特許第6295087号(P6295087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6295087面取り加工装置用スローアウェイチップセット及びこれを用いた面取り加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295087
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】面取り加工装置用スローアウェイチップセット及びこれを用いた面取り加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23C 5/20 20060101AFI20180305BHJP
   B23C 3/12 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   B23C5/20
   B23C3/12 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-6800(P2014-6800)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-134391(P2015-134391A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】390030719
【氏名又は名称】富士元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100070507
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 俊男
(72)【発明者】
【氏名】藤本 研一
【審査官】 青山 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−071513(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3051125(JP,U)
【文献】 特開2003−200310(JP,A)
【文献】 特開平02−250705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 1/00 − 9/00
B23D 79/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面取り加工装置のチップ保持部に対して着脱可能で、異なる切削半径若しくは異なる切削寸法を有する相互に取替可能な複数のスローアウェイチップからなる面取り加工装置用スローアウェイチップセットにおいて、
被加工物を前記スローアウェイチップへ案内する平面視二本のガイド仮想線が略直交し、その交点が当該取替可能な複数のスローアウェイチップにおける同一位置であり、
且つ、当該交点へ向けてガイドされる被加工物に対する面取り刃を備え、
平面視矩形の中央に取付穴を備え、
前記交点は、対向する各辺の中点相互を結ぶ直線上であって前記取付穴の近接位置であることを特徴とする面取り加工装置用スローアウェイチップセット。
【請求項2】
前記面取り刃の両側に連続して逃げ面(11、11c)を備えることを特徴とする請求項1記載の面取り加工装置用スローアウェイチップセット
【請求項3】
前記面取り刃は、R面取り刃であることを特徴とする請求項1又は2記載の面取り加工装置用スローアウェイチップセット。
【請求項4】
前記面取り刃は、C面取り刃であることを特徴とする請求項1又は2記載の面取り加工装置用スローアウェイチップセット。
【請求項5】
スローアウェイチップを取替可能な切削手段を有し、被加工物のガイド手段を備える面取り加工装置であって、スローアウェイチップと前記ガイド手段との距離を調節可能とする手段を有さず、且つ、前記請求項1、2、3又は4記載の面取り加工装置用スローアウェイチップセットにおけるスローアウェイチップを備えることを特徴とする面取り加工装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面取り加工装置に使用され、相互に交換可能な複数のスローアウェイチップからなる面取り加工装置用スローアウェイチップセットと、当該面取り加工装置用スローアウェイチップセットのスローアウェイチップを備える面取り加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被加工物の面取り加工を可能とする種々の切削加工装置が公知である。このような切削加工装置のうち、特に面取り加工に特化した構成を備えたものとして、金属材料又は、非金属材料を送る台の一方を固定軸に対して回転可能とし、他の一方を蝶螺子により着脱可能とするとともに蝶螺子により固定する台の下部に昇降可能で微調整を行なえる螺子で、かつ先端部の送り台と接触する部分を球状とし、螺子の回転ハンドルと螺子を固定するためのダブルナットを配し、回転可能な固定軸と着脱可能な蝶螺子とのほぼ中間部分のモータの主軸に直結した刃物の取り付け軸とを有し、刃物の取り付け軸は被加工物の送り台に対し前後方向にモータを移動させる調整機構とを設けたことを特徴とする面取り加工装置が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、金属等の切削用スローアウェイチップとして中央の取付穴の周囲四方に同じ大きさのR面取り刃を備えたものが周知である(例えば、特許文献2参照。)
【0004】
また、本出願人がした曲面(R面)取り加工装置に関する発明として、駆動モータを45度の傾斜状態でハウジング内に固定するとともに、該駆動モータの軸に、曲面切削チップを切削刃が水平となるように固定した曲面取りカッターを軸着して、後記被加工物支持テーブルの曲面取り加工空間に臨ませ、被加工物支持テーブルは、断面V字形の支持面を有しそのV字内頂部の長手方向中央部に、曲面取り加工空間を形成した構成であって、上下及び水平方向に調節移動自在としてハウジングに取付いていることを特徴とする曲面取り装置が公知である(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
また、同文献の第1図には、併せてR面取り用のスローアウェイチップを開示している。一のスローアウェイチップは切削半径の異なる刃を備えている。刃はいずれも、当該スローアウェイチップの側端面から凹面を形成するように切欠形成される。即ち、相対的に小さい切削半径のものであれば切欠は小さくなり、当該スローアウェイチップの側面の開口は小さくなる。相対的に大きな切削半径のものであれば切欠は大きくなり、当該スローアウェイチップの側面の開口は大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−234616号公報
【特許文献2】登録意匠第932559号公報
【特許文献3】実開平5−50519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示される面取り加工装置は、例えば、C面取りのもの、R面取り用のもの、さらには、異形状の面取り用の切削刃(スローアウェイチップ)を簡単に交換できるようにしている。
【0008】
当該面取り加工装置は、被加工物の送り台を一方の回転軸を中心として他の一方を蝶螺子でスローアウェイチップを着脱可能とするようにし、かつ、蝶螺子取り付け部のVブロックの固定台の下部に微調整可能なダブルナット方式の螺子を配し、この螺子の調整により面取り幅を変えるようにしている。
【0009】
また、このような面取り加工装置は、例えば特許文献2に開示されるようなスローアウェイチップについて、複数の異なるR寸法(切削半径寸法)のものを交換することで、異なる切削半径寸法の刃に交換することが通常である。
【0010】
そして、面取り用スローアウェイチップを交換する度に、その面取り幅を調節する必要がある。R面取り用のスローアウェイチップを使用する場合に至っては、異なるR寸法の当該スローアウェイチップを交換することもあり、切削半径寸法が異なるものに切り替える度にR面取り用のスローアウェイチップを交換することとなるが、その度にスローアウェイチップと被加工物との間隔を相対的に調節すべく螺子の調整作業が発生し、非常に面倒なものとなる。
【0011】
また、上記特許文献3に開示されるR面取り加工用の面取り加工装置においては、スローアウェイチップと被加工物との間隔を相対的に調節するために上下方向及び水平方向の2軸でその都度調節を行わなければならず、同様に面倒なものとなっている。
【0012】
以上のように、スローアウェイチップは、一のスローアウェイチップに異なる刃を設ける場合であっても、また、スローアウェイチップが同一の複数の刃を備えこれを異なる大きさの刃のものに交換する場合であっても、異なる大きさの刃は、当該スローアウェイチップの縁部側から必要に応じたR形状等が形成される。
そして、スローアウェイチップ自体の外形の大きさが同一であるにもかかわらず、異なる大きさの刃を備えたものに交換する度に、スローアウェイチップと被加工物との間隔を相対的に調節する必要を生じる欠点がある。
【0013】
一方、上記面取り用加工装置は、より低廉で且つ軽量であれば非常に望ましいと考えられる。
【0014】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、R面取りにおける異なるR寸法への変更や、C面、R面等の異なる形状への変更等を行う際に、スローアウェイチップと被加工物との相対的な間隔の調節を不要とすることができる優れた面取り加工装置用スローアウェイチップと当該スローアウェイチップを備えた面取り加工装置の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
【0015】
また本発明は、上記面取り加工装置の提供について、更により低廉で且つ軽量な面取り加工装置の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、面取り加工装置のチップ保持部に対して着脱可能で、異なる切削半径若しくは異なる切削寸法を有する相互に取替可能な複数のスローアウェイチップからなる面取り加工装置用スローアウェイチップセットにおいて、被加工物を前記スローアウェイチップへ案内する平面視二本のガイド仮想線が略直交し、その交点が当該取替可能な複数のスローアウェイチップにおける同一位置であり、且つ、当該交点へ向けてガイドされる被加工物に対する面取り刃を備え、平面視矩形の中央に取付穴を備え、前記交点は、対向する各辺の中点相互を結ぶ直線上であって前記取付穴の近接位置であることを特徴とする面取り加工装置用スローアウェイチップセットを、課題を解決するための手段とする。
【0017】
また、本発明は上記発明の構成を前提として、前記面取り刃の両側に連続して逃げ面(11、11c)を備えることを特徴とする面取り加工装置用スローアウェイチップセットを、課題を解決するための手段とする。
【0018】
また、本発明は上記いずれかの発明の構成を前提として、前記面取り刃は、R面取り刃であることを特徴とするスローアウェイチップセットを、課題を解決するための手段とする。
【0019】
また、本発明は前記発明の構成に代えて、前記面取り刃は、C面取り刃であることを特徴とするスローアウェイチップセットを、課題を解決するための手段とする。
【0020】
更に本発明は、スローアウェイチップを取替可能な切削手段を有し、被加工物のガイド手段を備える面取り加工装置であって、スローアウェイチップと前記ガイド手段との距離を調節可能とする手段を有さず、且つ、上記何れかのスローアウェイチップセットにおけるスローアウェイチップを備えることを特徴とする面取り加工装置を、課題を解決するための手段とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、面取り加工装置のチップ保持部に対して着脱可能で、異なる切削半径若しくは異なる切削寸法を有する相互に取替可能な複数のスローアウェイチップからなる面取り加工装置用スローアウェイチップセットにおいて、被加工物を前記スローアウェイチップへ案内する平面視二本のガイド仮想線が略直交し、その交点が当該取替可能な複数のスローアウェイチップにおける同一位置であり、且つ、当該交点へ向けてガイドされる被加工物に対する面取り刃を備え、平面視矩形の中央に取付穴を備え、前記交点は、対向する各辺の中点相互を結ぶ直線上であって前記取付穴の近接位置であることを特徴とする面取り加工装置用スローアウェイチップセットとしたことから、当該面取り加工装置用スローアウェイチップセットにおける異なる切削半径を有するスローアウェイチップを適宜代替させても、被加工物の位置決めが、当該スローアウェイチップの代替前と同一位置で可能となる。これによって、スローアウェイチップと被加工物との相対的な位置を変更することがなくなり、当該調節手段及び調節操作を不要とし、取扱いを容易とすることができる。
【0022】
また本発明によれば、スローアウェイチップとガイド手段との相対的な位置の調節手段を有する既存の面取り加工装置に対しても使用することができ、当該既存の面取り加工装置に使用することでその調節手段を使用する必要をなくすことができ、当該調節手段及び調節操作を不要とすることができる。
【0023】
本発明によれば、上記発明の構成を前提として、前記面取り刃の両側に連続して逃げ面(11、11c)を備えることとすることによって、上記発明の作用効果を奏する上に、面取り加工後における被加工物にバリ等の発生を生ずる可能性を大幅に低減させることができる。
【0024】
また本発明によれば、上記何れかの発明の構成を前提として、面取り刃をR面取り刃、若しくはC面取り刃とすることで、夫々の面取り刃の形状に応じた面取りを行う上で、上記本発明の作用効果を得ることができる。
【0025】
また本発明によれば、スローアウェイチップを取替可能な切削手段を有し、被加工物のガイド手段を備える面取り加工装置であって、スローアウェイチップと前記ガイド手段との距離を調節可能とする手段を有さず、且つ、前記いずれかの面取り加工装置用スローアウェイチップセットにおけるスローアウェイチップを備える面取り加工装置としたことによって、当該面取り加工装置用スローアウェイチップセットにおけるスローアウェイチップを取替えた際においても、何らスローアウェイチップと前記ガイド手段との距離を調節することなく行うことができる。
【0026】
また本発明によれば、当該スローアウェイチップと前記ガイド手段との距離を調節可能とする手段を構成に備えないことによって、より簡単な構造で安価且つ軽量な面取り加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例1に係る小径、中径、大径のR面取り刃を備えるスローアウェイチップセットの平面図である。
図2】本発明の実施例1に係るスローアウェイチップと、面取り加工装置におけるガイド面との関係を示す説明図である。
図3】本発明の実施例に係る面取り加工装置の概略一部断面図である。
図4】本発明の実施例2に係る小寸のC刃、中寸のC刃、大寸のC刃を備えるスローアウェイチップセットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明によれば、面取り加工装置のチップ保持部に対して着脱可能で、異なる切削半径若しくは異なる切削寸法を有する相互に取替可能な複数のスローアウェイチップからなり、被加工物を前記スローアウェイチップへ案内する平面視二本のガイド仮想線が略直交し、その交点が当該取替可能な複数のスローアウェイチップにおける同一位置であり、且つ、当該交点へ向けてガイドされる被加工物に対する面取り刃を備えたことによって、スローアウェイチップと被加工物との相対的な位置を変更することがなくなり、当該調節手段及び調節操作を不要とすることができ、面取り刃の両側に連続して逃げ面(11、11c)を備えることによって面取り加工後における被加工物にバリ等を発生させる可能性を大幅に低減させることができる優れた面取り加工装置用スローアウェイチップセットを実現した。
【実施例1】
【0029】
本発明の実施例1に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1は、図1に示すように、小径のR面取り刃10を有するスローアウェイチップ1a、中径のR面取り刃10を有するスローアウェイチップ1b、大径のR面取り刃10を有するスローアウェイチップ1cからなる、3つのR面取り用のスローアウェイチップ1a、1b、1cによって構成される。使用時には、これらのうちいずれかが選択使用される。
【0030】
各スローアウェイチップ1a、1b、1cは、平面視矩形の中央に雌螺子穴となる取付穴12を備え、四方の各側面に開口するように夫々R寸法に対応した同一形状のR面取り刃10を設けている。
小径のR面取り刃10を備えるスローアウェイチップ1a及び中径のR面取り刃10を備えるスローアウェイチップ1bは、夫々前記R面取り刃10の両側に連続して平面状の逃げ面11を設けておりこれらが側面に対して開口した構成としている。
また前記スローアウェイチップ1a、1bは前記逃げ面11から連続して、各側面との境界部分を緩やかな曲面としている。スローアウェイチップ1cはR面取り刃の両端から連続して、当該スローアウェイチップ1cの側面との境界部分を緩やかな曲面としている。
これらの曲面は、逃げ面11bとして機能する。
即ち、スローアウェイチップ1a、1bは前記逃げ面11及びこれに連続する逃げ面11bにより、バリ等の発生を抑制できる。また、スローアウェイチップ1cは逃げ面11bにより、バリ等の発生を抑制できる。
【0031】
そして、本実施例1に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1を構成するこれらのスローアウェイチップ1a、1b、1cは、共通するガイド仮想線L1、L2を有する。
この点が本願発明の最も特徴とするものである。
前記ガイド仮想線L1、L2とは、図2に示すように、ガイド手段20におけるガイド面20aを延設した面を、スローアウェイチップを平面視した状態において表される仮想線L1、L2である。当該ガイド仮想線L1、L2は、面取り加工装置Dの構成によって具体的に特定される。
尚、本実施例1に面取り加工装置用スローアウェイチップセット1においては、ガイド仮想線L1、L2は直交し、これに対して左右に5°ずつ逃げ角を形成した構成としている。
以下に、実施例1に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1を備える面取り加工装置Dの構成について説明する。
【0032】
面取り加工装置Dは、図3に基本構成を示すように、金属製の筐体21と、該筐体の一端に設けられ被加工物をガイドするためのガイド手段20と、スローアウェイチップ1aと、該スローアウェイチップ1aを保持する保持部22と、該保持部22を介して前記スローアウェイチップ1aを回転可能とするモータ23を有する駆動部24を備えている。
尚、ガイド手段20とスローアウェイチップ1aとの相対的な距離を調節する手段は備えていない。
【0033】
ガイド手段20は、本実施例1においては、ガイド面20aを有する2枚のガイド板、即ち、第一ガイド板d1及び第二ガイド板d2である。
当該ガイド手段20は、ガイド面20aが直交した位置に配置されるが、スローアウェイチップ1aを設置する箇所においては、前記第一ガイド板d1と第二ガイド板d2との境界における各ガイド板の夫々に切欠を形成し、開口部20bを設けている。
【0034】
保持部22は、面取り加工装置D内に収納され、前記スローアウェイチップ1aを保持する。そして、当該スローアウェイチップ1aが前記開口部20b若しくはその近傍に位置するように配置されることで、第一ガイド板d1及び第二ガイド板d2からのガイド仮想線L1、L2の交点Cが、全てのスローアウェイチップ1a、1b、1cにおける共通する位置にあるものとしている。
【0035】
以上のようにガイド仮想線L1、L2の交点Cは、面取り加工装置用スローアウェイチップセット1の全てのスローアウェイチップ1a、1b、1cにおいて共通するところ、更に、厳密には、保持された各スローアウェイチップ1a、1b、1cは切削時に回転するため、被加工物Wとの接触時における当該スローアウェイチップ1a、1b、1cの位置において、ガイド仮想線L1、L2の交点Cが、全てのスローアウェイチップ1a、1b、1cにおける共通する位置にある。
本実施例1においては、ガイド仮想線L1、L2の交点Cの具体的な位置は、平面視において対向する各辺の中点相互を結ぶ直線上で、且つ、取付穴12に近接した位置としている。当該位置とすることによって、スローアウェイチップの縁部までの距離が大きく取れるため、より大きな寸法で、多数の異なるR寸法の面取りを行える利点がある。
【0036】
以上の構成によって、本実施例に係る面取り加工装置Dの電源を投入し、駆動部24の稼働によって、保持部22及びこれに保持されたスローアウェイチップ1a(1b、1c)を回転させた状態で、ガイド手段20の一端側から当該ガイド手段20に対して被加工物Wを当接させてスライドさせることにより、開口部20bの位置で、前記スローアウェイチップ1a(1b、1c)と被加工物Wとが接触し、面取り加工を行うことができる。
また、事前のスローアウェイチップ1a(1b、1c)と被加工物Wとの相対的な位置を調節する必要は何ら生じない。
【0037】
そしてスローアウェイチップ1a(1b、1c)を交換する場合には、電源の入っていない状態において、筐体21の一部を開放して、本実施例では螺子固定されたスローアウェイチップ1a(1b、1c)を脱着し、新たなスローアウェイチップ1b(1a、1c)に交換する。そして筐体21を閉蓋する。
当該操作によって、スローアウェイチップ1b(1a、1c)と被加工物Wとの相対的な位置を変更する必要がなく、非常に取扱いを容易とすることができる。
【実施例2】
【0038】
本発明の実施例2に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1は、図4に示すように、小寸のC刃を備えるスローアウェイチップ1d、中寸のC刃を備えるスローアウェイチップ1e、大寸のC刃を備えるスローアウェイチップ1fからなる、3つのC面取り用のスローアウェイチップ1d、1e、1fによって構成される。
【0039】
本実施例2に係る各スローアウェイチップ1d、1e、1fは平面視矩形の中央に雌螺子穴となる取付穴12を備え、四方の各側面に開口するように夫々C面の幅寸法に対応した同一形状のC面取り刃13を設けている。
C面取り刃13の開口と側面との境界には、曲面状の逃げ面11bを形成してある。
またC面取り刃13の各面の境界には、曲面上の逃げ面11cを形成してある。
【0040】
本実施例2に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1を構成するこれらのスローアウェイチップ1d、1e、1fは、共通するガイド仮想線L1、L2を有する。
本実施例2においても、実施例1と同様の面取り加工装置Dにおいて、使用することができる。また、実施例1と面取りの形状が相違するものの、その他の構成、作用、効果は共通する。
【0041】
また、本発明に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1は、上記実施例1、実施例2に示すように、当該面取り加工装置用スローアウェイチップ1を構成するスローアウェイチップの全てがR面取り刃若しくはC面取り刃のいずれか一方に統一されていなくてもよい。即ち、C面取り用のスローアウェイチップとR面取り用のスローアウェイチップの双方において、共通する前記交点を備えることができる。
またスローアウェイチップは、R面、C面に限らず特殊な形状の面取りを行うものであってもよい。
【0042】
本発明は、面取り加工装置に使用されることを前提として、被加工物Wを前記スローアウェイチップへ案内する平面視二本のガイド仮想線L1、L2が交差し、その交C点が当該取替可能な複数のスローアウェイチップにおける同一位置であり、且つ、スローアウェイチップは、当該交点Cへ向けてガイドされる被加工物Wに対する面取り刃を備えていればよい趣旨である。
【0043】
尚、ガイド仮想線L1、L2の交点Cの具体的な位置は、本実施例1、2に限定されるものではなく、任意の共通する箇所とすることができる。しかしながら、上記実施例1及び実施例2で示したように、ガイド仮想線L1、L2の交点Cの具体的な位置は、平面視において対向する各辺の中点相互を結ぶ直線上で、且つ、取付穴12に近接した位置とした場合には、スローアウェイチップの縁部までの距離がより大きく取れるため、より大きな切削寸法が可能となり、また多数の異なる切削寸法の面取りを行える点でより優れた効果が得られる。
【0044】
上記実施例においてはいずれも面取り加工装置用スローアウェイチップセット1は3個のスローアウェイチップによって構成するものとしたが、本発明においては4個以上のスローアウェイチップによって構成することもできる。
【0045】
また、面取り刃の細部形状等、例えば刃の傾斜角度や逃げ面の有無等は、自由に変更が行え、本発明はこれらの変更の範囲を含む。
【0046】
また、本発明に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1の製造、販売の形態は、代替可能な複数個をセットとして行うことができる。また、本発明に係る面取り加工装置用スローアウェイチップセット1には、個別に製造、販売等され、切削寸法が異なるスローアウェイチップについて共通するガイド仮想線L1、L2を有するものとして、これら個別に製造、販売等される複数の商品を、一つの面取り加工装置用スローアウェイチップセット1とするものを含む。
【符号の説明】
【0047】
1 面取り加工装置用スローアウェイチップセット
1a スローアウェイチップ
1b スローアウェイチップ
1c スローアウェイチップ
1d スローアウェイチップ
1e スローアウェイチップ
1f スローアウェイチップ
10 R面取り刃
11 逃げ面
11b 逃げ面
11c 逃げ面
12 取付穴
13 C面取り刃
D 面取り加工装置
20 ガイド手段
20a ガイド面
20b 開口部
21 筐体
22 保持部
23 モータ
24 駆動部
d1 第一ガイド板
d2 第二ガイド板
L1 ガイド仮想線
L2 ガイド仮想線
C 交点
W 被加工物
図1
図2
図3
図4