(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296041
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】電話機
(51)【国際特許分類】
H04M 1/725 20060101AFI20180312BHJP
H04M 1/65 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
H04M1/725
H04M1/65 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-229531(P2015-229531)
(22)【出願日】2015年11月25日
(65)【公開番号】特開2017-98770(P2017-98770A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長濱 徹
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−115847(JP,A)
【文献】
特開2013−201595(JP,A)
【文献】
特開2009−290634(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0314217(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/725
H04M1/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子機と無線通信を行う第1無線部と、
留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けるための操作部と、
前記留守番録音機能によって録音されたメッセージである留守用件を再生する第1モードと、応答メッセージを再生する第2モードと、前記留守用件を録音する領域がないことを示す未領域メッセージを再生する第3モードと、を含む留守再生モードを記憶する記憶部と、
第1制御部と、を備える親機と、
前記親機と無線通信を行う第2無線部と、
スピーカと、
第2制御部と、を備える前記子機と、を備え、
前記第1制御部は、
前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けた場合、前記操作部が操作されたことを示す留守設定通知を、前記第1無線部を介して、前記子機に送信し、
前記第2制御部は、
前記第2無線部を介して、前記留守設定通知を受信した場合、メッセージ再生要求を前記親機に送信し、
前記第1制御部は、
前記第1無線部を介して、前記メッセージ再生要求を受信した場合、前記記憶部に記憶されている前記留守再生モードに応じて、前記留守用件、前記応答メッセージ、又は、前記未領域メッセージを、前記第1無線部を介して、前記子機に送信し、
前記第2制御部は、
前記第2無線部を介して、前記留守用件、前記応答メッセージ、又は、前記未領域メッセージを受信した場合、前記留守用件、前記応答メッセージ、又は、前記未領域メッセージを前記スピーカから再生する
ことを特徴とする電話機。
【請求項2】
前記記憶部は、前記留守番録音機能がオン、又は、オフであるかを示す留守設定をさらに記憶し、
前記第1制御部は、
さらに、前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている前記留守設定がオフであり、且つ、前記留守用件を録音する領域がない場合、前記留守再生モードを前記第3モードに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電話機。
【請求項3】
前記第1制御部は、
さらに、前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている前記留守設定がオフであり、且つ、前記留守用件を録音する領域がある場合、前記留守設定をオンに変更し、且つ、前記留守再生モードを前記第2モードに設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の電話機。
【請求項4】
前記第1制御部は、
さらに、前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている前記留守設定がオンである場合、前記留守設定をオフに変更し、且つ、前記留守再生モードを前記第1モードに設定する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電話機。
【請求項5】
前記第2制御部は、
前記第2無線部を介して、前記留守設定通知を受信したときに、自機が待機状態である場合、前記メッセージ再生要求を前記親機に送信し、
自機が前記待機状態でない場合、前記メッセージ再生要求を前記親機に送信しない
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電話機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、親機と子機とが無線で通信するコードレス電話機において、スタイリッシュさ、シンプルさを訴求するために、親機には、表示部等が設けられないものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような製品においては、ほぼすべての操作を子機から行うようになっている。また、このような製品でも、「発信」、「着信」等は、従来のコードレス電話機と同様に使用可能である。
【0003】
例えば、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けるための留守ボタンのみが親機に設けられている電話機がある。以下、留守ボタンによって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けた場合の従来の電話機の処理動作について説明する。なお、留守応答するときに相手に流す応答メッセージを「OGM(Out Going Message)」、留守番録音機能によって録音されたメッセージ(留守用件)を「ICM(In Coming Message)」という。
【0004】
(留守番録音機能をオンからオフにする場合)
親機は、留守ボタンが操作されると、留守番録音機能がオン又はオフであるか示す留守設定をオンからオフに変更して記憶する。次に、親機は、留守ボタンが操作されたことを示す留守ボタン通知を、子機に送信する。このとき、親機は、留守設定の状態(オン/オフ)も子機に送信する。子機は、留守ボタン通知を受信した場合、留守設定がオフであるので、ICMの再生を親機に要求する。親機は、ICMの再生要求を受信した場合、ICMを子機に送信する。子機は、ICMを受信した場合、ICMを再生する。
【0005】
(留守番録音機能をオフからオンにする場合(録音領域に空きがある場合))
親機は、留守ボタンが操作されると、留守設定をオフからオンに変更して記憶する。次に、親機は、留守ボタン通知を、子機に送信する。このとき、親機は、留守設定の状態(オン/オフ)も子機に送信する。子機は、留守ボタン通知を受信した場合、留守設定がオンであるので、OGMの再生要求を親機に要求する。親機は、OGMの再生要求を受信した場合、OGMを子機に送信する。子機は、OGMを受信した場合、OGMを再生する。
【0006】
(留守番録音機能をオフからオンにする場合(録音領域に空きがない場合))
親機は、留守ボタンが操作されると、録音領域に空きがないことを報知するため、ブザーで警告音を鳴らす。また、親機は、留守番録音機能をオンにしても、ICMを録音できないため、留守設定を変更しない。また、留守ボタン通知を子機に送信しても、留守設定はオフであるため、留守ボタン通知を受信した子機は、OGMではなく、ICMの再生を要求してしまう。このため、親機は、留守ボタン通知を子機に送信しない。このとき、親機は、留守設定の状態(オン/オフ)も送信しない。子機は、留守ボタン通知を受信しないため、何もしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−199599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、従来の電話機では、親機の留守ボタンが操作された場合に、子機のスピーカから、ICMの再生、OGMの再生が行われる。しかし、録音領域に空きがない場合は、親機に搭載されているブザーで警告音を鳴らしている。このため、ユーザーにとっては何が問題であるか直感的にわかりづらいという問題がある。また、警告用のブザーを親機に搭載する必要があるため、部品代がかかるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、ユーザーに、わかりやすく録音領域に空きがないことを報知し、且つ、部品代を抑えることが可能な電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明の電話機は、 子機と無線通信を行う第1無線部と、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けるための操作部と、前記留守番録音機能によって録音されたメッセージである留守用件を再生する第1モードと、応答メッセージを再生する第2モードと、前記留守用件を録音する領域がないことを示す未領域メッセージを再生する第3モードと、を含む留守再生モードを記憶する記憶部と
、第1制御部と、を備える親機と、前記親機と無線通信を行う第2無線部と、
スピーカと、第2制御部と、を備える前記子機と、を備え、前記第1制御部は、前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けた場合、前記操作部が操作されたことを示す留守設定通知を、前記第1無線部を介して、前記子機に送信し、前記第2制御部は、前記第2無線部を介して、前記留守設定通知を受信した場合、メッセージ再生要求を前記親機に送信し、前記第1制御部は、前記第1無線部を介して、前記メッセージ再生要求を受信した場合、前記記憶部に記憶されている前記留守再生モードに応じて、前記留守用件、前記応答メッセージ、又は、前記未領域メッセージを、前記第1無線部を介して、前記子機に送信し、前記第2制御部は、前記第2無線部を介して、前記留守用件、前記応答メッセージ、又は、前記未領域メッセージを受信した場合、前記留守用件、前記応答メッセージ、又は、前記未領域メッセージを前記スピーカから再生することを特徴とする。
【0011】
本発明では、子機は、留守設定通知を受信した場合、メッセージ再生要求を親機に送信する。また、親機は、メッセージ再生要求を受信した場合、留守再生モードに応じて、留守用件、応答メッセージ、又は、未領域メッセージを、子機に送信する。例えば、留守再生モードが、未領域メッセージを再生する第3モードであれば、親機は、未領域メッセージを子機に送信する。そして、子機は、未領域メッセージを親機から受信し、スピーカから再生する。このため、ユーザーは、留守用件を録音する領域がないことを示す未領域メッセージを聴くことで、容易に、留守用件を録音する領域がないことがわかる。また、ブザー等を設ける必要がないため、部品代がかかることがない。このように、本発明によれば、ユーザーに、わかりやすく録音領域に空きがないことを報知し、且つ、部品代を抑えることが可能となる。従って、親機のスピーカ、ブザー等の部品を削除してコストダウンが可能となる。また、ユーザーの使い勝手を損なうこともない。
【0012】
第2の発明の電話機は、第1の発明の電話機において、前記記憶部は、前記留守番録音機能がオン、又は、オフであるかを示す留守設定をさらに記憶し、前記第1制御部は、さらに、前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている前記留守設定がオフであり、且つ、前記留守用件を録音する領域がない場合、前記留守再生モードを前記第3モードに設定することを特徴とする。
【0013】
本発明では、親機は、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、留守設定がオフであり、且つ、留守用件を録音する領域がない場合、留守再生モードを第3モードに設定する。従って、親機は、第3モードに応じて、未領域メッセージを子機に送信する。そして、子機は、受信した未領域メッセージを再生する。このため、ユーザーは、未領域メッセージを聴くことができる。
【0014】
第3の発明の電話機は、第2の発明の電話機において、前記第1制御部は、さらに、前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている前記留守設定がオフであり、且つ、前記留守用件を録音する領域がある場合、前記留守設定をオンに変更し、且つ、前記留守再生モードを前記第2モードに設定することを特徴とする。
【0015】
本発明では、親機は、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、留守設定がオフであり、且つ、留守用件を録音する領域がある場合、留守再生モードを第2モードに設定する。従って、親機は、第2モードに応じて、応答メッセージを子機に送信する。そして、子機は、受信した応答メッセージを再生する。このため、ユーザーは、応答メッセージを聴くことで、留守番録音機能がオンであることがわかる。また、親機は、留守設定をオンに変更するため、留守番録音機能により、メッセージを録音することができる。
【0016】
第4の発明の電話機は、第2又は第3の発明の電話機において、前記第1制御部は、さらに、前記操作部によって、前記留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている前記留守設定がオンである場合、前記留守設定をオフに変更し、且つ、前記留守再生モードを前記第1モードに設定することを特徴とする。
【0017】
本発明では、親機は、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、留守設定がオンある場合、留守再生モードを第1モードに設定する。従って、親機は、第1モードに応じて、留守用件を子機に送信する。そして、子機は、受信した留守用件を再生する。このため、ユーザーは、親機に録音されている留守用件を聴くことができる。また、ユーザーは、留守用件を聴くことで、留守番録音機能がオフであることがわかる。
【0018】
第5の発明の電話機は、第1〜第4の発明のいずれかの電話機において、前記第2制御部は、前記第2無線部を介して、前記留守設定通知を受信したときに、自機が待機状態である場合、前記メッセージ再生要求を前記親機に送信し、自機が前記待機状態でない場合、前記メッセージ再生要求を前記親機に送信しないことを特徴とする。
【0019】
例えば、子機が、外線及び内線の着信中、アラームの鳴動中の状態である等、何らかの処理を行っている場合、待機状態ではない。このような状態で、留守用件等が再生されると、子機の処理が中断されるため、本発明では、子機が待機状態でないとき、子機から親機にメッセージ再生要求は送信されない。従って、子機が待機状態でないとき、留守用件等は、再生されないため、子機の処理が中断されることがない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザーに、わかりやすく録音領域に空きがないことを報知し、且つ、部品代を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る電話機の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電話機の構成を示すブロック図である。
【
図3】親機と子機との無線通信を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電話機の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、電話機1は、親機2と、子機3と、を備える。
図1では、親機2に子機3が載置されている。本実施形態では、親機2は、充電台を兼ねている。親機2に子機3が載置されている場合、子機3は、親機2により充電される。なお、留守応答するときに相手に流す応答メッセージを「OGM(Out Going Message)」、留守番録音機能によって録音されたメッセージ(留守用件)を「ICM(In Coming Message)」という。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係る電話機の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、親機2は、主制御部21と、RAM(Random Access Memory)22と、不揮発性メモリ23と、公衆回線制御部24と、音声録音部25と、無線部26と、インジケータ27と、留守ボタン28と、を備える。
【0024】
主制御部21(第1制御部)は、不揮発性メモリ23に記憶されている制御プログラムに従って、親機2を構成する各部を制御する。RAM22は、主制御部21の主メモリとして機能する。不揮発性メモリ23は、制御プログラム等を記憶している。公衆回線制御部24は、公衆回線を制御して、電話を掛ける、電話を切る処理を行う。公衆回線制御部24は、公衆回線に接続されている。主制御部21は、公衆回線制御部24を制御して、他の電話機と通話を行うことができる。
【0025】
音声録音部25は、音声を録音する。例えば、音声録音部25は、留守番録音機能がオンである場合に、他の電話機から受話した音声を録音する。無線部26(第1無線部)は、子機3と無線通信を行う。例えば、主制御部21は、無線部26を介して、留守番録音機能によって、音声録音部25によって録音されたメッセージであるICMを子機3に送信する。インジケータ27は、ICMの有無を点滅等で表示するLED等である。留守ボタン28(操作部)は、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けるためのものである。主制御部21は、留守ボタン28によって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付ける。ユーザーは、留守ボタン28を操作(押下)することにより、留守番録音機能を、オン、又は、オフに設定することが可能である。なお、留守ボタン28は、親機2の背面側に設けられているため、
図1においては、図示されていない。
【0026】
図2に示すように、子機3は、主制御部31と、RAM32と、不揮発性メモリ33と、音声再生部34と、スピーカ35と、無線部36と、充電検出部37と、を備える。
【0027】
主制御部31(第2制御部)は、不揮発性メモリ33に記憶されている制御プログラムに従って、子機3を構成する各部を制御する。RAM32は、主制御部31の主メモリとして機能する。不揮発性メモリ33は、制御プログラム等を記憶している。音声再生部34は、音声信号をスピーカ35に出力して、音声を再生する。例えば、音声再生部35は、親機2から送信され、後述の無線部36を介して受信したICMをスピーカ35に出力して、ICMを再生する。スピーカ35は、音声信号に従って、外部に音声を出力する。無線部36(第2無線部)は、親機2と無線通信を行う。例えば、主制御部31は、無線部36を介して、親機2から送信されるICMを受信する。
【0028】
充電検出部37は、子機3の充電状態、及び、非充電状態を検出する。親機2に子機3が載置されている場合、親機2からの電圧により、充電検出部37は、子機3が充電状態であると判断する。言い換えれば、充電検出部37は、親機2に子機3が載置されていると判断する。親機2に子機3が載置されていない場合、親機2からの電圧がないため、充電検出部37は、子機3が非充電状態であると判断する。言い換えれば、充電検出部37は、親機2に子機3が載置されていないと判断する。また、充電検出部37は、子機3の充電状態から非充電状態への変化を検出する。親機2に子機3が載置されている状態から、親機2から子機3が持ち上げられたとき、親機2からの電圧がなくなるため、充電検出部37は、子機3の充電状態から非充電状態への変化を検出する。言い換えれば、充電検出部37は、親機2からの子機3への持ち上げ(クイック)を検出する。
【0029】
以下、ICMモード、OGMモード、録音領域FULLモードについて説明する。ICMモード(第1モード)は、ICMを再生するモードである。OGMモード(第2モード)は、OGMを再生するモードである。録音領域FULLモード(第3モード)は、ICMを録音する領域がないことを示す未領域メッセージを再生するモードである。これらのモードを、「留守再生モード」という。主制御部21は、留守再生モードをRAM22(記憶部)に記憶している。なお、未領域メッセージは、例えば、「メッセージを録音する録音領域に空きがありません。」という音声メッセージである。
【0030】
親機2の主制御部21は、留守ボタン28によって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けた場合、留守ボタン28が操作されたことを示す留守ボタン通知(留守設定通知)を、無線部26を介して、子機3に送信する。子機3の主制御部31は、無線部36を介して、留守ボタン設定を受信した場合、子機3が待機状態であれば、メッセージ再生要求を親機2に送信する。一方で、主制御部31は、子機3が待機状態でなければ、メッセージ再生要求を親機2に送信しない。ここで、例えば、子機3が、外線及び内線の着信中、アラームの鳴動中の状態である等、何らかの処理を行っている場合、待機状態ではない。
【0031】
親機2の主制御部21は、無線部26を介して、メッセージ再生要求を受信した場合、RAM22に記憶されている留守再生モードに応じて、ICM、OGM、又は、未領域メッセージを子機3に送信する。
【0032】
具体的には、主制御部21は、留守再生モードが、ICMモードである場合、無線部26を介して、ICMを子機3に送信する。また、主制御部21は、OGMモードである場合、無線部26を介して、OGMを子機3に送信する。また、主制御部21は、録音領域FULLモードである場合、無線部26を介して、未領域メッセージを子機3に送信する。子機3の主制御部31は、無線部36を介して、ICM、OGM、又は、未領域メッセージを受信した場合に、音声再生部34により、ICM、OGM、又は、未領域メッセージをスピーカ35から再生する。
【0033】
上述のように、留守再生モードは、親機2のRAM22に記憶されている。また、留守設定は、RAM22に記憶されている。主制御部21は、留守ボタン28によって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、留守再生モードを設定し、また、留守設定を変更する。具体的には、主制御部21は、留守ボタンによって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、RAM22に記憶されている留守設定がオンである場合、留守設定をオフに変更する。また、主制御部21は、留守再生モードをICMモードに設定する。ICMモードであるから、子機3から、ICMが再生される。
【0034】
また、主制御部21は、留守ボタン28によって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、RAM22に記憶されている留守設定がオフであり、且つ、ICMを録音する領域がある場合、留守設定をオンに変更する。また、主制御部21は、留守再生モードをOGMモードに設定する。OGMモードであるから、子機3から、OGMが再生される。
【0035】
また、主制御部21は、留守ボタン28によって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、RAM22に記憶されている留守設定がオフであり、且つ、ICMを録音する領域がない場合、留守再生モードを録音領域FULLモードに設定する。録音領域FULLモードであるから、子機から、未領域メッセージが再生される。ここで、主制御部21は、留守設定をオフに変更しない。ICMを録音する領域がないため、留守設定をオンにして、留守番録音機能をオンとしないためである。
【0036】
親機2と子機3との無線通信を、
図3に示すシーケンス図に基づいて説明する。親機2の主制御部21は、留守ボタン28によって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けると(1)、留守再生モードを設定する(2)。
【0037】
具体的には、主制御部21は、留守ボタンによって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、RAM22に記憶されている留守設定がオンである場合、留守再生モードをICMモードに設定する。また、主制御部21は、留守設定をオフに変更する。また、主制御部21は、RAM22に記憶されている留守設定がオフであり、且つ、ICMを録音する領域がある場合、留守再生モードをOGMモードに設定する。また、主制御部21は、留守設定をオンに変更する。また、主制御部21は、留守ボタン28によって、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、RAM22に記憶されている留守設定がオフであり、且つ、ICMを録音する領域がない場合、留守再生モードを録音領域FULLモードに設定する。このように、本実施形態では、留守ボタンによって、留守番録音機能のオン、又は、オフが受け付けられたときに、再生するメッセージ(留守再生モード)が決定される。
【0038】
次に、主制御部21は、無線部26を介して、留守ボタン通知を子機3に送信する(3)。子機3の主制御部31は、無線部36を介して、留守ボタン通知を受信すると、子機3が待機状態であれば、メッセージ再生要求を親機2に送信する(4)。親機2の主制御部21は、無線部26を介して、メッセージ再生要求を受信すると、無線部26を介して、メッセージの再生OKを子機3に送信(応答)する(5)。子機3の主制御部31は、無線部36を介して、メッセージの再生OKを受信すると、メッセージの再生準備を開始する(6)。
【0039】
次に、親機2の主制御部21は、無線部26を介して、子機3に、留守再生モードに応じたメッセージの送信を開始する(7)。主制御部21は、RAM22に記憶されている留守再生モードが、ICMモードであれば、ICMの送信を開始する。主制御部21は、RAM22に記憶されている留守再生モードが、OGMモードであれば、OGMの送信を開始する。主制御部21は、RAM22に記憶されている留守再生モードが、録音領域FULLモードであれば、未領域メッセージの送信を開始する。
【0040】
子機3の主制御部31は、無線部36を介して、メッセージを受信すると、音声再生部34により、スピーカ35からメッセージの再生を開始する(8)。親機2の主制御部21は、無線部26を介して、メッセージの最後まで子機3に送信すると、メッセージの再生終了を子機3に通知する(9)。子機3の主制御部31は、無線部36を介して、再生終了通知を受信すると、メッセージの再生を終了する(10)。
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、子機3は、留守ボタン通知を受信した場合、メッセージ再生要求を親機2に送信する。また、親機2は、メッセージ再生要求を受信した場合、留守再生モードに応じて、ICM、OGM、又は、未領域メッセージを、子機3に送信する。例えば、留守再生モードが、未領域メッセージを再生する録音領域FULLモードであれば、親機2は、未領域メッセージを子機3に送信する。そして、子機3は、未領域メッセージを親機2から受信し、スピーカ35から再生する。このため、ユーザーは、ICMを録音する領域がないことを示す未領域メッセージを聴くことで、容易に、ICMを録音する領域がないことがわかる。また、ブザー等を設ける必要がないため、部品代がかかることがない。このように、本実施形態によれば、ユーザーに、わかりやすく録音領域に空きがないことを報知し、且つ、部品代を抑えることが可能となる。従って、親機2のスピーカ、ブザー等の部品を削除してコストダウンが可能となる。また、ユーザーの使い勝手を損なうこともない。
【0042】
また、本実施形態では、親機2は、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、留守設定がオフであり、且つ、ICMを録音する領域がない場合、留守再生モードを録音領域FULLモードに設定する。従って、親機2は、録音領域FULLモードに応じて、未領域メッセージを子機3に送信する。そして、子機3は、受信した未領域メッセージを再生する。このため、ユーザーは、未領域メッセージを聴くことができる。
【0043】
また、本実施形態では、親機2は、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、留守設定がオフであり、且つ、ICMを録音する領域がある場合、留守再生モードをOGMモードに設定する。従って、親機2は、OGMモードに応じて、OGMを子機3に送信する。そして、子機3は、受信したOGMを再生する。このため、ユーザーは、OGMを聴くことで、留守番録音機能がオンであることがわかる。また、親機2は、留守設定をオンに変更するため、留守番録音機能により、メッセージを録音することができる
【0044】
また、本実施形態では、親機2は、留守番録音機能のオン、又は、オフを受け付けたときに、留守設定がオンある場合、留守再生モードをICMモードに設定する。従って、親機2は、ICMモードに応じて、ICMを子機3に送信する。そして、子機3は、受信したICMを再生する。このため、ユーザーは、親機2に録音されているICMを聴くことができる。また、ユーザーは、ICMを聴くことで、留守番録音機能がオフであることがわかる。
【0045】
また、例えば、子機3が、外線及び内線の着信中、アラームの鳴動中の状態である等、何らかの処理を行っている場合、待機状態ではない。このような状態で、ICM等が再生されると、子機の処理が中断されるため、本実施形態では、子機3が待機状態でないとき、子機3から親機2にメッセージ再生要求は送信されない。従って、子機3が待機状態でないとき、ICM等は、再生されないため、子機3の処理が中断されることがない
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0047】
上述の実施形態においては、留守番録音機能のオン、又は、オフを、留守ボタン28、すなわち、ボタンによって受け付けるようになっている。これに限らず、例えば、スイッチにより受け付けるようになっていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、電話機に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0049】
1 電話機
2 親機
21 主制御部(第1制御部)
26 無線部(第1無線部)
28 留守ボタン(操作部)
3 子機
31 主制御部(第2制御部)
35 スピーカ
36 無線部(第2無線部)