(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の実施形態について説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態について正確に説明するために大きさが部分的に誇張されており、図中、同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による基板処理装置を示す断面図である。
【0023】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による基板処理装置100は、基板10が積載される基板ボート110と、前記基板ボート110に積載された基板10の処理工程が行われる反応チューブ120と、前記反応チューブ120の一方の側に配設される噴射ノズル131を介して前記反応チューブ120の内部に工程ガスを供給するガス供給部130と、前記反応チューブ120の外部に前記反応チューブ120の周縁に沿って配設され、前記反応チューブ120の周縁に沿って分割して前記反応チューブ120をそれぞれ別々に加熱する複数の垂直加熱部141、142により構成されるヒータ部140と、前記ヒータ部140を制御する制御部150と、を備えていてもよい。
【0024】
基板ボート110には、1枚の基板又は複数枚の基板が積載されてもよいが、複数枚の基板に対して基板処理工程を一括して行うバッチ式のものであってもよい。基板ボート110には、バッチ式で工程を行うために複数枚の基板10が多段に(又は、上下方向に)積載されてもよく、積載又は処理工程のために降昇可能である。例えば、基板ボート110には、22枚の基板10を多段に積載することができるが、基板ボート110が下部チャンバ162の内部に設けられた積載空間(又は、積載位置)内に位置する間に、基板10は、基板ボート110内に積載されてもよい。より具体的に、基板ボート110の1段に1枚の基板10が積載されると、基板ボート110が上昇して基板10が積載された段の下段に基板10が積載されてもよい。基板ボート110内に複数枚の基板10が全て積載されると、基板ボート110は、反応チューブ120の収容空間(又は、工程位置)に移動して反応チューブ120の収容空間において基板10の処理工程が行われてもよい。
【0025】
また、基板ボート110は、基板10が積載される積載空間を仕切る複数枚の仕切りプレートを備えていてもよい。前記複数枚の仕切りプレートは、複数枚の基板10がそれぞれ積載される別々の複数の積載空間を形成して複数枚の基板10がそれぞれの積載空間においてそれぞれ別々に処理されるようにしてもよい。すなわち、基板ボート110は、上下方向に多段の積載空間を有し、各積載空間に1枚の基板10が積載されてもよい。これにより、基板ボート110の各積載空間に基板10の処理領域がそれぞれ別々に形成されて各基板10に噴射された工程ガスが上部又は下部の基板にも影響を及ぼすことを防ぐことができる。一方、前記仕切りプレートの素材としては、セラミック、クォーツ、合成クォーツなどが使用可能である。
【0026】
従来のバッチ式の基板処理装置は、単一の空間に複数枚の基板を垂直に積層して工程を行う。これにより、基板処理工程前の枚葉式工程やその他の工程若しくは搬送モジュールのエンドエフェクタから基板の下部面に付着したパーチクルが基板の搬入及び搬出若しくは工程の進行中に下部基板の膜質形成面に落下して成長膜の品質を阻害する要素として働いてきた。
【0027】
しかしながら、本発明の基板処理装置100は、前記複数枚の仕切りプレートを有する基板ボート110を用いて複数枚の基板10をそれぞれ別々に引き離すことにより、基板10の下部面に付着したパーチクルが下部基板の膜質形成面に落下することを防ぐことができ、これにより、成長膜の品質の低下を防ぐことができる。
【0028】
また、従来のバッチ式の基板処理装置は、1本の工程ガス供給ラインを備えているため、反応チューブ内に供給される工程ガスの量のみを制御することができ、基板のそれぞれに供給される工程ガスの量をそれぞれ別々に制御することはできなかった。すなわち、各基板に供給される工程ガスの濃度を制御することができなかった。これにより、基板に形成される成長膜の膜厚を制御することができないため基板ごとに成長膜の膜厚が異なってしまうという問題が発生した。また、このような問題を解消するために、多段式のガス供給ノズル及びガス排出口を備えてそれぞれの基板にそれぞれ別々にガスを供給するシステムを備えていても、従来の基板ボートは、基板と基板との間が開放された構造であるため、基板ボート内の複数枚の基板に均一な基板処理を行うことができなかった。すなわち、たとえそれぞれの基板に対応するガス供給ノズル(又は、噴射ノズル)を介して所定の量の工程ガスを供給しても、工程ガスが対応する個所の基板だけではなく、上部又は下部に配設されている基板にも影響を与えてしまうため、基板ボート内の複数枚の基板に均一な基板処理を行うことができなかった。
【0029】
しかしながら、本発明の基板ボート110は、基板10と基板10との間に前記仕切りプレートを設けて複数枚の基板10をそれぞれ別々に引き離すことにより、各基板10に噴射された工程ガスが上部又は下部の基板にも影響を与えてしまうことを防ぐことができ、これにより、それぞれの基板10に同じ量の工程ガスを供給することができる。
【0030】
更に、基板ボート110は、前記仕切りプレートを支持する連結バーを更に備えていてもよい。前記連結バーは複数形成されてもよく、前記複数枚の仕切りプレートが嵌合する複数の嵌合溝が形成されてもよい。ここで、それぞれの連結バーには、上下方向に複数の嵌合溝が形成されてもよく、前記複数枚の仕切りプレートを各嵌合溝に嵌合してもよい。この場合、前記仕切りプレートを各嵌合溝に嵌脱する簡単な方法を用いて各仕切りプレート間の間隔(又は、高さ)を手軽に調節することができる。
【0031】
前記連結バーは、前記複数枚の仕切りプレートを互いに連結することができるが、前記複数枚の仕切りプレートを安定的に支持して基板10の処理工程が行われる間に前記複数枚の仕切りプレートが傾かないようにし、それぞれの積載空間が変形されないようにする。なお、前記複数本の連結バーは、前記複数枚の仕切りプレートなどの基板ボート110の構成要素を一体形に結合する。
【0032】
また、前記複数本の連結バーは、基板10の搬入方向(又は、積載方向)に対して対称的に配置されてもよい。前記複数本の連結バーは、安定的に前記複数枚の仕切りプレート及び基板10を支持するために対称的に配置されてもよい。前記連結バーが基板10の搬入方向を遮ってしまうと、基板10の積載(又は、搬入)に際して干渉を与えるだけではなく、積載できなくなる場合もあるため、基板10の搬入方向に対して対称的に配置されてもよい。
【0033】
ここで、前記複数本の連結バーは、チャンバ180の搬入口183に最も近い対称状の連結バー間の幅が基板10の幅よりも広くても良い。たとえ前記複数本の連結バーが基板10の搬入方向に対して対称的に配置されても、チャンバ180の搬入口183に最も近い対称状の連結バー間の幅が基板10の幅よりも狭くなると、これもまた、基板10の積載に干渉を与えて積載できなくなる。これにより、チャンバ180の搬入口183に最も近い対称状の連結バー間の幅が基板10の幅に等しいか、或いは、それよりも広いことがある。連結バー間の幅及び基板10の幅が等しければ、基板10の積載に際して難点があるため、僅かな差を設けて広く形成してもよい。このとき、チャンバ180の搬入口183に最も近い対称状の連結バー間の幅が基板10の幅よりも広くなるためには、チャンバ180の搬入口183に近い部分よりも遠い部分の方に複数本の連結バーが偏って配置されなければならない。この理由から、前記複数本の連結バーは、チャンバ180の搬入口183から遠い部分に偏って配置されてもよい。
【0034】
このように、前記複数本の連結バーをチャンバ180の搬入口183に最も近い対称状の連結バー間の幅が基板10の幅よりも広くなるように基板10の搬入方向に対して対称的に配置すると、基板10の積載に際して干渉を与えないため基板10を積載し易く、前記複数本の連結バーが対称的に配置されて前記複数枚の仕切りプレート及び基板10が安定的に支持可能になる。これに加えて、基板10の搬入方向に工程ガスを供給する場合、工程ガスが干渉を受けずに排気部170に向かって流れるので、工程ガスの流れを円滑に維持することができ、これにより、基板10の上に効果的に成長膜を形成することができる。
【0035】
また、前記仕切りプレートにより仕切られた前記積載空間の高さは、各積載空間ごとに異なるが、工程条件に応じて高さが異なってくる。このとき、各仕切りプレート間の間隔は、前記連結バーに形成された複数の係合溝により手軽に調節することができる。各前記積載空間の高さに応じて前記工程ガスの流れが異なり、各前記積載空間における前記工程ガスの供給条件に応じて各前記積載空間の高さを調節することもできる。例えば、噴射ノズル131の直径が異なる場合、噴射ノズル131の直径が大きくなると、前記工程ガスが噴射される噴射角が広くなるため、隣り合う積載空間に影響を与えないために噴射ノズル131の直径に応じて各前記積載空間の高さが調節可能である。このとき、各前記積載空間の高さは、噴射ノズル131の直径に比例してもよい。
【0036】
一方、前記工程ガスは、それぞれの前記積載空間(又は、処理位置など)に応じて原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合(又は、濃度)が異なる場合がある。原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合が異なると、前記工程ガスの流れにも差が出るため、原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合に応じて前記工程ガスの流れを調節するために仕切りプレート121により仕切られた前記積載空間の高さを調節することができる。これにより、前記複数の積載空間は、それぞれの高さが異なっていてもよい。
【0037】
反応チューブ120は、内部に基板ボート110が収容可能な収容空間が形成されてもよく、基板ボート110に積載された基板10の処理工程が行われてもよい。反応チューブ120は、筒状に形成されてもよく、上部は閉鎖された状態で下部が開放されてもよい。この場合、基板ボート110が反応チューブ120の収容空間に配設されるか、或いは、反応チューブ120の収容空間から外れるために上下に降昇するとき、反応チューブ120の開口部を介して基板ボート110が反応チューブ120の収容空間に引っ込まれたり引き出されたりする。なお、反応チューブ120の下部は、外部チューブ(図示せず)又はチャンバ180の内壁と連結されて支持されるように反応チューブ120の周縁から外側に突き出て外部チューブ(図示せず)又はチャンバ180に連結される突出部を備えていてもよい。
【0038】
また、反応チューブ120は、基板10の処理工程が行われる基板処理領域を提供してもよい。基板ボート110は、工程位置に切り換えるときに基板処理領域に配設され、基板処理領域はその体積を減らすことができる。この場合、工程ガスの使用量が極力抑えられるだけではなく、工程ガスを基板ボート110内に積載された基板10に集中させることができる。
【0039】
一方、反応チューブ120は、セラミックやクォーツ又はメタルにセラミックをコーティングした材質であってもよい。なお、反応チューブ120は、その側壁の周縁に噴射ノズル131及び排気部170に対応するように貫通孔が形成されてもよく、噴射ノズル131が前記貫通孔に挿通されてもよい。
【0040】
更に、反応チューブ120は、内部チューブ及び外部チューブにより構成されてもよい。内部チューブ及び外部チューブは筒状に形成されてもよく、上部が開放された下部チャンバ182の上側又は上部チャンバ181に配置されてもよく、外部チューブは上部チャンバ181と内部チューブとの間に配設されてもよい。前記内部チューブは、基板10の処理工程が行われるように基板ボート110が収容可能な内部空間を有してもよく、前記外部チューブは、基板10の処理工程が行われる前記内部チューブが収容可能な内部空間を有してもよい。また、前記内部チューブ及び前記外部チューブは、両方とも下部が開放されてもよい。このとき、前記外部チューブの内壁及び前記内部チューブの外壁は離れて前記外部チューブと前記内部チューブとの間に空間が形成されてもよい。しかしながら、前記外部チューブの構造及び形状はこれに何ら限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0041】
ガス供給部130は、噴射ノズル131を介して反応チューブ120の内部に工程ガスを供給してもよいが、基板10に原料ガス及びエッチングガスが含まれている工程ガスを提供してもよい。噴射ノズル131は、反応チューブ120の一方の側(又は、側面)に配設されてもよく、線形に形成された一つの噴射ノズルであってもよく、線形に配置された複数の噴射ノズルであってもよい。噴射ノズル131が線形に配置された複数の噴射ノズルである場合には、各基板10が積載された積載空間ごとに噴射ノズル131が形成されてもよい。
【0042】
また、線形に配置された複数の噴射ノズル131は、上下方向に配置されてもよく、ガス供給源(図示せず)から遠距離に配置されるほど直径を大きく形成してもよい。例えば、単一のガス供給ラインにより前記工程ガスが下部から上部に供給される場合、上側に配設された噴射ノズル131aの直径が下側に配設された噴射ノズル131bの直径よりも大きく形成されてもよい。
【0043】
より具体的に、ガス供給源に近い噴射ノズル131bの場合には、前記工程ガスが近い個所から供給されて前記工程ガスが流入され易い。これに対し、ガス供給源から遠距離に配置される噴射ノズル131aの場合には、前記工程ガスが遠距離から供給されて近い個所の噴射ノズル131bよりも前記工程ガスが供給され難い。これにより、単一のガス供給ラインにより前記工程ガスが供給されて複数の噴射ノズル131により分配される場合には、前記ガス供給源に近い下側の噴射ノズル131b及び前記ガス供給源から遠距離に配置される上側の噴射ノズル131aから噴射される前記工程ガスの量が異なってくるおそれがある。このため、前記ガス供給源に近い個所の噴射ノズル131bは、直径を小さくして前記工程ガスが噴射可能な量を減らし、前記ガス供給源から遠距離に配設された噴射ノズル131aは、直径を大きくして前記工程ガスが噴射可能な量を増やしてもよい。すなわち、前記ガス供給源に近い個所の噴射ノズル131b及び前記ガス供給部から遠距離に配置される噴射ノズル131aが均一な量の前記工程ガスを供給するように噴射ノズル131の直径を調節してもよい。これにより、各層の基板10に均一な量の前記工程ガスが供給されて工程の効率が向上する。
【0044】
更に、ガス供給部130は、前記工程ガスを加熱して提供してもよい。この場合、前記工程ガスの低い温度により噴射ノズル131の領域の温度が他の領域のそれよりも低くなるという問題を解消することができ、より細かく基板10の処理空間における工程条件を調節するためには、ヒータ部140を用いた反応チューブ120の加熱が必要である。
【0045】
本発明の一実施形態による基板処理装置100は、選択的エピタクシャル成長(SelectiveEpitaxial Growth;SEG)装備であってもよい。選択的エピタクシャル成長(SEG)装備は、原料ガスに少量のエッチングガスを混合して供給することにより、基板の上において蒸着反応とともにエッチング反応も伴われる。このような蒸着及びエッチング反応は、多結晶層及びエピタクシャル層に対して比較的に異なる反応速度にて同時に発生する。蒸着プロセスのうちの少なくとも一つの第2の層の上に既存の多結晶層又は非結晶層が蒸着される間に、エピタクシャル層は単結晶表面の上に形成されるが、蒸着される結晶層は、一般的なエピタクシャル層よりも高い速度にてエッチングされる。このため、エッチングガスの濃度を変化させることにより、ネット選択的なプロセスがエピタクシ材料の蒸着及び制限若しくは非制限の多結晶材料の蒸着をもたらす。例えば、選択的エピタクシャル成長(SEG)装備は、蒸着物がスペーサの上に残留しないつつも単結晶シリコン表面の上にシリコン含有材料のエピ層を形成してもよい。
【0046】
本発明の一実施形態による基板処理装置100は、基板10の上にエピタクシャル層を形成してもよい。一般に、基板処理設備においては、搬送工程、洗浄工程及びエピタクシャル工程が行われるが、エピタクシャル工程は洗浄工程に比べて長い時間を必要とするため、複数の基板処理装置100を用いて製造の歩留まり率を向上させてもよい。基板処理装置100は、エピタクシャル工程を行ってもよいが、エピタクシャル工程を行うときに全ての処理空間に工程ガスが供給されてもよい。前記工程ガスは、原料ガス(例えば、シリコンガス)、エッチングガス、ドーパントガス及びキャリアガスのうちの少なくとも一種を含んでいてもよく、基板10上の成長膜の膜厚を制御するために様々な割合にてガスが混合されて供給されてもよい。これらのガスは分子量が異なるため、割合に応じて工程ガスの流動が異なってくることがある。このため、エピタクシャル工程においては、工程ガスの流れ(又は、フロー)が基板10上の成長膜の膜厚及び組成を決定する重要な要因になる。
【0047】
エピタクシャル工程は、化学気相蒸着により行われてもよく、エピタクシ表面の上にエピタクシャル層を形成してもよい。例えば、基板10上のエピタクシ表面は、シリコンガス(例えば、SiCl
4、SiHCl
3、SiH
2Cl
2、SiH
3Cl、Si
2H
6又はSiH
4)及びキャリアガス(例えば、N
2又はH
2)を含む工程ガスに露出されてもよい。また、エピタクシャル層にドーパントを含むことが求められる場合、シリコンガスは、ドーパントガス(例えば、AsH
3、PH
3又はB
2H
6)を更に含んでいてもよい。
【0048】
また、ガス供給部130は、噴射ノズル131を介して複数枚の基板10に原料ガス及びエッチングガスを含む工程ガスを供給してもよい。前記工程ガスは、原料ガス(例えば、SiCl
4、SiHCl
3、SiH
2Cl
2、SiH
3Cl、Si
2H
6、SiH
4などのシリコンガス)及びエッチングガスを含んでいてもよい。原料ガス(又は、シリコンガス)としては、モノシラン(SiH
4)、ジクロロシラン(DichloroSilane;DCS、SiH
2Cl
2)などが使用可能であり、エッチングガスとしては、塩化水素(HCl)が使用可能である。前記工程ガスには、キャリアガスが更に含まれていてもよい。キャリアガスは、原料ガス又はエッチングガスの濃度を希釈させ、キャリアガスとしては、窒素(N
2)及び水素(H
2)のうちの少なくとも一種が使用可能である。このため、キャリアガスの供給量を制御して原料ガス又はエッチングガスの濃度を制御してもよく、原料ガス、エッチングガス及びキャリアガスは分子量が互いに異なるため混合され易い。しかしながら、工程ガスはこれに何ら限定されるものではなく、ドーパントガスなど様々なガスを更に含んでいてもよい。選択的エピタクシャル成長工程は、蒸着反応及びエッチング反応を伴う。エピタクシャル層がドーパントを含むことが求められる場合には、ドーパントガス(例えば、AsH
3、PH
3又はB
2H
6)が含まれていてもよい。一方、塩化水素(HCl)を含むエッチングガスは、エッチングだけではなく、洗浄にも使用可能である。
【0049】
一方、ガス供給部130は、各基板10の積載空間ごとに形成された複数の補助ノズル(図示せず)を更に備えていてもよい。複数の補助ノズル(図示せず)は、基板処理工程において補助的なガスを各基板10に供給してもよく、前記工程ガスとは異なるガスを供給してもよい。前記複数の補助ノズルは、ドーパントガス、キャリアガス、エッチングガスのうちの少なくとも一種を供給してもよい。ドーパントガスは原料ガス(例えば、シリコンガス)と混合されて基板10の上に成長膜を蒸着してもよく、キャリアガスは、原料ガス又はエッチングガスの濃度を希釈させてもよい。このため、基板10が処理されるそれぞれの前記積載空間内のドーパントガスの濃度を制御すると、成長膜(例えば、シリコン薄膜)のドーピング濃度をそれぞれ別々に制御することができる。また、それぞれの前記積載空間に供給されるキャリアガスの供給量を制御すると、原料ガス又はエッチングガスの濃度をそれぞれの前記積載空間ごとにそれぞれ別々に制御することができる。このため、複数の補助ノズルを用いて、且つ、ドーパントガス、キャリアガス、エッチングガスを選択的に用いて各前記積載空間別の基板処理工程を選択することができる。すなわち、複数の補助ノズルを用いてエッチングガスのみを供給する場合には、前記積載空間内のエッチングガスの混合率が高くなって基板10に対する選択的エピタクシャル成長が可能になるようにエッチング工程を行うことができる。更に、ドーパントガスのみを供給する場合には、前記積載空間内のドーパントガスの混合率が高くなり、原料ガス及びドーパントガスが混合されて基板10の上に成長膜を形成することができる。加えて、ガス供給源との距離差によりそれぞれの前記積載空間ごとに差が出る前記工程ガスを各前記積載空間において同じ成分及び分子量を有するように制御してもよい。
【0050】
選択的エピタクシャル成長について具体的に説明すると、エッチングガスのみを供給するか、或いは、エッチングガス及びキャリアガスのみを供給する場合、前記工程ガス及び複数の補助ノズルにより供給されたガスが混合されて前記積載空間内のエッチングガスの割合が増える。これにより、基板10の成長膜の形成が遅い部分においては成長膜が成長する前にエッチングガスにより除去され、基板10の成長膜の形成が速い部分においては成長膜がエッチングガスにより除去される前に蒸着されて成長膜が成長するおそれがある。このように、複数の補助ノズルを用いてエッチングガスの濃度を制御して選択的エピタクシャル工程を行うことができる。
【0051】
ここで、複数の補助ノズルを用いたガスの供給を中断すると、噴射ノズル131による工程ガスの供給により前記積載空間内の基板10の上に成長膜(例えば、シリコン薄膜)が形成されてもよい。また、それぞれの補助ノズルには、異なるガス供給ラインによりガスが供給されてもよい。これにより、それぞれの前記積載空間ごとにドーパントガス、キャリアガス、エッチングガスを選択的に供給することができる。更に、複数の補助ノズルは、基板ボート110の各積載空間ごとにガスを別途に供給するために高さが異なるように形成されてもよい。例えば、下側の積載空間と接する補助ノズルは高さが低く形成されてもよく、上側の積載空間と接する補助ノズルは高く形成されてもよい。一方、複数の補助ノズルは、反応チューブ120の周縁に沿って螺旋状に配置されてもよく、この場合、高さが最も低い補助ノズルから高さが最も高い補助ノズルまで順次に複数の補助ノズルが配置されてもよい。これにより、高さが異なる複数の補助ノズルが不規則的に配置されるとき、空間の効率が更に向上する。
【0052】
バッチ式の基板処理装置は、複数枚の基板を垂直に積載して工程を行うが、上昇した温度において複数枚の基板の処理工程が行われてもよい。この場合、全ての基板に均一な処理工程が行えるように垂直に積層された基板を均一に加熱することが必要であり、工程ガスが各基板の側方向から噴射されるため、基板の全面(又は、基板の全体面)における均一度を向上させる方法が求められる。従来の基板処理装置は、ヒータ部が反応チューブの外側から全体の領域を同じ加熱温度で加熱したため、上段部及び下段部の温度が周りとの温度差により中断部の温度よりも低くなって基板の間に均一な処理工程が行えなかった。なお、反応チューブの周縁が同じ加熱温度で加熱されるため、各基板においてガス分圧が相対的に高いつつも、工程ガス温度に影響される噴射ノズル領域と他の領域との間に基板処理の差が発生するという問題があった。
【0053】
ヒータ部140は、チャンバ180の内部に配設されてもよく、反応チューブ120の外側に反応チューブ120の周縁に沿って配設されて反応チューブ120の側面の周縁及び上部を取り囲むように配置されてもよい。ヒータ部140は、反応チューブ120に熱エネルギーを提供して反応チューブ120の内部空間を加熱する役割を果たしてもよい。ヒータ部140は、抵抗ヒータを備えていてもよく、反応チューブ120の内部空間の温度をエピタクシャル工程が行えるような温度に調節してもよい。
【0054】
例えば、温度が高過ぎると、蒸着物質が基板10に吸着され易く、温度が低過ぎると、工程ガスの反応が起こらないおそれがあるため、成長膜が基板10に成長しないおそれがある。このため、反応チューブ120の内部空間の温度をエピタクシャル工程が行えるような温度に調節することができる。また、温度に応じて成長速度が速くなるが、温度が高くなればなるほど蒸着物質の蒸着率が向上して成長速度が速くなる。これにより、基板10の処理温度を調節して成長膜の成長速度を調節してもよい。ここで、基板10の部分別(又は、領域別)に温度が異なってくると、基板10の部分ごとに成長膜の成長速度差が発生し、基板10に成長される成長膜の膜厚が不均一になる。なお、基板10の部分別に温度が異なってくると、他の基板10の処理工程においても基板10の処理のバラツキが発生するおそれがある。
【0055】
また、ヒータ部140は、反応チューブ120の周縁を分割して反応チューブ120をそれぞれ別々に加熱する複数の垂直加熱部141、142により構成されてもよい。ヒータ部140が複数の垂直加熱部141、142により構成されると、複数の垂直加熱部141、142を用いて反応チューブ120の周縁に沿って分割してそれぞれ別々に加熱することから、各基板の部分別に工程温度(又は、工程率)を調節することができ、その結果、基板10全面における工程均一度を向上させることができる。ここで、複数の垂直加熱部141、142は、垂直レベルに沿って均一な加熱が行われる。
【0056】
図2は、本発明の一実施形態による複数の垂直加熱部により構成されたヒータ部を示す図であり、
図2(a)は、複数の垂直加熱部により構成されたヒータ部を示す斜視図であり、
図2(b)は、複数の垂直加熱部により構成されたヒータ部を示す平面図及び側断面図である。
【0057】
図1及び
図2を参照すると、複数の垂直加熱部141、142は、噴射ノズル131に対応する個所に配設される第1の垂直加熱部141と、第1の垂直加熱部141から反応チューブ120の周縁に沿って延びて反応チューブ120の周縁のうちの少なくとも一部に配設される第2の垂直加熱部142と、を備えていてもよい。
【0058】
第1の垂直加熱部141は、反応チューブ120の周縁のうちの一部を構成してもよいが、噴射ノズル131の領域(又は、噴射ノズルに対応する位置)に配設されてもよい。噴射ノズル131の領域は、ガス分圧が他の領域よりも相対的に高いため、他の部分と同じ加熱温度で加熱すると、噴射ノズル131に近い部分の基板10の処理が他の部分よりも盛んに行われてしまう。噴射ノズル131領域の加熱温度を他の領域よりも下げると、基板の全面(又は、基板の全体面)において均一な基板10の処理を行うことができる。また、噴射ノズル131の領域は、供給される前記工程ガスの温度により他の領域よりも温度が低くなったり高くなったりする。このとき、噴射ノズル131領域の温度に合わせて加熱温度を高めたり低めたりすることにより、反応チューブ120の内部温度を全体の領域において均一に制御することができ、基板10の全面における均一度を向上させることができる。
【0059】
第2の垂直加熱部142は、第1の垂直加熱部141から反応チューブ120の周縁に沿って延びて形成されてもよい、反応チューブ120の周縁のうちの一部を構成してもよく、第1の垂直加熱部141とは異なる個所に配設されてもよい。ここで、第2の垂直加熱部142は、第1の垂直加熱部141の一方の側から延びて第1の垂直加熱部141の他方の側につながることにより、閉曲線(例えば、筒状)を形成してもよく、第1の垂直加熱部141だけではなく、他の垂直加熱部(例えば、第3の垂直加熱部など)とともに閉曲線を形成してもよい。第2の垂直加熱部142は、第1の垂直加熱部141以外の他の領域を加熱してもよいが、噴射ノズル131領域を除く他の領域の温度を均一にできる。
【0060】
第1の垂直加熱部141の水平断面積は、第2の垂直加熱部142の水平断面積よりも小さくてもよい。第1の垂直加熱部141は、噴射ノズル131の領域にのみ配設されるため、その水平断面積が第2の垂直加熱部142の水平断面積よりも小さくてもよい。噴射ノズル131は、排気部170とともに層流を形成しなければならないため、狭い領域を占めてもよく、第2の垂直加熱部142が噴射ノズル131領域を除く残りの領域に配設されてもよい。これにより、第2の垂直加熱部142が主ヒータであり、反応チューブ120の内部の全般的な温度を制御してもよく、第1の垂直加熱部141が補助的に局部的な噴射ノズル131領域の温度を制御してもよい。ここで、層流は、水平方向を維持する平均化された均一な流れであり、バッチ式の基板処理装置は、工程ガスを基板10の側方向に供給するため、基板10の全面において均一な基板10の処理を施すためには、層流を用いなければならない。
【0061】
また、第1の垂直加熱部141の温度は、第2の垂直加熱部142の温度の90〜110%であってもよい。ヒータ部140は、第2の垂直加熱部142を主ヒータとして用いてもよく、第1の垂直加熱部141を局部的に温度を細かく調整(又は、チューニング)する補助ヒータとして用いてもよい。これにより、第2の垂直加熱部142を用いて反応チューブ120の内部空間の温度をエピタクシャル工程が行えるような温度に調節可能であり、第1の垂直加熱部141を用いて反応チューブ120の内部の温度が全体の領域において均一に且つ細かく調整可能である。ここで、第2の垂直加熱部142は、反応チューブ120の内部空間の温度を全般的に調節する主ヒータであるため、第2の垂直加熱部142の温度を基準(又は、100%)として第1の垂直加熱部141の温度を調節してもよい。
【0062】
第1の垂直加熱部141の温度は、第2の垂直加熱部142の温度の90〜110%に調節してもよい。第1の垂直加熱部141の温度及び第2の垂直加熱部142の温度が10%(又は、±10%)を超えて相違すると、第1の垂直加熱部141及び第2の垂直加熱部142間の加熱温度差に起因して反応チューブ120の加熱が均一に行われず、その結果、反応チューブ120に温度差が発生して反応チューブ120が損傷又は変形されるおそれがある。例えば、反応チューブ120がクォーツ製である場合、反応チューブ120が割れるおそれがある。
【0063】
一方、複数の垂直加熱部141、142は、それぞれ別々に制御される複数の水平加熱要素141a、142aが積層されて形成されてもよい。バッチ式の基板処理装置において垂直加熱部141又は142が反応チューブ120の垂直レベルを同じ加熱温度で加熱すると、上段部及び下段部の温度が周りとの温度差により中段部の温度よりも低くなり、基板10の間に均一な処理工程が行えなくなる。また、各基板10の処理空間ごとに工程条件を調節するためにも高さによる位置別に温度を制御する必要がある。このため、本発明においては、それぞれ別々に制御される複数の水平加熱要素141a、142aを積層して各垂直加熱部141又は142を形成することにより、周りとの温度差が発生する上段部及び下段部を他の部分とは異なる温度(例えば、より高い温度)に加熱して垂直レベルに沿って反応チューブ120に均一な加熱を行ってもよい。これにより、反応チューブ120の内部温度を全体の領域において均一にでき、高さによる位置別に各基板10の処理空間ごとに工程条件を調節することができる。
【0064】
制御部150は、ヒータ部140を制御してもよいが、ヒータ部140と連結されて複数の垂直加熱部141、142をそれぞれ別々に制御してもよい。これにより、制御部150により複数の垂直加熱部141、142がそれぞれ別々に制御されることにより、複数の垂直加熱部141、142が反応チューブ120の周縁を分割してそれぞれ別々に反応チューブ120を加熱することができる。
【0065】
図3は、本発明の一実施形態による複数の垂直加熱部及び制御部間の連結を説明するための概念図であり、
図3(a)は、複数の垂直加熱部及び制御部間の連結関係を示す図であり、
図3(b)は、複数の垂直加熱部及び制御部の配置位置を示す図である。
【0066】
図1及び
図3を参照すると、制御部150は、第1の垂直加熱部141と連結される第1の制御部151と、第2の垂直加熱部142と連結される第2の制御部152と、を備えていてもよく、第1の垂直加熱部141及び第2の垂直加熱部142をそれぞれ別々に制御してもよい。
【0067】
第1の制御部151は、第1の垂直加熱部141と連結されて第1の垂直加熱部141の加熱を制御してもよい。第1の垂直加熱部141が複数の水平加熱要素141a、141b、141c、141dにより構成される場合には、複数の水平加熱要素141a、141b、141c、141dとそれぞれ連結されて第1の垂直加熱部141を制御してもよい。
【0068】
また、第1の制御部151は、第1の垂直加熱部141の温度を測定する第1の測温部材154を備えていてもよい。第1の測温部材154は、第1の垂直加熱部141に連結されて第1の垂直加熱部141の温度を測定してもよい。第1の測温部材154は、スパイク熱電対であってもよい。この場合、第1の垂直加熱部141に接触されるか、或いは、第1の垂直加熱部141と反応チューブ120との間に配設されて第1の垂直加熱部141の周りの反応チューブ120の外部の温度(又は、大気温度)を測定してもよい。
【0069】
例えば、第1の測温部材154を用いて第1の垂直加熱部141と反応チューブ120との間の温度を測定して第1の垂直加熱部141の熱が反応チューブ120の内部に上手に伝わるかを判断してもよい。第1の垂直加熱部141の熱が反応チューブ120の内部(すなわち、噴射ノズルの領域)に上手に伝わらなければ(又は、第1の垂直加熱部と反応チューブとの間の温度が基準温度よりも低ければ)、第1の垂直加熱部141の加熱温度を上げてもよい。また、第1の垂直加熱部141の熱が反応チューブ120の内部に上手に伝わると(又は、第1の垂直加熱部と反応チューブとの間の温度が基準温度よりも高ければ)、第1の垂直加熱部141の加熱温度を下げてもよい。
【0070】
ここで、スパイク熱電対は、垂直加熱部141又は142に形成された孔を貫通して反応チューブ120(例えば、前記外部チューブ)から所定の間隔だけ離れるように取り付けられてもよく、高さによる反応チューブ120の外部の温度を確認(又は、感知)するために所定の高さの間隔を隔てて多数の孔を形成して前記孔に多数がそれぞれ取り付けられてもよい。前記スパイク熱電対は、熱電対素線を備えていてもよい。熱電対素線は、前記孔を貫通して反応チューブ120と隣り合うように嵌入されてもよく、種類が異なる金属線2本の両先端を接続して製作したものであるため、この両先端の接点に温度差が発生するとき、この閉回路に熱起電力が発生して回路に電流が流れる。前記熱起電力の大きさ及び極性は、両端の温度及び2本の金属線の組み合わせにより決定され、金属線の太さ又は長さに影響されない。このため、特定の熱電対の温度による熱起電力を予め読み取ることができるので、前記スパイク熱電対を用いて測温可能である。
【0071】
温度を測定するための熱接点の種類としては、先端露出型、接地型及び非接地型が挙げられる。先端露出型は、前記熱電対素線を露出させて熱接点を設けたタイプのものであり、応答速度が最も早く、僅かな温度の変化にも敏感である。接地型は、前記熱電対素線を接地して熱接点を設けたタイプのものであり、応答速度が早く、高温高圧下の測温に向いている。非接地型は、前記熱電対素線を絶縁して熱接点を設けたタイプのものであり、熱起電力の小変化が少さく、比較的に長時間使用可能であり、雑音、電圧にも影響を与えずに使用可能である。
【0072】
第2の制御部152は、第2の垂直加熱部142と連結されて第2の垂直加熱部142の加熱を制御してもよい。第2の垂直加熱部142が複数の水平加熱要素142a、142b、142c、142dにより構成される場合には、複数の水平加熱要素142a、142b、142c、142dとそれぞれ連結されて第2の垂直加熱部142を制御してもよい。
【0073】
また、第2の制御部152は、第2の垂直加熱部142の温度を測定する第2の測温部材155と、反応チューブ120の内部温度を測定する第3の測温部材156と、を備えていてもよい。第2の測温部材155は、第2の垂直加熱部142に連結されて第2の垂直加熱部142の温度を測定してもよい。第2の測温部材155は、スパイク熱電対であってもよい。この場合、第2の垂直加熱部142に接触されるか、或いは、第2の垂直加熱部142と反応チューブ120との間に配設されて第2の垂直加熱部142の周りの反応チューブ120の外部の温度(又は、大気温度)を測定してもよい。
【0074】
第3の測温部材156は、反応チューブ120の内部温度を測定してもよい。ここで、第3の測温部材156は、反応チューブ120の近くに配設されて反応チューブ120の内部温度を測定してもよく、第3の測温部材156の測定値は、基板10の温度を確認可能な基板10に近い周辺温度であってもよい。また、第3の測温部材156は、プロファイル熱電対であってもよい。この場合、噴射ノズル131領域以外の領域に配設されて真空状態である反応チューブ120(例えば、前記外部チューブ)の内部の温度を測定することにより、反応チューブ120の内部において行われる工程が正常的な温度条件下で行われるか否かを確認することができる。
【0075】
ここで、プロファイル熱電対は、反応チューブ120の内部チューブと反応チューブ120の外部チューブとの間に設けられてもよく、反応チューブ120の内部に配設されて反応チューブ120の内部において工程が行われる実際の温度を測定(又は、確認)してもよい。
【0076】
また、第1の制御部151は、第1の測温部材154の測定値を用いて第1の垂直加熱部141を制御してもよく、第2の制御部152は、第2の測温部材155の測定値及び第3の測温部材156の測定値を互いに演算して第2の垂直加熱部142を制御してもよい。
【0077】
第1の制御部151は、第1の測温部材154の測定値を入力される第1の入力部12及び第1の入力部12から入力された第1の測温部材154の測定値に基づいて第1の垂直加熱部141の加熱温度を制御する温度制御部13を備えていてもよい。第1の入力部12は、第1の測温部材154と連結されてもよく、第1の測温部材154の測定値を入力されてもよい。また、第1の入力部12は、第1の測温部材154から入力された測定値を温度制御部13に渡してもよい。
【0078】
温度制御部13は、第1の入力部12から入力された第1の測温部材154の測定値に基づいて第1の垂直加熱部141の加熱温度を制御してもよい。このとき、第1の測温部材154の測定値が工程が行われる正常的な温度条件よりも低ければ、第1の垂直加熱部141の加熱温度を上げてもよい。なお、第1の測温部材154の測定値が工程が行われる正常的な温度条件よりも高ければ、第1の垂直加熱部141の加熱温度を下げてもよい。
【0079】
一方、第1の制御部151は、第3の測温部材156のように、反応チューブ120の内部温度を測定する測温部材に連結されて測定値を入力されて出力する温度出力部11を更に備えていてもよい。ここで、温度出力部11の出力値は、単に参照のために用いられてもよく、第1の垂直加熱部141の制御のためのデータとしては用いられない。また、温度出力部11は、第3の測温部材156に連結されてもよく、第3の測温部材156と同じ種類である別途の測温部材(図示せず)に連結されてもよい。
【0080】
第2の制御部152は、第2の測温部材155の測定値を入力される第2の入力部22、第3の測温部材156の測定値を入力される第3の入力部21及び第2の入力部22から入力された第2の測温部材155の測定値及び第3の入力部21から入力された第3の測温部材156の測定値を互いに演算して第2の垂直加熱部142の加熱温度を制御する演算制御部23を備えていてもよい。第2の入力部22は、第2の測温部材155と連結されてもよく、第2の測温部材155の測定値を入力されてもよい。なお、第2の入力部22は、第2の測温部材155から入力された測定値を演算制御部23に渡してもよい。
第3の入力部21は、第3の測温部材156と連結されてもよく、第3の測温部材156の測定値を入力されてもよい。また、第3の入力部21は、第3の測温部材156から入力された測定値を演算制御部23に渡してもよい。
【0081】
演算制御部23は、第2の入力部22及び第3の入力部21からそれぞれ第2の測温部材155の測定値及び第3の測温部材156の測定値を受け取って第2の測温部材155の測定値及び第3の測温部材156の測定値を互いに演算してもよく、このような相互演算により第2の垂直加熱部142の加熱温度を制御してもよい。
【0082】
このため、第2の制御部152は、第2の入力部22、第3の入力部21及び演算制御部23を互いに連結してカスケード制御を行ってもよく、これにより、第2の測温部材155の測定値及び第3の測温部材156の測定値間の相互演算を用いて第2の測温部材155の測定値データ及び第3の測温部材156の測定値データを併合することができる。これにより、第2の垂直加熱部142が主ヒータとして性能を維持しながら反応チューブ120の内部の全般的な温度を制御するようにより効果的に第2の垂直加熱部142を制御することができる。ここで、前記相互演算は、第2の測温部材155の測定値及び第3の測温部材156の測定値が互いに作用した中間値又は平均値であってもよく、第2の測温部材155の測定値及び第3の測温部材156の測定値を加算して測定値の数(例えば、2)で割った値であってもよい。
【0083】
一方、第1の制御部151は、第1の垂直加熱部141の温度(又は、第1の測温部材の測定値)のみを用いて第1の垂直加熱部141の加熱温度を制御してもよい。第2の垂直加熱部142の温度(又は、第3の測温部材の値又は別途の測温部材の測定値)をも用いると、他の領域と温度差が出る局部的な領域を加熱する第1の垂直加熱部141を制御する上で、対流により安定化した反応チューブ120の内部温度が反映される。これにより、第2の垂直加熱部142の加熱効果が第1の垂直加熱部141の制御に反映され、局部的な領域の温度を変化させる第1の垂直加熱部141の制御に難点が生じる。すなわち、第1の垂直加熱部141及び第2の垂直加熱部142がそれぞれ別々に反応チューブ120を加熱するが、第1の垂直加熱部141及び第2の垂直加熱部142が同様に制御されて局部的な領域の温度とは無関係にほぼ同じ温度に加熱する。
【0084】
このように、本発明においては、第1の垂直加熱部141を制御する第1の制御部151及び第2の垂直加熱部142を制御する第2の制御部152の制御方法が異なっていてもよい。これにより、局部的な領域の温度差を第1の垂直加熱部141及び第2の垂直加熱部142の効果的な制御により解消することができて、局部的な領域の温度差による板10処理のバラツキを防ぐことができ、基板10の全面における工程均一度を向上させることができる。
【0085】
本発明による基板処理装置100は、基板ボート110を回転させる回転駆動部160を更に備えていてもよい。回転駆動部160は、基板ボート110を回転させるように基板ボート110の下部に配設されてもよいが、基板ボート110の上下方向の中心軸を基準として基板ボート110を回転させてもよい。これにより、基板ボート110に積載された基板10も回転可能になる。基板10の処理工程が行われるとき、反応チューブ120の一方の側に供給された前記工程ガスが基板ボート110に積載された基板10を通過して反応チューブ120の他方の側に排出される。ここで、回転駆動部160の作動により基板ボート110が回転すると、基板ボート110を通過しようとするガスが混合可能であり、基板ボート110の回転による基板10の回転により基板10における噴射ノズル131に近い部分が変わることがあるため、基板10上の全体の領域に均一に前記工程ガスが分布される。
【0086】
また、反応チューブ120の内部温度が対流により全体の領域において安定化可能である。これにより、基板10の全面(又は、全体面)において均一な温度で処理工程が行われる。
【0087】
このため、基板10上の全体の領域に均一に前記工程ガスが分布され、基板10の全面において均一な温度で処理工程が行われて基板10の全面における工程均一度が向上し、基板10の上に蒸着される成長膜の品質が向上する。
【0088】
本発明による基板処理装置100は、噴射ノズル131と対称になるように反応チューブ120の他方の側に配設されて反応チューブ120の残留ガスを排気する排気部170を更に備えていてもよい。排気部170は、反応チューブ120に配設された吸入口171を介して反応チューブ120の残留ガスを排気してもよいが、反応チューブ120内の工程残留物を排気してもよく、反応チューブ120内に真空を形成してもよい。排気部170は、噴射ノズル131と対称的に反応チューブ120に配設されてもよいが、吸入口171が複数の噴射ノズル131に対応するように配設されてもよい。このとき、吸入口171が噴射ノズル131に対称的に配置されてもよく、吸入口171の数又は形状が噴射ノズル131の数又は形状に等しくてもよい。排気部170は、反応チューブ120内の工程残留物を排気してもよいが、前記工程残留物は未反応ガス及び反応副産物を含んでいてもよい。噴射ノズル131が複数である場合、吸入口171も複数であってもよい。複数の吸入口171が複数の噴射ノズル131と対称になるように配設されると、未反応ガス及び反応副産物を含む工程残留物を効果的に排気することができ、前記工程ガスの流れを効果的に制御することもできる。すなわち、互いに対称なガス供給部130の噴射ノズル131及び排気部170の吸入口171により層流を形成してもよい。また、水平方向を維持する平均化した均一な流れを形成する層流により基板10の全面(全体面)に均一な工程ガスを提供することができ、基板10の全面において均一な基板10処理を施すことができる。
【0089】
また、排気速度(又は、排気強度)を調節して基板10の上に成長される成長膜の成長率を制御してもよい。複数の吸入口171である場合、複数の噴射ノズル131と同様に高さが異なるように配置されてもよく、効果的な吸入のために吸入口171がスロット状の断面を有してもよい。
【0090】
一方、反応チューブ129は、前記ガス供給ライン及び排気ラインを安定的に支持するように反応チューブ120の周縁に配設されて前記ガス供給ライン及び排気ラインを支持する環状の支持部材(図示せず)を備えていてもよい。しかしながら、反応チューブ120の構造及び形状はこれに何ら限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0091】
図4は、本発明の変形例による複数の垂直加熱部を示す平面図である。
【0092】
図4を参照すると、複数の垂直加熱部141、142、143は、排気部170に対応する個所に第1の垂直加熱部141と対称になるように配設される第3の垂直加熱部143を更に備えていてもよい。第3の垂直加熱部143は、反応チューブ120の周縁のうち排気部170の領域に配設されてもよい。このとき、第3の垂直加熱部143は、第1の垂直加熱部141と対称になってもよく、第3の制御部153に連結されて第3の制御部153により制御されてもよい。排気部170の領域は、噴射ノズル131の領域と同様に、他の領域とはガス分圧差が出る場合がある。排気部170の吸入力が低い場合には、排気部170の領域のガス分圧が他の領域のガス分圧よりも低いため第3の垂直加熱部143の加熱温度を上げてもよい。また、排気部170の吸入力が高い場合には、排気部170の領域のガス分圧が他の領域のガス分圧よりも高いため第3の垂直加熱部143の加熱温度を下げてもよい。
【0093】
また、第3の垂直加熱部143は、排気部170が噴射ノズル131と対称になるように配設されるため、第1の垂直加熱部141と対称になるように配設されてもよい。このとき、噴射ノズル131及び排気部170の吸入口171が同じ形状及び数を有するので、第1の垂直加熱部141及び第3の垂直加熱部143の形状が同じであってもよい。
一方、反応チューブ120の周縁のうち第1の垂直加熱部141及び第3の垂直加熱部143を除く残りの部分が第2の垂直加熱部142であってもよい。このとき、第2の垂直加熱部142が2以上に分離されて互いに対称になってもよく、分離された部分は第2の制御部152により一緒に(又は、同様に)制御されてもよい。
【0094】
このように、本発明の基板処理装置100は、排気部170領域の局部的な温度も制御することができて、基板10の全面における工程均一度をなお一層向上させることができる。
【0095】
本発明の基板処理装置100は、反応チューブ120が収容されるチャンバ180を更に備えていてもよい。チャンバ180は、四角筒状又は筒状に形成されてもよく、内部空間を有してもよい。また、チャンバ180は、上部チャンバ181及び下部チャンバ182を備えていてもよく、上部チャンバ181及び下部チャンバ182は、互いに連通されてもよい。下部チャンバ182の一方の側には、搬送チャンバ200と連通される搬入口183が配設されてもよいが、これにより、基板10が搬送チャンバ200からチャンバ180に搬入可能である。チャンバ180の搬入口183と対応する搬送チャンバ200の一方の側には、流入口210が形成されてもよく、流入口210と搬入口183との間には、ゲート弁220が配設されてもよい。このため、搬送チャンバ200の内部空間及びチャンバ180の内部空間は、ゲート弁220により離れてもよい。なお、流入口210及び搬入口183は、ゲート弁220により開閉可能である。このとき、搬入口183は、下部チャンバ182に配設されてもよい。
【0096】
本発明の基板処理装置100は、基板ボート110を降昇させる降昇駆動部191を更に備えていてもよい。降昇駆動部191は、下部チャンバ182の下部に配設されてもよく、上下方向に延設されたシャフトにより基板ボート110の下部と連結されて基板ボート110を上下に降昇させてもよい。前記シャフトは、基板ボート110を支持する役割を果たしてもよい。例えば、降昇駆動部191の作動により基板ボート110が下側に移動して下部チャンバ182の内部(又は、積載位置)に位置してもよく、搬送チャンバ200から下部チャンバ182に搬入された基板10が下部チャンバ182の内部に配設される基板ボート110に積載されてもよい。次いで、複数枚の基板10が基板ボート110に全て積載されると、基板ボート110が降昇駆動部191により上側に移動して上部チャンバ181(又は、工程位置)に移動してもよい。これにより、反応チューブ120の収容空間において基板10に対するエピタクシャル工程が行われる。
【0097】
本発明の基板処理装置100は、基板ボート110の下部に配設されて基板ボート110の上昇により上部チャンバ181と下部チャンバ182との間を遮断して上部チャンバ181を下部チャンバ182と引き離すカバープレート192を更に備えていてもよい。カバープレート192は、円板状に形成されてもよく、基板ボート110の直径よりも大きい直径を有してもよい。カバープレート192は、基板ボート110の下部に配設されてもよく、基板ボート110の上昇により上部チャンバ181を密閉する役割を果たしてもよい。すなわち、基板10の処理工程に際して反応チューブ120又は外部チューブ(図示せず)の開放された下部を閉鎖してもよい。また、カバープレート192と外部チューブ(図示せず)との間又はカバープレート192と反応チューブ120との間には、Oリング状の封止部材192aが配設されてもよい。これにより、基板10の処理工程に際して反応チューブ120の内部が下部チャンバ182から離れてもよく、上部チャンバ181内の工程ガスが下部チャンバ182に流入したり、下部チャンバ182内の異物が上部チャンバ181内に流入したりすることを防ぐことができる。しかしながら、カバープレート192の構造及び形状はこれに何ら限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0098】
以上、バッチ式の基板処理装置について主として説明したが、枚葉式の基板処理装置も工程ガスを基板10の側方向に供給する基板処理装置の場合には同様に適用可能である。
【0099】
このように、本発明においては、ヒータ部が複数の垂直加熱部により構成され、複数の垂直加熱部により反応チューブの周縁を分割してそれぞれ別々に加熱することにより、基板の全面における工程均一度を向上させることができる。また、本発明においては、ガス分圧が相対的に高く、工程ガス温度に影響される噴射ノズル領域を他の領域とは別途に制御することにより、噴射ノズルに近い部分の基板処理が他の部分よりも盛んに行われてしまうという問題を解消することができ、基板の全面における工程均一度を向上させることができる。また、本発明においては、回転駆動部を用いて基板を回転させることにより、工程ガスを基板の全面に均一に分布させることができ、基板の全面における工程均一度をなお一層向上させることができる。更に、噴射ノズル領域に配設される第1の垂直加熱部は、第1の垂直加熱部の温度のみを測定して制御し、その他の領域に配設される第2の垂直加熱部は、第2の垂直加熱部の温度及び反応チューブの内部温度を互いに演算して制御することにより、基板の領域別に工程率又は温度を効果的に制御することができ、基板の全面における工程均一度をなお一層向上させることができる。
【0100】
以上、本発明の好適な実施形態について図示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形及び均等な他の実施形態が実施可能であるということが理解できる筈である。よって、本発明の技術的な保護範囲は、下記の特許請求の範囲により定められるべきである。