(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部のショルダー領域にてタイヤ幅方向に延びる複数本の第一ラグ溝と該第一ラグ溝よりも短い複数本の第二ラグ溝とを有し、これら第一ラグ溝および第二ラグ溝はタイヤ周方向に沿って交互に配置され、前記第一ラグ溝の先端部から前記第二ラグ溝まで延在する第一連結溝と前記第二ラグ溝の先端部から前記第一ラグ溝まで延在する第二連結溝とを有し、前記第一連結溝のタイヤ周方向に対する角度が前記第二連結溝のタイヤ周方向に対する角度よりも大きくなっており、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第一連結溝により複数の第一ショルダーブロックが区画され、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第二連結溝により複数の第二ショルダーブロックが区画され、前記第一ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部は前記第二ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部よりもタイヤ赤道側に配置され、且つ、前記第一ショルダーブロックが接地端位置に抉れ部を有することで前記第一ショルダーブロックのタイヤ幅方向外側のエッジが接地端位置よりもタイヤ幅方向内側に位置しており、これら第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックのそれぞれがタイヤ周方向に対して傾斜しながら各ブロックを横断する横断溝を備え、前記横断溝が前記第一ショルダーブロックおよび前記第二ショルダーブロックにおいて各ブロックのタイヤ幅方向外側のエッジからの距離が同一になる位置に配置されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部のショルダー領域にてタイヤ幅方向に延びる複数本の第一ラグ溝と該第一ラグ溝よりも短い複数本の第二ラグ溝とを有し、これら第一ラグ溝および第二ラグ溝はタイヤ周方向に沿って交互に配置され、前記第一ラグ溝の先端部から前記第二ラグ溝まで延在する第一連結溝と前記第二ラグ溝の先端部から前記第一ラグ溝まで延在する第二連結溝とを有し、前記第一連結溝のタイヤ周方向に対する角度が前記第二連結溝のタイヤ周方向に対する角度よりも大きくなっており、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第一連結溝により複数の第一ショルダーブロックが区画され、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第二連結溝により複数の第二ショルダーブロックが区画され、前記第一ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部は前記第二ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部よりもタイヤ赤道側に配置され、これら第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックのそれぞれがタイヤ周方向に対して傾斜しながら各ブロックを横断する横断溝を備え、タイヤ赤道の両側に位置する第一連結溝どうしを連結する複数本の第三連結溝とタイヤ赤道の両側に位置する第二連結溝どうしを連結する複数本の第四連結溝とを有し、前記第一連結溝、前記第二連結溝、前記第三連結溝、および前記第四連結溝によりタイヤ赤道上に複数のセンターブロックが区画されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
前記第一ショルダーブロックが前記第二ラグ溝に沿って延びる第一ショルダーサイプを備え、前記第二ショルダーブロックが前記第二ラグ溝に沿って延びる第二ショルダーサイプを備え、前記センターサイプ、前記第一ショルダーサイプ、および前記第二ショルダーサイプが一連のサイプとして前記第二ラグ溝を囲むように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、耐偏摩耗性と泥濘路面での走行性能とを向上し、これら性能をバランスよく両立することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための
第一の発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部のショルダー領域にてタイヤ幅方向に延びる複数本の第一ラグ溝と該第一ラグ溝よりも短い複数本の第二ラグ溝とを有し、これら第一ラグ溝および第二ラグ溝はタイヤ周方向に沿って交互に配置され、前記第一ラグ溝の先端部から前記第二ラグ溝まで延在する第一連結溝と前記第二ラグ溝の先端部から前記第一ラグ溝まで延在する第二連結溝とを有し、前記第一連結溝のタイヤ周方向に対する角度が前記第二連結溝のタイヤ周方向に対する角度よりも大きくなっており、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第一連結溝により複数の第一ショルダーブロックが区画され、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第二連結溝により複数の第二ショルダーブロックが区画され、前記第一ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部は前記第二ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部よりもタイヤ赤道側に配置され、
且つ、前記第一ショルダーブロックが接地端位置に抉れ部を有することで前記第一ショルダーブロックのタイヤ幅方向外側のエッジが接地端位置よりもタイヤ幅方向内側に位置しており、これら第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックのそれぞれがタイヤ周方向に対して傾斜しながら各ブロックを横断する横断溝を備え
、前記横断溝が前記第一ショルダーブロックおよび前記第二ショルダーブロックにおいて各ブロックのタイヤ幅方向外側のエッジからの距離が同一になる位置に配置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、上述のように、第一ラグ溝、第二ラグ溝、第一連結溝、第二連結溝が設けられて、これらによって第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックが区画されているため、泥等を良好に噛み込んで優れたトラクション性能を得ながら、溝内の泥等を効率良く排出する排泥性能も高めることができ、マッド性能を向上することができる。特に、上記のように第一連結溝のタイヤ周方向に対する角度が第二連結溝のタイヤ周方向に対する角度よりも大きくなっているため、第一ラグ溝よりも短いためにトラクション性能が相対的に低い第二ラグ溝のトラクション性能を第一連結溝によって補うことができ、第二ラグ溝よりも長いことで相対的に排泥性能が低い第一ラグ溝の排泥性能を第二連結溝によって補うことができ、マッド性能を効果的に高めることができる。その一方で、第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックのそれぞれに横断溝が設けられているので、第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックが適度に区分されてこれらブロック間の剛性差を抑えることができ、耐偏摩耗性を高めることができる。
【0008】
更に、第一の発明では、横断溝が第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックにおいて各ブロックのタイヤ幅方向外側のエッジからの距離が同一になる位置に配置されている
ので、第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックの横断溝によって区画されたタイヤ幅方向外側の部分の剛性を略均等にすることができ、耐偏摩耗性を高めるには有利になる。
【0009】
更に、第一の発明では、第一ショルダーブロックが接地端位置に抉れ部を有し、第一ショルダーブロックのタイヤ幅方向外側のエッジが接地端位置よりもタイヤ幅方向内側に位置している
ので、第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックにおける横断溝の位置を各ブロックのタイヤ幅方向外側のエッジからの距離が同一にするにあたって、タイヤ周方向に隣り合うブロックに形成された横断溝どうしをずらすことができ、ブロック剛性のバランスを良好にして耐偏摩耗性を高めるには有利になる。
【0010】
本発明では、第一ラグ溝および前記第二ラグ溝の接地端位置におけるタイヤ周方向に対する角度が鋭角側でそれぞれ60〜90°であることが好ましい。このように各ラグ溝の角度を設定することで、ショルダー領域におけるトラクション性能を向上することができ、マッド性能を高めるには有利になる。
【0011】
或いは、上記目的を達成するための第二の発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部のショルダー領域にてタイヤ幅方向に延びる複数本の第一ラグ溝と該第一ラグ溝よりも短い複数本の第二ラグ溝とを有し、これら第一ラグ溝および第二ラグ溝はタイヤ周方向に沿って交互に配置され、前記第一ラグ溝の先端部から前記第二ラグ溝まで延在する第一連結溝と前記第二ラグ溝の先端部から前記第一ラグ溝まで延在する第二連結溝とを有し、前記第一連結溝のタイヤ周方向に対する角度が前記第二連結溝のタイヤ周方向に対する角度よりも大きくなっており、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第一連結溝により複数の第一ショルダーブロックが区画され、前記第一ラグ溝、前記第二ラグ溝、および前記第二連結溝により複数の第二ショルダーブロックが区画され、前記第一ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部は前記第二ショルダーブロックのタイヤ幅方向内側端部よりもタイヤ赤道側に配置され、これら第一ショルダーブロックおよび第二ショルダーブロックのそれぞれがタイヤ周方向に対して傾斜しながら各ブロックを横断する横断溝を備え、タイヤ赤道の両側に位置する第一連結溝どうしを連結する複数本の第三連結溝とタイヤ赤道の両側に位置する第二連結溝どうしを連結する複数本の第四連結溝とを有し、第一連結溝、第二連結溝、第三連結溝、および第四連結溝によりタイヤ赤道上に複数のセンターブロックが区画されていること
を特徴とする、この発明では、上述の第一の発明と共通する構造による効果に加えて、センター領域において第三連結溝および第四連結溝によるトラクション性能が確保でき、マッド性能を高めるには有利になる。
【0012】
第二の発明では、第三連結溝のタイヤ周方向に対する角度が第四連結溝のタイヤ周方向に対する角度よりも小さいことが好ましい。これにより、トラクション性能に優れた第一連結溝に連結する第三連結溝については排泥性能を向上し、排泥性能に優れた第二連結溝に連結する大音連結溝についてはトラクション性能を向上することができるので、これら第一〜第四連結溝の組み合わせによりマッド性能を高度に発揮することが可能になる。
【0013】
第二の発明では、センターブロックが第二連結溝に沿って延びるセンターサイプを備えることが好ましい。これにより、溝長さが短い第二ラグ溝の延長線上に位置するため剛性が高くなりやすいセンターブロックの部分の剛性を抑制し、第二ラグ溝および第二連結溝近傍のブロック剛性差を抑えて、耐偏摩耗性を高めることができる。また、サイプによるエッジ効果が見込めるためトラクション性能についても向上することができる。
【0014】
このとき、第一ショルダーブロックが第二ラグ溝に沿って延びる第一ショルダーサイプを備え、第二ショルダーブロックが第二ラグ溝に沿って延びる第二ショルダーサイプを備え、センターサイプ、第一ショルダーサイプ、および第二ショルダーサイプが一連のサイプとして第二ラグ溝を囲むように配置されていることが好ましい。これにより、第一ショルダーブロック、第二ショルダーブロック、およびセンターブロックの特に第二ラグ溝周縁部の剛性バランスを良好にすることができ、耐偏摩耗性を高めるには有利になる。また、サイプによるエッジ効果が見込めるためトラクション性能を高めるにも有利である。
【0015】
本発明において、接地端とは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときのタイヤ軸方向の端部である。タイヤ幅方向両側の接地端の間の領域を「接地領域」という。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車である場合には180kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。尚、
図1において、符号CLはタイヤ赤道を示し、符号Eは接地端を示す。
【0019】
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(
図1では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側に複数層(
図1では2層)のベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
【0020】
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その断面構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
【0021】
図2,3に示すように、トレッド部1には第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、第一連結溝21、および第二連結溝22、第三連結溝23、第四連結溝24がそれぞれ複数本設けられる。また、これら溝によって、第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32、センターブロック34がそれぞれ複数区画されている。尚、第三連結溝23および第四連結溝24と、これら第三連結溝23および第四連結溝24を含む複数の溝によって区画されるセンターブロック34は後述のように任意の要素であるため必ずしも設ける必要は無い。
【0022】
第一ラグ溝11は、トレッド部1のショルダー領域(タイヤ幅方向外側の領域)にてタイヤ幅方向に延びる溝である。図示の例では、ショルダー領域において略タイヤ幅方向に延び、センター領域ではタイヤ赤道CL側に向かって徐々にタイヤ幅方向に対する傾斜角度が大きくなっている。第一ラグ溝11は、後述の第二ラグ溝12よりも溝長さが大きく、図示の例では、一端が接地端Eを越えてタイヤ幅方向外側に向かって開口し、他端がタイヤ赤道CLまで到達して終端している。図示の例では第一ラグ溝11の接地端Eの近傍の溝底中央にて溝底から突き出して第一ラグ溝11に沿って延在する突出部11aが形成されている。
【0023】
第二ラグ溝12は、第一ラグ溝11と同様に、トレッド部1のショルダー領域(タイヤ幅方向外側の領域)にてタイヤ幅方向に延びる溝である。図示の例では、ショルダー領域において略タイヤ幅方向に延び、センター領域ではタイヤ赤道CL側に向かって徐々にタイヤ幅方向に対する傾斜角度が大きくなっている。第二ラグ溝12は、前述の第一ラグ溝11よりも溝長さが小さく、図示の例では、一端が接地端Eを越えた位置に配されたサイドブロック33内で終端し、他端がタイヤ赤道CLよりもタイヤ幅方向外側の位置で終端している。図示の例では第二ラグ溝12の接地端Eの近傍の溝底中央にて溝底から突き出して第二ラグ溝12に沿って延在する突出部12aが形成されている。
【0024】
これら第一ラグ溝11と第二ラグ溝12とはタイヤ周方向に沿って交互に配置されている。そして、タイヤ周方向に隣り合う第一ラグ溝11と第二ラグ溝12との間に第一連結溝21と第二連結溝22とが形成される。
【0025】
第一連結溝21は、第一ラグ溝11の先端部から第二ラグ溝12まで延在する溝である。このとき、第一連結溝21の第二ラグ溝12に対する連結位置は特に限定されない。図示の例では、第一連結溝21は第二ラグ溝12の先端部に連結している。第一連結溝21は、第一ラグ溝11と第二ラグ溝12との位置関係によるが、タイヤ周方向に対して傾斜して延在している。但し、第一連結溝21のタイヤ周方向に対する角度θ1は後述の第二連結溝22のタイヤ周方向に対する角度θ2よりも大きく設定されている。
【0026】
第二連結溝22は、第二ラグ溝12の先端部から第一ラグ溝11まで延在する溝である。このとき、第二連結溝22の第一ラグ溝11に対する連結位置は特に限定されない。図示の例では、第二連結溝22は第一ラグ溝11の中腹部に連結している。第二連結溝22は、第一ラグ溝11と第二ラグ溝12との位置関係によるが、タイヤ周方向に対して傾斜して延在している。但し、第二連結溝22のタイヤ周方向に対する角度θ2は前述の第一連結溝21のタイヤ周方向に対する角度θ1よりも小さく設定されている。
【0027】
これら第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、第一連結溝21、第二連結溝22によって、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32が区画される。これら第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32はそれぞれ後述の溝の組み合わせによって区画されるため、タイヤ周方向に沿って交互に配置される。
【0028】
第一ショルダーブロック31は、第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、および第一連結溝21により区画されるブロックである。この溝の組み合わせで区画されているため、第一ショルダーブロック31のタイヤ幅方向内側端部は後述の第二ショルダーブロック32のタイヤ幅方向内側端部よりもタイヤ赤道CL側に配置される。この第一ショルダーブロック31は、タイヤ周方向に対して傾斜しながら各ブロックを横断する横断溝31aを備える。図示の例では、第一ショルダーブロック31には横断溝31aの他に、接地端E上に位置してタイヤ幅方向に延びる細溝31b、接地端Eよりもタイヤ幅方向外側に位置してタイヤ幅方向に延びる細溝31b、第一ブロックの長手方向に沿って延びて横断溝31aと交差するサイプ31cが設けられている。図示の例では、第一ショルダーブロック31の接地端Eの位置に抉れ部31dが形成されている。そのため図示の例では第一ショルダーブロック31自体の接地端は接地端E(接地領域のタイヤ幅方向外側端部)よりもタイヤ幅方向内側に位置している。
【0029】
第二ショルダーブロック32は、第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、および第二連結溝22により区画されるブロックである。この溝の組み合わせで区画されているため、第二ショルダーブロック32のタイヤ幅方向内側端部は前述の第一ショルダーブロック31のタイヤ幅方向内側端部よりもタイヤ幅方向外側に配置される。この第二ショルダーブロック32は、タイヤ周方向に対して傾斜しながら各ブロックを横断する横断溝32aを備える。図示の例では、第二ショルダーブロック32には横断溝32aの他に、接地端E上に位置してタイヤ幅方向に延びる細溝32b、接地端Eよりもタイヤ幅方向外側に位置してタイヤ幅方向に延びる細溝32b、第一ブロックの長手方向に沿って延びて横断溝32aと交差するサイプ32cが設けられている。図示の例では、第二ショルダーブロック32には第一ショルダーブロック31のような抉れ部31dは形成されないので、第二ショルダーブロック32自体の接地端は接地端E(接地領域のタイヤ幅方向外側端部)と一致している。
【0030】
尚、図示の例では、これら第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32のタイヤ幅方向外側にサイドブロック33を備える。サイドブロック33は、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32と連続的に形成されている。そのため、図示の例のショルダー領域の構造は、2本の第一ラグ溝11間に区画されたブロック(第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32、およびサイドブロック33からなる一連のブロック)にこのブロック内で終端する第二ラグ溝12が形成されていると見做すこともできる。サイドブロック33は泥濘地を走行する際に泥等に沈み込み得る領域に存在しているので、任意で図示の例のように凹凸部33aを設けて、この凹凸部33aに泥等を噛み込ませてマッド性能を向上するようにしてもよい。尚、図中の凹凸部33aの破線で示した部分は、凹凸部33aのサイドブロック33の表面から隆起または窪みが開始する境界を意図している。
【0031】
第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32に形成された横断溝31a,32aはいずれも長手方向の中腹に屈曲部を有しジグザグ状の形状を有する。第一ショルダーブロック31に形成された横断溝31aは、一端が第一ラグ溝11の中腹部に連通し、他端が第二ラグ溝12の中腹部に連通している。第二ショルダーブロック32に形成された横断溝32aは、一端が第二ラグ溝12のタイヤ幅方向内側端部に連通し、他端が第一ラグ溝11の中腹部に連通している。横断溝31a,32aは、ラグ溝や連結溝よりも溝幅および溝深さが小さく、サイプよりも溝幅が大きい溝である。具体的には、ラグ溝の溝幅が25mm〜40mmで溝深さが10mm〜20mmであり、連結溝の溝幅が5mm〜20mmで溝深さが10mm〜20mmであり、サイプの溝幅が0.8mm〜1.5mmで溝深さが2mm〜15mmであるのに対して、横断溝31a,32aの溝幅が2mm〜5mmで溝深さが5mm〜10mmであるとよい。
【0032】
これら第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、第一連結溝21、第二連結溝22、第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32は、タイヤ赤道CLの両側にそれぞれ配置される。タイヤ赤道CLの両側に位置するこれら第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、第一連結溝21、第二連結溝22、第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32は、タイヤ赤道CL上の点に対して略点対称の関係になっている。
【0033】
このようにタイヤ赤道CLの両側に第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、第一連結溝21、第二連結溝22、第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32が設けられたとき、タイヤ赤道CLの両側に位置する第一連結溝21どうしの間に、第一連結溝21どうしを連結する第三連結溝23を任意で設けることができる。また、タイヤ赤道CLの両側に位置する第二連結溝22どうしの間に、第二連結溝22どうしを連結する第四連結溝24を任意で設けることができる。図示の例では、タイヤ赤道CL上の点に対して点対称の関係にある第一連結溝21どうしの間にそれぞれ第三連結溝23が形成され、タイヤ赤道CL上の点に対して点対称の関係にある第二連結溝22どうしの間にそれぞれ第三連結溝23が形成されているので、第一連結溝21、第二連結溝22、第三連結溝23、および第四連結溝24によりタイヤ赤道CL上に複数のセンターブロック34が区画されている。
【0034】
本発明は、トレッド部のショルダー領域の構造、即ち、第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、第一連結溝21、第二連結溝22、第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32を設けて、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32のそれぞれに横断溝31a,32aを設けた構造を規定するものであるので、トレッド部のセンター領域の構造については特に限定されない。例えば、第三連結溝23および第四連結溝24を設けずに、タイヤ赤道CL上にタイヤ周方向に連続して延びるリブ状の陸部を形成した仕様にすることもできる。
【0035】
以上のように、第一ラグ溝11、第二ラグ溝12、第一連結溝21、第二連結溝22が設けられて、これらによって第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32が区画されているため、泥等を良好に噛み込んで優れたトラクション性能を得ながら、溝内の泥等を効率良く排出する排泥性能も高めることができ、マッド性能を向上することができる。特に、上記のように第一連結溝21のタイヤ周方向に対する角度が第二連結溝22のタイヤ周方向に対する角度よりも大きくなっているため、第一ラグ溝11よりも短いためにトラクション性能が相対的に低い第二ラグ溝12のトラクション性能を第一連結溝21によって補うことができ、第二ラグ溝12よりも長いことで相対的に排泥性能が低い第一ラグ溝11の排泥性能を第二連結溝22によって補うことができ、マッド性能を効果的に高めることができる。その一方で、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32のそれぞれに横断溝31a,32aが設けられているので、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32が適度に区分されてこれらブロック間の剛性差を抑えることができ、耐偏摩耗性を高めることができる。
【0036】
横断溝31a,32aは、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32の任意の位置に設けることができるが、好ましくは各ブロックのタイヤ幅方向外側のエッジからの距離が同一になる位置に配置されているとよい。具体的には、
図4に示すように、第一ショルダーブロック31におけるブロックのタイヤ幅方向外側のエッジから横断溝31aのタイヤ幅方向最内側の点までの距離L1と、第二ショルダーブロック32におけるブロックのタイヤ幅方向外側のエッジから横断溝32aのタイヤ幅方向最内側の点までの距離L2とがL1=L2の関係を満たしていることが好ましい。尚、
図4では、横断溝31a,32aの位置関係が明確になるように、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32と、サイドブロック33や第二ラグ溝12の一部のみを抽出して示し、その他の部分については省略している(当該部分の断面の一部も点線で示している)。また、第二ラグ溝12内の突出部12aやサイドブロック33に形成される凹凸部33aについても省略している。
【0037】
図示の例では、横断溝31a,32aのタイヤ幅方向の位置はずれているが、第一ショルダーブロック31に前述の抉れ部31dが形成されて、第一ショルダーブロック31のエッジ(ブロックが接地した際のブロック自体の端部)が接地端E(即ち、第二ショルダーブロック32のエッジ)よりもタイヤ幅方向内側に位置しているので、距離L1と距離L2とがL1=L2の関係を満たしている。このように横断溝31a,32aを配置することで、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32の横断溝31a,32aによって区画されたタイヤ幅方向外側の部分の剛性を略均等にすることができ、耐偏摩耗性を高めるには有利になる。このとき、距離L1と距離L2とが一致していないとブロック剛性のバランスを最適化することができず、耐偏摩耗性を充分に高めることが難しくなる。
【0038】
尚、図示の例のような抉れ部31dは必ずしも設ける必要はないので、単純に第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32のそれぞれに形成される横断溝31a,32aのタイヤ幅方向の位置を揃えて距離L1と距離L2とが一致するように構成してもよい。好ましくは、例えば図示のような抉れ部31dを設けて、第一ショルダーブロック31および第二ショルダーブロック32のそれぞれに形成される横断溝31a,32aがタイヤ幅方向にずれて配置されるようにして、タイヤ幅方向の様々な部位において横断溝31a,32aによるエッジ効果(トラクション性能の向上)が発揮されるようにするとよい。
【0039】
第一ラグ溝11および第二ラグ溝12は前述のようにトレッド部のショルダー領域にてタイヤ幅方向に延びるものであるが、接地端位置におけるタイヤ周方向に対する角度が鋭角側でそれぞれ60°〜90°であることが好ましい。具体的には、
図3に示すように、第一ラグ溝11の接地端位置におけるタイヤ周方向に対する角度(鋭角側)をα、第二ラグ溝12の接地端位置におけるタイヤ周方向に対する角度(鋭角側)をβとすると、これら角度α,βがそれぞれ60°〜90°であるとよい。このように各ラグ溝の角度α,βを設定することで、ショルダー領域におけるトラクション性能を向上することができ、マッド性能を高めるには有利になる。このとき、角度α,βが60°よりも小さいと充分なトラクション性能を得ることができない。尚、角度αは第一ショルダーブロック31における横断溝31aのタイヤ幅方向最内側の点における第一ラグ溝11のタイヤ周方向の中点と接地端Eの位置における第一ラグ溝11のタイヤ周方向の中点とを結んだ直線がタイヤ周方向に対してなす角度であり、角度βは第二ショルダーブロック32における横断溝32aのタイヤ幅方向最内側の点における第二ラグ溝12のタイヤ周方向の中点と接地端Eの位置における第二ラグ溝12のタイヤ周方向の中点とを結んだ直線がタイヤ周方向に対してなす角度である。
【0040】
第一連結溝21および第二連結溝22の角度θ1,θ2は上述のようにθ1>θ2の関係を満たすが、好ましくは角度θ1を45°〜90°の範囲に設定し、角度θ2を10°〜45°の範囲に設定するとよい。このように角度θ1,θ2を設定することで、第一連結溝21および第二連結溝22の形状が最適化されるので耐偏摩耗性能とマッド性能とを両立するには有利になる。尚、図示の例では、第一連結溝21は溝幅が変化し、第二連結溝22は屈曲しているので、角度θ1,θ2は図示のように各溝の端部における中点どうしを結んだ直線がタイヤ周方向に対してなす角度である。
【0041】
上述のように第三連結溝23および第四連結溝24は任意の要素であるが、好ましくは第三連結溝23および第四連結溝24を設けて、タイヤ赤道CL上に複数のセンターブロック34を設けるとよい。このように第三連結溝23および第四連結溝24を設けると、センター領域において第三連結溝23および第四連結溝24によるトラクション性能が確保できるので、マッド性能を高めるには有利になる。
【0042】
第三連結溝23および第四連結溝24を設ける場合、
図5に示すように、第三連結溝23のタイヤ周方向に対する角度θ3が第四連結溝24のタイヤ周方向に対する角度θ4よりも小さいことが好ましい。このように第三連結溝23および第四連結溝24の角度θ3,θ4がθ3<θ4の関係を満たすようにすることで、トラクション性能に優れた第一連結溝21に連結する第三連結溝23については排泥性能を向上し、排泥性能に優れた第二連結溝22に連結する大音連結溝についてはトラクション性能を向上することができるので、これら第一〜第四連結溝24の組み合わせによりマッド性能を高度に発揮することが可能になる。
【0043】
第三連結溝23および第四連結溝24の角度θ3,θ4は上述の大小関係を満たしていれば第一連結溝21および第二連結溝22の位置関係に応じて適宜設定することができるが、好ましくは角度θ3を20°〜60°の範囲に設定し、角度θ4を60°〜90°の範囲に設定するとよい。このように角度θ3,θ4を設定することで、センター領域の溝やブロックの形状が最適化されるので耐偏摩耗性能とマッド性能とを両立するには有利になる。尚、角度θ3,θ4は図示のように各溝の中心線がタイヤ周方向に対してなす角度である。
【0044】
第三連結溝23および第四連結溝24を設けた場合には、上述のように第一連結溝21、第二連結溝22、第三連結溝23、および第四連結溝24によってタイヤ赤道CL上にセンターブロック34が区画されることになるが、このセンターブロック34にはサイプを設けることが好ましい。特に、
図2,5に示すように、第二連結溝22に沿って延びるセンターサイプ34aを備えることが好ましい。これにより、溝長さが短い第二ラグ溝12の延長線上に位置するため剛性が高くなりやすいセンターブロック34の部分の剛性を抑制し、第二ラグ溝12および第二連結溝22近傍のブロック剛性差を抑えて、耐偏摩耗性を高めることができる。また、サイプによるエッジ効果が見込めるためトラクション性能についても向上することができる。
【0045】
図2に示す例では、第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32、センターブロック34のそれぞれにサイプが形成されている。特に、センターサイプ34aは上述のように第二連結溝22に沿って延びるだけでなく、センターブロック34内で屈曲して一端が第一連結溝21に開口し他端が第二連結溝22に開口している。これに対して、第一ショルダーブロック31に形成される第一ショルダーサイプ31cは第二ラグ溝12に沿って延びてセンターサイプ34の第一連結溝21側の開口端に対向する位置に開口しており、第二ショルダーブロック32に形成される第二ショルダーサイプ32cは第二ラグ溝12に沿って延びてセンターサイプ34の第二連結溝22側の開口端に対向する位置に開口している。従って、第一ショルダーサイプ31c、第二ショルダーサイプ32c、およびセンターサイプ34aを連続した一連のサイプとして見ると、この一連のサイプ(第一ショルダーサイプ31c、第二ショルダーサイプ32c、およびセンターサイプ34a)は第二ラグ溝12を囲むように配置されている。このように第一ショルダーブロック31、第二ショルダーブロック32、およびセンターブロック34を設けると、特に第二ラグ溝12の周囲のブロック剛性のバランスを良好にすることができるので、耐偏摩耗性を高めるには有利になる。また、これらサイプによるエッジ効果が見込めるためトラクション性能を高めるにも有利である。
【実施例】
【0046】
タイヤサイズがLT265/70R17であり、
図1に例示する基本構造を有し、
図2のトレッドパターンを基調とし、第一連結溝および第二連結溝の角度の大小関係(第一/第二連結溝の角度)、横断溝の位置、第一ラグ溝の接地端位置におけるタイヤ周方向に対する角度α、第二ラグ溝の接地端位置におけるタイヤ周方向に対する角度β、第三連結溝および第四連結溝の有無(第三/第四連結溝の有無)、第三連結溝のタイヤ周方向に対する角度θ3および第四連結溝のタイヤ周方向に対する角度θ4の大小関係(第三/第四連結溝の角度)、センターサイプの有無をそれぞれ表1のように設定した従来例1、比較例1、実施例1〜7の9種類の空気入りタイヤを作成した。
【0047】
尚、いずれの例においても、図示のように、第一ラグ溝は第二ラグ溝よりも長く、これら第一ラグ溝と第二ラグ溝とがタイヤ周方向に交互に配置されている。そして、第一ラグ溝と第二ラグ溝との両方にそれぞれ横断溝が形成されている。
【0048】
表1の「横断溝の位置」の欄について、横断溝が形成された各ブロックのエッジから横断溝までの距離L1,L2が一致するか否かを示した。具体的には、「L1=L2」は横断溝が形成された各ブロックのエッジから横断溝までの距離が一致していることを意味し、「L1≠L2」は横断溝が形成された各ブロックのエッジから横断溝までの距離がブロックによって異なることを意味する。
【0049】
これら9種類の空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、マッド性能および耐偏摩耗性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。
【0050】
マッド性能
各試験タイヤをリムサイズ17×8.0のホイールに組み付けて、空気圧を450kPaとしてピックアップトラック(試験車両)に装着し、泥濘路面においてテストドライバーによるトラクション性能の官能評価を行った。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどマッド性能が優れることを意味する。
【0051】
耐偏摩耗性能
各試験タイヤをリムサイズ17×8.0のホイールに組み付けて、空気圧を450kPaとしてピックアップトラック(試験車両)に装着し、乾燥路面において20000km走行した後、偏摩耗(ヒールアンド摩耗)の摩耗量を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど摩耗量が小さく耐偏摩耗性が優れていることを意味する。
【0052】
【表1】
【0053】
表1から明らかなように、実施例1〜8はいずれも、従来例1と比較して、マッド性能および耐偏摩耗性を向上し、これら性能をバランスよく両立した。尚、実施例1〜5から判るように、横断溝の位置や角度α,βを好適な設定にした実施例1,4,5は、マッド性能および耐偏摩耗性能を大幅に向上し優れた性能を示した。また、実施例1と実施例6〜8との対比から判るように、第三連結溝および第四連結溝やセンターサイプを有さない実施例6でも充分な効果は得られたが、第三連結溝および第四連結溝やセンターサイプを設けてこれらを好ましい態様にすることでより優れた効果が得られた。