特許第6295688号(P6295688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6295688蓄電素子、蓄電モジュール及び蓄電素子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295688
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】蓄電素子、蓄電モジュール及び蓄電素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/02 20060101AFI20180312BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20180312BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20180312BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20180312BHJP
【FI】
   H01M2/02 A
   H01M2/10 E
   H01G11/78
   H01G11/10
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-17509(P2014-17509)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-144099(P2015-144099A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2016年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 好浩
【審査官】 小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−156049(JP,A)
【文献】 特開2010−097865(JP,A)
【文献】 特開2009−266691(JP,A)
【文献】 特開2012−022895(JP,A)
【文献】 特開2006−093144(JP,A)
【文献】 特開2013−093225(JP,A)
【文献】 特開2006−069136(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0145747(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02
H01M 2/10
H01G 11/10
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二容器を有する第二蓄電素子に隣接して配置される、第一容器を備える第一蓄電素子であって、
前記第一容器には、前記第二蓄電素子に対向する外面に第一絶縁層が形成されており、
前記第一絶縁層は、前記第二容器の前記第一蓄電素子に対向する外面に形成された第二絶縁層と噛み合う凹部または凸部である凹凸部を有し、
前記凹凸部は、前記第一容器の外面に対して傾斜した傾斜面を有する
蓄電素子。
【請求項2】
前記凹凸部は、前記第一容器の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの前記傾斜面を有する
請求項1に記載の蓄電素子。
【請求項3】
前記凹凸部は、前記第一容器の外面に平行な面での断面積が、当該外面から離れるほど小さくなるように形成されている
請求項1または2に記載の蓄電素子。
【請求項4】
第二容器を有する第二蓄電素子に隣接して配置される、第一容器を備える第一蓄電素子であって、
前記第一容器には、前記第二蓄電素子に対向する外面に第一絶縁層が形成されており、
前記第一絶縁層は、前記第二容器の前記第一蓄電素子に対向する外面に形成された第二絶縁層と噛み合う凹部または凸部である凹凸部を有し、
前記凹凸部は、前記第一容器の外面に平行な面での断面積が、当該外面から離れるほど小さくなるように形成されている
蓄電素子。
【請求項5】
前記凹凸部は、大きさの異なる粒子により形成されている
請求項に記載の蓄電素子。
【請求項6】
第一容器を有する第一蓄電素子と、第二容器を有する第二蓄電素子とを備える蓄電モジュールであって、
前記第一容器には、前記第二蓄電素子に対向する外面に第一絶縁層が形成されており、
前記第二容器には、前記第一蓄電素子に対向する外面に第二絶縁層が形成されており、
前記第一絶縁層は、前記第二絶縁層と噛み合う凹部または凸部である凹凸部を有し、
前記凹凸部は、前記第一容器の外面に対して傾斜した傾斜面を有する
蓄電モジュール。
【請求項7】
第一容器を有する第一蓄電素子と、第二容器を有する第二蓄電素子とを備える蓄電モジュールであって、
前記第一容器には、前記第二蓄電素子に対向する外面に第一絶縁層が形成されており、
前記第二容器には、前記第一蓄電素子に対向する外面に第二絶縁層が形成されており、
前記第一絶縁層は、前記第二絶縁層と噛み合う凹部または凸部である凹凸部を有し、
前記凹凸部は、前記第一容器の外面に平行な面での断面積が、当該外面から離れるほど小さくなるように形成されている
蓄電モジュール。
【請求項8】
第二容器を有する第二蓄電素子に隣接して配置される、第一容器を備える第一蓄電素子の製造方法であって、
前記第一容器の外面に第一絶縁層を形成する絶縁層形成工程を含み、
前記絶縁層形成工程では、前記第一絶縁層に、前記第二容器の前記第一蓄電素子に対向する外面に形成された第二絶縁層と噛み合う凹部または凸部である凹凸部であって、前記第一容器の外面に対して傾斜した傾斜面を有する凹凸部、または、前記第一容器の外面に平行な面での断面積が当該外面から離れるほど小さくなるように形成されている凹凸部を形成する
蓄電素子の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層形成工程では、塗装によって前記第一絶縁層に前記凹凸部を形成する
請求項8に記載の蓄電素子の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁層形成工程では、大きさの異なる粒子を前記第一容器の外面に塗布することにより、前記絶縁層の表面粗さを粗くして、当該表面粗さが粗い前記凹凸部を形成する
請求項9に記載の蓄電素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を備える蓄電素子、当該蓄電素子を備える蓄電モジュール、及び蓄電素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な環境問題への取り組みとして、ガソリン自動車から電気自動車への転換が重要になってきている。このため、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を複数有する蓄電モジュールを動力源に用いた電気自動車の開発が進められている。ここで、このような蓄電モジュールにおいては、内部で蓄電素子が揺れると蓄電素子間を接続するバスバーが破断してしまうなどの不具合が生じるため、当該蓄電素子が揺れるのを抑制する必要がある。
【0003】
このため、従来、蓄電モジュール内部で蓄電素子が揺れるのを抑制するために、蓄電素子の容器の外表面に樹脂製のリブを設け、隣り合う蓄電素子の容器に設けられたリブと嵌合させることで、蓄電素子を位置決めする構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この蓄電素子においては、射出成形によって容器の外側にリブを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−266690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の蓄電素子では、容器の外側にリブを設ける必要があるため、省スペース化を図ることができないという問題がある。
【0006】
つまり、上記従来の構成では、隣り合う蓄電素子双方の金属製の容器の外側に、別体の樹脂製のリブを設けて、当該リブ同士が嵌合することで、蓄電モジュール内部で蓄電素子が揺れるのを抑制する。このため、蓄電モジュール内部で蓄電素子が配置された状態で、隣り合う蓄電素子の容器間に大きな隙間が生じてしまい、省スペース化を図ることができない。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、揺れを抑制するとともに省スペース化を図ることができる蓄電素子、蓄電モジュール及び蓄電素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、容器を備える蓄電素子であって、前記容器には、外面に絶縁層が形成されており、前記絶縁層は、凹部または凸部である凹凸部を有する。
【0009】
これによれば、蓄電素子において、容器の外面には凹凸部を有する絶縁層が形成されている。このため、当該蓄電素子の容器の凹凸部が隣接する蓄電素子の容器の凹凸部と噛み合うことで、蓄電素子間での揺れを抑制することができる。また、別体のリブを容器の外側に配置する従来の構成などに比べ、容器に絶縁層を形成する方が、薄く絶縁層を形成することができるため、省スペース化を図ることができる。これにより、当該蓄電素子によれば、揺れを抑制するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0010】
また、前記絶縁層は、塗装によって容器の外面に形成されていることにしてもよい。
【0011】
これによれば、蓄電素子において、静電塗装などの塗装によって容器に絶縁層を形成することで、従来の射出成形によって容器の外側にリブを形成する場合などに比べ、強度が高く薄い絶縁層を簡易に形成することができる。
【0012】
また、前記絶縁層は、容器本体の外面に形成されており、前記凹凸部は、前記容器本体の外面に対して傾斜した傾斜面を有することにしてもよい。
【0013】
これによれば、蓄電素子において、容器の凹凸部は、容器本体の外面に対して傾斜した傾斜面を有するため、当該傾斜面で、隣接する蓄電素子の側面に当接する。このため、当該蓄電素子によれば、高い精度が要求されることなく、蓄電素子間での揺れを抑制することができる。
【0014】
また、前記凹凸部は、前記容器本体の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの前記傾斜面を有することにしてもよい。
【0015】
これによれば、蓄電素子において、容器の凹凸部は、容器本体の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの傾斜面を有するため、蓄電素子の上下方向及び前後方向などの異なる2方向における蓄電素子間での揺れを抑制することができる。
【0016】
また、前記凹凸部は、前記容器本体の外面に平行な面での断面積が、当該外面から離れるほど小さくなるように形成されていることにしてもよい。
【0017】
これによれば、蓄電素子において、容器の凹凸部は、容器本体の外面から離れるほど断面積が小さくなるように形成されているため、簡易な形状で揺れを抑制することができる絶縁層を形成することができる。
【0018】
また、前記絶縁層には、表面粗さを粗くする加工が施されており、前記凹凸部は、前記絶縁層の表面粗さが粗い部分であることにしてもよい。
【0019】
これによれば、蓄電素子において、容器の絶縁層に表面粗さを粗くする加工を施すことで、簡易に、容器に凹凸部を形成することができる。
【0020】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電モジュールは、第一容器を有する第一蓄電素子と、第二容器を有する第二蓄電素子とを備える蓄電モジュールであって、前記第一容器には、前記第二蓄電素子に対向する外面に第一絶縁層が形成されており、前記第二容器には、前記第一蓄電素子に対向する外面に第二絶縁層が形成されており、前記第一絶縁層及び前記第二絶縁層は、少なくとも一部が互いに係合する凹部または凸部を有する。
【0021】
これによれば、蓄電モジュールにおいて、第一蓄電素子の容器と第二蓄電素子の容器とは、少なくとも一部が互いに係合する凹部または凸部を有する絶縁層が外面に形成されている。このため、例えば第一蓄電素子の容器の凸部と第二蓄電素子の容器の凹部とが噛み合うことで、蓄電素子間での揺れを抑制することができる。また、別体のリブを容器の外側に配置する従来の構成などに比べ、容器に絶縁層を形成する方が、薄く絶縁層を形成することができるため、省スペース化を図ることができる。これにより、当該蓄電モジュールによれば、蓄電素子の揺れを抑制するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0022】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子の製造方法は、容器を備える蓄電素子の製造方法であって、前記容器の外面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程を含み、前記絶縁層形成工程では、前記絶縁層に、凹部または凸部である凹凸部を形成する。
【0023】
これによれば、蓄電素子の製造方法において、蓄電素子の容器の外面に絶縁層を形成する際に、絶縁層に凹凸部を形成する。このため、噛み合うことで蓄電素子間での揺れを抑制する凹凸部を形成することができる。また、別体のリブを容器の外側に配置する従来の場合などに比べ、容器に絶縁層を形成する方が、薄く絶縁層を形成することができるため、省スペース化を図ることができる。これにより、当該蓄電素子の製造方法によれば、蓄電素子の揺れを抑制するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0024】
また、前記絶縁層形成工程では、塗装によって前記絶縁層に前記凹凸部を形成することにしてもよい。
【0025】
これによれば、蓄電素子の製造方法において、蓄電素子の容器の外面に絶縁層を形成する際に、塗装によって絶縁層に凹凸部を形成する。このため、静電塗装などの塗装によって絶縁層に凹凸部を形成することで、従来の射出成形によって容器の外側にリブを形成する場合などに比べ、強度が高く薄い、凹凸部を有する絶縁層を簡易に形成することができる。
【0026】
また、前記絶縁層形成工程では、大きさの異なる粒子を容器本体の外面に塗布することにより、前記絶縁層の表面粗さを粗くして、当該表面粗さが粗い部分である前記凹凸部を形成することにしてもよい。
【0027】
これによれば、蓄電素子の製造方法において、蓄電素子の容器の外面に絶縁層を形成する際に、絶縁層に表面粗さを粗くする加工を施すことで、簡易に、絶縁層に凹凸部を形成することができる。
【0028】
なお、本発明は、このような蓄電素子、蓄電モジュールまたは蓄電素子の製造方法として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子に備えられる容器として実現することもできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明における蓄電素子によれば、揺れを抑制するとともに省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施の形態に係る蓄電モジュールの外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る蓄電素子の容器の容器本体を分離して蓄電素子が備える各構成要素を示す斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係る蓄電素子を上下方向に切断した場合の容器の構成を示す断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る蓄電素子を上下方向に切断した場合の容器の構成を示す断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る蓄電素子の容器本体に絶縁層を配置する工程を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態に係る容器本体に蓋体を取り付ける工程を示す斜視図である。
図9】本発明の実施の形態に係る蓋体が取り付けられた容器本体に絶縁層を塗装する工程を示す斜視図である。
図10】本発明の実施の形態に係る容器本体に塗装した絶縁層に凹凸部を形成する工程を示す斜視図である。
図11】本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール内に複数の蓄電素子が配置されている状態を示す断面図である。
図12】本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図13】本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図14】本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図15】本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図16】本発明の実施の形態の変形例5に係る蓄電素子の製造工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子、当該蓄電素子を備える蓄電モジュール、及び蓄電素子の製造方法について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0032】
(実施の形態)
まず、蓄電モジュール10の構成について、説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール10の外観を示す斜視図である。なお、同図は、外装体300を透視して外装体300内方を示した図となっている。
【0034】
また、同図では、Z軸方向を上下方向(設置状態での重力の作用する方向)として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
【0035】
なお、以下において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示しており、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
【0036】
蓄電モジュール10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる蓄電装置(電池モジュール)である。これらの図に示すように、蓄電モジュール10は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、5つの蓄電素子100a〜100e)と、当該複数の蓄電素子100を電気的に接続するバスバー200と、当該複数の蓄電素子100及びバスバー200等を収容する外装体300とを備えている。
【0037】
なお、蓄電モジュール10は、外装体300の底面部分や側面部分に、複数の蓄電素子100を冷却(水冷却または空気冷却)するための冷却シートや冷却板などの冷却手段を備えていてもよい。また、蓄電モジュール10は、複数の蓄電素子100の充電状態や放電状態を監視するための制御基板なども備えていてもよいが、これらの図示は省略し、詳細な説明も省略する。
【0038】
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。本実施の形態では、5個の矩形状の蓄電素子100が直列に配置されている。
【0039】
なお、蓄電素子100の個数は5個に限定されず、他の複数個数または1個であってもよい。また、蓄電素子100の形状も特に限定されない。また、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。この蓄電素子100の構成の詳細な説明については、後述する。
【0040】
バスバー200は、複数の蓄電素子100の上方に配置される部材である。バスバー200は、金属など導電性の平板状部材であり、複数の蓄電素子100同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー200は、隣接する蓄電素子100において、1の蓄電素子100の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子100の負極端子または正極端子とを電気的に接続する。
【0041】
例えば、バスバー200は、一端が蓄電素子100aの正極端子に接合接続され、他端が蓄電素子100bの負極端子に接続されることで、蓄電素子100aの正極端子と蓄電素子100bの負極端子とを電気的に接続する。また、同様に、バスバー200は、一端が蓄電素子100bの正極端子に接合接続され、他端が蓄電素子100cの負極端子に接続されることで、蓄電素子100bの正極端子と蓄電素子100cの負極端子とを電気的に接続する。このようにして、バスバー200は、複数の蓄電素子100を直列に接続する。
【0042】
なお、バスバー200は、複数の蓄電素子100を並列に接続するように配置されていてもかまわない。また、バスバー200は、本実施の形態では金属製の部材であるが、導電性の部材であれば材質は特に限定されない。また、バスバー200の形状は、平板状には限定されず、棒状などであってもかまわない。
【0043】
外装体300は、蓄電モジュール10の外装体を構成する矩形状の部材である。外装体300は、複数の蓄電素子100を所定の位置に配置し、複数の蓄電素子100を衝撃などから保護する。
【0044】
具体的には、外装体300は、複数の蓄電素子100を載置する載置部材と、複数の蓄電素子100の両側方に配置され当該複数の蓄電素子100を締結するための2つの締結部材と、当該2つの締結部材を接続する接続部材とを有している。これにより、外装体300内に複数の蓄電素子100が収容される。
【0045】
なお、外装体300は、上記の構成には限定されず、箱型の本体部分と蓋部分とを有しており、複数の蓄電素子100が収容される構成であってもかまわない。また、外装体300には、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電するための外部電極端子が設けられているが、図示及び詳細な説明は省略する。
【0046】
次に、蓄電素子100(蓄電素子100a〜100e)について、詳細に説明する。
【0047】
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100(100a)の外観を示す斜視図である。なお、同図では、蓄電素子100のうち蓄電素子100aについて説明するが、蓄電素子100c及び蓄電素子100eについても蓄電素子100aと同様の構成を有するため、蓄電素子100c及び蓄電素子100eについての詳細な説明は省略する。
【0048】
また、図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100(100b)の外観を示す斜視図である。なお、同図では、蓄電素子100のうち蓄電素子100bについて説明するが、蓄電素子100dについても蓄電素子100bと同様の構成を有するため、蓄電素子100dについての詳細な説明は省略する。
【0049】
また、図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100(100a、100b)の容器110(110a、110b)の容器本体111を分離して蓄電素子100が備える各構成要素を示す斜視図である。なお、同図では、蓄電素子100が蓄電素子100aの場合の蓄電素子100aの容器110aの絶縁層140、及び蓄電素子100が蓄電素子100bの場合の蓄電素子100bの容器110bの絶縁層150は、省略して図示している。つまり、蓄電素子100a及び蓄電素子100bにおいて、容器110aから絶縁層140を取り除いた構成と、容器110bから絶縁層150を取り除いた構成とは、同図に示す同じ構成を有している。
【0050】
これらの図に示すように、蓄電素子100(100a、100b)は、容器110(110a、110b)と、正極端子120と、負極端子130とを備えており、容器110(110a、110b)内方には、電極体113と、正極集電部材114と、負極集電部材115とが配置されている。
【0051】
また、容器110(110a、110b)は、容器本体111と、蓋体112と、絶縁層とを有している。具体的には、蓄電素子100aに備えられた容器110aは、容器本体111と、蓋体112と、絶縁層140とを有しており、蓄電素子100bに備えられた容器110bは、容器本体111と、蓋体112と、絶縁層150とを有している。
【0052】
なお、容器110(110a、110b)の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。また、蓋体112などには容器110(110a、110b)内方の圧力を開放する安全弁が配置されていてもよい。
【0053】
容器110(110a、110b)は、金属からなる矩形筒状で底を備え開口部111aが形成された容器本体111と、容器本体111の開口部111aを閉塞する金属製の蓋体112とを有している。また、容器110(110a、110b)は、電極体113等を内部に収容後、蓋体112と容器本体111とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
【0054】
また、容器110aの外面には、絶縁層140が形成され、容器110bの外面には、絶縁層150が形成されている。ここで、絶縁層140及び150は、凹部または凸部である凹凸部を有している。具体的には、絶縁層140は凸部を有し、絶縁層150は凹部を有している。
【0055】
つまり、蓄電モジュール10は、容器110a(第一容器)を有する蓄電素子100a(第一蓄電素子)と、容器110b(第二容器)を有する蓄電素子100b(第二蓄電素子)とを備えている。そして、容器110a(第一容器)には、蓄電素子100b(第二蓄電素子)に対向する外面に絶縁層140(第一絶縁層)が形成されており、容器110b(第二容器)には、蓄電素子100a(第一蓄電素子)に対向する外面に絶縁層150(第二絶縁層)が形成されている。そして、絶縁層140(第一絶縁層)及び絶縁層150(第二絶縁層)は、少なくとも一部が互いに係合する凹部または凸部を有している。この絶縁層140及び150の構成の詳細な説明については、後述する。
【0056】
電極体113は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体113は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを全体が長円形状となるように巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体113の形状は円形状または楕円形状でもよい。
【0057】
正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に、正極活物質層が形成された電極板である。なお、正極活物質層に用いられる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、正極活物質として、LiMPO、LiMSiO、LiMBO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム等のスピネル化合物、LiMO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。
【0058】
負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に、負極活物質層が形成された電極板である。なお、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、負極活物質として、リチウム金属、リチウム合金(リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−錫、リチウム−アルミニウム−錫、リチウム−ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物などが挙げられる。
【0059】
正極端子120は、正極集電部材114を介して、電極体113の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電部材115を介して、電極体113の負極に電気的に接続された電極端子である。
【0060】
つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体113に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体113に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。また、正極端子120及び負極端子130は、電極体113の上方に配置された蓋体112に取り付けられている。
【0061】
正極集電部材114は、電極体113の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と電極体113の正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電部材114は、当該正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などを主成分とする金属で形成されている。
【0062】
負極集電部材115は、電極体113の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体113の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電部材115は、当該負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などを主成分とする金属で形成されている。
【0063】
次に、容器110aが有する絶縁層140及び容器110bが有する絶縁層150について、詳細に説明する。
【0064】
図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100aを上下方向に切断した場合の容器110aの構成を示す断面図である。また、図6は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100bを上下方向に切断した場合の容器110bの構成を示す断面図である。具体的には、これらの図は、蓄電素子100a、100bをYZ平面で切断した場合の容器110a、110bが有する絶縁層140、150の構成を示す断面図であり、電極体113などの容器110a、110bの内部の構成要素は省略して図示している。
【0065】
図2及び図5に示すように、絶縁層140は、塗装によって蓄電素子100aの容器110aの容器本体111の外面に形成された絶縁性を有する絶縁層である。具体的には、絶縁層140は、容器本体111の4側面及び底面に絶縁塗装が施されて形成された絶縁コート層である。さらに具体的には、絶縁層140は、容器本体111の4側面及び底面を覆うように、当該4側面及び底面に絶縁塗料を静電塗装することで形成された絶縁層である。
【0066】
ここで、絶縁層140の材質は、蓄電素子100aに必要な絶縁性を確保できる絶縁層であれば特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂からなる粒子を塗装することによって形成することができる。なお、絶縁層140に用いられる材質としては、エポキシ樹脂の他に、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、カプトン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリイソプレン、及びポリ塩化ビニルなどの絶縁性のポリマーを例示することができる。
【0067】
なお、絶縁層140を形成する絶縁塗装は、静電塗装には限定されない。また、絶縁層140は、高硬度であることなどから上記のように絶縁塗装によって形成するのが好ましいが、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などの樹脂によって形成された絶縁テープを容器本体111の4側面及び底面に貼り付けることにより形成することにしてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、絶縁層140は、蓋体112の上面部(Z軸方向プラス側の面)にも配置されているが、絶縁層140は、蓋体112の上面部には配置されないような構成でもかまわない。
【0069】
ここで、絶縁層140は、容器本体111の外面に形成された凹凸部としての凸部141及び142を有している。つまり、凸部141及び142は、容器本体111の外面から突出した突出状の部位であり、水平方向(電極端子の並び方向:X軸方向)に延びるように形成されている。
【0070】
そして、凸部141は、容器本体111の外面に対して傾斜した傾斜面141a、141bを有しており、凸部142は、容器本体111の外面に対して傾斜した傾斜面142a、142bを有している。つまり、凸部141は、容器本体111の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの傾斜面141a及び141bを有しており、凸部142は、容器本体111の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの傾斜面142a及び142bを有している。
【0071】
傾斜面141aは、容器本体111の側面の上端部(Z軸方向プラス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面から遠ざかるようにY軸方向マイナス側に傾斜した平面状の部位である。また、傾斜面141bは、容器本体111の側面の下端部(Z軸方向マイナス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面から遠ざかるようにY軸方向マイナス側に傾斜した平面状の部位である。
【0072】
また、同様に、傾斜面142aは、容器本体111の側面の上端部(Z軸方向プラス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面から遠ざかるようにY軸方向プラス側に傾斜した平面状の部位である。また、傾斜面142bは、容器本体111の側面の下端部(Z軸方向マイナス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面から遠ざかるようにY軸方向プラス側に傾斜した平面状の部位である。
【0073】
このような構成により、凸部141及び142は、容器本体111の外面から突出して先端が尖ったような形状を有している。つまり、凸部141及び142は、容器本体111の外面に平行な面(XZ平面)での断面積が、当該外面から離れるほど小さくなるように形成されている。
【0074】
なお、絶縁層140の厚みは、蓄電素子100aに必要な絶縁性を確保できるのであれば特に限定されないが、例えば、中央部分の厚い箇所で、200μm、上端部及び下端部(Z軸方向プラス側及びマイナス側の端部)の薄い箇所で、100μm程度である。
【0075】
また、図3及び図6に示すように、絶縁層150は、塗装によって蓄電素子100bの容器110bの容器本体111の外面に形成された絶縁性を有する絶縁層である。具体的には、絶縁層150は、容器本体111の4側面及び底面に絶縁塗装が施されて形成された絶縁コート層である。さらに具体的には、絶縁層150は、容器本体111の4側面及び底面を覆うように、当該4側面及び底面に絶縁塗料を静電塗装することで形成された絶縁層である。
【0076】
ここで、絶縁層150の材質は、蓄電素子100bに必要な絶縁性を確保できる絶縁層であれば特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂からなる粒子を塗装することによって形成することができる。なお、絶縁層150に用いられる材質は、絶縁層140に用いられる材質と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0077】
また、絶縁層150を形成する絶縁塗装は、静電塗装には限定されない。また、絶縁層150は、絶縁層140と同様に、絶縁塗装によって形成するのが好ましいが、絶縁テープを容器本体111の4側面及び底面に貼り付けることにより形成することにしてもよい。また、絶縁層150は、蓋体112の上面部(Z軸方向プラス側の面)にも配置されているが、絶縁層150は、蓋体112の上面部には配置されないような構成でもかまわない。
【0078】
ここで、絶縁層150は、容器本体111の外面に形成された凹凸部としての凹部151及び152を有している。つまり、凹部151及び152は、容器本体111の外面へ向けて凹んだ形状の部位であり、水平方向(電極端子の並び方向:X軸方向)に延びるように形成されている。
【0079】
そして、凹部151は、容器本体111の外面に対して傾斜した傾斜面151a、151bを有しており、凹部152は、容器本体111の外面に対して傾斜した傾斜面152a、152bを有している。つまり、凹部151は、容器本体111の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの傾斜面151a及び151bを有しており、凹部152は、容器本体111の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの傾斜面152a及び152bを有している。
【0080】
傾斜面151aは、容器本体111の側面の上端部(Z軸方向プラス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面に近づくようにY軸方向プラス側に傾斜した平面状の部位である。また、傾斜面151bは、容器本体111の側面の下端部(Z軸方向マイナス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面に近づくようにY軸方向プラス側に傾斜した平面状の部位である。
【0081】
また、同様に、傾斜面152aは、容器本体111の側面の上端部(Z軸方向プラス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面に近づくようにY軸方向マイナス側に傾斜した平面状の部位である。また、傾斜面152bは、容器本体111の側面の下端部(Z軸方向マイナス側の端部)から中央部分に向けて、容器本体111の側面に近づくようにY軸方向マイナス側に傾斜した平面状の部位である。
【0082】
このような構成により、凹部151及び152は、容器本体111の外面に向けて凹んだような形状を有している。つまり、凹部151及び152は、容器本体111の外面に平行な面(XZ平面)での断面積が、当該外面から離れるほど小さくなるように形成されている。なお、凹部151及び152は、絶縁層140に形成された凸部142及び141と係合(嵌合)する形状を有している。詳細については、後述する。
【0083】
なお、絶縁層150の厚みは、蓄電素子100bに必要な絶縁性を確保できるのであれば特に限定されないが、例えば、上端部及び下端部(Z軸方向プラス側及びマイナス側の端部)の厚い箇所で、200μm、中央部分の薄い箇所で、100μm程度である。
【0084】
次に、蓄電素子100を製造する工程のうち、容器本体111に絶縁層を配置する工程について、説明する。なお、以下では、蓄電素子100aの容器本体111に絶縁層140を配置する工程について説明するが、蓄電素子100bの容器本体111に絶縁層150を配置する工程についても同様であるため、蓄電素子100bについての詳細は省略する。
【0085】
図7は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100aの容器本体111に絶縁層140を配置する工程を示すフローチャートである。
【0086】
また、図8は、本発明の実施の形態に係る容器本体111に蓋体112を取り付ける工程を示す斜視図である。また、図9は、本発明の実施の形態に係る蓋体112が取り付けられた容器本体111に絶縁層140aを塗装する工程を示す斜視図である。また、図10は、本発明の実施の形態に係る容器本体111に塗装した絶縁層140aに凹凸部(凸部141及び142)を形成する工程を示す斜視図である。
【0087】
まず、図7に示すように、容器本体111に蓋体112を取り付ける(S102)。具体的には、図8に示すように、容器本体111の開口部111aから、容器本体111の内方に、電極体113等を収容して、容器本体111の上に蓋体112を配置する。そして、容器本体111と蓋体112との境界部分にレーザ光線を照射して、レーザ溶接により、容器本体111に蓋体112を固定する。
【0088】
図7に戻り、次に、蓋体112が取り付けられた容器本体111に絶縁層140aを塗装する(S104)。具体的には、図9の(a)に示すように、容器本体111の4側面及び底面に絶縁塗料P1を静電塗布することで、図9の(b)に示すように、容器本体111の4側面及び底面に絶縁層140aを形成する。例えば、容器本体111をアースに落とし、マイナスに帯電させた粉体状の絶縁塗料P1を容器本体111に吹き付けることで、容器本体111の4側面及び底面に絶縁塗料P1を静電塗布する。
【0089】
また、図9の(b)に示すように、上記の静電塗布後に、容器本体111に形成された絶縁層140aを挟むように、治具410及び420を、容器本体111に形成された絶縁層140aの両側方に配置する。
【0090】
ここで、治具410及び420は、絶縁層140aに凸部141及び142を形成するために、凸部141及び142に合わせて、凹んだ形状を有している。つまり、治具410は、凸部141の傾斜面141a及び141bの傾斜に合わせて、容器本体111の外面に対して傾斜した傾斜面411及び412を有している。また、治具420は、凸部142の傾斜面142a及び142bの傾斜に合わせて、容器本体111の外面に対して傾斜した傾斜面421及び422を有している。
【0091】
図7に戻り、次に、容器本体111に塗装した絶縁層140aに凹凸部(凸部141及び142)を形成する(S106)。具体的には、図10の(a)に示すように、容器本体111に形成された絶縁層140aを、治具410及び420で両側方から挟み込む。そして、図10の(b)に示すように、治具410及び420を容器本体111に形成された絶縁層140aから取り外すことで、絶縁層140aに凸部141及び142が形成される。
【0092】
つまり、治具410の傾斜面411及び412によって傾斜面141a及び141bが形成され、治具420の傾斜面421及び422によって傾斜面142a及び142bが形成されることで、凸部141及び142が形成される。そして、凸部141及び142が形成された絶縁層140を焼結により熱硬化させることで、容器本体111の4側面及び底面に絶縁層140を形成することができる。
【0093】
これにより、凸部141及び142が形成された絶縁層140によって覆われた蓄電素子100aが製造される。つまり、容器110aの容器本体111の外面に絶縁層140を形成する絶縁層形成工程において、塗装によって絶縁層140に凹凸部(凸部141及び142)を形成することで、蓄電素子100aを製造することができる。
【0094】
なお、蓄電素子100bについては、上記の治具410及び420の代わりに、凹部151及び152に合わせて突出した形状を有する治具を用いることで、凹部151及び152が形成された絶縁層150によって覆われた蓄電素子100bを製造することができる。
【0095】
なお、上記では、容器本体111に蓋体112を取り付けた(図7のS102)後に、容器本体111に絶縁層140aを塗装する(図7のS104)こととしたが、容器本体111に絶縁層140aを塗装した後に、容器本体111に蓋体112を取り付けることにしてもよい。例えば、塗装工程で高温にさらす必要がある場合には、セルの劣化を防ぐために、容器本体111に絶縁層140aを塗装して絶縁層140aに凹凸部を形成した後に、容器本体111に蓋体112を取り付けるのが好ましい。
【0096】
また、容器本体111への絶縁層140aの塗装は、上記の粉体塗料による塗装には限定されず、例えば液体塗料による塗装を施すことにしてもかまわない。
【0097】
次に、蓄電モジュール10内における複数の蓄電素子100が有する絶縁層140及び絶縁層150の配置位置について、説明する。
【0098】
図11は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール10内に複数の蓄電素子100が配置されている状態を示す断面図である。具体的には、同図は、蓄電モジュール10をYZ平面で切断した場合の複数の蓄電素子100が有する絶縁層140及び絶縁層150の配置位置を示す断面図であり、電極体113などの容器110の内部の構成要素は省略して図示している。
【0099】
同図に示すように、複数の蓄電素子100のうちの蓄電素子100a、100c及び100eの容器110a、110c及び110eには、蓄電素子100b及び100dに対向する外面に絶縁層140が形成されている。また、蓄電素子100b及び100dには、蓄電素子100a、100c及び100eに対向する外面に絶縁層150が形成されている。
【0100】
そして、蓄電素子100a、100c及び100eの容器110a、110c及び110eのそれぞれの絶縁層140には、凸部141及び142が形成されている。また、蓄電素子100b及び100dの容器110b及び110dのそれぞれの絶縁層150には、凹部151及び152が形成されている。
【0101】
そして、凸部141及び142と、凹部151及び152とは、少なくとも一部が互いに係合するように配置されている。具体的には、凸部141と凹部152とが係合し、凸部142と凹部151とが係合するように配置されている。つまり、凸部141と凹部152とは、傾斜面141aと傾斜面152a、及び傾斜面141bと傾斜面152bとで係合する。また、凸部142と凹部151とは、傾斜面142aと傾斜面151a、及び傾斜面142bと傾斜面151bとで係合する。
【0102】
なお、絶縁層140及び絶縁層150は、全面同士が当接していなくともよい。つまり、複数の蓄電素子100は、絶縁層140及び絶縁層150の一部において、当該絶縁層同士が僅かな隙間を空けて配置されていることにしてもよい。
【0103】
また、絶縁層140、150は、容器本体111の両側面ではなく、片方の側面のみに凸部または凹部が形成されている構成でもかまわない。特に、絶縁層140、150は、外装体300に対向する側面には、凸部または凹部が形成されていなくともよいが、外装体300に凹部または凸部が形成され、この外装体300の凹部または凸部に絶縁層140、150の凸部または凹部が係合する構成でもかまわない。
【0104】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100によれば、容器110の外面には凹凸部を有する絶縁層が形成されている。このため、蓄電素子100の容器110の凹凸部が隣接する蓄電素子100の容器110の凹凸部と噛み合うことで、蓄電素子100間での揺れを抑制することができる。これにより、蓄電素子100が揺れると蓄電素子100間を接続するバスバー200が破断してしまうなどの不具合を低減することができる。
【0105】
また、別体のリブを容器の外側に配置する従来の構成などに比べ、容器110に絶縁層を形成する方が、薄く絶縁層を形成することができるため、省スペース化を図ることができる。これにより、蓄電素子100によれば、揺れを抑制するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0106】
また、蓄電素子100において、静電塗装などの塗装によって容器110に絶縁層を形成することで、従来の射出成形によって容器の外側にリブを形成する場合などに比べ、強度が高く薄い絶縁層を簡易に形成することができる。
【0107】
また、蓄電素子100において、容器110の凹凸部は、容器本体111の外面に対して傾斜した傾斜面を有するため、当該傾斜面で、隣接する蓄電素子100の側面に当接する。このため、蓄電素子100によれば、高い精度が要求されることなく、蓄電素子100間での揺れを抑制することができる。
【0108】
また、蓄電素子100において、容器110の凹凸部は、容器本体111の外面に対して異なる2つの方向に傾斜した異なる2つの傾斜面を有するため、蓄電素子100の上下方向及び前後方向などの異なる2方向における蓄電素子100間での揺れを抑制することができる。
【0109】
また、蓄電素子100において、容器110の凹凸部は、容器本体111の外面から離れるほど断面積が小さくなるように形成されているため、簡易な形状で揺れを抑制することができる絶縁層を形成することができる。
【0110】
また、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール10によれば、蓄電素子100aの容器110aと蓄電素子100bの容器110bとは、少なくとも一部が互いに係合する凹部または凸部を有する絶縁層が外面に形成されている。このため、例えば蓄電素子100aの容器110aの凸部と蓄電素子100bの容器110bの凹部とが噛み合うことで、蓄電素子100間での揺れを抑制することができる。また、別体のリブを容器の外側に配置する従来の構成などに比べ、容器110に絶縁層を形成する方が、薄く絶縁層を形成することができるため、省スペース化を図ることができる。これにより、蓄電モジュール10によれば、蓄電素子100の揺れを抑制するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0111】
また、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の製造方法によれば、蓄電素子100の容器110の外面に絶縁層を形成する際に、絶縁層に凹凸部を形成する。このため、噛み合うことで蓄電素子100間での揺れを抑制する凹凸部を形成することができる。また、別体のリブを容器の外側に配置する従来の場合などに比べ、容器110に絶縁層を形成する方が、薄く絶縁層を形成することができるため、省スペース化を図ることができる。これにより、蓄電素子100の製造方法によれば、蓄電素子100の揺れを抑制するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0112】
また、蓄電素子100の製造方法において、蓄電素子100の容器110の外面に絶縁層を形成する際に、塗装によって絶縁層に凹凸部を形成する。このため、静電塗装などの塗装によって絶縁層に凹凸部を形成することで、従来の射出成形によって容器の外側にリブを形成する場合などに比べ、強度が高く薄い、凹凸部を有する絶縁層を簡易に形成することができる。
【0113】
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。上記実施の形態では、蓄電素子100aは、絶縁層140の両側面に、それぞれ1つの凸部として凸部141及び142が形成されていることとした。しかし、本変形例では、蓄電素子の絶縁層の両側面に、それぞれ2つの凸部が形成される。
【0114】
図12は、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子101aの外観を示す斜視図である。
【0115】
同図に示すように、蓄電素子101aは、上記実施の形態における絶縁層140に代えて、絶縁層160を備えている。絶縁層160は、一方の側面に、2つの凸部161及び162を有しており、他方の側面にも、2つの凸部163及び164を有している。
【0116】
つまり、凸部161は、容器本体の外面に対して傾斜した傾斜面161a、161bを有しており、凸部162は、容器本体の外面に対して傾斜した傾斜面162a、162bを有している。また、凸部163は、容器本体の外面に対して傾斜した傾斜面163a、163bを有しており、凸部164は、容器本体の外面に対して傾斜した傾斜面164a、164bを有している。
【0117】
また、蓄電素子101aに隣接する蓄電素子は、上記実施の形態における蓄電素子100bに形成された絶縁層150に代えて、蓄電素子101aの2つの凸部161及び162、または2つの凸部163及び164と係合(嵌合)する2つの凹部が形成された絶縁層を有している。
【0118】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子101aによれば、上記実施の形態における蓄電素子100と同様の効果を奏することができる。なお、蓄電素子の絶縁層に形成される凸部または凹部は、3つ以上であってもかまわない。
【0119】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。上記実施の形態では、蓄電素子100aは、絶縁層140の側面に、2つの傾斜面を有する凸部141及び142が形成されていることとした。しかし、本変形例では、蓄電素子の絶縁層の側面に、4つの傾斜面を有する凸部が形成される。
【0120】
図13は、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子102aの外観を示す斜視図である。
【0121】
同図に示すように、蓄電素子102aは、上記実施の形態における絶縁層140に代えて、絶縁層170を備えている。絶縁層170は、一方の側面に、4つの傾斜面171a〜171dを有する凸部171を有しており、他方の側面にも、4つの傾斜面を有する凸部を有している。
【0122】
つまり、凸部171は、容器本体の外面に対して異なる4つの方向に傾斜した異なる4つの傾斜面171a〜171dを有している。他方の側面の凸部についても同様である。
【0123】
また、蓄電素子102aに隣接する蓄電素子は、上記実施の形態における蓄電素子100bに形成された絶縁層150に代えて、蓄電素子102aの4つの傾斜面と係合(嵌合)する凹部が形成された絶縁層を有している。
【0124】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子102aによれば、上記実施の形態における蓄電素子100と同様の効果を奏することができる。特に、絶縁層の凹凸部は、容器本体の外面に対して異なる4つの方向に傾斜した異なる4つの傾斜面を有するため、蓄電素子の上下方向及び前後方向などの異なる4方向における蓄電素子間での揺れを抑制することができる。
【0125】
なお、蓄電素子の絶縁層に形成される凸部または凹部の傾斜面は、3つであってもよいし、5つ以上であってもかまわない。
【0126】
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。上記実施の形態では、蓄電素子100aは、絶縁層140の側面に、傾斜面を有する凸部141及び142が形成されていることとした。しかし、本変形例では、蓄電素子の絶縁層の凸部には、傾斜面は形成されていない。
【0127】
図14は、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子103aの外観を示す斜視図である。
【0128】
同図に示すように、蓄電素子103aは、上記実施の形態における絶縁層140に代えて、絶縁層180を備えている。絶縁層180は、一方の側面に、凸部181を有しており、他方の側面にも、凸部を有している。ここで、凸部181は、容器本体の外面から垂直に突出した凸部である。
【0129】
また、蓄電素子103aに隣接する蓄電素子は、上記実施の形態における蓄電素子100bに形成された絶縁層150に代えて、蓄電素子103aの凸部と係合(嵌合)する凹部が形成された絶縁層を有している。
【0130】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子103aによれば、上記実施の形態における蓄電素子100と同様の効果を奏することができる。なお、蓄電素子の絶縁層に形成される凸部または凹部の数は、2つ以上であってもかまわない。
【0131】
(変形例4)
次に、上記実施の形態の変形例4について、説明する。上記実施の形態では、蓄電素子100aは、絶縁層140の側面に、凸部141及び142が形成されていることとした。しかし、本変形例では、蓄電素子の絶縁層には、表面粗さを粗くする加工が施されている。
【0132】
図15は、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子104aの外観を示す斜視図である。
【0133】
同図に示すように、蓄電素子104aは、上記実施の形態における絶縁層140に代えて、絶縁層190を備えている。絶縁層190には、表面粗さを粗くする加工が施されている。つまり、蓄電素子104aの絶縁層190に形成された凹凸部191は、絶縁層190の表面粗さが粗い部分である。
【0134】
具体的には、上記の蓄電素子の製造方法における絶縁層形成工程で、大きさの異なる粒子を容器本体111の外面に塗布することにより、絶縁層190の表面粗さを粗くして、当該表面粗さが粗い部分である凹凸部191を形成する。
【0135】
つまり、容器本体111の4側面及び底面に粒子径の異なる絶縁塗料を静電塗布することで、容器本体111の4側面及び底面に絶縁層190を形成する。例えば、帯電させた粒子径の異なる粉体状の絶縁塗料を容器本体111に吹き付けることで、容器本体111の4側面及び底面に当該絶縁塗料を静電塗布する。なお、上記実施の形態のように、治具を用いて凹凸部を形成する必要はない。
【0136】
また、蓄電素子104aに隣接する蓄電素子についても同様に、上記実施の形態における蓄電素子100bに形成された絶縁層150に代えて、表面粗さを粗くする加工が施された絶縁層を有している。
【0137】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子104aによれば、上記実施の形態における蓄電素子100と同様の効果を奏することができる。特に、容器の絶縁層190に表面粗さを粗くする加工を施すことで、簡易に、容器に凹凸部191を形成することができる。
【0138】
また、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子104aの製造方法によれば、蓄電素子104aの容器の外面に絶縁層190を形成する際に、絶縁層190に表面粗さを粗くする加工を施すことで、簡易に、絶縁層に凹凸部191を形成することができる。
【0139】
(変形例5)
次に、上記実施の形態の変形例5について、説明する。上記実施の形態では、蓄電素子100aにおいて、容器本体111に絶縁層を塗装してから治具410、420で挟むことで凸部141及び142を形成することとした。しかし、本変形例では、蓄電素子において、容器本体を治具で挟んでから絶縁層(凸部)を形成する。
【0140】
図16は、本発明の実施の形態の変形例5に係る蓄電素子100aの製造工程を示す斜視図である。
【0141】
同図の(a)に示すように、容器本体111に蓋体112を溶接固定した後に、蓋体112が取り付けられた容器本体111を両側方から挟むように、容器本体111の両側方に治具410及び420を配置する。なお、治具410及び420は、容器本体111の側面との間に少しの隙間が生じるように、容器本体111の両側面からは離隔して配置する。
【0142】
そして、治具410及び420と容器本体111の両側面との間の隙間に、絶縁塗料P2を吹き付ける。具体的には、容器本体111をアースに落とし、治具410及び420と容器本体111の両側面との間の隙間に、マイナスに帯電させた粉体状の絶縁塗料P2を吹き付けることで、容器本体111の側面及び底面に絶縁塗料P2を静電塗布する。
【0143】
これにより、治具410の傾斜面411及び412によって傾斜面141a及び141bが形成され、治具420の傾斜面421及び422によって傾斜面142a及び142bが形成されることで、凸部141及び142が形成される。
【0144】
そして、同図の(b)に示すように、上記の静電塗布後に、治具410及び420を容器本体111に形成された絶縁層140から取り外すことで、絶縁層140に凸部141及び142が形成される。そして、凸部141及び142が形成された絶縁層140を焼結により熱硬化させることで、容器本体111の4側面及び底面に絶縁層140を形成することができる。
【0145】
これにより、凸部141及び142が形成された絶縁層140によって覆われた蓄電素子100aが製造される。つまり、容器110aの容器本体111の外面に絶縁層140を形成する絶縁層形成工程において、塗装によって絶縁層140に凹凸部(凸部141及び142)を形成することで、蓄電素子100aを製造することができる。
【0146】
なお、蓄電素子100bについては、上記の治具410及び420の代わりに、凹部151及び152に合わせて突出した形状を有する治具で容器本体111を挟んでから絶縁層150を形成することで、凹部151及び152が形成された絶縁層150によって覆われた蓄電素子100bを製造することができる。
【0147】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子、蓄電モジュール及び蓄電素子の製造方法について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0148】
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記実施の形態の変形例1〜3に、上記実施の形態の変形例4を適用した構成などでもよいし、上記実施の形態の変形例1〜4に、上記実施の形態の変形例5を適用した構成などでもかまわない。
【0149】
なお、本発明は、このような蓄電素子、蓄電モジュールまたは蓄電素子の製造方法として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子に備えられる容器として実現することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
【符号の説明】
【0151】
10 蓄電モジュール
100、100a〜100e、101a、102a、103a、104a 蓄電素子
110、110a、110b 容器
111 容器本体
111a 開口部
112 蓋体
113 電極体
114 正極集電部材
115 負極集電部材
120 正極端子
130 負極端子
140、140a、150、160、170、180、190 絶縁層
141、142、161、162、163、164、171、181 凸部
141a、141b、142a、142b、151a、151b、152a、152b、161a、161b、162a、162b、163a、163b、164a、164b、171a〜171d 傾斜面
151、152 凹部
191 凹凸部
200 バスバー
300 外装体
410、420 治具
411、412、421、422 傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16