で構成されており、X線透視下での鮮明な造影像が得られるため、バルーン162及びステント172の位置を、容易に確認することが可能である。X線不透過材料は、例えば、白金、金、タングステン、イリジウムまたはそれらの合金である。
【0059】
以上のように、実施の形態1においては、外套管が挿入された状態において湾曲可能かつ湾曲形状を保持し得る筒状体を有するため、刺入点の近傍に位置することとなる外套管の基端部を、湾曲させた形状で保持することにより、外套管が横になったり、外套自体がキンクしたりすることを抑制することができる。したがって、例えば、外套管の内腔を利用した医療用の長尺物の挿通や、外套管の基端部に対する医療用器具の取り付けが容易である。つまり、操作性に優れた穿刺器具組立体を提供することが可能である。
【0061】
図18は、実施の形態2に係る穿刺器具組立体を説明するための側面図である。
【0062】
実施の形態2は、外套管の構成に関して実施の形態1と概して異なる。なお、実施形態1と同様の機能を有する部材については類似する符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0063】
実施の形態2に係る穿刺器具組立体200は、導入針部210、外套管220および支持部230を有する。導入針部210は、内針、内針ハブおよびフィルター部216を有する。支持部230は、外套管220が挿入された状態において湾曲可能かつ湾曲形状を保持し得る筒状体234と、筒状体234が連結された支持部基部238と、を有する。
【0064】
外套管220は、内針および医療用の長尺物が挿通可能に構成された内腔、外套管220の先端部221に配置される溝224、および止血弁240を有する。
【0065】
止血弁240は、弁部242、サイドチューブ244および三方活栓246を有する。弁部242は、外套管120に一体化される連結部241を有し、また、導入針部210が着脱自在に挿入されている。つまり、止血弁240が外套管220と一体化されており、止血弁240の装着作業の煩雑さが低減されている。
【0066】
連結部241は、液密を確保した状態で、挿入されている導入針部210を取り外すことが可能に構成されている。液密を確保する構成は、特に限定されず、例えば、O−リングや、クロスカットが形成された弁体を利用することが可能である。
【0067】
次に、穿刺器具組立体200の使用方法を説明する。
【0068】
図19は、穿刺を説明するための側面図、
図20は、内針抜去を説明するための側面図、
図21は、ガイドワイヤ挿入を説明するための側面図、
図22は、バルーンカテーテル挿入を説明するための側面図である。
【0069】
まず、必要に応じて切皮メスにより刺入点291の皮膚に小切開を加えた後、
図19に示されるように、外套管220の先端部221から露出している内針(
図2の符号112参照)の刃先213によって、皮膚290を穿刺し、体内組織294の内部を延長する血管292に、外套管220の先端部221を導入する。内針先端が血管に入ったことは、内針ハブおよびフィルター部216への血液流入により視認される。
【0070】
そして、
図20に示されるように、導入針部210およびフィルター部216が外套管220から取り外されて装着が解除され、外套管220から内針が抜去される。
【0071】
その後、止血弁240の弁部242に、ガイドワイヤ250の柔軟な部分を先にして、ガイドワイヤ250が挿入される。ガイドワイヤ250の先端部は、弁部242の連結部241が一体化されている外套管220の内腔に位置する導入針部210の内部を経由し、外套管220の先端部221から突出するまで、前進させる。そして、
図21に示されるように、外套管220の先端部221を前進させ、血管292の走行に一致させ、外套管220の先端部が所定の位置に留置された後に、支持部230が湾曲させられ、その湾曲形状が保持される。この際、外套管220の先端部221に配置される溝224の位置を、リアルタイムにエコー画面により視認することで、外套管220の先端部221の位置が管理される。湾曲させられた支持部230は、皮膚290にテープなどの固定手段(図示せず)によって固定される。
【0072】
バルーンカテーテル260が、止血弁240の弁部242に挿入され、
図22に示されるように、その先端部に配置されたバルーン262が、外套管220の内腔(
図3の符号122参照)を経由し、外套管120の先端部121から突出する。バルーン262は、先行するガイドワイヤ250に沿って前進し、目的部位に配置され、拡張する。この際、支持部230の湾曲形状は、保持されているため、バルーンカテーテル260の挿入操作が容易である。
【0073】
以上のように、実施の形態2においては、穿刺器具組立体の外套管に止血弁が一体化されているため、止血弁の装着作業の煩雑さが低減される。
【0074】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、実施の形態1に係る変形例1および2を、実施の形態2に適用することも可能である。また、支持部の構造は、外套管が挿入された状態において湾曲可能かつ湾曲形状を保持し得る筒状体であれば、特に限定されない。さらに、外套管および内針は、通常のイントロデューサシースのように、長尺とすることも可能である。また、上記した実施の形態における支持部は、通常のイントロデューサシースに適用することが可能である。
【0075】
本出願は、2012年3月28日に出願された日本特許出願番号2012−072976号に基づいており、それらの開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。