特許第6295728号(P6295728)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6295728枠体構造、装置枠体、および画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295728
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】枠体構造、装置枠体、および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   G03G21/16 119
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-40426(P2014-40426)
(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公開番号】特開2015-165283(P2015-165283A)
(43)【公開日】2015年9月17日
【審査請求日】2017年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(74)【代理人】
【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結
(72)【発明者】
【氏名】小図子 武弘
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−194045(JP,A)
【文献】 特開2011−059472(JP,A)
【文献】 特開2001−113784(JP,A)
【文献】 特開昭63−124497(JP,A)
【文献】 特開2001−109213(JP,A)
【文献】 特開2004−264705(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0301718(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
H05K 5/00
F16B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に置かれたときの該床から離れる向きに折れ曲がった側端部を有し、該床に沿う第1の部材と、
下端部を前記側端部に接して該側端部を越えて立ち上がり、該下端部と該側端部との間が連結されるとともに該側端部の上端縁の直上に突出したエンボスを有する第2の部材との組み合わせからなり、
前記側端部と前記下端部とが連結手段によって連結されるとともに、
前記側端部と前記下端部とのうちの一方が、前記連結手段が挿入される第1の穴を有し、
前記側端部と前記下端部とのうちの他方が、前記連結手段が貫通し、前記側端部の上端縁が前記エンボスに接した状態においても、前記第1の穴に挿入された前記連結手段が内壁面に接触することを避けた径に形成された第2の穴を有することを特徴とする枠体構造。
【請求項2】
請求項1記載の枠体構造が、床に置かれたときの該床に面して広がる底面の少なくとも1つの角部に形成されていることを特徴とする装置枠体。
【請求項3】
前記底面がほぼ矩形を有し、前記枠体構造が該矩形の4隅それぞれに形成されていることを特徴とする請求項2記載の装置枠体。
【請求項4】
請求項2または3記載の装置枠体と、用紙上に画像を形成する、該装置枠体に支持された画像形成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体構造、装置枠体、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コ字状の断面形状を有するコ字状部材と、このコ字状部材の開口縁部に機械的に結合された平板状の補強板とよりなる角パイプ材を備え、該角パイプ材の軸方向両端部を側板によってネジ止め固定した、電子機器等のフレーム構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−146321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、第1の部材と第2の部材との連結が解除されることが抑止された枠体構造、装置枠体、および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1は、
床に置かれたときの該床から離れる向きに折れ曲がった側端部を有し、該床に沿う第1の部材と、
下端部を前記側端部に接して該側端部を越えて立ち上がり、該下端部と該側端部との間が連結されるとともに該側端部の上端縁の直上に突出したエンボスを有する第2の部材との組み合わせからなり、
記側端部と前記下端部とが連結手段によって連結されるとともに、
前記側端部と前記下端部とのうちの一方が、前記連結手段が挿入される第1の穴を有し、
前記側端部と前記下端部とのうちの他方が、前記連結手段が貫通し、前記側端部の上端縁が前記エンボスに接した状態においても、前記第1の穴に挿入された前記連結手段が内壁面に接触することを避けた径に形成された第2の穴を有することを特徴とする枠体構造である。
【0006】
請求項は、請求項1記載の枠体構造が、床に置かれたときの該床に面して広がる底面の少なくとも1つの角部に形成されていることを特徴とする装置枠体である。
請求項は、前記底面がほぼ矩形を有し、前記枠体構造が該矩形の4隅それぞれに形成されていることを特徴とする請求項記載の装置枠体である。
【0007】
請求項は、請求項または記載の装置枠体と、用紙上に画像を形成する、該装置枠体に支持された画像形成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の枠体構造によれば、第1の部材と第2の部材との連結が解除されることが抑止できる。
【0009】
また、請求項の枠体構造によれば、連結手段の破損が抑止できる。
請求項の装置枠体および請求項の画像形成装置によれば、第1の部材と第2の部材との連結が解除されることが抑止でき、落下衝撃に強い装置が構成される。
【0010】
請求項の装置枠体によれば、どの角に加わった衝撃に対しても、その衝撃に対する耐性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態としての画像形成装置の外観斜視図である。
図2図1に外観を示す画像形成装置の内部構成を示した模式図である。
図3図1図2に示す画像形成装置のうちのプリンタの枠体を斜め前方から見て示した斜視図である。
図4図1図2に示す画像形成装置のうちのプリンタの枠体を斜め後方から見て示した斜視図である。
図5図3に示す点線の4角形S1の部分の拡大斜視図である。
図6図3に示す点線の4角形S2の部分の拡大斜視図である。
図7図4に示す点線の4角形S3の部分の拡大斜視図である。
図8図4に示す点線の4角形S4の部分の拡大斜視図である。
図9】第1の部材と第2の部材とのネジ止め部分の拡大断面図である。
図10】運搬時の形態を示した図である。
図11】枠体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置の外観斜視図である。
【0013】
この画像形成装置1は、スキャナ10とプリンタ20を備えている。
スキャナ10は、原稿に描かれている画像を読み取って画像信号を生成する装置である。また、プリンタ20は、画像信号に基づく画像を用紙上にプリント出力する装置である。
【0014】
スキャナ10は、原稿トレイ11と原稿排紙トレイ12を有する。原稿トレイ11上に、原稿を積み重ねた状態に載せてスタートボタン32を押すと、その原稿が1枚ずつ順次に送り込まれて読み取られ、原稿排紙トレイ12上に排出される。また、このスキャナ10は、奥側に、左右に延びるヒンジ(不図示)が設けられており、矢印Mよりも上の部分を持ち上げて開くことができる。矢印Mの直ぐ下には、透明ガラス板13(図2参照)が広がっている。その透明ガラス板13に上に原稿を1枚、下向きに載せ、矢印Mから上の部分を閉じてスタートボタン32を押すことにより、その透明ガラス板13上の原稿を読み取ることもできる。
また、プリンタ20は、用紙トレイ21内に積み重ねられている用紙を1枚ずつ順次に取り出し、その取り出した用紙上に、画像信号に基づく画像をプリントする装置である。画像がプリントされた用紙は、排紙トレイ22上に排出される。本実施形態では、このプリンタ20は、画像を、用紙上に、いわゆる電子写真方式によりプリント出力するプリンタである。
また、この画像形成装置1には、ユーザインタフェース(UI)30が備えられている。このUI30は、電源ボタン31やスタートボタン32、その他の複数の押しボタン33と、タッチパネル式の表示画面34が備えられている。このUI30を操作することにより、プリント枚数の指示や動作スタートの指示などの各種の指示が行われる。また、表示画面34には、この装置の状態や各種の押ボタンが表示される。この表示画面34上に表示される押しボタン34も操作の対象となる。
【0015】
図2は、図1に外観を示す画像形成装置の内部構成を示した模式図である。
スキャナ10の原稿トレイ11上に置かれた原稿Sは、スタートボタン32(図1参照)が押されると1枚ずつ送り込まれて搬送ロール14により搬送路101上を搬送され、その搬送の途中で透明ガラス板13に接する読取位置Rと通過して原稿排紙トレイ12上に排出される。そして、その原稿Sは、読取位置Rを通過する際に、その読取位置Rに対面して静止している読取装置15によって、その原稿Sに記録されている画像が読み取られて画像信号に変換される。
【0016】
また、矢印Mよりも上の部分を開き、1枚の原稿を透明ガラス板13上に下向きに載せて上を閉じ、スタートボタン32を押す。すると今度は、読取装置15が矢印x方向に移動しながら、その透明ガラス板13上の原稿を読み取って画像信号に変換する。
このプリンタ20には、ほぼ横に1列に配列された4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kが備えられている。これらの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kは、それぞれ、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の各色トナーによるトナー像を形成する像形成ユニットである。ここでは、これらの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kに共通の説明については、トナーの色の区別を表わす、Y,M,C,Kの符号を省略し、像形成ユニット50と表記する。像形成ユニット以外の他の構成要素についても同様である。
【0017】
各像形成ユニット50には、感光体51が備えられている。この感光体51は、駆動力を受けて矢印A方向に回転しながら、その表面に静電潜像が形成され、さらに現像によりトナー像が形成される。
各像形成ユニット50を構成する各感光体51の周りには、帯電器52、露光機53、現像器54、1次転写器62、およびクリーナ55が備えられている。ここで、1次転写器62は、感光体51との間に、後述する中間転写ベルト61を挟んだ位置に置かれている。この1次転写器62は、像形成ユニット50ではなく、後述する中間転写ユニット60に備えられている要素である。
【0018】
帯電器52は、感光体51の表面を一様に帯電する。
露光器53は、一様に帯電された感光体51に、画像信号に基づいて変調された露光光を照射して、感光体51上に静電潜像を形成する。
【0019】
現像器は、感光体51上に形成された静電潜像を、各像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kに応じた色のトナーで現像して、感光体51上にトナー像を形成する。
1次転写器62は、感光体51上に形成されたトナー像を、後述する中間転写ベルト61上に転写する。
【0020】
クリーナ55は、転写後の感光体51上の残留トナー等を感光体51上から取り除く。
ここで、本実施形態の画像形成装置1では、各像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kのそれぞれにおいて、感光体51、帯電器52、およびクリーナ55が1つのモジュールを構成している。ここでは、このモジュールを感光体モジュールと称する。この感光体モジュールは、この画像形成装置1の骨組みである装置筐体(不図示)に対し着脱自在に装着される。
【0021】
また、露光器53も、各像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kごとに1つのモジュールを構成している。ここではこのモジュールを、露光モジュールと称する。
さらに、現像器54も、各像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kごとに1つのモジュールを構成している。ここでは、このモジュールを、現像モジュールと称する。露光モジュールおよび現像モジュールも、この画像形成装置1の装置枠体に対し、それぞれ着脱自在に装着される。
4つの像形成ユニット50の上部には、中間転写ユニット60が備えられている。そして、この中間転写ユニット60には、中間転写ベルト61が備えられている。この中間転写ベルト61は、駆動ロール63a、従動ロール63b、張架ロール63c等の複数のロールに支持されている。そして、この中間転写ベルト61は、駆動ロール63aに駆動されて、4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kを構成する4つの感光体51に沿う経路を含む循環経路上を、矢印B方向に循環移動する。
【0022】
各感光体51上のトナー像は1次転写器62の作用により、中間転写ベルト61上に順次重なるように転写される。そして、中間転写ベルト61上に転写されたトナー像は、その中間転写ベルト61により、2次転写位置T2に搬送される。この2次転写位置T2には2次転写器71が備えられており、中間転写ベルト61上のトナー像は、その2次転写
器71の作用により、その2次転写位置T2に搬送されてきた用紙P上に転写される。用紙Pの搬送については後述する。用紙Pへのトナー像の転写後の中間転写ベルト61上に残存するトナー等は、クリーナ64により、その中間転写ベルト61から取り除かれる。
ここで、このプリンタ20では、黒色(K)のトナーでトナー像を形成する、配列の1方の端(図2の1番左側の端)に位置する像形成ユニット50Kのみを使用して用紙P上にモノクロ画像をプリントするモノクロモードと、4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kを使用して用紙P上にカラー画像をプリントするカラーモードとを有する。中間転写ベルト61は、図示しないカム機構により、カラーモードのときは、4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kを構成する4つの感光体51に接しながら移動し、モノクロモードのときは、配列の1方の端(図2の1番左側の端)に位置する像形成ユニット50Kの感光体51Kのみに接して他の全ての像形成ユニット50Y,50M,50Cの感光体51Y,51M,51Cからは離間するように、その循環移動経路が変更される。モノクロモードでは、像形成ユニット50Kを除く他の全ての像形成ユニット50Y,50M,50Cの作動を停止させて、省電力化や部品の長寿命化を図っている。
【0023】
中間転写ユニット60の上部には、各色のトナーが収容されたトナーカートリッジ23が備えられている。現像器54内のトナーが現像により消費されると、対応する色のトナーを収容したトナーカートリッジ23から現像器54にトナーが補充される。トナーカートリッジ23は着脱自在に構成されており、空になると取り出されて、新たなトナーカートリッジ23が装着される。
また、このプリンタ20の下部には、用紙トレイ21が備えられている。この用紙トレイ21には、プリント前の用紙Pが積み重ねられた状態に収容される。この用紙トレイ21は、用紙の補充や交換のために引出し自在に構成されている。
【0024】
用紙トレイ21からは、ピックアップロール22により用紙Pが1枚取り出され、搬送ロール23により、搬送路201上を矢印C方向に、タイミング調整ロール24まで搬送される。このタイミング調整ロール24まで搬送されてきた用紙Pは、そのタイミング調整ロール24により、中間転写ベルト61上のトナー像が2次転写位置T2に到達するタイミングに合わせて2次転写位置T2に到達するように、その2次転写位置に向かって送り出される。タイミング調整ロール24により送り出された用紙Pは、2次転写位置T2において、2次転写器71の作用により、中間転写ベルト61からトナー像の転写を受ける。トナー像の転写を受けた用紙Pは、さらに矢印D方向に搬送されて定着器72を通過する。用紙P上のトナー像は、この定着器72により加熱および加圧を受けて用紙P上に定着される。これにより、用紙P上には、定着されたトナー像からなる画像がプリントされる。定着器72によりトナー像の定着を受けた用紙は、搬送ロール25によりさらに搬送され、排紙ロール26により排紙トレイ22上に送り出される。
またこのプリンタ20は、用紙Pの両面に画像をプリントする両面プリントモードを有する。この両面プリントモードにおいては、上記と同様にして用紙Pの第1面に画像がプリントされた後、その第1面に画像がプリントされた用紙Pが、排紙ロール26により、排紙トレイ22に向けて途中まで送り出される。そしてその排紙ロール26は、回転方向を反転させて、排紙トレイ22上に途中まで送り出した用紙Pを引き戻す。
排紙ロール26の反転により引き戻された用紙Pは、今度は、搬送ロール27により搬送路202上を矢印Gで示す向きに搬送されて、再びタイミング調整ロール24に到達する。このとき用紙Pは、第1面に画像がプリントされたときとは表裏が反転した状態にある。タイミング調整ロール24に再び到達した後は、上記と同様にして、但し今度はその用紙Pの第2面に画像がプリントされる。こうして画像が両面にプリントされた用紙Pは、排紙ロール26により、今度は、排紙トレイ22上に送り出される。
【0025】
また、このプリンタ20には手差しトレイ28が備えられている。この手差しトレイ28に用紙を置いてスタートボタン32を押すと、この手差しトレイ28上の用紙が搬送ロール29により搬送路203上を矢印H方向に搬送されてタイミング調整ロール24に到達する。その後のプリント動作は、用紙トレイ21から引き出された用紙Pへのプリント動作と同様である。
次に、図1図2に示す画像形成装置1の枠体の構造について説明する。
【0026】
図3図4は、図1図2に示す画像形成装置のうちのプリンタ20の枠体を、それぞれ、斜め前方、斜め後方から見て示した斜視図である。
プリンタ20の構成部品は、この枠体に組み込まれる。また、スキャナ10は、この枠体の上に載せるように取り付けられる。
【0027】
図3図4に示す枠体2は、その枠体2の内部に様々な部品を取り付けるための複雑な形状となっているが、本実施形態において重要なのは、点線で囲った4隅の構造である。
本実施形態におけるこの枠体2は、図1図2に示す画像形成装置1を床に置いたときの、その床に面して広がる底面がほぼ矩形の形状となっている。そして、その底面の少なくとも1つの角部(本実施形態では4隅の全ての角部)に、以下に示す枠体構造が採用されている。以下、この4隅の枠体構造について順に説明する。
【0028】
図5は、図3に示す点線の4角形S1の部分の拡大斜視図である。
ここには、第1の部材100Aと第2の部材200Aが示されている。第1の部材100Aは、図3図4に示す枠体2、すなわち、図1図2に示す画像形成装置1を床に置いたときのその床に沿って広がる、ほぼ矩形の底面の一部を成す部材である。この第1の部材100Aは、床から離れる向きに折れ曲がって立ち上がった側端部110Aを有する。また、第2の部材200Aは、その下端部210Aの内面を第1の部材100Aの側端部110Aの外面に接して、その側端部110Aを越えて立ち上がっている部材である。第1の部材100Aの側端部110Aと第2の部材200Aの下端部210Aは、ネジ130Aでネジ止めされて連結している。ここでは、このネジ止めは、枠体2(図3図4参照)の外側に位置する第2部材200A側にワッシャ140Aを挟んでネジ130Aの頭131Aがくるように、第2の部材200A側からネジ止めされている。また、この第2の部材200Aには、第1の部材100Aの立ち上がった側端部110Aの上端縁111Aの直上に突出した、突出部の一例であるエンボス220Aが形成されている。
【0029】
図6は、図3に示す点線の4角形S2の部分の拡大斜視図である。
【0030】
ここには、図5と同様、第1の部材100Bと第2の部材200Bが示されている。
ここで、図3から分かるように、図5における第1の部材100Aと図6における第1の部材100Bは1本に繋がった1つの部材である。ただし、ここでは、各部分ごとの枠体構造について説明しているため、1つの部材であるか別々の部材であるかを問わずに説明を続ける。後述する図7図8についても同様である。
【0031】
図6における第1の部材100Bは、図3図4に示す枠体2、すなわち、図1図2に示す画像形成装置1を床に置いたときのその床に沿って広がる、ほぼ矩形の底面の一部を成す部材である。この第1の部材100Bは、床から離れる向きに折れ曲がって立ち上がった側端部110Bを有する。また、第2の部材200Bは、その下端部210Bの内面を第1の部材100Bの側端部110Bの外面に接して、その側端部110Bを越えて立ち上がっている部材である。第1の部材100Bの側端部110Bと第2の部材200Bの下端部210Bは、ネジ130Bでネジ止めされている。ここでも、このネジ止めは、枠体2(図3図4参照)の外側に位置する第2部材200B側にワッシャ140Bを挟んでネジ130Bの頭131Bがくるように、第2の部材200B側からネジ止めされている。また、この第2の部材200Bには、第1の部材100Bの立ち上がった側端部110Bの上端縁111Bの直上に突出したエンボス220Bが形成されている。
図7は、図4に示す点線の4角形S3の部分の拡大斜視図である。
【0032】
図5,図6と同様、ここにも、第1の部材100Cと第2の部材200Cが示されている。第1の部材100Cは、ほぼ矩形の底面の一部を成す部材である。この第1の部材100Cは、床から離れる向きに折れ曲がって立ち上がった側端部110Cを有する。また、第2の部材200Cは、その下端部210Cの内面を第1の部材100Cの側端部110Cの外面に接して、その側端部110Cを越えて立ち上がっている部材である。第1の部材100Cの側端部110Cと第2の部材200Cの下端部210Cは、ネジ130Cでネジ止めされている。ここでも、このネジ止めは、枠体2(図3図4参照)の外側に位置する第2部材200C側にワッシャ140Cを挟んでネジ130Cの頭131Cがくるように、第2の部材200C側からネジ止めされている。また、この第2の部材200Cには、第1の部材100Cの立ち上がった側端部110Cの上端縁111Cの直上に突出したエンボス220Cが形成されている。
図8は、図4に示す点線の4角形S4の部分の拡大斜視図である。
【0033】
図5図7と同様、ここにも、第1の部材100Dと第2の部材200Dが示されている。第1の部材100Dは、ほぼ矩形の底面の一部を成す部材である。この第1に部材100Dは、図8の左側に、床から離れる向きに折れ曲がって立ち上がった側端部110Dを有する。また、第2の部材200Dは、その下端部210Dの内面を第1の部材100Dの側端部110Dの外面に接して、その側端部110Dを越えて立ち上がっている部材である。第1の部材100Dの側端部110Dと第2の部材200Dの下端部210Dは、ネジ130Dでネジ止めされている。ここでも、このネジ止めは、枠体2(図3図4参照)の外側に位置する第2部材200D側にワッシャ140Dを挟んでネジ130Dの頭131Dがくるように、第2の部材200D側からネジ止めされている。また、この第2の部材200Dには、第1の部材100Dの立ち上がった側端部110Dの上端縁111Dの直上に突出したエンボス220Dが形成されている。
図9は、第1の部材と第2の部材とのネジ止め部分の拡大断面図である。この図9は、図5図8に示した4つの角部における枠体構造に共通であり、図5図8において付した符号から‘A’〜‘D’を省いた符号を付して示している。
【0034】
第1の部材100の側端部110にはφ2.6のネジ下穴112が形成され、そのネジ下穴112にφ3.0のネジ130がねじ込まれて、そのネジ下穴112をネジ穴にしている。
また、第2の部材200の下端部210には、φ4.5の穴211が形成されている。
【0035】
ネジ130は、第2の部材200側から穴211に挿通されネジ下穴112にねじ込まれて、第1の部材100を第2の部材200にネジ止めしている。
この穴211とネジ13の寸法により、第2の部材200の下端部210に形成されている穴211とネジ130との隙間はαは、α=0.75mmとなっている。
【0036】
また、第2の部材200には、第1の部材100の立ち上がった側端部110上端縁111の直上に、第1の部材100側に突出したエンボス220が形成されている。側端部110の上端縁111とエンボス220との間の隙間βは、β=0.3mmである。 ここで、この隙間βと、穴211とネジ130との間の隙間αとを比較すると、α>βである。すなわち、第1の部材100に矢印Zで示す突き上げる向きの衝撃が加わって、第1の部材100がその衝撃により第2の部材に対しその突き上げの向きにずれたことを考える。この突き上げる向きの衝撃は、図3図4に示す枠体2、すなわち図1図2に示す画像形成装置1の運搬中に被る可能性のあ衝撃を想定している。
【0037】
図10は、運搬時の形態を示した図である。
ここには枠体2のみを運搬するかのように描かれているが、これは枠体2と運搬具との関係を分かり易く示すためであって、実際には、図1に示す画像形成装置1が運搬の対象となる。
【0038】
また、図11は、枠体の平面図である。
この枠体2(画像形成装置1)の底面の4隅の、図11に点線で囲った包装材受け部R1〜R4に、図10に示すように包装材300が宛がわれる。そしてその包装材300含む全体が木枠310に載せられ、フォークリフト(不図示)等でトラックの荷台に積み降ろしされる。この運搬時に、乱暴に置かれたり不用意に落下させてしまうことなどにより、図9に矢印Zで示す突き上げる向きの衝撃を受けることがある。

【0039】
図9に戻って説明を続ける。
通常時は、第2の部材200と第1の部材100とは、ネジ130の締結力によって、側端部110の上端縁111とエンボス220との間の隙間βを保持した状態で連結されている。しかし、運搬時等に上記のような突上げの衝撃が加わると、上記のα>βの関係からネジ130が穴211に当たるよりも前に、側端部110の上端縁111がエンボス220に突き当たる。こうして、そのエンボス220により、その衝撃が受け止められる。エンボス220が衝撃を受け止めることにより、ネジ130の破損を防止することができる。
【0040】
ただし、そのエンボス220で受け止め可能な衝撃を越える衝撃を受けることも、まれには発生することもあり得る。そのような強い衝撃を受けたときは、エンボス220が変形したりちぎれることになる。そのような大きな衝撃が加わると、画像形成装置1の枠体自体が変形したり、画像形成装置1が正常に作動しなくなることが多い。
変形や作動不良などによりこの画像形成装置1が回収されたときに、このエンボス220を調べることによって、その変形や作動不良などの原因が上記のような衝撃にあったのか否かが判明する。
【0041】
また、本実施形態では、このネジ止めとエンボスとからなる枠体構造が、図3図4に破線の矩形S1〜S4で示す4隅に設けられている。したがって、衝撃が原因のときにどの隅のエンボスが変形しあるいはちぎれているかを調べることにより、運搬時にどの隅に衝撃が加わり易いかが分かり、対策に生かすことができる。
なお、ここでは、図5図9を参照して説明した枠体構造を図1図2に示す画像形成装置1の枠体2(図3図4参照)に適用した例を示したが、本発明の枠体構造は、画像形成装置1のみに適用されるものではなく、装置の枠体一般に適用することができる。特に、図10に例示したような形態で運搬されることがある装置の枠体に適用することにより大きな効果が期待できる。
また、本実施形態では、第2の部材200と第1の部材100とをネジ130によって連結した例を示したが、連結の形態としてネジのみが適用されるものではなく、ピンを穴に圧入するする方法や接着や溶接などの他の連結方法を用いてもよい。例えば接着や溶接などの他の連結方法を採用した場合であっても、図9に矢印Zで示す突き上げる向きの衝撃を受けて第1の部材100が変形した際には、第1の部材100とエンボス220とが接触することで、第1の部材の変形を抑制することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置
2 枠体
10 スキャナ
11 原稿トレイ
12 原稿排紙トレイ
20 プリンタ
21 用紙トレイ
22 排紙トレイ
30 ユーザインタフェース(UI)
32 スタートボタン
100,100A,100B,100C,100D 第1の部材
110,110A,110B,110C,110D 側端部
111,111A,111B,111C,111D 上端縁
112 ネジ下穴
130,130A,130B,130C,130D ネジ
131,131A,131B,131C,131D ネジの頭
140,140A,140B,140C,140D ワッシャ
200,200A,200B,200C,200D 第2の部材
210,210A,210B,210C,210D 下端縁
211 穴
220,220A,220B,220C,220D エンボス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11