(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ビーズはガラスやプラスチック、天然石、貝殻などの素材を球状や円筒状に加工した孔の開いた玉から成り、古くから衣服や鞄等を装飾する刺繍やアクセサリーの材料として用いられてきた。手芸品店や専門の販売店において様々な種類のビーズが販売されており、手に入りやすいことから、ビーズ刺繍やビーズアクセサリー作り(以下「ビーズ手芸」ともいう)を趣味にする人は多い。
【0003】
ビーズ手芸には、ビーズの他にビーズを繋ぐ紐(テグス、糸、革紐等)や金具等(以下、これらを「ビーズ材料」という)、ビーズ手芸に用いるペンチや目打ち、ピンセット等の工具や道具(以下「工具類」という)、及び作業台が用いられる。ビーズ手芸を趣味とする人は、作製中のビーズ刺繍やアクセサリーの材料以外にも多数のビーズ材料を保持していることが多く、これらのビーズ材料をケースに入れて工具類、作業用トレーと共に保管している。
【0004】
従来より、ビーズ材料の保管ケースとして、円筒状のプラスチックケースが用いられている。異なる種類のビーズ材料が混ざらないように、1つのケースには1種類のビーズ材料が収容されるようになっている。また、ケースは互いに連結できる構造を有しており、複数のケースを一つにまとめることができる。
【0005】
これに対して、ビーズ材料だけでなく、工具類や作業用トレーもまとめて保管することができるケースが提供されている(特許文献1)。このケースは、作業用トレー、工具及び道具類を収納するための工具箱、ビーズ材料を入れるための複数の小トレーを備えたビーズ収納箱、ビーズ材料が入れられた小袋を並べて収納するためのビーズ整理箱から構成されている。作業用トレー及び3種類の箱はいずれも縦横の長さが同じになるように設計されている。また、作業用トレー、工具箱、ビーズ収納箱、及びビーズ整理箱の下端部には、それぞれ他の箱の上端部に嵌合する構造が設けられている。このような構成により、作業用トレーと3種類の箱を積層して1つの大きなケースにまとめることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記ケースは、作業用トレーと3種類の箱をまとめて保管することができる反面、ビーズ手芸を行うために工具類とビーズ材料を取り出す際は、一旦、作業用トレーと3種類の箱の全てを取り外してバラバラにしなければならない。また、工具箱及びビーズ整理箱は、それぞれ工具類、ビーズ材料の収納に適した構造に作られており、工具類をビーズ整理箱に収納したりビーズ材料を工具箱に収納したりすることは想定されていない。そのため、例えば使用中の工具類とビーズ材料の両方を一つの箱にまとめて収納したり、使用頻度の高い工具類とその他の工具類を別の箱に入れたりすることができない。
【0008】
このような問題はビーズ材料等を仕分けして収納するケースだけでなく、例えば宝石類や化粧品を仕分けして収納するケースや、金槌やドライバー等の工具等を入れる工具箱等、様々な物品を仕分けして収納するケースにおいても発生する。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、複数種の物品を仕分けして収納することができ、しかも複数種の物品の配置を自由に変更することができる収納ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明の第1の態様に係る収納ケースは、
6面のうちの一つが開口する
又は開口している直方体状の外箱と、前記外箱の内部空間に収容される複数の直方体状の内箱であって6面のうちの一つが開口
している内箱とを備える収納ケースにおいて、
前記外箱の開口を上にしたときの該外箱の内部空間の高さをH、該内部空間の底面の横及び縦の長さをそれぞれL及びMとしたとき(ただし、H、L、Mは正の整数
であり、H≠Lである。)、
M=n×H (ただし、nは自然数)であり、
前記内箱の開口を上にしたときの該内箱の底面の横の長さがL、縦の長さがHであり、且つ、
前記複数の内箱の高さの合計がMであ
り、且つ、前記複数の内箱が、各グループに属する1ないし複数の内箱の高さの合計がHとなる、n個のグループに分けられることを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するために成された本発明の第2の態様に係る収納ケースは、
6面のうちの一つが開口する
又は開口している直方体状の外箱と、前記外箱の内部空間に収容される複数の直方体状の内箱であって6面のうちの一つが開口
している内箱とを備える収納ケースにおいて、
前記外箱の開口を上にしたときの該外箱の内部空間の高さをH、該内部空間の底面の横及び縦の長さをL及びMとしたとき(ただし、H、L、Mは正の整数)、
M=n1×H、L=n2×Mであり(ただし、n1、n2は
2以上の自然数)、
前記内箱の開口を上にしたときの該内箱の底面の横の長さがM、縦の長さがHであり、且つ、
前記複数の内箱の高さの合計がLであ
り、且つ、前記複数の内箱が、各グループに属する1ないし複数の内箱の高さの合計がHとなる、n1×n2個のグループに分けられることを特徴とする。
【0012】
本発明の収納ケースは、内箱の縦の長さを外箱の内部空間の高さHと同じにし、且つ、外箱の内部空間の各部の長さ、及び内箱の各部の長さを上記した関係に設定したため、外箱の開口が上面又は前面のいずれに位置するように該外箱を配置した場合でも、外箱の内部空間に内箱を開口が上面が位置する状態で整然と並べて収容することができる。特に、第2態様の収容ケースでは、外箱の開口を前面に配置する場合に縦、横のいずれを上にしても内部空間に内箱を整然と並べて収容することができる。
【0013】
上記した第1及び第2の態様の収納ケースにおいては、前記内箱の一部又は全部を複数の小箱の組み合わせから構成することができる。また、前記内箱を前記外箱の内部空間に保持するための保持手段を備
えることが好ましい。
このような構成によれば、収納ケースを持ち運んだり、収納ケースが倒れたりしても、外箱の内部空間に収容されている内箱の位置がずれて該内箱内の物品がこぼれ落ちることを防止できる。
前記保持手段は、外箱及び内箱の一方を金属製にし、他方に磁石を取り付ける構成、あるいは、外箱及び内箱の両方に磁石を取り付けることにより、金属と磁石、あるいは磁石同士の磁気吸引力を利用した構成により実現することができる。また、外箱の内面及び内箱の外面の一方に取り付けた面ファスナーのフック面、及び他方に取り付けたループ面から保持手段を構成しても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外箱の開口を上にした状態、前にした状態のいずれであっても内部空間に複数の内箱を様々な配置で収容することができ、しかも収納ケースを置く場所や、収納ケースの使用目的に応じて内箱の配置を適宜変更することができるため、作業性やインテリア性に優れた収納ケースとすることができる。
具体的には、外箱の開口を上にすれば、一般的なビーズケースや工具ケースと同様の形態となり、内箱に収納されている物品を取り出しやすくすることができる。一方、外箱の開口を前にすれば、内箱
が引出のようになり、収納ケースを引出箪笥のように使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る収納ケースを概略的に示す図であり、(a)は外箱、(b)は内箱、(c)は外箱の開口を上にしたときの上面図、(d)は(
c)のd−d線に沿う断面側面図、(e)は外箱の開口を前にしたときの正面図、(f)は下段に1個の内箱を上段に2個の内箱を配置した別の形態を示す断面側面図。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る収納ケースを概略的に示す図であり、(a)は外箱、(b)は内箱、(c)は外箱の開口を上にしたときの上面図、(d)は(
c)のd−d線に沿う断面側面図、(e)は(
c)のe−e線に沿う断面側面図、(f)は外箱の開口を前にしたときの正面図、(g)は上から2段目に3個の内箱を配置し、残りの段にはそれぞれ1個の内箱を配置した別の形態を示す断面側面図。
【
図3】本発明の第3実施形態に係る収納ケースを概略的に示す図であり、(a)は外箱、(b)は内箱、(c)は外箱の開口を上にしたときの上面図、(d)は(
c)のd−d線に沿う断面側面図、(e)は(
c)のe−e線に沿う断面側面図、(f)は外箱の開口を前にし、横を上にしたときの正面図、(g)は外箱の開口を前にし、縦を上にしたときの正面図。
【
図4】本発明の第4実施形態に係る収納ケースを概略的に示す図であり、(a)は外箱、(b)は内箱、(c)は外箱の開口を上にしたときの上面図、(d)は(
c)のd−d線に沿う断面側面図、(e)は外箱の開口を前に、横を上にしたときの正面図、(f)は外箱の開口を前にし、縦を上にしたときの正面図。
【
図5】本発明をビーズケースに適用した具体的な実施例を示す図であり、(a)は蓋を取り外した状態のビーズケースの斜視図、(b)は作業台を上にした状態で示す蓋の平面図、(c)は蓋を取り外した状態で示す開口を前にした状態のビーズケースの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜
図4を参照して本発明の様々な実施形態について説明する。なお、本発明の収納ケースは紙製、木製、金属製、プラスチック製等、様々な材料を用いて製造することができる。
図1は、外箱Aの内部空間に2個の内箱B1、B2を収容してなる第1実施形態の収納ケースを概念的に示す図である。
図1(a)に示すように、外箱Aの開口部1を上にしたときの内部空間の高さをH、横、縦の長さをそれぞれL、Mとすると、H=Mに設定されている。
一方、内箱B1、B2はいずれも外箱Aより扁平な直方体状の箱であり、
図1(b)に示すように、内箱B1、B2は、いずれも、開口部2を上にしたときの横及び縦の長さが外箱Aの横、縦の長さ寸
法L、Mよりもやや小さく設定されている。また、内箱B1の高さ寸法をh1、内箱B2の高さ寸法をh2とすると、h1+h2=Hに設定されている。
なお、以下において、内箱の縦や横、高さが、外箱の縦、横、高さのいずれかと同じ、もしくは、これらの2分の1等と同じ、と説明しているが、ここでいう「同じ」は、外箱の内部空間に複数の内箱を収容可能な程度に同じであること(つまり、やや小さいこと)を意味する。
【0017】
図1の(c)及び(d)は、開口1が上に位置するように外箱Aを配置した状態で内箱B1、B2を外箱Aの内部空間に収容した様子を示しており、(c)は上面図、(d)は側面図である。このように、内箱B1と内箱B2は、いずれも開口2を上にし、積層した状態で外箱A内に収容される。
【0018】
一方、
図1の(e)は、開口1が前に位置するように外箱Aを配置した状態で内箱B1、B2を外箱Aの内部空間に収容した様子を示す正面図である。この場合も内箱B1、B2は開口2を上にし、積層した状態で外箱A内に収容される。なお、
図1(d)、(e)では内箱B1を上、内箱B2を下に配置しているが、内箱B1、B2の積層順は逆でも良い。
また、外箱Aの下段と上段に配置する内箱の個数が異なっていても良い。例えば、
図1(f)は、外箱A内の下段に1個の内箱B2を配置し、上段に2個の内箱B1a、B1bを配置した例を示す。この場合、内箱B1a、B1bが本発明の「小箱」に相当する。
【0019】
図2は、外箱Aの内部空間に4個の内箱B1〜B4を収容してなる第2実施形態の収納ケースを示す。この実施形態では、外箱Aの内部空間の高さをH、横、縦の長さをそれぞれL、Mとすると、高さHは、縦の長さMの2分の1に設定されている(
図2(a)参照)。また、内箱B1〜B4はいずれも縦の長さが外箱Aの内部空間の高さ、つまり縦の長さMの2分の1と同じに、横の長さを外箱Aの内部空間の横の長さLと同じに、設定されている。また、内箱B1〜B4の高さをそれぞれh1〜h4とすると、h1+h2=h3+h4=Hに設定されている。
この実施形態では、開口1が上に位置するように外箱Aを配置したとき、内箱B1及びB2、内箱B3及びB4をそれぞれ上下に積層し、且つ、これらを横2列に並べた状態で内部空間に収容されるようになっている(
図2の(c)〜(e))。なお、内箱B1と内箱B2、内箱B3と内箱B4の積層順、及び内箱B1、B2と内箱B3、B4の横2列の順は逆にすることができる。
【0020】
一方、
図2(f)は、開口1が前に位置するように外箱Aを配置した状態で内箱B1〜B4を外箱Aの内部空間に収容した様子を示す正面図である。内箱B1〜B4の高さh1〜h4の和をHに、縦の長さを内部空間の高さを同じに設定したため、外箱A内に4個の内箱B1〜B4を積層して整然と収容することができる。なお、この場合も内箱B1〜B4の積層順は変更可能である。さらに、内箱B1〜B4の一部を複数の内箱から構成しても良い。例えば
図2(
g)は、内箱B3を底面積の異なる3個の内箱B3a〜B3cから構成した例を示す。
【0021】
図3は、外箱Aの内部空間に7個の内箱B1〜B7を収容してなる第3実施形態の収納ケースを示す。この実施形態では、外箱Aの内部空間の高さHは縦の長さMの2分の1に、及び縦の長さMは横の長さLの2分の1に設定されている。また、内箱B1〜B7の横の長さは外箱Aの内部区間の横の長さLの2分の1に、縦の長さは外箱Aの内部空間の高さH、つまり、縦の長さMの2分の1に設定されている。
【0022】
一方、内箱B1〜B7の高さh1〜h7は種々の長さに設定されており、例えば内箱B1及びB7の高さ寸法Hb1は外箱の高さ寸法Hと同じに設定されている。また、内箱B2、B3の高さ寸法Hb2,Hb3は、Hb2+Hb3=Hに、内箱B4〜B6の高さ寸法Hb4〜Hb6は、Hb4+Hb5+Hb6=Hに設定されている。
内箱B1〜B7がこのような大きさに設定されていることにより、開口1が上に位置するように外箱Aを配置したとき、7個の内箱B1〜B7は、
図3(c)〜(e)に示すように外箱A内に収容することができる。また、開口1が前にくるように外箱Aを配置したとき、
図3の(f)又は(g)に示す形態で内箱B1〜B7を収容することができる。
なお、この実施例においても、内箱B1〜B7の一部を複数の内箱に変更することが可能である。
【0023】
図4は、外箱Aの内部空間に立方体状の6個の内箱B1〜B6を収容して成る第4実施形態の収納ケースを示す。この実施形態では、外箱Aの高さ寸法Hは、縦の長さMの2分の1で、且つ、横の長さLの3分の1に設定されている。また、内箱B1〜B6の一辺の長さhは外箱Aの内部空間の高さHと同じに設定されている(
図4の(a)、(b)参照)。
【0024】
外箱A及び内箱B1〜B6の各部の長さが上記のように設定されているため、外箱Aの開口1を上にしたときは、内箱B1〜B6を横2列、縦3列に並べて配置することができ、且つ、内箱B1〜B6の位置を適宜変更することができる(
図4(c)、(d)参照)。また、開口1を前にし且つ、横を上にしたときは
図4(e)に示すような形態で、開口1を前にし且つ縦を上にしたときは
図4(f)に示すような形態で、内箱B1〜B6を外箱Aの内部空間に収容することができ、しかも、内箱B1〜B6の配置を適宜変更することができる。
【0025】
なお、
図1〜
図4では1個の外箱と複数の内箱のみから収納ケースを構成したが、外箱及び内箱のそれぞれに蓋を設けても良く、外箱のみ、或いは内箱のみに蓋を設けても良い。また、蓋は外箱及び内箱と別体に構成しても良く、外箱や内箱にヒンジなどで連結しても良い。
さらに、外箱に収容する内箱の数や大きさは、上記した例に限らず、適宜変更することができる。
【実施例】
【0026】
次に、本発明の収納ケースをビーズ手芸に必要な物品を収納するためのケース(ビーズケース)に適用した具体的な実施例について
図5及び
図6を用いて説明する。なお、ここではビーズケースを例に挙げて説明するが、本発明に係る収納ケースは、金槌やペンチなどの工具類を収納する工具ケース、宝石類を収納するケース、化粧品を収納するコスメティックケースや、菓子類を入れる化粧箱等、様々な物品の収納ケースに適用することができる。
【0027】
図5に示すように、本実施例に係るビーズケースは、外箱12及びその内部空間に収容される4個の内箱14a〜14dから成るケース本体10と、外箱12の開口を塞ぐ蓋16とから構成されている。蓋16はビーズ手芸の作業用トレーを兼用しており、外箱12の開口を塞いだときに外箱12内に位置する面にはビーズを仮置きするための幅広の溝22と、ビーズを並べて置くための幅狭の溝24と、ビーズを紐に通したり金具を取り付けたりする作業をするための作業スペース26とからなる作業台20が形成されている。作業台20の周りにはビーズがこぼれ落ちることを防止するための壁部28が形成されており、蓋16を外箱12の上に置いたときに、壁部28が開口に嵌り込むようになっている。
【0028】
4個の内箱14a〜14dは、浅皿状のタイプ(内箱14a、14b)と深皿状のタイプ(内箱14c、14d)の2種類から成り、いずれも外箱12の内部空間の横の長さと同じ横の長さに設計されている。また、内箱14a〜14dの縦の長さは外箱12の内部空間の縦の長さの半分で、且つ、外箱12の内部空間の高さと同じに設計されている。また、浅皿状の内箱14a、14b同士、及び深皿状の内箱14c、14d同士はいずれも同じ高さであり、且つ、浅皿状の内箱14a、14bと及び深皿状の内箱14c、14dを1個ずつ積層したときの高さは外箱12の内部空間の高さと等しく、4個の内箱14a〜14dを積層したときの高さは外箱12の内部空間の縦の長さと等しく設計されている。このように、深さの異なる2種類の内箱を用意したことにより、使用頻度や作業の内容に応じて内箱に入れる工具類やビーズ材料を変更することができる。例えば、使用頻度の高い工具類や作製中のアクセサリーの材料を浅皿状の内箱14a、14bに収納し、その他の工具類やビーズ材料を深皿状の内箱14c、14dに収納すると共に、浅皿状の内箱14a、14bを上段に配置すれば、使用頻度の高い工具類等をビーズケースから取り出しやすくなる。
また、浅皿状の内箱14a、14bの高さを作業台20の高さと同じに設定すれば、ビーズ手芸の作業中の左右の手を置く調整台として利用することができる。
【0029】
このような構成により、外箱12を開口を上にして配置したとき、外箱12の内部空間には浅皿状の内箱14a、14bと深皿状の内箱14c、14dを上下に積層したものを一組とし、これらを並べた状態で収容することができる。このとき、浅皿状の内箱14a、14bと、深皿状の内箱14c、14dはどちらを上にしても良く、一方の組では浅皿状の内箱を上に、他方の組では深皿状の内箱を上にしても良く、いずれにしても外箱12の内部空間に4個の内箱14a〜14dを整然と収容することができる(
図5の(a)参照)。
【0030】
また、外箱12の開口を前にして配置したとき、4個の内箱14a〜14dを積層した状態で外箱12の内部空間に整然と収容することができ、また、引出箪笥のようになる(
図5の(c)参照)。
【0031】
さらに、本実施例では、外箱12の上部及び蓋16の周辺部の下面には、それぞれ4個の円形状の磁石30が埋め込まれている。4個の磁石30は、例えば内箱14a〜14dを外箱12に収容したときにその短辺の近傍に配置されている。このような構成により、外箱12の上に蓋16を配置したとき、磁石30同士の磁気吸引力により蓋16を外箱12の上に固定することができる。
【0032】
さらにまた、本実施例では、外箱12の内周面には金属製のシート31が貼り付けられている。一方、
図6に示すように、内箱14a〜14dの側部の外周面にはそれぞれシート状のプラスチック磁石32が貼り付けられている。シート31及びプラスチック磁石32は本発明の保持手段を構成するもので、このような構成により、外箱12内に収容された内箱14a〜14dは磁気吸引力により該外箱12の内周面に吸着して動き難くなるため、ビーズケースを持ち運ぶ際に内箱14a〜14dが外箱12から分離してしまうことを防止できる。
【0033】
なお、本発明は上記した実施例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない限り変更が可能である。例えば、外箱12及び蓋16に埋め込んだ円形状の磁石30に代えて、シート状の磁石を外箱12の上端面及び蓋16の下面に貼り付けても良い。また、上記実施例では、外箱12に内箱14a〜14dを保持させるための保持手段(シート31,プラスチック磁石32)を取り付けたが、これらは省略しても良い。
蓋の上面にも外箱の開口に嵌るような凸部を形成しても良い。このような構成によれば、作業台を上にして外箱の開口に載せたときに蓋が外箱の開口に嵌合するため、蓋が外箱からずれ動くことを防止できる。
また、外箱の内周面にシート状のプラスチック磁石を、内箱の側部の外周面に金属製のシートを貼り付けても良い。さらに、外箱の内周面と内箱の側部の外周面の両方にシート状のプラスチック磁石を貼り付けても良い。
さらにまた、磁石と金属の組み合わせ、磁石同士の組み合わせに代えて面ファスナーから保持手段を構成しても良い。