(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような料金収受システムに用いられる料金自動収受機は、車両が進行してくる側である走行レーンに沿った方向の手前側の側面(即ち、進行してくる車両に対向する面)には何ら表示がされていない。そのため、有料自動車道等を使用することが少なく料金自動収受機に触れる機会の少ない利用者には、料金所の走行レーンに進入した場合に一見して料金自動収受機の存在を認知することができないことや料金自動収受機にて料金収受をしていることを判別できないことがあり、料金自動収受機を通過してしまうおそれがある。
また、有料自動車道等を利用する利用者の主な目的は、通勤、観光、業務等のように地域によって様々である。そのため、料金自動収受機が設置されている環境に応じて適当な料金所通行に関する情報を料金自動収受機に表示させて、料金自動収受機の利便性を高めたいという要望がある。
【0007】
本発明は、上記要望に応えるためになされたものであって、利用者に料金自動収受機自体を容易に認識させつつ、利便性を向上させることが可能な料金自動収受
機を用いた料金収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様における
料金収受システムは、料金所の走行レーンの側部に配置され、前記走行レーン上の車両から料金を収受するための料金自動収受機であって
、前記走行レーンに対向する前面に料金投入口が設けられた筐体と
、前記筐体の前記走行レーンに沿った方向の手前側の側面に設けられ、接近する車両に向けて料金所通行に関する情報を表示する表示部と備え
る前記料金自動収受機と、前記走行レーンに進入する車両を検知して、前記車両の車両情報を取得する車両情報取得部と、前記車両情報取得部で取得した前記車両情報に基づいて、前記表示部に表示させる前記料金所通行に関する情報の表示制御を行う情報制御部と、を備え、前記車両情報取得部が取得する車両情報が、前記車両の車種情報であり、前記情報制御部は、該車種情報に基づいて車種に応じた情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0009】
このような料金自動収受機によれば、筐体の走行レーンに沿った方向の手前側の面の表示部に接近する車両に向けて料金所通行に関する情報を表示する。そのため、利用者に対して料金自動収受機が設置されていることを容易に認識させた上で、料金所通行に関する情報を利用者に容易に通知することができる。
このような料金収受システムによれば、取得した車両情報に基づいて表示部に表示させる情報の表示制御を行うことで、進入してきた車両に応じて適切な情報を提供することができる。
このような料金収受システムによれば、走行レーンに進入した車両の車種情報から、車種に応じた情報を表示部に表示させることで、車両の車高等に応じて料金投入口の位置等の情報を利用者に提供することができる。
【0010】
また、本発明の一態様における料金収受システムは、
料金所の走行レーンの側部に配置され、前記走行レーン上の車両から料金を収受するための料金自動収受機であって、前記走行レーンに対向する前面に料金投入口が設けられた筐体と、前記筐体の前記走行レーンに沿った方向の手前側の側面に設けられ、接近する車両に向けて料金所通行に関する情報を表示する表示部と備える前記料金自動収受機と、前記走行レーンに進入する車両を検知して、前記車両の車両情報を取得する車両情報取得部と、前記車両情報取得部で取得した前記車両情報に基づいて、前記表示部に表示させる前記料金所通行に関する情報の表示制御を行う情報制御部と、を備え、前記車両情報取得部が取得する車両情報が、進入した前記車両の台数情報であり、前記情報制御部は、該台数情報に応じた情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
このような料金収受システムによれば、走行レーンに進入した車両の台数情報に応じた情報を表示部に表示させることで、料金所が渋滞していることを通知する情報を利用者に提供することができる。
【0012】
さらに、本発明の他の態様における料金収受システムは、前記車両情報取得部が取得する車両情報が、前記走行レーンにおける前記車両の位置情報であり、前記情報制御部は、該位置情報に基づいて前記車両の位置に応じた情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0013】
このような料金収受システムによれば、車両の位置に応じた情報を表示部に表示させることで、料金自動収受機に対する車両の位置のずれなどの情報を利用者に提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の
料金収受システムによれば、料金自動収受機の側面に料金所通行に関する表示を表示することで、利用者に料金自動収受機自体を容易に認識させつつ、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態の料金自動収受機1を備えた料金収受システム100について
図1及び
図2を参照して説明する。
本実施形態における料金自動収受機1を備えた料金収受システム100は、
図1に示すように、有料自動車道の出口料金所等に設けられて、通行する車両101の運転手等の利用者から料金を収受するシステムである。本実施形態では、無線通信にて自動的に料金の支払を行う電子式料金収受システム2と料金自動収受機1とが混在した出口料金所にて用いられる。
【0021】
料金収受システム100は、料金所通行に関する情報を表示する表示部11を備える料金自動収受機1と、ICカードを用いて料金所にて車両101に一旦停止をさせることなく無線通信にて自動的に料金の支払いを行う電子式料金収受システム2と、走行レーン102に進入する車両101を検知して車両情報Dを取得する車両情報取得部3と、取得した車両情報Dに基づいて表示部11に表示させる情報の表示制御を行う情報制御部4とを有している。さらに、料金収受システム100は、収受員が料金の収受を行う有人ブース部5と、料金自動収受機1や有人ブース部5で通行する車両101の利用者が支払う金額や車両の通行の可否を表示する路側表示器6と、車両101の発進を抑制する発進制御機7と、料金自動収受機1等を遠隔地から監視する遠隔監視端末部8とを備えている。
【0022】
料金自動収受機1は、走行レーン102の側部に配置され、走行レーン102上を通行する車両101の利用者から無人で料金を収受する。料金自動収受機1は、料金自動収受機1本体である筐体10と、筐体10に設けられる表示部11とを備えている。
筐体10は、鉛直方向に延びるよう縦長に形成されており、走行レーン102における幅方向に面した側部と平行な面を前面としている。そして、筐体10は、その前面に利用者が料金の支払いや通行券の挿入等を行う利用者操作部が設けられている。筐体10は、通行する車両101の車高に応じて使用者の使用性を考慮して、筐体10の鉛直方向の上下にわたって二段に同様の形態の利用者操作部が設けられている。
【0023】
表示部11は、接近する車両101に向けて料金所通行に関する情報を表示して車両101の運転手等の利用者に提供する。表示部11は、筐体10の走行レーン102に沿った方向の手前側の側面に車両101の進行方向と対向するように設けられている。具体的には、本実施形態における表示部11は、筐体10の側面に沿って縦長に配置される大型液晶ディスプレイを用いる。そして表示部11である大型液晶ディスプレイは、筐体10の側面に一体をなして固定されている。
【0024】
電子式料金収受システム2は、料金所の走行レーン102を通行する車両101が専用のICカードを有している場合に、無線通信によって自動的に課金することで、車両101を料金所で停止させることなく通行させる。具体的には、電子式料金収受システム2では、走行レーン102に無線装置を有するガントリ部21が設けられている。そして、ガントリ部21は、走行レーン102を通行する車両101に対して無線通信を開始し、専用のICカードから車両情報Dを取得している。
【0025】
車両情報取得部3は、料金所の走行レーン102に対して進入及び発進する車両101を検知して、その車両101の様々な車両情報Dを取得する。本実施形態における車両情報取得部3は、料金所に進入する車両101の車両情報Dを取得する進入検知部31と、電子式料金収受システム2での通信結果を取得する通信結果取得部32と、料金所から発進した車両101の車両情報Dを取得する発進検知部33とを有している。
【0026】
進入検知部31は、料金所の走行レーン102に進入した車両101を検知して様々な車両情報Dを取得している。進入検知部31は、車両検知器S1を有し、料金所の走行レーン102に進入した車両101の位置情報D8、車種情報D5、及び進入台数情報D1を取得して情報制御部4に出力する。本実施形態における進入検知部31は、車両検知器S1として、料金所の走行レーン102に進入した車両101の台数を検知する車両分離器31aと、料金所に進入する車両101のタイヤから車軸数等を検知する車種判別用踏板31bと、走行レーン102に進入する車両101の車高を検知する車高検知器31cとを有している。さらに、進入検知部31は、これらの装置から得た情報に基づいて、料金所の走行レーン102に進入した車両101の位置情報D8、車種情報D5、及び進入台数情報D1を取得して情報制御部4に出力する進入車両情報処理部31dを有している。
【0027】
ここで、本実施形態における車両101の位置情報D8とは、料金所の走行レーン102に進入してくる車両101の走行レーン102の幅方向の通過位置の情報である。また、本実施形態における車両101の車種情報D5とは、料金所の走行レーン102に進入した車両101が大型車であるか普通車であるかの情報である。さらに、本実施形態における車両101の進入台数情報D1とは、料金所の走行レーン102に進入してきた車両101が何台であるかの情報である。
【0028】
車両分離器31aは、光センサにより車両101の一台ごとを分離して検知する装置である。本実施形態における車両分離器31aは、料金所の走行レーン102における料金自動収受機1よりも入口側(
図1における車両101進行方向手前側)の側部に設けられている。そして、車両分離器31aは、料金所の走行レーン102に進入した車両101が光センサを遮ることで何台の車両101が通過したかを検知し、進入してきた車両101の台数の情報である進入台数情報D1を取得して進入車両情報処理部31dへ出力する。
【0029】
車種判別用踏板31bは、料金所の走行レーン102に進入してきた車両101の車軸数、タイヤ幅、トレッド(左右のタイヤの中心間距離)、及びタイヤの幅方向の位置を検知する装置である。本実施形態における車種判別用踏板31bは、料金所の走行レーン102における入口側の車両分離器31aが設置されている位置にて路面に設けられている。そして、車種判別用踏板31bは、進入してきた車両101に踏まれることで車両101の車軸数、タイヤ幅、及びトレッド検知する。さらに、車種判別用踏板31bは、タイヤの幅方向の位置を検知する。そして、車種判別用踏板31bは、車軸数、タイヤ幅、トレッドの情報を含む車両特性情報D2と、タイヤの位置の情報を含むタイヤ位置情報D3とを進入車両情報処理部31dへ出力する。
【0030】
車高検知器31cは、料金所に進入してきた車両101の車高を検知する装置である。本実施形態における車高検知器31cは、料金所の走行レーン102における入口側の車両分離器31aの上部に設けられている。そして、車高検知器31cは、車両101の車高を検知すると、料金所の走行レーン102に進入した車両101の車高情報D4を、進入車両情報処理部31dへ出力する。
【0031】
進入車両情報処理部31dは、車両101が進入したことを検知した時点で、車両101の進入を検知したとの信号を情報制御部4に出力する。進入車両情報処理部31dは、取得した車両101の車両特性情報D2と車高検知器31cの車高情報D4から料金所の走行レーン102に進入した車両101の車種情報D5を算出して取得する。進入車両情報処理部31dは、タイヤ位置情報D3に基づいて車両101が進行しようとしている方向を算出して車両101の位置情報D8を取得する。進入車両情報処理部31dは、車両101の車種情報D5とともに車両分離器31aの進入台数情報D1及び車種判別用踏板31bの位置情報D8を情報制御部4に信号として出力する。
【0032】
通信結果取得部32は、車両検知器S2を有している。車両検知器S2は、電子式料金収受システム2のガントリ部21の無線装置に対して無線通信を終了させる信号を出力する。そして、通信結果取得部32は、料金所の走行レーン102を通行する車両101が電子式料金収受システム2と無線通信を行ったか否かを判定して情報制御部4に出力する。即ち、通信結果取得部32は、車両101が専用のICカードを有していることで、自動で料金の課金が行われており、料金自動収受機1や有人ブース部5で料金の支払いをする必要が無いか否かを判定している。
【0033】
発進検知部33は、車両検知器S4を有し、料金所の走行レーン102から発進した車両101を検知して車両情報Dを取得するとともに、後述する発進制御機7のゲートを閉じるようタイミングを調整するよう制御している。本実施形態における発進検知部33は、車両検知器S4として、料金所から発進した車両101の台数を検知する発進車両分離器33aを有している。さらに、発進検知部33は、発進車両分離器33aからの信号に基づいて、料金の支払いをした車両101が正しく発進したことを判定する発進車両情報処理部33bを有している。
【0034】
発進車両分離器33aは、車両分離器31aと同じ装置であって、料金所の走行レーン102の出口側において発進制御機7よりも車両101の進行方向の奥側の側部に設けられている。そして、発進車両分離器33aは、発進制御機7を通過して料金所の走行レーン102から出て行く車両101が光センサを遮ることで何台の車両101が通過したかを検知し、通過した車両101の台数の情報を取得して発進車両情報処理部33bへ出力する。
【0035】
発進車両情報処理部33bは、発進車両分離器33aの発進台数情報D6に基づいて、料金自動収受機1等に料金の支払いをした車両101が正しく発進したか否か及び車両101が完全に発進制御機7を抜けたか否かを判定する。そして、発進車両情報処理部33bは、料金所の走行レーン102から出て行った車両101の台数の情報である発進台数情報D6を情報制御部4に出力している。
【0036】
情報制御部4は、上述した車両情報取得部3から取得した様々な車両情報Dに基づいて、表示部11に表示させる料金所通行に関する情報の種類を変更する表示制御を行う。また、有人ブース部5や遠隔監視端末部8等からの指示に基づいても、表示させる情報の種類を変更する表示制御を行う。また、情報制御部4は、料金自動収受機1の表示部11の走行レーン102の反対側の側面に設けられている監視盤によっても操作可能とされている。情報制御部4は、監視盤を操作することによって、表示部11に対して必要に応じた任意の表示をさせる。
【0037】
本実施形態における表示部11に表示される料金所通行に関する情報とは利用者に料金所通行にあたって注意を促すような情報等である。料金所通行に関する情報は、例えば、料金自動収受機1が配置されていることや料金自動収受機1が故障していること等の料金自動収受機1に関する情報を、車両101の利用者に通知する情報である。また、料金所通行に関する情報は、車両101の位置情報D8に基づいて、車両101の位置に応じた情報として車両101の停車位置や料金自動収受機1を使用する上で車両101の位置が走行レーン102の幅方向に離れすぎていることを通知する情報であってもよい。さらに、料金所通行に関する情報は、車両101の車種情報D5に基づいて、車両101の車種に応じた情報として、料金自動収受機1の料金投入口の位置を通知する情報であってもよい。また、料金所通行に関する情報は、車両101の台数情報D7に基づいて、料金所の走行レーン102に進入している台数に応じた情報として、料金所が渋滞していることを通知する情報であってもよい。さらに、料金所通行に関する情報は、通信結果取得部32における判定結果に基づいて、料金自動収受機1で停止しなくてよいことを通知する情報であってもよい。また、料金所通行に関する情報は、後述する有人ブース部5や遠隔監視端末部8で情報制御が操作されることによって、料金自動収受機1ではなく有人ブース部5にて収受員が料金の収受を行っていることや有料自動車道を通行する上での交通安全活動に関するスローガン等を通知する情報であってもよい。即ち、料金所通行に関する情報とは、利用者に対して料金所を通行する上で注意を喚起させるための情報や、料金自動収受機1等をスムーズに使用させるための情報であればよい。
【0038】
有人ブース部5は、走行レーン102の側部の料金自動収受機1よりも車両101の進行方向の奥側に隣接して配置され、収受員が料金の収受等を行う。有人ブース部5には、磁気端末装置や領収書発行機、カード処理機等が設置されている。有人ブース部5では、これらを用いて収受員が、料金自動収受機1に代わって料金の収受等の料金収受業務を行うことが可能となっている。
【0039】
路側表示器6は、進入検知部31によって取得した車両101上方に基づいて、料金所を通過するために必要な金額や車両の通行の可否を車両101の運転者に通知する情報を表示する。
【0040】
発進制御機7は、料金所に走行レーン102に進入した車両101が、料金の収受を終了するまでゲートを閉めておき、料金所の走行レーン102から車両101を発進させないようゲートの開放及び閉塞を調整する装置である。本実施形態における発進制御機7は、料金所の走行レーン102における有人ブース部5よりも出口側(
図1における車両101進行方向奥側)の側部に設けられている。発進制御機7は、電子式料金収受システム2を利用していない車両101が、料金所で料金を支払って料金の収受を終了していることを示すデータの信号を料金自動収受機1及び有人ブース部5から受信することで、ゲートを開き車両101に対して発進を許可する。そして、発進制御機7は、発進検知部33からの信号に基づいて、完全に車両101が通行した後にゲートを閉じる。
なお、後続の車両101が電子式料金収受システム2を利用した場合には、料金自動収受機1又は有人ブース部5にて料金の収受し、発進検知部33からの信号を受けても発進制御機7はゲートを閉じない。即ち、電子式料金収受システム2を利用せずに、料金自動収受機1又は有人ブース部5にて料金の収受が終了した車両101の後続の車両も電子式料金収受システム2を利用していない場合に、発進制御機7はゲートを閉じる。
【0041】
遠隔監視端末部8は、料金所から遠く離れた遠隔地に配置され、料金自動収受機1を監視し遠隔操作可能とされている。そして、遠隔監視端末部8は、料金自動収受機1が故障している場合や有料自動車道の渋滞している場合等のように、必要に応じて任意の表示を表示部11させることができるよう情報制御部4を操作可能とされている。
【0042】
次に、上記構成の料金自動収受機1を備えた料金収受システム100の作用について説明する。
上記のような本実施形態の料金自動収受機1を備えた料金収受システム100では、車両101が料金所の走行レーン102に進入すると、進入検知部31にて車両101が進入したことが検知され、進入車両情報処理部31dから情報制御部4に車両101の進入を検知したとの信号が出力される。進入検知部31の進入車両情報処理部31dからの信号に基づいて、情報制御部4は表示部11に料金自動収受機1が配置されていることが分かる情報を表示させる。表示される情報としては、例えば、「料金自動収受機」等との文字や「収受員」等の絵が挙げられる。
【0043】
また、電子式料金収受システム2のガントリ部21は、走行レーン102を通行する車両101に対して無線通信を開始させる信号を出力する。車両101は、ガントリ部21を通過して通信結果取得部32に到達するまでの間に、電子式料金収受システム2と無線通信を行う。そして、車両101が専用のICカードを有している場合、電子式料金収受システム2によって自動的に課金が行われ、料金の支払いが完了する。この場合、車両101から発進制御機7に信号が送られてゲートが閉じず、車両101は停止することなく料金所を通過できる。
【0044】
そして、車両101が通信結果取得部32に到達すると、通信結果取得部32では、専用のICカードを有しているとの判定結果が情報制御部4に信号として出力される。ICカードを有しているとの判定結果に基づいて、情報制御部4は表示部11に料金自動収受機1で停止しなくてよいことを通知する情報を表示させる。表示される情報としては、例えば、停止しなくてよいことを通知するために「20km/h以下で走行してください」等との文字が挙げられる。
【0045】
車両101が専用のICカードを有していない場合、電子式料金収受システム2によって自動的に課金が行われず、利用者には料金自動収受機1で料金の支払いを行ってもらう必要がある。この場合、進入検知部31で取得した車両情報Dに基づいて、ICカードを有している場合とは異なる情報が表示部11に表示される。即ち、進入検知部31では、進入した車両101の車両情報Dも車両101が通過する際に取得されている。具体的には、車両101が車両分離器31aを通過することで、料金所に進入した車両101の進入台数情報D1を取得する。そして、車両101が車種判別用踏板31bを通過することで、料金所に進入した車両101の位置情報D8や車両特性情報D2を取得する。また、車両101が車高検知器31cを通過することで、料金所に進入した車両101の車高情報D4を取得する。これらの取得した車両情報Dのうち車両特性情報D2及び車高情報D4に基づいて、進入車両情報処理部31dは、進入した車両101の車種情報D5を取得する。そして、進入車両情報処理部31dは、車種情報D5、位置情報D8、進入台数情報D1を情報制御部4に出力する。
【0046】
その結果、進入車両情報処理部31dからの信号に基づいて、情報制御部4は表示部11に車両101の位置に応じた情報を表示させる。表示される料金所通行に関する情報としては、例えば、車両101の停車位置を通知するために「一旦停止してください」等との文字が挙げられる。また、他に表示される料金所通行に関する情報としては、位置情報D8から進入してくる車両101の進行方向から予測して、料金自動収受機1を使用する上で車両101の位置が走行レーン102の幅方向に離れすぎてしまうと予測される場合に、「もっと寄ってください」等との文字が挙げられる。
【0047】
さらに、他の表示される料金所通行に関する情報としては、進入車両情報処理部31dからの信号に基づいて、情報制御部4は表示部11に車両101の車種に応じた情報を表示させる。表示される料金所通行に関する情報報としては、例えば、料金自動収受機1の料金投入口の位置を通知するために「←料金投入位置」等との文字が挙げられる。
【0048】
その後、料金自動収受機1で利用者が料金を払い終えると、料金自動収受機1から発進制御機7に信号が送られる。信号を受けた発進制御機7は、ゲートを開く。その後、車両101が発進制御機7を抜けて発進検知部33を通過することで、完全に車両101が発進制御機7を抜けたか否かを発進車両情報処理部33bによって判定する。発進車両情報処理部33bによって車両101が完全に発進制御機7を抜けたと判定されると、発進制御機7はゲートを閉じる。同時に、発進検知部33の発進車両情報処理部33bは、料金所の走行レーン102から出て行った車両101の発進台数情報D6を取得して情報制御部4に出力する。
【0049】
情報制御部4は、前述した進入車両情報処理部31dから入力される進入台数情報D1及び発進車両情報処理部33bから入力される発進台数情報D6に基づいて、料金所の走行レーン102に存在して滞在している車両101の台数情報D7を算出して取得する。料金所の走行レーン102に滞留している車両101の台数情報D7の信号に基づいて、情報制御部4は表示部11に車両101の台数情報D7に応じた情報を表示する。表示される料金所の通行に関する情報としては、例えば、料金自動収受機1付近に車両101が二台以上連なって渋滞している場合に、「ただ今渋滞中です」との文字が挙げられる。他にも、スムーズに利用者に支払いを行ったもらうために、前方の車両101の利用者が料金自動収受機1で支払いを行っている時に、「通行券を準備してお待ちください」等との文字を表示した上で、前方の車両101が発進制御機7を通過した後で「お待たせ致しました車両101を前方に移動させてください」等の文字が挙げられる。
【0050】
さらに、表示部11に料金所通行に関する情報を表示させる場合は、上述したような車両101の通行状況に対応させて表示する以外にも、有人ブース部5や遠隔監視端末部8等の外部から任意の情報を表示させることもできる。
有人ブース部5や遠隔監視端末部8から情報制御部4を操作する場合に表示する情報としては、例えば、料金自動収受機1が故障していることを通知する場合に「料金自動収受機運用停止中」との文字や、有人ブース部5で収受員によって収受していることを通知する場合に、「有人ブースにて収受中」との文字が挙げられる。有人ブース部5で収受している場合には、有人ブース部5を撮影するカメラを備えることで、有人ブース部5の状況を直接表示させてもよい。
【0051】
上記のような料金自動収受機1によれば、料金自動収受機1の筐体10の走行レーン102に沿った方向の手前側の側面に表示部11を設けることで、料金所に進入してくる車両101に対して表示部11が存在していることを容易に認識させることができる。そのため、車両101を運転する利用者に対して料金自動収受機1が設置されていることを容易に認識させた上で、料金所を通行する上で必要な情報のような料金所通行に関する様々な情報を、利用者に容易に通知することができる。即ち、表示部11によって料金自動収受機1の存在を利用者に対して明確にしながら、料金所通行に関する必要な情報を利用者に容易に認識させることができる。これにより、料金自動収受機1の利便性を向上させることができる。
【0052】
上記のような料金収受システム100によれば、車両情報取得部3である進入検知部31や発進検知部33等の装置によって料金所を通行する車両101から取得した車両情報Dに基づいて、表示部11に通行している車両101に応じた情報を表示部11に表示させることができる。即ち、料金所の走行レーン102に進入してくる車両101や使用時の料金所の状況に応じて、利用者に対して適切な情報を提供することができ、より利便性を向上させることができる。
【0053】
また、料金所の走行レーン102に進入した車両101が進入検知部31の車種判別用踏板31bを通過した時の走行レーン102の幅方向の通過位置等から位置情報D8を取得することができる。そして、この位置情報D8を利用して、車両101の位置に応じた情報である料金自動収受機1に対する車両101の位置等を予測して、料金自動収受機1と離れてしまうことを情報として表示部11に表示して利用者に通知することができる。即ち、料金自動収受機1に対する車両101の位置のずれなどの情報を利用者に提供することができ、利用者はその情報に合わせて車両101の位置を調整できる。これにより、利用者の料金自動収受機1の使用性を向上させて、より一層利便性を向上させることができる。
【0054】
さらに、料金所の走行レーン102に進入した車両101が進入検知部31の車種判別用踏板31bを通過した時の車両特性情報D2や車高検知器31cを通過した時の車高情報D4から車両101の車種情報D5を取得することができる。そして、この車種情報D5を利用して、車両101の車種に応じた情報である料金投入口の位置等を情報として表示部11に表示して利用者に通知することができる。即ち、利用者が容易に利用できる料金投入口の位置の情報を利用者に提供することができ、利用者はその情報に合わせて料金自動収受機1を利用できる。これにより、利用者の料金自動収受機1の使用性を向上させて、より一層利便性を向上させることができる。
【0055】
また、料金所の走行レーン102に進入した車両101が進入検知部31の車両分離器31aを通過した時の進入台数情報D1や発進検知部33の発進車両分離器33aを通過した時に発進台数情報D6から料金所に滞留している車両101の台数情報D7を取得することができる。そして、この台数情報D7を利用して、料金所に滞留している車両101の台数に応じた情報である料金所が渋滞していることを通知する情報やスムーズに料金自動収受機1を利用してもらうための情報を表示部11に表示して利用者に通知することができる。即ち、事前に必要な準備をして料金自動収受機1を利用者が使用でき、料金所の渋滞状況を緩和させながら料金自動収受機1を利用できる。これにより、利用者の料金自動収受機1の使用性を向上させて、より一層利便性を向上させることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0057】
なお、本実施形態では、表示部11として大型液晶ディスプレイを用いたがこれに限定されるものではなく、例えば、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の他の表示方式のディスプレイやプロジェクターを用いてもよい。プロジェクターを用いることで、表示部11の設置費用や使用時の電力を抑えて、低コストで表示部11を用いることができる。
また、料金自動収受機1を備えた料金収受システム100は、本実施形態のように有料自動車道の電子式料金収受システム2と料金自動収受機1とが混在した出口料金所に設置されることに限定されるものではない。即ち、進入検知部31や発進検知部33等は、車両検知部S1、S2、S4に限定されるものではなく、他の構成であっても良い。したがって、進入検知部31や発進検知部33は、本実施形態の構成に限られるものではなく、例えば、車両101の長さを検知する車長検知部やナンバープレート等を撮影する撮像機等を有していてもよい。したがって、料金収受システム100は、電子式料金収受システム2が設置されていない料金自動収受機1のみが設置された走行レーン102について用いられていてもよい。
【0058】
さらに、表示部11は、常時何らかの情報を表示させていることに限定されるものではなく、例えば、車両101が進入したことを進入検知部31で検知した場合に、液晶ディスプレイ等の電源を入れて情報を表示し、車両101が発進したことを発進検知部33で検知した場合に、液晶ディスプレイ等の電源を消して情報を非表示としてもよい。このような、表示部11である液晶ディスプレイ等の電源を調整することで、電力の削減等を図り、より低コストで表示部11を用いることができる。
【0059】
また、料金収受システム100は、有人ブース部5と料金自動収受機1とが混在して配置されていることに限定されるものではない。即ち、料金収受システム100は、例えば、料金自動収受機1のみが配置された走行レーン102に用いられてもよい。
さらに、車種情報D5は、本実施形態のように車種判別用踏板31bや車高検知器31cからの情報から取得することに限定されるものではない。例えば、車種情報D5は、車両101の車長を検知する車長検知機からの情報をさらに加えて取得し、より精度の高い車両101の情報としてもよい。逆に、例えば、車種情報D5は、車種判別用踏板31bが検知した車軸数の情報のみを取得し、精度の低い車両101の情報としてもよい。