特許第6295091号(P6295091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコープレシジョン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6295091-羽根駆動装置及び光学機器 図000002
  • 特許6295091-羽根駆動装置及び光学機器 図000003
  • 特許6295091-羽根駆動装置及び光学機器 図000004
  • 特許6295091-羽根駆動装置及び光学機器 図000005
  • 特許6295091-羽根駆動装置及び光学機器 図000006
  • 特許6295091-羽根駆動装置及び光学機器 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295091
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】羽根駆動装置及び光学機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/36 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   G03B9/36 E
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-14950(P2014-14950)
(22)【出願日】2014年1月29日
(65)【公開番号】特開2015-141354(P2015-141354A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】396004981
【氏名又は名称】セイコープレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100135622
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 挙人
(72)【発明者】
【氏名】戸倉 翔一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕士
(72)【発明者】
【氏名】大石 誠一
(72)【発明者】
【氏名】村田 実功
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−205619(JP,A)
【文献】 特開平10−333206(JP,A)
【文献】 特開2007−286443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有した基板と、
前記開口を開閉する第1及び第2羽根と、
第1及び第2ステータ、第1及び第2ロータ、第1及び第2コイル、をそれぞれ含み、互いに隣接し前記第1及び第2羽根をそれぞれ駆動する第1及び第2アクチュエータと、
プリント基板と、
前記第1及び第2コイルを前記プリント基板に電気的に接続する半田部群と、を備え、
前記半田部群は、前記第1コイルの一端及び他端をそれぞれ前記プリント基板に接続する第1及び第2半田部、前記第2コイルの一端及び他端をそれぞれ前記プリント基板に接続する第3及び第4半田部、を含み、
前記第1、第2、第3、及び第4半田部は互いに対向し
前記第1及び第2アクチュエータを支持し前記基板に取付けられたホルダを備え、
前記ホルダには、前記基板と対向する凹部が形成され、
前記半田部群は、前記基板側に突出して前記凹部内に位置している、羽根駆動装置。
【請求項2】
前記プリント基板は、前記ホルダの外部に露出した露出部、前記凹部内に挿入されて前記半田部群と接続されている挿入部、を含む、請求項1の羽根駆動装置。
【請求項3】
前記第1ロータと共に回転する第1出力部材と、
前記第1出力部材に係合し前記第1羽根を駆動する第1駆動部材と、を備え、
前記第1出力部材及び第1駆動部材の少なくとも一部は、前記第1ステータ及び第1コイルの少なくとも一部と前記基板との間に位置し、
前記凹部は、前記第1ステータ及び第1コイルの少なくとも一部と前記基板との間に位置している、請求項1又は2の羽根駆動装置。
【請求項4】
前記第1駆動部材の軸心は、前記第1ステータ及び第1コイルに重なり前記第1ロータの軸心からずれている、請求項3の羽根駆動装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかの羽根駆動装置を備えた光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根駆動装置及び光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には2つのアクチュエータでそれぞれ異なる羽根を駆動する羽根駆動装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−175365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つのアクチュエータには、それぞれ2つのコイルが設けられている。これらの2つのコイルは、プリント基板に半田付けされる。2つのコイルとプリント基板とを半田付けする箇所が広範囲にわたってある場合、半田付けの作業性が悪化する。
【0005】
また、半田付け作業の際には、溶融した半田からフラックスが飛散する恐れがある。このため、2つのコイルとプリント基板とを半田付けする箇所が広範囲にわたってある場合、フラックスが広範囲に飛散する恐れがある。
【0006】
そこで本発明は、フラックスが広範囲に飛散することを抑制して半田付けの作業性も向上した羽根駆動装置及びそれを備えた光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、開口を有した基板と、前記開口を開閉する第1及び第2羽根と、第1及び第2ステータ、第1及び第2ロータ、第1及び第2コイル、をそれぞれ含み、互いに隣接し前記第1及び第2羽根をそれぞれ駆動する第1及び第2アクチュエータと、プリント基板と、前記第1及び第2コイルを前記プリント基板に電気的に接続する半田部群と、を備え、前記半田部群は、前記第1コイルの一端及び他端をそれぞれ前記プリント基板に接続する第1及び第2半田部、前記第2コイルの一端及び他端をそれぞれ前記プリント基板に接続する第3及び第4半田部、を含み、前記第1、第2、第3、及び第4半田部は互いに対向している、羽根駆動装置によって達成できる。
【0008】
上記目的は、上記の羽根駆動装置を備えた光学機器によっても達成できる。
【発明の効果】
【0009】
フラックスが広範囲に飛散することを抑制して半田付けの作業性も向上した羽根駆動装置及びそれを備えた光学機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施例の羽根駆動装置の分解斜視図である。
図2図2は、本実施例の羽根駆動装置の分解斜視図である。
図3図3は、図1の部分拡大図である。
図4図4は、完成後の羽根駆動装置の背面図である。
図5図5は、完成後の羽根駆動装置の側面図である。
図6図6A、6Bは、比較例の羽根駆動装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、2は、本実施例の羽根駆動装置1の分解斜視図である。羽根駆動装置1は、フォーカルプレーンシャッタとも称される。羽根駆動装置1は、ディジタルカメラやスチールカメラ等の光学機器に採用される。羽根駆動装置1は、基板10、10A、10B、先幕20A、後幕20B、アーム31a、32a、31b、32b、アクチュエータ70a、70b等を有している。基板10、10A、10Bは、それぞれ開口11、11A、11Bを有している。先幕20A、後幕20Bは、これら開口11、11A、11Bを開閉する。アクチュエータ70、70は、それぞれ先幕20A、後幕20Bを駆動する。
【0012】
先幕20A、後幕20Bは、それぞれ複数枚の羽根から構成される。先幕20A、後幕20Bは、それぞれ、複数の羽根が重なった重畳状態、複数の羽根が展開した展開状態に移行可能である。これら複数の羽根は、重畳状態では開口11から退避して開口11を全開状態にし、展開状態では開口11を閉鎖して開口11を全閉状態にする。図1、2では、全開状態での羽根駆動装置1が示されている。
【0013】
先幕20Aはアーム31a、32aに連結されている。後幕20Bは、アーム31b、32bに連結されている。図2に示すように、アーム31a、32a、31b、32bは、基板10に設けられた軸14a、15a、14b、15bに回転可能に支持されている。
【0014】
駆動部材40a、40bは、それぞれアーム31a、31bを駆動する。従って、アーム31a、31bは、それぞれ、駆動部材40a、40bによって駆動すると共に先幕20A、後幕20Bを駆動する被駆動部材に相当する。駆動部材40a、40bには、それぞれアーム31a、31bに連結された駆動ピン43a、43bが設けられている。基板10、10A、10Bには、それぞれ、駆動ピン43aの移動を逃がすための逃げ孔13a、13aA、13aBが設けられており、同様に、駆動ピン43bの移動を逃がすための逃げ孔13b、13bA、13bBが設けられている。駆動部材40a、40bについては、詳しくは後述する。
【0015】
基板10には、アクチュエータ70a、70bを保持するホルダ80、90が組み付けられる。ホルダ80は、アクチュエータ70a、70bをそれぞれ支持する支持壁81a、81bが形成されている。ホルダ80は、基板10に固定される。ホルダ80、90は互いに固定される。ホルダ80、90は合成樹脂製である。
【0016】
アクチュエータ70aは、ホルダ80に回転可能に支持されたロータ72a、励磁されることによりロータ72aとの間で磁力が作用するステータ74a、ステータ74aを励磁するためのコイル76aを備えている。ロータ72aには、出力部材50aが嵌合される。出力部材50aは、駆動部材40aと連結される。これにより、ロータ72aが回転することにより、出力部材50a、駆動部材40aが駆動して、アーム31a、先幕20Aが駆動する。アクチュエータ70bについても同様である。アクチュエータ70bのロータ72bが回転することにより駆動部材40bが回転し、後幕20Bが駆動する。
【0017】
ホルダ80の支持壁81a、81bには、それぞれ、逃げ孔85a、85bが形成されている。逃げ孔85aは、駆動部材40aと出力部材50aとの連結部分を逃がす。同様に、逃げ孔85bは、駆動部材40bと出力部材50bとの連結部分を逃がす。ホルダ80には、それぞれロータ72a、72bを回転可能に支持する軸部87a、87bが形成されている。ホルダ80、90の外部にはプリント基板100が固定される。プリント基板100は、コイル76a、76bに電力を供給する。プリント基板100は、可撓性を有したフレキシブルプリント基板である。
【0018】
図3は、図1の部分拡大図である。駆動部材40a、40bは、それぞれホルダ80に設けられた軸部84a、84bに回転可能に支持されている。また、駆動部材40a、40bには、それぞれギア部45a、45bが形成されている。出力部材50a、50bは、それぞれギア部55a、55bが形成されている。ギア部45a、55aは互いに噛合い、ギア部45b、55bは互いに噛合う。これにより、ロータ72aが回転すると、出力部材50aが駆動し、駆動部材40aが駆動する。ロータ72b、出力部材50b、駆動部材40bについても同様である。
【0019】
コイル76a、76bはそれぞれコイルボビン78a、78bに巻回されている。コイルボビン78a、78bは、それぞれステータ74a、74bに取付けられている。コイルボビン78aには、コイル76aの一端及び他端をそれぞれ巻回するための端子部78a1、78a2が設けられている。同様に、コイルボビン78bには、コイル76bの一端及び他端をそれぞれ巻回するための端子部78b1、78b2が設けられている。端子部78a1、78a2、78b1、78b2は、互いに対向してホルダ80側、換言すれば、基板10側に延びている。ホルダ80には、端子部78a1、78a2を逃す逃げ孔89a、端子部78b1、78b2を逃す逃げ孔89bが形成されている。
【0020】
プリント基板100は、一端にコネクタ部101が設けられホルダ90側に貼り付けられる部分103、ホルダ80の側面に貼り付けられる部分105、ホルダ80と基板10との間に挿入される挿入部107が設けられている。挿入部107には、コイル76a、76bが接続されるパターンが形成されている。部分103、105は、ホルダ80、90の外部に露出する露出部の一例である。詳しくは後述する。
【0021】
図4は、完成後の羽根駆動装置1の背面図である。図5は、完成後の羽根駆動装置1の側面図である。端子部78a1、78a2、78b1、78b2は、半田により挿入部107に接続されている。具体的には、半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は、それぞれ端子部78a1、78a2、78b1、78b2と挿入部107とを接続している。即ち、半田部Sa1、Sa2は、コイル76aの一端及び他端とプリント基板100とを電気的に接続している。半田部Sb1、Sb2は、コイル76bの一端及び他端とプリント基板100とを電気的に接続している。半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は半田部群の一例である。半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は基板10側に突出している。
【0022】
図5に示すように、基板10と対向するホルダ80の面には凹部80Rが形成されている。端子部78a1、78a2は、図3に示したように逃げ孔89aを通過して凹部80R内に突出する。同様に、端子部78b1、78b2は、逃げ孔89bを通過して凹部80R内に突出する。半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は、凹部80R内に位置している。
【0023】
図4、5に示すように、これら半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は互いに対向して近接しており、一箇所に集約されている。具体的には、図4に示すように光軸方向から見て、半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は、コイルボビン78a、78bに挟まれる位置にあり、駆動部材40a、40bに挟まれる位置でもある。
【0024】
図6A、6Bは、比較例の羽根駆動装置1xの説明図である。尚、類似する構成については類似する符号を付することにより重複する説明を省略する。アクチュエータ70axのコイルボビン78axの端子部78a1x、78a2xは、光軸方向から見て、コイルボビン78axを挟む位置に形成されている。アクチュエータ70bxのコイルボビン78bxの端子部78b1x、78b2xについても同様である。コイルボビン78axの端子部78a1x、コイルボビン78bxの端子部78b1xについては、2つのコイルボビン78ax、78bxを挟む位置に形成されている。このような、端子部78a1x、78a2x、78b1x、78b2xをプリント基板100xに、それぞれ電気的に接続する半田部Sa1x、Sa2x、Sb1x、Sb2xは、広範囲にわたって配置されている。このため、半田付けの作業性が悪化する恐れがある。また、フラックスが広範囲に飛散する恐れもある。
【0025】
フラックスが飛散した場合、半田部周辺に位置する可動部材が、飛散したフラックスの影響を受けて摺動性が悪くなり、作動不良を引き起こす可能性がある。特に、フラックスが広範囲に飛散すると不具合が発生する可能性が高くなる恐れがある。また、フラックスを除去する場合は、広範囲にわたりクリーニング処置をする必要がある。このように、作業性が悪化して生産効率が低下する恐れがある。
【0026】
本実施例の羽根駆動装置1では、半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2はコイルボビン78a、78bを挟む位置に形成されておらず、また、開口11を挟む位置にも形成されていない。半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は互いに対向して近接しており、一箇所に集約されている。このため、半田付けの作業性が向上しており、フラックスが広範囲に飛散することが抑制されている。
【0027】
また、図6Bに示すように、羽根駆動装置1xでは、端子部78a1x、78a2x、78b1x、78b2は、ホルダ90の上面側に延びて外側に突出し、半田部Sa1x、Sa2x、Sb1x、Sb2xもホルダ90の外側に設けられている。このため、羽根駆動装置1xは、取り扱いに注意を要する。また、羽根駆動装置1xをカメラに搭載する際にも、半田部Sa1x等がカメラ内の他の部品に接触しないように注意を要する。更に、羽根駆動装置1xは光軸方向にも大型化している。
【0028】
本実施例では、図5に示すように、端子部78a1、78a2、78b1、78b2は基板10側に延び、半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は基板10に対向、換言すれば、基板10側に突出して凹部80R内に位置する。このように半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は、基板10側に突出しているが外部に露出していない。このため、本実施例の羽根駆動装置1は取り扱いが容易であり、カメラへの搭載も容易である。また、羽根駆動装置1は光軸方向に薄型化されている。
【0029】
尚、ホルダ80、90を基板10に組付ける前に、アクチュエータ70a、70b、プリント基板100をホルダ80、90に組みつけ、その後にホルダ80、90が基板10に組み付けられる。このため、アクチュエータ70a、70b、プリント基板100が組み付けられ基板10に組み付けられる前のホルダ80、90をアクチュエータユニットとして取り扱うことができる。この際には、図5に示すように、端子部78a1、78a2、78b1、78b2や半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は、凹部80R内に位置し、ホルダ80の底面からは突出しない。このため、アクチュエータユニットとしての取り扱いも容易である。
【0030】
また、図4、5に示すように、駆動部材40a、出力部材50aは、少なくとも一部分が基板10とステータ74a、コイル76aとの間に配置されている。同様に、駆動部材40b、出力部材50bは、少なくとも一部分が基板10とステータ74b、コイル76bとの間に配置されている。このため、図5に示すように、基板10とアクチュエータ70a、70bとの光軸方向での間には、駆動部材40a、40b、出力部材50a、50bを配置するためのスペースが確保されている。凹部80Rは、このスペース内に形成されており、基板10側に突出する半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2もこのスペース内に位置する。このようにデットスペースを有効利用しており、光軸方向での厚みが増大することが抑制されている。
【0031】
また、駆動部材40aのギア部45aと出力部材50aのギア部55aは、図3に示す、ホルダ80の逃げ孔85a内に位置している。このため、羽根駆動装置1は薄型化されている。
【0032】
また、逃げ孔85aの大きさは、ギア部45a、55a同士の連結を可能とする程度の大きさに設定されている。このため、逃げ孔85aは、比較的大きく形成されている。このため、ホルダ80は軽量化されている。
【0033】
また、逃げ孔85a内でギア部45a、55a同士が連結されているので、駆動部材40aと出力部材50aとを接近させて配置することができる。このため、駆動部材40a及び出力部材50aの全体の大きさを小型化できる。これにより、駆動部材40a及び出力部材50aの全体が軽量化されている。従って、羽根駆動装置1は軽量化されている。
【0034】
図4に示すように、駆動ピン43aは、ロータ72aに重なっている。詳細には、駆動ピン43aの移動軌跡の一部がロータ72aに重なる。このようにロータ72a、駆動部材40aが配置されているので、平面方向での羽根駆動装置1の小型化が達成されている。
【0035】
ロータ72a、72bは、コイル76a、76bを挟むように配置されている。換言すれば、先幕20A、後幕20Bの移動方向でのホルダ80の両端部にそれぞれロータ72a、72bが配置されている。このように、アクチュエータ70a、70bは隣接しているが、ロータ72a、72bは間隔をあけて配置されている。これにより、ロータ72a、72bが磁気的に影響を及ぼしあってロータ72a、72bの動作特性に影響を及ぼすことが防止される。これにより、先幕20A、後幕20Bの所望の動作特性を確保することができる。
【0036】
ここで、先幕20A、後幕20Bは、それぞれ第1及び第2羽根の一例である。アクチュエータ70a、70bは、それぞれ第1及び第2アクチュエータの一例である。ロータ72a、72bは、それぞれ第1及び第2ロータの一例である。コイル76a、76bは、それぞれ第1及び第2コイルの一例である。また、ステータ74a、74bは、それぞれ第1及び第2ステータの一例である。半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は、それぞれ第1、第2、第3、及び第4半田部の一例である。
【0037】
尚、アクチュエータ70a、70bは、それぞれの長手方向が先幕20A、後幕20Bの移動方向と同じになるように配置されている。また、アクチュエータ70a、70bは、長手方向に並ぶように配置されている。また、ロータ72a、72bは、アクチュエータ70a、70b全体の領域での長手方向での両端部にそれぞれ配置されている。このため、ロータ72a、72bの間隔をより大きく確保することができる。これにより、ロータ72a、72bが磁気的に影響を及ぼしあってロータ72a、72bの動作特性に影響を及ぼすことが防止される。
【0038】
駆動部材40aは、ステータ74a、コイル76aに光軸方向で重なるように配置されている。同様に、駆動部材40bは、ステータ74b、コイル76bに光軸方向で重なるように配置されている。このため、光軸に直交する平面方向で羽根駆動装置が小型化されている。
【0039】
駆動部材40aの回転の軸心は、ステータ74a、コイル76aに重なり、ロータ72aの軸心からずれている。同様に、駆動部材40bの回転の軸心は、ステータ74b、コイル76bに重なり、ロータ72bの軸心からずれている。
【0040】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
【0041】
上記実施例において、半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2が基板10に対向して凹部80R内に位置する例を挙げたが、これに限定されない。半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2は、ホルダ90の上面側に延びて外側に突出してホルダ90の外側に設けられていてもよく、またホルダ80の側面側に突出してホルダ80の外側に設けられていてもよい。半田部Sa1、Sa2、Sb1、Sb2が互いに対向して一箇所に集約されることにより、半田付けの作業性が向上し、フラックスが広範囲に飛散することが抑制される。
【0042】
上記実施例において、羽根駆動装置1がアクチュエータ70a、70bにより、それぞれ先幕20A、後幕20Bを駆動するフォーカルプレーンシャッタである例を挙げたが、これに限定されない。バネの付勢力により先幕及び後幕を駆動するフォーカルプレーンシャッタにおいて、先幕及び後幕の付勢力を保持するための電磁石とプリント基板とを電気的に接続する半田部が、互いに対向して一箇所に集約されてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 羽根駆動装置
10、10A、10B 基板
11、11A,11B 開口
20A 先幕(第1羽根)
20B 後幕(第2羽根)
40a、40b 駆動部材(第1駆動部材)
45a、45b ギア部
50a、50b 出力部材(第1出力部材)
55a、55b ギア部
70a、70b アクチュエータ(第1及び第2アクチュエータ)
72a、72b ロータ(第1及び第2ロータ)
74a、74b ステータ(第1及び第2ステータ)
76a、76b コイル(第1及び第2コイル)
78a、78b コイルボビン
78a1、78a2、78b1、78b2 端子部
Sa1、Sa2、Sb1、Sb2 半田部(半田部群、第1、第2、第3、第4半田部)
80、90 ホルダ
100 プリント基板
107 挿入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6