(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、成分が2種以上の物質を含む場合、上記成分の含有量とは、2種以上の物質の合計の含有量を指す。
【0010】
〔(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体〕
本発明の(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(本発明の重合体)は、
主鎖の骨格として、ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有し、
末端に、下記式(1)で表される官能基を有する、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体である。
【化3】
式(1)中、R
1、R
2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。
【0011】
本発明の重合体はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
すなわち、本発明の重合体の末端にある官能基が(メタ)アクリロイルオキシ基を2個備えるため、反応性が高く、末端における(メタ)アクリロイルオキシ基が1つである重合体に比べて、硬化速度が速いと推測される。
また、このように反応性が高いことによって、本発明の重合体を含有する組成物は接着強度(特に、高温高湿条件下における接着強度)に優れると推測される。
以下、本発明の重合体について詳述する。
【0012】
<主鎖>
本発明の重合体は、その主鎖の骨格として、ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有する。
上記主鎖は、単独重合体、共重合体のいずれであってもよい。主鎖が共重合体である場合、上記共重合体としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、これらの組合せが挙げられる。重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエンイソプレン共重合体が挙げられる。
また、上記主鎖は、上記モノマーから形成される重合体の水素化物であってもよい。上記水素化物は、上記重合体が有する一部又は全ての二重結合が水素化されたものとすることができる。上記重合体の水素化率は特に制限されない。
【0013】
本発明の重合体の主鎖の骨格は、下記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を有することが好ましい。
【化4】
(式(Ia)〜式(Ic)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。)
【0014】
上記式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量1は、上記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜40モル%であることが好ましく、0〜35モル%がより好ましい。
【0015】
上記式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量2は、上記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜100モル%であることが好ましく、0〜90モル%がより好ましい。
【0016】
上記式(Ic)で表される繰り返し単位の含有量3は、上記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜100モル%であることが好ましく、0〜50モル%がより好ましい。
【0017】
式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の組合せとしては、例えば、式(Ia)と式(Ib)で表される繰り返し単位の組合せが好ましい態様の1つとして挙げられる。
なお、本発明の重合体の主鎖の骨格が式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する場合、含有量1〜3すべてが同時に0であることは除かれる。
また、本発明の重合体を製造する際に使用される原料ポリマーが有する、式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の各比率を、上記含有量1、2及び3に反映させることができる。
上記含有量1、2及び3は
1H−NMR(nuclear magnetic resonance:核磁気共鳴)および
13C−NMR分析の結果から算出することができる。
【0018】
<官能基>
本発明の重合体は、その末端に、下記式(1)で表される官能基を有する。
【化5】
式(1)中、R
1、R
2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。
【0019】
式(1)中、mは1〜3が好ましい。
nは1〜3が好ましい。
R
1、R
2は同じであっても異なってもよい。
【0020】
式(1)で表される官能基としては、例えば、下記式(1′)で表される官能基が挙げられる。
【化6】
式(1′)中、R
11、R
12、m1、n1、*は、それぞれ、上記式(1)のR
1、R
2、m、n、*と同じである。
なお式(1′)において*に隣接する酸素原子は、酸素原子を有する結合(例えばウレタン結合)の一部を形成してもよい。酸素原子を有する結合は後述する有機基に含まれてもよい。
【0021】
本発明の重合体が1分子中に有する式(1)で表される官能基の数は、1個又は2個以上である。上記官能基の数は10個以下とすることができる。上記官能基の数は1個又は2個が好ましい。
【0022】
本発明の重合体は、少なくとも1つの末端又は全ての末端に、式(1)で表される官能基を有することができる。上記主鎖が直鎖状である場合、主鎖の片方の末端又は両末端に式(1)で表される官能基を有することができる。
【0023】
本発明の重合体において、上記主鎖と上記官能基とは、直接又はヘテロ原子若しくは有機基を介して結合することができる。
(ヘテロ原子)
ヘテロ原子は少なくとも2価であればよい。2価のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられる。
【0024】
(有機基)
上記主鎖と上記官能基とを結合する有機基は特に制限されない。例えば、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基が挙げられる。なお有機基は2価以上とすることができる。
【0025】
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(脂環式を含む)、芳香族炭化水素基、これらの組合せが挙げられる。炭化水素基は、直鎖状、分岐状及び環状のうちのいずれでもよい。炭化水素基は不飽和結合を有することができる。
【0026】
炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキサメチレン基のような炭素数1〜10のアルキル基の残基;シクロヘキサンのような脂環式炭化水素基の残基:ベンゼンのような芳香族炭化水素基の残基;イソホロンジイソシアネートなどに由来する、アルキル基と脂環式炭化水素基との組合せの残基が挙げられる。
【0027】
ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン、これらの組合せが挙げられる。
ヘテロ原子を組み合わせた置換基としては、例えば、ウレタン結合、エステル結合、ウレア結合が挙げられる。なかでもウレタン結合が好ましい態様の1つとして挙げられる。
1つの有機基が有する上記置換基の数は、1個又は2個以上とすることができる。上記数は2個であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0028】
1つの有機基が有する上記置換基の数が2個である場合、2個の置換基の間に、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基を配置することができる。この場合、有機基は、例えば、下記式(6)で表すことができる。
式(6):−置換基
61−ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基−置換基
62−
式(6)中、置換基
61、置換基
62は同じでも異なってもよく、上述のヘテロ原子を組み合わせた置換基である。
なお、式(6)中の「−」は結合を表す(以下同様)。
【0029】
本発明の重合体が1分子中に有する(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、2個以上であることが好ましく、3〜6個がより好ましく、4個であることが更に好ましい。このうち、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基は上記式(1)で表される官能基に由来する。
【0030】
本発明の重合体は、更に、上記官能基とは別の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基(以下これを「別の基」と称することがある。)を有することができる。
上記別の基の結合位置は特に制限されないが、例えば、本発明の重合体の末端が挙げられる。
上記別の基としては、例えば、下記式(7)で表される基が挙げられる。
式(7):CH
2=CR
72−CO−O−R
71−*
式(7)中、R
72は水素原子又はメチル基であり、R
71は炭化水素基であり、*は主鎖との結合位置を示す。
【0031】
R
71としての炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(脂環式を含む)、芳香族炭化水素基、これらの組合せが挙げられる。炭化水素基は、直鎖状、分岐状及び環状のうちのいずれでもよい。炭化水素基は不飽和結合を有することができる。炭化水素基としては、具体的には例えば、炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ブチレン基が挙げられる。
本発明の重合体が1分子中に有することができる上記別の基の数は、0個又は1個以上とすることができる。上記別の基の数は10個以下とすることができる。上記別の基の数は1個又は2個が好ましい。
【0032】
上記別の(メタ)アクリロイルオキシ基は主鎖と直接又はヘテロ原子若しくは有機基を介して結合することができる。ヘテロ原子、有機基は上記と同様である。
【0033】
本発明の重合体としては、例えば、下記式(4)で表される重合体が挙げられる。
式(4):
[官能基
41−置換基
41−ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基−置換基
42]
2−主鎖
式(4)中、官能基
41は式(1)で表される官能基又は上記別の基を表し、2つの官能基
41のうちの少なくとも1つの官能基が式(1)で表される官能基である。式(1)で表される官能基、別の基、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基は上記と同様である。
式(4)中、置換基
41、置換基
42は上記の置換基
61、置換基
62と同様である。
式(4)中、「置換基
41−ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基−置換基
42」が有機基に該当する。
【0034】
本発明の重合体の数平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜70,000であることがより好ましい。本発明の重合体の数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。
本発明の重合体はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0035】
本発明の重合体は、光重合性を有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明の重合体を重合させうる光は特に制限されない。例えば、紫外線が挙げられる。
式(1)で表される官能基が有する(メタ)アクリロイルオキシ基が反応することによって、本発明の重合体は重合することができる。
本発明の重合体を重合させる際の温度条件は特に制限されない。例えば、0〜150℃とすることができる。
【0036】
(本発明の重合体の製造方法)
本発明の重合体の製造方法としては、例えば、末端に活性水素含有基を有する原料ポリマーとポリイソシアネートとを反応させ、末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基含有重合体を製造する工程1と、
次に、上記のとおり製造されたイソシアネート基含有重合体と、(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とを反応させて、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を製造する工程2とを有する方法が挙げられる。
【0037】
((工程1))
工程1は、末端に活性水素含有基を有する原料ポリマーとポリイソシアネートとを反応させ、末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基含有重合体を製造する工程である。イソシアネート基含有重合体は少なくとも1つの末端又は全ての末端にイソシアネート基を有することができる。
【0038】
・原料ポリマー
工程1において使用される原料ポリマーとしては、例えば、主鎖の骨格として、ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有し、末端に活性水素含有基(例えば、水酸基)を有する、活性水素含有重合体が挙げられる。活性水素含有重合体は少なくとも1つの末端又は全ての末端に活性水素含有基を有するものであればよい。
【0039】
原料ポリマーの主鎖の骨格としては、例えば、下記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するものが挙げられる。
【化7】
(式(Ia)〜式(Ic)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。)
【0040】
原料ポリマーにおける式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量4は、本発明の重合体における上記含有量1と同様である。原料ポリマーにおける式(Ib)の含有量5は上記含有量2と同様であり、原料ポリマーにおける式(Ic)の含有量6は上記含有量3と同様である。
【0041】
原料ポリマーとしては、例えば、下記式(a1)〜式(a4)で表される両末端水酸基含有重合体が挙げられる。
【0042】
【化8】
式(a1)および(a2)中、mは、それぞれ独立に15〜90の整数を表す。
【0043】
【化9】
式(a3)中、mは0〜50の整数である。nは0から90の整数であり、5〜90が好ましい。mとnの合計は140以下とすることができ、90以下が好ましい。mとnは同時に0ではない。
式(a4)中、mは10〜90の整数である。
【0044】
原料ポリマーの数平均分子量は、1000〜10000であることが好ましく、1500〜7000であることがより好ましい。原料ポリマーの数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。
原料ポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0045】
・ポリイソシアネート
工程1において使用されるポリイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)などの脂肪族ジイソシアネート(脂環式炭化水素基を有するジイソシアネートを含む);上述したジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体;等が挙げられる。ポリイソシアネートを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】
原料ポリマーとポリイソシアネートとの量比は、活性水素含有基とイソシアネート基とのモル比(イソシアネート基/活性水素含有基)が1より大きい値(例えば、1.1〜2)とすることができる。
工程1において、原料ポリマーとポリイソシアネートとを混合し、窒素雰囲気下、50〜120℃の条件で加熱することによって、イソシアネート基含有重合体を製造することができる。
なお、工程1において、1つのポリイソシアネートが有する複数のイソシアネート基と原料ポリマーとが反応することによって、原料ポリマーが高分子量化されてもよい。
【0047】
((工程2))
工程2は、工程1で得られたイソシアネート基含有重合体と、(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とを反応させて、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を製造する工程である。
【0048】
工程2において使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は、(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する化合物である。活性水素含有基としては例えば、水酸基、アミノ基等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
【化10】
式(3)中、R
31、R
32はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m3、n3はそれぞれ独立に1〜5であり、Xは活性水素含有基である。
式(3)中、m3、n3はそれぞれ上記式(1)のm、nと同様である。
活性水素含有基Xは上記活性水素含有基と同様である。
【0049】
式(3)で表される化合物としては、例えば、下記式(3−1)で表される化合物が挙げられる。
【化11】
式(3−1)中、R
311、R
312、m31、n31は、それぞれ、上記式(1)のR
1、R
2、m、nと同じである。
【0050】
式(3)で表される化合物としては、具体的には例えば、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0051】
工程2において、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物として、上記式(3)で表される化合物に、別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を併用することができる。別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、例えば、1分子中に1つの(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する化合物が挙げられる。
上記別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートモノ(メタ)アクリレート)のような、ヒドロキシ基を1個又は2個以上有するモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物が挙げられる。
【0052】
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物はその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。また(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物として市販品を用いることができる。上記式(3−1)で表される化合物は例えば特開2007−28995号公報に記載されている製造方法に従って製造することができる。
【0053】
工程2において使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の合計に対する式(3)で表される化合物のモル比率(式(3)で表される化合物/工程2において使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の合計)は、50モル%以上であることが好ましい。
【0054】
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の使用量は、上記イソシアネート基含有重合体100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、1〜50質量部であることがより好ましい。
【0055】
工程2において、イソシアネート基含有重合体と(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とを混合して、50〜120℃の条件下に加熱することによって、本発明の重合体を製造することができる。
上記のとおり製造された重合体は混合物であってもよい。混合物としては例えば、本発明の重合体を2種以上含むもの、本発明の重合体と本発明の重合体以外の重合体(例えば、後述する重合体a)とを含むものが挙げられる。
【0056】
〔(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体組成物〕
本発明の重合体を用いて、これを含有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体組成物(組成物)を製造することができる。
上記組成物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)と、光重合開始剤とを含有する組成物が挙げられる。
上記組成物において、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)(重合体(A))は、その一部又は全部を本発明の重合体とすることができる。
【0057】
<(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)>
重合体(A)の一部又は全部として使用される重合体は、上述した本発明の重合体と同様である。重合体(A)の一部又は全部として使用される重合体はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0058】
重合体(A)の一部が本発明の重合体である場合、重合体(A)が更に含むことができる他の(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体としては、例えば、すべての末端に1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体aが挙げられる。
重合体aは、主鎖を有し、上記主鎖と(メタ)アクリロイルオキシ基とは直接又はヘテロ原子若しくは有機基を介して結合することができる。重合体aが有することができる主鎖の骨格、ヘテロ原子、有機基は上記と同様である。重合体aが有する(メタ)アクリロイルオキシ基としては、例えば、上記の官能基とは別の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基(別の基)が挙げられる。
【0059】
重合体aの数平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜70,000であることがより好ましい。重合体aの数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。
【0060】
重合体aは、その製造について特に制限されない。例えば、上記重合体aは本発明の重合体を製造する際に生成する副生成物であってもよい。また、重合体aの製造方法としては、例えば、上記工程2において上記式(3)で表される化合物を上記別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物に代える他は、本発明の重合体の製造と同様に製造を行って、重合体aを製造する方法が挙げられる。
重合体aはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0061】
重合体(A)の一部が本発明の重合体である場合、本発明の重合体の含有量は、重合体(A)全量に対して、10〜80質量%であることが好ましく、20〜65質量%であることがより好ましい。
【0062】
(単官能(メタ)アクリレート化合物)
また、上記組成物は、更に、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する単官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
上記単官能(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する化合物であれば特に限定されない。(メタ)アクリロイルオキシ基は炭化水素基に結合することができる。炭化水素基は特に制限されない。例えば、上記と同様のものが挙げられる。
【0063】
単官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。単官能(メタ)アクリレート化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0064】
これらのうち、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)への相溶性が良好となり、耐候性にも優れる理由から、脂環式炭化水素基を有する化合物、鎖状炭化水素基を有する化合物が好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びイソデシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
【0065】
上記単官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましく、30〜100質量部であることがより好ましい。
【0066】
<光重合開始剤>
上記光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
より具体的には、例えば、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式(8)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物:等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0068】
これらのうち、光安定性、光開裂の高効率性、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)との相溶性、低揮発、低臭気という観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
【0069】
上記光重合開始剤の含有量は、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、2〜8質量部であることがより好ましい。
【0070】
(溶剤、添加剤)
上記組成物は、作業性の観点から、溶剤を更に含有していてもよい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0071】
上記組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、本発明の重合体以外の多官能(メタ)アクリレート、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等が挙げられる。
【0072】
<調製方法>
上記組成物の調製方法は特に限定されず、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混合する方法等により製造することができる。
【0073】
上記組成物は、例えば、光によって硬化性することができる。上記組成物に照射する光は特に制限されない。例えば、紫外線が挙げられる。
上記組成物を硬化させる際の温度条件は特に制限されない。例えば、0〜150℃とすることができる。
【0074】
上記組成物は例えば、接着剤として使用することができる。接着剤として具体的には例えば、光学用透明樹脂(OCR:Optical Clear Resin)が挙げられる。OCRは例えば、タッチパネルのカバーガラス、透明導電部材、液晶モジュールなどを貼り合せることができる。
上記組成物を適用することができる基材(被着体)は特に制限されない。例えば、ガラス、プラスチック、ゴム、金属が挙げられる。
【実施例】
【0075】
以下、実施例を用いて、本発明について詳細に説明する。ただし本発明はこれに限定されない。
なお、本明細書において、実施例7を参考例7と読み替え、実施例14を参考例14と読み替え、実施例28を参考例28と読み替えるものとする。
【0076】
<(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体の製造>
(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(本発明の重合体)の製造には、第1表に示す各成分を同表に示す量(単位g)で用いた。
まず、各原料ポリマーを各ポリイソシアネートと混合し、窒素雰囲気下、70℃の条件において5時間反応させ、両末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基含有重合体を得た(工程1)。
次に、NCO残量が0.96%以下となった時点で、反応系内に各(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を添加し、70℃の条件下において5時間反応させて、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を製造した(工程2)。
実施例1で製造された(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を重合体(A−1)とする。また他の実施例で製造された重合体を第1表に示すとおりとする。
【0077】
【表1】
【0078】
上記のとおり製造された(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体の構造は、下記式(5)で表される。
式(5):
[官能基−ウレタン結合
51−ポリイソシアネート残基−ウレタン結合
52]
2−原料ポリマー残基
式(5)において原料ポリマー残基は(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体の主鎖に該当する。上記のとおり製造された重合体は、原料ポリマーに由来する主鎖を有する。上記のとおり製造された重合体の主鎖は、原料ポリマーの2量体以上のものであってもよい。この場合上記のとおり製造された重合体の主鎖は、ウレタン結合
51及びウレタン結合
52以外に、製造の際に使用されたポリイソシアネートに由来するウレタン結合を含んでもよい。
また、式(5)において「ウレタン結合
51−ポリイソシアネート残基−ウレタン結合
52」の部分が有機基に該当する。
【0079】
・重合体(A−1)
重合体(A−1)が有する官能基は、2つとも、下記式(1−1)で表される基であった。
【化13】
【0080】
重合体(A−1)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。
なおポリイソシアネート残基は、イソホロンジイソシアネート残基であった。
重合体(A−1)の数平均分子量は23,000であった。
【0081】
・重合体(A−2)
重合体(A−2)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−2)の含有量1は15モル%であり、含有量2は85モル%であった。
重合体(A−2)の数平均分子量は23,000であった。
【0082】
・重合体(A−3)
重合体(A−3)は、重合体(A−3−1)、重合体(A−3−2)及び重合体(A−3−3)を含有する混合物であった。
重合体(A−3−1)〜(A−3−3)は、官能基以外は同じであった。
重合体(A−3)の含有量1は35モル%であり、含有量2は65モル%であった。
【0083】
重合体(A−3−1)が有する官能基は2つとも上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−3−2)が有する1つの官能基は上記式(1−1)で表される基であり、残りの1つは下記式(2−1)で表される基であった。
【化14】
重合体(A−3−3)が有する官能基は2つとも上記式(2−1)で表される基であった。
【0084】
・重合体(A−4)
重合体(A−4)は、重合体(A−4−1)、重合体(A−4−2)及び重合体(A−4−3)を含有する混合物であった。
重合体(A−4−1)〜(A−4−3)は、官能基以外は同じであった。
重合体(A−4)の含有量1は35モル%であり、含有量2は65モル%であった。
【0085】
重合体(A−4−1)が有する官能基は2つとも下記式(1−2)で表される基であった。
【化15】
重合体(A−4−2)が有する1つの官能基は上記式(1−2)で表される基であり、残りの1つは上記式(2−1)で表される基であった。
重合体(A−4−3)が有する官能基は2つとも上記式(2−1)で表される基であった。
【0086】
・重合体(A−5)
重合体(A−5)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−5)の含有量1は35モル%であり、含有量2は65モル%であった。なおポリイソシアネート残基は、ヘキサメチレンジイソシアネート残基であった。
【0087】
・重合体(A−6)
重合体(A−6)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−6)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。なおポリイソシアネート残基は、イソホロンジイソシアネート残基であった。
【0088】
・重合体(A−7)
重合体(A−7)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−7)の含有量3は100モル%であった。なおポリイソシアネート残基は、イソホロンジイソシアネート残基であった。
【0089】
・比較重合体(E−1)
比較重合体(E−1)の官能基は、2つとも、上記式(2−1)で表される基であった。
比較重合体(E−1)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。なおポリイソシアネート残基はイソホロンジイソシアネート残基であった。
【0090】
・比較重合体(E−2)
比較重合体(E−2)の官能基は、2つとも、下記式(2−2)で表される基であった。
【化16】
比較重合体(E−2)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。なおポリイソシアネート残基はイソホロンジイソシアネート残基であった。
【0091】
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
なお、各原料ポリマーの主鎖を構成する、式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対する式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量を含有量4と表示した。式(Ib)については含有量5、式(Ic)については含有量6と表示した。
【表2】
【0092】
((メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物2の製造)
特開2007−28995号公報(実施例2)に記載された製造方法に従って、グリセリンとアクリル酸メチルとを極性有機溶媒中リパーゼの存在下でエステル交換反応させることによって、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物2を製造した。
【0093】
<組成物の製造>
下記第3表又は第5表に示す各成分を同表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、各組成物を得た。
【0094】
<組成物の硬化>
上記のとおり得られた各組成物を以下に示す硬化条件で硬化させた硬化物を得た。
(硬化条件)
ガラス板の上に上記各組成物を0.3mmの厚さに塗布してサンプルを作製した。
上記のとおり作製したサンプルに、光照射装置(GS UVSYSTEM TYPE S250−01、ジーエス・ユアサ ライティング社製)を用いて、紫外線(光源:メタルハイドロランプ、波長250〜380nm)を、光量120mW/cm、積算光量1000mJ/cm
2、窒素流通下、23℃の条件下で、照射し、組成物を硬化させた。
【0095】
<重合度の評価>
上記の硬化前後のサンプルそれぞれについてFT−IR(フーリエ変換型赤外分光)による測定を行い、以下の方法により重合度を評価した。硬化前後のサンプルはそれぞれKBr錠剤法によって錠剤化され、これを上記測定の試料として用いた。
FT−IRにおける810cm
-1の吸光度は、(メタ)アクリロイル基のビニル基(二重結合部位)に起因する。
すなわち、硬化前(組成物)の初期状態(810cm
-1のピーク強度が最も強い。)を重合度が0%であるとし、硬化(重合)が完全に進行した状態(810cm
-1のピーク強度が0となる)を上記重合度が100%であるとして、上記の硬化前後のサンプルについて測定した上記ピーク強度の吸光度を下記式に当てはめて重合度を算出した。結果を第3表、第5表に示す。
重合度(%)=100−(硬化後のサンプルの上記ピーク強度の吸光度/硬化前のサンプルの上記ピーク強度の吸光度)
重合度が大きいほど硬化速度が速いということができる。
【0096】
【表3】
【0097】
第3表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
【表4】
【0098】
第3表に示す結果から明らかなように、所定の(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を含有しない比較例3、4は、硬化速度が遅かった。
【0099】
これに対して、実施例8〜16は硬化速度が速かった。
また、実施例8、9、12、13と実施例14とを比較すると、主鎖がポリブタジエン又はその水素化物である実施例8、9、12、13が、主鎖がポリイソプレンである実施例14よりも硬化速度が速いことが分かった。
実施例10〜12を比較すると、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を製造する使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の合計に対する特定の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物のモル比率が大きいほど、つまり、本発明の重合体が有する所定の官能基の量が多いほど、硬化速度がより速くなることが分かった。
【0100】
【表5】
【0101】
第5表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
【表6】
【0102】
第5表に示す結果から明らかなように、所定の(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を含有しない比較例5、6は、硬化速度が遅かった。
【0103】
これに対して、実施例17〜28は硬化速度が速かった。
また、実施例22、23、26、27と実施例28とを比較すると、主鎖がポリブタジエン又はその水素化物である実施例22、23、26、27が、主鎖がポリイソプレンである実施例28よりも硬化速度が速いことが分かった。
また、実施例22と実施例27とを比較すると、主鎖がポリブタジエンの水素化物である実施例22が、主鎖がポリブタジエンである実施例27よりも硬化速度が速いことが分かった。
実施例24〜26を比較すると、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を製造する使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の合計に対する特定の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物のモル比率が大きいほど、つまり、本発明の重合体が有する所定の官能基の量が多いほど、硬化速度がより速くなることが分かった。