特許第6295449号(P6295449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295449
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】プラグインブレーカの接続相表示機構
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/16 20060101AFI20180312BHJP
   H01H 71/08 20060101ALI20180312BHJP
   H01H 71/04 20060101ALI20180312BHJP
   H01H 73/02 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   H01H73/16
   H01H71/08
   H01H71/04
   H01H73/02 B
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-41417(P2014-41417)
(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公開番号】特開2015-167100(P2015-167100A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】南 和孝
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4683552(JP,B2)
【文献】 特開2015−156291(JP,A)
【文献】 特開2011−081921(JP,A)
【文献】 特許第4118100(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/16
H01H 71/04
H01H 71/08
H01H 73/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下2カ所に配置されたプラグ端子部を移動させることにより、上下3段に積層された母線バーとの接続相を変更することができるプラグインブレーカの接続相表示機構であって、
該プラグインブレーカを構成する筐体内には、前記上下2カ所のプラグ端子部の配置組み合わせの全パターンを、筺体外から識別可能とする単一部材からなる表示部材を備え、
該表示部材は、前記全パターンを識別可能に表示する表示部と、
前記プラグ端子部の状態に応じて、前記表示部材を移動させる当接部を備えることを特徴とするプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項2】
前記表示部は、「L1相−N相(100V)」、「L2相−N相(100V)」、「L1相−L2相(200V)」の3種を識別可能に表示することを特徴とする請求項1記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項3】
前記当接部を、前記表示部材の1箇所に形成し、
該当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されるプラグ端子部との当接状態に応じて、前記表示部材を移動させることを特徴とする請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項4】
前記上下2カ所に配置されたプラグ端子部を、ブレーカの幅方向で左右にずらして配置したことを特徴とする請求項3記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項5】
前記当接部を、前記表示部材の上下2箇所に形成し、
上下2箇所の当接部は、
前記上下3段に積層された母線バーのうち、
上段と中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、
または、上段と下段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、
または、中段と下段の母線バーと接続する位置に配置されるプラグ端子部との当接状態、に応じて前記表示部材を移動させることを特徴とする請求項2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項6】
前記当接部を、前記表示部材の上下3箇所に形成し、
該当接部のうち、上側の当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、上段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、
該当接部のうち、中央寄りの当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、
該当接部のうち、下側の当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、下段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、に応じて前記表示部材を移動させることを特徴とする請求項2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項7】
前記プラグ端子部を共に、筺体の幅方向で、左右何れか同一方向に偏らせて配置したことを特徴とする請求項1記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグインブレーカの接続相表示機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源側のプラグを回転させることによりプラグの接続相を変更することができるプラグインブレーカにおいて、プラグインされた状態でプラグの接続相を把握する技術として、一方のプラグを保持するプラグ固定部材と係合して揺動される電圧表示部材をケース上面付近に設ける技術(特許文献1)や、2つのプラグの各々を保持する回転ホルダーに歯車を設け、この歯車と係合して動く表示部材の配置の組み合わせにより、接続相を識別する技術(特許文献2)が開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1の技術は、単相3線式のブレーカにおいて、2つのプラグの内、下方のプラグを固定することを前提として、100Vと200Vの識別を行うものであり、2つのプラグともに移動させるタイプのブレーカでは、プラグの接続相を具体的に識別することができず、不都合である。
【0004】
一方、特許文献2の技術によれば、プラグの接続先(3相3線式のブレーカでは「R相−S相」、「S相−T相」、「R相−T相」の各組み合わせの何れかを具体的に識別可能となるが、プラグごとに歯車と表示部材が必要であり、部品点数が増加して構造が複雑化する問題や、ブレーカの筐体サイズが大きくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4118100号公報
【特許文献2】特許第4683552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は前記問題を解決し、電源側のプラグを回転させることによりプラグの接続相を変更することができるプラグインブレーカにおいて、特許文献2の技術と比べて、少ない部品点数で、かつ、簡易な構造で、プラグの接続相を具体的に識別可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明のプラグインブレーカの接続相表示機構は、上下2カ所に配置されたプラグ端子部を移動させることにより、上下3段に積層された母線バーとの接続相を変更することができるプラグインブレーカの接続相表示機構であって、該プラグインブレーカを構成する筐体内には、前記上下2カ所のプラグ端子部の配置組み合わせの全パターンを、筺体外から識別可能とする単一部材からなる表示部材を備え、該表示部材は、前記全パターンを識別可能に表示する表示部と、前記プラグ端子部の状態に応じて前記表示部を移動させる当接部を備えることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記表示部は、「L1相−N相(100V)」、「L2相−N相(100V)」、「L1相−L2相(200V)」の3種を識別可能に表示することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記当接部を、前記表示部材の1箇所に形成し、該当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されるプラグ端子部との当接状態に応じて、前記表示部材を移動させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記上下2カ所に配置されたプラグ端子部を、ブレーカの幅方向で左右にずらして配置したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記当接部を、前記表示部材の上下2箇所に形成し、上段と中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、または、上段と下段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、または、中段と下段の母線バーと接続する位置に配置されるプラグ端子部との当接状態、に応じて前記表示部材を移動させることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記当接部を、前記表示部材の上下3箇所に形成し、該当接部のうち、上側の当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、上段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、該当接部のうち、中央寄りの当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、該当接部のうち、下側の当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、下段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態、に応じて前記表示部材を移動させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項1記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記プラグ端子部を共に、筺体の幅方向で、左右何れか同一方向に偏らせて配置したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、上下2カ所に配置されたプラグ端子部を移動させることにより、上下3段に積層された母線バーとの接続相を変更することができるプラグインブレーカの接続相表示機構において、プラグインブレーカを構成する筐体内に、前記上下2カ所のプラグ端子部の配置組み合わせの全パターンを、筺体外から識別可能とする単一部材からなる表示部材を備え、該表示部材は、前記全パターンを識別可能に表示する表示部と、前記プラグ端子部の状態に応じて前記表示部材を移動させる当接部を備えるものとし、特許文献2の技術と比べて、少ない部品点数で、かつ、簡易な構造で、電源側のプラグを回転させることによりプラグの接続相を変更することができるプラグインブレーカにおいて、プラグインされた状態でプラグの接続相を具体的に識別可能とすることができる。
【0015】
請求項2記載の発明のように、前記表示部は、「L1相−N相(100V)」、「L2相−N相(100V)」、「L1相−L2相(200V)」の3種を識別可能に表示することにより、単相3線式のブレーカにおいて、100Vと200Vの識別に留まらず、プラグの接続相を具体的に識別することができる。
【0016】
請求項3記載の発明のように、前記当接部を、前記表示部材の1箇所に形成し、該当接部は、前記上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子部との当接状態に応じて、前記表示部材を移動させ、請求項4記載の発明のように、前記上下2カ所に配置されたプラグ端子部を、ブレーカの幅方向で左右にずらして配置させることにより、最もシンプルな構造で上記本発明の効果を奏することができる。
【0017】
請求項7記載の発明のように、前記プラグ端子部を共に、筺体の幅方向で、左右何れか同一方向に偏らせて配置することにより、従来の筐体を幅方向に拡張させることなく、表示部材を筐体内に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】プラグインブレーカの全体斜視図である。
図2】実施形態1を説明するプラグインブレーカの要部断面斜視図である。
図3】実施形態1を説明するプラグインブレーカの要部断面図である。
図4】表示部材の全体斜視図である。
図5】実施形態2の説明するプラグインブレーカの要部断面図である。
図6】実施形態3の説明するプラグインブレーカの要部断面図である。
図7】実施形態4の説明するプラグインブレーカの要部断面図である。
図8】実施形態5の説明するプラグインブレーカの要部断面図である。
図9】実施形態3の別の形態を示すプラグインブレーカの要部断面図である。
図10】実施形態3の別の形態を示すプラグインブレーカの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
【0020】
図1は、本発明の接続相表示機構を組み込んだプラグインブレーカの全体斜視図であり、筺体1の内部には、プラグ端子金具21、22及びプラグ固定部材3からなるプラグ端子部2が上下2段に設けられている。これらのプラグ端子部2を回転させることにより、上下3段に積層された母線バーとの接続相を、3相3線式のブレーカでは「R相−S相」、「S相−T相」、「R相−T相」の各組み合わせの何れか、単相3線式のブレーカでは、「L1相−N相」、「L2相−N相」、「L1相−L2相」の各組み合わせの何れかに変更することができる。
【0021】
(実施形態1)
図2は、プラグ端子部2側の筐体1の外郭を断面とし、プラグ端子部2の状態を示した要部断面斜視図である。図2に示すように、プラグ端子金具21、22は、金属片を図示の通りの略U字形状に折り曲げ、母線バーにプラグインできる形状となっている。また各プラグ端子金具21、22は、プラスチックからなる絶縁性のプラグ固定部材3の片面(上下何れかの面)に固定され、プラグ端子部2を構成している。このプラグ固定部材3は軸受部に支持させることによって回転できるようになっており、この回転操作を行うための操作部4が形成されている。
【0022】
プラグ端子金具21、22の回転操作は、筺体1の前面カバー25を開放し、プラグ端子金具21、22とプラグ固定部材3を露出させた後、プラグ固定部材3の操作部4に工具を挿入して行われる。なお、プラグ端子金具21、22の上下移動は、回転によらず、摺動によるものとすることもできる。
【0023】
図2図3に示すように、筺体の何れか一方の内側面5とプラグ端子金具21、22との間に形成される空間6には、弾性部材7を介して、プラグ端子金具21、22の上下2カ所の配置組み合わせの全パターンを、筺体外から識別可能とする表示部材8が配置されている。
【0024】
本実施形態の表示部材8は、図4に示すように単一部材からなるもので、略コ字状に形成され、その上端部には、「L1相−N相(100V)」、「L2相−N相(100V)」、「L1相−L2相(200V)」の3種を識別可能に表示する表示部9が形成されている。表示部における識別方法は、特に限定されず、色分けや、文字の印字あるいは刻印等、任意の方法を用いることができる。
【0025】
本実施形態の表示部材8の下端部には、図3図4に示すように、上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子金具21、22と当接、または当接しない3種の状態に応じて、弾性部材7を変形させながら、表示部材8を、筐体1の幅方向で左右に移動させる当接部10を備えている。ここで、図2図3に示すように、弾性部材7の一端は表示部材8に当接し、他端は筐体1の内側面5に保持されている。本実施形態においては、前面カバー25を閉じることによってプラグ端子金具21,22側に移動することを規制したり、プラグ端子金具21、22に表示部材8が当接するように形成しており、つまり、前面カバー25の開閉によって表示部材8の移動及び移動規制を行うようにしている。なお、弾性部材7の他端を前面カバー25に保持させておき、前面カバー25を閉じる際に当接部10がプラグ端子金具21,22と当接、または、当接しない3種の状態を検出するものであっても良い。
【0026】
筐体1の上面には、表示部9に表示された3種の識別記号(色、印字、刻印、マーク等)のうち、何れか1つのみを、筺体外から視認可能とした表示孔11が形成されている。
【0027】
本実施形態では、図3に示すように、プラグ端子金具21と22は、各々、ブレーカの幅方向で左右にずらして配置されている。具体的には、上側のプラグ端子金具21を、筺体の一方の内側面5寄りに配置し、下側のプラグ端子金具22を、筺体幅方向の中央寄りに配置している。このため、弾性部材7の縮み量は、「下側のプラグ端子金具22が、中段の母線バーと接続する位置に配置されているとき(図3−b)>上側のプラグ端子金具21が、中段の母線バーと接続する位置に配置されているとき(図3−c)>何れのプラグ端子金具21、22も中段の母線バーと接続する位置に配置されていないとき(図3−a)」となる。弾性部材7の縮み量が変化するのに伴って、表示部材8は左右に移動し、表示孔11の直下には、3種の識別記号(色、印字、刻印、マーク等)の何れかが配置される。また、弾性部材8は本実施形態ではバネ部材から形成しているものであるが、バネ部材には限らず、少なくとも、当接部10がプラグ端子金具21,22側に付勢するような構造であれば良い。
【0028】
また、本実施形態では、プラグ端子金具21、22は、共に、筺体の幅方向で、左一方向に偏らせて配置して、その結果、右側に形成された空間に表示部材を配置することにより、筺体のコンパクト化を図っている。なお、本実施形態においては、表示部材8の当接部10はプラグ端子部2のプラグ端子金具21、22の当接状態に応じて表示部9を移動する構造としているが、後述するように、プラグ固定部材3の当接状態に応じて、表示部9を移動する構造としても良いものである。
【0029】
(実施形態2)
上記実施形態では、プラグ端子金具21と22を、各々、ブレーカの幅方向で左右にずらして配置することにより、各プラグ端子金具21、22が、中段の母線バーと接続する位置に配置されているときの弾性部材7の縮み量に違いを持たせていたが、本実施形態では、図5に示すように、プラグ端子金具21と22を、ブレーカの幅方向で同一ライン上に配置し、何れか一方のプラグ端子金具21、22(図5では、プラグ端子金具22)に、プラグ端子金具21,22が、中段の母線バーと接続する位置に配置されているときに当接部10と当接するブロック部12を形成することにより、弾性部材7の縮み量に変化をつけている。弾性部材7の縮み量が変化するのに伴って、表示部材8は左右に移動し、表示孔11の直下には、3種の識別記号(色、印字、刻印、マーク等)の何れかが配置される点は、上記実施形態1と同様である。
【0030】
(実施形態3)
上記実施形態1、2では、1つの弾性部材7を用いて、弾性部材7を変形させながら、表示部材8全体を筐体の幅方向で左右に水平移動させていたが、本実施形態では、図6に示すように、表示部材8の中央付近に表示部材8の回転軸13を設け、回転軸13を挟んで、上下位置の各々に、一端を表示部材8に、他端を筐体の内側面5に固定させた弾性部材14、15を設けている。弾性部材14、15は同一のばね定数を有する。
【0031】
本実施形態では、図6に示すように、回転軸13を中心として、表示部材8を回動させることにより、表示孔11の直下に配置される識別記号(色、印字、刻印、マーク等)が変化するようになっている。
【0032】
表示部材8が、略コ字状に形成され、その上端部には、「L1相−N相(100V)」、「L2相−N相(100V)」、「L1相−L2相(200V)」の3種を識別可能に表示する表示部9が形成されている点は、上記実施形態1、2と同様であるが、表示部9に、当接部16としての機能も持たせている。
【0033】
当接部16は、上下3段に積層された母線バーのうち、上段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子金具21と当接、または当接しない状態、当接部10は、上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子金具21,22と当接、または当接しない状態となり、各々の当接部10,16の当接状態に応じて表示部9を移動する構造としている。
【0034】
具体的には、図6−bに示すように、プラグ端子金具21が上段の母線バーと接続する位置に配置され、プラグ端子金具22が中段の母線バーと接続する位置に配置されている場合には、上記2つの当接部10、16の双方が、各々、プラグ端子金具21,22と当接して、弾性部材14、15の縮み量は均一となるため、表示部材8は、垂直位置に配置される。
【0035】
図6−aに示すように、プラグ端子金具21が中段の母線バーと接続する位置に配置され、プラグ端子金具22が下段の母線バーと接続する位置に配置されている場合には、上記2つの当接部のうち、下側の当接部10のみが、プラグ端子金具21と当接し、弾性部材の縮み量は、「弾性部材15>弾性部材14」となるため、表示部材8は回転軸13を中心として、図6−bの状態から反時計回りに回動する。
【0036】
図6−cに示すように、プラグ端子金具21が上段の母線バーと接続する位置に配置され、プラグ端子金具22が下段の母線バーと接続する位置に配置されている場合には、上記2つの当接部のうち、上側の当接部16のみが、プラグ端子金具21と当接し、弾性部材の縮み量は、「弾性部材14>弾性部材15」となるため、表示部材8は回転軸13を中心として、図6−bの状態から時計回りに回動する。第3の実施形態においては、上段及び中段に位置されるプラグ端子金具21,22の状態に応じて、2つの当接部10,16の当接状態により、表示部9を移動するように形成しているが、図9のように上段及び下段に位置されるプラグ端子金具21,22の当接状態に応じて表示部9を移動するもの、図10のように中段及び下段に位置されるプラグ端子金具21,22の当接状態に応じて表示部9を移動するものであっても良い。
【0037】
(実施形態4)
本実施形態は、図7に示すように、回転軸13を中心として、表示部材8を回動させることにより、表示孔11の直下に配置される識別記号(色、印字、刻印、マーク等)が変化するようになっている点および、表示部9に、当接部16としての機能も持たせている点は、上記実施形態3と同様であるが、本実施形態の表示部材8は、回転軸13に隣接した位置にも、当接部17を設けている。
【0038】
また、回転軸13挟んで、上下位置の各々に、一端を表示部材8に、他端を筐体の内側面5に固定させた弾性部材14、15を設けている点も、上記実施形態3と同様であるが、本実施形態では、上側の弾性部材14は上側の当接部16に隣接する位置に配置し、下側の弾性部材15は下側の当接部17に隣接する位置に配置している。
【0039】
当接部16は、上下3段に積層された母線バーのうち、上段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子金具21と当接、または当接しない状態、当接部17は、上下3段に積層された母線バーのうち、中段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子金具21,22と当接、または当接しない状態、当接部10は、上下3段に積層された母線バーのうち、下段の母線バーと接続する位置に配置されたプラグ端子金具22と当接、または当接しない状態となり、各々の当接部10,16,17の当接状態に応じて表示部9を移動する構造としている。
【0040】
具体的には、図7−cに示すように、プラグ端子金具21が上段の母線バーと接続する位置に配置され、プラグ端子金具22が中段の母線バーと接続する位置に配置されている場合には、当接部16がプラグ端子金具21と当接し、当接部10がプラグ端子金具22と当接して、弾性部材14、15の縮み量は均一となるため、表示部材8は、垂直位置に配置される。
【0041】
図7−aに示すように、プラグ端子金具21が中段の母線バーと接続する位置に配置され、プラグ端子金具22が下段の母線バーと接続する位置に配置されている場合には、当接部17がプラグ端子金具21と当接し、当接部15がプラグ端子金具22と当接して、弾性部材の縮み量は、「弾性部材15>弾性部材14」となるため、表示部材8は回転軸13を中心として、図7−cの状態から反時計回りに回動する。
【0042】
図7−bに示すように、プラグ端子金具21が上段の母線バーと接続する位置に配置され、プラグ端子金具22が下段の母線バーと接続する位置に配置されている場合には、当接部16がプラグ端子金具21と当接し、当接部17がプラグ端子金具22と当接して、弾性部材の縮み量は、「弾性部材14>弾性部材15」となるため、表示部材8は回転軸13を中心として、図7−cの状態から時計回りに回動する。
【0043】
(実施形態5)
上記実施形態では、何れも、表示部9を筐体内で左右に移動させて、表示部9に表示された3種の識別記号のうち、何れか1つのみを、筺体に形成した表示孔11から視認可能としていたが、本実施形態では、図8に示すように、表示部9を上下に移動可能としている。本実施形態においては、表示部材8の当接部はプラグ端子部2のプラグ固定部材3の当接状態に応じて、表示部9を移動する構造となっている。
【0044】
プラグ端子金具21、22を、保持するプラグ固定部材31、32には、各々、突起部18、19が形成され、表示部材8には、突起部18、19と当接して、表示部材8を垂直方向に移動させる当接部20、23が形成されている。
【0045】
表示部材8の下端付近には、弾性部材26が挿入され、表示部材8を垂直方向に移動可能としている。突起部18には、表示部材8が所定位置より上方へ移動する動きを規制する規制部としての機能も持たせている。
【0046】
具体的には、図8−aに示すように、突起部18、19が、何れも、当接部20、23と当接していない場合には、弾性部材26の縮み量が最小となり、表示部材8の先端が表示孔11から突出する。なお、この際に当接部20は筐体の内側面5に当接し表示部材8の移動を規制する。図8−bに示すように、プラグ端子金具22を回動すると突起部19が当接部23と当接している場合には、弾性部材の縮み量が、図8−aの状態より大きくなり、表示部材8の先端が表示孔11と略同一位置まで押し下げられる。図8−cに示すように、プラグ端子金具21を回動すると、突起部18、19が、何れも、当接部20、23と当接している場合には、弾性部材の縮み量が最大となり、表示部材8の先端が表示孔11より低い位置まで押し下げられる。このように、上下2箇所の当接部20,23の当接状態に応じて、表示部材8を移動させる構造となっている。
【符号の説明】
【0047】
1 筺体
2 プラグ端子部
21、22 プラグ端子金具
3、31、32 プラグ固定部材
4 操作部
5 筺体の内側面
6 空間
7 弾性部材
8 表示部材
9 表示部
10 当接部
11 表示孔
12 ブロック部
13 回転軸
14、15 弾性部材
16 当接部
17 当接部
18、19 突起部
20、23 当接部
25 前面カバー
26 弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10