【実施例1】
【0010】
以下、本発明の実施例1として、パチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
A.パチンコ機の全体構成
最初に、
図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。
図1は本例のパチンコ機1の前面図である。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される本体枠12(いわゆる機枠であり、
図18(a)に示す)と、この本体枠12にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、本体枠12に対して開閉自在とされた内枠11(前面枠と呼ばれることもある)とを備える。この内枠11には、遊技盤10が取り付けられている。
【0011】
また内枠11には、その前面上側を覆うようにガラス枠13が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠13により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤10の後述する遊技領域33が前面から視認可能となっている。またガラス枠13は、ヒンジ部3において内枠11に開閉可能に軸支されている。
なお
図18(a)は、ガラス枠13を開けた状態を図示している。またガラス枠13は、本願発明における遊技機枠(遊技盤10が臨む遊技機枠)に相当する。
また、このガラス枠13の下側には、開閉パネル15が配置され、内枠11に対して開閉自在に取付けられている。さらに、この開閉パネル15の下側には、操作パネル16が内枠11に対して通常は固定状態に設けられている。
【0012】
遊技盤10は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール32で囲まれることにより遊技領域33が形成されたものである。遊技領域33は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の遊技球が開閉パネル15に設けられた上皿17に排出される(即ち、賞球として排出される)構成となっている。
また、内枠11の開閉側(
図1において右側)の縁部には、内枠11及びガラス枠13の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部21が形成されている。
【0013】
また、開閉パネル15に設けられた上皿17は、賞球として又は貸球として排出された発射前の遊技球を一時保持するものである。この上皿17には、上皿17の遊技球を後述の下皿26に移す玉通路開閉用の上皿球抜きレバー24と、遊技者が操作する押ボタン式の演出ボタン20とが設けられている。
また、操作パネル16には、灰皿25と、下皿26と、下皿26に貯留された球を外部下方に抜くための下皿球抜きレバー27と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル28とが設けられている。
また、
図1において符号29で示すものは、ガラス枠13の上部左右両側や上皿17の前面に設けられ、効果音等を出力するスピーカである。
【0014】
また、
図1において符号60で示すものは、ガラス枠13の左右両側の前面にそれぞれ設けられ、後述する特図の変動表示ゲームと連動して装飾演出を行うとともに、場合により特図始動記憶の保留表示を行う枠装飾装置60である。
枠装飾装置60は、発光源であるカラーLED(明度、色彩の調節が可能なもの)と、このカラーLED(図示省略)からの出力光を拡散すべく前面側に設けられたレンズ部材(符号省略)とを備える。なお
図1等においては、枠装飾装置60を構成するレンズ部材の前面が見えている。また枠装飾装置60は、4つの領域61〜64に分かれており、各領域61〜64のそれぞれにカラーLEDを1個又は複数備えていて、各領域61〜64の制御はそれぞれ独立して行うことができる。本例の枠装飾装置60は、
図1に示すように、前面から見て遊技領域33の左右両側に接するように配設され、全体として縦に細長い形状とされている。そして枠装飾装置60は、上下方向に4分割されることで、最下位に領域61、その上に領域62、さらにその上に領域63、最上位に領域64という順番で、ガラス枠13の下端から上端付近にかけて、各領域が一列に配置されている。
なお、枠装飾装置60を構成する上記LEDは、後述する枠装飾LED基板122(
図2に示す)に接続又は搭載され、後述する演出制御装置110によって制御される。
【0015】
B.遊技盤の前面構成
図1において、符号32は遊技盤10のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がガイドレール32で囲まれることにより遊技領域33が形成されている。
遊技領域33には、
図1に示すように、アウト球流入口34、センターケース(図示省略)、始動入賞口40、普通電動役物(いわゆる普電)としての始動入賞口41、変動入賞装置42、一般入賞口43〜46、普図始動ゲート49、普図表示器73(
図2に示す)、普図記憶表示器(図示省略)、遊技状態LED74(
図2に示す)、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤10の右側下部(遊技領域33の外)には、特図表示器47と特図保留数表示器48が設けられている。なお遊技釘は、遊技領域33の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース等の取付部分を除いた遊技領域内に複数本植設されている。
また、特図保留数表示器48は独立して存在し、常に正確な保留数(保留状態となっている特図の始動記憶の数)を表示している。
【0016】
センターケースは、遊技盤10の裏側に取り付けられる可変表示装置53(
図2に示す)の表示部54の前面周囲を囲む部材である。
可変表示装置53は、例えば液晶表示装置である。可変表示装置53は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部54(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。また表示部54には、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像が表示可能である。
【0017】
また始動入賞口40,41は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では
図1に示すように上下に並んで配設されている。上側の始動入賞口40は常に開口している。下側の始動入賞口41は、開閉部材41aを左右両側に有し、これら開閉部材41aが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、
図1に示すようにこれら開閉部材41aが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口40,41は、センターケース(表示部54)の中央部下方に配置されている。
また変動入賞装置42は、開閉部材42bによって開閉される大入賞口42aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この大入賞口42aは、後述する大当りになったことを条件として開放される。
【0018】
次に普図表示器73(
図2に示す)は、
図1では図示省略しているが、いわゆる普図の表示を行う表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器)である。
また、普図記憶表示器は、例えば普図表示器73の近傍に複数設けられた小さなランプよりなり、そのランプの点灯状態によって、普図始動ゲート49を遊技球が通過することにより発生した普図の始動記憶の数(例えば、上限数が4個)を表示するものである。
遊技状態LED74(
図2に示す)は、
図1では図示省略しているが、遊技状態を報知するための表示器である。
【0019】
次に、特図表示器47は、本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器であり、始動入賞口40又は41への入賞により発生した特図の始動記憶に基づいて本特図の変動表示を実行するためのものである。なお、この特図表示器47によって表示されるものが本特図であるのに対して、前述の可変表示装置53の表示部54で行われる特図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。
また、特図保留数表示器48は、特図表示器47の近傍に複数設けられた小さなランプよりなり、そのランプの点灯状態によって、前述した特図始動記憶の保留数(例えば、上限数が4個)を表示するものである。
なお、特図保留数表示器48は、遊技者向けのものではなく、遊技盤10の検査などで使用されるものである。遊技者向けの特図始動記憶の保留数の表示は、可変表示装置53の表示部54又は枠装飾装置60(或いは両者)によって行われる。即ち、遊技者向けの特図の始動記憶表示手段には、第1の始動記憶表示手段と第2の始動記憶表示手段とがあり、第1の始動記憶表示手段は、可変表示装置53の表示部54の一部に設けられた始動記憶表示領域54a(
図5に示す)であり、第2の始動記憶表示手段は、枠装飾装置60である(特図始動記憶の保留表示については詳細後述する)。
【0020】
C.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機の制御系統について、
図2を参照して説明する。
図2は制御系統全体のブロック図である。なお図において、「SW」はスイッチを意味する。
図2において、遊技制御装置100は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御やそのための各被制御機器の直接的又は間接的な制御含む)を行う制御装置であり、マイクロプロセッサ101aと、制御用プログラムや固定データを記憶するROM101bと、マイクロプロセッサ101aの作業領域を提供するRAM101cと、入力インターフェース102と、出力インターフェース103と、外部通信端子104を含んで構成されている。
【0021】
ここで、遊技制御装置100の入力インターフェース102には、始動口SW51、入賞口SW52(入賞口SW1〜SWn)、ゲートSW53、カウントSW54、ガラス枠開放SW55、内枠開放SW56、及び磁気/振動SW57からの検出信号が入力される。
ここで、始動口SW51は、遊技領域33に設けられた特図の始動入賞口40又は41に入賞した遊技球を1個ずつ検出するセンサである。なお本例では、始動入賞口は2つあるが、始動口SW51はあくまで一つの検出部からなり、いずれの始動入賞口に入った遊技球も始動口SW51によって検出される。
また入賞口SW52は、遊技領域33に設けられた一般入賞口43〜46に対してそれぞれ設けられた入賞球検出用のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個、全体としてn個設けられる。またゲートSW53は、前述した普図始動ゲート49を通過する遊技球を検出するセンサである。またカウントSW54は、特別変動入賞装置42の大入賞口42aに入賞した遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
またガラス枠開放SW55は、パチンコ機前面のガラス枠13が開放されていることを検出するセンサである。また内枠開放SW56は、ガラス枠13が取り付けられたパチンコ機前面の内枠11が開放されていることを検出するセンサである。また磁気/振動SW57は、磁気又は振動によって不正を検出するするセンサである。
【0022】
一方、遊技制御装置100の出力インターフェース103からは、大入賞口ソレノイド(大入賞口SOL)72、普電開閉ソレノイド(普電開閉SOL)71、前述の特図表示器47、普図表示器73、遊技状態LED74、及び外部情報端子76に信号が出力される。
大入賞口ソレノイド72は、前述の特別変動入賞装置42の開閉部材42bを駆動するソレノイドである。普電開閉ソレノイド71は、前述の始動入賞口41の開閉部材41aを駆動するソレノイドである。外部情報端子76は、遊技店の管理装置に対して盤用外部情報(例えば、大当り信号等)を送信するための端子である。
なお、特図表示器47が2つあってもよい。
【0023】
また出力インターフェース103からは、排出制御装置75に対して、賞球データ等の信号が出力される。即ち、遊技制御装置100は、遊技盤10の各入賞口に対して設けられた始動口SW51、入賞口SW52、或いはカウントSW54により遊技球の入賞が検出されると、入賞口の入賞価値に対応して予め設定された賞球数の情報(賞球データ)を、排出制御装置75へ送信する。そして、排出制御装置75では、この賞球データを受信して、それに応じた賞球排出制御を行う。
また出力インターフェース103からは、前述の可変表示装置53等を制御する演出制御装置110に対して、
図4に示すような各種コマンド(制御情報)が送信される。
なお本例の場合、遊技制御装置100(特にRAM101c)が、本発明の始動記憶手段(特図始動記憶の保留数を所定数まで記憶する手段)を構成する。
【0024】
次に、演出制御装置110は、可変表示装置53の画像表示制御等を実行する制御装置であり、やはりCPU111を含むマイクロコンピュータよりなり、遊技制御装置100から送信されるコマンドに基づき可変表示装置53などを制御する。例えば、変動表示ゲームを実行する際には、遊技制御装置100から停止図柄の組み合わせ(結果態様)のデータ(例えば、通常大当り、確率変動大当り、ハズレの何れかを示すデータ)と、変動時間のデータとを含むコマンド(例えば
図4に示す変動パターンコマンド1〜nのうちの1つ)が、送信される構成となっており、演出制御装置110では、この停止態様と変動時間を満足する変動態様を選択して、可変表示装置53に特図を変動表示させて最終的に特定の図柄の組み合わせ(結果態様)を導出表示する特図変動表示ゲームを行う構成となっている。
なお、演出制御装置110の制御で実際に実施される特図の変動表示等の態様は、遊技制御装置100からのコマンドによって一義的に決定されてもよいが、上記コマンドで与えられた条件の範囲で、演出制御装置110が乱数抽出などによって態様を最終的に選択する構成(演出制御装置110にも態様を選択する、ある程度の裁量が与えられた構成)となっていてもよい。
【0025】
また、演出制御装置110は、
図2のように、CPU111、制御用プログラムや固定データを記憶するROM112、CPU111の作業領域を提供するとともに遊技制御装置100から送信されるコマンドを記憶するRAM113、入出力インターフェース115、可変表示装置53を表示駆動するVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)116、画像や文字等の表示データを格納した画像ROM117、可変表示装置53の表示データを一次記憶するVRAM114、スピーカ29を駆動するための音LSI119から構成される。
入出力インターフェース115からは、装飾用の各種LED基板121や枠装飾LED基板122に対して制御信号等(場合によっては電源用電力含む)が出力される。また入出力インターフェース115には、遊技制御装置100からのコマンドや、演出ボタンSW20aからの信号が入力される。演出ボタンSW20aは、前述の演出ボタン20が操作されることによって信号を出力するスイッチである。
なお、枠装飾LED基板122は、前述の枠装飾装置60を構成するLEDが接続又は搭載された基板である。各種LED基板121は、それ以外の装飾用LEDを接続又は搭載した基板である。
【0026】
ここで、入出力インターフェース115を介して遊技制御装置100からコマンドが入力されると、演出制御装置110は次のように表示制御を行う。まず、入出力インターフェース115からCPU111に対して受信割込みがかかり、これに応じてCPU111はコマンドを受信してRAM113に格納する。そして、CPU111は、受信したコマンドを解析し、例えば特図の変動表示の場合であれば、それに含まれる結果態様や変動時間の情報に基づいて、変動表示の内容を決定し、その変動表示を実現する表示データ(表示する図柄のコードや表示位置データやスクロールなどのコマンド等よりなるデータ)を生成してRAM113に格納する。
次いでVDP116は、RAM113の上記表示データを内部RAM或いはVRAM114に読み込み展開する。即ち、表示する特図や演出図柄やキャラクタのコードに対応して画像ROM117に格納されているキャラクタフォントデータを読み出し、表示位置データ等に従って表示すべき画像データ(背景画像含む)を生成して内部RAMの表示画像格納領域或いはVRAM114に格納する。
その後VDP116は、前記表示画像格納領域或いはVRAM114から画像データを読み出して可変表示装置53の表示駆動信号を形成する。これによって、可変表示装置53の画面上に所定の表示が行われる。
なお本例の場合、上記演出制御装置110と遊技制御装置100が、本発明の始動記憶表示制御手段を構成する。
【0027】
D.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
まず、遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置110に送信され、可変表示装置53の画面(表示部54)には客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。なお遊技開始当初の時点では、一般的には、ゲーム状態は通常モード(通常遊技状態)となっている。この通常モードでは、特図が大当りとなる確率は通常の確率(後述する確変モードよりも低い確率)となっている。
【0028】
そして、ガイドレール2を介して遊技領域3に打込まれた遊技球が、特図の始動入賞口40又は41に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置110に送信され、表示部54において特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図変動表示ゲームが行われる。
【0029】
そして、この変動表示ゲームの停止表示態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別表示態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、通常モードにおいて、変動表示ゲームの停止表示態様が特別表示態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。
【0030】
ここで、確変モードにおいて特定の態様(「7、7、7」のゾロ目)で大当りになると、ゲーム状態はまた確変モードに維持される。但し、確変モードになってから、大当たりが発生しないで、特図の変動回数が所定回数になると、ゲーム状態は通常モードに移行する。即ち、確変モードは、特図の変動回数が所定回数までに制限されている。ここで、所定回数は、特に限定されるものではなく、予め定められた回数であり、大当たりの種類毎に異なっていてもよい。
また、変動表示ゲームの停止表示態様によっては、いわゆる時短状態(時短モード)が発生する態様でもよい。時短状態とは、特図又は普図の変動表示ゲームの変動時間が通常状態よりも短く制御されて、その結果として特図又は普図が当り易くなる状態である。
【0031】
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置12の大入賞口12aが、規定時間(例えば、30秒)を越えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のランド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり大当りラウンド数などを遊技者に報知するための大当り画面の表示を指令する表示制御コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置110に送信され、表示部54では、このような大当り中の表示が実行される。
【0032】
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口12aが開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間)が、特賞期間に相当する。また、この大当り状態が本発明の特別遊技状態に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
【0033】
また、上記特図の変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口11にさらに遊技球が入賞したときには、表示部54等で特図始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、変動表示ゲーム又は大当りが終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
【0034】
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート49を通過したときは、普図表示器73での普図の変動表示による普図の変動表示ゲームが行われる。そして、この変動表示ゲーム結果(停止した普図)が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
この普図当りになると、始動入賞口41の一対の開閉部材41aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われる。これにより、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート49にさらに遊技球が入賞したときには、普図記憶表示器で普図始動記憶の保留表示が実行されてこの場合4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。
【0035】
E.各制御装置の機能
次に、各制御装置100,110の機能を、
図3の機能ブロック図や
図4のコマンド例により説明する。
図3に示すように、遊技制御装置100は次のような機能(乱数生成手段、保留数記憶手段、乱数抽出手段、乱数記憶手段、乱数判定手段、特図表示器制御手段、大当たり制御手段、変動パターン設定手段、コマンド送信手段としての機能)を有する。各手段の機能は次のとおりである。
即ち、始動口入賞時処理手段(保留数記憶手段、乱数抽出手段、乱数記憶手段を含む手段)は、特図の始動口SW51からの信号で始動入賞があったことを検知する。遊技制御装置100は、前述したように始動入賞に基づいて変動表示ゲームを開始するが、変動表示ゲーム中に新たに始動入賞が発生すると、すぐに新たな変動の開始をせずに始動入賞があったことを示す情報を、変動が開始できるまで始動記憶として保留状態にする。そして保留数記憶手段は、その保留状態の情報を受け、保留数が所定上限数に達していないか確認し、上限でなければ当該入賞分を記憶する。記憶された保留に対しては、乱数抽出手段が、大当り抽選に関わる乱数と変動パターン乱数を生成している乱数生成手段で作られた各乱数を割り当て、その割り当てた情報を乱数記憶手段が記憶する。すなわち、この乱数記憶手段によって、1つの保留に対して、大当り乱数と変動パターン乱数の抽出値がそれぞれ記憶される。また乱数記憶手段は、各保留に対して各乱数抽出値の記憶を行うので、そもそもの保留の数自体(特図始動記憶の保留数自体)も同時に記憶する。
【0036】
次に、乱数判定手段は、乱数記憶手段で記憶された情報を基に、保留記憶されたのが遅い順に、変動開始のタイミングに合わせて大当り判定を行う。これはあらかじめ定めておいた大当りとなる乱数の判定値と、割り当てられている乱数の抽出値とを比較して、一致していれば大当たりと判定するものである。また変動パターン設定手段は、乱数判定手段の判定結果を受けて、保留数情報、大当り判定情報、変動パターン情報を設定するコマンド(
図4の符号C1、C3で示すコマンド)の設定を行う。
なお、大当りとなる乱数の前後の値は変動時間の長い変動パターンが選択されるように設定されている。このとき、この判定によって、該保留に割り当てられた乱数が大当りもしくは、大当りの前後の乱数であった場合、その情報も変動パターン設定手段が設定する(先読み機能)。また特図表示器制御手段は、特図表示器47の変動パターンを設定する。さらに、乱数判定手段の判定結果が大当りの場合には、大当たり制御手段が、大入賞口の開閉制御や、大当り後の、大当り確率の変化等に応じて設定される確率状態や時短状態を設定するコマンド(
図4の符号C2で示すコマンド)の設定も行う。以上のように、保留数情報、大当り判定情報、変動パターン情報が、また大当り時には大当り制御後の、確率状態設定情報などが設定され、これら情報は制御コマンドとしてコマンド送信手段によって演出制御装置110へ送信される。
【0037】
また
図3に示すように、演出制御装置110は次のような機能(コマンド解析手段、飾り特図データ設定手段、表示制御手段、LEDデータ設定手段、LED制御手段としての機能)を有する。各手段の機能は次のとおりである。
即ち、コマンド解析手段は、遊技制御装置100のコマンド送信手段から送信される各種のコマンドを受け取り、受け取ったコマンドを解析し、保留の表示パターン、すなわち確率状態や保留数によって、可変表示装置53の表示部54で特図始動記憶の保留数をどのように表示して(非表示の場合もあり)、枠装飾を行う枠装飾装置60で前記保留数をどのように表示する(非表示の場合もあり)のか判定する。そして飾り特図データ設定手段が、コマンド解析手段によって解析されたコマンドと判定された情報を基に、可変表示装置53の変動パターン制御や保留数表示データの設定を行い、表示制御手段がその設定データに基づいて可変表示装置53の表示を制御する。またLEDデータ設定手段は、コマンド解析手段によって解析されたコマンドと判定された情報を基に、枠装飾装置60のLED制御データの設定を行い、その設定に基づいてLED制御手段が枠装飾装置60のLEDを制御する。この場合特に枠装飾に関わる枠装飾装置60のLEDは、後述する特定状態においては、特図始動記憶の保留数を表示する手段として制御される。
【0038】
F.特図始動記憶の保留表示
次に、特図始動記憶の保留表示の詳細を、
図5〜10により説明する。以下、単に「保留表示」とあるときには、特図始動記憶の保留表示を意味する。
まず
図5は、可変表示装置53の表示部54での保留表示(第1の始動記憶表示手段による保留表示)の具体例を図示している。この場合、表示部54の中央に特図(6↓↓)が表示されているのに対して、表示部54の左下隅部が始動記憶表示領域54aとされ、ここで特図始動記憶の保留数を報知する表示が行われている。
図5は、特図始動記憶の保留上限数が4個の場合であり、円の中に保留数を示す数字(1〜4のうちの何れか)を描いた保留表示図柄(上限数に相当する4個の図柄)を並べて表示している。そして、例えば保留数が1の場合、4個の保留表示図柄のうち、1番左端の数字1の保留表示図柄(保留1という、他も同様)のみを目立つ状態で表示(例えば、輝度が高く明るい状態で表示、或いは赤や黄色などの目立つ色で表示)し、他の保留表示図柄(保留2〜4)を目立たない状態で表示(例えば、全く見えない表示、輝度が低く暗い状態で表示、或いは灰色などの目立たない色で表示)することで、保留数が1であることを報知する。そして保留数が2の場合、4個の保留表示図柄のうち、1番左端の保留1と左から2番目の保留2の保留表示図柄のみを目立つ状態で表示し、他の保留表示図柄(保留3,4を目立たない状態で表示することで、保留数が2であることを報知するといったように、保留数が増えるに従って目立つ状態で表示する保留表示図柄を順次増やしてゆくことで、保留数が1以上である状態を報知する。
【0039】
なお、保留数の上限値は4個に限定されず、例えば8個でもよく、8個の場合には上述した保留表示図柄も当然8個になる。また、始動記憶表示領域54aの位置は、左下隅部に限定されず、表示部54内であればどこでもよい。
また、各保留表示図柄は、色や線の太さ或いは数字の字体などを、特図変動表示ゲームが行われる順に、異ならせてもよい。例えば、保留1を赤、保留2を青、保留3を黄、保留4を緑といったように、特図変動表示ゲームが行われる順に、それぞれ対応する色彩で表示するようにしてもよい。ちなみにこの場合、特図変動表示ゲームが行われる順番は、保留1が1番であり、保留2〜4が順次それに続く。
また、確変状態(特図の大当たり確率が相対的に高い状態)で特図変動表示ゲームが行われる保留と、通常状態(特図の大当たり確率が相対的に低い状態)で特図変動表示ゲームが行われる保留とが区別できるように、保留表示図柄の色や線の太さ或いは数字の字体などを、その情報(確変状態で特図変動表示ゲームが行われるものか否か)によって異ならせてもよい。
【0040】
次に、枠装飾装置60(第2の始動記憶表示手段)について説明すると、枠装飾装置60は、装飾演出を行う場合と、第2の始動記憶表示手段として特図始動記憶表示(特図始動記憶の保留表示)を行う場合とに制御可能である。そして、特定状態(本例では、確変状態発生が決定したことを契機として突入する状態であり、詳しくは後述するST期間に加えてこのST期間の前後の期間を含んでもよい)において、始動記憶表示領域54a(第1の始動記憶表示手段)とこの枠装飾装置60(第2の始動記憶表示手段)とが所定様態に連動させて表示制御される。具体的には、確変状態で特図変動表示ゲームが行われることとなる始動記憶を枠装飾装置60(第2の始動記憶表示手段)で表示させると共に、確変状態での所定回数の変動表示ゲームが終了した後に通常状態で特図変動表示ゲームが行われることとなる始動記憶を始動記憶表示領域54a(第1の始動記憶表示手段)で表示させる構成となっている。
例えば
図8の上側に示す大当たりラウンド中には、枠装飾装置60は枠装飾演出のための動作を行うように、前述した各制御装置100,110の機能によって制御される。ところが、確変状態での所定回数の変動表示ゲームが行われる期間(以下、ST期間という)、或いはさらにこのST期間の前後を含む期間には、枠装飾装置60は、前述した各制御装置100,110の制御機能によって、例えば
図8の下側に示すように、確変状態で特図変動表示ゲームが行われることとなる始動記憶の保留数(以下、特定保留数という)を表示する。この枠装飾装置60による特図始動記憶の特定保留数の表示は、特定保留数が1なら最下の領域61のみを点灯させて、残りの領域62〜64を非点灯(目立たない状態での点灯含む)とすることによって行われる。また、例えば
図8の下側に示すように、特定保留数が3なら下から三つの領域61〜63を点灯させて、残りの領域64を非点灯とするといったように、特定保留数が増えるに従って点灯させる領域を順次増やしてゆくことで、保留数が1以上である状態を報知する。
【0041】
なお、この枠装飾装置60による保留表示についても、保留数の上限値は4個に限定されず、例えば8個でもよく、8個の場合には上述した枠装飾装置60の領域も当然8個になる。
また、枠装飾装置60の各領域の点灯態様は、特図変動表示ゲームが行われる順に、色や輝度などを異ならせてもよい。例えば、領域61を赤、領域62を青、領域63を黄、領域64を緑といったように、特図変動表示ゲームが行われる順に、それぞれ対応する色彩で点灯させるようにしてもよい。ちなみにこの場合、特図変動表示ゲームが行われる順番は、領域61で表示される保留が1番であり、領域62〜64が順次それに続く。
なお
図8等においては、この保留表示の色の違いを塗りつぶしの模様の違いで表現している。いいかえると、
図8等において領域61〜64の塗りつぶし模様が同じものは、同じ色で点灯している状態を意味している。
図9等における表示部54の保留表示図柄についても同様である。
【0042】
次に、
図6は保留表示の全体の流れを説明するタイミングチャートである。
図6に示すように、本パチンコ機のST期間(前述したように変動回数限定の確変が行われている期間)及びその前後の期間における保留表示の制御は、前述した各制御装置100,110の制御機能によって、例えば以下のように行われる。即ち、始動入賞口40又は41への入賞を契機として、特図変動表示ゲームが行われ、大当りとなった場合に、それまで可変表示装置53の画面上(即ち表示部54)で表示されていた保留表示は大当り演出の出現と共に例えば
図8の上側に示すように非表示となる。そして、大当り発生して大当たり後に確変となる場合には、大当りのエンディング画面が表示されてから確変(ST)状態が開始されるまでに、例えば
図8の下側に示すように枠装飾装置60での保留表示を開始する。そしてST期間の終了と共に、保留表示は、可変表示装置53の画面上での表示に戻る。
【0043】
なお、可変表示装置53での保留表示や、枠装飾装置60の保留表示が、表示から非表示に或いは非表示から表示に切り替わる際には、一瞬で最終状態まで変化する態様でもよいが、色や明るさが徐々に(段階的に又は連続的に)変化してゆく態様(即ち、完全な表示状態と非表示状態との間に中間的な状態がある態様)でもよい。
図6等(後述する
図11等も同様)において、表示又は非表示を表す線が斜めになっている部分は、このように徐々に変化してゆく態様を図示している。また、枠装飾装置60の明るさを変化させるには、枠装飾装置60のLEDを例えば周知のPWM(パルス幅変調)方式で制御すればよい。
また、
図8はST突入時の図解であり、大当たりのエンディング画面のときに、枠装飾装置60が保留表示へと切り替わる態様を図示しているが、枠装飾装置60が保留表示へと切り替わるのは、もちろんエンディング画面終了後でもよい。
また
図6等において、「枠装飾LED」は枠装飾装置60を意味し、「枠装飾LEDでの保留表示(保留1)」は枠装飾装置60の領域61での表示を意味し、「枠装飾LEDでの保留表示(保留2)」は枠装飾装置60の領域62での表示を意味する(以下、保留3,4も同様)。
【0044】
次に、
図7はST期間及びST期間終了時の保留表示を示すタイミングチャートであり、
図9は確変終了間際(ST期間終了間際)の表示例を示すパチンコ機の前面図であり、
図10は確変状態(ST期間)での保留表示の詳細例を示す図である。以下、これら
図7、
図9、及び
図10により、ST期間中の保留の増減が発生した場合について、詳しく説明する。
図7に示すように、ST残り回数(即ち、確変状態で行われることとなる特図変動表示ゲームの回数)が十分にある場合(即ち、ST残り回数が保留数以上である場合)は、全て枠装飾装置60で保留数の表示が行われる。残り回数が少なくなり、例えば保留数が3になったのにSTが残り2回しかない場合(
図7で「注」で示す状態になった場合)、保留数3のうちの2つ(確変状態で特図変動表示ゲームが行われる特定保留数)は枠装飾装置60側で表示されるが、残りの1つ(通常状態で特図変動表示ゲームが行われるもの)は可変表示装置53の画面上の3番目の位置の保留表示図柄(保留3)で表示されることになる。そして、始動入賞がないまま、変動表示ゲームがさらに実行されると、それに伴ってST残り回数と保留数が減少してゆくが、この際、保留数の残りの1つ(通常状態で特図変動表示ゲームが行われるもの)は特図変動表示ゲームの実行順位が順次繰り上がるため、可変表示装置53の画面上の保留3から保留2へ、次いで1番目の位置の保留1へと、始動記憶表示領域54aでの保留表示の位置が実行順位が早い方(
図5では左側の方)へと順次切り替わってゆく。
【0045】
また
図9の上側に示すように、例えばST残り回数が3回で保留数が3になった場合、保留数3の全てが枠装飾装置60で表示されるが、可変表示装置53の画面上では、特図の変動表示とST残り回数の表示(「確変残り3回」という文字表示)が行われる。このようにST期間中には、ST残り回数が3回の場合以外でも、可変表示装置53の画面上でST残り回数の表示が行われる。
そして
図9の下側に示すように、ST残り回数が3回の状態で始動入賞があって保留数が4に増えると、保留数のうち特定保留数でない残りの1つ(通常状態で特図変動表示ゲームが行われるもの)は可変表示装置53の画面上の4番目の位置の保留表示図柄(保留4)で表示されることになる。この際、可変表示装置53の画面上の1〜3番目の位置の保留表示図柄(保留1〜3)は、全く見えない状態としてもよいが、
図9下側に示すように目立たない状態で表示するのが好ましい。このようにすれば、この保留が4番目であることが遊技者に分かり易い。
【0046】
次に
図10は、第1の始動記憶表示手段(可変表示装置53の始動記憶表示領域54a)と第2の始動記憶表示手段(枠装飾装置60)の保留表示の変化例を示している。
図10の上段左は、ST残り回数が4回で保留数が3である場合であり、この場合、保留数の全てが枠装飾装置60で表示される(即ち領域61〜63が点灯される)。
次に
図10の上段中央は、その後特図変動表示ゲームが1回外れで終了し、ST残り回数が3回で保留数が2になった場合であり、この場合も、保留数の全てが枠装飾装置60で表示される(即ち領域61〜62が点灯される)。
次に
図10の上段右側は、その後始動入賞が1回発生し、ST残り回数が3回で保留数が3になった場合であり、この場合も、保留数の全てが枠装飾装置60で表示される(即ち領域61〜63が点灯される)。
【0047】
次に
図10の下段右側は、その後始動入賞が1回発生し、ST残り回数が3回で保留数が4になった場合であり、この場合には、保留数のうちの3個分が枠装飾装置60で表示され(即ち領域61〜63が点灯され)、残りの保留数1個分が可変表示装置53の画面上の4番目の位置の保留表示図柄(保留4)で表示される。
次に
図10の下段中央は、その後特図変動表示ゲームが1回外れで終了し、ST残り回数が2回で保留数が3になった場合であり、この場合には、保留数のうちの2個分が枠装飾装置60で表示され(即ち領域61〜62が点灯され)、残りの保留数1個分が可変表示装置53の画面上の3番目の位置の保留表示図柄(保留3)で表示される。
次に
図10の下段左側は、その後始動入賞が1回発生し、ST残り回数が2回で保留数が4になった場合であり、この場合には、保留数のうちの2個分が枠装飾装置60で表示され(即ち領域61〜62が点灯され)、残りの保留数2個分が可変表示装置53の画面上の3番目と4番目の位置の保留表示図柄(保留3,4)で表示される。
【0048】
以上のように本例のパチンコ機では、前述した特定状態において始動記憶の表示が、2つの表示位置(即ち、可変表示装置53の始動記憶表示領域54aと枠装飾装置60)で行われるので、従来にない新しい保留の表示方法となり遊技の趣向性が高まる。また2つの位置の保留表示が、
図6〜10に示したように連動して表示制御されるので、保留表示の位置が複数存在することを遊技者が認識しやすく、保留表示の位置が複数あったとしても遊技者が混乱をしない。
さらに、枠装飾演出に使用される枠装飾装置60を始動記憶表示手段(前述した保留表示を行う手段)としても制御することで、特別な手段等を遊技機枠に設けなくても、第2の始動記憶表示手段として保留表示を行うことができる。
【0049】
また、確変状態が所定回数で終了する遊技機において、確変状態中に消化される分の保留表示(即ち、特定保留表示)だけを枠装飾装置60で表示するので、確変状態中に消化される保留はどの保留までかを容易に確認することができる。つまり本例では、ST残り回数が保留数以下である場合、枠装飾装置60で点灯している領域の数がST残り回数と等しいので、遊技者はST残り回数を確実かつ容易に知ることができる。例えば
図9に示す場合、仮に表示部54での「確変残り3回」という表示だけでは、現在変動中の抽選(特図変動表示ゲーム)を含めた3回なのか、現在変動中の抽選を除いてさらにもう3回なのかがわかりにくいが、本例では枠装飾装置60で点灯している領域の数が3個であるので、現在変動中の抽選を除いてさらにもう3回確変状態での特図変動表示ゲームが行われることが、遊技者にとって確実かつ容易に分かる。
また、周囲の遊技客は、当該パチンコ機が確変状態であることを認識しやすく、遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。即ち、パチンコ機周囲に目立ち易い枠装飾装置60で保留表示が行われているのを見れば、周囲の遊技客も確変状態であることがすぐ分かり、雰囲気が盛り上がる。
また、各始動記憶表示手段において保留の消化優先順位ごとに色を分けて表示するようにした場合には、保留表示の位置が複数あっても、どの保留の消化順位が先かを容易に認識することができる効果がある。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。なお、この実施例2は特図始動記憶の保留表示について特徴を有し、その他のパチンコ機の構成は実施例1と同様であるため、重複する説明を省略する。
この実施例2は、次のような技術思想の遊技機を具体化したものである。即ち、「遊技盤の遊技領域に設けられた始動入賞口への入賞に基づき変動表示ゲームを行う可変表示装置と、遊技球が前記始動入賞口へ入賞したことを始動記憶として所定数まで記憶する始動記憶手段と、前記遊技盤が臨む遊技機枠の左右に配置され、前記変動表示ゲームと連動して装飾演出を行う枠装飾装置と、を備え、前記変動表示ゲームが、あらかじめ定められた特別結果となったときに、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記始動記憶手段によって記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段と、この始動記憶表示手段の表示を制御する始動記憶表示制御手段と、前記変動表示ゲームの変動時間を決定する変動時間決定手段と、前記変動時間が、所定の時間を経過したことを検知する所定時間経過検知手段と、を備え、
前記始動記憶表示手段は、第1の始動記憶表示手段と、第2の始動記憶表示手段と、を備え、
前記第1の始動記憶表示手段は、前記可変表示装置の一部に設けられた始動記憶表示領域であり、前記第2の始動記憶表示手段は、前記枠装飾装置であり、
前記枠装飾装置は、前記装飾演出を行う場合と、前記第2の始動記憶表示手段として該始動記憶表示を行う場合と、に制御可能で、
前記始動記憶表示制御手段は特定状態において、前記第1の始動記憶表示手段と前記第2の始動記憶表示手段とを所定様態に連動させて表示制御することとし、
前記特定状態とは、前記変動時間決定手段によって決定された変動時間が、一定時間より長い変動表示ゲームにおいて、前記所定時間経過検知手段の検知を契機として突入する状態であり、
前記始動記憶表示制御手段は、前記特定状態の開始時に、始動記憶表示移動制御を実行する構成であり、
この始動記憶表示移動制御は、前記第1の始動記憶表示手段で表示されている表示内容が移動するように前記第2の始動記憶表示手段で徐々に表示される表示移動が発生し、前記第1の始動記憶表示手段で表示されていた表示内容が前記表示移動の進行に伴い前記第1の始動記憶表示手段では徐々に非表示へと切り替わる制御であることを特徴とする遊技機」の具体例である。
ここで、「徐々に」には「段階的に」という態様も含まれる。つまり、ここでの「徐々に」は、完全な表示状態と非表示状態との間に中間的な状態があり、非表示状態から表示状態へ或いは表示状態から非表示状態へと切り替わる際には、その中間的な状態を経て表示状態(始動記憶表示手段の表示の明るさ、濃淡、線の太さなど)が段階的又は連続的に変化してゆくことを意味する。
また、変動時間決定手段と所定時間経過検知手段は、遊技制御装置100又は演出制御装置110の機能として実現される。
【0051】
この実施例2の技術思想の背景等を説明すると次のようになる。即ち、可変表示装置上で保留表示するもので、SP(スペシャル)リーチ時などの特定演出中に、保留表示を非表示に切り換えるもの(特開2003−144708号など)は、保留数の確認が困難になってしまう。そこで本実施例では、特定演出中のみ保留数の表示を枠装飾装置60で行うようにする。この切り換えを前記表示移動として行う。
表示移動は、SPリーチ時に可変表示装置53上の始動記憶表示領域54aから、枠装飾装置60のLEDでの保留表示へと色の濃淡や、輝度等の段階的又は連続的な変化によって、保留の表示位置が移動していることを遊技者に認識させながら行うものである。従って、移動中(後述する
図11の期間A)では2つの始動記憶表示手段(可変表示装置53と枠装飾装置60)が制御される。始動記憶表示移動制御は、この表示移動の制御を意味する。
可変表示装置53の保留表示から枠装飾装置60の保留表示へ表示移動が完了すると、可変表示装置53の表示部54上では、保留していた分を灰色(
図11の期間D)で示し、保留の移動が完了したことを報知した後、SPリーチ開始時には完全に消える(
図11の期間B)。そして、SPリーチが終了すると保留表示がもとの可変表示装置53の表示部54上へ戻る(
図11の期間C)。戻るときも表示移動で戻る。
この実施例2のように制御すれば、画面(表示部54)上の保留表示が非表示となっても、保留数が確認できる。一方、保留表示の表示位置が変更される表示移動が発生しても遊技者が混乱しない。また、周囲の遊技客へのアピールとなり、遊技場の雰囲気を盛り上げる。同時に枠装飾装置60を保留表示に使用すれば、遊技領域33を広く確保できる効果が得られる。
【0052】
以下、
図11〜14により、実施例2の具体例を詳細に説明する。
図11,12はSPリーチ中及びその前後の保留表示を説明するタイミングチャート、
図13はSPリーチ前の表示例を示すパチンコ機の前面図、
図14はSPリーチ開始直前直後の表示例を示すパチンコ機の前面図である。
図11に示すケースでは、通常時に始動入賞が3回発生して保留数が0から1、1から2、2から3へと増加しており、それに伴って表示部54の保留1、保留2、保留3が順番に点灯(目立つ状態で表示)した後、その時点で行われている特図変動表示ゲームがいわゆるリーチアクションの行われるリーチになっている。
図13の上側は、このようにして通常時に保留数が3になり、ノーマルリーチになった状態を図示している。詳しくは、
図13の上側は、特図の左右の図柄が同じ「6」になり、特図の中央の図柄が変動しているノーマルリーチアクション(6↓6)の表示が表示部54の中央で行われ、保留数3の表示が表示部54の始動記憶表示領域54aで行われ(即ち、始動記憶表示領域54aの保留1,2,3が目立つ状態で表示され)、枠装飾装置60で枠装飾演出の表示が行われている状態を図示している。
【0053】
その後、
図11に示すケースでは、ノーマルリーチがSPリーチに移行し、SPリーチが終了した後、保留3を消化して新たな特図変動表示ゲームが開始される。
この際、SPリーチ開始よりも所定期間Aだけ以前の時点(以下、SPリーチ開始前という)が、変動時間決定手段と所定時間経過検知手段の機能で検知されると、始動記憶表示移動制御が実行される。即ち、表示部54で表示されている保留数の表示内容が移動するように枠装飾装置60で徐々に表示される表示移動が発生し、表示部54で表示されていた表示内容が前記表示移動の進行に伴い表示部54では徐々に非表示へと切り替わる。この場合、
図11及び
図13の下側に示すように、表示部54上の保留1,2,3の保留表示図柄は例えばその色彩の彩度が徐々に低下してゆき、SPリーチ開始よりも所定期間D(A>D)だけ以前の時点では灰色(彩度=0)になってしまう。その一方で、この表示部54の保留表示図柄の変化(彩度高から彩度ゼロへの変化)に連動するように、枠装飾装置60では、領域61,62,63が例えば明度=0の非表示状態から明度高の完全表示状態まで徐々に明度が増加する。しかもこの際、
図13の下側に示すように、対応する保留表示の色が同じものとなるように制御される。例えば、表示部54の保留1の保留表示図柄が赤だった場合には、これに対応する枠装飾装置60の領域61も赤で点灯させ、表示部54の保留2の保留表示図柄が青だった場合には、これに対応する枠装飾装置60の領域62も青で点灯させる、というように制御される。
【0054】
次いで、SPリーチ開始よりも所定期間Dだけ以前の時点では、枠装飾装置60の保留表示が完全な表示状態となり、その後SPリーチ開始直前の期間D(
図11)においては、
図14の上側に示すように表示部54における灰色の保留表示と枠装飾装置60における完全な保留表示とが併存する。
そして
図11及び
図14の下側に示すように、SPリーチ開始から終了までの期間Bでは、表示部54での保留表示は完全に非表示(保留表示図柄は完全に見えなくなる)となり、表示部54ではSPリーチの表示が行われ、特図始動記憶の保留表示は枠装飾装置60でのみ行われる。
その後、SPリーチが終了すると、
図11の期間Cの箇所に示すように、前記始動記憶表示移動制御とは逆の制御が行われる。即ち、枠装飾装置60で表示されている保留数の表示内容が移動するように表示部54の始動記憶表示領域54aで徐々に表示される表示移動が発生し、枠装飾装置60で表示されていた表示内容が前記表示移動の進行に伴い枠装飾装置60では徐々に非表示へと切り替わる。例えば、表示部54上に保留1,2,3の保留表示図柄(灰色)が表示され、この保留表示図柄の色彩の彩度が徐々に増加してゆき、その一方で、この表示部54の保留表示図柄の変化に連動するように、枠装飾装置60では、領域61,62,63が例えば明度高の完全表示状態から明度=0の非表示状態まで徐々に明度が減少する。しかもこの際、対応する保留表示の色が同じものとなるように制御される。
【0055】
なお、
図12はSPリーチ中に保留数変化があった場合の保留表示を説明するタイミングチャートである。この
図12に示すケースでは、通常時に特図始動記憶の保留数が2の状態でリーチとなり、その後SPリーチに移行している。
この際、SPリーチ開始前には、前述した始動記憶表示移動制御が実行され、表示部54上の保留1,2の保留表示図柄は例えばその色彩の彩度が徐々に低下してゆき、SPリーチ開始よりも所定期間Dだけ以前の時点では灰色(彩度=0)になってしまう。その一方で、この表示部54の保留表示図柄の変化に連動するように、枠装飾装置60では、領域61,62が例えば明度=0の非表示状態から明度高の完全表示状態まで徐々に明度が増加する。
次いで、SPリーチ開始よりも所定期間Dだけ以前の時点では、枠装飾装置60の保留表示が完全な表示状態となり、その後SPリーチ開始直前の期間Dにおいては、表示部54における灰色の保留表示と枠装飾装置60における完全な保留表示とが併存する。
次に、SPリーチ開始から終了までの期間では、表示部54での保留表示は完全に非表示(保留表示図柄は完全に見えなくなる)となり、表示部54ではSPリーチの表示が行われ、特図始動記憶の保留表示は枠装飾装置60でのみ行われる。
そして
図12に示すように、SPリーチ中に始動入賞が発生したため、枠装飾装置60では、SPリーチ中に領域61,62に加えて領域63も点灯し、保留数が3であることが表示される。
その後、SPリーチが終了すると、
図12に示すように、前記始動記憶表示移動制御とは逆の制御が行われ、もとの通常状態に戻る。
【0056】
以上のようにこの実施例2では、通常状態(SPリーチ期間B及びその前後の期間A,Cでない時)には、可変表示装置53の表示部54で特図始動記憶の保留表示が行われ、枠装飾装置60側では前記保留表示は行われずに枠装飾演出のための表示が行われる。そして特定状態の期間(即ち、SPリーチ期間B及びその前後の期間A,C)では、表示部54(第1の始動記憶表示手段)と枠装飾装置60(第2の始動記憶表示手段)とを所定様態に連動させて表示制御する。詳しくは、SPリーチ前の期間Aに、可変表示装置53から枠装飾装置60への表示移動(始動記憶表示移動制御)が行われ、SPリーチ期間B中は枠装飾装置60でのみ前記保留表示が行われ、SPリーチ終了後の期間Cに、枠装飾装置60から可変表示装置53への表示移動が行われ、もとの通常状態に戻る。
【0057】
なお、本発明は上述した実施例1,2に限られず、各種の実施例があり得る。
例えば、
図15はその他の実施例E1の保留表示を説明する図である。この実施例E1は、実施例2における保留表示の表示移動を1つずつ行うようにしたもの(実施例2の変形例)である。
図15のケースでは、SPリーチ前までに保留数が3であり、表示部54上で保留1が赤、保留2が緑、保留3が青で点灯し、枠装飾装置60では枠装飾演出が行われている(
図15の上段左側)。そしてSPリーチ前の期間Aに入ると、まず
図15の上段中央のように、表示部54の保留1の保留表示図柄が薄赤に変化し、同時に枠装飾装置60の領域61の点灯色も薄赤に変化する。次いで
図15の上段右側のように、表示部54の保留1の保留表示図柄が灰色に変化し、同時に枠装飾装置60の領域61の点灯色が完全な赤(薄赤よりも彩度又は輝度が高い状態)に変化する。次いで
図15の下段右側のように、表示部54の保留2の保留表示図柄が薄緑に変化し、同時に枠装飾装置60の領域62の点灯色も薄緑に変化する。次いで
図15の下段中央のように、表示部54の保留2の保留表示図柄も灰色に変化し、同時に枠装飾装置60の領域62の点灯色が完全な緑(薄緑よりも彩度又は輝度が高い状態)に変化する。その後、表示部54の保留3と枠装飾装置60の領域63についても同様に変化して、最終的には
図15の下段左側のように、表示部54の保留3の保留表示図柄は薄青から灰色に変化し、枠装飾装置60の領域63の点灯色が薄青から完全な青(薄青よりも彩度又は輝度が高い状態)に変化する。
このように、遊技者に各保留表示が対応しつつ1つずつ移動することを分からせながら保留表示の表示移動を1つずつ行う態様もあり得る。このほうが、より遊技者が保留の移動を混乱なく受け入れられる。
【0058】
次に
図16,17は、枠装飾装置60での保留表示を先読み予告と絡めて行う場合の実施例E2を説明する図である。前述した遊技制御装置100の変動パターン設定手段(
図3)の先読み機能によって、特図始動記憶の保留に割り当てられた乱数が大当りもしくは、大当りの前後の乱数であった場合、先読みが特定結果になったとして、
図4に示す先読み制御コマンド3,4(MODE;A3H,ACTION;03H又は04H)が遊技制御装置100から演出制御装置110に送信される。本実施例E2は、
図17に示すように、この先読みが特定結果になったことを契機に保留表示位置を表示部54から枠装飾装置60に変更(表示移動)して、
図16に示すように、さらに枠装飾装置60の保留表示を点滅させるなどするものである。この場合、本発明の特定状態は、先読みが特定結果になったことを契機に開始される状態である。
【0059】
図17のケースでは、通常時に始動入賞が4回発生して保留数が0から4まで順次増加しており、それに伴って表示部54の保留1〜4が順次点灯した後、新たな特図変動表示ゲームが2回行われ、その後に始動入賞が1回発生し、さらにその後に新たな特図変動表示ゲームが開始されている。この場合、保留数が4になったときに先読みが特定結果となった(即ち、その保留に割り当てられた乱数が大当りもしくは、大当りの前後の乱数であった)ために、その後に新たな特図変動表示ゲームが開始されるタイミングで、保留表示の枠装飾装置60への表示移動が開始される。
この実施例E2によれば、先読みの結果によって、枠側で保留表示することで、周囲の遊技者に、当該遊技機が大当りを期待できる状態であるとアピールし、遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。枠装飾装置60が光っている状態は、少し離れていても認識しやすいからである。また保留表示位置の枠側への変更(表示移動)は、SPリーチ時(実施例2)と同様に行えば、遊技者が混乱しないようにすることができる。なお、表示移動を実行するタイミングとしては、先読み後すぐではなく、次変動が始まるタイミングなどにするとわかりやすい。
【0060】
次に
図18は、枠装飾装置60での保留表示をしている最中にガラス枠13が開放された場合を考慮した実施例E3を説明する図である。遊技中に、ガラス枠13が開放されると、枠装飾装置60は開放報知状態となり、特図始動記憶の保留表示ができなくなる。そこで、本実施例E3では、枠装飾装置60で保留表示をしている最中に
図18(a)に示すようにガラス枠13が開放されたことがガラス枠開放SW55の信号で判定された場合には、
図18(b)に示すように一時的に表示部54で保留数を表示するようにする。なお、加えて、音声などで特図始動記憶の保留数を報知してもよい。また、
図18(a)において符号55aで示すのは、ガラス枠開放SW55の可動部(ガラス枠13の開閉に伴って動作してガラス枠開放SW55の接点の作動状態を変化させる部材)である。
【0061】
この実施例E3の技術思想は次のようになる。即ち、「遊技盤の遊技領域に設けられた始動入賞口への入賞に基づき変動表示ゲームを行う可変表示装置と、遊技球が前記始動入賞口へ入賞したことを始動記憶として所定数まで記憶する始動記憶手段と、前記遊技盤の前面を覆い開閉可能に設けられる遊技機枠と、前記遊技機枠が開放状態になったことを検知する開放検知手段と、前記遊技機枠の左右に配置され、前記変動表示ゲームと連動して装飾演出を行う枠装飾装置と、を備え、前記変動表示ゲームが、あらかじめ定められた特別結果となったときに、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記始動記憶手段によって記憶された始動記憶の数を表示する始動記憶表示手段と、この前記始動記憶表示手段の表示を制御する始動記憶表示制御手段と、を備え、
前記始動記憶表示手段は、第1の始動記憶表示手段と、第2の始動記憶表示手段と、を備え、
前記第1の始動記憶表示手段は、前記可変表示装置の一部に設けられた始動記憶表示領域であり、前記第2の始動記憶表示手段は、前記枠装飾装置であり、
前記枠装飾装置は、前記装飾演出を行う場合と、前記第2の始動記憶表示手段として該始動記憶表示を行う場合とに制御可能で、
前記始動記憶表示制御手段は特定状態において、前記第1の始動記憶表示手段と前記第2の始動記憶表示手段とを所定様態に連動させて表示制御し、
前記特定状態中に、前記開放検知手段によって前記遊技機枠が開放状態となった場合には、前記第2の始動記憶表示手段を前記所定様態に連動させて表示制御せず、前記第1の始動記憶表示手段で、前記始動記憶の数の表示(保留表示)が行われることを特徴とする遊技機。」となる。
ここで、「開放検知手段」はガラス枠開放SW55に相当する概念である。また「特定状態」は、特に限定されない、実施例1のように確変に関係して発生する状態、実施例2のようにSPリーチに関係する状態、実施例E2のように先読みに関係する状態でもよいし、それ以外でもよい。
【0062】
また本発明は、上述した実施例1,2や実施例E1〜E3に限られず、各種の変形や応用があり得る。
例えば、演出ボタン(例えば
図1の演出ボタン20)を押して、保留表示の表示位置を常に枠装飾装置60で行うモードのようなものを選択できるようにしてもよい。この場合、演出ボタン20が押されて移行するモードが本発明の特定状態に相当する。このようにすると、可変表示装置の画面で保留を表示するものについて、常に画面を広く使用するモードで遊技できるようになる効果がある。
また、演出ボタンを押して(連打等)、保留表示が枠装飾装置60側に移動したら、大当りの期待ができるなどのように、特図変動表示ゲームの予告と絡めればおもしろみが増す。
また、前述の実施例は、枠装飾装置60を構成するLEDをカラーLEDとして発光源の出力光自体の色を変えて色彩を変化させる態様である。しかし、枠装飾装置60を構成するレンズ部材の色を領域ごとに異ならせることによって、枠装飾装置60の領域ごとに表示色を異ならせる態様もあり得る。
【0063】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。