特許第6294888号(P6294888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6294888癌を治療するためのレゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸の組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294888
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】癌を治療するためのレゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/44 20060101AFI20180305BHJP
   A61K 31/616 20060101ALI20180305BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180305BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   A61K31/44
   A61K31/616
   A61P35/00
   A61P43/00 121
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-532437(P2015-532437)
(86)(22)【出願日】2013年9月23日
(65)【公表番号】特表2015-529234(P2015-529234A)
(43)【公表日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】EP2013069735
(87)【国際公開番号】WO2014048881
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年9月16日
(31)【優先権主張番号】12185852.6
(32)【優先日】2012年9月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】300049958
【氏名又は名称】バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
(73)【特許権者】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ベーバー,オラフ
(72)【発明者】
【氏名】ツイーゲルバウワー,カルル
【審査官】 六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−514921(JP,A)
【文献】 特表2006−528196(JP,A)
【文献】 Int.J.Cancer,2011年,129,p.245-255
【文献】 JOHN BURN,LONG-TERM EFFECT OF ASPIRIN ON CANCER RISK IN CARRIERS OF HEREDITARY COLORECTAL CANCER: 以下備考,[ONLINE],2011年12月17日,V378 N9809,P2081-2087,AN ANALYSIS FROM THE CAPP2 RANDOMISED CONTROLLED TRIAL,URL,http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673611610490/pdfft?md5=19ba873b6a5e35d3b91007d03cd8334a&pid=1-s2.0-S0140673611610490-main.pdf
【文献】 Carcinogenesis,2007年,28(5),p.968-976
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33−33/44
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸または該化合物の水和物、溶媒和物、代謝物もしくは医薬として許容される塩または該化合物の多形体を含む、結腸直腸癌を治療するための組み合わせ医薬。
【請求項2】
前記組み合わせが、レゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸の組み合わせである、請求項1に記載の結腸直腸癌を治療するための組み合わせ医薬。
【請求項3】
前記組み合わせが、10から1000mgの量のレゴラフェニブおよび50から1000mgの量のアセチルサリチル酸を含む、請求項2に記載の結腸直腸癌を治療するための組み合わせ医薬。
【請求項4】
前記組み合わせが、10から200mgの量のレゴラフェニブおよび60から500mgの量のアセチルサリチル酸を含む、請求項2に記載の結腸直腸癌を治療するための組み合わせ医薬。
【請求項5】
前記組み合わせが、10から100mgの量のレゴラフェニブおよび70から350mgの量のアセチルサリチル酸を含む、請求項2に記載の結腸直腸癌を治療するための組み合わせ医薬。
【請求項6】
前記組み合わせが、互いに分離した成分を含む組み合わせパックである請求項1〜5のいずれか一項に記載の、結腸直腸癌を治療するための組み合わせ医薬。
【請求項7】
前記成分が、時または順次に投与される請求項1〜5のいずれか一項に記載の、結腸直腸癌を治療するための組み合わせ医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトおよび他の哺乳動物における癌などの過剰増殖障害を含む疾患および状態を治療、予防もしくは管理するための、レゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸、またはそれらの水和物、溶媒和物、代謝物もしくは医薬として許容される塩、またはそれらの多形体を含む医薬組成物および組み合わせに関するものである。
【背景技術】
【0002】
4{4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−ウレイド]−3−フルオロフェノキシ}−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、すなわち下記式(I)の化合物であるレゴラフェニブ:
【化1】
【0003】
は、VEGFR、PDGFR、raf、p38、および/またはflt−3キナーゼシグナル伝達分子に対する阻害剤活性などの各種活性を有する強力な抗癌剤および抗血管新生剤であり、WO2005/009961に記載されるように、癌、腫瘍、リンパ腫、肉腫および白血病などの過剰増殖障害のような各種疾患および状態の治療に使用し得る。それは現在、結腸直腸癌および消化管間質腫瘍の治療用に開発されている。さらに、塩酸塩、メシル酸塩およびフェニルスルホン酸などの式(I)の化合物の塩について、WO2005/009961で言及されている。式(I)の化合物の1水和物が、WO2008/043446で言及されている。レゴラフェニブを高純度で製造する改善された方法が、WO2011/128261に記載されている。
【0004】
アセチルサリチル酸は、疼痛を治療したり、心血管の事象もしくは疾患が進行するリスクを低下させるのに使用可能であるだけでなく、癌疾患進行リスクを低下させる上での示唆もある公知の薬剤である(Rothwell PM et al (2012) Short−term effects of daily acetylsalicylic acid on cancer incidence, mortality and non−vascular death: analysis of the time course of risks and benefits in 51 randomized controlled trials. Lancet. 379: 1602−1612)。
【0005】
さらに、アセチルサリチル酸は、腫瘍の転移を低下させて、特に結腸直腸癌患者における死亡率を低下させることができる(Rothwell PM et al (2012) Effect of daily acetylsalicylic acid on risk of cancer metastasis: a study of incident cancers during randomised controlled trials. Lancet. 379: 1591−1601)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2005/009961
【特許文献2】WO2005/009961
【特許文献3】WO2008/043446
【特許文献4】WO2011/128261
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Rothwell PM et al (2012) Short−term effects of daily acetylsalicylic acid on cancer incidence, mortality and non−vascular death: analysis of the time course of risks and benefits in 51 randomized controlled trials. Lancet. 379: 1602−1612
【非特許文献2】Rothwell PM et al (2012) Effect of daily acetylsalicylic acid on risk of cancer metastasis: a study of incident cancers during randomised controlled trials. Lancet. 379: 1591−1601
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、レゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸を組み合わせて投与することによって癌治療法を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、レゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸の組み合わせは、単独療法の合計に勝る有意な効力改善を示す。さらに、副作用のプロファイル(例:手足症候群、高血圧、疲労、下痢および粘膜炎症)を改善することができる。
【0010】
本発明は、下記式(I)の化合物:
【化2】
【0011】
であるレゴラフェニブおよびアセチルサリチル酸またはそれの水和物、溶媒和物、代謝物もしくは医薬として許容される塩またはそれの多形体を含む組み合わせに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「式(I)の化合物」または「レゴラフェニブ」という用語は、式(I)で描かれた4−{4−[({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)−アミノ]−3−フルオロフェノキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドを指す。
【0013】
本発明に関しての溶媒和物は、溶媒分子が固体の化学量論複合体を形成している化合物またはそれの塩の形態であり、溶媒には、例えば水、エタノールおよびメタノールなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
水和物は、溶媒分子が水である特定の形態の溶媒和物である。本発明の化合物またはそれの塩の水和物は、その化合物もしくは塩と水との化学量論組成物、例えば半水和物、1水和物もしくは2水和物などである。好ましいものは、レゴラフェニブの1水和物である。
【0015】
本発明に関してのは、好ましくは本発明による化合物の医薬として許容される塩である。好適な医薬として許容される塩は当業者には公知であり、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸(トシル酸塩)、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フェニル酢酸およびマンデル酸などの無機酸および有機酸の塩などがある。さらに、医薬として許容される塩には、アルカリカチオン(例:、LiNaまたはK)、アルカリ土類カチオン(例:、Mg+2、Ca+2またはBa+2)、アンモニウムカチオンを含む塩などの無機塩基の塩ならびにトリエチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、リジン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]−ノナ−5−エン(DBN)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のプロトン化もしくはパーアルキル化から生じるものなどの脂肪族および芳香族置換されたアンモニウムおよび四級アンモニウムカチオンのような有機塩基の酸塩などがある。好ましいものは、レゴラフェニブの塩酸塩、メシル酸塩またはフェニルスルホン酸塩である。
【0016】
本発明に関するレゴラフェニブの代謝物には、4−[4−({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)−3−フルオロフェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド1−オキサイド、4−[4−({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)−3−フルオロフェノキシ]−N−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−カルボキサミド、4−[4−({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)−3−フルオロフェノキシ]ピリジン−2−カルボキサミドおよび4−[4−({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)−3−フルオロフェノキシ]ピリジン−2−カルボキサミド1−オキサイドなどがある。
【0017】
本発明の化合物として好ましいものは、レゴラフェニブおよびレゴラフェニブの1水和物である。
【0018】
本発明の水和物は、公知の化学反応および手順を用いることで製造することができる。
【0019】
治療方法
本発明は、組み合わせおよびその組成物を用いて哺乳動物の過剰増殖性障害を治療する方法に関するものでもある。この方法は、ヒトなどの処置を必要とする哺乳動物に、障害を治療する上で有効な量の組み合わせを投与することを含む。過剰増殖性障害には、乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭部および頸部、甲状腺、副甲状腺の癌ならびにそれらの遠隔転移などの固体腫瘍などが含まれるが、それらに限定されるものではない。該障害には、リンパ腫、肉腫および白血病も含まれる。
【0020】
乳癌の例には、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、上皮内腺管癌および上皮内小葉癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
気道の癌の例には、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
脳癌の例には、脳幹および視床下部膠腫(hypophtalmic glioma)、小脳および大脳星細胞腫、髄芽腫、上衣細胞腫、ならびに神経外胚葉性腫瘍および松果体腫瘍などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
男性生殖器の腫瘍には、前立腺癌および精巣癌などがあるが、これらに限定されるものではない。女性生殖器の腫瘍には、子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌、膣癌および外陰癌、ならびに子宮の肉腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
消化管の腫瘍には。肛門癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、膵臓癌、直腸癌、小腸癌および唾液腺癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
好ましいものは、結腸直腸癌である。
【0026】
消化管間質腫瘍(GIST)も好ましい。
【0027】
尿路の腫瘍には、膀胱癌、陰茎癌、腎臓癌、腎盂癌、尿管癌および尿道癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
眼の癌には、眼内メラノーマおよび網膜芽細胞腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
肝臓癌の例には、肝細胞癌(線維層板型変種を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および肝細胞−胆管混合癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
好ましいものは、肝細胞癌である。
【0031】
皮膚癌には、扁平上皮癌、カボジ肉腫、悪性メラノーマ、メルケル細胞皮膚癌および非メラノーマ皮膚癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
頭部−頸部癌には、喉頭/下咽頭/鼻咽頭/口咽頭癌ならびに口唇癌および口腔癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
リンパ腫には、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
肉腫には、軟部組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
白血病には、急性骨髄白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病および有毛細胞白血病などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
これらの障害は、ヒトにおいて十分に特性決定されているが、他の哺乳動物での同様の病因でも存在し、本発明の医薬組成物を投与することで治療することができる。
【0037】
過剰増殖性障害の治療に有用な化合物を評価する上で知られている標準的な実験室的技術に基づき、標準的な毒性試験により、哺乳動物における上記で確認した状態の治療の決定に関する標準的な薬理アッセイにより、そしてこれらの状態を治療するのに用いられる公知の医薬の結果とこれらの結果を比較することで、本発明の化合物の有効用量を、各所望の適応症の治療のために容易に決定することができる。これらの状態の一つの治療で投与される有効成分の量は、使用される特定の化合物および用量単位、投与方法、治療期間、治療を受ける患者の年齢および性別、ならびに治療される状態の性質および程度などの考慮事項に従って広い範囲で変動し得る。
【0038】
本発明はさらに、上記障害の治療のための医薬組成物製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0039】
投与
本発明の組み合わせは、例えば経口、非経口、腸、静脈、腹腔内、局所、経皮(例えば、標準的な貼付剤を使用)、眼球、経鼻、局所、非経口、例えばエアロゾル、吸入、皮下、筋肉、口腔、舌下、直腸、経膣、動脈およびくも膜下などのいずれか有効な経路によっていずれかの形態で投与することができる。それらは単独で投与することができるか、活性もしくは不活性のいずれかの成分と組み合わせて投与することができる。
【0040】
好ましくは、経口投与である。
【0041】
あるいは、アセチルサリチル酸は静脈投与することができる。
【0042】
本発明の組み合わせは、公知の方法で、液体または固体製剤、例えば通常および腸溶コート錠、カプセル、丸薬、粉剤、粒剤、エリキシル剤、チンキ、液剤、懸濁液、シロップ、固体および液体のエアロゾルならびに乳濁液(これらに限定されるものではない)であることができる通常の製剤に変換することができる。
【0043】
経口投与用の固体製剤の例が、米国暫定特許出願第60/605,752号に記載されている。
【0044】
一般に、前記の本発明の組み合わせの使用は、
(1)いずれかの薬剤単独の投与と比較して、腫瘍の成長を低下させる上でより良好な効力を生じ、または腫瘍を除去し、
(2)より少ない量の化学療法剤の投与を提供し、
(3)単一薬剤化学療法およびある種の他の併用療法で認められるより有害な薬理的合併症が少なく、患者に良好に耐容される化学療法を提供し、
(4)哺乳動物、特にはヒトでのより広いスペクトルの各種癌の治療を提供し、
(5)治療を受けた患者の中でより高い応答率を提供し、
(6)標準的な化学療法と比較して治療患者中でより長い生存時間を提供し、
(7)腫瘍進行に必要な時間をより長くし、および/または
(8)他の癌薬剤組み合わせが拮抗薬効果を生じる公知の場合と比較して、少なくとも単独で使用される薬剤の結果と同様の良好な効力および耐容性結果を生じる上で役立つ。
【0045】
「組み合わせ」は、本発明に関して、全ての成分(いわゆる固定組み合わせ)を含む製剤および互いに分離された成分を含む組み合わせパックだけでなく、同一の疾患の予防もしくは治療に用いられる限りにおいて同時もしくは順次に投与される成分も意味するものである。
【0046】
投与される有効成分の量は、使用される特定の化合物および用量単位、投与の形態および時間、治療期間、治療を受ける患者の年齢、性別および全身状態、治療対象の状態の性質および程度、薬剤の代謝および排泄の速度、可能性のある薬剤組み合わせおよび薬剤−薬剤相互作用などの考慮事項に応じて広い範囲で変動し得る。
【0047】
特に興味深い本発明の1態様は、4から400mg、好ましくは10から200mg、より好ましくは10から100mgの量でレゴラフェニブを含む組み合わせである。
【0048】
特に興味深い本発明のさらに別の態様は、50から100mg、好ましくは60から500mg、より好ましくは70から350mgの量でアセチルサリチル酸を含む組み合わせである。アセチルサリチル酸の代表的な用量は、78mg、81mg、100mg、325mg、500mgおよび1000mgである。
【0049】
レゴラフェニブの1日用量は、10から1000mg、好ましくは40から500mg、より好ましくは80から320mg、例えば160mgである。
【0050】
アセチルサリチル酸の1日用量は、50から1000mg、好ましくは60から500mg、より好ましくは70から350mgである。アセチルサリチル酸の代表的な1日用量は、78mg、81mg、100mg、325mg、500mgおよび1000mgである。
【0051】
本発明による医薬組成物は、1日に1回以上、好ましくは3回以下、より好ましくは2回以下で投与する。好ましくは、経口経路による投与である。各投与では、同時に摂取される錠剤またはカプセルの個数は2を超えるべきではない。
【0052】
そうではあっても、場合により、体重、有効成分に対する個体の挙動、製剤の種類および投与を行う時間もしくは間隔に応じて、指定の量から逸脱することが有利な場合がある。例えば、場合により、上記の最小量より少ない量が十分である場合があるが、上記の上限を超えなければならない場合もある。比較的大きい量を投与する場合、1日にわたって、いくつかの個々の用量に分けることが望ましいことがある。
【0053】
投与方式の例は次の通りである。第1のサイクルでは、レゴラフェニブ160mgおよびアセチルサリチル酸81mgの1日用量を3週間投与する。4週目ではアセチルサリチル酸81mgのみを投与する。次に、そのサイクルを繰り返す。あるいは、アセチルサリチル酸の1日用量は325mg以下(例:100mg)であることができ、またはそれは325mg(例:500mg)より大きいことができる。
【0054】
その組み合わせは、いずれかの化合物を単独で使用する場合より大きい治療効力を達成する、有効量の式Iの化合物およびアセチルサリチル酸を含むことができる。
【0055】
組み合わせにおける各化合物の相対比は、それらの個々の作用機序および疾患の生物学に基づいて選択することもできる。各化合物の相対比は、広い範囲で変動し得る。
【0056】
単一製剤、組み合わせパック、キット、または別々の個々の製剤において、適切な場合、所望の治療活性を提供するために、当該組み合わせの1以上の薬剤の放出を制御することもできる。
【0057】
本発明は、医薬として許容される担体および医薬としての有効量の本発明の化合物からなる医薬組成物を含む。医薬として許容される担体は、有効成分の効果的活性と調和する濃度で患者に対して比較的無毒性かつ無害であり、担体を原因とする副作用が有効成分の有益な効果を損なうことがない担体である。化合物の医薬としての有効量とは、治療される特定の状態に対する結果を生じるか、影響を及ぼす量である。
【0058】
経口投与の場合、化合物は、固体分散液、カプセル、丸薬、錠剤、トローチ、ロゼンジ剤、融解剤(melts)、粉剤、液剤、懸濁液もしくは乳濁液などの固体もしくは液体製剤に製剤することができ、医薬組成物の製造に関して当業界で公知の方法に従って製造することができる。固体単位製剤はカプセルであることができ、それは、例えば界面活性剤、潤滑剤および乳糖、ショ糖、リン酸カルシウムおよびコーンスターチなどの不活性充填剤を含む通常の硬シェルもしくは軟シェルゼラチン型のものであることができる。
【0059】
別の実施形態において、本発明の化合物は、乳糖、ショ糖およびコーンスターチなどの従来の錠剤基剤とともに、アカシア、コーンスターチもしくはゼラチンなどの結合剤、ジャガイモデンプン、アルギン酸、コーンスターチおよびグアーガム、トラガカントガム、アカシアなどの投与後の錠剤の崩壊および溶解を助けるための崩壊剤、錠剤顆粒化の流れを改善し、錠剤ダイスおよびパンチの表面への錠剤材料の付着を防止するための潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム、カルシウムもしくは亜鉛、並びに、錠剤の美的な品質を高め、患者がより受け入れやすくするための色素、着色剤およびペパーミント、冬緑油もしくはチェリー香料などの香味剤を組み合わせて打錠することができる。経口液体製剤で使用する上で好適な賦形剤には、リン酸二カルシウム並びに、水およびアルコール類、例えばエタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコール類などの希釈剤などがあり、医薬として許容される界面活性剤、懸濁剤もしくは乳化剤を加えたり、加えなかったりする。各種の他の材料をコーティング剤として存在させるか、単位製剤の物理的形状を他の形に変えるために存在させることができる。例えば錠剤、丸薬またはカプセルを、シェラック、糖またはその両方でコーティングすることができる。
【0060】
分散性粉剤および粒剤は、水系懸濁液の調製に好適である。それらは、分散剤もしくは湿展剤、懸濁剤および1以上の保存剤と混合された有効成分を提供する。好適な分散剤もしくは湿展剤および懸濁剤の例は、すでに上記で挙げてある。別の賦形剤、例えば上記の甘味剤、香味剤および着色剤も存在しても良い。
【0061】
本発明の医薬組成物は、水中油型乳濁液の形態であることもできる。油相は液体パラフィンなどの植物油または植物油の混合物であることができる。好適な乳化剤は、(1)アカシアガムおよびトラガカントガムなどの天然ガム、(2)ダイズおよびレシチンなどの天然ホスファチド類、(3)脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルもしくは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、(4)前記部分エステルとエチレンオキサイドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。乳濁液は、甘味剤および香味剤を含んでいても良い。
【0062】
油系懸濁液は、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油などの植物油または液体パラフィンなどの鉱油中に有効成分を懸濁させることで製剤することができる。油系懸濁液は、例えば蜜ロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤を含むことができる。懸濁液は、1以上の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル;1以上の着色剤;1以上の香味剤;および1以上の甘味剤、例えばショ糖およびサッカリンを含んでいても良い。
【0063】
シロップおよびエリキシル剤は、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖などの甘味剤とともに製剤することができる。そのような製剤は、粘滑薬および保存剤、例えばメチルおよびプロピルパラベンおよび香味剤および着色剤を含んでいても良い。
【0064】
本発明の化合物は、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液および関連する糖溶液、エタノール、イソプロパノールもしくはヘキサデシルアルコールなどのアルコール、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなどのグリコール類、2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノールなどのグリセリンケタール、ポリ(エチレングリコール)400などのエーテル類、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは、脂肪酸グリセリドもしくはアセチル化脂肪酸グリセリドなどの無菌液もしくは液体の混合物であることができる医薬担体を含む生理的に許容される希釈剤中の化合物の注射製剤として、石鹸もしくは洗剤などの医薬として許容される界面活性剤、ペクチン、カルボマー類、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースなどの懸濁剤または乳化剤および他の医薬補助剤を加えてまたは加えずに、非経口投与、すなわち、皮下投与、静脈投与、眼内投与、滑液嚢内投与、筋肉投与もしくは腹腔内投与することもできる。
【0065】
本発明の非経口製剤で使用可能なオイルの例には、石油、動物、植物もしくは合成起源のものがあり、例えば落花生油、大豆油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、石油および鉱油がある。好適な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸などがある。好適な脂肪酸エステルは、例えばオレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。好適な石鹸には、脂肪酸アルカリ金属、アンモニウムおよびトリエタノールアミン塩などがあり、好適な洗剤には、カチオン系洗剤、例えばジメチルジアルキルアンモニウムハライド、アルキルピリジニウムハライドおよびアルキルアミンアセテート類;アニオン系洗剤、例えば、アルキル、アリールおよびオレフィンスルホネート類、アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリドサルフェート類およびスルホスクシネート類;ノニオン系洗剤、例えば、脂肪アミンオキサイド類、脂肪酸アルカノールアミド類およびポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)類またはエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドコポリマー;および両性洗剤、例えば、アルキル−β−アミノプロピオネート類および2−アルキルイミダゾリン四級アンモニウム塩、ならびに混合物などがある。
【0066】
本発明の非経口組成物は、代表的には約0.5重量%から約25重量%の有効成分を溶液中に含む。保存剤および緩衝剤を有利に用いることもできる。注射部位での刺激を低減もしくは消すために、そのような組成物は、約12から約17の親水性・親油性バランス(HLB)を有するノニオン系界面活性剤を含むことができる。そのような製剤中の界面活性剤の量は、約5重量%から約15重量%の範囲である。界面活性剤は、上記のHLBを有する単一成分であることができるか、所望のHLBを有する2以上の成分の混合物であることができる。
【0067】
非経口製剤で使用される界面活性剤の例には、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、例えば、ソルビタンモノオレエートおよびプロピレンオキサイドとプロピレングリコールの縮合によって形成されるエチレンオキサイドと疎水性塩基との高分子量付加物の種類がある。
【0068】
医薬組成物は、無菌注射水系懸濁液の形態であることができる。そのような懸濁液は、好適な分散剤もしくは湿展剤および懸濁剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム;天然フタリドであることができる分散剤もしくは湿展剤、例えばレシチン、アルキレンオキサイドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、エチレンオキサイドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカ−エチレンオキシセタノール、エチレンオキサイドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートまたはエチレンオキサイドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを用い、公知の方法に従って製剤することができる。
【0069】
無菌注射製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の無菌注射溶液もしくは懸濁液であることもできる。使用可能な希釈剤および溶媒は、例えば水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液および等張性グルコース溶液である。さらに、無菌固定油を、従来のように溶媒もしくは懸濁媒体として用いる。これに関しては、あらゆる商品名の固定油も用いることができ、合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどがある。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を注射製剤で用いることができる。
【0070】
本発明の組成物は、薬剤の直腸投与用の坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、常温で固体であるが直腸温度で液体であって、直腸で融解して薬剤を放出する好適な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することで調製することができる。そのような材料は、例えばココアバターおよびポリエチレングリコールである。
【0071】
非経口投与用の徐放製剤には、当業界で公知のリポソーム製剤、ポリマーミクロスフィア製剤およびポリマーゲル製剤などがある。
【0072】
本発明の医薬組成物は、固体分散体の形態であることもできる。固体分散体は、固溶体、ガラス液、ガラス懸濁液、結晶担体中の非晶質沈澱、共晶もしくは偏晶、複合物または錯体形成およびそれらの組み合わせであることができる。
【0073】
特に興味深い本発明の1態様は、基剤がポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキレングリコール(すなわち、ポリエチレングリコール)、ヒドロキシアルキルセルロース(すなわち、ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシアルキルメチルセルロース(すなわち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリメタクリレート類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ビニルアルコール/酢酸ビニルコポリマー、ポリグリコール化グリセリド類、キサンタンガム、カラギーナン、キトサン、キチン、ポリデキストリン、デキストリン、デンプンおよびタンパク質などの医薬として許容されるポリマーを含む、固体分散体を含む医薬組成物である。
【0074】
本発明の別の態様は、基剤が糖および/または糖アルコールおよび/またはシクロデキストリン、例えばショ糖、乳糖、果糖、マルトース、ラフィノース、ソルビトール、ラクチトール、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、イノシトール、トレハロース、イソマルト、イヌリン、マルトデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテルシクロデキストリンを含む、固体分散体を含む医薬組成物である。
【0075】
固体分散体の基剤の形成において有用な別の好適な担体には、アルコール類、有機酸類、有機塩基類、アミノ酸類、リン脂質類、ロウ類、塩類、脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類および尿素などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
基剤中のレゴラフェニブの固体分散体は、界面活性剤、充填剤、崩壊剤、再結晶阻害剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、粘着防止剤(detackifier)、pH調節剤、流動促進剤および潤滑剤などの、ある種の追加の、医薬として許容される成分を含むことができる。
【0077】
本発明の固体分散体は、溶融/融解技術、ホットメルト押出、溶媒蒸発(すなわち、凍結乾燥、噴霧乾燥または顆粒の粉末の層化)、共沈、超臨界流体技術および静電紡糸(electrostatic spinning)法などの固体分散体の製造に関して当業界で公知の方法に従って製造される。
【0078】
本発明の組成物は、必要もしくは所望に応じて、一般に担体もしくは希釈剤と称される他の従来からの医薬として許容される配合成分を含むこともできる。
【0079】
そのような組成物を適切な製剤にて製造する従来の手順を利用することができる。
【0080】
所期の投与経路用の組成物を製剤するのに適宜に使用可能な一般に使用される医薬成分には、下記のものがある。
【0081】
酸性化剤(例としては、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸などがあるが、これらに限定されるものではない。);
アルカリ化剤(例としては、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
吸着剤(例としては、粉末セルロースおよび活性炭などがあるが、これらに限定されるものではない。);
エアロゾル噴射剤(例としては、二酸化炭素、CCl、FClC‐CClFおよびCClFなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
空気置換剤(air displacement agent)(例としては、窒素およびアルゴンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
抗真菌保存剤(例としては、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
抗菌保存剤(例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
酸化防止剤(例としては、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
結合剤(例としては、ブロック重合体、天然および合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、ポリシロキサン、ならびにスチレン−ブタジエン共重合体などがあるが、これらに限定されるものではない。);
緩衝剤(例としては、メタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム無水物、およびクエン酸ナトリウム二水和物などがあるが、これらに限定されるものではない。);
担体(carrying agent)(例としては、アカシアシロップ、芳香族シロップ、芳香族エリキシル剤、チェリーシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、トウモロコシ油、鉱油、ピーナッツ油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射液、および注射用静菌水などがあるが、これらに限定されるものではない。);
キレート剤(例としては、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸などがあるが、これらに限定されるものではない。);
着色剤(例としては、FD&CレッドNo.3、FD&CレッドNo.20、FD&CイエローNo.6、FD&CブルーNo.2、D&CグリーンNo.5、D&CオレンジNo.5、D&CレッドNo.8、カラメル、および赤酸化第二鉄などがあるが、これらに限定されるものではない。);
透明化剤(clarifying agent)(例としては、ベントナイトなどがあるが、これに限定されるものではない。);
乳化剤(例としては、アラビアゴム、セトマクロゴール、セチルアルコール、グリセリルモノステアレート、レシチン、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン50モノステアレートなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
カプセル化剤(例としては、ゼラチンおよびセルロースアセテートフタレートなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
香味剤(例としては、アニス油、シナモン油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油、およびバニリン);
湿潤剤(例としては、グリセロール、プロピレングリコール、およびソルビトールなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
研和剤(例としては、鉱油およびグリセリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
油類(例としては、アラキス油、鉱油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油、および植物油などがあるが、これらに限定されるものではない。);
軟膏基剤(例としては、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏、およびバラ水軟膏などがあるが、これらに限定されるものではない。);
浸透促進剤(経皮送達)(例としては、モノヒドロキシもしくはポリヒドロキシアルコール、1価もしくは多価アルコール、飽和もしくは不飽和脂肪アルコール、飽和もしくは不飽和脂肪エステル、飽和もしくは不飽和ジカルボン酸、精油、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン、アミド、エーテル、ケトン、およびウレアなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
可塑剤(例としては、フタル酸ジエチルおよびグリセロールなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
溶媒(例としては、エタノール、コーン油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、ピーナッツ油、純水、注射用水、注射用殺菌水、および灌注用殺菌水などがあるが、これらに限定されるものではない。);
硬化剤(例としては、セチルアルコール、セチルエステルワックス、微結晶ワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、白ロウ、および黄ロウなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
坐薬基剤(例としては、ココアバターおよびポリエチレングリコール(混合物)などがあるが、これらに限定されるものではない。);
界面活性剤(例としては、塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オクストキシノール9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、およびソルビタンモノパルミテートなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
懸濁剤(例としては、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントガム、およびビーゴム(veegum)などがあるが、これらに限定されるものではない。);
甘味料(例としては、アスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトール、およびショ糖などがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤用抗粘着剤(例としては、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤用結合剤(例としては、アラビアゴム、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮糖、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドン、およびアルファ化デンプンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤およびカプセル用希釈剤(例としては、リン酸水素カルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトール、およびデンプンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤用コーティング剤(例としては、液体グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、およびシェラックなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤直打用賦形剤(例としては、リン酸水素カルシウムなどがあるが、これに限定されるものではない。);
錠剤用崩壊剤:(例としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムスターチグリコレート、およびデンプンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤用流動促進剤(例としては、コロイダルシリカ、コーンスターチ、およびタルクなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤用潤滑剤(例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸、およびステアリン酸亜鉛などがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤/カプセル用不透明化剤(例としては、二酸化チタンなどがあるが、これに限定されるものではない。);
錠剤用研磨剤(例としては、カルナウバロウおよび白ロウなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
粘稠化剤(例としては、蜜ロウ、セチルアルコール、およびパラフィンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
等張化剤(tonicity agent)(例としては、デキストロースおよび塩化ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
増粘剤(例としては、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、およびトラガカントガムなどがあるが、これらに限定されるものではない。);ならびに、
湿展剤(例としては、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、ソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、およびポリオキシエチレンステアレートなどがあるが、これらに限定されるものではない。)。
【0082】
当業者は、上記の情報を利用して、本発明を最も完全に利用可能であると考えられる。