【文献】
日本原燃(株)低レベル放射性廃棄物埋設センターの状況について,[online],日本,日本原燃株式会社,2008年 7月 3日,p.1-17,[検索日 平成29年2月28日],URL,http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/028/shiryo/08072410/002.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記廃棄物格納空間内であって、前記廃棄物格納空間に格納された放射性廃棄物あるいは放射性廃棄物を収納した廃棄体の間隙領域に収着性材を充填したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の放射性廃棄物の埋設処分施設。
前記埋設処分施設躯体内の前記格納躯体間の隙間を吸水膨張性粘土を主成分とする材料で充填することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の放射性廃棄物の埋設処分施設。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように、第1段階及び第2段階の期間では監視が続けられる。ここで、埋設処分施設に不具合が生じた場合には、廃棄体を再度取り出して、埋設処分施設の不具合部分を修復し、その後、再び廃棄体を埋設処分施設に格納できることが望ましい。あるいは、埋設処分施設の場所が、処分の安全性の観点で不適であることが、後日判明した場合には、廃棄体を別の埋設処分施設に移設する必要が生じる。
【0007】
しかしながら、上述した現状の埋設処分施設では、廃棄体の再度取り出しを前提とせず、廃棄体と、廃棄体を格納する施設躯体との間はモルタルで充填されているため、廃棄体の再取り出しは困難である。また、埋設処分施設では、廃棄体を格納する格納躯体の移設を前提とせず、永久設置の構造となっている。このため、格納躯体を含む埋設処分施設に不具合が生じた場合に、この不具合の修復が困難である。
【0008】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、放射性廃棄物を格納した格納躯体の移設が容易で高い修復性能を有する放射性廃棄物の埋設処分施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、放射性廃棄物を地中に埋設処分する放射性廃棄物の埋設処分施設において、前記放射性廃棄物を格納する格納躯体が複数個、定置され、前記格納躯体は、吊り上げまたは積載台車によって前記定置位置から移動可能であり、前記格納躯体の外縁部には、前記格納躯体内の廃棄物格納空間を包み込むように低拡散性材が配置されることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、上記の発明において、前記廃棄物格納空間内であって、前記廃棄物格納空間に格納された放射性廃棄物あるいは放射性廃棄物を収納した廃棄体の間隙領域に収着性材を充填したことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、上記の発明において、前記収着性材は、破砕された材料または粒状体材料であることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、上記の発明において、前記格納躯体は、その外周がさらに金属板で覆われていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、上記の発明において、前記複数個の格納躯体を定置して格納躯体を保護する埋設処分施設躯体の外周面あるいは内周面に沿って埋設処分施設躯体内部を囲むように覆う排水材が配置されたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、上記の発明において、前記複数個の格納躯体が上部に定置され、内部に水の集水機構及び排水機構を有した床板構造体が設けられることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、上記の発明において、前記埋設処分施設躯体内の前記格納躯体間の隙間を吸水膨張性粘土を主成分とする材料で充填することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる放射性廃棄物の埋設処分施設は、上記の発明において、前記格納躯体の外縁部に配置される低拡散性材は、セメントと粉末状の酸化珪素及び/または珪砂を主成分とするモルタル材であり、かつ、混錬する水が水和反応に必要な量よりも少ないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、前記放射性廃棄物を格納する格納躯体は、吊り上げまたは積載台車によって定置位置から移動可能であり、前記格納躯体の外縁部には、前記格納躯体内の廃棄物格納空間を包み込むように低拡散性材が配置されているので、放射性廃棄物を格納した格納躯体の移設が容易であり、埋設処分施設の修復性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、この発明の実施の形態1である放射性廃棄物の埋設処分施設の概要構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した格納躯体の構成を示す水平断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した格納躯体の構成を示す鉛直断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した格納躯体の変形例の構成を示す水平断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した格納躯体の廃棄物格納空間に廃棄物が直接格納される状態を示す説明図である。
【
図6】
図6は、この発明の実施の形態2の格納躯体の構成を示す水平断面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示した格納躯体の廃棄物格納空間に廃棄物が直接格納される状態を示す説明図である。
【
図8】
図8は、この発明の実施の形態3の格納躯体の構成を示す水平断面図である。
【
図9】
図9は、この発明の実施の形態3の格納躯体の構成を示す鉛直断面図である。
【
図10】
図10は、
図8及び
図9に示した格納躯体の定置作業または再取り出し作業の状態を示す説明図である
【
図12】
図12は、この発明の実施の形態4である放射性廃棄物の埋設処分施設の概要構成を示す断面図である。
【
図13】
図13は、この発明の実施の形態4である放射性廃棄物の埋設処分施設の変形例の概要構成を示す断面図である。
【
図14】
図14は、
図13に示した埋設処分施設における地下水の集水及び排水を説明する説明図である。
【
図15】
図15は、
図13に示した埋設処分施設における格納躯体からの漏水の集水及び排水を説明する説明図である。
【
図16】
図16は、この発明の実施の形態5である放射性廃棄物の埋設処分施設の概要構成を示す断面図である。
【
図17】
図17は、
図16に示した埋設処分施設における雨水及び地下水の集水及び排水を説明する説明図である。
【
図18】
図18は、
図16に示した埋設処分施設における格納躯体からの漏水の集水及び排水を説明する説明図である。
【
図19】
図19は、この発明の実施の形態6である放射性廃棄物の埋設処分施設の概要構成を示す断面図である。
【
図20】
図20は、この発明の実施の形態6の変形例である放射性廃棄物の埋設処分施設の概要構成を示す断面図である。
【
図21】
図21は、格納躯体に水みちが生成される状態を説明する説明図である。
【
図23】
図23は、セメントと粉末状の酸化珪素及び/または珪砂を主成分とするモルタル材であり、かつ、混錬する水が水和反応に必要な量よりも少なくした低拡散性材を用いた場合の水みちの修復状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である放射性廃棄物の埋設処分施設の概要構成を示す断面図である。また、
図2は、
図1に示した格納躯体の構成を示す水平断面図である。さらに、
図3は、
図1に示した格納躯体の構成を示す鉛直断面図である。
図1に示すように、埋設処分施設は、埋設空間101を形成する岩盤などの下部地盤100上に、複数の格納躯体1が定置される。格納躯体1は、
図2及び
図3に示すように、内部に、複数の廃棄体3を格納する廃棄物格納空間2を形成し、複数の廃棄体が多段積みされている。廃棄体3は、放射性廃棄物がドラム缶などに詰められたものである。格納躯体1は、吊り上げまたは積載台車によって定置位置から移動可能である。また、格納躯体1は、例えば、コンクリートで形成され、その外縁部には、廃棄物格納空間2を包み込むように、モルタルなどの低拡散性材1aが配置される。なお、格納躯体1そのものに低拡散性を期待できる場合、外縁部に低拡散性材1aを配置しなくてもよい。非特許文献1に記載されたように、第1段階では、格納躯体1の排水や監視が行われ、その後、格納躯体1が定置された状態でベントナイトを混合したベントナイト混合土102によって覆土される。
【0021】
各格納躯体1は、埋設前でも、埋設後であっても、各々が独立して放射線や汚染水の漏出を抑制する機能を有する。例えば、埋設前では、放射性廃棄物から出る放射線は、格納躯体1の遮蔽機能によって低く抑制される。このため、格納躯体1を埋設空間101に搬入して定置する作業のときに、放射線被爆の程度を低く維持できる。また、埋設後では、放射性廃棄物から出てくる汚染水は、格納躯体1の外縁部に設けた低拡散性材1aを通過しなければ外部に漏出しない。なお、格納躯体1は、それぞれ独立した剛性の高い函体として存在するため、低拡散性材1aは、温度変化や外力によるひび割れが発生しにくい。したがって、格納躯体1は、低拡散性を維持しやすい。
【0022】
ここで、下部地盤100の地盤条件の欠如や埋設処分施設の放射性物質漏洩抑止機能に不具合が生じた場合、格納躯体1を再度取り出して、別の埋設処分施設に移設することができる。また、格納躯体1を一時的に仮貯蔵し、埋設処分施設の不具合を修復してから、再び格納躯体1を定置することもできる。この結果、埋設処分施設の修復性能を向上させることができる。
【0023】
なお、
図1に示した格納躯体1の水平断面形状は、
図2に示すように六角形であったが、これに限らず、水平断面形状は任意形状でよく、例えば、
図4に示すように円形であってもよいし、四角形であってもよい。
【0024】
また、
図1に示した格納躯体1の廃棄物格納空間2には、一定の形状を有する廃棄体3が多段積みされていたが、これに限らず、
図5に示すように、廃棄物格納空間2内に、様々な態様の雑多な廃棄物13を直接格納してもよい。この場合、廃棄体3を多段積みする場合に比して容積効率を高めることができる。
【0025】
(実施の形態2)
実施の形態2では、
図6に示すように、廃棄物格納空間2内であって、廃棄物格納空間2に格納された廃棄体3の間隙領域に収着性材4を充填している。収着性材4は、例えばセメント系材料である。
【0026】
収着性材4は、収着性を有する固体とその間隙中を満たす水とが存在しており、放射性物質は、固相に一定割合で収着され、液相中に存在する放射性物質は、固相と液相とに分配される。この結果、収着性材4を充填することによって、放射性廃棄物の放射性物質の一部のみが水に溶解して漏出することになり、漏出量を抑制することができる。
【0027】
また、廃棄物格納空間2内の廃棄体3の間隙領域に収着性材4を充填すると、格納躯体1は、独立した1つの剛体となるため、温度変化や外力によるひび割れが発生しにくくなる。この結果、格納躯体1は、低拡散性を維持しやすい。
【0028】
なお、収着性材4は、破砕された材料または粒状体材料であってもよい。例えば、砂礫材料の粒状体や、セメントモルタルやガラスを破砕したものであってもよい。
【0029】
この場合、上述したように、収着性材4は、放射性物質の漏出量を抑制することができるが、この抑制効果は、収着性材4の収着特性によって決まるとともに、固相と液相との重量比に比例する。したがって、収着性材4は、液相に対する固相の重量比が大きい方が抑制効果が大きいため、セメント系材料の方が好ましい。しかし、収着性材4に少数の貫通ひび割れが発生した場合、このひび割れを通過する水に重点的に放射性物質が溶出して格納躯体1外に漏出することが考えられる。この場合、漏出水中の放射性物質の濃度は、ひび割れ領域に限られた固相と液相との分配率に応じて大きくなる。
【0030】
これに対し、収着性材4が、破砕された材料または粒状体材料である場合、放射性物質は、確実に、廃棄物格納空間2内に均質に分配されるため、廃棄物格納空間2内に存在する固相のすべての重量が収着性を発揮し、固相と液相との分配率に応じた放射性物質の漏出量を確実に抑制することができる。
【0031】
また、収着性材4が、破砕された材料または粒状体材料である場合、収着性材4は、衝撃緩衝性を発揮し、格納躯体1の低拡散性材1aに対して内部からの衝撃が作用しにくくなる。この結果、低拡散性材1aは、比較的自由に温度変化に伴う膨張、収縮を行うことができ、内外からの衝撃によるひび割れが発生しにくくなる。なお、格納躯体1そのものに低拡散性を期待できる場合、外縁部に低拡散性材1aを配置しなくてもよい。従って、格納躯体1は、低拡散性を維持しやすい。
【0032】
なお、上述した実施の形態2では、廃棄物格納空間2内に廃棄体3を格納する場合を例にあげて説明したが、これに限らず、例えば、
図7に示すように、廃棄物格納空間2内に雑多な廃棄物13を直接格納する場合、この廃棄物13の間隙に上述した収着性材4を充填すればよい。
【0033】
(実施の形態3)
この実施の形態3では、
図8及び
図9に示すように、格納躯体1の外周をさらに金属板1bで覆うとともに、上部に吊り具1cを設けている。この金属板1b及び吊り具1cは、例えば、鉄やステンレスなどである。
【0034】
格納躯体1は、重量物となるので、移動させる場合には大掛かりな重機と、破損させないための注意深い操作とが必要である。しかし、この実施の形態3では、金属板1bに吊り具1cが取り付けることができるため、
図10に示すように、クレーン5による吊り上げ搬送が可能となる。したがって、クレーン5による吊り上げ搬送によって、埋設処分施設に対する格納躯体1の定置作業あるいは再取り出し作業が容易になる。
【0035】
また、格納躯体1は、金属板1bによって補強された独立した剛性の高い函体となるため、低拡散性材1aの破損もしくはひび割れの発生を生じにくくすることができる。
【0036】
さらに、金属板1bは、容易に水密構造とすることができる。したがって、
図11に示すように、格納躯体1は、埋設された場合、腐食による欠陥が生じるまでの数十年間は放射性物質の漏出を防止することができる。
【0037】
(実施の形態4)
この実施の形態4では、
図12に示すように、複数の格納躯体1を内部に定置して保護する埋設処分施設である埋設処分施設躯体6が配置され、この埋設処分施設躯体6の外周面あるいは内周面に沿って埋設処分施設躯体6内部を囲むように覆う排水材7が配置される。
図12では、埋設処分施設躯体6の外周面に排水材7が設けられ、
図13では、埋設処分施設躯体6の内周面に排水材7が設けられている。この排水材7は、水を通しやすい材質であり、例えば、多孔質のコンクリート(ポーラスコンクリート)層で形成される。なお、埋設処分施設躯体6の底部は、下部地盤100上に形成された床板10を有する。また、埋設処分施設躯体6内部には、その底部であって、排水材7が形成する排水路が接続される監視坑8を有する。
【0038】
この排水材7を設けると、
図14に示すように、埋設処分施設躯体6内に浸入してくる地下水を監視坑8で集水し、排水することができるので、埋設処分施設躯体6内部にある格納躯体1に対して接触する地下水の量を抑制することができる。また、
図15に示すように、格納躯体1から発生する漏水を排水材7を介して監視坑8に集水し、排水することができるので、放射性物質の漏洩監視あるいは汚染している漏水処理を行うことができる。
【0039】
(実施の形態5)
この実施の形態5では、
図16に示すように、複数の格納躯体1が上部に定置され、内部に水の集水機構及び排水機構を有した床板構造体20が設けられる。床板構造体20は、内部に監視坑21が設けられ、この監視坑21内に集水機構及び排水機構が配置される。集水機構及び排水機構の設置スペースを十分に確保するため、監視坑21の底面積は、広い方が好ましい。このため、監視坑21の床面積は床板構造体20の床面積の1/2以上となるようにしている。また、床板構造体20を、底板、側壁、天板による箱型躯体としている。
【0040】
図17に示すように、格納躯体1を埋設する前の段階では、降雨が直接触れる状況となる。埋設処分施設に浸入してくる雨水及び掘削面から湧出してくる地下水は、床板構造体20の天板上面及び底板上面でそれぞれ集水して地上に排水することができる。この結果、埋設処分施設に水が溜まることがなくなり、放射性廃棄物に対する水の接触を抑制することができる。
【0041】
また、
図18に示すように、格納躯体1を埋設した後の段階では地下水が関与するようになる。床板構造体20は、格納躯体1から発生した漏水を集水し、地上に排水することができるので、放射性物質の漏洩監視を行うことができるとともに、汚染している漏水の処理を行うことができる。
【0042】
(実施の形態6)
この実施の形態6では、
図19に示すように、埋設処分施設躯体6内の格納躯体1間の隙間を、ベントナイトなどの吸水膨張性粘土を主成分とする充填材9で充填している。充填材9は、ベントナイト、ベントナイトと砂礫土砂等との混合材、ベントナイト原鉱を破砕した材料(特許文献1,2参照)、またはベントナイトを高密度の球状体に作成したペレット(特許文献3,4参照)である。これらの充填材9は、自然落下によって狭い隙間に充填することができる。また、
図20に示すように、掘削した領域を埋める材料として、ベントナイトなどの吸水膨張性粘土を含む難透水性材料である充填材9を埋め戻し材料として使用し、この材料を格納躯体1間の隙間が充填されていてもよい。
図20では、充填材9の上部がさらに土砂などの覆土材103によって覆土されている。
【0043】
吸水膨張性粘土を主成分とする材料は、難透水性であるため、埋設処分施設躯体6内に浸入してくる地下水は、格納躯体1に接触しにくくなり、放射性物質が地下水に溶出して漏出する量をさらに抑制することができる。
【0044】
また、
図21に示すように、格納躯体1の低拡散性材1aに貫通ひび割れが発生し、水みち31となり、さらに長時間の変質劣化帯32が水みち31に沿って拡大し、かつ金属板1bが腐食した場合、
図22に示すように、変質劣化帯32以外の部分は、低拡散性材1aに覆われ、変質劣化帯32は、難透水性の充填材9によって包まれているため、変質劣化帯32を選択的に通過する漏出水による放射性物質の漏出量は抑制される。すなわち、充填材9は、低拡散性材1aによる漏出抑制性能を補うことができる。
【0045】
ここで、低拡散性材1aは、セメントと粉末状の酸化珪素及び/または珪砂を主成分とするモルタル材であり、かつ、混錬する水が水和反応に必要な量よりも少なくしたものであることが好ましい。
【0046】
この低拡散性材1aとしては、例えばダクタル(登録商標)(非特許文献3参照)である。このダクタルは、水和反応に必要な水よりも少ない添加水で混錬して形成されるので、水和反応が未反応な材料が材料中に均質に分布している。したがって、
図23に示すように、埋設後にひび割れ41が生じた場合、外からの地下水43が浸入し、ひび割れ41近傍の未反応のダクタル(登録商標)がその時点で水和反応を行って水和反応領域41aを形成し、ひび割れ41を修復する。その結果、放射性物質の低拡散性は維持される。
【0047】
なお、この低拡散性材1aは、微粉状の酸化珪素とセメントとは緻密な構造となるため、低拡散性に優れている。また、この低拡散性材1aは、曲げ強度にも優れるため、ひび割れの発生を抑制することができる。その結果、低拡散性が維持される。
【0048】
また、上述した実施の形態の構成要素は、適宜組み合わせが可能である。