特許第6295755号(P6295755)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6295755
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】商品払出装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/24 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   G07F11/24 B
【請求項の数】4
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-56061(P2014-56061)
(22)【出願日】2014年3月19日
(65)【公開番号】特開2015-179367(P2015-179367A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2017年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】矢坂 義男
(72)【発明者】
【氏名】牧野 道彦
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−226094(JP,A)
【文献】 特開2002−288732(JP,A)
【文献】 特開2010−287075(JP,A)
【文献】 特開平06−208678(JP,A)
【文献】 実開昭50−086998(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3009467(JP,U)
【文献】 特開平05−108941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 11/00−11/72,
5/00− 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された商品を所定の姿勢で収納する一方の商品収納通路に適用され、待機状態においては前記一方の商品収納通路に収納された商品が下流側に向けて移動することを規制する一方、駆動する場合には該一方の商品収納通路に収納された最も下流側に位置する商品を払い出す一方の払出機構と、
前記一方の商品収納通路に隣接し、かつ投入された商品を所定の姿勢で収納する他方の商品収納通路に適用され、待機状態においては前記他方の商品収納通路に収納された商品が下流側に向けて移動することを規制する一方、駆動する場合には該他方の商品収納通路に収納された最も下流側に位置する商品を払い出す他方の払出機構と
を備えた商品払出装置において、
前記一方の払出機構に連係部材を介して連係された一方のリンク機構と、
前記他方の払出機構に連係部材を介して連係された他方のリンク機構と、
前記一方の商品収納通路及び前記他方の商品収納通路の上方域に自身の中心軸回りに回転可能に配設され、かつ駆動源から与えられる駆動力により一方向又は他方向に回転する回転部材と
を備え、
前記回転部材は、一方向に回転する場合には、前記一方のリンク機構を介して一方の払出機構を駆動させる一方、他方向に回転する場合には、前記他方のリンク機構を介して他方の払出機構を駆動させることを特徴とする商品払出装置。
【請求項2】
前記駆動源は、直流モータであることを特徴とする請求項1に記載の商品払出装置。
【請求項3】
前記一方の商品収納通路における前記一方の払出機構に対応する箇所よりも上流側の領域に進退移動する態様で該一方の商品収納通路の構成要素に揺動可能に配設され、かつ常態においては付勢手段に付勢されて前記領域に進出移動する一方、該領域における商品に当接される場合には前記付勢手段の付勢力に抗して該領域から退行移動する一方の売切検知レバーと、
前記他方の商品収納通路における前記他方の払出機構に対応する箇所よりも上流側の領域に進退移動する態様で該他方の商品収納通路の構成要素に揺動可能に配設され、かつ常態においては付勢手段に付勢されて前記領域に進出移動する一方、該領域における商品に当接される場合には前記付勢手段の付勢力に抗して該領域から退行移動する他方の売切検知レバーと
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の商品払出装置。
【請求項4】
前記一方の売切検知レバーと連係部材を介して連係され、かつ前記一方の売切検知レバーが前記領域から退行移動した場合にはオフ状態となる一方、前記一方の売切検知レバーが前記領域に進出移動した場合にはオン状態となって前記一方の商品収納通路が売切状態であることを検知する一方の売切検知スイッチと、
前記他方の売切検知レバーと連係部材を介して連係され、かつ前記他方の売切検知レバーが前記領域から退行移動した場合にはオフ状態となる一方、前記他方の売切検知レバーが前記領域に進出移動した場合にはオン状態となって前記他方の商品収納通路が売切状態であることを検知する他方の売切検知スイッチと
を備え、
前記一方の売切検知スイッチ及び前記他方の売切検知スイッチは、前記一方の商品収納通路及び前記他方の商品収納通路の上方域に配設されることを特徴とする請求項3に記載の商品払出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品払出装置に関し、より詳細には、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を販売する自動販売機に適用され、商品収納通路に収納された商品を適宜払い出す商品払出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を販売する自動販売機では、自動販売機本体である本体キャビネットの内部の商品収容庫に商品収納ラックが設けられている。商品収納ラックは、上下方向に沿って延在する複数の商品収納通路と、各商品収納通路の下部に配設された払出装置とを有している。
【0003】
払出装置は、下ペダル部材と上ペダル部材とを備えて構成されているのが一般的である。下ペダル部材及び上ペダル部材は、リンク部材を介してアクチュエータであるACソレノイドに連係されており、ACソレノイドが通電状態となることによりそれぞれ商品収納通路に適宜進退移動するものである。
【0004】
このような払出装置では、待機状態において、上ペダル部材が商品収納通路から退行移動した状態にある一方、下ペダル部材が商品収納通路に進出移動した状態にある。これにより、下ペダル部材が商品収納通路に収納される最下位の商品に当接し、商品収納通路に収納された商品の下方への移動が規制されている。
【0005】
そして、商品の払出指令が与えられた場合、該当する商品を収納する商品収納通路の下部の払出装置では、ACソレノイドが通電状態となることによりリンク部材を介して上ペダル部材が商品収納通路に進出移動し、最下位から2番目の商品に当接することによって、該商品、並びに該商品よりも上方に収納された商品が下方に向けて移動することを規制する。また、上記ACソレノイドが通電状態となることにより下ペダル部材が商品収納通路から退行移動し、最下位の商品が唯一下方に向けて払い出され、商品が下ペダル部材を擦り抜けると下ペダル部材がばねの付勢力により商品収納通路に進出移動する。その後、ACソレノイドの通電状態が解除されて非通電状態となると、商品収納通路に進出移動した下ペダル部材が退行移動を規制された状態となって上ペダル部材が商品収納通路から退行移動した状態となることで、上述した待機状態に復帰する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4407086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上述したような払出装置では、アクチュエータであるACソレノイドを通電状態又は非通電状態にさせて下ペダル部材及び上ペダル部材を進退移動させていたので、下ペダル部材及び上ペダル部材の近傍にACソレノイドを配設していた。このことは、販売温度に調整された最下位の商品の近傍にACソレノイド等の電装品を配設することとなり、結果的に最も温度環境が厳しい領域にACソレノイド等の電装品を配設していることとなる。そのため、結露等によりACソレノイド等に故障等の不具合が生ずる虞れがあった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、払出機構の駆動源に不具合が生ずることを抑制することができる商品払出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る商品払出装置は、投入された商品を所定の姿勢で収納する一方の商品収納通路に適用され、待機状態においては前記一方の商品収納通路に収納された商品が下流側に向けて移動することを規制する一方、駆動する場合には該一方の商品収納通路に収納された最も下流側に位置する商品を払い出す一方の払出機構と、前記一方の商品収納通路に隣接し、かつ投入された商品を所定の姿勢で収納する他方の商品収納通路に適用され、待機状態においては前記他方の商品収納通路に収納された商品が下流側に向けて移動することを規制する一方、駆動する場合には該他方の商品収納通路に収納された最も下流側に位置する商品を払い出す他方の払出機構とを備えた商品払出装置において、前記一方の払出機構に連係部材を介して連係された一方のリンク機構と、前記他方の払出機構に連係部材を介して連係された他方のリンク機構と、前記一方の商品収納通路及び前記他方の商品収納通路の上方域に自身の中心軸回りに回転可能に配設され、かつ駆動源から与えられる駆動力により一方向又は他方向に回転する回転部材とを備え、前記回転部材は、一方向に回転する場合には、前記一方のリンク機構を介して一方の払出機構を駆動させる一方、他方向に回転する場合には、前記他方のリンク機構を介して他方の払出機構を駆動させることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記商品払出装置において、前記駆動源は、直流モータであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記商品払出装置において、前記一方の商品収納通路における前記一方の払出機構に対応する箇所よりも上流側の領域に進退移動する態様で該一方の商品収納通路の構成要素に揺動可能に配設され、かつ常態においては付勢手段に付勢されて前記領域に進出移動する一方、該領域における商品に当接される場合には前記付勢手段の付勢力に抗して該領域から退行移動する一方の売切検知レバーと、前記他方の商品収納通路における前記他方の払出機構に対応する箇所よりも上流側の領域に進退移動する態様で該他方の商品収納通路の構成要素に揺動可能に配設され、かつ常態においては付勢手段に付勢されて前記領域に進出移動する一方、該領域における商品に当接される場合には前記付勢手段の付勢力に抗して該領域から退行移動する他方の売切検知レバーとを備えたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記商品払出装置において、前記一方の売切検知レバーと連係部材を介して連係され、かつ前記一方の売切検知レバーが前記領域から退行移動した場合にはオフ状態となる一方、前記一方の売切検知レバーが前記領域に進出移動した場合にはオン状態となって前記一方の商品収納通路が売切状態であることを検知する一方の売切検知スイッチと、前記他方の売切検知レバーと連係部材を介して連係され、かつ前記他方の売切検知レバーが前記領域から退行移動した場合にはオフ状態となる一方、前記他方の売切検知レバーが前記領域に進出移動した場合にはオン状態となって前記他方の商品収納通路が売切状態であることを検知する他方の売切検知スイッチとを備え、前記一方の売切検知スイッチ及び前記他方の売切検知スイッチは、前記一方の商品収納通路及び前記他方の商品収納通路の上方域に配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一方の商品収納通路及び他方の商品収納通路の上方域に自身の中心軸回りに回転可能に配設され、かつ駆動源から与えられる駆動力により一方向又は他方向に回転する回転部材が、一方向に回転する場合には、一方のリンク機構を介して一方の払出機構を駆動させる一方、他方向に回転する場合には、他方のリンク機構を介して他方の払出機構を駆動させるので、商品収納通路の上方域に駆動源が配設されても所望の払出機構を駆動させることができる。そして、駆動源を商品収納通路の上方域に配設したので、最も温度環境が厳しくなる商品収納通路の下流側から最も離隔した位置に配置させることとなり、結果的に払出機構に不具合が生ずることを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態である商品払出装置が適用された自動販売機の内部構造を右側から見た場合を示す断面側面図である。
図2図2は、図1に示した第1払出機構の要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
図3図3は、図1に示した第1払出機構の要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
図4図4は、図1に示した第1払出機構の要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
図5図5は、図1に示した第2払出機構の要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
図6図6は、図1に示した第2払出機構の要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
図7図7は、図1に示した第2払出機構の要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
図8図8は、商品払出装置を構成する払出駆動ユニットの要部を上方から見た場合を示す斜視図である。
図9図9は、商品払出装置を構成する払出駆動ユニットの要部を下方から見た場合を示す斜視図である。
図10図10は、払出駆動ユニットの特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
図11図11は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
図13図13は、払出駆動ユニットの制御部が実施する払出制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
図14図14は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
図15図15は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
図16図16は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
図17図17は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
図18図18は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
図19図19は、図8及び図9に示した払出駆動ユニットの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品払出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態である商品払出装置が適用された自動販売機の内部構造を右側から見た場合を示す断面側面図である。ここで例示する自動販売機は、商品を冷却若しくは加熱した状態で販売するもので、本体キャビネット1、外扉2及び内扉3を備えて構成されている。
【0017】
本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって前面が開口した直方状に構成されたもので、その内部に断熱構造の商品収容庫4を有している。
【0018】
外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を覆うためのもので、本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。この外扉2の前面には、ディスプレイウィンドウ、商品選択ボタン、紙幣挿通口、硬貨投入口、返却レバー、一体表示器、硬貨返却口、商品取出口2a等々、商品を販売する際に必要となるものが設けられている。
【0019】
内扉3は、商品収容庫4の前面開口を覆うための上下二分割された断熱扉であり、外扉2よりも内方となる位置において上部断熱扉は外扉2の一側縁部に開閉可能に配設され、下部断熱扉は本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。この内扉3における下部断熱扉の下方部には、商品を商品収容庫4の外部に搬出するための商品搬出口3aが設けられている。
【0020】
また、上記自動販売機には、商品収容庫4の内部に商品シュータ5が設けられており、この商品シュータ5よりも下方となる領域(以下、「熱交換領域」ともいう)に温度調節ユニット6が配設されている一方、商品シュータ5よりも上方となる領域(以下、「商品収納領域」ともいう)に商品払出装置10が配設されている。
【0021】
商品シュータ5は、商品払出装置10から搬出された商品を内扉3の商品搬出口3aに案内するためのプレート状部材であり、前方側に向けて漸次下方に傾斜する態様で配設されている。図には明示していないが、この商品シュータ5には、熱交換領域と商品収納領域との間を連通させる通気孔(図示せず)が多数穿設されている。
【0022】
温度調節ユニット6は、商品収容庫4の内部雰囲気を所望の温度状態に維持するためのもので、冷凍サイクルの蒸発器6a、電熱ヒータ6b及び送風ファン6cを備えて構成されている。この温度調節ユニット6においては、例えば冷凍サイクルを運転した状態で送風ファン6cを駆動すると、蒸発器6aにおいて冷却された空気が商品シュータ5の通気孔を通じて上方に送給されるため、商品収納領域を低温状態に維持することができる。一方、電熱ヒータ6bに通電した状態で送風ファン6cを駆動すると、電熱ヒータ6bによって加熱された空気が商品シュータ5の通気孔を通じて上方に送給されるため、商品収納領域を高温状態に維持することができる。尚、冷凍サイクルの圧縮機、凝縮器及び膨張弁は、図には明示しないがいずれも商品収容庫4の外部となる機械室7に配設されている。
【0023】
上記商品払出装置10は、商品収納ラック10a及び払出駆動ユニット10bを備えて構成されている。
【0024】
商品収納ラック10aは、前後3列に並ぶように配設されており、一対のベース側板11の間に通路構成要素12が配設されることによって上下方向に沿って蛇行状に構成された複数(図示の例では2つ)の商品収納通路13を備え、これら商品収納通路13の内部に上下方向に沿って複数の商品を横倒し姿勢で収納するものである。より詳細に説明すると、通路構成要素12は、商品収納通路13の前方側と、後方側とに互いに対向するよう適宜配設されたものであって、ベース側板11に固定されている。これにより各商品収納ラック10aにおいては、2つの商品収納通路13が互いに前後に隣接する態様で設けられている。以下においては、一つの商品収納ラック10aにおいて、前方側の商品収納通路13を第1商品収納通路13aとも称し、後方側の商品収納通路13を第2商品収納通路13bとも称することとする。
【0025】
また、通路構成要素12には、図には明示しないフラッパが設けられている。フラッパは、商品収納通路13に対して進退移動する態様で通路構成要素12に揺動可能に配設されている。このフラッパは、コイルバネ(図示せず)に付勢されて常態においては商品収納通路13に進出移動した姿勢となる。そして、商品収納通路13を通過する商品に当接することにより自身はコイルバネの付勢力に抗して蛇行状の商品収納通路13に沿うように退行移動して該商品の姿勢を修正するものである。
【0026】
上記商品収納ラック10aにおいては、商品収納通路13の上部にトップトレイ14が設けられている一方、商品収納通路13の下部に払出機構20が設けられている。
【0027】
トップトレイ14は、平板状の板金を屈曲して構成されるもので、前方から後方に向けて漸次下方に傾斜する態様でベース側板11間に配設されている。このようなトップトレイ14の上面は、投入口を通じて投入された商品を商品収納通路13まで案内する商品案内通路15を構成している。
【0028】
払出機構20は、一方の払出機構(以下、第1払出機構とも称する)20aと、他方の払出機構(以下、第2払出機構とも称する)20bとを備えており、これら第1払出機構20aと第2払出機構20bとが互いに背中合わせに抱き合わされて構成されている。
【0029】
図2図4は、それぞれ図1に示した第1払出機構20aの要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
【0030】
第1払出機構20aは、第1商品収納通路13aに適用されるもので、この第1商品収納通路13aの下部に配設されている。この第1払出機構20aは、対向する第1通路幅規定板16との間において商品の挙動を制御することにより、待機状態においては第1商品収納通路13aに商品を収納する一方、駆動する場合には対応する商品を1つずつ商品シュータ5に搬出するように機能するもので、ベース部材21を備えている。
【0031】
ベース部材21は、鋼板に切削加工及び屈曲加工を施して構成されたものであり、自身の表面を第1通路幅規定板16に対向させる態様で配設されており、その中間部に挿通孔が形成されている。この挿通孔は、矩形状の貫通開口である。
【0032】
このベース部材21の挿通孔の両側部に設けられた左右一対の軸受片には、第1揺動支持軸24a及び第2揺動支持軸25aが架設されている。
【0033】
第1揺動支持軸24aは、略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に下ペダル24を支承している。第2揺動支持軸25aは、第1揺動支持軸24aよりも上方となる個所に略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に上ペダル25を支承している。
【0034】
下ペダル24は、プレート状部材であり、基端部に第1揺動支持軸24aを挿通させることによりこの第1揺動支持軸24aの軸心回りに揺動可能となる態様で配設されている。
【0035】
下ペダル24の先端部は、第1揺動支持軸24aの径外方向に向けて延在しており、第1揺動支持軸24aの軸心回りに揺動した場合に挿通孔を通じて第1商品収納通路13aに進退移動することが可能である。つまり、下ペダル24は、第1商品収納通路13aに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
【0036】
下ペダル24とベース部材21との間には、下ペダルバネ(図示せず)が介装されている。下ペダルバネは、第1商品収納通路13aに対して下ペダル24を進出移動する方向に向けて常時付勢するものである。
【0037】
上記下ペダル24は、板状のペダル本体部241と、一対の案内部242とを備えている。一対の案内部242は、上記ペダル本体部241の背面側に設けられている。各案内部242は、上下方向に沿って延在する板状部材であり、互いに対向するよう形成されている。各案内部242の互いに対向する対向面には案内溝243が形成されている。
【0038】
案内溝243は、下ペダル24を第1商品収納通路13aに対して最も進出移動させた進出位置に配置した状態(図2に示す状態)において、最も下方に位置し、かつ後述する回動ストッパ29のペダル操作軸29aが嵌入される嵌入部243aと、下ペダル24を第1商品収納通路13aに対して最も退行移動させた退行位置に配置した状態(図4に示す状態)において、最も上方に位置し、かつ回動ストッパ29のペダル操作軸29aが当接する当接部243dと、これら嵌入部243a及び当接部243dとが連続するよう接続する第1案内部242b及び第2案内部242cとを備えている。
【0039】
第1案内部242bは、下ペダル24を第1商品収納通路13aに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、嵌入部243aからベース部材21に対して離隔するよう斜め上方に傾斜した後、ベース部材21に対して近接するよう斜め上方に傾斜して当接部243dに至る態様で案内部242に形成されている。
【0040】
第2案内部242cは、下ペダル24を第1商品収納通路13aに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、当接部243dからベース部材21に対して離隔するよう斜め下方に傾斜して嵌入部243aに至る態様で案内部242に形成されている。
【0041】
このような下ペダル24の第1揺動支持軸24aからの径外方向の長さは、第1商品収納通路13aに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する場合に、図2にも示すように第1通路幅規定板16との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
【0042】
上ペダル25は、プレート状部材であり、基端部に第2揺動支持軸25aを挿通させることによりこの第2揺動支持軸25aの軸心回りに揺動可能となる態様でベース部材21に配設されている。
【0043】
上ペダル25の先端部は、第2揺動支持軸25aの径外方向に向けて延在しており、第2揺動支持軸25aの軸心回りに揺動した場合には、挿通孔を通じて第1商品収納通路13aに進退移動することが可能である。つまり、上ペダル25は、第1商品収納通路13aに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
【0044】
上ペダル25とベース部材21との間には、上ペダルバネ(図示せず)が介装されている。上ペダルバネは、第1商品収納通路13aに対して上ペダル25が退行移動する方向に向けて常時付勢するものである。
【0045】
上記上ペダル25には、押圧傾斜面251、凹部252、ストッパ当接部253及び突起部254が設けられている。押圧傾斜面251は、上ペダル25の先端部分に設けられており、上ペダル25を第1商品収納通路13aに対して退行移動させた場合には、第1商品収納通路13aに向けて漸次低くなる態様で形成された湾曲状の傾斜面である。凹部252は、上ペダル25の背面側に設けられており、上ペダル25の両側面に開口する態様で形成した略水平方向に沿って延在する一条の凹所である。ストッパ当接部253は、後述するストッパピン28aが当接する部位であり、上ペダル25の背面において凹部252の上方に傾斜する態様で設けられている。
【0046】
突起部254は、上ペダル25の基端部において第1商品収納通路13aに向けて突出した態様で設けられている。
【0047】
この上ペダル25は、上記上ペダルバネの付勢力によって第1商品収納通路13aに退行移動するよう付勢されているが、上記凹部252にストッパピン28aが当接することにより第1商品収納通路13aに対して退行移動した状態に初期位置が設定されている。
【0048】
このような上ペダル25は、第1商品収納通路13aに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する状態(図4に示す状態)において、第2揺動支持軸25aを通過する鉛直面に対して前傾した状態にある。そして上ペダル25の第2揺動支持軸25aからの径外方向の長さは、上述した前傾した状態において、第1通路幅規定板16との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
【0049】
また、このベース部材21には、軸受部26が設けられている。軸受部26は、ペダルリンク27の上下方向に沿った移動を案内するものであり、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、一方の端部が挿通孔の上端縁に取り付けられており、他方の端部が挿通孔の下端縁に取り付けられており、挿通孔を縦断するよう設けられている。
【0050】
軸受部26は、樹脂材から構成されるもので、第2揺動支持軸挿通孔261と、第1揺動支持軸挿通孔262と、ストッパピン挿通孔263と、ペダルストッパピン支持溝264と、ストッパ支持孔265とを備えている。
【0051】
第2揺動支持軸挿通孔261は、第2揺動支持軸25aを挿通し、かつ第2揺動支持軸25aを軸支するための孔である。第1揺動支持軸挿通孔262は、第1揺動支持軸24aを挿通し、かつ第1揺動支持軸24aを軸支するための孔である。この第1揺動支持軸挿通孔262は、第2揺動支持軸挿通孔261よりも下方に形成されている。
【0052】
ストッパピン挿通孔263は、後述するストッパピン28aを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したストッパピン28aの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このストッパピン挿通孔263は、ストッパピン28aの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部26において、上端部と、第2揺動支持軸挿通孔261を形成した部位との略中間となる部位に設けられている。
【0053】
ペダルストッパピン支持溝264は、後述するペダルストッパピン28bを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したペダルストッパピン28bの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このペダルストッパピン支持溝264は、ペダルストッパピン28bの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部26において、第1揺動支持軸挿通孔262を形成した部位と、下端部との略中間となる部位に設けられている。
【0054】
ストッパ支持孔265は、後述するストッパ軸28cを軸支するための孔であり、軸受部26においてその下端部に形成されている。
【0055】
また、一方の軸受片と軸受部26との間には、ストッパピン28a、ペダルストッパピン28b及びストッパ軸28cが架設されている。
【0056】
ストッパピン28aは、一方の軸受片と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片のストッパピン挿通孔(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部26のストッパピン挿通孔263に挿通されている。このストッパピン28aは、ペダルリンク27に結合されており、当該ペダルリンク27の上下方向への移動に伴ってストッパピン挿通孔263の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。また、ストッパピン28aは、初期位置にある上ペダル25の凹部252に当接している。
【0057】
ペダルストッパピン28bは、一方の軸受片と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片のペダルストッパピン支持溝(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部26のペダルストッパピン支持溝264に挿通されている。このペダルストッパピン28bは、ペダルリンク27に結合されており、当該ペダルリンク27の上下方向への移動に伴ってペダルストッパピン支持溝264の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。このペダルストッパピン28bの周面は、ペダルリンク27を上下方向に移動させた場合には、ペダルストッパピン支持溝264の内周面に当接することとなる。
【0058】
ストッパ軸28cは、一方の軸受片と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その中間部に回動ストッパ29を支承している。
【0059】
回動ストッパ29は、基端部にストッパ軸28cを挿通させ、かつこのストッパ軸28cの軸心回りに揺動可能となる態様で一方の軸受片と軸受部26との間に配設されている。
【0060】
回動ストッパ29の先端部は、ストッパ軸28cの径外方向に向けて延在しており、ストッパ軸28cの軸心回りに揺動した場合に挿通孔を通じて第1商品収納通路13aに進退移動することが可能である。
【0061】
この回動ストッパ29は、先端部にペダル操作軸29aを有している。ペダル操作軸29aは、略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その両端部を上記下ペダル24の案内溝243に嵌入されている。
【0062】
上記回動ストッパ29とベース部材21との間には、ペダル操作部材バネ(図示せず)が介装されている。ペダル操作部材バネは、第1商品収納通路13aに対して回動ストッパ29を進出移動させる方向に向けて常時付勢するものである。
【0063】
このような回動ストッパ29は、ペダル操作部材バネによって第1商品収納通路13aに対して進出移動する方向に向けて付勢され、該回動ストッパ29の背面側の所定部位にペダルストッパピン28bが当接することにより退行移動する方向への移動が規制されており、第1商品収納通路13aに対して進出移動した状態での初期位置が設定されている。また、下ペダル24が下ペダルバネに付勢されているため、回動ストッパ29は、ペダル操作軸29aの両端が案内溝243の嵌入部243aに位置しており、下ペダル24が第1商品収納通路13aに対して進出移動した位置に初期位置が設定されている。
【0064】
上記ペダルリンク27は、上下方向に沿って延在する長尺板状部材であり、ベース部材21に架設したリンク軸27aに係合している。このリンク軸27aは、後述する第1ワイヤーロット棒W1を介して払出駆動ユニット10bに連係してあり、上下方向に沿って移動可能なものである。これにより、ペダルリンク27も上下方向に沿って移動可能なものである。
【0065】
このようなペダルリンク27とベース部材21との間には、リンクバネ27bが介装されている。リンクバネ27bは、ペダルリンク27を下方に向けて常時付勢するものである。また、ペダルリンク27とベース部材21との間には、図には明示していないが、第2リンクバネが介装されている。この第2リンクバネは、一端部をペダルリンク27の下端に形成した係合孔に係止してあり、他端部をストッパ軸28cに係止されている。この第2リンクバネは、自身の弾性力により、通常ペダルリンク27とペダルストッパピン28bとの係合が解除されることを防止するものである。
【0066】
ペダルリンク27がリンクバネ27bによって付勢されて下方に配置された状態では、ストッパピン挿通孔263の下端部にストッパピン28aが配置し、かつペダルストッパピン支持溝264の下端部にペダルストッパピン28bが配置することになる。この状態では、ストッパピン28aに、退行位置に配置された上ペダル25の凹部252が当接している。しかもペダルストッパピン28bに進出位置に配置された回動ストッパ29が当接しており、回動ストッパ29の退行移動が規制されている。また、進出位置に配置された回動ストッパ29のペダル操作軸29aは上記下ペダル24の嵌入部243aに嵌入してあり、これにより進出位置に配置された下ペダル24の退行移動が規制されている。
【0067】
これに対してリンクバネ27bの付勢力に抗してペダルリンク27が上方に配置された状態では、図4に示すように、ストッパピン挿通孔263の上端部にストッパピン28aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝264の上端部にペダルストッパピン28bが配置されることになる。この状態では、上記ストッパピン28aに上ペダル25のストッパ当接部253が当接することにより、上ペダル25の退行移動が規制され、上ペダルバネの付勢力に抗して上ペダル25が進出移動して進出位置に配置される。
【0068】
一方、回動ストッパ29は、ペダルストッパピン28bによる退行移動の規制が解除されるので、ストッパ軸28cを中心として退行移動の規制が解除される。ここで、回動ストッパ29には当該回動ストッパ29によって進出位置に維持されている下ペダル24に当接した商品の荷重がかかっており、回動ストッパ29が退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ29は退行移動を開始する。回動ストッパ29の退行移動が開始されるとペダル操作軸29aが下ペダル24の嵌入部243aから外れるため、下ペダル24は第1揺動支持軸24aを中心として退行移動を許容されて商品の荷重によって下ペダルバネの弾性付勢力に抗して退行移動することとなる。
【0069】
このような第1払出機構20aが配設された箇所よりも上方側となる通路構成要素12の下端部には、売切検知レバー40(以下、第1売切検知レバー40aとも称する)が配設されている。第1売切検知レバー40aは、通路構成要素12の下端部のレバー開口12aを通過しており、第1売切検知レバー40aの基端部41に形成された軸孔(図示せず)に上記リンク軸27aと同一方向に延在する第1レバー軸42が挿通することで該第1レバー軸42の中心軸を軸心としてその軸心回りに該第1レバー軸42と一体的に揺動可能に配設されている。これにより、第1売切検知レバー40aは、先端部43が第1商品収納通路13aに対して進出移動及び退行移動可能なものである。
【0070】
このような第1売切検知レバー40aと通路構成要素12の下端部との間には、図示せぬ売切検知レバーバネ(以下、第1売切検知レバーバネとも称する)が介装されている。第1売切検知レバーバネは、第1売切検知レバー40aの先端部43が第1商品収納通路13aに進出移動する態様で常時付勢するものである。
【0071】
また、第1レバー軸42の端部には、第1売切伝達レバー44が取り付けてある。第1売切伝達レバー44は、詳細な説明は省略するが、通路構成要素12の下端部の側部において第1レバー軸42の軸心回りに回動可能に配設されている。つまり、この第1売切伝達レバー44は、第1レバー軸42が第1売切検知レバー40aの進退移動に伴って回転する場合に該第1レバー軸42の軸心回りに回動することとなる。
【0072】
そして、第1売切伝達レバー44のうち第1レバー軸42に取り付けられる一端部と反対側の他端部には、第2ワイヤーロット棒W2の一端部が取り付けられている。
【0073】
図5図7は、それぞれ図1に示した第2払出機構20bの要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。
【0074】
第2払出機構20bは、第2商品収納通路13bに適用されるもので、この第2商品収納通路13bの下部に配設されている。この第2払出機構20bは、対向する第2通路幅規定板17との間において商品の挙動を制御することにより、待機状態においては第2商品収納通路13bに商品を収納する一方、駆動する場合には対応する商品を1つずつ商品シュータ5に搬出するように機能するもので、ベース部材31を備えている。
【0075】
ベース部材31は、鋼板に切削加工及び屈曲加工を施して構成されたものであり、自身の表面を第2通路幅規定板17に対向させる態様で配設されており、その中間部に挿通孔が形成されている。この挿通孔は、矩形状の貫通開口である。
【0076】
このベース部材31の挿通孔の両側部に設けられた左右一対の軸受片には、第1揺動支持軸34a及び第2揺動支持軸35aが架設されている。
【0077】
第1揺動支持軸34aは、略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に下ペダル34を支承している。第2揺動支持軸35aは、第1揺動支持軸34aよりも上方となる個所に略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に上ペダル35を支承している。
【0078】
下ペダル34は、プレート状部材であり、基端部に第1揺動支持軸34aを挿通させることによりこの第1揺動支持軸34aの軸心回りに揺動可能となる態様で配設されている。
【0079】
下ペダル34の先端部は、第1揺動支持軸34aの径外方向に向けて延在しており、第1揺動支持軸34aの軸心回りに揺動した場合に挿通孔を通じて第2商品収納通路13bに進退移動することが可能である。つまり、下ペダル34は、第2商品収納通路13bに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
【0080】
下ペダル34とベース部材31との間には、下ペダルバネ(図示せず)が介装されている。下ペダルバネは、第2商品収納通路13bに対して下ペダル34を進出移動する方向に向けて常時付勢するものである。
【0081】
上記下ペダル34は、板状のペダル本体部341と、一対の案内部342とを備えている。一対の案内部342は、上記ペダル本体部341の背面側に設けられている。各案内部342は、上下方向に沿って延在する板状部材であり、互いに対向するよう形成されている。各案内部342の互いに対向する対向面には案内溝343が形成されている。
【0082】
案内溝343は、下ペダル34を第2商品収納通路13bに対して最も進出移動させた進出位置に配置した状態(図5に示す状態)において、最も下方に位置し、かつ後述する回動ストッパ39のペダル操作軸39aが嵌入される嵌入部343aと、下ペダル34を第2商品収納通路13bに対して最も退行移動させた退行位置に配置した状態(図7に示す状態)において、最も上方に位置し、かつ回動ストッパ39のペダル操作軸39aが当接する当接部343dと、これら嵌入部343a及び当接部343dとが連続するよう接続する第1案内部342b及び第2案内部342cとを備えている。
【0083】
第1案内部342bは、下ペダル34を第2商品収納通路13bに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、嵌入部343aからベース部材31に対して離隔するよう斜め上方に傾斜した後、ベース部材31に対して近接するよう斜め上方に傾斜して当接部343dに至る態様で案内部342に形成されている。
【0084】
第2案内部342cは、下ペダル34を第2商品収納通路13bに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、当接部343dからベース部材31に対して離隔するよう斜め下方に傾斜して嵌入部343aに至る態様で案内部342に形成されている。
【0085】
このような下ペダル34の第1揺動支持軸34aからの径外方向の長さは、第2商品収納通路13bに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する場合に、図5にも示すように第2通路幅規定板17との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
【0086】
上ペダル35は、プレート状部材であり、基端部に第2揺動支持軸35aを挿通させることによりこの第2揺動支持軸35aの軸心回りに揺動可能となる態様でベース部材31に配設されている。
【0087】
上ペダル35の先端部は、第2揺動支持軸35aの径外方向に向けて延在しており、第2揺動支持軸35aの軸心回りに揺動した場合には、挿通孔を通じて第2商品収納通路13bに進退移動することが可能である。つまり、上ペダル35は、第2商品収納通路13bに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
【0088】
上ペダル35とベース部材31との間には、上ペダルバネ(図示せず)が介装されている。上ペダルバネは、第2商品収納通路13bに対して上ペダル35が退行移動する方向に向けて常時付勢するものである。
【0089】
上記上ペダル35には、押圧傾斜面351、凹部352、ストッパ当接部353及び突起部354が設けられている。押圧傾斜面351は、上ペダル35の先端部分に設けられており、上ペダル35を第2商品収納通路13bに対して退行移動させた場合には、第2商品収納通路13bに向けて漸次低くなる態様で形成された湾曲状の傾斜面である。凹部352は、上ペダル35の背面側に設けられており、上ペダル35の両側面に開口する態様で形成した略水平方向に沿って延在する一条の凹所である。ストッパ当接部353は、後述するストッパピン38aが当接する部位であり、上ペダル35の背面において凹部352の上方に傾斜する態様で設けられている。
【0090】
突起部354は、上ペダル35の基端部41において第2商品収納通路13bに向けて突出した態様で設けられている。
【0091】
この上ペダル35は、上記上ペダルバネの付勢力によって第2商品収納通路13bに退行移動するよう付勢されているが、上記凹部352にストッパピン38aが当接することにより第2商品収納通路13bに対して退行移動した状態に初期位置が設定されている。
【0092】
このような上ペダル35は、第2商品収納通路13bに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する状態(図7に示す状態)において、第2揺動支持軸35aを通過する鉛直面に対して後方に向けて傾斜した状態にある。そして上ペダル35の第2揺動支持軸35aからの径外方向の長さは、上述した後方に傾斜した状態において、第2通路幅規定板17との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
【0093】
また、このベース部材31には、軸受部36が設けられている。軸受部36は、ペダルリンク37の上下方向に沿った移動を案内するものであり、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、一方の端部が挿通孔の上端縁に取り付けられており、他方の端部が挿通孔の下端縁に取り付けられており、挿通孔を縦断するよう設けられている。
【0094】
軸受部36は、樹脂材から構成されるもので、第2揺動支持軸挿通孔361と、第1揺動支持軸挿通孔362と、ストッパピン挿通孔363と、ペダルストッパピン支持溝364と、ストッパ支持孔365とを備えている。
【0095】
第2揺動支持軸挿通孔361は、第2揺動支持軸35aを挿通し、かつ第2揺動支持軸35aを軸支するための孔である。第1揺動支持軸挿通孔362は、第1揺動支持軸34aを挿通し、かつ第1揺動支持軸34aを軸支するための孔である。この第1揺動支持軸挿通孔362は、第2揺動支持軸挿通孔361よりも下方に形成されている。
【0096】
ストッパピン挿通孔363は、後述するストッパピン38aを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したストッパピン38aの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このストッパピン挿通孔363は、ストッパピン38aの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部36において、上端部と、第2揺動支持軸挿通孔361を形成した部位との略中間となる部位に設けられている。
【0097】
ペダルストッパピン支持溝364は、後述するペダルストッパピン38bを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したペダルストッパピン38bの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このペダルストッパピン支持溝364は、ペダルストッパピン38bの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部36において、第1揺動支持軸挿通孔362を形成した部位と、下端部との略中間となる部位に設けられている。
【0098】
ストッパ支持孔365は、後述するストッパ軸38cを軸支するための孔であり、軸受部36においてその下端部に形成されている。
【0099】
また、一方の軸受片と軸受部36との間には、ストッパピン38a、ペダルストッパピン38b及びストッパ軸38cが架設されている。
【0100】
ストッパピン38aは、一方の軸受片と軸受部36との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片のストッパピン挿通孔(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部36のストッパピン挿通孔363に挿通されている。このストッパピン38aは、ペダルリンク37に結合されており、当該ペダルリンク37の上下方向への移動に伴ってストッパピン挿通孔363の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。また、ストッパピン38aは、初期位置にある上ペダル35の凹部352に当接している。
【0101】
ペダルストッパピン38bは、一方の軸受片と軸受部36との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片のペダルストッパピン支持溝(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部36のペダルストッパピン支持溝364に挿通されている。このペダルストッパピン38bは、ペダルリンク37に結合されており、当該ペダルリンク37の上下方向への移動に伴ってペダルストッパピン支持溝364の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。このペダルストッパピン38bの周面は、ペダルリンク37を上下方向に移動させた場合には、ペダルストッパピン支持溝364の内周面に当接することとなる。
【0102】
ストッパ軸38cは、一方の軸受片と軸受部36との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その中間部に回動ストッパ39を支承している。
【0103】
回動ストッパ39は、基端部にストッパ軸38cを挿通させ、かつこのストッパ軸38cの軸心回りに揺動可能となる態様で一方の軸受片と軸受部36との間に配設されている。
【0104】
回動ストッパ39の先端部は、ストッパ軸38cの径外方向に向けて延在しており、ストッパ軸38cの軸心回りに揺動した場合に挿通孔を通じて第2商品収納通路13bに進退移動することが可能である。
【0105】
この回動ストッパ39は、先端部にペダル操作軸39aを有している。ペダル操作軸39aは、略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その両端部を上記下ペダル34の案内溝343に嵌入されている。
【0106】
上記回動ストッパ39とベース部材31との間には、ペダル操作部材バネ(図示せず)が介装されている。ペダル操作部材バネは、第2商品収納通路13bに対して回動ストッパ39を進出移動させる方向に向けて常時付勢するものである。
【0107】
このような回動ストッパ39は、ペダル操作部材バネによって第2商品収納通路13bに対して進出移動する方向に向けて付勢され、該回動ストッパ39の背面側の所定部位にペダルストッパピン38bが当接することにより退行移動する方向への移動が規制されており、第2商品収納通路13bに対して進出移動した状態での初期位置が設定されている。また、下ペダル34が下ペダルバネに付勢されているため、回動ストッパ39は、ペダル操作軸39aの両端が案内溝343の嵌入部343aに位置しており、下ペダル34が第2商品収納通路13bに対して進出移動した位置に初期位置が設定されている。
【0108】
上記ペダルリンク37は、上下方向に沿って延在する長尺板状部材であり、ベース部材31に架設したリンク軸37aに係合している。このリンク軸37aは、後述する第3ワイヤーロット棒W3を介して払出駆動ユニット10bに連係してあり、上下方向に沿って移動可能なものである。これにより、ペダルリンク37も上下方向に沿って移動可能なものである。
【0109】
このようなペダルリンク37とベース部材31との間には、リンクバネ37bが介装されている。リンクバネ37bは、ペダルリンク37を下方に向けて常時付勢するものである。また、ペダルリンク37とベース部材31との間には、図には明示していないが、第2リンクバネが介装されている。この第2リンクバネは、一端部をペダルリンク37の下端に形成した係合孔に係止してあり、他端部をストッパ軸38cに係止されている。この第2リンクバネは、自身の弾性力により、通常ペダルリンク37とペダルストッパピン38bとの係合が解除されることを防止するものである。
【0110】
ペダルリンク37がリンクバネ37bによって付勢されて下方に配置された状態では、ストッパピン挿通孔363の下端部にストッパピン38aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝364の下端部にペダルストッパピン38bが配置されることになる。この状態では、ストッパピン38aに、退行位置に配置された上ペダル35の凹部352が当接している。しかもペダルストッパピン38bに進出位置に配置された回動ストッパ39が当接しており、回動ストッパ39の退行移動が規制されている。また、進出位置に配置された回動ストッパ39のペダル操作軸39aは上記下ペダル34の嵌入部343aに嵌入してあり、これにより進出位置に配置された下ペダル34の退行移動が規制されている。
【0111】
これに対してリンクバネ37bの付勢力に抗してペダルリンク37が上方に配置された状態では、図7に示すように、ストッパピン挿通孔363の上端部にストッパピン38aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝364の上端部にペダルストッパピン38bが配置されることになる。この状態では、上記ストッパピン38aに上ペダル35のストッパ当接部353が当接することにより、上ペダル35の退行移動が規制され、上ペダルバネの付勢力に抗して上ペダル35が進出移動して進出位置に配置される。
【0112】
一方、回動ストッパ39は、ペダルストッパピン38bによる退行移動の規制が解除されるので、ストッパ軸38cを中心として退行移動の規制が解除される。ここで、回動ストッパ39には当該回動ストッパ39によって進出位置に維持されている下ペダル34に当接した商品の荷重がかかっており、ペダルストッパピン38bによる退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ39は退行移動を開始する。回動ストッパ39の退行移動が開始されるとペダル操作軸39aが下ペダル34の嵌入部343aから外れるため、下ペダル34は第1揺動支持軸34aを中心として退行移動を許容されて商品の荷重によって下ペダルバネの弾性付勢力に抗して退行移動することとなる。
【0113】
このような第2払出機構20bが配設された箇所よりも上方側となる通路構成要素12の下端部には、売切検知レバー40(以下、第2売切検知レバー40bとも称する)が配設されている。第2売切検知レバー40bは、通路構成要素12の下端部のレバー開口12bを通過しており、第2売切検知レバー40bの基端部45に形成された軸孔(図示せず)に上記リンク軸37aと同一方向に延在する第2レバー軸46が挿通することで該第2レバー軸46の中心軸を軸心としてその軸心回りに該第2レバー軸46と一体的に揺動可能に配設されている。これにより、第2売切検知レバー40bは、先端部47が第2商品収納通路13bに対して進出移動及び退行移動可能なものである。
【0114】
このような第2売切検知レバー40bと通路構成要素12の下端部との間には、図示せぬ売切検知レバーバネ(以下、第2売切検知レバーバネとも称する)が介装されている。第2売切検知レバーバネは、第2売切検知レバー40bの先端部47が第2商品収納通路13bに進出移動する態様で常時付勢するものである。
【0115】
また、第2レバー軸46の端部には、第2売切伝達レバー48が取り付けてある。第2売切伝達レバー48は、詳細な説明は省略するが、通路構成要素12の下端部の側部において第2レバー軸46の軸心回りに回動可能に配設されている。つまり、この第2売切伝達レバー48は、第2レバー軸46が第2売切検知レバー40bの進退移動に伴って回転する場合に該第2レバー軸46の軸心回りに回動することとなる。
【0116】
そして、第2売切伝達レバー48のうち第2レバー軸46に取り付けられる一端部と反対側の他端部には、第4ワイヤーロット棒W4の一端部が取り付けられている。
【0117】
図8及び図9は、それぞれ商品払出装置10を構成する払出駆動ユニット10bの要部を示すものであり、図8が上方から見た場合を示す斜視図、図9は下方から見た場合を示す斜視図である。また図10は、払出駆動ユニット10bの特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。更に図11及び図12は、それぞれ図8及び図9に示した払出駆動ユニット10bの特徴部分を模式的に示す斜視図である。
【0118】
ここで例示する払出駆動ユニット10bは、1つの商品収納ラック10aに対応して設けられるものであり、商品収納ラック10aを支持する図示せぬフレームに取り付けられたベースBに設けられている。
【0119】
この払出駆動ユニット10bは、モータユニット50、第1売切検知ユニット60、第2売切検知ユニット70、第1リンクユニット(一方のリンク機構)80及び第2リンクユニット(他方のリンク機構)90を備えて構成されている。
【0120】
モータユニット50は、モータ51、出力ギア(回転部材)52、キャリアスイッチ53を備えて構成されている。モータ51は、駆動源となるものであり、制御手段である制御部Cから与えられる指令に応じて駆動する正逆回転可能な直流モータである。このモータ51は、ベースBに係止されるモータケース50aの内部に収納された状態で配設されている。ここで制御部Cは、メモリMに記憶されたプログラムやデータに従って払出駆動ユニット10bの動作を統括的に制御するものであり、自動販売機の販売動作を統括する自販機制御部C1と通信可能なものである。また、モータケース50aは、係止片50bがベースBの図示せぬ係止孔を挿通することでベースBに係止される筐体であり、上面の一部が開放されるとともに、下面が開放されている。
【0121】
出力ギア52は、図11及び図12に示すように、有底円筒状の形態を成すもので、外周面に複数の歯から成るギア部52aが形成されている。この出力ギア52は、ギア部52aが図示せぬ減速機構を介してモータ51に連結されることで自身の中心軸回りに回転可能となる態様でモータケース50aに収納されている。
【0122】
また、出力ギア52には作用部52bと押圧部52c(図14等参照)とが形成してある。作用部52bは、出力ギア52の下面より下方に突出する態様で設けられている。押圧部52cは、出力ギア52の外周面において径方向外部に突出する態様で設けられている。
【0123】
キャリアスイッチ53は、いわゆるプッシュ型スイッチであり、接触子53aを備えている。このキャリアスイッチ53は、出力ギア52の左方側に保持された状態でモータケース50aに収納されている。このキャリアスイッチ53は、接触子53aが押圧されるとオン状態となって、その旨をオン信号として制御部Cに与えるものである一方、接触子53aが押圧されない状態では、オフ状態となるものである。
【0124】
第1売切検知ユニット60は、第1売切検知スイッチ61を備えている。第1売切検知スイッチ61は、いわゆるプッシュ型スイッチであり、図示せぬ接触子を備えている。この第1売切検知スイッチ61は、ベースBの右端部に係止される第1ユニットケース60aに接触子が下方に突出する態様で収納されている。かかる第1売切検知スイッチ61は、接触子が押圧されるとオン状態となって、その旨をオン信号として制御部Cに与えるものである一方、接触子が押圧されない状態では、オフ状態となっている。
【0125】
また、第1売切検知スイッチ61の下方域には、第1売切伝達部材62が配設されている。第1売切伝達部材62は、上下方向が長手方向となる板状部材であり、その上端部が左方に向けて屈曲された形状を有している。この第1売切伝達部材62は、図示せぬ支持部材を介して上下方向に沿って移動可能に支持されている。かかる第1売切伝達部材62は、上方に向けて移動する場合には、上端部が第1売切検知スイッチ61の接触子を押圧することが可能であり、下方に向けて移動する場合には、上端部が第1売切検知スイッチ61の接触子から離脱することが可能である。また、第1売切伝達部材62の下端部には、第2ワイヤーロット棒W2の他端部が取り付けられている。これにより、第1売切伝達部材62は、第2ワイヤーロット棒W2を介して第1売切伝達レバー44に連結されており、この結果、第1売切検知スイッチ61と第1売切検知レバー40aとは、第2ワイヤーロット棒W2を介して連係している。
【0126】
第2売切検知ユニット70は、第2売切検知スイッチ71を備えている。第2売切検知スイッチ71は、いわゆるプッシュ型スイッチであり、図示せぬ接触子を備えている。この第2売切検知スイッチ71は、ベースBの右端部に係止される第2ユニットケース70aに接触子が下方に突出する態様で収納されている。かかる第2売切検知スイッチ71は、接触子が押圧されるとオン状態となって、その旨をオン信号として制御部Cに与えるものである一方、接触子が押圧されない状態では、オフ状態となっている。
【0127】
また、第2売切検知スイッチ71の下方域には、第2売切伝達部材72が配設されている。第2売切伝達部材72は、上下方向が長手方向となる板状部材であり、その上端部が左方に向けて屈曲された形状を有している。この第2売切伝達部材72は、図示せぬ支持部材を介して上下方向に沿って移動可能に支持されている。かかる第2売切伝達部材72は、上方に向けて移動する場合には、上端部が第2売切検知スイッチ71の接触子を押圧することが可能であり、下方に向けて移動する場合には、上端部が第2売切検知スイッチ71の接触子から離脱することが可能である。また、第2売切伝達部材72の下端部には、第4ワイヤーロット棒W4の他端部が取り付けられている。これにより、第2売切伝達部材72は、第4ワイヤーロット棒W4を介して第2売切伝達レバー48に連結されており、この結果、第2売切検知スイッチ71と第2売切検知レバー40bとは、第4ワイヤーロット棒W4を介して連係している。
【0128】
第1リンクユニット80は、第1フック部材81、第1スライド部材82及び第1リンクレバー部材83を備えて構成されている。
【0129】
第1フック部材81は、第1フック基部81aと、第1フック係止部81bと、第1フック先端部81cとが一体的に構成されている。第1フック基部81aには、前後方向に沿って延在する第1フック挿通孔81dが形成されている。この第1フック挿通孔81dには、第1ユニットケース60aと第2ユニットケース70aとに跨る態様で架設される支持ロッドRが挿通しており、これにより第1フック部材81は、支持ロッドRの中心軸を軸心としてその軸心回りに揺動可能なものである。
【0130】
第1フック係止部81bは、図11及び図12において、第1フック基部81aより右斜め上方に向けて延在する部位であり、前後方向に沿って延在する第1フック係止孔81eが形成されている。
【0131】
第1フック先端部81cは、図11及び図12において、第1フック基部81aより下方に向けて延在した後に右側上方に向けて湾曲した形状を成している。この第1フック先端部81cの延在端部は、第1リンク伝達部材84の上端部の下面に接している。
【0132】
第1リンク伝達部材84は、上下方向が長手方向となる板状部材であり、その上端部が左方に向けて屈曲された形状を有している。この第1リンク伝達部材84は、図示せぬ支持部材を介して上下方向に沿って移動可能に支持されている。また、第1リンク伝達部材84の下端部には、第1ワイヤーロット棒W1の他端部が取り付けられている。これにより、第1リンク伝達部材84は、第1ワイヤーロット棒W1を介してリンク軸27aに連結されており、この結果、払出駆動ユニット10bとリンク軸27aとは連係している。
【0133】
第1スライド部材82は、左右方向が長手方向となる板状部材であり、ベースBの上面において左右方向に沿って移動可能に配設されている。この第1スライド部材82の右端部には、上方に突出する第1係止突起82aが形成されており、この第1係止突起82aと第1フック係止部81bとの間に第1連係バネ85が介在している。より詳細に説明すると、第1連係バネ85の一端部が第1フック係止部81bの第1フック係止孔81eに挿通して該第1フック係止部81bに係止するとともに、第1連係バネ85の他端部が第1係止突起82aに係止している。この第1連係バネ85は、第1フック部材81の第1フック係止部81bと、第1スライド部材82とを互いに近接するよう付勢する引張バネである。
【0134】
第1リンクレバー部材83は、第1リンク基部83aと第1リンク作用部83bとが一体的に構成された板状部材である。第1リンク基部83aは、第1リンク孔83cを挿通する第1リンクピン83dを介して第1スライド部材82の中央部分に配設されており、これにより第1リンクレバー部材83は、第1リンクピン83dの中心軸を軸心としてその軸心回りに揺動可能なものである。つまり、第1リンクレバー部材83は、第1スライド部材82に対して揺動可能に配設されている。
【0135】
第1リンク作用部83bは、第1リンク基部83aより第1リンク孔83cの径外方向に向けて延在する部位であり、出力ギア52の下方域に位置している。この第1リンク作用部83bには、第1当接面83eと第1傾斜面83fとが形成されている。第1当接面83eは、図9及び図11において、前後方向に沿って延在する部分の右端面である。第1傾斜面83fは、図9及び図11において、第1当接面83eの後端部に連続し、左方に向かうに連れて漸次前方に傾斜する面である。
【0136】
このような第1リンクレバー部材83は、第1リンク基部83aより第1リンク孔83cの径外方向に沿って延在する第1リンク係止部83gに、一端部が第1ユニットケース60aに係止された第1リンクレバーバネ86の他端部が係止されることで、上方から見た場合に第1リンクピン83dを中心として時計回りに揺動するよう第1リンクレバーバネ86に付勢されており、第1リンク基部83aより第1リンク孔83cの径外方向に沿って延在する第1リンク当接片83hが第1スライド部材82の上面に突出する態様で形成された第1スライド規制突起82bに当接することで、左右方向が長手方向となる態様で配置されている。
【0137】
第2リンクユニット90は、第2フック部材91、第2スライド部材92及び第2リンクレバー部材93を備えて構成されている。
【0138】
第2フック部材91は、第2フック基部91aと、第2フック係止部91bと、第2フック先端部91cとが一体的に構成されている。第2フック基部91aには、前後方向に沿って延在する第2フック挿通孔91dが形成されている。この第2フック挿通孔91dには、上記支持ロッドRが挿通しており、これにより第2フック部材91は、支持ロッドRの中心軸を軸心としてその軸心回りに揺動可能なものである。
【0139】
第2フック係止部91bは、図11及び図12において、第2フック基部91aより右斜め上方に向けて延在する部位であり、前後方向に沿って延在する第2フック係止孔91eが形成されている。
【0140】
第2フック先端部91cは、図11及び図12において、第2フック基部91aより下方に向けて延在した後に右側上方に向けて湾曲した形状を成している。この第2フック先端部91cの延在端部は、第2リンク伝達部材94の上端部の下面に接している。
【0141】
第2リンク伝達部材94は、上下方向が長手方向となる板状部材であり、その上端部が左方に向けて屈曲された形状を有している。この第2リンク伝達部材94は、図示せぬ支持部材を介して上下方向に沿って移動可能に支持されている。また、第2リンク伝達部材94の下端部には、第3ワイヤーロット棒W3の他端部が取り付けられている。これにより、第2リンク伝達部材94は、第3ワイヤーロット棒W3を介してリンク軸37aに連結されており、この結果、払出駆動ユニット10bとリンク軸37aとは連係している。
【0142】
第2スライド部材92は、左右方向が長手方向となる板状部材であり、ベースBの上面において左右方向に沿って移動可能に配設されている。この第2スライド部材92の右端部には、上方に突出する第2係止突起92aが形成されており、この第2係止突起92aと第2フック係止部91bとの間に第2連係バネ95が介在している。より詳細に説明すると、第2連係バネ95の一端部が第2フック係止部91bの第2フック係止孔91eに挿通して該第2フック係止部91bに係止するとともに、第2連係バネ95の他端部が第2係止突起92aに係止している。この第2連係バネ95は、第2フック部材91の第2フック係止部91bと、第2スライド部材92とを互いに近接するよう付勢する引張バネである。
【0143】
第2リンクレバー部材93は、第2リンク基部93aと第2リンク作用部93bとが一体的に構成された板状部材である。第2リンク基部93aは、第2リンク孔93cを挿通する第2リンクピン93dを介して第2スライド部材92の中央部分に配設されており、これにより第2リンクレバー部材93は、第2リンクピン93dの中心軸を軸心としてその軸心回りに揺動可能なものである。つまり、第2リンクレバー部材93は、第2スライド部材92に対して揺動可能に配設されている。
【0144】
第2リンク作用部93bは、第2リンク基部93aより第2リンク孔93cの径外方向に向けて延在する部位であり、出力ギア52の下方域に位置している。この第2リンク作用部93bには、第2当接面93eと第2傾斜面93fとが形成されている。第2当接面93eは、図9及び図12において、前後方向に沿って延在する部分の右端面である。第2傾斜面93fは、図9及び図12において、第2当接面93eの後端部に連続し、左方に向かうに連れて漸次後方に傾斜する面である。
【0145】
このような第2リンクレバー部材93は、第2リンク基部93aより第2リンク孔93cの径外方向に沿って延在する第2リンク係止部93gに、一端部が第2ユニットケース70aに係止された第2リンクレバーバネ96の他端部が係止されることで、上方から見た場合に第2リンクピン93dを中心として時計回りに揺動するよう第2リンクレバーバネ96に付勢されており、第2リンク基部93aより第2リンク孔93cの径外方向に沿って延在する第2リンク当接片93hが第2スライド部材92の上面に突出する態様で形成された第2スライド規制突起92bに当接することで、左右方向が長手方向となる態様で配置されている。
【0146】
以上のように構成した払出駆動ユニット10bにおいては、待機状態では次のようになっている。
【0147】
払出駆動ユニット10bでは、図9に示すように、出力ギア52の作用部52bが右方側に位置しており、押圧部52cが左方側に位置してキャリアスイッチ53の接触子53aを押圧している。この場合、キャリアスイッチ53はオン状態となる。
【0148】
またこのような待機状態において、第1払出機構20aでは、ペダルリンク27が下方に配置された状態にある。このようにペダルリンク27が下方に配置された状態にあることにより、図2に示すようにペダルストッパピン28bが規制位置に配置されており、回動ストッパ29の退行移動を規制している。これにより、退行移動が規制された回動ストッパ29のペダル操作軸29aが下ペダル24の案内溝243の嵌入部243aに嵌入され、進出位置に配置された下ペダル24の退行移動が規制されている。この結果、下ペダル24に当接した最下位の商品の下方への移動が規制され、第1商品収納通路13aに商品がそれぞれ横倒し姿勢で収納されている。かかる待機状態においては、上ペダル25は、上ペダルバネに付勢され、かつ凹部252にストッパピン28aが当接することにより、第1商品収納通路13aから退行移動した初期位置(待機位置)に待機することになる。
【0149】
そして、第1払出機構20aの上方域の第1売切検知レバー40aも第1商品収納通路13aに収納される商品に押圧されて第1売切検知レバーバネの付勢力に抗して第1商品収納通路13aから退行移動した状態にある。このように第1売切検知レバー40aが第1商品収納通路13aから退行移動した状態にあると、第1レバー軸42に取り付けられる第1売切伝達レバー44は、待機姿勢となっており、第2ワイヤーロット棒W2を介して連結される第1売切伝達部材62を下方に向けて移動させている。この結果、第1売切伝達部材62の上端部が第1売切検知スイッチ61の接触子から離脱しており、第1売切検知スイッチ61はオフ状態となっている。
【0150】
一方、第2払出機構20bでは、ペダルリンク37が下方に配置された状態にある。このようにペダルリンク37が下方に配置された状態にあることにより、図5に示すようにペダルストッパピン38bが規制位置に配置されており、回動ストッパ39の退行移動を規制している。これにより、退行移動が規制された回動ストッパ39のペダル操作軸39aが下ペダル34の案内溝343の嵌入部343aに嵌入され、進出位置に配置された下ペダル34の退行移動が規制されている。この結果、下ペダル34に当接した最下位の商品の下方への移動が規制され、第2商品収納通路13bに商品がそれぞれ横倒し姿勢で収納されている。かかる待機状態においては、上ペダル35は、上ペダルバネに付勢され、かつ凹部352にストッパピン38aが当接することにより、第2商品収納通路13bから退行移動した初期位置(待機位置)に待機することになる。
【0151】
そして、第2払出機構20bの上方域の第2売切検知レバー40bも第2商品収納通路13bに収納される商品に押圧されて第2売切検知レバーバネの付勢力に抗して第2商品収納通路13bから退行移動した状態にある。このように第2売切検知レバー40bが第2商品収納通路13bから退行移動した状態にあると、第2レバー軸46に取り付けられる第2売切伝達レバー48は、待機姿勢となっており、第4ワイヤーロット棒W4を介して連結される第2売切伝達部材72を下方に向けて移動させている。この結果、第2売切伝達部材72の上端部が第2売切検知スイッチ71の接触子から離脱しており、第2売切検知スイッチ71はオフ状態となっている。
【0152】
このような待機状態において利用者の商品購入操作により自販機制御部C1より制御部Cに払出指令が与えられると、払出機構20は次のように動作する。
【0153】
図13は、払出駆動ユニット10bの制御部Cが実施する払出制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる払出制御処理を説明しながら商品払出装置10の動作について説明する。尚、以下においては、第1商品収納通路13aに収納された商品を「第1商品」とも称し、第2商品収納通路13bに収納された商品を「第2商品」とも称しながら説明する。
【0154】
払出制御処理において制御部Cは、自販機制御部C1から第1商品の払出指令を与えられた場合(ステップS101:Yes)、モータ51を正転駆動させる(ステップS102)。
【0155】
このようにモータ51を正転駆動させると、減速機構を介してモータ51の駆動力を伝達された出力ギア52は、上方から見て時計回りの方向に回転する。
【0156】
出力ギア52が上方から見て時計回りに回転すると、出力ギア52の押圧部52cがキャリアスイッチ53の接触子53aから離脱する。これにより、キャリアスイッチ53の接触子53aは押圧された状態から開放されてオフ状態となる。
【0157】
出力ギア52の回転により作用部52bが、第1リンクレバー部材83の第1リンク作用部83bにおける第1当接面83eに当接すると、第1リンクレバー部材83は、図14に示すように、左方に向けて移動し、これにより第1スライド部材82も左方に向けて移動する。このようにして第1スライド部材82が左方に向けて移動すると、第1連係バネ85を介して第1スライド部材82に連結される第1フック部材81が、支持ロッドRの中心軸回りに第1フック先端部81cが上方に向かうよう揺動する。この結果、第1リンク伝達部材84が第1フック部材81の第1フック先端部81cに押圧されて上方に向けて移動する。このようにして第1リンク伝達部材84が上方に向けて移動することで、第1ワイヤーロット棒W1を介してリンク軸27aが上方に向けて移動することでペダルリンクバネの付勢力に抗してペダルリンク27を上方に向けて所定距離だけ移動させることができる。
【0158】
このペダルリンク27の上方への移動に伴い、ストッパピン28aはストッパピン挿通孔263の下端部から上方に移動するとともに、ペダルストッパピン28bはペダルストッパピン支持溝264の下端部から上方に移動する。
【0159】
このときストッパピン28aが上ペダル25のストッパ当接部253に当接しながら上方に移動するため、上ペダル25は、図3に示すように上ペダルバネの付勢力に抗して初期位置から進出移動する。この上ペダル25の進出移動は、ストッパピン28aの上方への移動により行われる。
【0160】
そして、進出移動する上ペダル25は、図4に示すように、最下位から2番目の第1商品(以下、次商品ともいう)に当接し、次商品が下方に向けて移動することを規制する。
【0161】
一方、回動ストッパ29は、進出位置に維持されている下ペダル24に当接した商品の荷重がかかっているので、上記ペダルストッパピン28bの上方への移動により退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ29は退行移動を開始する。
【0162】
このように回動ストッパ29が退行移動を開始すると、ペダル操作軸29aが嵌入部243aから抜け出し、商品の自重によって下ペダルバネの付勢力に抗して下ペダル24が退行移動を開始する。嵌入部243aから抜け出した回動ストッパ29のペダル操作軸29aは、第1案内部242bに沿い、第1案内部242bと第2案内部242cとが交差する位置に向けて移動する。
【0163】
この後、最下位の商品の自重により下ペダル24が退行移動し、図4に示すように、最下位の商品の下方への移動が許容され、最下位の商品は下方に搬出される。搬出された商品は、商品シュータ5を通じて商品搬出口3aに案内され、更に商品取出口2aを介して取り出し可能な状態になる。
【0164】
ここで、最下位の商品が下ペダル24を擦り抜けると、下ペダル24は下ペダルバネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動するとともに、回動ストッパ29もペダル操作部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動する。下ペダル24及び回動ストッパ29が進出位置に向かって移動すると、第1案内部242bと第2案内部242cとが交差する位置に保持されていたペダル操作軸29aが嵌入部243aに向けて第2案内部242cに沿って移動し、下ペダル24及び回動ストッパ29が進出位置に復帰する。
【0165】
この間、ペダルリンク27が上方に移動し、ストッパピン28aがストッパピン挿通孔263の上端部に位置し、かつペダルストッパピン28bがペダルストッパピン支持溝264の上端部に位置することになる。
【0166】
その後、出力ギア52の回転により作用部52bと第1リンクレバー部材83との当接が解除されると、ペダルリンク27はリンクバネに付勢されて下方に移動する。このペダルリンク27の下方への移動により、ストッパピン28aはストッパピン挿通孔263の上端部から下方に移動するとともに、ペダルストッパピン28bはペダルストッパピン支持溝264の上端部から下方に移動する。
【0167】
ペダルストッパピン28bが下方に移動すると進出位置に復帰した回動ストッパ29の背面側の所定部位にペダルストッパピン28bが当接する。これにより退行移動する方向への移動が規制され、下ペダル24は第1商品収納通路13aに対して進出移動した位置に初期位置が設定される。
【0168】
一方、上ペダル25は、上ペダルバネに付勢されて、ストッパピン28aの下方への移動に伴い退行移動する。これにより次商品の下方への移動が許容され、その後該次商品は進出移動した下ペダル24に当接して下方への移動が規制されて待機状態に戻る。
【0169】
払出駆動ユニット10bでは、ペダルリンク27の下方への移動により、第1ワイヤーロット棒W1を介して連結される第1リンク伝達部材84が下方に向けて移動し、これにより第1フック部材81も第1フック先端部81cが下方に向かうよう揺動し、この結果、第1スライド部材82も第1リンクレバー部材83とともに右方に向けて移動する。
【0170】
そして、第1リンクレバー部材83との当接が解除された出力ギア52は、その後の回転により作用部52bが第2リンクレバー部材93に当接することとなるが、図15に示すように、作用部52bが第2リンクレバー部材93の第2傾斜面93fに当接することで第2リンクレバー部材93は、図16に示すように第2リンクピン93dの中心軸を基準として後方に僅かに揺動する。
【0171】
そして、その後に出力ギア52の回転により作用部52bが図11及び図12に示す待機状態の位置に戻ると、押圧部52cがキャリアスイッチ53の接触子53aを押圧してキャリアスイッチ53がオン状態となる。
【0172】
上述したようなステップS102におけるモータ51の正転駆動においては、制御部Cは、所定時間にキャリアスイッチ53がオン状態となるか否かを監視している(ステップS103,ステップS104)。つまり、所定時間内に出力ギア52が1回転するか否かを監視している。
【0173】
この結果、所定時間内にキャリアスイッチ53がオン状態となる場合(ステップS103:Yes,ステップS104:No)、制御部Cは、モータ51の正転駆動を停止させて(ステップS105)、手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これによれば、上述したように払出指令が与えられた第1商品を良好に搬出することができる。
【0174】
所定時間内にキャリアスイッチ53がオン状態とならない場合、すなわち所定時間内にキャリアスイッチ53からオン信号が与えられない場合(ステップS103:No,ステップS104:No)、制御部Cは、異常が発生したと判断する(ステップS106)。そして、制御部Cは、自販機制御部C1に異常が発生した旨を通知し(ステップS107)、その後に手順をリターンさせて、今回の処理を終了する。これによれば、第1商品収納通路13aで異常が発生していることを認識することができ、第1商品については売切ランプの点灯等を行うことで販売を中止にさせることができる。
【0175】
一方、制御部Cは、自販機制御部C1から第2商品の払出指令を与えられた場合(ステップS101:No,ステップS108:Yes)、モータ51を逆転駆動させる(ステップS109)。
【0176】
このようにモータ51を逆転駆動させると、減速機構を介してモータ51の駆動力を伝達された出力ギア52は、上方から見て反時計回りの方向に回転する。
【0177】
出力ギア52が上方から見て反時計回りに回転すると、出力ギア52の押圧部52cがキャリアスイッチ53の接触子53aから離脱する。これにより、キャリアスイッチ53の接触子53aは押圧された状態から開放されてオフ状態となる。
【0178】
出力ギア52の回転により作用部52bが、第2リンクレバー部材93の第2リンク作用部93bにおける第2当接面93eに当接すると、第2リンクレバー部材93は、図17に示すように、左方に向けて移動し、これにより第2スライド部材92も左方に向けて移動する。このようにして第2スライド部材92が左方に向けて移動すると、第2連係バネ95を介して第2スライド部材92に連結される第2フック部材91が、支持ロッドRの中心軸回りに第2フック先端部91cが上方に向かうよう揺動する。この結果、第2リンク伝達部材94が第2フック部材91の第2フック先端部91cに押圧されて上方に向けて移動する。このようにして第2リンク伝達部材94が上方に向けて移動することで、第3ワイヤーロット棒W3を介してリンク軸37aが上方に向けて移動することでペダルリンクバネの付勢力に抗してペダルリンク37を上方に向けて所定距離だけ移動させることができる。
【0179】
このペダルリンク37の上方への移動に伴い、ストッパピン38aはストッパピン挿通孔363の下端部から上方に移動するとともに、ペダルストッパピン38bはペダルストッパピン支持溝364の下端部から上方に移動する。
【0180】
このときストッパピン38aが上ペダル35のストッパ当接部353に当接しながら上方に移動するため、上ペダル35は、図6に示すように上ペダルバネの付勢力に抗して初期位置から進出移動する。この上ペダル35の進出移動は、ストッパピン38aの上方への移動により行われる。
【0181】
そして、進出移動する上ペダル35は、図7に示すように、最下位から2番目の第2商品(以下、次商品ともいう)に当接し、次商品が下方に向けて移動することを規制する。
【0182】
一方、回動ストッパ39は、進出位置に維持されている下ペダル34に当接した商品の荷重がかかっているので、上記ペダルストッパピン38bの上方への移動により退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ39は退行移動を開始する。
【0183】
このように回動ストッパ39が退行移動を開始すると、ペダル操作軸39aが嵌入部343aから抜け出し、商品の自重によって下ペダルバネの付勢力に抗して下ペダル34が退行移動を開始する。嵌入部343aから抜け出した回動ストッパ39のペダル操作軸39aは、第1案内部342bに沿い、第1案内部342bと第2案内部342cとが交差する位置に向けて移動する。
【0184】
この後、最下位の商品の自重により下ペダル34が退行移動し、図7に示すように、最下位の商品の下方への移動が許容され、最下位の商品は下方に搬出される。搬出された商品は、商品シュータ5を通じて商品搬出口3aに案内され、更に商品取出口2aを介して取り出し可能な状態になる。
【0185】
ここで、最下位の商品が下ペダル34を擦り抜けると、下ペダル34は下ペダルバネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動するとともに、回動ストッパ39もペダル操作部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動する。下ペダル34及び回動ストッパ39が進出位置に向かって移動すると、第1案内部342bと第2案内部342cとが交差する位置に保持されていたペダル操作軸39aが嵌入部343aに向けて第2案内部342cに沿って移動し、下ペダル34及び回動ストッパ39が進出位置に復帰する。
【0186】
この間、ペダルリンク37が上方に移動し、ストッパピン38aがストッパピン挿通孔363の上端部に位置し、かつペダルストッパピン38bがペダルストッパピン支持溝364の上端部に位置することになる。
【0187】
その後、出力ギア52の回転により作用部52bと第2リンクレバー部材93との当接が解除されると、ペダルリンク37はリンクバネに付勢されて下方に移動する。このペダルリンク37の下方への移動により、ストッパピン38aはストッパピン挿通孔363の上端部から下方に移動するとともに、ペダルストッパピン38bはペダルストッパピン支持溝364の上端部から下方に移動する。
【0188】
ペダルストッパピン38bが下方に移動すると進出位置に復帰した回動ストッパ39の背面側の所定部位にペダルストッパピン38bが当接する。これにより退行移動する方向への移動が規制され、下ペダル34は第2商品収納通路13bに対して進出移動した位置に初期位置が設定される。
【0189】
一方、上ペダル35は、上ペダルバネに付勢されて、ストッパピン38aの下方への移動に伴い退行移動する。これにより次商品の下方への移動が許容され、その後該次商品は進出移動した下ペダル34に当接して下方への移動が規制されて待機状態に戻る。
【0190】
払出駆動ユニット10bでは、ペダルリンク37の下方への移動により、第3ワイヤーロット棒W3を介して連結される第2リンク伝達部材94が下方に向けて移動し、これにより第2フック部材91も第2フック先端部91cが下方に向かうよう揺動し、この結果、第2スライド部材92も第2リンクレバー部材93とともに右方に向けて移動する。
【0191】
そして、第2リンクレバー部材93との当接が解除された出力ギア52は、その後の回転により作用部52bが第1リンクレバー部材83に当接することとなるが、図18に示すように、作用部52bが第1リンクレバー部材83の第1傾斜面83fに当接することで第1リンクレバー部材83は、図19に示すように第1リンクピン83dの中心軸を基準として前方に僅かに揺動する。
【0192】
そして、その後に出力ギア52の回転により作用部52bが図11及び図12に示す待機状態の位置に戻ると、押圧部52cがキャリアスイッチ53の接触子53aを押圧してキャリアスイッチ53がオン状態となる。
【0193】
上述したようなステップS109におけるモータ51の逆転駆動においては、制御部Cは、所定時間にキャリアスイッチ53がオン状態となるか否かを監視している(ステップS110,ステップS111)。つまり、所定時間内に出力ギア52が1回転するか否かを監視している。
【0194】
この結果、所定時間内にキャリアスイッチ53がオン状態となる場合(ステップS110:Yes,ステップS111:No)、制御部Cは、モータ51の逆転駆動を停止させて(ステップS112)、手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これによれば、払出指令が与えられた第2商品を良好に搬出することができる。
【0195】
所定時間内にキャリアスイッチ53がオン状態とならない場合、すなわち所定時間内にキャリアスイッチ53からオン信号が与えられない場合(ステップS110:No,ステップS111:No)、制御部Cは、異常が発生したと判断する(ステップS113)。そして、制御部Cは、自販機制御部C1に異常が発生した旨を通知し(ステップS114)、その後に手順をリターンさせて、今回の処理を終了する。これによれば、第2商品収納通路13bで異常が発生していることを認識することができ、第2商品については売切ランプの点灯等を行うことで販売を中止にさせることができる。
【0196】
ところで、例えば第1商品収納通路13aにおいて商品が無くなると、第1売切検知レバー40aは、第1売切検知レバーバネに付勢されて第1商品収納通路13aに進出移動する。このように第1売切検知レバー40aが進出移動すると、第1レバー軸42に取り付けられる第1売切伝達レバー44は、第1レバー軸42の中心軸回りに他端部が上方に向かうよう回動して売切姿勢となる。これにより、第2ワイヤーロット棒W2を介して連結される第1売切伝達部材62は、上方に向かって移動し、上端部が第1売切検知スイッチ61の接触子を押圧することで第1売切検知スイッチ61がオン状態となる。このようにオン状態となった第1売切検知スイッチ61は、制御部Cにオン信号を与える結果、制御部Cから自販機制御部C1に当該第1商品収納通路13aが売切である旨が伝達されて図示せぬ売切ランプ等が点灯されることにより利用者に周知される。
【0197】
次に、例えば第2商品収納通路13bにおいて商品が無くなると、第2売切検知レバー40bは、第2売切検知レバーバネに付勢されて第2商品収納通路13bに進出移動する。このように第2売切検知レバー40bが進出移動すると、第2レバー軸46に取り付けられる第2売切伝達レバー48は、第2レバー軸46の中心軸回りに他端部が上方に向かうよう回動して売切姿勢となる。これにより、第4ワイヤーロット棒W4を介して連結される第2売切伝達部材72は、上方に向かって移動し、上端部が第2売切検知スイッチ71の接触子を押圧することで第2売切検知スイッチ71がオン状態となる。このようにオン状態となった第2売切検知スイッチ71は、制御部Cにオン信号を与える結果、制御部Cから自販機制御部C1に当該第2商品収納通路13bが売切である旨が伝達されて図示せぬ売切ランプ等が点灯されることにより利用者に周知される。
【0198】
以上説明したような商品払出装置10によれば、モータ51や出力ギア52を有する払出駆動ユニット10bを商品収納ラック10aの上方域に配設したので、商品収容庫4の内部において最も温度環境が厳しくなる最下位の商品から最も離隔した位置に配置させることとなり、結果的に不具合が生ずることを抑制することができる。
【0199】
上記商品払出装置10によれば、共通の駆動源となるモータ51を商品収容庫4の上部域に配設したので、払出機構20の周囲にハーネス等の配線を設ける必要がない。そのため、払出機構20の周囲に設けた配線により送風ファン6cによる送風が害される虞れがなく、これにより、商品収容庫4における風回りを良好なものとすることができ、冷却効率若しくは加熱効率の向上を図ることができる。
【0200】
上記商品払出装置10によれば、払出駆動ユニット10bを商品収容庫4の上部域に配設したので、従来空きスペースとなっていた商品収納ラック10aの上部域を有効活用することができる。
【0201】
上記商品払出装置10によれば、払出駆動ユニット10bが、第1払出機構20a及び第2払出機構20bの駆動源となるモータ51を備えているので、払出機構の数に対して駆動源の数を低減させることができ、製造コストを低減させることができる。
【0202】
上記商品払出装置10によれば、駆動源であるモータ51が直流モータであるので、地域電圧や周波数変動に影響を受けにくく、様々なロケーションでの設置が可能になる。
【0203】
上記商品払出装置10によれば、通路構成要素12の下端部に第1売切検知レバー40a及び第2売切検知レバー40bを配設して、第1払出機構20a及び第2払出機構20bとは分離させたので、第1売切検知レバー40a及び第2売切検知レバー40bはそのままにして、第1払出機構20a及び第2払出機構20bのみの交換作業を行うことが可能になり、メンテナンス作業の煩雑さを解消することが可能になる。
【0204】
従来の自動販売機では、ACソレノイドを通電状態にさせるとその後に商品払出装置が駆動しているか否かを監視していないために、商品が払い出されない事態が生じても自動販売機としてはACソレノイドを通電状態にさせることで商品販売が行われたと認識されてしまう虞れがあった。この点、上記商品払出装置10によれば、払出制御処理において、所定時間内にキャリアスイッチ53がオン状態とならない場合には、異常であると判断しているので、該当する商品収納通路13の商品については販売禁止にすることで、金銭等を投入した利用者が不測の不利益を被らないようにすることができる。
【0205】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0206】
上述した実施の形態では、第1払出機構20aが第1商品収納通路13aに対応し、かつ第2払出機構20bが第2商品収納通路13bに対応するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、一方の払出機構が他方の商品収納通路に対応し、かつ他方の払出機構が一方の商品収納通路に対応するものであっても構わない。
【符号の説明】
【0207】
10 商品払出装置
10a 商品収納ラック
10b 払出駆動ユニット
20a 第1払出機構
20b 第2払出機構
40a 第1売切検知レバー
40b 第2売切検知レバー
50 モータユニット
60 第1売切検知ユニット
51 モータ
52 出力ギア(回転部材)
53 キャリアスイッチ
61 第1売切検知スイッチ
70 第2売切検知ユニット
71 第2売切検知スイッチ
80 第1リンクユニット(一方のリンク機構)
81 第1フック部材
82 第1スライド部材
83 第1リンクレバー部材
90 第2リンクユニット(他方のリンク機構)
91 第2フック部材
92 第2スライド部材
93 第2リンクレバー部材
C 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19