(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294966
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】視覚化装置とハンドルとを装着可能な内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20180305BHJP
A61B 1/018 20060101ALI20180305BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
A61B1/00 714
A61B1/018 512
G02B23/24 A
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-536297(P2016-536297)
(86)(22)【出願日】2014年8月12日
(65)【公表番号】特表2016-532504(P2016-532504A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】US2014050651
(87)【国際公開番号】WO2015026557
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2016年2月19日
(31)【優先権主張番号】61/867,853
(32)【優先日】2013年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディロン,トラビス
(72)【発明者】
【氏名】ケネディー,ケネス・シィ,ザ・セカンド
【審査官】
田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−530051(JP,A)
【文献】
特表2012−525219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G02B 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端視覚化要素を含む、細長い操作可能なシャフト;および
前記シャフトの遠位領域を操作するための少なくとも1つの制御面を含む、ハンドル本体;
を含む医療用内視鏡であって、前記シャフトの近位領域は前記ハンドル本体の一部分から概して遠位に延び、
前記ハンドル本体は、前記シャフトの長さ部分が通過できる通路を含み;
前記ハンドル本体は、前記ハンドル本体の遠位端を第2の内視鏡のチャンネルにしっかりと、堅く、および取り外し可能に装着するように構成された遠位の第1の接続構造を含み、前記通路を前記チャンネルに軸方向に整列させて、前記シャフトに連通路をもたらすようにし、
前記ハンドル本体の近位の主要な長さ部分が、前記通路に対しておよび前記第1の接続構造に対して軸方向にオフセットしており、前記通路は、前記ハンドル本体の短い部分にのみ延在し、前記ハンドル本体の主要な長さ部分よりも短く延在する、医療用内視鏡。
【請求項2】
前記シャフトは、ループ状に構成され、かつ、前記通路を通って延在する、請求項1に記載の医療用内視鏡。
【請求項3】
前記遠位の第1の接続構造が、レバー付きクリップ係合構成を含む、請求項1に記載の医療用内視鏡。
【請求項4】
前記遠位の第1の接続構造が、第2の内視鏡の前記チャンネルとは別の要素に係合するように構成された第2の接続構造をさらに含む、請求項3に記載の医療用内視鏡。
【請求項5】
前記遠位の第1の接続構造が、回転係合されたクランプ、レバー係合されたクランプ、およびこれらの任意の組み合わせから選択された接続手段を含む、請求項1に記載の医療用内視鏡。
【請求項6】
前記遠位の第1の接続構造が、第2の内視鏡の本体構造におよび/またはその周りに適合して係合するように構成された接続手段をさらに含む、請求項5に記載の医療用内視鏡。
【請求項7】
前記第1の接続構造が、第2の内視鏡の本体構造に適合して係合するように構成された接続手段含む、請求項1に記載の医療用内視鏡。
【請求項8】
請求項1に記載の医療用内視鏡を備えたデュアル医療用内視鏡システムであって、
前記第2の内視鏡は付属チャンネルを含み、近位装着ポートによってそこにアクセスでき;
前記医療用内視鏡のハンドル本体は、前記近位装着ポートにしっかりと、堅く、および取り外し可能に取り付けられる、デュアル医療用内視鏡システム。
【請求項9】
前記近位装着ポートが、環状リップを備える拡張チューブ状要素を含み、および前記ハンドル本体が、前記環状リップを受け入れ式に係合する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ハンドル本体が、前記環状リップに隣接する前記第2の内視鏡の近位装着ポートに固定されたクランプ構造によって、さらに取り付けられる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ハンドル本体が、前記付属チャンネルのベース部分に固定されたクランプ構造によって、さらに取り付けられる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハンドル本体が、前記第2の内視鏡の近位端部分に固定されたクランプ構造によって、しっかりと、堅く、および取り外し可能に取り付けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
遠位端視覚化要素を含む細長い操作可能なシャフト、および前記シャフトの遠位領域を操作するための少なくとも1つの制御面
をさらに含み;
前記ハンドル本体は、前記シャフトの長さ部分が通過できる通路を含み;および
前記第2の内視鏡の前記チャンネルは、前記医療用内視鏡の前記通路と全体的に軸方向に整列されて、前記チャンネルへのおよびそこを通る連通路を前記シャフトにもたらす、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記シャフトが、前記通路を通って、および前記チャンネルの少なくとも一部分を通って延在する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
遠位端視覚化要素を含む、細長い操作可能なシャフト;および
前記シャフトの遠位領域を操作するための少なくとも1つの制御面を含む、ハンドル本体を含む医療用内視鏡であって;
前記ハンドル本体は、前記シャフトの長さ部分が通過できる構造を含み;および
前記ハンドル本体は、前記ハンドル本体を第2の内視鏡のチャンネルにしっかりと、堅く、および取り外し可能に装着するように構成された接続構造を含み、通路を前記チャンネルに軸方向に整列させて、前記シャフトに連通路をもたらすようにしており、
ハンドル本体の主要な長さ部分の長手方向の軸が、前記チャンネルおよび前記接続構造
の共通の長手方向の軸に対して径方向にオフセットし、かつ前記共通の長手方向の軸と概して平行である、医療用内視鏡。
【請求項16】
前記シャフトの長さ部分が通過できる前記構造が、前記ハンドル本体をしっかりと、および取り外し可能に装着するように構成された前記接続構造と同じであるか、または連続的である、請求項15に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月20日出願の米国仮特許出願第61/867,853号明細書の優先権を主張する非仮特許出願であり、その全体を参照することにより本書に援用する。
【0002】
本明細書で開示する実施形態は、概して、医療用内視鏡検査装置に関する。より詳細には、実施形態は、遠位視覚化要素を含む操縦可能なカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
胆道鏡検査法は、胆管の直視による診断的評価および胆管における治療的介入の双方を行うために使用される低侵襲の内視鏡的方法である。経口胆道鏡検査法は、内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(ERCP)単独(処置は一緒に行われ得るが)の限界のいくつかを打破する。膵管鏡検査(Pancreatoscopy)は、膵管の直視評価法である。
【0004】
胆道鏡検査法は、1950代から限定的に利用されてきたが、最近になって、一部分において内視鏡技術、スコープ(scope)設計/材料、および機能性の進歩に起因して、より実際的に実行可能になってきている。しかしながら、胆道鏡(および関連の小さな内視鏡、これら内視鏡は、標準的な胃内視鏡(gastric endoscope)、十二指腸内視鏡などのワーキングチャンネル内を通して、ならびに人間の患者の胆管内でも動かされるような寸法にされており、より大きなスコープである「マザースコープ」に対して、「ミニスコープ(miniscope)」または「ベビースコープ(baby scope)」と呼ばれる)には、いくつかの限界がある。例えば、いくつかのモデルでは、二人の内視鏡医を必要とする(例えば、
図1A参照。ここでは、第1の内視鏡医102が「マザースコープ」110を動かし、および第2の内視鏡医104が「ベビースコープ」140を動かしている)。これは、処置のコストを大幅に増大させ、および狭い手術室での後方支援(logistics)を困難にする。
【0005】
図1Bに示すように、他のミニスコープモデルは、一人の内視鏡医によって使用されるように設計されているものの、ミニスコープ140を操縦/操作するおよび動かすための制御面142は、大きな内視鏡110用の制御面112からかなりの距離でオフセットされて配置され得る。ミニスコープ140は、この大きな内視鏡を通して配置される。当業者は、これは使用者/内視鏡医にとって使いにくいものとなり得ることを認識している。なぜなら、ミニスコープ制御部142の位置が2スコープシステムの安定性の機械的中心からかなりの距離離れており、それは、この安定性の中心が内視鏡医の左手によって必然的に作り出されるためである。
【0006】
結果として、このタイプのミニスコープでは、ミニスコープ制御部(およびポート構造物)の操作に起因した、システムに加えられる力によって、内視鏡医の左手における安定性の中心の周りで著しいねじりモーメントが生じる。これは、これらの力が作用するための長いモーメントアームに起因する。これらのねじりモーメントは、必ずや、内視鏡医の左手による抵抗を受け、および制御を難しくし、そのうえ操作者に疲労感を生じ得る。さらに、マザースコープの付属チャンネル114の下側にそのようなミニスコープ140を装着するために使用されるストラップ装着構造143によって、2つの内視鏡の制御面間に間隙141a、ならびに2つの内視鏡の本体間に網状模様の間隙領域141bを明らかに残してしまい、それにより(一部分には、取付領域の長さと比較した相対的な本体長に起因して)、不安定な結合を生じてしまうことがあり、−典型的な操作の力の下で−このタイプのミニスコープは、大きな「マザースコープ」(例えば、十二指腸内視鏡)の主軸の周りで揺動、シフト、滑落、または回動する恐れがある。これらの動きは、内視鏡医に、さらなる操作困難、ストレス、および疲労感を与え、これは悪影響を与え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
胆道鏡検査法は効果的な診断および治療ツールであることが知られており、および既存の技術におけるニーズに対処するミニスコープを提供する一方で、診断効果、治療効果、および費用効果が高い技術を提供する必要性がある。胆道鏡検査法において使用するため、または効率的な動作を簡単にするために制御面が設けられかつ配置された2つのスコープを一緒にしっかりと堅く装着する他のデュアル内視鏡での処置において使用するために構成されたミニスコープを提供することが望ましいとし得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本明細書で開示する実施形態は、大きなスコープに取り付けられかつ部分的にそれを通って延在する小さなスコープを含むデュアル医療用内視鏡システムを、医学的観察、診断、および/または治療法のためのその組立、分解、および使用方法と共に、含み得る。
【0009】
一態様では、本明細書で開示する医療用内視鏡の実施形態は、遠位端視覚化要素を含む、細長い操作可能なシャフト;およびシャフトの遠位領域を操作するための少なくとも1つの制御面を含む、ハンドル本体を含んでもよく;ハンドル本体は、シャフトの長さ部分が通過できる通路を含み;およびハンドル本体は、ハンドルを第2の内視鏡のチャンネルにしっかりと、および取り外し可能に装着するように構成された接続構造を含み、通路をチャンネルに軸方向に整列させて、シャフトに連通路をもたらすようにする。
【0010】
いくつかの態様では、実施形態は、第1の医療用内視鏡および第2の医療用内視鏡を備えるデュアル医療用内視鏡システムを含んでもよく、第1の医療用内視鏡は付属チャンネルを含み、そこへのアクセスを近位装着ポートがもたらし、および第2の医療用内視鏡は、近位装着ポートにしっかりとかつ取り外し可能に取り付けられるハンドル本体を含む。
【0011】
他の態様では、実施形態は、デュアル内視鏡処置の実施方法を含んでもよく、方法は、第1の大きな内視鏡および第2の小さな内視鏡を提供するステップであって;大きな内視鏡は付属チャンネルを含み、チャンネルへの直接的なアクセスを近位係合構造がもたらし、第2の内視鏡の遠位シャフトは、チャンネルを通過するようなサイズにされ、および第2の内視鏡は、第2の内視鏡のハンドルを第1の内視鏡の付属チャンネルの近位係合構造に直接、しっかりと、および取り外し可能に装着するように構成された接続構造を含むステップ;および第1の内視鏡の遠位シャフトを標的領域に方向付けるステップ;および第2の内視鏡の遠位シャフトを、第1の内視鏡のチャンネルを通るように方向付けるステップを含む。
【0012】
いくつかの実施形態は、別の態様において、遠位端視覚化要素を含む細長い操作可能なシャフト;およびシャフトの遠位領域を操作するための少なくとも1つの制御面を含むハンドル本体を備える医療用内視鏡に関してもよく;ハンドル本体は、シャフトの長さ部分が通過できる構造を含み;およびハンドル本体は、ハンドルを第2の内視鏡のチャンネルにしっかりと、および取り外し可能に装着するように構成された接続構造を含み、通路をチャンネルに軸方向に整列させて、シャフトに連通路をもたらすようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2A】大きな内視鏡および小さな内視鏡(ミニスコープ)の斜視図を示す。
【
図2B】大きな内視鏡および小さな内視鏡(ミニスコープ)の斜視図を示す。
【
図3】小さな内視鏡の実施形態が、シャフト通路に対してオフセットしたハンドル部分を含む、デュアル内視鏡アセンブリを示す。
【
図3A】小さな内視鏡の実施形態が、シャフト通路に対してオフセットしたハンドル部分を含む、デュアル内視鏡アセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同様の要素に全体的に同様の参照符号が付されている図面を参照して、様々な実施形態について以下説明する。実施形態の様々な要素の関係および機能は、以下の詳細な説明を参照することによって、より理解され得る。しかしながら、実施形態は、図面に示すものに限定されない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、場合によっては、例えば従来の製作および組み立てなど、本明細書で開示する実施形態の理解に必要ではない詳細に関する説明を省略し得ることを理解されたい。
【0015】
人体内、例えば胆管系(biliary tree)内を見るおよび/または診断および治療的処置を行うように構成された生体内(in−vivo)視覚化装置が、遠位視覚化モダリティ(例えば、相補型金属酸化物シリコン(CMOS:complementary metal oxide silicon)センサー)を備える、操縦可能なカテーテルシャフトを含み得る。装置は、大きな「マザースコープ」(例えば、十二指腸内視鏡)の付属チャンネルを通して動かすことが可能な、いわゆるミニスコープまたは「ベビースコープ」のような内視鏡として構成され得る。特に、装置は、マザースコープの付属チャンネルの近位装着ポートに直接、しっかりと、堅く、および取り外し可能に取り付けられるように構成され、装置の操縦可能なシャフトは、そのチャンネルを通して配置され得る。本明細書では、「堅く」は、「ベビースコープ」が「マザースコープ」に対して、接続が解除されない限り曲がったりまたはそうでなければ動いたりすることなく、実質的に固定された向きに留まる、実質的に堅固かつ曲がらない接続を指す(例えば、具体的には、2つの取り付けられたスコープの本体間の湾曲を可能にする公知の装置とは対照的に)。そのようなものとして、一態様では、本開示の実施形態は、デュアル内視鏡システムを含み得る。
【0016】
一態様では、ここで開示する実施形態は、診断および治療のために胆道鏡検査法および/または他の処置を実施するための、デュアル内視鏡システムに対する当該技術分野でのニーズに対処する。特に、ニーズは、副内視鏡が、主内視鏡の付属チャンネルの近位装着ポートに直接、しっかりと、堅く、および取り外し可能に取り付けられる状態で、主内視鏡の制御面および副内視鏡の制御面をごく接近して配置するシステムによって、対処される。取り付けによって、主内視鏡の付属チャンネルを通して副内視鏡の操作可能なシャフトを動作させる。
【0017】
本発明は、特許請求の範囲によって定義され、多くの異なる形態で供されてもよく、および本明細書に明記される実施形態に限定されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、および当業者に実施可能な開示を十分に伝達するように、提供される。本明細書および特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上他の意味をはっきりと指示する場合を除き、複数形を含む。
【0018】
本明細書では、用語「近位」および「遠位」は、一般的な用法の感覚で使用され、それらは、それぞれ、装置または関連物体のハンドル/医師側端部、および装置または関連物体のツール/患者側端部を指す。用語「ルアータイプ」は、当該技術分野でよく知られている、インターフェースする面の角度に基づいて緊密な接続を形成するために係合可能であるルアーテーパまたは同様の液密接続係合インターフェースを指す(および含む)ために使用され、および「ルアーロック」接続として公知の係合構造を含む。ルアータイプ接続、ネジ接続、バイオネット式接続、摩擦摺動クランプ、スナップ嵌め、押しネジ、および2つの全体的にチューブ状の構造を取り付けるための有用な他の接続インターフェースは当該技術分野でよく知られているため、本開示では、これらの変形例および組み合わせの全てを、それらそれぞれがここで開示する実施形態内で使用される可能性があっても(単独で、またはリストするか否かに関わらず、他の接続手段と組み合わせて)、繰り返すことはない。胆道鏡検査法は、特定の管内内視鏡技術である。本明細書で開示する構造および方法は、単独で実施されるかまたはERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影法)と組み合わせて実施されるかに関わらず、様々な診断および治療的な内視鏡検査処置において有用とし、および特に、胆道鏡検査法の最中に有用とし得る。デュアルスコープ処置(例えば、内視鏡的逆行性胆道膵管造影法、内視鏡的逆行性胆管造影法(endoscopic retrograde cholangiography)、胆道鏡検査法など)の体内の態様は、医療用内視鏡検査業界において非常によく特徴付けられており、本明細書でのそのような処置への言及は、内視鏡(本明細書で説明しかつ特許請求する)の、第2の内視鏡(本明細書で特許請求しない標準的な内視鏡、またはここで開示および特許請求する主題に組み込まれるシステムの一部とし得る)への体外の接続構造に、本開示が焦点を合わせていることを前提として、当業者によって十分に理解される。
【0019】
図2A〜2Bを参照して医療用内視鏡システムの一実施形態を説明し、これら図面は、それぞれ、大きな第1の内視鏡210および小さな第2の内視鏡(ミニスコープ)240の2つの斜視図を示す。ミニスコープ240のハンドル本体248は、第1の内視鏡210の付属ポート部分214に直接、しっかりとかつ取り外し可能に取り付けられる。
図4〜5は、異なる大きな内視鏡の例示的な付属ポート構造414および514を示す。当業者は、本開示(例えば、
図6〜9を含む)および従来技術を参照して、ミニスコープ240は、異なる付属ポート構成部に直接、しっかりと、堅く、および取り外し可能かつ調整可能に取り付けられることを認識する。これは、それらの構成が、大きな内視鏡の(例えば、医学的応用によるおよび/または製造者による)異なるタイプによって、変わり得るためである。用語「調整可能に」は、本文脈では、ミニスコープのハンドルの長軸および/または大きなスコープとのミニスコープの接続部の長軸(これは、多くの実施形態では、ミニスコープのシャフト本体によって規定され得る)の周りでのミニスコープの軸の回転に対するミニスコープの接続部の調整性を指す。
【0020】
第1の内視鏡210は、動作(例えば、シャフトの操作および視覚化要素の制御)用の近位/上端制御面212を備えるハンドル本体218を含む。図示の実施形態では、ミニスコープ240はまた、動作(例えば、シャフトの操作および視覚化要素の制御)用の制御面242を含む。いくつかの実施形態では、小さな内視鏡240の少なくとも1つの制御面は、第1の内視鏡210の少なくとも1つの制御面と実質的に同様に構成される。全ての制御面は、実質的に同様に、または全く同じにも構成されて、内視鏡医が同じ相対運動で、両スコープを簡単に動かして遠位シャフトおよび他の要素から同じ相対レスポンスを生成するようにすることができることが好ましいとし得る。両スコープの制御面212、242の近接性および同様の向きが、効率および動かしやすさを促進させる。
【0021】
ミニスコープ240は、好ましくは少なくとも二次元、および好ましくは少なくとも三次元で操作可能でありかつその遠位端にまたはその付近に視覚化要素、例えば、CMOSセンサーなどを含む細長いシャフト250を含む。制御面の特定の要素、シャフト操作/操縦手段、シャフトルーメン、および他の構造物は、他の内視鏡検査装置と同様に構成されても、または本明細書では説明しない特有の新規の構成を有してもよい。シャフト250は、ミニスコープハンドル本体248の下/遠位端から延在し、かつループ状になって戻って、ミニスコープハンドル通路249を経由して付属ポート(図示せず)を通過して、大きなスコープ210の付属チャンネル215に入る。ミニスコープシャフト250は、付属チャンネル215を通って第1の内視鏡シャフト230の遠位端から出るように延在するような寸法にされ、好ましくはそこを自由に摺動可能であり、使用者による長手方向の操作を所望の方法で可能にする(例えば、胆道鏡検査法のため)。
【0022】
図3に示す医療用内視鏡システムの別の実施形態では、ミニスコープ340はハンドル本体348を備え、このハンドル本体は、ハンドル本体348の長さ部分のうちの短い部分(minor length)(長さの約1/2未満)にのみ延在するハンドル通路349を提供し得る。この実施形態では、ハンドル本体348の一部分は、ハンドル通路349および接続構造に対して軸方向にオフセットしており、ハンドル通路が、ハンドル本体348の主要な長さ部分(majority length)よりも短く延在するようにする。別の実施形態では、通路は、ハンドル本体の外側の構造として構成されてもよく(例えば、クリップまたは他の案内構造)、ここでは、ハンドル本体は、付属ポート部分314のアパーチャ内へと直接またはこのアパーチャの周りに係合しない構造によって、大きなスコープ310に固定されている(例えば、オフセット本体ミニスコープハンドルを使用し得るようにするために、チューブ状のワーキングチャンネルアパーチャ814aとの直接的な係合を必要とせずに、しっかりとした取り付けをもたらすように適合され得る、
図8Aのラップ部859を参照;具体的には、そのような実施形態は、ラップ部859およびハンドル本体348を含み得、ハンドル本体348がラップ部859にのみおよびそれによって係合されて、ワーキングポートアパーチャの周りでの係合がない)。
【0023】
図3の実施形態には、大きな第1の内視鏡310および小さな第2の内視鏡(ミニスコープ)340が示されている。ミニスコープ340のハンドル本体348は、第1の内視鏡310の付属ポート部分314に直接、しっかりと、取り外し可能に、および調整可能に取り付けられる。第1の内視鏡310は、動作(例えば、シャフトの操作および視覚化要素の制御)用の制御面312を含む。図示の実施形態では、ミニスコープ340はまた、好ましくは第1の内視鏡310の少なくとも1つの制御面と実質的に同様に構成される、動作用の制御面342を含む。
【0024】
ミニスコープ340は、細長いカテーテルシャフト350を含み、このカテーテルシャフトは、好ましくは少なくとも二次元または(一層好ましくは)三次元で操作可能でありかつ−この実施形態および他の実施形態では−ハンドル本体348の近位領域にある1つ以上のポート351を通してアクセス可能な1つ以上の他のチャンネル/ルーメン(例えば、1つまたは複数のガイドワイヤ、治療および/または診断ツール、流体(例えば、X線造影剤、フラッシング流体)、および/または他の材料の通過用)を含み得る。ミニスコープ340はまた、その遠位端にまたはその付近に、例えば、CMOSセンサーなどの視覚化要素(図示せず)を含み得る。制御面の特定の要素、シャフト操作/操縦手段、シャフトルーメン、および他の構造物は、他の内視鏡検査装置と同様に構成されても、または本明細書では説明しない特有の新規の構成を有してもよい。シャフト350は、ミニスコープハンドル本体348の下/遠位端から延在し、かつループ状になって戻り、オフセットしたミニスコープハンドル通路349を経由して付属ポート314を通過し、大きなスコープ310の付属チャンネル315に入る。ミニスコープシャフト350は、付属チャンネル315を通って第1の内視鏡シャフト330の遠位端から出るように延在するような寸法にされ、および好ましくはそこを自由に摺動可能であり、使用者による長手方向の操作を所望の方法で可能にする。この実施形態では、ミニスコープシャフト350は、他の実施形態において存在し得るよりも、ハンドル本体と摩擦接触しない。これはまた、使用者が、ミニスコープシャフトを把持および操作するのに慣れ親しんだ位置/向きから、ミニスコープシャフト350を簡単に長手方向に操作できるようにする(例えば、
図1A〜1Bに示す先の装置と比べて)。
【0025】
図3Aの実施形態には、大きな第1の内視鏡310が小さな第2の内視鏡(ミニスコープ)340aを備えて示されている。ミニスコープ340aのハンドル本体348aは、第1の内視鏡310の付属ポート部分314に直接、しっかりと、取り外し可能に、および調整可能に取り付け可能である。図示の実施形態では、ミニスコープ340aはまた、好ましくは第1の内視鏡310の少なくとも1つの制御面と実質的に同様に構成される、動作用の制御面342aを含む。
【0026】
ミニスコープ340aは、好ましくは少なくとも二次元または(一層好ましくは)三次元で操作可能である細長いカテーテルシャフト350aを含む。シャフト350aは、先端を断ち切って示しているが、−この実施形態および他の実施形態では−ハンドル本体348aの近位領域にある1つ以上のポートを通してアクセス可能な1つ以上の他のチャンネル/ルーメン(例えば、1つまたは複数のガイドワイヤ、治療および/または診断ツール、流体(例えば、X線造影剤、フラッシング流体)、および/または他の材料の通過用)を含み得る。ミニスコープ340aはまた、その遠位端にまたはその付近に、例えば、CMOSセンサーなどの視覚化要素(図示せず)を含み得る。制御面の特定の要素、シャフト操作/操縦手段、シャフトルーメン、および他の構造物は、他の内視鏡検査装置と同様に構成されても、または本明細書では説明しない特有の新規の構成を有してもよい。シャフト350aは、ミニスコープハンドル本体348aの下/遠位端から延在し、かつループ状に戻って、オフセットしたミニスコープハンドル本体348aと並行して、付属ポート314を通過し、大きなスコープ310の付属チャンネル315に入る。用語「オフセット」は、クリップが周りで係合されるときの、大きなスコープの付属ポート314の長軸に対するミニスコープハンドル本体348の長軸の整列状態を指す。
【0027】
ミニスコープシャフト350aは、付属チャンネル315を通って第1の内視鏡シャフトの遠位端から出るように延在するような寸法にされ、および好ましくは、そこを通って自由に摺動可能であり、使用者による長手方向の操作を所望の方法で可能にする。この実施形態では、ミニスコープシャフト350aは、他の実施形態において存在し得るよりも、ハンドル本体と摩擦接触しない。これはまた、使用者が、ミニスコープシャフトを把持および操作するのに慣れ親しんだ位置/向きから、ミニスコープシャフト350aを簡単に長手方向に操作できるようにする(例えば、
図1A〜1Bに示す先の装置と比べて)。
【0028】
大きな内視鏡の付属ポート314は、その下/遠位ハンドル部分の一側面から延在する。この付属ポートは、環状リップ314bが突出しているシリンダー状のチューブ状金属本体314aを含む。ポートのベース314cは、チューブ状ポート本体314aの中心長軸に対してほぼ垂直な平面314dを含む。この実施形態では、ミニスコープハンドル348aの接続クリップアセンブリ359は、環状リップ314bと平面314dとの間でチューブ状ポート本体314aの周りに係合するように構成され、ミニスコープの通路とポートおよび付属チャンネル315との位置合わせを行ってミニスコープシャフト350aを通過できるようにするように、ミニスコープハンドルを大きなスコープのハンドルに対して堅く、調整可能に、しっかりと、および取り外し可能に保持する。
【0029】
図4〜5に、より大きな(「マザー」)内視鏡の実施形態の付属ポート構造の2つの例を示す。当業者は、異なるタイプの内視鏡(例えば、十二指腸内視鏡、気管支鏡、結腸鏡など)は、スコープの製造業者および/または使用によって異なり得る、異なる付属チャンネルポート構成を有し得ることを認識する。本開示の異なる実施形態は、それらの付属ポート設計のいずれかと関連して構成されかつ本開示および特許請求の範囲内で実施されたミニスコープ、ハンドル、および接続構造を含み得る。
【0030】
図4は、十二指腸内視鏡410のハンドル418の一例を示す。付属ポート414は、下/遠位ハンドル部分の一側面から延在する。この付属ポートは、環状リップ414bが突出しているシリンダー状のチューブ状金属本体414aを含む。ポートのベース414cは、チューブ状ポート本体414aの中心長軸に対してほぼ垂直な平面414dを含む。このタイプのポート構造に関し、本開示のミニスコープの接続部分は、環状リップ414bと平面414dとに係合して、ミニスコープの通路をポートおよび付属チャンネルに整列させてミニスコープシャフトを通過できるようにするように、ミニスコープハンドルを堅く、しっかりと、および取り外し可能に大きなスコープハンドル418に保持する構造を含み得る。本明細書で開示する実施形態のそれぞれの一態様では、ミニスコープのハンドル部分は、チューブ状ポート本体414aの内径(および/または外径の周り)に係合し得る(
図6Cに示す大きなスコープのワーキングチャンネルの内径へのハンドル本体延長部648xの例として示すように、または別の方法で)。
【0031】
図5は、結腸鏡510のハンドル518の例を示す。付属ポート514は、下/遠位ハンドル部分の一側面から延在する。それらはそれぞれ、シリンダー状のチューブ状金属本体514aを含み、環状リップ514bが突出しており、かつ、チューブ状ポート本体514aの中心長軸に対してほぼ垂直な平面514dにおいて、露出したチューブ状金属本体がポートのベース514cと交わる個所付近で、環状リング514eが突出している。このタイプのポート構造に関し、本開示のミニスコープの接続部分は、平面514dと環状リップ514bおよび環状リング514eの一方または双方とに係合して、ミニスコープの通路をポートおよび付属チャンネルに整列させてミニスコープシャフトを通過できるように、ミニスコープハンドルを大きなスコープハンドル518に堅く、しっかりと、および取り外し可能に保持する構造を含み得る。いくつかの実施形態では、環状リップは、好ましくは、−本明細書で説明する他の接続のように−密封性を維持するように、ポートにアイテムを固定するためのルアータイプのコネクタ要素またはネジ式コネクタ要素として構成され得る(例えば、患者のガス注入を維持し、患者の体液が逃げない/漏れないようにするなど)。
【0032】
図6〜9は、ミニスコープシャフト通路を第2の内視鏡の付属チャンネルに軸方向に整列させて、付属チャンネルを通りミニスコープシャフトに向けた連通路を提供するように、第2の内視鏡の付属ポートチャンネルにミニスコープハンドルをしっかりと、および取り外し可能に装着するように構成されたミニスコープの接続構造の実施形態を示す。いくつかの実施形態は、レバー付きクリップ係合構造を含み、ここでは、クリップまたは他の要素を大きなスコープの付属チャンネル構造に係合/それから係合解除するミニスコープのレバー構造は、回動アーム、ロータリーカラー要素、またはそれらの任意の組み合わせとし得る。以下の構造の様々な構造物は、本開示の範囲内において実施形態間で置き換え可能としてもよいことを認識されたい。
【0033】
図6は、大きな内視鏡610にしっかりとおよび堅くであるが、取り外し可能および調整可能に取り付けられる、ミニスコープ640の一部としての第1の接続構造の実施形態660を示す。
図6A〜6Cは、第1の接続構造660の構造および機能を示し、これは、ミニスコープハンドル本体648に対して接続構造660の内寸法を調整するために回転して、異なるモデルの大きな内視鏡610に対応できる、ロータリーカラー662を含む。ロータリーカラーの傾斜/カム付きの内側に向く面664が、
図6Bの横断面図(
図6Cの線6Bに沿って取った断面)に示されている。内側に向くカラー面664が回転して、2つ以上の回動クリップアーム666によって調整される内径を変化させる(しっかりとした堅い接続をもたらすために、本明細書で説明するように、係合するために回動するおよび/またはレバー式に動かされる、3つ、4つ、またはそれよりも多いクリップアームがあってもよい)。カラー662は、クリップアームスリーブ670にしっかりと取り付けられ、および−同時に−2つの要素は、長手方向に摺動可能である(またはそうでなければ線形式かまたは回転式かに関わらず長手方向に可動である)。装置は、「マザースコープ」610の特定のモデル/サイズに対応する回転位置を示す、視覚的なまたは他の印を含み得る。
【0034】
次に、クリップアーム666は、付属ポート614のチューブ状金属本体614aの環状リップ614bに係合するために、しっかりと構成される。この実施形態で示すように(および他の実施形態の変形例に適用可能)、接続手段は、ミニスコープハンドル本体648の延長部648xを含んでもよく、この延長部は、チューブ状本体614aの内径に嵌るように係合して、大きなスコープ610とのミニスコープ640の係合に対してさらにしっかりとした支持をもたらすように構成され得る。接続構造660の一対の固定ロケーション脚部668が、付属ポート614のベース614cに揺るぎなく(firmly)かつしっかりと嵌る。クリップアーム666は、それぞれ
図6Cの左側および右側に示す通り、係合または係合解除され得る。
図6Cの左側は、クリップアームスリーブ670が下方に摺動された係合構成を示す(この位置は、その係合構成にある単一の実施形態の他の全てのクリップに対して反映されている)一方、
図6Cの右側は、クリップアームスリーブ670が上方に摺動された係合解除構成を示す(この位置は、その係合解除構成にある単一の実施形態の他の全てのクリップに対して反映されている)ことが認識される。
【0035】
上方/引っ込み/係合解除位置では、クリップスリーブ670、および特にクリップスリーブ/カラーアセンブリの内側に向く部分は、クリップアーム666を上方へ回動式に揺動して、その突出する下方リップ666aが、ポート614の環状リップ614bの下側から係合解除されるようにする。
図6Bおよび
図6Cを参照して当業者によって認識されるように、図示および説明した機構はまた、とし得る。
【0036】
図6Cに示すように、接続構造660がポート614に係合されるとき、ミニスコープハンドル通路649は大きなスコープ610の付属チャンネルに整列されかつ固定される。これにより、付属チャンネルを通したミニスコープカテーテルシャフト本体650の動作を可能にする。具体的には、
図6Aおよび
図6Cに示すように、クリップアームロッキングスリーブ670は、ミニスコープ通路646に対して長手方向に摺動可能であり、および1つまたは複数のカム付き面670aを含み、カム付き面は、クリップアーム666に回動式に係合し、それらを接触させて、それらクリップアームが環状リップ614bの下側で係合するようにするか、または環状リップから係合解除されるようにする。
図5に示すような付属ポートに関し、クリップアームは、環状リップ514bおよび環状リング514eの一方または双方に係合するような形状にされ得ることを認識されたい。
【0037】
図7は、しっかりとかつ堅くであるが、取り外し可能および調整可能に大きな内視鏡710に取り付けられるミニスコープ740の一部としての第2の接続構造の実施形態760を示す。
図7A〜7Cは、ミニスコープハンドル本体748から下方に延在する一対の回動クリップアーム766を含む接続構造760の第2の実施形態の構造および機能を示す。クリップアーム766は、付属ポート714のチューブ状金属本体714aの環状リップ714bにしっかりと係合するように、ピボット軸すなわち回動軸766xにわたってその周囲を回動するように付勢されている。そのようなものとして、それらは、支点を用いて、レバー式に動かされるとみられ得る。クリップアーム766は、それぞれ
図7Bおよび
図7Cの左側および右側に示す通り、係合または係合解除され得る。これら図は、−それぞれ−小直径および大直径の付属ポート714を示し、ここでは、実施形態が、バネ769または他の付勢手段によって付勢されて、それらポートのいずれかに揺るぎなく結合するようにしている。
図7Bおよび
図7Cの左側は、それぞれ、クリップアーム766が下方係合部分によって内側/下方へ回動された係合構成を示す(この位置は、その係合構成にある他の側面の適合クリップに対して反映されている)一方、それらの図の右側は、それぞれ、クリップアーム766が外側/上方へ回動された係合解除構成を示す(この位置は、その係合解除構成にある他の適合クリップに対して反映されている)ことが認識される。係合解除位置では、クリップアーム766は、外側/上方へ回動式に揺動して、その突出する下方リップ766aが、ポート714の環状リップ714bの下側から係合解除される。接続構造760の一対の長さ方向に調整可能なクランプ脚部768は、付属ポート714のベース714cの側面に揺るぎなくおよびしっかりと嵌る。これらの脚部768は、
図7に伸長させて、および
図7Aに引っ込めて示す。
【0038】
図7Cに示すように、接続構造760がポート714に係合されるとき、ミニスコープハンドル通路749は、大きなスコープ710の付属チャンネルに整列されかつ固定される。これにより、付属チャンネルを通したミニスコープカテーテルシャフト本体750の動作を可能にする。
図5に示すような付属ポートに関し、回動クリップアーム(例えば、766)は、環状リップ514bおよび環状リング514eの一方または双方に係合するような形状にされ得ることを認識されたい。ロッキングスリーブまたは延長部(図示せず)は、回動クリップアーム766の下部分の周りに係合するように設けられてもよく、付勢構造が、それらを閉鎖/係合位置に、さらにより揺るぎなくロックして保持するのを支援することも認識されたい。また、ミニスコープハンドル通路749と大きなスコープの付属チャンネル715との間にガスケット799または他の密封性向上構造が設けられ得る。
【0039】
図8は、しっかりとおよび堅くであるが、取り外し可能および調整可能に大きな内視鏡810に取り付けられるミニスコープ840の一部としての第3の接続構造の実施形態860を示す。
図8A〜8Dは、ロッキングロータリーカラー862を含む接続構造860の第3の実施形態の構造および機能を示す。
図8〜8Aに示すように、ロケーション/安定化ラップ部859が設けられ得る。
図8に示すように、ラップ部859は、その平面/ベース面814dの下側で大きなスコープ810の付属ポートベース814cに一致するように形成される(
図8Dにおいて明白に識別される)。この構造物は、使用者が、2つのスコープをより簡単に整列させおよび接続させることを支援し、ならびに、動作中の安定性をさらにもたらし得る。
【0040】
当業者は、
図8の平面的な外観図、
図8Aの斜視的な外観図、
図8B〜8Cの横断面図(
図8Aの線8B−8Bに沿って取った断面)、および
図8Dの縦断面図(
図8Aの線8D−8Dに沿って取った断面)を参照して、接続構造860の構造および機能を理解および認識する。ロータリーカラー862の内径の周りの円に複数のクリップ866が設けられる。クリップ866のそれぞれは、ロータリーカラー862の半径方向の中心の方へ付勢される。図示の実施形態では、クリップ866はそれぞれ、プラスチック本体および脚部を含み、これらは、それぞれ、係合および付勢構造を提供するが、当業者は、−本開示の教示によって−本発明の概念の範囲内で他のクリップの実施形態を構成および実施し得ることを認識する。
【0041】
下方に延在する刻み目のある中心環状リング862aが、クリップ866の上向き突起866aに接触する。具体的には、
図8Bおよび
図8Cに示すように、クレネル(crennels)862aがクリップ866に接触する。
図8Bに示す図は、
図8Dに示す係合構成に対応し、ここでは、クリップ866は、大きなスコープの付属ポート814のチューブ状本体814aに対して係合するように延在している。
図8Bおよび
図8Dに示すように、クリップ866は、ポートの環状リップ814b(
図8Bにおいて破線によってその外面形状を示す)の下側で、堅く、しっかりとした係合をもたらす。ガスケット899または他の密封性向上構造が、ミニスコープハンドル通路壁849とミニスコープ840および/または大きなスコープ810の1つ以上の構成要素との間に設けられ得る。
図8Cに示す図は、
図8Aのロック解除/係合解除された外観図に対応する。
図8Cでは、ロータリーカラー862は回転されているため、そのクレネル862aはクリップ866に接触し、それらを押圧し、かつそれらを大きなスコープの付属ポート814の環状リップ814bの下側から係合解除している。
【0042】
図8および
図8Aに示すように、ミニスコープハンドル本体848に対するロータリーカラー862のロック/係合されたおよび/またはロック解除/係合解除された位置を示すために、視覚的なまたは他の印823が設けられ得る。触覚および/または聴覚性の印(例えば、「クリック」音をもたらすおよび/またはしっかりとした係合の完了を示す感覚をもたらすように構成され、かつ不用意な回転/係合解除を防止するための摩擦ロック構造物も提供し得る、装置上および/または装置内の1つ以上の戻り止めまたは他の付形面)も含まれてもよいことを認識されたい。
【0043】
図9に示す別の実施形態では、ミニスコープ940は、押しネジ977を含む接続構造960によって大きなスコープ910に固定され得る。押しネジ977は、大きなスコープ910の付属ポート914に直接、または付属ポート914にネジ式、摩擦式、または他の方法で取り付けられた介在型コネクタ要素975に、固定され得る。押しネジまたは他の補助固定構造は、本明細書で説明する他の接続構造と共に使用されて、追加的なしっかりとした堅い取り付け手段をもたらし、大きなスコープ910へのミニスコープシャフト950の通過を可能にし得る。介在型および/またはミニスコープ統合型コネクタ要素は、例えば、McGrathへの米国特許第8,460,176号明細書(参照することにより本願明細書に援用する)に開示されるコネクタ装置のように、供され得る。
【0044】
当業者は、本明細書で明白に図示しない実施形態が、特許請求の範囲内に留まりながら、異なる実施形態に関して本明細書で説明する特徴が互いにおよび/または現在公知のまたは将来開発される技術と組み合わせられ得ることを含め、特許請求の範囲で実施されてもよいことを認識する。前記特許請求の範囲において明白に記載した場合を除いて、ここで開示および特許請求した実施形態は、単一の内視鏡およびその接続機構に関する一方、第2の内視鏡は、接続機構の構造および機能の環境/文脈によって参照される(いくつかの特許請求項において、具体的にデュアルスコープ構造を引用し、かつ他の特許請求項が、第1のスコープの接続機構に対する追加物として第2の内視鏡の構造を明白に特許請求する場合を除いて)。本明細書では特有の用語を用いるが、それら用語は、文脈、使用法、または他の明示的な指示によって具体的に定義されない限り、一般的および説明的にのみ使用され、および限定を目的とはしていない。それゆえ、上記の詳細な説明は、限定ではなく、説明であるとみなされるものとする。および、以下の特許請求の範囲は、全ての等価物を含め、本発明の趣旨および範囲を定義するものであることを理解されたい。さらに、上述の利点は、必ずしも、本発明の利点のみではなく、および必ずしも、全ての実施形態によって、説明した利点の全てが達成されることが期待されるわけではない。本出願からのいずれかの一貫性のない開示または定義が、いずれかの参照により援用した文書と矛盾する場合には、本明細書の開示または定義が優先するとみなされる。