特許第6295346号(P6295346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295346
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/648 20060101AFI20180305BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20180305BHJP
【FI】
   H01R13/648
   H01R12/71
【請求項の数】1
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-569719(P2016-569719)
(86)(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公表番号】特表2017-517118(P2017-517118A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】IB2015001211
(87)【国際公開番号】WO2015181629
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2016年11月28日
(31)【優先権主張番号】201420289128.X
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420288762.1
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】イー ツェ ホー
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−158766(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3109294(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0159747(US,A1)
【文献】 特表2004−537836(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3151487(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/648
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
別の嵌合コネクタとの嵌合に適した電気コネクタであって、
第1の絶縁部品と、該第1の絶縁部品に固定された複数の第1の端子と、を有する第1の端子モジュールであって、前記第1の絶縁部品が、第1のベース部分と、該第1のベース部分から前方へ延出する第1の舌状部分と、を有し、該第1の舌状部分が、互いに反対側にある第1の結合面および第1の嵌合面を有し、各第1の端子の一端が、前記第1のベース部分から前方へ延出し、前記第1の嵌合面上に露出された第1の嵌合部分を形成し、各第1の端子の他端が、前記第1のベース部分から外側へ延出し、第1の半田付け部分を形成する、第1の端子モジュールと、
前記第1の絶縁部品と共に組み立てられた第2の絶縁部品と、該第2の絶縁部品に固定された複数の第2の端子と、を有する第2の端子モジュールであって、前記第2の絶縁部品が、第2のベース部分と、該第2のベース部分から前方へ延出する第2の舌状部分と、を有し、該第2の舌状部分が、前記第1の結合面に向く第2の結合面と、該第2の結合面の反対側の第2の嵌合面と、を有し、各第2の端子の一端が、前記第2のベース部分から前方へ延出し、前記第2の嵌合面上に露出された第2の嵌合部分を形成し、各第2の端子の他端が、前記第2のベース部分から外側へ延出し、第2の半田付け部分を形成する、第2の端子モジュールと、を備える、結合体と、
前記第1の端子モジュールと前記第2の端子モジュールとの間に置かれた接地金属板と、
前記第1の舌状部分の外側空間および前記第2の舌状部分の外側空間を取り囲み、かつ、前記嵌合コネクタの挿入のための嵌合空洞を形成する、外側遮蔽シェルと、を備え
前記第1の絶縁部品が、前記第2の絶縁部品に向く面上に少なくとも第1の固定機構を更に有し、前記第2の絶縁部品には、前記第1の固定機構と協働すると共にそれに固定される第2の固定機構が設けられ、前記接地金属板が、前記第1の固定機構および前記第2の固定機構に対応する貫通孔と共に少なくとも形成され、前記第1の固定機構および前記第2の固定機構が、それぞれ、互いと協働する固定突出支柱および固定孔であり、前記第1の固定機構が、前記接地金属板の貫通孔を通過して、前記第2の固定機構と係合する、電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタに関し、特に、単純構成を有し、かつ容易に組み立てられる電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタのデータ伝送、電力供給、および電磁遮蔽の質を改善するために、異なる機能を有する複数の端子が、従来の電気コネクタでは電気コネクタの絶縁体上に設けられることが多く、遮蔽部材が、端子のデータ伝送の間の電磁干渉を削減するように絶縁体に埋め込まれる。
【0003】
しかしながら、端子もしくは遮蔽部材または同様のものが電気コネクタに加えられるとき、典型的には、電気コネクタの構成全体の複雑性が著しく増大され、例えば、中国特許出願第201320378153.0号は、電気コネクタを開示し、複数の異なる組み立て構成が、組み立てのために遮蔽部材または同様のものと協働するようにそれぞれ成形されることが要求され、それによって、電気コネクタの構成を複雑にし、ひいては、製造費用を増大させる。なおその上に、電気コネクタの端子が、絶縁体の舌部の2つの反対側面上にそれぞれ設けられ、それによって、組み立ての困難性を改善し、構成およびアセンブリ処理を複雑にする。その上、従来の電気コネクタは、電磁放射が一旦、絶縁体を通過して後方へ漏れると、全ての電磁放射を十分に遮蔽することができず、負の効果が、端子の尾部分に加えられ、それによって、信号伝送の質を下げる。したがって、従来の電気コネクタについて依然として改善される余地がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本開示の目的は、単純構成を有し、かつ容易に組み立てられる電気コネクタを提供することにある。
【0005】
本開示の別の目的は、より良い電磁遮蔽効果を有する電気コネクタを提供することにある。
【0006】
したがって、本開示の電気コネクタは、別の嵌合コネクタとの嵌合に適している。ある実施形態では、電気コネクタが、結合体、接地金属板、および外側遮蔽シェルを備える。結合体は、第1の端子モジュールおよび第2の端子モジュールを備える。第1の端子モジュールは、第1の絶縁部品と、第1の絶縁部品に固定された複数の第1の端子と、を有する。第1の絶縁部品は、第1のベース部分と、第1のベース部分から前方へ延出する第1の舌状部分と、を有する。第1の舌状部分は、互いに反対側の第1の結合面および第1の嵌合面を有する。各第1の端子の一端は、第1のベース部分から前方へ延出し、第1の嵌合面上に露出された第1の嵌合部分を形成し、各第1の端子の他端は、第1のベース部分から外側へ延出し、第1の半田付け部分を形成する。
【0007】
第2の端子モジュールは、第1の絶縁部品と共に組み立てられた第2の絶縁部品と、第2の絶縁部品に固定された複数の第2の端子と、を有する。第2の絶縁部品は、第2のベース部分と、第2のベース部分から前方へ延出する第2の舌状部分と、を有する。第2の舌状部分は、第1の結合面に向く第2の結合面と、第2の結合面の反対側の第2の嵌合面と、を有する。各第2の端子の一端は、第2のベース部分から前方へ延出し、第2の嵌合面上に露出された第2の嵌合部分を形成し、各第2の端子の他端は、第2のベース部分から外側へ延出し、第2の半田付け部分を形成する。接地金属板は、第1の端子モジュールと第2の端子モジュールとの間に置かれる。外側遮蔽シェルは、第1の舌状部分の外側空間および第2の舌状部分の外側空間を取り囲み、嵌合コネクタの挿入のための嵌合空洞を形成する。
【0008】
ある実施形態では、第1の絶縁部品が、第2の絶縁部品に向く面上に第1の固定機構を少なくとも更に有し、第2の絶縁部品には、第1の固定機構と協働すると共にそれに固定された第2の固定機構が設けられている。
【0009】
ある実施形態では、接地金属板が、第1の固定機構および第2の固定機構に対応する貫通孔と共に少なくとも形成され、第1の固定機構および第2の固定機構は、それぞれ、互いと協働する固定突出支柱および固定孔であり、第1の固定機構は、接地金属板の貫通孔を通過して、第2の固定機構と係合する。
【0010】
ある実施形態では、接地金属板の2つの反対の位置にある面が、第1の舌状部分の第1の結合面および第2の舌状部分の第2の結合面上にそれぞれ取り付けられ、接地金属板には、第1の舌状部分および第2の舌状部分の外にそれぞれ露出された2つの嵌合側縁が設けられている。
【0011】
ある実施形態では、第1の端子モジュールの構成および第2の端子モジュールの構成が同じであり、固定された脚部が、第1の絶縁部品および第2の絶縁部品の各々からそれぞれ延出する。
【0012】
ある実施形態では、第1の端子モジュールが、第2の端子モジュールの上に設けられ、少なくとも固定された脚部が、第2の絶縁部品の第2のベース部分から下方へ延出する。
【0013】
ある実施形態では、電気コネクタが、結合体に設けられた内側遮蔽シェルを更に備え、内側遮蔽シェルが、外側遮蔽シェルと第1のベース部分および第2のベース部分との間に位置付けられ、第1の舌状部分および第2の舌状部分の少なくとも後方区分を覆う。
【0014】
ある実施形態では、内側遮蔽シェルが、固定区分および延出区分を備え、固定区分が、外側遮蔽シェルの内面に当接し、第1のベース部分または第2のベース部分に固定され、延出区分が、第1の舌状部分および第2の舌状部分の後方区分を覆う。
【0015】
ある実施形態では、内側遮蔽シェルが、第1の絶縁部品および第2の絶縁部品上にそれぞれ取り付けられている2つの金属板を備え、各金属板が、第1の舌状部分の後方区分または第2の舌状部分の後方区分上に取り付けられている前方延出板と、対応する第1のベース部分または対応する第2のベース部分上に取り付けられている後方延出板と、前方延出板および後方延出板に垂直な接続板と、を有する。
【0016】
ある実施形態では、各前方延出板の前方端が、案内前方縁を形成し、間隙が、各案内前方縁と各結合体との間に形成され、案内前方縁が結合体の方へわずかにずれることを可能にする。
【0017】
ある実施形態では、結合体の両側が、前方延出板の両側にそれぞれ隣接した2つの受け入れ溝と共に更に形成され、各受け入れ溝の後方側が、垂直に延出して第1のベース部分および第2のベース部分を貫通するチャネルを有し、各金属板が、対応する前方延出板の両側に設けられた2つの固定突出タブを更に有し、各固定突出タブが、対応する前方延出板から延出し、かつ隣接した受け入れ溝の中に延出して対応するチャネルの上に掛止めする。
【0018】
ある実施形態では、各金属板が、結合体から離れる方向に延出する少なくとも接続弾性タブを更に有し、各接続弾性タブが、外側遮蔽シェルと係合される。
【0019】
ある実施形態では、電気コネクタが、結合体、接地金属板、外側遮蔽シェル、および内側遮蔽シェルを備える。結合体は、本体と、本体から前方へ突出する舌部と、を有する絶縁体であって、舌部が、上面および下面を有する、絶縁体と、上部列および下部列に分割され、絶縁体に固定された複数の端子であって、各端子が、舌部の前方へ延出して舌部の外に露出された接触部分と、絶縁体の外に延出する尾部分と、を有し、上部列における端子の接触部分が、舌部の上面上に露出され、下部列における端子の接触部分が、舌部の下面上に露出される、複数の端子と、を備える。接地金属板は、結合体に固定され、上部列における端子と下部列における端子との間に位置付けられた板である。外側遮蔽シェルは、絶縁体と係合し、嵌合空洞を画定するように舌部の外側空間を取り囲む。内側遮蔽シェルは、外側遮蔽シェルの内側に位置付けられ、結合体の表面上に設けられ、内側遮蔽シェルは、上部金属板および下部金属板を有し、上部金属板は、結合体から離れる方向に延出する接続弾性タブを少なくとも有し、接続弾性タブは、外側遮蔽シェルに接続される。
【0020】
ある実施形態では、下部金属板が、結合体から離れる方向に延出する接続弾性タブを少なくとも有し、接続弾性タブが、外側遮蔽シェルに接続される。
【0021】
ある実施形態では、下部金属板が、結合体から離れる方向に延出する半田付け脚部を少なくとも有し、半田付け脚部が、外側遮蔽シェルの外に延出し、接地を達成するために対応する回路基板に半田付けされる。
【0022】
ある実施形態では、接地金属板が、第1の遮蔽部分と、第1の遮蔽部分から延出する第2の遮蔽部分と、を備え、第1の遮蔽部分が、絶縁体に固定され、第2の遮蔽部分および端子の尾部分が、同じ方向に沿って絶縁体の外に延出する。
【0023】
ある実施形態では、外側遮蔽シェルが、接地を達成するために回路基板に半田付けされる半田付け脚部を少なくとも有する。
【0024】
ある実施形態では、絶縁体が、第1の絶縁部品および第2の絶縁部品によって組み立てられ、上部列における端子が、第1の絶縁部品に埋め込まれ、下部列における端子が、第2の絶縁部品に埋め込まれ、接地金属板が、第1の絶縁部品と第2の絶縁部品との間に置かれる。
【0025】
ある実施形態では、第1の絶縁部品が、第1のベース部分と、第1のベース部分から前方へ延出する第1の舌状部分と、を備え、上部列における端子の接触部分が、第1の舌状部分の外へ露出され、第2の絶縁部品が、第2のベース部分と、第2のベース部分から前方へ延出する第2の舌状部分と、を備え、下部列における端子の接触部分が、第2の舌状部分の外へ露出され、第1の舌状部分および第2の舌状部分が、絶縁体の舌部を形成するように組み立てられ、第1のベース部分および第2のベース部分が、絶縁体の本体を形成するように組み立てられる。
【0026】
本開示の効果は、以下のようである。すなわち、第1の端子モジュールおよび第2の端子モジュールの設計によって、第1の端子および第2の端子が、最初に、第1の絶縁部品の側面および第2の絶縁部品の側面上にそれぞれ固定され得、次いで、第1の端子モジュールおよび第2の端子モジュールが、組み立てられ、接地金属板をそれらの間に置き、それによって、組み立て処理の困難性を減らす。その上、接地金属板は、露出された嵌合側縁を有し、電気コネクタには、内側遮蔽シェルが設けられており、それによって、電気コネクタにより良い電磁遮蔽効果を達成させる。更に、内側遮蔽シェルおよび外側遮蔽シェルが、接続弾性タブ経由で接続され、内側遮蔽シェルは、外側遮蔽シェル経由で接地効果を達成し得、それによって、電気コネクタにより良い電磁遮蔽効果を達成させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示の実施形態の前述および他の特徴ならびに効果は、図面を参照して、実施形態を通して明らかになる。
【0028】
図1】本開示の電気コネクタの第1の実施形態を例示する斜視図である。
図2】本開示の第1の実施形態の構成要素を例示する分解斜視図である。
図3】別の角度から見た本開示の第1の実施形態の構成要素を例示する分解斜視図である。
図4】内側遮蔽シェルの2つの金属板間の組み立て関係を例示する分解斜視図である。
図5】結合体の構成要素を例示する分解斜視図である。
図6】別の角度から見た結合体の構成要素を例示する分解斜視図である。
図7】第1の実施形態の前方側を例示する前面図である。
図8】第1の実施形態の内側部分を例示する図7のVIII−VIII線に沿って取られた断面図である。
図9】第1の実施形態が別の嵌合コネクタと嵌合されることを例示する斜視図である。
図10】本開示の第2の実施形態の電気コネクタが回路基板上に設けられることを例示し、電気コネクタとプラグコネクタの嵌合関係を例示する斜視図である。
図11】第2の実施形態が回路基板上に設けられることを例示する斜視図である。
図12】第2の実施形態の外側遮蔽シェルと絶縁体の結合関係を例示する分解斜視図である。
図13】別の角度から見た図12の図である。
図14】第2の実施形態の内側遮蔽シェルと絶縁体の結合関係を例示する分解斜視図である。
図15】別の角度から見た図14の図である。
図16】第2の実施形態の接地金属板、半田付け脚部位置付け部材、および絶縁体間の結合関係を例示する分解斜視図である。
図17】別の角度から見た図16の図である。
図18】第2の実施形態の端子と絶縁体の第1の絶縁部品および第2の絶縁部品との結合関係を例示する分解斜視図である。
図19】別の角度から見た図18の図である。
図20】実施形態を例示する前面図である。
図21図20のXII−XII線に沿って取られた断面図である。
図22図20のXIII−XIII線に沿って取られた断面図である。
図23】第2の実施形態の端子空隙部分と端子尾部分の機能的関係を例示する斜視図である。
図24】第2の実施形態の端子空隙部分と端子尾部分の機能的関係を例示する図23の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の前述および他の技術的内容、特徴、ならびに効果は、図面と組み合わせて2つの特定の実施形態についての以下の発明を実施するための形態を通して明らかになる。
【0030】
図1図3を参照すると、本開示の電気コネクタの第1の実施形態が例示される。具体的に、第1の実施形態は、別の嵌合コネクタ7の挿入および接続に適したレセプタクルコネクタである(図9を参照)。電気コネクタ300は、結合体100と、結合体100に固定された接地金属板3(図5を参照)と、結合体100を取り囲む外側遮蔽シェル4と、外側遮蔽シェル4の内側に位置付けられ、結合体100の表面上に設けられた内側遮蔽シェル5と、を備える。
【0031】
図4図6を参照すると、結合体100は、互いと組み立てられた第1の端子モジュール1および第2の端子モジュール2を備える。第1の端子モジュール1は、第1の絶縁部品11と、第1の絶縁部品11に埋め込まれた複数の第1の端子12と、を有する。第1の絶縁部品11は、第1のベース部分111と、第1のベース部分111の前方側から前方へ延出する第1の舌状部分112と、第2の端子モジュール2に下向きに向く2つの第1の固定機構115と、を有する。第1の舌状部分112は、第2の端子モジュール2に下向きに向く第1の結合面113と、第1の結合面113とは反対の第1の嵌合面114と、を有する。第1の端子12は、第1のベース部分111に固定され、第1の端子12の前方端は、第1のベース部分111から前方へ延出して第1の嵌合面114上に露出された第1の嵌合部分121を形成し、第1の端子12の後方端は、第1のベース部分111から外側へ延出して回路基板8に半田付けされる第1の半田付け部分122を形成する(図7および図8を参照)。
【0032】
第2の端子モジュール2の構成は、第1の端子モジュール1の構成と同じであり、第2の端子モジュール2の構成および第1の端子モジュール1の構成は、180度回転対称にある。第2の端子モジュール2は、第1の絶縁部品11に対して上向きに組み立てられた第2の絶縁部品21と、第2の絶縁部品21に埋め込まれた複数の第2の端子22と、を有する。第2の絶縁部品21は、適所に第1のベース部分111に対応する第2のベース部分211と、第2のベース部分211の前方側から前方へ延出して、適所に第1の舌状部分112に対応する第2の舌状部分212と、第1の絶縁部品11の第1の固定機構115と共に協働してそれに固定される2つの第2の固定機構215と、を有する。第2の舌状部分212は、第1の結合面113に上向きに向く第2の結合面213と、第2の結合面213とは反対の第2の嵌合面214と、を有する。第2の端子22の前方端は、第2のベース部分211から前方へ延出し、第2の嵌合面214上に露出された第2の嵌合部分221を形成し、第2の端子22の後方端は、第2のベース部分211から外側へ延出し、回路基板8に半田付けされる第2の半田付け部分222を形成する(図7および図8を参照)。
【0033】
結合体100は、第1のベース部分111の後方側および第2のベース部分211の後方側にそれぞれ設けられた2つの固定された脚部101と、結合体100の左側および右側上にそれぞれ形成され、第1の舌状部分112の後方区分および第2の舌状部分212の後方区分にそれぞれ隣接した2つの受け入れ溝102と、第1のベース部分111の上面および第2のベース部分211の下面上にそれぞれ形成された4つの凹部分104と、を更に備える。2つの固定された脚部101は、第1の絶縁部品11の後方側および第2の絶縁部品21の後方側からそれぞれ延出し、かつ第1の絶縁部品11および第2の絶縁部品21から遠く離れる方向へ後方へ延出し、回路基板8を通過してそれに固定される(図7および図8を参照)。
【0034】
接地金属板3は、第1の端子モジュール1と第2の端子モジュール2との間に置かれ、それによって、第1の舌状部分112および第2の舌状部分212によって組み立てられた舌部の構成の強度を上げ、第1の端子12および第2の端子22間の高周波信号のクロストークを減らす。接地金属板3の2つの反対側の面は、第1の舌状部分112の第1の結合面113および第2の舌状部分212の第2の結合面213上にそれぞれ取り付けられ、接地金属板3には、それぞれ左側および右側において第1の舌状部分112および第2の舌状部分212の外に露出された2つの嵌合側縁31と、接地金属板3を垂直に貫通する4つの貫通孔32と、が設けられている。4つの貫通孔32は、第1の絶縁部品11の2つの第1の固定機構115および第2の絶縁部品21の2つの第2の固定機構215に対応し、したがって、2つの第1の固定機構115は、接地金属板3の4つの貫通孔32を通過し、2つの第2の固定機構215を固定してそれらと係合し、接地金属板3を同時に位置付ける。第1の実施形態では、具体的に、各第1の固定機構115が、固定突出支柱116および固定孔117を備え、各第2の固定機構215が、固定突出支柱216および固定孔217を備え、それらは、それぞれ、固定孔117および固定突出支柱116と協働する。
【0035】
外側遮蔽シェル4は、結合体100の第1の舌状部分112の外側空間および第2の舌状部分212の外側空間を取り囲み、嵌合コネクタ7の挿入のための嵌合空洞41を形成する。内側遮蔽シェル5は、外側遮蔽シェル4と第1のベース部分111および第2のベース部分211の間に位置付けられ、少なくとも第1の舌状部分112の後方区分および第2の舌状部分212の後方区分を覆い、好ましくは、内側遮蔽シェル5は、嵌合空洞41に向く第1のベース部分111の前面、または嵌合空洞41に向く第2のベース部分211の前面を更に覆う。好ましくは、内側遮蔽シェル5は、第1のベース部分111の前方区分または第2のベース部分211の前方区分に固定されて外側遮蔽シェル4の内面に当接する固定区分51と、第1の舌状部分112の後方区分および第2の舌状部分212の後方区分上に取り付けられてそれらを取り囲む延出区分52と、を有し、それによって、電磁放射が、結合体100を通過して後方へ漏れることを防ぐ。具体的に、実施形態では、内側遮蔽シェル5が、互いと共に組み立てられた2つの金属板53を有する。2つの金属板53は、結合体100の上部側および下部側にそれぞれ位置付けられ、第1の絶縁部品11および第2の絶縁部品21上にそれぞれ取り付けられてそれらに固定される。
【0036】
各金属板53は、実質的に段形状であり、第1の舌状部分112の後方区分または第2の舌状部分212の後方区分上に水平に取り付けられている前方延出板531と、第1のベース部分111の前方区分または第2のベース部分211の前方区分上に水平に取り付けられている後方延出板534と、前方延出板531および後方延出板534を接続して垂直に延出する接続板535と、を有し、2つの固定突出タブ536が、前方延出板531の左側および右側に設けられ、2つの接続弾性タブ537が、結合体100から離れる方向に延出する。各前方延出板531の前方端は、案内前方縁532を形成し、間隙533が、各案内前方縁532および結合体100間に形成され(図7および図8を参照)、したがって、案内前方縁532は、嵌合コネクタ7が嵌合空洞41に挿入されるときに結合体100の方へわずかにずれ得、それは、嵌合コネクタ7の挿入を容易にする。結合体100の左側および右側に位置付けられた2つの受け入れ溝102は、それぞれ、各前方延出板531の左側および右側に隣接し、各受け入れ溝102の後方側は、垂直に延出して第1のベース部分111および第2のベース部分211を貫通するチャネル103を有する。各固定突出タブ536は、対応する前方延出板531から延出し、隣接した受け入れ溝102の中に延出して対応するチャネル103の上に掛止めし、結合体100と係合する。各接続弾性タブ537は、それに対応して凹部分104に受け入れられ、各接続弾性タブ537の端が、外側遮蔽シェル4と弾性的に係合され、それによって、内側遮蔽シェル5は、接地効果を達成するために外側遮蔽シェル4経由で接地される。
【0037】
本開示の電気コネクタ300が嵌合コネクタ7と嵌合されると、各遮蔽構成は、電磁遮蔽効果を改善するように複数の接地回路を生み出すことができる。より具体的には、接地金属板3は、接地回路を形成するように接地金属板3の後方側に位置付けられた回路基板8を接続するだけではなくて、接地金属板3の左側および右側において露出された嵌合側縁31経由で嵌合コネクタ7の外側シェルの金属弾性腕部(図示しない)もまた接続し、それによって、嵌合コネクタ7に接地機能を提供するための別の接地回路を形成する。なおその上に、内側遮蔽シェル5は、接続弾性タブ537経由で外側遮蔽シェル4を接続して接地回路を形成し、かつ、嵌合コネクタ7が挿入されるときに嵌合コネクタ7の接地弾性タブ71(図9を参照)を接続して別の接地回路を形成し、それによって、内側遮蔽シェル5および外側遮蔽シェル4の電磁遮蔽効果を更に改善する。
【0038】
第1の実施形態における第1の端子モジュール1の構成および第2の端子モジュール2の構成は完全に同じであるので、異なる組み立て構成が、別個に成形される必要はなく、第1の端子モジュール1および第2の端子モジュール2は、1種類のみの端子モジュールが必要とされる限り、組み立てられて接地金属板3の間に置かれ、それによって、成形処理および構成全体の複雑性を著しく簡略化することに断固として留意されたい。その上、第1の端子12および第2の端子22は、最初に、第1の絶縁部品11の側面および第2の絶縁部品21の側面上にそれぞれ埋め込まれ得、次いで、組み立てられ得、それによって、組み立て処理の困難性および組み立てデバイスの複雑性を減らす。また、第1の端子モジュール1の第1の端子12の構成および第2の端子モジュール2の第2の端子22の構成は、完全に同じであり、180度回転対称にあるので、対応する嵌合コネクタ7は、嵌合コネクタ7が、適切な配向で電気コネクタ300に挿入されようと、または上下反対の配向で電気コネクタ300に挿入されようと、電気コネクタの端子と適切に係合され得る。
【0039】
結論として、第1の端子モジュール1および第2の端子モジュール2の設計によって、第1の端子12および第2の端子22は、最初に、第1の絶縁部品11の側面および第2の絶縁部品21の側面にそれぞれ埋め込まれ得、次いで、第1の端子モジュール1および第2の端子モジュール2が、組み立てられて、それらの間に接地金属板3を置き、それによって、組み立て処理の困難性および組み立てデバイスの複雑性を減らす。その上、接地金属板3が、第1の端子12および第2の端子22間に設けられ、内側遮蔽シェル5が、結合体100の後方部分に位置付けられ、外側遮蔽シェル4が、第1の舌状部分112および第2の舌状部分212を取り囲むことによって、電気コネクタ300の電磁遮蔽構成が、より良い電磁遮蔽効果を達成するように、複数の接地回路を形成して全遮蔽構成を形成する。また、本開示の目的が、実際に達成される。
【0040】
図10図24を参照すると、本開示の電気コネクタの第2の実施形態が提供される。電気コネクタ300cは、直角コネクタである。
【0041】
図10および図11を参照すると、電気コネクタ300cが、嵌合コネクタ7cの嵌合のために回路基板8cに提供され得る。
【0042】
図11図17を参照すると、電気コネクタ300cが、絶縁体10c、複数の端子20c、外側遮蔽シェル4c、内側遮蔽シェル5c、接地金属板3c、および半田付け脚部位置付け部材6cを備える。
【0043】
絶縁体10cは、第1の絶縁部品11cおよび第2の絶縁部品21cによって組み立てられ、本体13cと、本体13cから前方へ突出する舌部14cと、を有する。本体13cは、広い上面131cと、広い下面132cと、2つの側面133cと、上面131cおよび下面132cを接続する前面134cと、を有する。舌部14cは、本体13cに接続されたベース部分141cと、ベース部分141cから前方へ延出する延出部分142cと、を有する。舌部14cのベース部分141cの厚さは、舌部14cの延出部分142cの厚さよりも大きい。具体的に、第2の実施形態では、第1の絶縁部品11cが、第1のベース部分111cと、第1のベース部分111cから前方へ延出する第1の舌状部分112cと、を備え、第2の絶縁部品21cが、第2のベース部分211cと、第2のベース部分211cから前方へ延出する第2の舌状部分212cと、を備え、第1の舌状部分112cおよび第2の舌状部分212cは、絶縁体10cの舌部14cを形成するように組み立てられ、第1のベース部分111cおよび第2のベース部分211cは、絶縁体10cの本体13cを形成するように組み立てられる。
【0044】
図18および図19を参照して組み合わせると、端子20cは、絶縁体10cにおいて固定され、各端子20cは、舌部14cの延出部分142cの外に露出された接触部分201cと、絶縁体10cの本体13cの外に後方へ延出する尾部分202cと、を有する。上部列における端子20cの接触部分201cは、舌部14cの延出部分142cの上面143c上に露出され、下部列における端子20cの接触部分201cは、舌部14cの延出部分142cの下面144c上に露出される。特に、端子20cは、上部列および下部列に分割され、上部列における端子20cが、第1の絶縁部品11cに埋め込まれ、下部列における端子20cが、第2の絶縁部品21cに埋め込まれる。上部列における端子20cの接触部分201cは、第1の舌状部分112cの外へ露出され、上部列における端子20cの尾部分202cは、第1のベース部分111cの外へ後方へ延出し、下部列における端子20cの接触部分201cは、第2の舌状部分212cの外に露出され、下部列における端子20cの尾部分202cは、第2のベース部分211cの外へ後方へ延出する。各列における端子20cは、前方へ突出する4つの端子20cと、4つの端子20cに対して後方へ位置付けられた8つの端子20cと、を備える。前方へ突出する4つの端子20cにおいて、両側上に位置付けられた2つの長い端子20cが、接地のために使用され、中央に位置付けられた2つの長い端子20cが、電力を供給するために使用される。8つの短い端子20cは、2つの高速差動信号対、中心に位置付けられた低速差動信号対、および2つの制御端子を備える。上部列における端子20cの接触部分201cおよび下部列における端子20cの接触部分201cは、舌部14cに対して180度対称にあり、それによって、嵌合コネクタ7cを180度だけ逆にさせ、電気コネクタ300cに挿入させる。
【0045】
絶縁体10cおよび端子20cの組み立てられた構成は、第1の実施形態の結合体100と同等であることを理解されたい。上部列における端子20cおよび第1の絶縁部品11cの組み立てられた構成は、第1の実施形態の第1の端子モジュール1と同等であり、下部列における端子20cおよび第2の絶縁部品21cの組み立てられた構成は、第1の実施形態の第2の端子モジュール2と同等である。
【0046】
外側遮蔽シェル4cは、絶縁体10cと結合され、嵌合空洞41cを画定するように舌部14cの外側空間を取り囲み、回路基板8cに固定される4つの半田付け脚部42cを有する。絶縁体10cの前面134cは、嵌合空洞41cに向く。
【0047】
内側遮蔽シェル5cは、舌部14cのベース部分141cと、本体13cの上面131c、下面132c、および前面134cと、を覆い、内側遮蔽シェル5cを位置付けるための複数の固定突出タブ536c、538cを有する。具体的に、内側遮蔽シェル5cは、第1の金属板54cおよび第2の金属板55cを備える。第1の金属板54cは、ベース部分141cを覆う前方延出板531cと、前方延出板531cの後方端から垂直に曲げられて延出する接続板535cと、水平にかつ接続板535cの上部端から後方へ延出する後方延出板534cと、を有する。第2の金属板55cは、ベース部分141cを覆う前方延出板531cと、前方延出板531cの後方端から垂直に曲げられて延出する接続板535cと、水平にかつ接続板535cの下部端から後方へ延出する後方延出板534cと、を有する。2つの前方延出板531cは、舌部14cのベース部分141cの上部側および下部側をそれぞれ覆い、2つの接続板535cは、本体13cの前面134cを覆い、2つの後方延出板534cは、本体13cの上面131cおよび下面132cをそれぞれ覆う。換言すれば、第1の金属板54cおよび第2の金属板55cは、舌部14cのベース部分141cの上部側および下部側を一緒に覆う。すなわち、内側遮蔽シェル5cが、その中の端子20cを取り囲むように、舌部14cのベース部分141cを覆い、内側遮蔽シェル5cと各端子20cとの間に間隙がある。いくつかの簡略された実施形態(図示しない)では、内側遮蔽シェル5cがまた、舌部14cのベース部分141cのみを覆うように、または舌部14cのベース部分141cおよび本体13cの前面134cのみを覆うように設けられ得、それによって、接地遮蔽効果をある程度達成し、嵌合空洞41cにおける電磁放射が、絶縁体10cを通過して後方へ漏れ、端子20cの尾部分202cに影響を及ぼすことを防ぎ、したがって、端子20cの信号伝送の質を改善して、電磁放射が電気コネクタ300cの外側に漏れることを防ぐという目的が達成される。
【0048】
絶縁体10cは、舌部14cのベース部分141cの両側に隣接して垂直に延出する2つのチャネル135cと、上面131cおよび下面132c上にそれぞれ形成された複数の掛止め溝136cと、上面131c上に形成された2つの受け入れ凹部分137cと、を更に有する。いくつかの同等の実施形態では、2つのチャネルの後方端が、本体13cの前方または本体13cと舌部14cの間の接合部(図示しない)へと終端され、4つの固定突出タブ536cが、2つの前方延出板531cの2つの横側にそれぞれ形成され、対応するチャネル135cに挿入されて掛止めし、それによって、2つの前方延出板531cを固定する目的を達成する。具体的に、実施形態では、2つのチャネル135cが、後方へ所定の深さで絶縁体10cの本体13cの中に更に延出して本体13cを垂直に貫通し、4つの固定突出タブ536cの後方部分が、本体13cによってチャネル135cに掛止めされるように、本体13c上に形成されたチャネル135cに挿入され、それによって、4つの固定突出タブ536cが、外側に広がって変形することを防ぎ、好ましくは、4つの固定突出タブ538cは、2つの後方延出板534cの2つの横側にそれぞれ形成され、第1の金属板54cおよび第2の金属板55cの固定を強化するように、対応する掛止め溝136c内に挿入されて掛止めし、他の2つの半田付け脚部59cが、接続板535cおよび第2の金属板55cの後方延出板534c上に形成され、各半田付け脚部59cが、外側遮蔽シェル4cの方へ前方延出板531cから外側へ延出し、外側遮蔽シェル4cが、対応する半田付け脚部59cを受け入れるための2つの対応する開口部43cを有し、それによって、接地効果を形成して固定効果を提供するように、開口部43cに対応する半田付け脚部59cが、回路基板8(図20図21を参照)に半田付けされる。第1の金属板54cは、接続板535cおよび後方延出板534c上に形成された2つの接続弾性タブ537cを更に有し、2つの接続弾性タブ537cは、前方延出板531cから外側に延出して外側遮蔽シェル4c(図21を参照)に接触し、それによって、内側遮蔽シェル5cおよび外側遮蔽シェル4cが接地および補助固定効果を形成する。
【0049】
好ましくは、内側遮蔽シェル5cの前方縁が、少なくとも1つの弧状案内部分を有し、舌部14cが、案内部分に対応する少なくとも1つの受け入れチャネルを更に有し、各案内部分の前方端縁と各受け入れチャネルの間に間隙が存在し、それによって、案内部分が受け入れチャネルの中にわずかにずれる。具体的に、実施形態では、第1の金属板54cが、前方延出板531cの前方縁上に形成されて弧状形状を有する案内前方縁532cを更に有し、第2の金属板55cが、前方延出板531cの前方縁上に形成されて弧状形状を有する案内前方縁532cを更に有する。舌部14cは、2つの案内前方縁532cをそれぞれ受け入れるように、ベース部分141cの上面143cおよび下面144c上にそれぞれ形成された2つの受け入れチャネル145c(図21を参照)を更に有する。嵌合コネクタ7c(図10を参照)と電気コネクタ300cの嵌合処理の間、2つの案内前方縁532cが、遅延性なくして、嵌合コネクタ7cの嵌合前方縁73cを容易に通過させ得る。また、嵌合コネクタ7cが電気コネクタ300cと嵌合された後、嵌合コネクタ7cの複数の上部接地弾性タブ71cおよび複数の下部接地弾性タブ71cが、内側遮蔽シェル5cの2つの前方延出板531と接触および嵌合して接地効果を達成し得、それによって、第1の接地遮蔽構成を形成して、電磁放射が絶縁体10cを通過して後方へ漏れることを防ぐ。外側遮蔽シェル4cは、嵌合コネクタ7cの遮蔽外側シェル72cに接触して第2の接地遮蔽構成を形成し、それによって、嵌合空洞41cの外側空間の全体を取り囲むおよび遮蔽する効果を効果的に達成する。
【0050】
図16図19を参照すると、接地金属板3cが、第1の絶縁部品11cと第2の絶縁部品21cとの間に置かれる。接地金属板3cは、上部列における端子20cと下部列における端子20cの間に位置付けられた板であり、第1の遮蔽部分33cおよび第1の遮蔽部分33cから延出する第2の遮蔽部分35cと、第1の遮蔽部分33cから後方へそれぞれ延出して絶縁体10cの外に延出し、第2の遮蔽部分35cの両側間に位置付けられた2つの接地脚部36cと、を備える。第1の遮蔽部分33cは、絶縁体10cに固定され、第2の遮蔽部分35cおよび端子20cの尾部分202cは、同じ方向に沿って絶縁体10cの外へ延出する。具体的に、第2の遮蔽部分35cは、接地金属板3cの第1の遮蔽部分33cの後方端から下向きに曲げられて垂直に延出することによって形成され、横方向に沿って上部列における端子20cの尾部分202cと下部列における端子20cの尾部分202cとの間に延出する。実施形態では、第2の絶縁部品21cが、複数の固定突出支柱116cを有し、第1の絶縁部品11cが、固定突出支柱116cとそれぞれ係合される複数の固定孔117cを有し、接地金属板3cが、対応する固定突出支柱116cを通過するために第1の遮蔽部分33c上に形成された複数の貫通孔32cを有する。勿論、同等の実施形態では、第1の絶縁部品11cが、複数の固定突出支柱を有し得、第2の絶縁部品21cが、複数の固定孔を有し得る。接地金属板3cは、舌部14cの強度を高めることができ、上部列における端子20cと下部列における端子20cとの間の信号伝送間の高周波クロストークを減らすことができ、特に、第2の遮蔽部分35cが、横方向に沿って上部列における端子20cの尾部分202cと下部列における端子20cの尾部分202cとの間に延出し、それによって、遮蔽効果を更に高め、接地脚部36cの接地によって端子20cの電気性能を改善する。なおその上に、図10および図12を参照すると、舌部14cが、延出部分142cの両側からそれぞれ凹んだ2つの掛止め部分146cを更に有し、接地金属板3cの側縁の部分が、これらの掛止め部分146cの外にそれぞれ露出され、したがって、嵌合コネクタ7cおよび電気コネクタ300cが嵌合されるときに、嵌合コネクタ7cの掛止め弾性タブ(図示しない)が、対応する掛止め部分146cの上に掛止めして接地金属板3cに接触し得、嵌合コネクタ7cが、接地金属板3cの接地脚部36c経由で接地され、嵌合コネクタ7cのより良い接地効果が達成される。
【0051】
図18図21を参照すると、半田付け脚部位置付け部材6cおよび絶縁体10cの本体13cが、一緒に係合および固定される。特に、半田付け脚部位置付け部材6cは、第2の絶縁部品21cの後方側と係合され、第1の絶縁部品11cの下に位置付けられ、第2の絶縁部品21c上の制限溝118cと係合するように、半田付け脚部位置付け部材6cの両側からそれぞれ突出する2つの掛止めブロック61cと、端子20cの尾部分202cおよび接地金属板3cの接地脚部36cを通過して位置付けるために垂直に貫通する複数の位置付け孔62c、63cと、を有し、それによって、尾部分202cおよび接地脚部36cが変形されることを防ぐ。実施形態では、下部列における端子20cの尾部分202cが、真っ直ぐに、垂直に、かつ下向きに延出して半田付け脚部を形成し、それは、ビア半田付け(via soldering)のために使用される。上部列における端子20cの尾部分202cの端部は、曲げられて半田付け脚部を形成し、それは、表面半田付け(surface soldering)のために使用され、下部列における端子20cの尾部分202cの後ろに位置付けられ、後方列における半田付け脚部位置付け部材6cの位置付け孔63cが、上部列における端子20cの尾部分202cを通過するために半田付け脚部位置付け部材6cの後方側面を更に貫通する。その上、半田付け脚部位置付け部材6cは、位置付け凹部分64cを更に有し、それに対応して、接地金属板3cの第2の遮蔽部分35cの端(図22を参照)を受け入れ、位置付け凹部分64cは、上部列における対応する端子20cを受け入れる位置付け孔63cと、下部列における対応する端子20cを受け入れる位置付け孔62cとの間に位置付けられる。
【0052】
図19および図22図24を参照すると、第1の絶縁部品11cが、第2の絶縁部品21cに対して更に後方へ突出し、端子空隙部分15cが、第2の絶縁部品21cに対して更に後方へ突出する第1の絶縁部品11cの部分の下部面から突出する。接地金属板3cの後方部分には、端子空隙部分15cを通過するための開口部34cが設けられている。図22図24を参照すると、端子空隙部分15cが、中央に位置付けられた下部列における2つの端子20cの尾部分202cに当接し、それは、端子20cの尾部分202cが回路基板8cに取り付けられるときに、端子20cの尾部分202cが、上向きに曲げられ変形され、接地金属板3cに接触して短絡を引き起こすことを防ぐように、他の端子20cに対して更に後方へ突出する。
【0053】
結論として、本開示の電気コネクタ300cは、舌部14cの強度を高めて、接地金属板3cによって端子20cの信号伝送間の高周波クロストークを減らし、第2の遮蔽部分35cが、横方向に沿って上部列における端子20cの尾部分202cと下部列における端子20cの尾部分202cとの間に延出し、それによって、遮蔽効果を更に上げ、電気性能を改善する目的を達成し、接地遮蔽効果を更に上げる。その上、絶縁体10cが、第1の絶縁部品11cおよび第2の絶縁部品21cによって組み立てられ、次いで、端子20cの尾部分202cおよび接地金属板3cの接地脚部36cを通過して位置付けるために半田付け脚部位置付け部材6cと共に更に組み立てられ、したがって、絶縁構成要素が、3つのサブ構成要素によって組み立てられ、それは、電気コネクタ300cの小型化に有益であり、電気コネクタ300cの製造および組み立てをより容易にさせる。
【0054】
しかしながら、上記したものは、本開示の単に実施形態にすぎず、本開示の実現形態の範囲は、それに限定されず、すなわち、特許請求の範囲および本開示の記載内容に従ってなされる単純な同等の変形および修正が、本開示の保護範囲に更に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
参照番号は、以下のように表わされる。
【0056】
300、300c 電気コネクタ
100 結合体
101 固定された脚部
102 受け入れ溝
103 チャネル
104 凹部分
10c 絶縁体
20c 端子
201c 接触部分
202c 尾部分
1 第1の端子モジュール
11、11c 第1の絶縁部品
111、111c 第1のベース部分
112、112c 第1の舌状部分
113 第1の結合面
114 第1の嵌合面
115 第1の固定機構
116、116c 固定突出支柱
117、117c 固定孔
118c 制限溝
12 第1の端子
121 第1の嵌合部分
122 第1の半田付け部分
13c 本体
131c 上面
132c 下面
133c 側面
134c 前面
135c チャネル
136c 掛止め溝
137c 受け入れ凹部分
14c 舌部
141c ベース部分
142c 延出部分
143c 上面
144c 下面
145c 受け入れチャネル
146c 掛止め部分
15c 端子空隙部分
2 第2の端子モジュール
21、21c 第2の絶縁部品
211、211c 第2のベース部分
212、212c 第2の舌状部分
213 第2の結合面
214 第2の嵌合面
215 第2の固定機構
216 固定突出支柱
217 固定孔
22 第2の端子
221 第2の嵌合部分
222 第2の半田付け部分
3、3c 接地金属板
31 嵌合側縁
32、32c 貫通孔
33c 第1の遮蔽部分
34c 貫通孔
35c 第2の遮蔽部分
36c 接地脚部
4、4c 外側遮蔽シェル
41、41c 嵌合空洞
42c 半田付け脚部
43c 開口部
5、5c 内側遮蔽シェル
51 固定区分
52 延出区分
53 金属板
54c 第1の金属板
55c 第2の金属板
59c 半田付け脚部
531、531c 前方延出板
532、532c 案内前方縁
533 間隙
534、534c 後方延出板
535、535c 接続板
536、536c、538c 固定突出タブ
537、537c 接続弾性タブ
6c 半田付け脚部位置付け部材
61c 掛止めブロック
62c 位置付け孔
63c 位置付け孔
64c 位置付け凹部分
7、7c 嵌合コネクタ
71、71c 接地弾性タブ
72c 遮蔽外側シェル
73c 嵌合前方縁
8、8c 回路基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24