【実施例】
【0095】
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0096】
(合成例1)
<ビピリジン基含有メソポーラス有機シリカの合成>
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C
18TMACl,3.78g,10.8mmol)、蒸留水(202ml)および6N水酸化ナトリウム水溶液(0.590ml,3.54mmol)を混合して50℃に加熱し、得られた混合物に、激しく撹拌しながら、5,5’−ビス(トリイソプロポキシシリル)−2,2’−ビピリジン(Si−BPy−Si,4.59g,8.12mmol)のエタノール溶液(9.17ml)を90分間かけて滴下した。得られた溶液を50℃で加熱しながら3日間激しく撹拌し、さらに50℃で加熱しながら3日間静置して、下記反応式(I):
【0097】
【化10】
【0098】
で表される反応を行なった。生成した沈殿を加圧ろ過により回収し、鋳型界面活性剤(C
18TMACl)を含むビピリジン基含有有機シリカメソ構造体を得た。この有機シリカメソ構造体を酸性エタノール(エタノール346mlと2M塩酸10.2mlの混合溶液)に添加し、一晩懸濁させて前記鋳型界面活性剤を除去し、薄黄色〜灰色の固体であるビピリジン基含有メソポーラス有機シリカ(収量1.65g)を得た。このメソポーラス有機シリカの外表面および細孔表面に残存しているシラノール基を保護するために、アルゴン雰囲気下で、前記ビピリジン基含有メソポーラス有機シリカ(650mg)にN−トリメチルシリルイミダゾール(3ml)を添加し、得られた混合物を60℃で12時間撹拌して、下記反応式(II):
【0099】
【化11】
【0100】
で表される反応を行い、反応生成物を0℃に冷却した後、メタノールに添加して反応を停止した。得られた薄黄色の懸濁液をメンブレンフィルター(孔径0.5μm)を用いて減圧ろ過し、ろ滓を乾燥して薄黄色粉末のビピリジン基含有メソポーラス有機シリカ(TMS−1,収量650mg,Si−BPy−Si構造含有量100質量%)を得た。
【0101】
このメソポーラス有機シリカTMS−1のX線回折パターンを粉末X線回折装置((株)リガク製「RINT−2200」)を用いて測定したところ、
図1Aに示すように、2θ=1.80°(d=4.90nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察された。さらに、2θ=11.6°(d=0.76nm)、15.2°(d=0.58nm)、23.0°(d=0.39nm)にビピリジン基の層状配列構造に由来する回折ピークが観察された。また、前記メソポーラス有機シリカTMS−1の窒素吸脱着等温線を、自動比表面積/細孔分布測定装置(カンタクローム社製「Autosorb−1 system」)を用い、液体窒素温度(−196℃)条件で定容量式ガス吸着法により求めたところ、
図1Bに示すように、IV型であった。従って、X線回折パターンおよび窒素吸脱着等温線から、前記メソポーラス有機シリカTMS−1は規則的なメソ細孔を有するものであることが確認された。また、このメソポーラス有機シリカTMS−1の比表面積をBET法により算出したところ、520m
2/gであり、中心細孔直径をBJH法により算出したところ、21.9Åであり、細孔容量をt−プロット検定により算出したところ、0.20cm
3/gであった。
【0102】
(合成例2)
<ビピリジン基およびエチレン基含有メソポーラス有機シリカの合成>
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C
18TMACl,300mg,0.86mmol)、蒸留水(53ml)および6N水酸化ナトリウム水溶液(0.530ml,3.18mmol)を混合し、得られた混合物に、激しく撹拌しながら、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(Si−Et−Si,888mg,2.50mmol)を3分間かけて滴下し、室温で20分間撹拌した後、5,5’−ビス(トリイソプロポキシシリル)−2,2’−ビピリジン(Si−BPy−Si,300mg,0.53mmol)のエタノール溶液(2ml)を30分間かけて滴下した。得られた懸濁液を50℃で加熱しながら超音波撹拌装置を用いて2時間撹拌し、その後、50℃で加熱しながら2日間激しく撹拌し、さらに50℃で加熱しながら3日間静置して、下記反応式(III):
【0103】
【化12】
【0104】
で表される反応を行なった。生成した沈殿を加圧ろ過により回収し、鋳型界面活性剤(C
18TMACl)を含むビピリジン基およびエチレン基含有有機シリカメソ構造体を得た。この有機シリカメソ構造体を酸性エタノール(エタノール100mlと2M塩酸2.8mlの混合溶液)に添加し、一晩懸濁させて前記鋳型界面活性剤を除去し、薄黄色固体のビピリジン基およびエチレン基含有メソポーラス有機シリカ(収量643mg)を得た。このメソポーラス有機シリカの外表面および細孔表面に残存しているシラノール基を保護するために、アルゴン雰囲気下で、前記ビピリジン基およびエチレン基含有メソポーラス有機シリカ(200mg)にN−トリメチルシリルイミダゾール(2ml)を添加し、得られた混合物を60℃で12時間撹拌して、下記反応式(IV):
【0105】
【化13】
【0106】
で表される反応を行い、反応生成物を0℃に冷却した後、メタノールに添加して反応を停止した。得られた薄黄色の懸濁液をメンブレンフィルター(孔径0.5μm)を用いて減圧ろ過し、ろ滓を乾燥して薄黄色粉末のビピリジン基およびエチレン基含有メソポーラス有機シリカ(TMS−2,収量181mg,Si−BPy−Si構造含有量32.8質量%(原料仕込比から算出),ビピリジン基含有量20質量%(原料仕込比から算出))を得た。
【0107】
このメソポーラス有機シリカTMS−2のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図2Aに示すように、2θ=1.86°(d=4.75nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察された。また、前記メソポーラス有機シリカTMS−2の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図2Bに示すように、IV型であった。従って、X線回折パターンおよび窒素吸脱着等温線から、前記メソポーラス有機シリカTMS−2は規則的なメソ細孔を有するものであることが確認された。このメソポーラス有機シリカTMS−2の特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は1081m
2/gであり、中心細孔直径は27.0Åであり、細孔容量は0.75cm
3/gであった。
【0108】
(合成例3)
<ビピリジン基担持メソポーラスシリカの合成>
アルゴン雰囲気下、メソポーラスシリカ(FSM−16,500mg)をトルエン(20ml)中に分散させ、この分散液に5−(4−トリイソプロポキシシリルブチル)−5’−メチル−2,2’−ビピリジン(BPy−C4−Si,300mg,0.53mmol)を添加した。得られた懸濁液にトリフルオロ酢酸(50μl)を滴下した後、還流しながら1日間撹拌して、下記反応式(V):
【0109】
【化14】
【0110】
で表される反応を行なった。得られた懸濁液をメンブレンフィルター(孔径0.5μm)を用いて減圧ろ過し、ろ滓をトルエンおよびメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、ビピリジン基担持メソポーラスシリカ(収量620mg)を得た。このビピリジン基担持メソポーラスシリカの外表面および細孔表面に残存しているシラノール基を保護するために、アルゴン雰囲気下で、前記ビピリジン基担持メソポーラスシリカ(620mg)にN−トリメチルシリルイミダゾール(3ml)を添加し、得られた混合物を60℃で12時間撹拌して、下記反応式(VI):
【0111】
【化15】
【0112】
で表される反応を行い、反応生成物を0℃に冷却した後、メタノールに添加して反応を停止した。得られた橙色の懸濁液をメンブレンフィルター(孔径0.5μm)を用いて減圧ろ過し、ろ滓を乾燥して薄黄色粉末のビピリジン基担持メソポーラスシリカ(TMS−3,収量626mg,BPy−C4−Si構造含有量20質量%(質量増加分から算出),ビピリジン基含有量0.433mmol/g(質量増加分から算出))を得た。
【0113】
このメソポーラスシリカTMS−3のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図3Aに示すように、2θ=2.28°(d=3.87nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察された。また、前記メソポーラスシリカTMS−3の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図3Bに示すように、IV型であった。従って、X線回折パターンおよび窒素吸脱着等温線から、前記メソポーラスシリカTMS−3は規則的なメソ細孔を有するものであることが確認された。このメソポーラスシリカTMS−3の特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は647m
2/gであり、中心細孔直径は22.2Åであり、細孔容量は0.39cm
3/gであった。
【0114】
(合成例4)
<ビピリジン基担持ノンポーラスシリカの合成>
アルゴン雰囲気下、非晶質シリカゲル(silica,1.0g)をトルエン(20ml)中に分散させ、この分散液に5−(4−トリイソプロポキシシリルブチル)−5’−メチル−2,2’−ビピリジン(185mg,0.43mmol)を添加した。得られた懸濁液にトリフルオロ酢酸(50μl)を滴下した後、還流しながら1日間撹拌して、下記反応式(VII):
【0115】
【化16】
【0116】
で表される反応を行なった。得られた懸濁液をメンブレンフィルター(孔径0.5μm)
を用いて減圧ろ過し、ろ滓をトルエンおよびメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、ピ
リジン基担持ノンポーラスシリカ(収量1.1g)を得た。このビピリジン基担持ノンポ
ーラスシリカの外表面および細孔表面に残存しているシラノール基を保護するために、アルゴン雰囲気下で、前記ビピリジン基担持ノンポーラスシリカ(1100mg)にN−トリメチルシリルイミダゾール(4ml)を添加し、得られた混合物を60℃で12時間撹拌して、下記反応式(VIII):
【0117】
【化17】
【0118】
で表される反応を行い、反応生成物を0℃に冷却した後、メタノールに添加して反応を停止した。得られた橙色の懸濁液をメンブレンフィルター(孔径0.5μm)を用いて減圧ろ過し、ろ滓を乾燥して薄橙色粉末のビピリジン基担持ノンポーラスシリカ(TMS−4,収量1.10g,BPy−C4−Si構造含有量9質量%(質量増加分から算出),ビピリジン基含有量0.328mmol/g(質量増加分から算出))を得た。
【0119】
このノンポーラスシリカTMS−4のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図4Aに示すように、規則的なメソ構造に由来する回折ピークおよびビピリジン基の層状配列構造に由来する回折ピークはいずれも観察されなかった。また、前記ノンポーラスシリカTMS−4の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図4Bに示すように、IV型であった。従って、X線回折パターンおよび窒素吸脱着等温線から、前記ノンポーラスシリカTMS−4は規則的なメソ細孔を有するものではないことがわかった。このノンポーラスシリカTMS−4の特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は443m
2/gであり、細孔容量は測定下限値以下であった。
【0120】
(合成例5)
<イリジウム含有メソポーラス有機シリカの合成>
アルゴン雰囲気下、合成例1で得られたビピリジン基含有メソポーラス有機シリカTMS−1(258mg,1.00mmol)およびジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(OMe)(cod)]
2(16.6mg,0.025mmol(Ir原子換算で0.050mmol))を混合し、得られた混合物に脱水ベンゼン(16.6ml,187mmol)を添加した後、室温で12時間撹拌して、下記反応式(IX):
【0121】
【化18】
【0122】
で表される反応を行なった。得られた懸濁液にジエチルエーテルを添加し、メンブレンフ
ィルター(孔径0.5μm)を用いた減圧ろ過により固液分離を行なった(固体成分の収
量270mg)。
【0123】
この固体成分のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図5Aに示すように、2θ=1.80°(d=4.90nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察された。さらに、2θ=11.6°(d=0.76nm)、15.2°(d=0.58nm)、23.0°(d=0.39nm)にビピリジン基の層状配列構造に由来する回折ピークが観察された。一方、0価のIrナノ粒子に由来する2θ=40.6°の回折ピークが観察されなかったことから、イリジウム種は前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基と錯体を形成していると考えられる。また、前記固体成分の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図5Bに示すように、IV型であった。従って、X線回折パターンおよび窒素吸脱着等温線から、前記固体成分は、前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1であり、規則的なメソ細孔を有するものであることが確認された。このイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1の特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は560m
2/gであり、中心細孔直径は21.8Åであり、細孔容量は0.13cm
3/gであった。
【0124】
(実施例1)
アルゴン雰囲気下、合成例1で得られたビピリジン基含有メソポーラス有機シリカTMS−1(25.8mg,0.10mmol)、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(OMe)(cod)]
2(1.66mg,2.5μmol(Ir原子換算で5.00μmol))およびビス(ピナコラート)ジボロン(84.6mg,0.333mmol)を混合し、得られた混合物に脱水ベンゼン(1.76ml,19.8mmol)を添加した後、80℃で12時間撹拌して、下記反応式(X):
【0125】
【化19】
【0126】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液にジエチルエーテルを添加し、メンブレンフィルター(孔径0.5μm)を用いた減圧ろ過により固液分離を行なった。
【0127】
得られた液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して無色透明の液体(収量128mg、収率94%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定および
13C−NMR測定により同定し、フェニルボロン酸ピナコールエステルであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.35(s,12H)、7.37(t,J=7.4Hz,2H)、7.46(t,J=7.3Hz,1H)、7.81(d,J=7.3Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ24.87、83.75、127.69、131.23、134.72。
【0128】
一方、回収した固体成分のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図6Aに示すように、0価のIrナノ粒子に由来する2θ=40.6°の回折ピークは観察されなかった。このことから、ホウ素化反応後に回収した固体成分は、前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1であると考えられる。
【0129】
また、
図6Aに示したように、2θ=1.80°(d=4.90nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察され、2θ=11.6°(d=0.76nm)、15.2°(d=0.58nm)、23.0°(d=0.39nm)にビピリジン基の層状配列構造に由来する回折ピークが観察された。さらに、前記固体成分の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図6Bに示すように、IV型であった。これらの結果から、ホウ素化反応後に回収した前記イリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1は規則的なメソ細孔を有するものであることが確認され、ホウ素化反応後においても、前記メソポーラス有機シリカTMS−1の規則的なメソ細孔構造が維持されていることがわかった。このイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1の特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は482m
2/gであり、中心細孔直径は21.4Åであり、細孔容量は0.14cm
3/gであった。
【0130】
(実施例2)
ビス(ピナコラート)ジボロンの代わりにピナコールボラン(95.6μl,0.666mmol)を使用した以外は実施例1と同様にして、下記反応式(XI):
【0131】
【化20】
【0132】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0133】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して無色透明の液体(収量127mg、収率94%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定および
13C−NMR測定により同定し、フェニルボロン酸ピナコールエステルであることを確認した。
【0134】
一方、回収した固体成分のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図7Aに示すように、0価のIrナノ粒子に由来する2θ=40.6°の回折ピークは観察されなかった。このことから、ホウ素化反応後に回収した固体成分は、前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1であると考えられる。
【0135】
また、
図7Aに示したように、2θ=1.80°(d=4.90nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察され、2θ=11.6°(d=0.76nm)、15.2°(d=0.58nm)、23.0°(d=0.39nm)にビピリジン基の層状配列構造に由来する回折ピークが観察された。さらに、前記固体成分の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図7Bに示すように、IV型であった。これらの結果から、ホウ素化反応後に回収した前記イリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1は規則的なメソ細孔を有するものであることが確認され、ホウ素化反応後においても、前記メソポーラス有機シリカTMS−1の規則的なメソ細孔構造が維持されていることがわかった。このイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1の特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は464m
2/gであり、中心細孔直径は20.7Åであり、細孔容量は0.13cm
3/gであった。
【0136】
(実施例3)
前記メソポーラス有機シリカTMS−1およびジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の代わりに合成例5で得られたイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1(27.5mg,Ir原子換算で5.00μmol)を固体触媒として使用した以外は実施例1と同様にして、下記反応式(XII):
【0137】
【化21】
【0138】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0139】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して無色透明の液体(収量126mg、収率92%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定および
13C−NMR測定により同定し、フェニルボロン酸ピナコールエステルであることを確認した。
【0140】
一方、回収した固体成分のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図8Aに示すように、0価のIrナノ粒子に由来する2θ=40.6°の回折ピークは観察されなかった。このことから、ホウ素化反応後に回収した固体成分は、前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1であると考えられ、ホウ素化反応後においても、前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基がイリジウムに配位した状態が維持されていると推察される。
【0141】
また、
図8Aに示すように、2θ=1.80°(d=4.90nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察され、2θ=11.6°(d=0.76nm)、15.2°(d=0.58nm)、23.0°(d=0.39nm)にビピリジン基の層状配列構造に由来する回折ピークが観察された。さらに、前記固体成分の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図8Bに示すように、IV型であった。これらの結果から、ホウ素化反応後に回収した前記イリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1は規則的なメソ細孔を有するものであることが確認され、ホウ素化反応後においても、規則的なメソ細孔構造が維持されていることがわかった。回収した前記イリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1の特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は524m
2/gであり、中心細孔直径は20.8Åであり、細孔容量は0.10cm
3/gであった。
【0142】
以上の結果に示したように、実施例1および実施例3において、ホウ素化反応後に回収された固体成分は、いずれも規則的なメソ細孔を有し、前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1であり、また、フェニルボロン酸ピナコールエステルの収率が同程度であったことから、本発明にかかるメソポーラス有機シリカと周期表第9族の遷移金属化合物とを混合した場合(実施例1)においても、前記メソポーラス有機シリカ中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカが形成され、実施例3の場合と同様に、このイリジウム含有メソポーラス有機シリカが固体触媒として作用することによって、ベンゼンのホウ素化反応が進行したと考えられる。
【0143】
(実施例4)
前記メソポーラス有機シリカTMS−1およびジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の代わりに実施例1で回収した前記イリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1(83.4mg,Ir原子換算で0.015mmol)を固体触媒として使用し、ビス(ピナコラート)ジボロンの量を235mg(1.00mmol)に変更し、脱水ベンゼンの量を5.33ml(60mmol)に変更した以外は実施例1と同様に、前記式(X)で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった(これを1回目の再利用とする。)。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0144】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して無色透明の液体(収量369mg、収率91%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定および
13C−NMR測定により同定し、フェニルボロン酸ピナコールエステルであることを確認した。
【0145】
一方、回収した固体成分は、乾燥後、前述した条件でのベンゼンのホウ素化反応に固体触媒として繰り返し利用した。2回目および3回目の再利用におけるフェニルボロン酸ピナコールエステルの収率はそれぞれ90%および86%であった。また、4回目の再利用におけるフェニルボロン酸ピナコールエステルの収率は23%となったが、5回目の再利用において反応温度を120℃、反応時間を48時間に変更したところ、フェニルボロン酸ピナコールエステルの収率は50%となった。
【0146】
また、各反応終了後に回収した固体成分のX線回折パターンおよび窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図9A〜
図9Cに示すように、3回目までの再利用においては、前記メソポーラス有機シリカTMS−1中のビピリジン基がイリジウムに配位した状態および規則的なメソ細孔構造は維持されていることが確認された。
【0147】
(実施例5)
前記メソポーラス有機シリカTMS−1の代わりに合成例2で得られたビピリジン基およびエチレン基含有メソポーラス有機シリカTMS−2(39.3mg、0.05mmol)を使用し、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(OMe)(cod)]
2の量を0.835mg(1.25μmol(Ir原子換算で2.50μmol))に、ビス(ピナコラート)ジボロンの量を42.3mg(0.167mmol)に、脱水ベンゼンの量を0.88ml(9.9mmol)に変更した以外は実施例1と同様にして下記反応式(XIII):
【0148】
【化22】
【0149】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0150】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して無色透明の液体(収量55mg、収率81%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定および
13C−NMR測定により同定し、フェニルボロン酸ピナコールエステルであることを確認した。
【0151】
一方、回収した固体成分のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図10Aに示すように、0価のIrナノ粒子に由来する2θ=40.6°の回折ピークは観察されなかった。このことから、ホウ素化反応後に回収した固体成分は、前記メソポーラス有機シリカTMS−2中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカであると考えられる。
【0152】
また、
図10Aに示したように、2θ=1.92°(d=4.60nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察された。さらに、前記固体成分の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図10Bに示すように、IV型であった。これらの結果から、ホウ素化反応後に回収した前記イリジウム含有メソポーラス有機シリカは規則的なメソ細孔を有するものであることが確認され、ホウ素化反応後においても、前記メソポーラス有機シリカTMS−2の規則的なメソ細孔構造が維持されていることがわかった。このイリジウム含有メソポーラス有機シリカの特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は717m
2/gであり、中心細孔直径は27.0Åであり、細孔容量は0.41cm
3/gであった。
【0153】
以上の結果から、有機基としてビピリジン基およびエチレン基を含有するメソポーラス有機シリカTMS−2を使用した場合(実施例5)においても、有機基としてビピリジン基のみを含有するメソポーラス有機シリカTMS−1を使用した場合(実施例1)と同様に、前記メソポーラス有機シリカTMS−2中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカが形成され、このイリジウム含有メソポーラス有機シリカが固体触媒として作用することによって、ベンゼンのホウ素化反応が進行したと考えられる。
【0154】
(
比較例1)
前記メソポーラス有機シリカTMS−1の代わりに合成例3で得られたビピリジン基担持メソポーラスシリカTMS−3(70.0mg、0.05mmol)を使用し、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(OMe)(cod)]
2の量を0.835mg(1.25μmol(Ir原子換算で2.50μmol))に、ビス(ピナコラート)ジボロンの量を42.3mg(0.167mmol)に、脱水ベンゼンの量を0.88ml(9.9mmol)に変更した以外は実施例1と同様にして下記反応式(XIV):
【0155】
【化23】
【0156】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0157】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して無色透明の液体(収量42mg、収率63%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定および
13C−NMR測定により同定し、フェニルボロン酸ピナコールエステルであることを確認した。
【0158】
一方、回収した固体成分のX線回折パターンを合成例1と同様に測定したところ、
図11Aに示すように、0価のIrナノ粒子に由来する2θ=40.6°の回折ピークは観察されなかった。このことから、ホウ素化反応後に回収した固体成分は、前記メソポーラスシリカTMS−3中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカであると考えられる。
【0159】
また、
図11Aに示したように、2θ=2.28°(d=3.87nm)に規則的なメソ構造に由来する回折ピークが観察された。さらに、前記固体成分の窒素吸脱着等温線を合成例1と同様に求めたところ、
図11Bに示すように、IV型であった。これらの結果から、ホウ素化反応後に回収した前記イリジウム含有メソポーラス有機シリカは規則的なメソ細孔を有するものであることが確認され、ホウ素化反応後においても、前記メソポーラスシリカTMS−3の規則的なメソ細孔構造が維持されていることがわかった。このイリジウム含有メソポーラス有機シリカの特性を合成例1と同様に算出したところ、比表面積は723m
2/gであり、中心細孔直径は21.0Åであり、細孔容量は0.28cm
3/gであった。
【0160】
以上の結果から、ビピリジン基を担持したメソポーラスシリカTMS−3を使用した場合(
比較例1)においても、ビピリジン基を骨格中に含有するメソポーラス有機シリカTMS−1を使用した場合(実施例1)と同様に、前記メソポーラス有機シリカTMS−3中のビピリジン基がイリジウムに配位したイリジウム含有メソポーラス有機シリカが形成され、このイリジウム含有メソポーラス有機シリカが固体触媒として作用することによって、ベンゼンのホウ素化反応が進行したと考えられる。
【0161】
(比較例
2)
前記メソポーラス有機シリカTMS−1の代わりに2,2’−ビピリジン(0.78mg,5.00μmol)を使用し、反応時間を24時間に変更した以外は実施例1と同様にして下記反応式(XV):
【0162】
【化24】
【0163】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた溶液中の未反応物を減圧留去して液状の粗製物(収量108mg、収率80%)を得た。この粗製物には、ホウ素化反応中に生成したイリジウム種の凝集物が含まれていた。
【0164】
(比較例
3)
前記メソポーラス有機シリカTMS−1の代わりに合成例4で得られたビピリジン基担持ノンポーラスシリカTMS−4(152.4mg、0.05mmol)を使用し、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(OMe)(cod)]
2の量を0.835mg(1.25μmol(Ir原子換算で2.50μmol))に、ビス(ピナコラート)ジボロンの量を42.3mg(0.167mmol)に、脱水ベンゼンの量を0.88ml(9.9mmol)に変更した以外は実施例1と同様にして下記反応式(XVI):
【0165】
【化25】
【0166】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0167】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して無色透明の液体(収量22.4mg、収率33%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定および
13C−NMR測定により同定し、フェニルボロン酸ピナコールエステルであることを確認した。
【0168】
以上の結果から明らかなように、ビピリジン基を骨格中に含有するメソポーラス有機シリカTMS−1またはTMS−2
を使用した場合(実施例
1、5)には、ビピリジン基を担持したノンポーラスシリカTMS−4を使用した場合(比較例
2)に比べて、フェニルボロン酸ピナコールエステルの収率が高くなり、イリジウム錯体による触媒活性が向上することがわかった。
【0169】
(比較例
4)
Angew.Chem.Int.Ed.、2011年、第50号、11667〜11671頁に記載の方法に従って、下記式(XVII):
【0170】
【化26】
【0171】
で表される繰り返し単位を含有するフェニルピリジン基含有メソポーラス有機シリカTMS−5を調製した。前記メソポーラス有機シリカTMS−1の代わりにこのメソポーラス有機シリカTMS−5(25.7mg、0.10mmol)を使用し、反応時間を24時間に変更した以外は実施例1と同様にして、ベンゼンのホウ素化反応を試みた。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0172】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して液状の粗製物を得た。この粗製物を
1H−NMR測定により同定したところ、粗製物にベンゼンのホウ素化物は含まれておらず、ほぼ全量のビス(ピナコラート)ジボロンが回収された(回収率99%)。
【0173】
(比較例
5)
特開2010−116512号公報に記載の実施例2に従って、下記式(XVIII):
【0174】
【化27】
【0175】
で表される繰り返し単位を含有するピリジン基含有メソポーラス有機シリカTMS−6を調製した。前記メソポーラス有機シリカTMS−1の代わりにこのメソポーラス有機シリカTMS−6(23.3mg、0.10mmol)を使用し、反応時間を24時間に変更した以外は実施例1と同様にして、ベンゼンのホウ素化反応を試みた。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。
【0176】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去して液状の粗製物を得た。この粗製物を
1H−NMR測定により同定したところ、粗製物にベンゼンのホウ素化物は含まれておらず、ほぼ全量のビス(ピナコラート)ジボロンが回収された(回収率99%)。
【0177】
以上の結果から明らかなように、ピリジン基を含有するメソポーラス有機シリカTMS−5またはTMS−6を使用した場合(比較例
4〜5)には、ベンゼンのホウ素化反応が進行しないことがわかった。
【0178】
(実施例7)
脱水ベンゼンの代わりに脱水トルエン(2.10ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例3と同様にして、下記反応式(XIX):
【0179】
【化28】
【0180】
で表される、トルエンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例1と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。なお、メンブレンフィルターは孔径0.20μmのものを使用した。
【0181】
この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去し、さらに残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製して無色透明の液体(収量123.5mg、収率85%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエンであること、並びに、p−異性体:m−異性体=37:63の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)1.34(s,12H)、2.35(s,3H)、7.25−7.27(m,2H)、7.60(t,J=4.4Hz,1H)、7.63(s,1H)、(p−isomer)1.34(s,12H)、2.36(s,3H)、7.18(d,J=7.6Hz,2H)、7.70(d,J=7.6Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)21.27、24.85、83.71、127.66、131.73、132.01、135.29、137.10、(p−isomer)21.73、24.85、83.60、128.49、134.76、141.37。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
13H
23BNO
2(M+NH
4+):236.1819;found:236.1819。
【0182】
(実施例8)
脱水トルエンの代わりに脱水アニソール(2.15ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XX):
【0183】
【化29】
【0184】
で表される、アニソールのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量137.2mg、収率88%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニソールであること、並びに、p−異性体:m−異性体=37:63の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)1.34(s,12H)、3.83(s,3H)、7.00(dd,J=2.8,8.4Hz,1H)、7.29(t,J=8.0Hz,1H)、7.32(d,J=2.8Hz,1H)、7.40(d,J=7.2Hz,1H)、(p−isomer)1.33(s,12H)、3.83(s,3H)、6.88(d,J=8.4Hz,2H)、7.75(d,J=8.4Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)24.85、55.23、83.80、117.90、118.61、127.14、128.91、158.97、(p−isomer)24.85、55.08、83.53、113.27、136.47、162.08。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
13H
23BNO
3(M+NH
4+):252.1768;found:252.1768。
【0185】
(実施例9)
脱水トルエンの代わりに脱水安息香酸メチル(2.70ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XXI):
【0186】
【化30】
【0187】
で表される、安息香酸メチルのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量198.4mg、収率88%)を得た。なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開溶媒としてはヘキサン/アセトン(10/1)混合溶媒を使用した。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルであること、並びに、p−異性体:m−異性体=44:56の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)1.36(s,12H)、3.91(s,3H)、7.44(t,J=8.0Hz,1H)、7.98(d,J=7.6Hz,1H)、8.12(d,J=8.0Hz,1H)、8.46(s,1H)、(p−isomer)1.36(s,12H)、3.92(s,3H)、7.86(d,J=8.4Hz,2H)、8.02(d,J=8.4Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ(p−isomer)24.83、52.10、84.15、128.52、132.23、134.59、167.10、(m−isomer)24.83、52.00、84.06、127.74、129.47、135.76、139.09、167.07。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
23BNO
4(M+NH
4+):280.1717;found:280.1719。
【0188】
(実施例10)
脱水トルエンの代わりに脱水クロロベンゼン(2.02ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XXII):
【0189】
【化31】
【0190】
で表される、クロロベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量147.7mg、収率93%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロロベンゼンであること、並びに、p−異性体:m−異性体=34:66の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)1.34(s,12H)、7.29(t,J=8.0Hz,1H)、7.41(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H)、7.66(d,J=7.2Hz,1H)、7.77(d,J=2.4Hz,1H)、(p−isomer)1.33(s,12H)、7.33(d,J=8.4Hz,2H)、7.72(d,J=8.4Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)24.84、84.11、129.15、131.22、132.61、134.52、137.21、(p−isomer)24.84、84.00、127.96、136.09、137.48。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
20BClNO
2(M+NH
4+):256.1276;found:256.1270。
【0191】
(実施例11)
脱水トルエンの代わりに脱水ベンゾトリフルオリド(2.43ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XXIII):
【0192】
【化32】
【0193】
で表される、ベンゾトリフルオリドのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量141.4mg、収率78%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定、
19F−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)(トリフルオロメチル)ベンゼンであること、並びに、p−異性体:m−異性体=32:68の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)1.36(s,12H)、7.48(t,J=7.6Hz,1H)、7.70(d,J=7.8Hz,1H)、7.97(d,J=7.6Hz,1H)、8.06(s,1H)、(p−isomer)1.36(s,12H)、7.61(d,J=8.1Hz,2H)、7.91(d,J=7.8Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)24.85、84.26、124.29、127.60、127.99、131.32、137.96、(p−isomer)24.53、84.26、124.15、124.29、132.30、134.96。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)−62.93、(p−isomer)−62.51。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
13H
20BF
3NO
2(M+NH
4+):250.1539;found:250.1539。
【0194】
(実施例12)
脱水トルエンの代わりに脱水o−キシレン(2.39ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XXIV):
【0195】
【化33】
【0196】
で表される、o−キシレンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量139.3mg、収率60%)を得た。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−o−キシレンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.34(s,12H)、2.27(s,3H)、2.28(s,3H)、7.14(d,J=7.6Hz,1H)、7.54(d,J=7.6Hz,1H)、7.58(s,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ19.47、20.00、24.83、83.56、129.13、132.36、135.88、140.12。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
25BNO
2(M+NH
4+):250.1975;found:250.1975。
【0197】
(実施例13)
脱水トルエンの代わりに脱水1,2−ジクロロベンゼン(2.23ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XXV):
【0198】
【化34】
【0199】
で表される、1,2−ジクロロベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量167.2mg、収率92%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、1,2−ジクロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.33(s,12H)、7.43(d,J=8.0Hz,1H)、7.59(dd,J=1.2Hz,8.0Hz,1H)、7.86(d,J=1.6 Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ25.15、84.64、130.29、132.53、134.04、135.77、136.83。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
19BNCl
2O
2(M+NH
4+):290.0883;found:290.0882。
【0200】
(実施例14)
脱水トルエンの代わりに脱水1,3−ジクロロベンゼン(2.26ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XXVI):
【0201】
【化35】
【0202】
で表される、1,3−ジクロロベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量147.2mg、収率81%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、1,3−ジクロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.34(s,12H)、7.42(t,J=2.0Hz,1H)、7.64(d,J=2.0Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ24.83、84.48、129.34、131.04、132.66、134.68。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
19BNCl
2O
2(M+NH
4+):290.0883;found:290.0884。
【0203】
(実施例15)
脱水トルエンの代わりに脱水1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.04ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例7と同様にして、下記反応式(XXVII):
【0204】
【化36】
【0205】
で表される、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量106.4mg、収率47%)を得た。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定、
19F−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、1,3−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.37(s,12H)、7.94(s,1H)、8.23(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ24.86、84.83、122.09、124.66、124.69、130.68、131.02、134.61。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3):δ−62.76。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
19BNF
6O
2(M+NH
4+):358.1410;found:358.1408。
【0206】
(実施例16)
アルゴン雰囲気下、合成例5で得られたイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1(27.5mg,Ir原子換算で5.00μmol)に脱水ベンゼン(1.76ml,19.8mmol)およびピナコールボラン(85.2mg,0.666mmol)を添加した後、80℃で12時間撹拌して、下記反応式(XXVIII):
【0207】
【化37】
【0208】
で表される、ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量127.8mg、収率94%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.35(s,12H)、7.37(t,J=7.4Hz,2H)、7.46(t,J=7.3Hz,1H)、7.81(d,J=7.3Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ24.87、83.75、127.69、131.23、134.72。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
21BNO
2(M+NH
4+):222.1662;found:222.1664。
【0209】
(実施例17)
脱水ベンゼンの代わりに脱水トルエン(2.10ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例16と同様にして、下記反応式(XXIX):
【0210】
【化38】
【0211】
で表される、トルエンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量133.6mg、収率92%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエンであること、並びに、p−異性体:m−異性体=40:60の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)1.34(s,12H)、2.35(s,3H)、7.25−7.27(m,2H)、7.60(t,J=4.4Hz,1H)、7.63(s,1H)、(p−isomer)1.34(s,12H)、2.36(s,3H)、7.18(d,J=7.6Hz,2H)、7.70(d,J=7.6Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)21.27、24.85、83.71、127.66、131.73、132.01、135.29、137.10、(p−isomer)21.73、24.85、83.60、128.49、134.76、141.37。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
13H
23BNO
2(M+NH
4+):236.1819;found:236.1819。
【0212】
(実施例18)
脱水ベンゼンの代わりに脱水アニソール(2.15ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例16と同様にして、下記反応式(XXX):
【0213】
【化39】
【0214】
で表される、アニソールのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量135.6mg、収率87%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニソールであること、並びに、p−異性体:m−異性体=49:51の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)1.34(s,12H)、3.83(s,3H)、7.00(dd,J=2.8,8.4Hz,1H)、7.29(t,J=8.0Hz,1H)、7.32(d,J=2.8Hz,1H)、7.40(d,J=7.2Hz,1H)、(p−isomer)1.33(s,12H)、3.83(s,3H)、6.88(d,J=8.4Hz,2H)、7.75(d,J=8.4Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)24.85、55.23、83.80、117.90、118.61、127.14、128.91、158.97、(p−isomer)24.85、55.08、83.53、113.27、136.47、162.08。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
13H
23BNO
3(M+NH
4+):252.1768;found:252.1768。
【0215】
(実施例19)
アルゴン雰囲気下、合成例5で得られたイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1(27.5mg,Ir原子換算で5.00μmol)に脱水シクロヘキサン(2.0ml)、脱水安息香酸メチル(181mg,1.33mmol)およびピナコールボラン(85.2mg,0.666mmol)を添加した後、80℃で12時間撹拌して、下記反応式(XXXI):
【0216】
【化40】
【0217】
で表される、安息香酸メチルのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量150.1mg、収率86%)を得た。なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開溶媒としてはヘキサン/アセトン(10/1)混合溶媒を使用した。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルであること、並びに、p−異性体:m−異性体=47:53の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)1.36(s,12H)、3.91(s,3H)、7.44(t,J=8.0Hz,1H)、7.98(d,J=7.6Hz,1H)、8.12(d,J=8.0Hz,1H)、8.46(s,1H)、(p−isomer)1.36(s,12H)、3.92(s,3H)、7.86(d,J=8.4Hz,2H)、8.02(d,J=8.4Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ(p−isomer)24.83、52.10、84.15、128.52、132.23、134.59、167.10、(m−isomer)24.83、52.00、84.06、127.74、129.47、135.76、139.09、167.07。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
23BNO
4(M+NH
4+):280.1717;found:280.1719。
【0218】
(実施例20)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水ベンゾトリフルオリド(194mg,1.33mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XXXII):
【0219】
【化41】
【0220】
で表される、ベンゾトリフルオリドのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量166.7mg、収率92%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定、
19F−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)(トリフルオロメチル)ベンゼンであること、並びに、p−異性体:m−異性体=31:69の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)1.36(s,12H)、7.48(t,J=7.6Hz,1H)、7.70(d,J=7.8Hz,1H)、7.97(d,J=7.6Hz,1H)、8.06(s,1H)、(p−isomer)1.36(s,12H)、7.61(d,J=8.1Hz,2H)、7.91(d,J=7.8Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)24.85、84.26、124.29、127.60、127.99、131.32、137.96、(p−isomer)24.53、84.26、124.15、124.29、132.30、134.96。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3):δ(m−isomer)−62.93、(p−isomer)−62.51。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
13H
20BF
3NO
2(M+NH
4+):250.1539;found:250.1539。
【0221】
(実施例21)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水クロロベンゼン(150mg,1.33mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XXXIII):
【0222】
【化42】
【0223】
で表される、クロロベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量154mg、収率97%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロロベンゼンであること、並びに、p−異性体:m−異性体=35:65の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)1.34(s,12H)、7.29(t,J=8.0Hz,1H)、7.41(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H)、7.66(d,J=7.2Hz,1H)、7.77(d,J=2.4Hz,1H)、(p−isomer)1.33(s,12H)、7.33(d,J=8.4Hz,2H)、7.72(d,J=8.4Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ(m−isomer)24.84、84.11、129.15、131.22、132.61、134.52、137.21、(p−isomer)24.84、84.00、127.96、136.09、137.48。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
20BClNO
2(M+NH
4+):256.1276;found:256.1270。
【0224】
(実施例22)
脱水ベンゼンの代わりに脱水o−キシレン(2.39ml、19.8mmol)を使用した以外は実施例16と同様にして、下記反応式(XXXIV):
【0225】
【化43】
【0226】
で表される、o−キシレンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量105mg、収率68%)を得た。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−o−キシレンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.34(s,12H)、2.27(s,3H)、2.28(s,3H)、7.14(d,J=7.6Hz,1H)、7.54(d,J=7.6Hz,1H)、7.58(s,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ19.47、20.00、24.83、83.56、129.13、132.36、135.88、140.12。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
25BNO
2(M+NH
4+):250.1975;found:250.1975。
【0227】
(実施例23)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水1,2−ジクロロベンゼン(195.8mg,1.33mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XXXV):
【0228】
【化44】
【0229】
で表される、1,2−ジクロロベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量172.7mg、収率95%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、1,2−ジクロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.33(s,12H)、7.43(d,J=8.0Hz,1H)、7.59(dd,J=1.2Hz,8.0Hz,1H)、7.86(d,J=1.6Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ25.15、84.64、130.29、132.53、134.04、135.77、136.83。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
19BNCl
2O
2(M+NH
4+):290.0883;found:290.0882.
【0230】
(実施例24)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水1,3−ジクロロベンゼン(196mg,1.33mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XXXVI):
【0231】
【化45】
【0232】
で表される、1,3−ジクロロベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して無色透明の液体(収量171mg、収率94%)を得た。この無色透明の液体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、1,3−ジクロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.34(s,12H)、7.42(t,J=2.0Hz,1H)、7.64(d,J=2.0 Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ24.83、84.48、129.34、131.04、132.66、134.68。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
19BNCl
2O
2(M+NH
4+):290.0883;found:290.0884.
【0233】
(実施例25)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(285.2mg,1.33mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XXXVII):
【0234】
【化46】
【0235】
で表される、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量206mg、収率91%)を得た。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定、
19F−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、1,3−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.37(s,12H)、7.94(s,1H)、8.23(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3):δ24.86、84.83、122.09、124.66、124.69、130.68、131.02、134.61。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3):δ−62.76。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
19BNF
6O
2(M+NH
4+):358.1410;found:358.1408。
【0236】
(実施例26)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水チオフェン(223mg,2.66mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XXXVIII):
【0237】
【化47】
【0238】
で表される、チオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量128.7mg、収率92%)を得た。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.35(s,12H)、7.19(dd,J=3.6Hz,4.4Hz,1H)、7.63(d,J=4.8Hz,1H)、7.64(d,J=3.6Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.76、84.07、128.20、132.34、137.13。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
10H
19BNO
2S(M+NH
4+):228.1224;found:228.1224。
【0239】
(実施例27)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水2−フランカルボン酸メチル(168mg,1.33mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XXXIX):
【0240】
【化48】
【0241】
で表される、2−フランカルボン酸メチルのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量156.1mg、収率93%)を得た。なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開溶媒としてはヘキサン/アセトン(10/1)混合溶媒を使用した。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−フランカルボン酸メチルであること、並びに、2−異性体:3−異性体=86:14の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ(2−isomer)1.35(s,12H)、3.89(s,3H)、7.07(d,J=3.6Hz,1H)、7.19(d,J=3.6Hz,1H)、(3−isomer)1.32(s,12H)、3.89(s,3H)、7.37(s,1H)、7.87(s,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ(2−isomer)24.70、51.93、84.70、117.86、124.00、148.29、159.03、(3−isomer)24.75、51.95、83.91、121.80、123.9、154.01、159.07。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
12H
21BNO
5(M+NH
4+):270.1507;found:270.1508。
【0242】
(実施例28)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水ベンゾ[b]チオフェン(179mg,1.33mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XL):
【0243】
【化49】
【0244】
で表される、ベンゾ[b]チオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量156.0mg、収率90%)を得た。なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開溶媒としてはヘキサン/アセトン(10/1)混合溶媒を使用した。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[b]チオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.38(s,12H)、7.32−7.39(m,2H)、7.83−7.86(m,1H)、7.88(s,1H)、7.89−7.91(m,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.81、84.42、122.49、124.07、124.34、125.27、134.46、140.39、143.66。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
21BNO
2S(M+NH
4+):278.1381;found:278.1382。
【0245】
(実施例29)
アルゴン雰囲気下、合成例5で得られたイリジウム含有メソポーラス有機シリカIr−TMS−1(27.5mg,Ir原子換算で5.00μmol)およびベンゾフラン(157.4mg,1.33)mmolを混合し、得られた混合物に脱水シクロヘキサン(2.0ml)およびピナコールボラン(85.2mg,0.666mmol)を添加した後、80℃で12時間撹拌して、下記反応式(XLI):
【0246】
【化50】
【0247】
で表される、ベンゾフランのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量149.6mg、収率92%)を得た。なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開溶媒としてはヘキサン/アセトン(10/1)混合溶媒を使用した。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾフランであること、並びに、2−異性体:3−異性体=80:20の位置異性体の混合物であることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ(2−isomer)1.39(s,12H)、7.22(t,J=7.2Hz,1H)、7.33(dt,J=1.2Hz,7.2Hz,1H)、7.40(s,1H)、7.56(d,J=8.4Hz,1H)、7.62(d,J=8.0Hz,1H)、(3−isomer)1.37(s,12H)、7.26−7.29(m,2H)、7.91−7.93(m,2H)、7.95(s,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ(2−isomer)24.77、84.66、111.93、119.51、121.85、122.70、125.90、127.44、157.46、(3−isomer)24.87、83.48、111.0、122.84、122.92、124.19、153.5。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
21BNO
3(M+NH
4+):262.1609;found:272.1612。
【0248】
(実施例30)
ベンゾフランの代わりにインドール(156mg、1.33mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(XLII):
【0249】
【化51】
【0250】
で表される、インドールのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量150mg、収率93%)を得た。なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開溶媒としてはヘキサン/アセトン(10/1)混合溶媒を使用した。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドールであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.37(s,12H)、7.09(t,J=8.0Hz,1H)、7.11(s,1H)、7.22(t,J=8.0Hz,1H)、7.38(d,J=8.4Hz,1H)、7.66(d,J=8.4Hz,1H)、8.55(br s,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.83、84.13、111.24、113.82、119.76、121.58、123.60、128.24、138.17。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
14H
19BNO
2(M+H
+):244.1503;found:244.1507。
【0251】
(実施例31)
ベンゾフランの代わりに2,6―ジクロロピリジン(197mg、1.33mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(XLIII):
【0252】
【化52】
【0253】
で表される、2,6―ジクロロピリジンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例7と同様の処理を施して白色固体(収量167.8mg、収率92%)を得た。なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開溶媒としてはヘキサン/アセトン(10/1)混合溶媒を使用した。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2,6―ジクロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.35(s,12H)、7.58(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.82、85.19、127.75、150.37。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
11H
15BCl
2NO
2(M+H
+):274.0567;found:274.0569。
【0254】
(実施例32)
脱水安息香酸メチルの代わりに脱水チオフェン(18.6mg,0.222mmol)を使用した以外は実施例19と同様にして、下記反応式(XLIV):
【0255】
【化53】
【0256】
で表される、チオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分中のジエチルエーテルを減圧留去し、さらに残渣を0℃に冷却したヘキサン(1ml)で洗浄した後、乾燥して白色固体(収量73.8mg、収率99%)を得た。この白色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2,5−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.34(s,24H)、7.66(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.76、84.11、137.64。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
16H
27B
2O
4S(M
+):337.1811;found:337.1718。
【0257】
(実施例33)
ベンゾフランの代わりに2,2’−ビチオフェン(36.9mg、0.222mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(XLV):
【0258】
【化54】
【0259】
で表される、2,2’−ビチオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例32と同様の処理を施して薄黄色固体(収量91.9mg、収率99%)を得た。この薄黄色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、5,5’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,2’−ビチオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.35(s,24H)、7.28(d,J=8.4Hz,2H)、7.52(d,J=8.4Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.76、84.21、125.60、137.95、143.83。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
20H
29B
2O
4S
2(M
+):419.1688;found:419.1698.
【0260】
(実施例34)
ベンゾフランの代わりに2,2’:5’,2”−ターチオフェン(55.1mg、0.222mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(XLVI):
【0261】
【化55】
【0262】
で表される、2,2’:5’,2”−ターチオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例32と同様の処理を施して黄色固体(収量110mg、収率99%)を得た。この黄色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、5,5”−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,2’:5’,2”−ターチオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.35(s,24H)、7.14(s,2H)、7.23(d,J=3.6Hz,2H)、7.52(d,J=3.6Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.77、84.22、124.97、125.11、136.63、137.95、143.61。
FI−HRMS m/z calcd.for C
24H
31B
2O
4S
3(M
+):501.1565;found:501.1577。
【0263】
(実施例35)
ベンゾフランの代わりにベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(42.3mg、0.222mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(XLVII):
【0264】
【化56】
【0265】
で表される、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例32と同様の処理を施して薄黄色固体(収量97.2mg、収率99%)を得た。この薄黄色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.39(s,24H)、7.90(s,2H)、8.36(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.83、84.54、117.52、133.59、139.31、140.56。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
22H
29B
2O
4S
2(M
+):443.1688;found:443.1696.
【0266】
(実施例36)
ベンゾフランの代わりに4,8−ジヘキシロキシベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(48.9mg、0.222mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(XLVIII):
【0267】
【化57】
【0268】
で表される、4,8−ジヘキシロキシベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例32と同様の処理を施して薄黄色固体(収量100mg、収率95%)を得た。この薄黄色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4,8−ジヘキシロキシベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ0.93(t,J=6.8Hz,6H)、1.36−1.38(m,12H)、1.38(s,24H)、1.50−1.55(m,4H)、1.84−1.91(m,4H)、4.30(t,J=6.8Hz,4H)、8.01(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ14.10、22.65、24.71、24.81、25.66、30.53、31.70、73.94、84.55、130.82、132.98、133.77、144.82。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
34H
53B
2O
6S
2(M
+):643.3464;found:643.3472.
【0269】
(実施例37)
ベンゾフランの代わりにチエノ[3,2−b]チオフェン(31.1mg、0.222mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(XLIX):
【0270】
【化58】
【0271】
で表される、チエノ[3,2−b]チオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例32と同様の処理を施して薄黄色固体(収量86.2mg、収率99%)を得た。この薄黄色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2,5−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.36(s,24H)、7.75(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.79、84.35、128.87、146.61。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
18H
27B
2O
4S
2(M
+):393.1531;found:393.1539。
【0272】
(実施例38)
ベンゾフランの代わりにジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン(43.6mg、0.222mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(L):
【0273】
【化59】
【0274】
で表される、ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例32と同様の処理を施して薄黄色固体(収量93.7mg、収率89%)を得た。この薄黄色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、2,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.36(s,24H)、7.76(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.78、84.40、130.27、144.74。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
20H
27B
2O
4S
3(M
+):449.1252;found:449.1259.
【0275】
(実施例39)
ベンゾフランの代わりにトリス[(4−(5−チオフェン)−2−イル)フェニル)]アミン(72.8mg、0.148mmol)を使用した以外は実施例29と同様にして、下記反応式(LI):
【0276】
【化60】
【0277】
で表される、トリス[(4−(5−チオフェン)−2−イル)フェニル)]アミンのホウ素化反応を行なった。得られた懸濁液に実施例7と同様の処理を施して液体成分と固体成分を得た。この液体成分に実施例32と同様の処理を施して黄色固体(収量126mg、収率98%)を得た。この黄色固体を
1H−NMR測定、
13C−NMR測定および高分解能質量分析スペクトル測定(HRMS)により同定し、トリス[4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−2−イル)フェニル]アミンであることを確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,TMS):δ1.36(s,36H)、7.13(d,J=8.8Hz,6H)、7.32(d,J=3.6Hz,3H)、7.55(d,J=8.8Hz,6H)、7.58(d,J=3.6Hz,3H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,TMS):δ24.79、84.11、123.85、124.42、127.10、129.13、138.23、146.73、150.92。
ESI−HRMS m/z calcd.for C
48H
55B
3NO
6S
3(M
+):870.3465;found:870.3484。
【0278】
以上の結果から明らかなように、本発明の固体触媒は、様々な芳香族化合物のホウ素化反応に有用であることが確認された。