特許第6296142号(P6296142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6296142
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】配管カバー
(51)【国際特許分類】
   F16L 57/00 20060101AFI20180312BHJP
   F16L 3/02 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   F16L57/00 A
   F16L3/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-226607(P2016-226607)
(22)【出願日】2016年11月22日
【審査請求日】2017年10月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000128968
【氏名又は名称】株式会社オンダ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】井村 元
(72)【発明者】
【氏名】中野 翔太
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−147051(JP,A)
【文献】 特開2013−061054(JP,A)
【文献】 意匠登録第1420332(JP,S)
【文献】 特開2012−180900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L3/00−3/26
F16L5/00
F16L41/08−41/16
F16L57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1施工面及び第2施工面により構成される入隅に設置される配管カバーであって、
配管、又は、前記入隅に形成された引出孔を覆う収容部と、
前記収容部の外側に設けられ、少なくとも、前記入隅における隅に対向する対向部分を有するフランジ部と、
前記対向部分の端部から前記隅に向けて延びる延出部と、
を備え
前記フランジ部は、前記第1施工面に当接する第1フランジ部分と、前記第2施工面に当接する第2フランジ部分と、前記第1フランジ部分と前記第2フランジ部分とを接続する前記対向部分と、を有する配管カバー。
【請求項2】
第1施工面及び第2施工面により構成される入隅に設置される配管カバーであって、
配管、又は、前記入隅に形成された引出孔を覆う収容部と、
前記収容部の外側に設けられ、少なくとも、前記入隅における隅に対向する対向部分を有するフランジ部と、
前記対向部分の端部から前記隅に向けて延びる延出部と、
を備え、
前記収容部は、第1軸方向に沿って延びる第1収容部と、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に沿って延びる第2収容部とが、略L字型に接続した形態を有し、
前記フランジ部は、
前記第1収容部の外側に設けられ、前記第1施工面に当接する第1フランジ部分と、
前記第2収容部の外側に設けられ、前記第2施工面に当接する第2フランジ部分と、
前記第1フランジ部分と前記第2フランジ部分とを接続する前記対向部分と、
を有する配管カバー。
【請求項3】
第1施工面及び第2施工面により構成される入隅に設置される配管カバーであって、
配管、又は、前記入隅に形成された引出孔を覆う収容部と、
前記収容部の外側に設けられ、少なくとも、前記入隅における隅に対向する対向部分を有するフランジ部と、
前記対向部分の端部から前記隅に向けて延びる延出部と、
を備え、
前記対向部分は、側面視において、前記隅に向けて張り出す略円弧形状を有する配管カバー。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は配管カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、以下のような配管カバーが知られている。配管カバーは入隅に配置される。配管カバーは、入隅に沿って配設された配管、又は、入隅に形成された引出孔を覆う収容部を備える(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−323432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の配管カバーに、例えば、収容部の密閉性や剛性を向上させるためにフランジ部を設けることが考えられる。フランジ部は、収容部の外側に設けられ、入隅における隅に対向する対向部分を有する。
【0005】
隅の形態は一様ではないため、対向部分が隅と干渉することを抑制するためには、対向部分を隅から離す必要がある。その場合、対向部分と隅との間隔が大きくなり、収容部の密閉性が低下してしまう。
【0006】
本開示の一局面は、収容部の密閉性を向上させることができる配管カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、入隅に配置される配管カバーであって、配管、又は、前記入隅に形成された引出孔を覆う収容部と、前記収容部の外側に設けられ、少なくとも、前記入隅における隅に対向する対向部分を有するフランジ部と、前記対向部分の端部から前記隅に向けて延びる延出部と、を備える配管カバーである。
【0008】
本開示の配管カバーは、対向部分の端部から隅に向けて延びる延出部を備える。そのため、収容部の密閉性を向上させることができる。また、延出部が隅と干渉する場合は、例えば、隅の一部を切り落として、干渉を抑制することができる。また、上記のとおり、延出部によって収容部の密閉性を向上させることができるので、対向部分を必ずしも隅に接近させなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】配管カバー1の構成を表す斜視図である。
図2】配管カバー1の構成を表す正面図である。
図3】配管カバー1の構成を表す上面図である。
図4】配管カバー1の構成を表す下面図である。
図5】配管カバー1の構成を表す側面図である。
図6】配管カバー1の構成を表す背面図である。
図7図2におけるVII-VII断面での断面図である。
図8】施工面7A、7Bに設置した配管カバー1を表す説明図である。
図9】配管カバー1の使用方法を表す説明図である。
図10】配管カバー101の構成を表す斜視図である。
図11】配管カバー101の構成を表す正面図である。
図12】配管カバー101の構成を表す側面図である。
図13】配管カバー101の構成を表す背面図である。
図14図11におけるXIV-XIV断面での断面図である。
図15図11におけるXV-XV断面での断面図である。
図16】施工面7A、7Bに設置した配管カバー101を表す説明図である。
図17】施工面7A、7Bに設置した配管カバー101を表す説明図である。
図18図18Aは、内側面29Cの別形態を表す説明図であり、図18Bは、図18AにおけるXVIIIB- XVIIIB断面での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態を図面に基づき説明する。
<第1実施形態>
1.配管カバー1の構成
配管カバー1の構成を図1図8に基づき説明する。図8に示すように、配管カバー1は、施工面7A、7Bに設置される。施工面7A、7Bはいわゆる入隅を構成し、施工面7Aと施工面7Bとは略直交する。施工面7Aには、配管3の引出孔5が形成されている。配管カバー1は引出孔5を覆う。配管カバー1の材質は樹脂である。施工面7Aは第1施工面に対応する。
【0011】
図1図7に示すように、配管カバー1は、フランジ部9と、筒状部11と、開口部15と、を備える。図1図2に示すように、フランジ部9の基本形態は、筒状部11の外周側に設けられた矩形の板状部材である。
【0012】
図8に示すように、フランジ部9は、その一方の面(以下では第1面16とする)において、施工面7Aにビス等で取り付けられる。筒状部11は、フランジ部9における、第1面16とは反対の面(以下では第2面19とする)から、施工面7Aとは反対方向に突出する。筒状部11の軸方向Dは、施工面7Aと直交する。直交は交差に対応する。
【0013】
図1図2に示すように、正面視において、筒状部11は、フランジ部9における中心よりも、フランジ部9における一方の端部17寄りの位置にある。筒状部11は、その軸方向Dに沿って貫通されている部材である。筒状部11は、フランジ部9の側に孔13を備え、その孔13において外部と連通している。孔13の形状は、正面視において円形である。
【0014】
図1図4図7に示すように、筒状部11の先端21における内面にリブ18が形成されている。リブ18は、正面視において、筒状部11の中心方向に突出している。リブ18は、筒状部11の内面における全周にわたって形成されている。リブ18は、配管3を配管カバー1に収容したとき、配管3の外周面に当接する。
【0015】
図1図2図4図6に示すように、開口部15は、筒状部11の内部と外部とを連通する。開口部15は、筒状部11の軸方向Dに沿って、筒状部11の先端21から、筒状部11の側面を通り、フランジ部9まで連続している。開口部15は、筒状部11及びフランジ部9における端部17の側に形成されている。
【0016】
図4に示すように、開口部15の幅Wは、施工面7Aに近づくほど広い。図2に示すように、先端21における開口部15の幅Wは、先端21における筒状部11の内径Rよりも小さい。幅Wは、端部17に平行な方向(すなわち図2における左右方向)における幅である。
【0017】
図1図3図5に示すように、フランジ部9は、端部17と、境界線23との間に傾斜部25を有する。境界線23は、端部17と平行であり、正面視において筒状部11を横切る直線である。
【0018】
図5に示すように、傾斜部25は、端部17に近づくほど、施工面7Aから離れるように傾斜している。また、側面視において、傾斜部25は、隅7Cに向けて張り出す略円弧形状を有する。図8に示すように、隅7Cは、施工面7Aと施工面7Bとで構成される隅である。
【0019】
図5に示すように、傾斜部25は、施工面7Aから離間している。傾斜部25のうち、端部17は、施工面7Bのうち、施工面7Aから離間した部分に当接する。傾斜部25は、隅7Cに対向している。傾斜部25は対向部分に対応する。
【0020】
フランジ部9のうち、傾斜部25を除く部分(以下では平坦部27とする)は平坦である。平坦部27は施工面7Aのうち、施工面7Bから離間した部分に当接する。平坦部27は傾斜部25と接続している。平坦部27は第1フランジ部分に対応する。
【0021】
フランジ部9は、平坦部27のうち、施工面7Aとは反対側の面に、凹部28を備える。また、フランジ部9は、傾斜部25のうち、施工面7A、7Bとは反対側の面に、凹部30を備える。凹部28、30は、ビスの打ち付け位置の目安となる。凹部28、30を備えることにより、上下方向や左右方向においてビスの打ち付け位置がずれることを抑制できる。その結果、施工後の美観を向上させることができる。
【0022】
図1図4図6に示すように、配管カバー1は、フランジ部9の両側にそれぞれ延出部29を備える。傾斜部25における、端部17と交差する端部を端部33とする。延出部29は、端部33から隅7Cに向けて延びる板状部材である。延出部29の板厚方向は、端部17と平行であり、フランジ部9の板厚方向と直交する。
【0023】
図5に示すように、延出部29における施工面7A側の端部29Aは、平坦部27を外挿した平面上にある。延出部29における施工面7B側の端部29Bは、端部17を通り、端部29Aと直交する。側面視において、延出部29は、傾斜部25よりも、施工面7A、7Bに近い。端部29Aと端部29Bとが交差する頂点を頂点29Dとする。図4図6図7に示すように、延出部29の内側面29Cは、頂点29Dに近づくほど板厚が減少するように、階段状に薄肉化されている。
【0024】
配管カバー1を施工面7A、7Bに設置したとき、延出部29と隅7Cとが干渉する場合は、延出部29の一部を削除する等の方法で、容易に干渉を抑制することができる。延出部29の内側面29Cは、頂点29Dに近づくほど板厚が減少するように、階段状に薄肉化されているので、延出部29の一部を削除することは一層容易である。なお、延出部29の一部を削除した場合でも、フランジ部9が損傷することはない。
【0025】
内側面29Cは、階段状に薄肉化されているので、延出部29における削除量の確認が容易である。その結果、延出部29を過大に削除してしまうことを抑制できる。また、両側の延出部29における削除量を均一化できるので、施工後の美観が向上する。
【0026】
2.配管カバー1の使用方法
配管カバー1の使用方法を図9に基づき説明する。配管カバー1を施工面7A、7Bに設置する前に、図9に示すように、配管カバー1に対し、配管3をPの位置に押し付ける。このとき、開口部15の幅Wが広い、筒状部11の根元側では、配管3が開口部15を通り、筒状部11及び孔13の内部に進入している。一方、筒状部11における先端21の側では、配管3は、筒状部11に進入していない。
【0027】
次に、配管3を、図9における時計回りに回転し、筒状部11における先端21の側でも、配管3を筒状部11に進入させる。その結果、配管3は、筒状部11の全体及び孔13を通る位置Pに移動する。すなわち、配管3は筒状部11に収容される。次に、配管カバー1を、図8に示すように、施工面7A、7Bに設置する。
【0028】
3.配管カバー1が奏する効果
(1A)配管カバー1は、傾斜部25における端部33から隅7Cに向けて延びる延出部29を備える。そのため、筒状部11の密閉性を向上させることができる。また、延出部29が隅7Cと干渉する場合は、延出部29の一部を切り落として、干渉を抑制することができる。出部29の一部を切り落としても、フランジ部9が損傷することはない。
【0029】
また、上記のとおり、延出部29によって筒状部11の密閉性を向上させることができるので、傾斜部25を必ずしも隅7Cに接近させなくてもよい。そのため、傾斜部25と隅7Cとの干渉を抑制できる。
【0030】
(1B)配管カバー1は、施工面7Aに交差する方向に延びる筒状部11を備える。フランジ部9は筒状部11の外周側に設けられている。フランジ部9のうち、平坦部27は施工面7Aに当接するとともに、傾斜部25と接続する。
【0031】
そのため、筒状部11により、配管3及び引出孔5を覆うことができる。また、平坦部27を備えることにより、筒状部11の密閉性を一層向上させることができる。
(1C)傾斜部25は、側面視において、隅7Cに向けて張り出す略円弧形状を有する。そのため、配管カバー1の剛性を確保しつつ、傾斜部25と隅7Cとの間に隙間を形成することができる。その結果、隅7Cと配管カバー1との干渉を抑制することができる。
【0032】
(1D)凹部30は、隅7C(図8参照)と対向する。凹部30にビスを打ち、そのビスを隅7C又はその近傍にねじ込むことにより、延出部29を隅7Cにしっかり押し当てることができる。
【0033】
隅7Cの裏側の壁内には、柱が配置されることが多い。凹部30にビスを打ち、そのビスを上記の柱にねじ込むことができる。その結果、配管カバー1の取り付け強度が向上する。
【0034】
凹部30にビスを打つとき、傾斜部25のうち、凹部30又はその近傍の面に直交する方向にビスを打つことができる。この場合、最後までねじ込まれたビスの頭は、傾斜部25に対し傾かない。その結果、施工後の美観を向上させることができる。
【0035】
大型の工具(例えば、インパクトレンチ等)を用いて、ビスを凹部30に打つことがある。その場合、工具の位置は、隅7Cから見て、斜め上方にあり、施工面7A、7Bから離れている。その結果、工具の使用が容易である。
<第2実施形態>
1.配管カバー101の構成
配管カバー101の構成を図10図16に基づき説明する。図16に示すように、配管カバー101は、施工面7A、7Bに設置される。施工面7A、7Bはいわゆる入隅を構成し、施工面7Aと施工面7Bとは略直交する。配管カバー101は樹脂から成る。施工面7Aは第1施工面に対応し、施工面7Bは第2施工面に対応する。
【0036】
図10図13に示すように、配管カバー101は、中空の収容部35と、1対のフランジ部37と、を備える。収容部35は、第1軸方向Xに沿って延びる第1収容部39と、第2軸方向Xに沿って延びる第2収容部41と、を備える。第2軸方向Xは第1軸方向Xと直交する。第1収容部39と、第2収容部41とは、略L字型に接続している。
【0037】
第1収容部39は、中央部43Aと、1対の側面部45Aと、端面47Aと、を備える。中央部43Aは、収容部35が構成するL字型における内側に位置し、軸方向が第1軸方向Xである半筒形状を有する。1対の側面部45Aは、それぞれ、中央部43Aの幅方向Xにおける両側にて、中央部43Aとフランジ部37とを接続する。幅方向Xは、第1軸方向X及び第2軸方向Xに直交する方向である。1対の側面部45Aは互いに平行であり、幅方向Xに直交する。1対の側面部45Aは、それぞれ、平坦な形状を有する。
【0038】
端面47Aは、第1軸方向Xにおける第1収容部39の端面である。端面47Aには、略U字形状の引出口49Aが形成されている。引出口49Aは第1収容部39の内部と外部とを連通する。
【0039】
図10図13図15に示すように、第1収容部39は、収容部35が構成するL字型における外側に開口部51Aを備える。開口部51Aは、第1収容部39の内部と外部とを連通する。開口部51Aは、第1軸方向Xに沿って、第1収容部39の全体にわたって形成されており、後述する開口部51Bに接続している。また、開口部51Aは、引出口49Aに接続している。
【0040】
図13に示すように、第1収容部39の内面には2枚のリブ53と、2枚のリブ55とが設けられている。2枚のリブ53は、それぞれ、一方の側面部45Aの内面に設けられ、第1収容部39の中心に向けて突出している。2枚のリブ53は、第1軸方向Xに沿って配列している。2枚のリブ55は、それぞれ、リブ53とは反対側の側面部45Aの内面に設けられ、第1収容部39の中心に向けて突出している。2枚のリブ55は、第1軸方向Xに沿って配列している。リブ53とリブ55とは対向している。リブ53、55は、後述するように配管75を配管カバー101に収容したとき、配管75の外周面に当接する。
【0041】
第2収容部41は、第1収容部39と同様の形態を有する。第2収容部41における中央部を43Bとし、1対の側面部を45Bとし、端面を47Bとし、引出口を49Bとし、開口部を51Bとする。第1収容部39の内部と、第2収容部41の内部とは連通している。
【0042】
図10図13に示すように、フランジ部37は、1対の第1フランジ部分57と、1対の第2フランジ部分59と、1対の対向部分61と、を有する。第1フランジ部分57は、第1収容部39の、幅方向Xにおける両方の外側に設けられている。さらに詳しくは、第1フランジ部分57は、側面部45Aのうち、中央部43Aとは反対側の端部から、幅方向Xにおける外側に延びる。第1フランジ部分57の長手方向は第1軸方向Xである。1対の第1フランジ部分57は同一平面上にある。
【0043】
第2フランジ部分59は、第2収容部41の、幅方向Xにおける両方の外側に設けられている。さらに詳しくは、第2フランジ部分59は、側面部45Bのうち、中央部43Bとは反対側の端部から、幅方向Xにおける外側に延びる。第2フランジ部分59の長手方向は第2軸方向Xである。1対の第2フランジ部分59は同一平面上にある。
【0044】
図16に示すように、配管カバー101を施工面7A、7Bに設置したとき、第1フランジ部分57は施工面7Aに当接する。また、第2フランジ部分59は施工面7Bに当接する。
【0045】
図10図13に示すように、対向部分61は、第1フランジ部分57と第2フランジ部分59との間を接続する。図12に示すように、対向部分61は、側面視において、収容部35が構成するL字型の外側に向けて張り出す略円弧形状を有する。
【0046】
図16に示すように、配管カバー101を施工面7A、7Bに設置したとき、対向部分61は、隅7Cに対向する。隅7Cは、施工面7Aと施工面7Bとで構成される隅である。対向部分61の形状は、側面視において、隅7Cに向けて張り出す略円弧形状である。対向部分61は、施工面7A、7Bから離間している。
【0047】
図10図13図16に示すように、配管カバー101は、対向部分61の、幅方向Xにおける外側に延出部63を備える。図10図12に示すように、側面視において、延出部63は、端部65から、収容部35が構成するL字型の外側に向けて延びる板状部材である。端部65は、対向部分61の幅方向Xにおける外側の端部である。延出部63の板厚方向は、幅方向Xと平行であり、フランジ部37の板厚方向と直交する。図16に示すように、配管カバー101を施工面7A、7Bに設置したとき、延出部63は、端部65から、隅7Cに向けて延びる。
【0048】
図12に示すように、延出部63における施工面7A側の端部67は、第1フランジ部分57を外挿した平面上にある。延出部63における施工面7B側の端部69は、第2フランジ部分59を外挿した平面上にある。端部67と端部69とは直交する。側面視において、延出部63は、対向部分61よりも、施工面7A、7Bに近い。
【0049】
端部67と端部69とが交差する頂点を頂点71とする。図15図16に示すように、延出部63の内側面は、頂点71に近づくほど板厚が減少するように、階段状に薄肉化されている。
【0050】
図16に示すように、配管カバー101を施工面7A、7Bに設置したとき、収容部35は、管継手73、及び配管75、77を覆う。管継手73は施工面7A、7Bに跨って設置されている。配管75は管継手73に接続し、施工面7A上に設置されている。配管77は管継手73に接続し、施工面7B上に配置されている。配管75は引出口49Aから引き出され、配管77は引出口49Bから引き出される。
【0051】
2.配管カバー101が奏する効果
(2A)配管カバー101は、端部65から隅7Cに向けて延びる延出部63を備える。そのため、収容部35の密閉性を向上させることができる。また、延出部63が隅7Cと干渉する場合は、延出部63の一部を切り落として、干渉を抑制することができる。延出部63の一部を切り落としても、フランジ部35が損傷することはない。
【0052】
また、上記のとおり、延出部63によって収容部35の密閉性を向上させることができるので、対向部分61を必ずしも隅7Cに接近させなくてもよい。そのため、対向部分61と隅7Cとの干渉を抑制できる。
【0053】
(2B)配管カバー101において、収容部35は、第1軸方向Xに沿って延びる第1収容部39と、第2軸方向Xに沿って延びる第2収容部41とが、略L字型に接続した形態を有する。フランジ部37は、第1フランジ部分57と、第2フランジ部分59と、対向部分61とを有する。第1フランジ部分57は、第1収容部39の外側に設けられ、施工面7Aに当接する。第2フランジ部分59は、第2収容部41の外側に設けられ、施工面7Bに当接する。対向部分61は、第1フランジ部分57と第2フランジ部分59とを接続する。
【0054】
そのため、図16に示すように、配管カバー101は、管継手73、及び配管75、77を覆うことができる。また、上記の構成を有するフランジ部37を備えることにより、収容部35の密閉性を一層向上させることができる。
【0055】
(2C)対向部分61は、側面視において、隅7Cに向けて張り出す略円弧形状を有する。そのため、配管カバー101の剛性を確保しつつ、対向部分61と隅7Cとの間に隙間を形成することができる。その結果、隅7Cと配管カバー101との干渉を抑制することができる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0056】
(1)第2実施形態において、配管カバー101を、図17に示す施工面7A、7Bに設置してもよい。管継手73、及び配管75、77は、図16に示すものと同様である。施工面7Aには、引出孔79が形成されている。引出孔79には配管81が収容されている。配管81は管継手73に接続している。
【0057】
(2)第1実施形態において、リブ18の位置は、先端21から離れた位置であってもよい。
(3)第1実施形態における延出部29、及び第2実施形態における延出部63の形態は適宜設定できる。例えば、延出部29、63のうち、隅7Cに対向する部分の形態を、隅7Cに向けて張り出す円弧形状としてもよい。
【0058】
(4)第1実施形態において、フランジ部9と、施工面7A、7Bとの間に、パッキンや気密性のシートを設けてもよい。
(5)図18A図18Bに示すように、内側面29Cは、階段状に薄肉化されている形態ではなく、複数の溝35が互いに平行に形成されている形態であってもよい。溝35の形状は、例えば、直線状である。溝35同士の間隔は、例えば、一定である。溝35の長手方向と、施工面7A、7Bとが成す角度は、例えば、それぞれ45度である。
【0059】
(6)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0060】
(7)上述した配管カバー1、101の他、当該配管カバー1、101を構成要素とするシステム、配管カバー1、101の配置方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1、101…配管カバー、3、75、77、81…配管、5、79…引出孔、7A、7B…施工面、7C…隅、9…フランジ部、11…筒状部、13…孔、15…開口部、16…第1面、17…端部、18…リブ、19…第2面、21…先端、23…境界線、25…傾斜部、27…平坦部、29、63…延出部、29A、29B…端部、29C…内側面、29D…頂点、33…端部、35…収容部、37…フランジ部、39…第1収容部、41…第2収容部、43A、43B…中央部、45A、45B…側面部、47A、47B…端面、49A、49B…引出口、51A、51B…開口部、53、55…リブ、65、67、69…端部、71…頂点、73…管継手
【要約】
【課題】収容部の密閉性を向上させることができる配管カバーを提供すること。
【解決手段】配管カバーは、第1施工面及び第2施工面により構成される入隅に設置される。配管カバーは、配管、又は、前記入隅に形成された引出孔を覆う収容部と、前記収容部の外側に設けられ、少なくとも、前記入隅における隅に対向する対向部分を有するフランジ部と、前記対向部分の端部から前記隅に向けて延びる延出部と、を備える。
【選択図】図1
図1
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