特許第6295259号(P6295259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6295259ロッキング機構を備えたリザーバアセンブリを有する、注射デバイスに取り付け可能なニードルアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295259
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】ロッキング機構を備えたリザーバアセンブリを有する、注射デバイスに取り付け可能なニードルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20180305BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20180305BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   A61M5/24 530
   A61M5/24 540
   A61M5/20 560
   A61M5/32
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-536089(P2015-536089)
(86)(22)【出願日】2013年10月8日
(65)【公表番号】特表2015-531287(P2015-531287A)
(43)【公表日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】EP2013070880
(87)【国際公開番号】WO2014056870
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2016年9月28日
(31)【優先権主張番号】12187873.0
(32)【優先日】2012年10月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】フィリッペ・ヌツィーケ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シャーバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・ペーターマン
(72)【発明者】
【氏名】オーラフ・ツェッカイ
(72)【発明者】
【氏名】マイノルフ・ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】オーレ・ジモノフスキー
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−272840(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/139675(WO,A1)
【文献】 特表2006−523484(JP,A)
【文献】 特開昭61−181470(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/059454(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/24
A61M 5/20
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバハウジング(20.1;30.1)、ならびにどちらも該リザーバハウジング(20.1;30.1)の内部で可動に配置され、それらの間のボリュームがリザーバ空洞(20.5;30.5)を画成するピストン(20.3;30.3)およびロッキングプラグ(20.2;30.2)と;
リザーバ出口(20.14;30.14)と;
ピストン(20.3;30.3)に作用するように構成されたバイアスアクチュエータ(20.10;30.10)と
を含むリザーバアセンブリ(20.50;30.50)であって、
ロッキングプラグ(20.2;30.2)は、第1の位置から第2の位置まで可動であるように構成され;第1の位置では、リザーバ出口(20.14;30.14)はリザーバ空洞(20.5;30.5)と流体連通せず、第2の位置では、リザーバ出口(20.14;30.14)はリザーバ空洞(20.5;30.5)と流体連通し;
ロック位置およびロック解除位置を有するインターロック(20.6;30.6)が、ロック位置にあるとき、ロッキングプラグ(20.2;30.2)およびピストン(20.3;30.3)の少なくとも1つの動きを妨げるように構成され、
インターロック(20.6;30.6)がロック位置にあるとき、ロッキングプラグ(20.2;30.2)はリザーバ出口(20.14;30.14)を封止する
前記リザーバアセンブリ(20.50;30.50)
【請求項2】
インターロック(20.6;30.6)がロック解除位置にあるとき、ロッキングプラグ(20.2;30.2)は自由に動くことができる、請求項1に記載のリザーバアセンブリ(20.50;30.50)。
【請求項3】
インターロック(20.6;30.6)がロック解除位置にあり、ロッキングプラグ(20.2;30.2)が第2の位置にあるとき、リザーバ出口(20.14;30.14)はリザーバ空洞(20.5;30.5)と流体連通する、請求項1または2に記載のリザーバアセンブリ(20.50;30.50)。
【請求項4】
前記リザーバ空洞(20.5;30.5)の内部に流体(20.8;30.8)をさらに含み、インターロック(20.6;30.6)がロック解除位置にあるとき、アクチュエータ(20.10;30.10)によるピストン(20.3;30.3)の作動によって、ロッキングプラグ(20.2;30.2)の動きを生じさせる、請求項1〜のいずれか1項に記載のリザーバアセンブリ(20.50;30.50)。
【請求項5】
リザーバ空洞(20.5;30.5)は薬剤(20.8;30.8)で充填される、請求項1〜のいずれか1項に記載のリザーバアセンブリ(20.50;30.50)。
【請求項6】
ロッキングプラグ(20.2;30.2)およびハウジング(20.1;30.1)によって画成されたヘッドスペース(20.31;30.31)をさらに含み、ロッキングプラグ(20.2;30.2)がヘッドスペース(20.31;30.31)の中へ動かされると、ロッキングプラグ(20.2;30.2)は第2の位置に位置するようになる、請求項1〜のいずれか1項に記載のリザーバアセンブリ(20.50;30.50)。
【請求項7】
インターロックは、開口部(20.17)を有する可動の摺動体(20.6)、および可動ピストン(20.3)とアクチュエータ(20.10)の間に配置された支持リング(20.9)を含み、摺動体(20.6)は、支持リング(20.9)が開口部(20.17)を通過できるように、第1の位置から第2の位置へ動かすことができる、請求項1〜のいずれか1項に記載のリザーバアセンブリ(20.50)。
【請求項8】
支持リング(20.9)が開口部(20.17)を通過できる位置に摺動体(20.6)があるとき、アクチュエータ(20.10)はピストン(20.3)に作用することができ、ピストン(20.3)は開口部(20.17)を通して動かすことができ、ロッキングプラグ(20.2)は第2の位置へ動かすことができ、その結果、リザーバ出口(20.14)がリザーバ空洞(20.5)と流体連通する、請求項に記載のリザーバアセンブリ(20.50)。
【請求項9】
ヘッドスペース(30.31)は液体で充填され、ハウジングは、ヘッドスペース(30.31)から流体的に分離されたサンプ(30.32)をさらに含み、インターロック(30.6)は、摺動体がロック解除位置にあるとき、ヘッドスペース(30.31)とサンプ(30.32)の間に流体連通を確立するように構成された該摺動体を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のリザーバアセンブリ(30.50)。
【請求項10】
ヘッドスペース(30.31)およびサンプ(30.32)は、膜(30.30)によって流体的に分離され、インターロック(30.6)は、インターロック(30.6)がロック解除位置にあるとき、膜(30.30)を穿孔するように構成されたタペット(30.23)を有する摺動体を含む、請求項に記載のリザーバアセンブリ(30.50)。
【請求項11】
インターロック(30.6)がロック解除位置にあり、液体がヘッドスペース(30.31)からサンプ(30.32)の中へ動かされると、ロッキングプラグ(30.2)は、第2の位置へ動かすことができるようになり、その結果、リザーバ出口(30.14)はリザーバ空洞(30.5)と流体連通する、請求項10に記載のリザーバアセンブリ(30.50)。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のリザーバアセンブリ(20.50;30.50)を含む、薬剤(20.8;30.8)を送達するように構成された医療デバイス。
【請求項13】
注射デバイス(10)に取り付け可能なニードルアセンブリ(20;30)であって、近位端および遠位端を有するハウジング(20.4;30.4)を含み、近位端は、注射デバイス(10)に取り付けられるように構成され;ここで、遠位針カニューレ(20.20;30.20)は、ハウジング(20.4;30.4)に固定され;ハウジング(20.4;30.4)は、遠位の注射針(20.20;30.20)と流体連通するように構成された、請求項1〜12のいずれか1項に記載のリザーバアセンブリ(20.50;30.50)を含む、前記ニードルアセンブリ。
【請求項14】
リザーバアセンブリ(20.50;30.50)は、インターロック(20.6;30.6)がロック解除位置にあるとき、注射針(20.20;30.20)と流体連通する、請求項13に記載のニードルアセンブリ(20;30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リザーバアセンブリ、特に薬剤の用量をそれから注射するように適用されたリザーバを含む薬物送達デバイス、およびそれらを作動させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、たとえば、バイアル、充填済みシリンジ、使い捨てのペン型注射器、再利用可能な注射器用のカートリッジなど、様々なタイプのリザーバアセンブリが知られている。いくつかの用途では、2つ以上の薬剤を同時に適用する必要がある場合がある。ある状況下では、配合禁忌(incompatibility)の理由などから、2つの薬剤を単一のリザーバまたは容器の中に収納することができない。したがって、別個のリザーバに収納する必要がある。しかしながら、投与の間、別個のリザーバからの2つの薬剤を、同時に単一の注射工程で送達することが必要とされ得る。
【0003】
当技術分野では、2つの薬剤の同時送達(co−delivery)が知られている。特許文献1は、少なくとも2つの薬剤を同時送達する注射システム用の薬用モジュールを開示しており、第1の薬剤を含む第1の送達デバイスが、一体型の流れ分配器/分配システムを有するカプセルの中に入れられた第2の薬剤の単一用量を含む薬用モジュールを受け入れ、両方の薬剤が、単一の中空針を通して送達される。流れ分配器は、薬剤の停滞した流れを最小限に抑え、カプセルを通って薬用モジュールから出る薬剤のプラグ流れ(plug flow)を促進する/最大にすることができる。
【0004】
そうしたシステムの使用者は、デバイスから第1の薬剤を、モジュールのカプセルから第2の薬剤を排出するために、力を与えなければならない。したがって、必要な力が使用者にとって大きすぎる場合がある。さらに、高い圧力が、システムの故障、たとえば送達チャネルの閉塞として使用者に誤認される恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2010/139676A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の一目的は、改善された送達機構を特色とする、リザーバアセンブリ、薬物送達デバイス、およびそれらを作動させるための方法を提供することである。さらなる目的は、少なくとも2つの薬剤の同時送達のための薬物送達システムを取り扱う、かつ/または操作する際に、使用者に明瞭な支援を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、リザーバハウジング、ならびにどちらもリザーバハウジングの内部で可動に配置されるピストンおよびロッキングプラグ、ならびにピストンに作用するように構成されたバイアスアクチュエータ(biased actuator)を含むリザーバアセンブリに関する。ピストンとロッキングプラグの間のボリュームは、リザーバ空洞(reservoir cavity)を画成する。さらに、リザーバアセンブリは、リザーバ空洞を少なくとも部分的に空にすることができるように、リザーバ出口を含む。ロッキングプラグは、第1の位置から第2の位置まで可動であるように構成され、第1の位置では、リザーバ出口はリザーバ空洞と流体連通しない。ロッキングプラグが第2の位置にあるとき、リザーバ出口はリザーバ空洞と流体連通する。さらに、ロック位置(locked position)およびロック解除位置(unlocked position)を有するインターロックが構成される。ロック位置では、インターロックは、ロッキングプラグおよびピストンの少なくとも1つの動きを妨げる。ロック解除位置にあるとき、インターロックは、ロッキングプラグおよびピストンの少なくとも1つの動きを可能にするように構成される。
【0008】
このようなリザーバアセンブリは、改善された送達機構を有する。こうした種類のリザーバからの送達では、リザーバの内容物を排出するために手の力は不要である。これは、バイアスアクチュエータによって提供される。使用者は、内容物を排出可能にするために、インターロックをロック位置からロック解除位置へ動かすだけでよい。インターロックがロック位置にあるときには、リザーバ出口がリザーバ空洞と流体連通しないため、リザーバの内容物は気密封止される。したがって、このようなリザーバは、リザーバを使用する準備ができた状態において、たとえば、液体薬剤を収納することが可能であるように構成される。リザーバアセンブリを使用しようとすると、バイアスアクチュエータによってリザーバ空洞の内容物を排出できるようにするために、インターロックがロック位置からロック解除位置へ動かされる。
【0009】
一実施形態では、インターロックがロック位置にあるとき、リザーバ出口はリザーバ空洞と流体連通しない。たとえば、インターロックがロック位置にあるとき、ロッキングプラグはリザーバ出口を封止することができる。
【0010】
一実施形態では、インターロックがロック解除位置にあるとき、ロッキングプラグは自由に動くことができる。ロッキングプラグは、第2の位置へ動かすことができる。
【0011】
一実施形態では、ロッキングプラグが第2の位置にあるとき、リザーバ出口はリザーバ空洞と流体連通する。好ましくは、インターロックがロック解除位置にあるとき、ロッキングプラグは第2の位置にあり、リザーバ出口はリザーバ空洞と流体連通する。
【0012】
一実施形態では、インターロックがロック解除位置にあり、ロッキングプラグが第2の位置にあるとき、リザーバ出口はリザーバ空洞と流体連通する。たとえば、ロッキングプラグは、それがリザーバ出口を封止しない第2の位置へ動かすことができる。
【0013】
一実施形態では、リザーバアセンブリは、ピストンの動きをロッキングプラグへ伝達する装置(arrangement)をさらに含む。リザーバアセンブリは、ピストンからロッキングプラグへ力を伝える装置を含むことができる。そうした装置を適所に有するように、インターロックは、インターロックがロック位置にあるとき、前記ロッキングプラグまたは前記ピストンと相互作用して、ロッキングプラグおよびピストンの少なくとも1つの動きを妨げる。したがって、インターロックがロック位置にあるとき、アクチュエータによるピストンの作動によって、ロッキングプラグの動きが生じることはない。逆に、インターロックがロック解除位置にあるときには、アクチュエータによるピストンの作動によって、ロッキングプラグおよびピストンの少なくとも1つの動きを生じさせることができる。
【0014】
一実施形態では、リザーバ空洞の内部に流体を配置することができる。流体は、実質的に非圧縮性である。流体は、ピストンの動きをロッキングプラグへ伝達することができる。インターロックがロック解除位置にあるとき、アクチュエータによるピストンの作動によって、ロッキングプラグの動きを生じさせる。
【0015】
一実施形態によれば、リザーバ空洞の内部に配置される流体は、前記リザーバ装置から排出されるものと同じ流体である。特にリザーバ空洞は、薬剤で充填することができる。
【0016】
一実施形態では、リザーバアセンブリは、ロッキングプラグおよびハウジングによって画成されたヘッドスペースをさらに含むことができ、ロッキングプラグがヘッドスペースの中へ動かされると、ロッキングプラグは第2の位置に位置するようになる。ヘッドスペースは空にすることができる。ヘッドスペースは、気体、たとえば空気で充填することができる。一実施形態において、ヘッドスペースは、周囲圧力の空気で充填される。ヘッドスペース内の気体は、リザーバ空洞が空であるとき、ロッキングプラグを動かしてロック位置に戻す圧力を提供することができる。あるいは、ヘッドスペースは、ロッキングプラグが第2の位置にあるとき、ヘッドスペース内部の気体を逃がす通気孔を含むことができる。ヘッドスペースは、ロッキングプラグの動きを制限するように構成することができる。たとえば、ヘッドスペースは、ロッキングプラグと係合してロッキングプラグの動きを止める突出部、段または類似の構造を含むことができる。あるいは、ヘッドスペース内部の気体は、ロッキングプラグの動きを止めることもできる。
【0017】
本発明によるリザーバアセンブリの一実施形態では、インターロックは、開口部を有する可動の摺動体を含む。アクチュエータは、ばね、およびそのばねと可動ピストンの間に配置された支持要素、たとえば、支持リングを含む。摺動体は、支持リングが開口部を通過できるように、第1の位置から第2の位置へ動かされるように構成される。支持リングが開口部を通過できる位置に摺動体があるとき、アクチュエータはピストンに作用することができ、ピストンは開口部を通して動かすことができ、ロッキングプラグは第2の位置へ動かすことができ、その結果、リザーバ出口がリザーバ空洞と流体連通する。次いで、液体、たとえば、リザーバ空洞内に配置可能な薬剤を、リザーバ出口を通して排出することができる。
【0018】
本発明によるリザーバアセンブリの別の実施形態では、ヘッドスペースは液体で充填され、ハウジングは、ヘッドスペースから流体的に分離されたサンプ(sump)をさらに含む。インターロックは、摺動体がロック解除位置にあるとき、ヘッドスペースとサンプの間に流体連通を確立するように構成された摺動体を含む。サンプは、弁もしくは弁システム、またはゲートによってヘッドスペースから流体的に分離することが可能である。インターロックの摺動体は、インターロックがロック解除位置にあるとき、弁もしくは弁システム、またはゲートを開くように構成される。好ましい実施形態では、ヘッドスペースおよびサンプは、膜によって流体的に分離され、摺動体は、摺動体がロック解除位置にあるとき、膜を穿孔するように構成されたタペットを含む。摺動体がロック解除位置にあり、液体がヘッドスペースからサンプの中へ動かされると、ロッキングプラグは、第2の位置へ自由に動かすことができるようになる。
【0019】
本発明の他の態様は、本発明によるリザーバアセンブリを含む、薬剤を送達するように構成された医療デバイスに関する。
【0020】
本発明のさらなる態様は、注射デバイスに取り付け可能なニードルアセンブリに関する。ニードルアセンブリは、近位端および遠位端を有するハウジングを含み、近位端は、注射デバイスに取り付けられるように構成される。遠位針カニューレが、ハウジングに固定される。ハウジングは、遠位の注射針と流体連通するように構成された、本発明によるリザーバアセンブリを含む。ニードルアセンブリは、インターロックがロック解除位置にあるとき、遠位の注射針と流体連通することができる。
【0021】
ニードルアセンブリのハウジングは、リザーバアセンブリのハウジングを含むことができる。たとえば、ニードルアセンブリのハウジングは、リザーバアセンブリのハウジングとして機能することができる壁のような構造を提供する要素を含むことが可能である。たとえば、ニードルアセンブリのハウジングは、構造を与える固定要素および/もしくは保持要素を含むこと、ならびに/または、リザーバアセンブリの要素を含むハウジングとして機能することが可能である。一実施形態において、ニードルアセンブリのハウジングは空洞を含み、空洞の内壁はリザーバハウジングを画成する。好ましくは、空洞は円筒形の穴である。
【0022】
リザーバアセンブリのハウジングを含むニードルアセンブリのハウジングを有することによって、必要な要素が少なくなるため、構造の複雑さを低減すること、また費用を削減することも可能になる。したがって、リザーバアセンブリのハウジングを含むニードルアセンブリのハウジングを有すると有益であろう。
【0023】
本明細書に記載される機能および実施形態はすべて、リザーバアセンブリ、薬物送達デバイス、ならびに薬物送達デバイスおよびそのリザーバアセンブリを操作する方法に同様に当てはまると理解されることに留意されたい。特に、特定の操作を実施するために構成または配置される構成要素に関する言及は、それぞれの方法または操作工程を開示するものであり、逆もまた同様であると理解されたい。
【0024】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0025】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0026】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0027】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0028】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0029】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0030】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0031】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0032】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0033】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0034】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0035】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C)と可変領域(V)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0036】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0037】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(VH)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0038】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0039】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0040】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0041】
関連技術の技術者には、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な修正および変更を加えることが可能であることがさらに理解されるであろう。さらに、添付の特許請求の範囲において使用される参照符号はいずれも、本発明の範囲を限定すると解釈されないことに留意されたい。
【0042】
次に、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を単に例示的なものとして説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明によるアセンブリの分解斜視図である。
図2図1によるアセンブリの側面部分図である。
図3図2の線III−IIIによる、アセンブリの水平断面図である。
図4図2によるアセンブリの側面部分断面図である。
図5】本発明による別のアセンブリの分解斜視図である。
図6図5および図7の断面VI−VIによる、アセンブリの側面部分断面図である。
図7図5によるアセンブリの上面図である。
図8図5によるアセンブリの側面部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下では、本発明の実施形態を、インスリン注射デバイスに関連して説明する。しかしながら、本発明はそうした用途に限定されず、他の薬剤を放出する注射デバイス、または他のタイプの医療デバイスと共に同様に適切に配置することができる。
【0045】
図1は、本発明によるリザーバアセンブリの一実施形態の分解斜視図を示している。(図2では一点鎖線によって囲まれた)リザーバアセンブリ20.50は、注射デバイス、たとえば、ペン形注射器に取り付け可能な薬用ニードルアセンブリ20の一部である。
【0046】
図1の注射デバイス10は、インスリンの容器またはバイアル10.1、および針10.2を取り付けることができるバイアル10.1用のホルダ10.3を含む、再使用可能な注射ペンである。しかしながら、注射デバイス10は、充填済みの容器またはバイアル10.1を有する使い捨てのペンとすることも可能である。いずれの場合も、薬剤容器10.1は、一方の端部では栓によって、反対側の端部では穿孔可能なセプタムまたは封止体(図示せず)によって閉じられる。
【0047】
ニードルアセンブリ20は、たとえば、標準的な注射針を取り付けるのではなく、注射デバイス10に取り付けるように構成されたハウジング20.4を含む。
【0048】
図2に示すように、ニードルアセンブリ20のハウジング20.4は、本発明によるリザーバアセンブリ20.50(一点鎖線)を含む。外部から接触可能なハウジング20.4の内部に、チャンバまたは空洞、たとえば、円筒形の穴20.51が配置される。穴20.51の内壁は、(内部から外部へ)どちらも円筒形の穴20.51の内部で可動であるように配置され、穴の内壁と共に流体密な封止(fluid tight sealing)を提供するロッキングプラグ20.2および可動ピストン20.3を含む、リザーバハウジング20.1を画成する。ロッキングプラグ20.2と可動ピストン20.3の間に、薬剤20.8で充填されるリザーバ空洞20.5が画成される。リザーバアセンブリ20.50は、ロッキングプラグ20.2およびハウジング20.1によって画成されたヘッドスペース20.31をさらに含む。可動ロッキングプラグ20.2は、円筒形の穴20.51の端部に当接するまで、ヘッドスペース20.31の中へ距離dだけ動くことができる。距離dは、ロッキングプラグ20.2が出口20.14を開放し、リザーバ空洞20.5を出口20.14と流体連結させるのに十分なものである。
【0049】
可動ピストン20.3の隣には、支持部材または支持リング20.9、ばね20.10、最後に穴を外部に対して閉じるストッパまたはクロージャ20.11が存在する。リザーバアセンブリ20.50は、リザーバ出口20.14を有する。リザーバアセンブリ20.50は、可動ロッキングプラグ20.2および/または可動ピストン20.3の動きを妨げるように構成されたインターロック20.6をさらに含む。リザーバ空洞の内容物、たとえば薬剤は、外部から点検ガラス20.7を通して見ることができる。
【0050】
図2は、注射デバイス10に取り付けられたニードルアセンブリ20の側面部分断面図を示している。流体チャネル20.12が、ハウジング20.4の内部にリザーバハウジング20.1に対して垂直に配置され、ハウジングの一端から、注射針20.20が流体連結される他端へ延びる。ニードルアセンブリ20が注射デバイス10に取り付けられると、注射デバイス10から流体チャネル20.12を通して薬剤を放出することができる。流体チャネル20.12は、針10.2を介して注射デバイス10内の薬剤に流体連結される。針10.2は、注射デバイス10に取り付けられるか、または注射デバイス10の一部である。これを用いて、注射の前に流体チャネル20.12内に存在する可能性がある空気を除くことにより、注射デバイス10をプライミングすることが可能である。
【0051】
代替的実施形態(図示せず)では、針10.2は、ニードルアセンブリ20の一部であり、流体チャネル20.12と流体連通する。針10.2は、容器10.1のセプタムを穿孔するように適用された鋭利な端部を有することによって、注射デバイス10の薬剤に対する流体連通を確立するように構成される。
【0052】
図2に示す実施形態に戻ると、送達チャネルまたは投薬チャネル20.13が、ニードルアセンブリ20の内部に、流体チャネル20.12と、リザーバアセンブリ20.50のリザーバ空洞20.5内部の薬剤20.8との間の流体連通を確立するように構成される。図2は、リザーバ出口20.14が可動ロッキングプラグ20.2によって閉じられた、またはロックされた、ロック状態のリザーバを示している。
【0053】
図3は、インターロック20.6を示す、針装置20の頂部から見た図2の線III−IIIによる水平断面図を示している。
【0054】
この実施形態では、インターロック20.6は、針装置のハウジング20.4の中へ延び、支持リング20.9に達する2つの脚部(20.16、図1参照)を有するバーを含む摺動体である。脚部20.16は、支持リング20.9および/またはばね20.10が通過するのに十分な間隔を有する。脚部20.16は、その端部に、インターロック20.6が第1の位置またはロック位置にあるとき、支持リング20.9と係合するように構成された伸長部を有する。したがって、ばね20.10によって付勢されても、支持リング20.9は適所にとどまり、動かされることはない。また、可動ピストン20.3ならびに可動ロッキングプラグ20.2も、動きを妨げられる。インターロック20.6が装置のハウジング20.4に向かって動かされると、脚部20.16は支持リング20.9に沿って進み、伸長部は支持リング20.9を係合解除し、支持リング20.9は、ばね20.10の付勢力によって自由に動かされるようになる。次いで、インターロック20.6が第2の位置またはロック解除位置になり、可動ピストン20.3ならびに可動ロッキングプラグ20.2は、自由に動くことができるようになる。
【0055】
ばね20.10は、可動ピストン20.3に力を及ぼすアクチュエータとして働く。あるいは、ばね20.10は、圧縮ばね、またはガスばねとすることが可能である。
【0056】
脚部20.16の間隔は、支持リング20.9が通過できるように適用された開口部20.17を形成する。あるいは、インターロック20.6は、支持リング20.9が通過できるように適用された孔または開口部を有する、平坦な固い要素を含む摺動体とすることが可能である。
【0057】
使用者は、インターロック20.6をロック位置からロック解除位置まで手で動かすことが可能である。しかしながら、操作性を改善するために、この実施形態は、装置のハウジング20.4の方を向いた凹形の湾曲を有するレバー20.15を特色とし、インターロック20.6に作用して、インターロック20.6をロック位置からロック解除位置へ移行するように構成される。レバー20.15は、一端ではヒンジ20.18を介してハウジング20.4に取り付けられ、他端ではインターロック20.6に当接する。レバー20.15がハウジング20.4に向かって動かされると、インターロック20.6はハウジング20.4に向かって押され、その結果、脚部20.16の伸長部が支持リング20.9から係合解除する。したがって、レバー20.15は、インターロック20.6の状態をロックからロック解除へ変更するように構成される。
【0058】
好ましい実施形態では、使用者がニードルアセンブリ20を注射部位に押し付けるとき、レバー20.15をハウジング20.4に向かって動かすことが可能である。これがインターロック20.6をロック解除位置へ動かし、リザーバ空洞20.5の中に配置された薬剤20.8を、ばね20.10の力によってリザーバアセンブリ20.50から排出することができる。
【0059】
図4は、レバー20.15が完全に押し下げられ、インターロック20.6がロック解除状態にある、針装置20の断面側面図を示している。支持リング20.9は、前述のように、ばね20.10の付勢力によって自由に動くことができる。ばね20.10が支持リング20.9に作用すると、支持リング20.9、可動ピストン20.3、薬剤20.8、および可動ロッキングプラグ20.2が動かされる。可動ロッキングプラグ20.2は、円筒形の穴20.51の端部に当接するまで、ヘッドスペース20.31(図2参照)の中へ距離d(図2参照)だけ動くことができる。この位置では、距離dはゼロであり、出口20.14は開放され、リザーバ空洞20.5は出口20.14と流体連結している。
【0060】
あるいは、ロッキングプラグ20.2がヘッドスペース20.31の中へ距離dだけ動き、出口20.14を開放することができるように、穴20.51は、段、移動止め(detent)または類似の構造を含むことが可能である。この構成では、ロッキングプラグ20.2は、段、移動止めまたは類似の構造に当接し、円筒形の穴20.51の端部に達することはない。
【0061】
ばね20.10が依然として支持リング20.9および可動ピストン20.3を押し付けるため、薬剤が、リザーバ出口20.14から投薬チャネル20.13および液体チャネル20.12の中へ押し出される。可動ピストン20.3が可動ロッキングプラグ20.2に当接すると、投薬が終了する。
【0062】
レバー20.15は、起こり得る針の突き刺しを防ぐように、または針恐怖症を軽減するように構成される。このために、レバー20.15は、注射針20.20が通過できるように、たとえば、楕円形のカットアウト20.19を有する。注射の前、注射針20.20の尖端は、レバー20.15によって覆われている。注射の間、使用者は、針装置20を注射部位に押し付け、レバー20.15が針装置20のハウジング20.4に対して押し下げられる間に、注射針20.20は、カットアウト20.19を貫通して延び、注射部位に入る。
【0063】
レバー20.15が押し下げられると、インターロック20.6の状態が変更され、針装置20が作動される。使用者がプランジャなどを押し下げるようなさらなる注射の動作を行う必要なしに、針装置20から薬剤が投薬される。薬剤20.8が放出された後、使用者は、通常の方法で、取り付けられた薬物送達デバイス10から薬剤を投薬することができる。引き続き、デバイス内で実質的に混合することなく、2つの薬剤が次々に投薬される。
【0064】
ニードルアセンブリ20の構造により、投薬チャネル20.13および液体チャネル20.12は、漏損を最小限に抑え、したがって、使用者が薬剤を無駄にすることなく必要量の薬剤を受けることを助けるように構成される。
【0065】
別の実施形態によれば、代替のロッキング機構が特色とされる。図5は、ニードルアセンブリのハウジング30.4、たとえば円筒形の穴30.51などのリザーバ、ロッキングプラグ30.2、可動ピストン30.3、支持部材または支持リング30.9、たとえばばね30.10などのアクチュエータ、最後に穴30.51を外部に対して閉じるクロージャ30.11を含む、この実施形態の分解斜視図を示している。
【0066】
リザーバアセンブリ30.50(図6の一点鎖線参照)は、注射デバイス、たとえば、前の実施形態に関して説明したペン形注射器10に取り付け可能な薬用ニードルアセンブリ30の一部である。
【0067】
ニードルアセンブリ30は、たとえば、標準的な注射針を取り付けるのではなく、注射デバイス10に取り付けるように構成されたハウジング30.4を含む。
【0068】
図6に示すように、ニードルアセンブリ30のハウジング30.4は、本発明によるリザーバアセンブリ30.50(一点鎖線)を含む。外部から接触可能なハウジング30.4の内部には、チャンバまたは空洞、たとえば、円筒形の穴30.51が配置される。穴30.51の内壁は、どちらも円筒形の穴30.51の内部に可動であるように配置され、穴30.51の内壁と共に流体密な封止を提供するロッキングプラグ30.2および可動ピストン30.3を含む、リザーバハウジング30.1を画成する。ロッキングプラグ30.2と可動ピストン30.3の間に、薬剤30.8で充填されるリザーバ空洞30.5が画成される。
【0069】
可動ピストン30.3の隣には、支持部材または支持リング30.9、ばね30.10、最後に穴を外部に対して閉じるクロージャ30.11が存在する。リザーバハウジング30.1は、リザーバ出口30.14を有する。リザーバアセンブリ30.50は、可動ロッキングプラグ30.2および/または可動ピストン30.3の動きを妨げるように構成されたインターロック30.6をさらに含む。薬剤30.8は、外部から点検ガラス30.7を通して見ることができる。
【0070】
リザーバアセンブリ30.50は、ロッキングプラグ30.2およびハウジング30.1によって画成されたヘッドスペース30.31をさらに含む。可動ロッキングプラグ30.2は、円筒形の穴30.51の端部に当接するまで、ヘッドスペース30.31の中へ距離dだけ動くことができる。距離dは、ロッキングプラグ30.2が出口30.14を開放し、リザーバ空洞30.5を出口30.14と流体連結させるのに十分なものである。
【0071】
図6は、ハウジング30.4の内部にリザーバハウジング30.1に対して垂直に配置され、ハウジングの一端から他端へ延びる流体チャネル30.12をさらに示している。ニードルアセンブリ30が注射デバイス10に取り付けられると、注射デバイス10から流体チャネル30.12を通して薬剤を放出することができる。これを用いて、注射の前に注射チャネル内に存在する可能性がある空気を除くことにより、注射デバイス10をプライミングすることが可能である。次いで、流体チャネル30.12は、針10.2を介して注射デバイス10内の薬剤に流体連結されるが、たとえば、針は、注射デバイス10に取り付けられるか、または注射デバイス10の一部とすることが可能である。
【0072】
あるいは、針10.2は、ニードルアセンブリ30の一部とし、流体チャネル30.12と流体連通することが可能である。
【0073】
流体チャネル30.12の他端には、注射針30.20が流体連結される。
【0074】
送達チャネルまたは投薬チャネル30.13が、ニードルアセンブリ30の内部に、流体チャネル30.12と、リザーバアセンブリ30.50のリザーバ空洞30.5内部の薬剤30.8との間の流体連通を可能にするように配置される。リザーバ出口30.14が開いているか閉じているかに応じて、流体連通が確立されるか、または確立されないようになる。図6は、リザーバ出口30.14が可動ロッキングプラグ30.2によって閉じられたまたは塞がれた、ロック状態のリザーバを示している。この構成では、リザーバ空洞30.5と流体チャネル30.12の間の流体連通は確立されない。
【0075】
図7は、インターロック30.6を示す、針装置30の上面断面図である。この実施形態では、インターロック30.6は、膜30.30を穿孔するように構成されたタペット30.23を含む、2つの脚部30.16を有する摺動体を含む。
【0076】
膜30.30は、液体で充填されたヘッドスペース30.31をサンプ30.32から分離する。ヘッドスペース30.31は、ロッキングプラグ30.2およびリザーバハウジング30.1によって画成される。インターロック30.6が第1の位置またはロック位置にあるとき、膜30.30は損なわれておらず、ヘッドスペース30.31は液体で充填され、可動ロッキングプラグ30.2は動きを妨げられる。先に言及したように、この位置では、可動ロッキングプラグは、リザーバ出口30.14を封止または閉鎖する(図5参照)。したがって、ばね30.10によって付勢されても、支持リング30.9は適所にとどまり、動かされることはない。また、可動ピストン30.3ならびに可動ロッキングプラグ30.2も、動きを妨げられる。
【0077】
インターロック30.6が装置のハウジング30.4に向かって動かされると、脚部30.16の端部のタペット30.23が膜30.30を穿孔し、ヘッドスペース30.31からの液体がサンプ30.32に流入することを可能にする。ヘッドスペース30.31が空になる間に、ロッキングプラグ30.2は、支持部材30.9、可動ピストン30.3および薬剤30.8に作用するばね30.10の付勢力によって、ヘッドスペース30.31の中へ自由に動かされるようになる。インターロック30.6が第2の位置またはロック解除位置になると、可動ピストン30.3ならびに可動ロッキングプラグ30.2は、自由に動くことができるようになる。
【0078】
この実施形態では、インターロック30.6は、膜30.30を穿孔するように構成されたタペット30.23を有する脚部30.16を含む。タペットの数は様々でよいが、本明細書に記載の実施形態は、2つのタペットを特色とする。
【0079】
あるいは、インターロック30.6は、ヘッドスペース30.31とサンプ30.32の間の流体連結を閉じる/開くために、弁または弁システムを作動させるように構成することが可能である。たとえば、摺動体30.6のタペット30.23は、インターロック30.6がロック解除位置にあるとき、弁を開くように配置することが可能である。
【0080】
いずれの場合も、インターロック30.6がロック位置にあるときには、液体はヘッドスペース30.31からサンプ30.32へ流入するのを妨げられ、ロック解除位置では、液体はヘッドスペース30.31からサンプ30.32へ流入可能であることがきわめて重要である。したがって、インターロック30.6は、可動ロッキングプラグ30.2および/または可動ピストン30.3の動きを妨げるように構成される。
【0081】
使用者は、インターロック30.6をロック位置からロック解除位置まで手で動かすことが可能である。しかしながら、操作性を改善するために、この実施形態は、構造として前の実施形態と同様のレバー30.15を特色とする。レバー30.15は、ニードルアセンブリのハウジング30.4の方を向いた凹形の湾曲を有し、インターロック30.6に作用して、インターロック30.6をロック位置からロック解除位置へ移行するように構成される。レバー30.15は、一端ではヒンジ30.18(図8参照)を介してハウジングに取り付けられ、他端ではインターロック30.6に当接する。レバー30.15がハウジング30.4に向かって動かされると、インターロック30.6はハウジング30.4に向かって押され、その結果、タペット30.23が膜を穿孔する。したがって、レバー30.15は、インターロック30.6の状態をロックからロック解除へ変更するように構成される。
【0082】
図8は、レバー30.15が完全に押し下げられ、インターロック30.6がロック解除状態にある、針装置30の断面側面図を示している。膜30.30が穿孔され、可動ロッキングプラグ30.2は、前述のようにばね30.10の付勢力によって自由に動くことができる。ばね30.10が支持リング30.9に作用すると、支持リング30.9、可動ピストン30.3、薬剤30.8、および可動ロッキングプラグ30.2が動かされる。可動ロッキングプラグ30.2は、円筒形の穴30.51の端部に当接するまで、距離d(図8参照)だけ動くことができる。図8に示す位置では、可動ロッキングプラグ30.2はヘッドスペース30.31の中へ動いており、距離dはゼロであり、出口30.14は開放され、リザーバ空洞30.5は出口30.14と流体連結している。
【0083】
あるいは、穴30.51は、段、移動止めまたは類似の構造を含むことが可能であり、ロッキングプラグ30.2がヘッドスペース30.31の中へ距離dだけ動き、出口30.14を開放した後、段、移動止めまたは類似の構造に当接できるようにする。
【0084】
さらなる代替形態として、サンプ30.32のボリュームは、距離dを画成するように構成することが可能である。サンプ30.32がヘッドスペース30.31からの液体で充填されると、距離dはゼロになり、ロッキングプラグ30.2は、出口30.14が開放され、リザーバ空洞30.5と流体連結するように動かされる。
【0085】
図8に戻ると、ばね30.10が依然として支持リング30.9および可動ピストン30.3を押し付けるため、薬剤30.8が、リザーバ空洞30.5からリザーバ出口30.14を通り、投薬チャネル30.13および液体チャネル30.12の中へ押し出される。可動ピストン30.3が可動ロッキングプラグ20.2に当接すると、投薬が終了する。
【0086】
先に説明した針装置20の実施形態と同様に、レバー30.15は、起こり得る針の突き刺しを防ぐように、または針恐怖症を軽減するように構成される。このために、レバー30.15は、注射針30.20が通過できるように、たとえば楕円形のカットアウト30.19を有する。注射の前、注射針30.20の尖端は、レバー30.15によって覆われている。注射の間、使用者は、針装置30を注射部位に押し付け、レバー30.15
が針装置のハウジング30.4に対して押し下げられる間に、注射針30.20は、カットアウト30.19を貫通して延び、注射部位に入る。
【0087】
レバー30.15が押し下げられると、インターロック30.6の状態が変更され、針装置30が作動される。使用者がプランジャなどを押し下げるようなさらなる注射の動作を行う必要なしに、針装置30から薬剤が投薬される。薬剤30.8が放出された後、使用者は、通常の方法で、取り付けられた薬物送達デバイスから薬剤を投薬することができる。引き続き、デバイス内で実質的に混合することなく、2つの薬剤が次々に投薬される。
【0088】
やはり、ニードルアセンブリ30の構造により、投薬チャネル30.13および液体チャネル30.12は、漏損を最小限に抑え、したがって、使用者が薬剤を無駄にすることなく必要量の薬剤を受けることを助けるように構成される。
【0089】
当業者なら、たとえば、管形のシールドまたは嵌め込み式のシールドなどの代替のニードルシールドに気付くであろう。さらに、当業者なら、ボルト、クランプ、ノッチなどの代替のインターロックに気付くであろう。そうした代替形態はすべて、特許請求の範囲の文言によって除外されない限り、本発明の範囲内である。
【0090】
本発明を、リザーバアセンブリを含むニードルアセンブリに関して記載してきた。しかしながら、当業者は、本発明のリザーバアセンブリの概念が、アンプル、カートリッジ、バッグまたはベロー型の可撓性リザーバなど、他の種類のリザーバアセンブリに容易に適用可能であることを、直ちに理解するであろう。当業者には、本発明の概念が他の種類の医療デバイスに容易に適用可能であることも明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8