特許第6296363号(P6296363)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6296363リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズに、メガネフレームの少なくとも1つのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジを直接固定するための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296363
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズに、メガネフレームの少なくとも1つのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジを直接固定するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 1/02 20060101AFI20180312BHJP
   G02C 5/14 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   G02C1/02
   G02C5/14
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-557331(P2015-557331)
(86)(22)【出願日】2014年2月11日
(65)【公表番号】特表2016-513279(P2016-513279A)
(43)【公表日】2016年5月12日
(86)【国際出願番号】DE2014100048
(87)【国際公開番号】WO2014124636
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2015年10月9日
(31)【優先権主張番号】102013101458.5
(32)【優先日】2013年2月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515212367
【氏名又は名称】イノミテック ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シュトレンツ,ミヒャエル
【審査官】 加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−227999(JP,A)
【文献】 特開2000−258730(JP,A)
【文献】 特開2002−014303(JP,A)
【文献】 特開2009−139921(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3149846(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0027617(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0188635(US,A1)
【文献】 米国特許第06641265(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00 − 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムレスメガネ(1)の少なくとも1つのメガネレンズ(2,2’)に、メガネフレーム(3)の少なくとも1つのテンプル(3.1,3.2)、エンドピース(3.6,3.7)および/またはブリッジ(3.3)を直接固定するための装置であって、
前記少なくとも1つのメガネレンズ(2,2’)は少なくとも1つの縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)を有しており、当該切欠部は前記メガネレンズ(2,2’)の横軸(QA)に沿って延在している、装置において、
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)にはプラスチック材料から作製されている固定本体(6,6’,6”,6”’)が形状的に結合して受け入れられており、かつ前記メガネレンズ(2,2’)と緊結に接着されており、
前記固定本体(6,6’,6”,6”’)は、前記横軸(QA)に沿って延在するスリーブ状の収容チャネル(7)を有しており、
前記メガネフレーム(3)のテンプル(3.1,3.2)、エンドピース(3.6,3.7)および/またはブリッジ(3.3)は、少なくとも1つのプラグ状の接続部分(8)を有しており、
前記プラグ状の接続部分(8)は、前記テンプル(3.1,3.2)、前記エンドピース(3.6,3.7)および/または前記ブリッジ(3.3)の少なくとも1つの自由端部分によって形成されており、扁平な金属のベルト材料から作製されており、ロック式差込接続として構成されている解離可能な差込接続を形成するために前記スリーブ状の収容チャネル(7)に挿入可能である、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記固定本体(6,6’,6”,6”’)は、少なくとも部分的に透明なプラスチック材料から作製されている、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)は、U字形またはV字形の断面を有している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記固定本体(6,6’,6”,6”’)の外側形状は、前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)の形状に適合されている、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)に取り付けられる前記固定本体(6,6’,6”,6”’)は、前記メガネレンズ(2,2’)と面一に接着されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)は、前記横軸(QA)に対して垂直で、かつ前記メガネレンズ(2,2’)を受け入れるレンズ面(E)に対して垂直な軸に沿って次第に細くなる、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記スリーブ状の収容チャネル(7)は、前記横軸(QA)に沿って次第に細くなる、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記プラグ状の接続部分(8)は、金属合金から作製されている、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記プラグ状の接続部分(8)は、少なくとも1つのノーズ部分(8’,8”)を有している、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記固定本体(6,6’,6”,6”’)は、前記スリーブ状の収容チャネル(7)に接続される孔部(9)および/または少なくとも1つの半球形の切欠部(9’)を、前記ノーズ部分(8’,8”)を少なくとも部分的に受け入れるために有している、ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記孔部(9)は、ネジ手段を受け入れるための内ネジを有している、ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)は、前記メガネレンズ(2,2’)の少なくとも表側(2a)に向かって開放しており、少なくとも前記メガネレンズ(2,2’)の厚さ(S)の一部にわたって前記表側(2a)から裏側(2b)の方向に延在している、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)は、前記メガネレンズ(2,2’)の裏側(2b)に向かっても開放しており、前記メガネレンズ(2,2’)の全厚(S)にわたって延在している、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プラグ状の接続部分(8)は、キャップ状の接続エレメント(10)によって形成されており、当該キャップ状の接続エレメントは、それぞれのテンプル(3.1,3.2)ないしそれぞれのエンドピース(3.6,3.7)の自由端部に、および/または前記ブリッジ(3.3)の両自由端部に差し込むことができる、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
リムレスメガネ(1)の少なくとも1つのメガネレンズ(2,2’)に、メガネフレーム(3)の少なくとも1つのテンプル(3.1,3.2)、エンドピース(3.6,3.7)および/またはブリッジ(3.3)を直接固定するための方法であって、
前記少なくとも1つのメガネレンズ(2,2’)に少なくとも1つの縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)が取り付けられ、当該切欠部は前記メガネレンズ(2,2’)の横軸(QA)に沿って延在する、方法において、
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)にプラスチック材料から作製されている固定本体(6,6’,6”,6”’)を形状的に結合して取り付け、かつ前記メガネレンズ(2,2’)と緊結に接着し、
ここで前記固定本体(6,6’,6”,6”’)は、前記横軸(QA)に沿って延在するスリーブ状の収容チャネル(7)を有しており、
前記メガネフレーム(3)のテンプル(3.1,3.2)、エンドピース(3.6,3.7)および/またはブリッジ(3.3)は、少なくとも1つのプラグ状の接続部分(8)を有しており、
前記プラグ状の接続部分(8)は、前記テンプル(3.1,3.2)、前記エンドピース(3.6,3.7)および/または前記ブリッジ(3.3)の少なくとも1つの自由端部分によって形成されており、扁平な金属のベルト材料から作製されており、
ロック式差込接続として構成されている解離可能な差込接続を形成するために、前記プラグ状の接続部分(8)を前記スリーブ状の収容チャネル(7)に挿入する、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記縁部側の切欠部(5,5’,5”,5”’)に形状的に結合して取り付けられる固定本体(6,6’,6”,6”’)は、前記メガネレンズ(2,2’)と面一に接着される、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、リムレスメガネのメガネレンズに、メガネフレームの少なくとも1つのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジを直接固定するための装置、および請求項17の上位概念による所属の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術からすでに、リム枠の無いメガネが公知であり、いわゆるリムレスメガネが広く知られている。この種のリムレスメガネは、通常、1つのメガネフレームを含む複数のメガネフレーム部材を有しており、好ましくは2つのメガネレンズを鼻領域で接続するための1つのブリッジおよび2つのメガネテンプルを有する。ここでメガネテンプルはリムレスメガネのメガネレンズに直接、または丁番エレメントとエンドピースを介して接続されている。ここで公知のリムレスメガネでは、ブリッジの両自由端部またはブリッジないしエンドピースの1つの自由端部がメガネレンズに直接固定される。すなわちそれぞれメガネフレーム部材に固定されたピンエレメントを用いて直接固定され、このピンエレメントは、メガネレンズにある孔部を通して案内され、対向する側でロック手段を用いてメガネレンズに張架される。
【0003】
メガネフレーム部材をリムレスメガネのメガネレンズに、このように直接固定する場合には、メガネフレームに不所望の力が作用するときにメガネレンズの損傷がしばしば引き起こされ、欠点である。メガネレンズを通って横方向に延在する孔部がピンエレメントを受け入れるため、力が実質的にピンポイントでメガネレンズに導かれ、それにより損傷が引き起こされ得、とりわけ孔部領域でメガネレンズの縁部側の破壊が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここから出発して本発明の基礎とする課題は、リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズに、メガネフレームの少なくとも1つのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジを直接固定する装置を提示することであり、この装置は、従来技術から知られる欠点を除去し、とりわけ、リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズにメガネフレーム部材を、理想的に最少の要素で、かつ非常に安定して接続することを可能にする。さらに本発明の対象は、請求項17による、リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズに、メガネフレームの少なくとも1つのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジを直接固定するための方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による、リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズに、メガネフレームの少なくとも1つのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジを直接固定するための装置の重要な側面は、縁部側の切欠部には固定本体が形状的に結合して受け入れられており、かつメガネレンズと緊結に接続されており、前記固定本体は、横軸に沿って延在するスリーブ状の収容チャネルを有しており、前記メガネフレームのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジは少なくとも1つのプラグ状の接続部分を有しており、当該接続部分は、解離可能な差込接続を形成するために前記スリーブ状の収容チャネルに挿入可能である、ことである。
【0006】
特に有利には、接続スリーブを形成する固定本体をメガネレンズの切欠部に形状的に結合して取り付けることにより、迅速かつ簡単に、メガネフレーム部材をリムレスメガネのメガネレンズに直接固定することができる。前記固定本体と所属のメガネフレーム部材は、好ましくは機械的にあらかじめ作製され、したがって眼鏡士は現場で、大きな技術的および手作業的な労力無しでこれらを使用することができる。さらに有利には、それぞれのメガネフレーム部材を、固定本体を介してリムレスメガネのメガネレンズに扁平に接続することにより、不所望の力が作用した場合におけるメガネレンズの損傷の危険性が格段に低減される。最後に、解離可能な差込接続であるので、異なるデザインのメガネフレームであっても同じメガネレンズに対して使用することができ、したがってメガネ着用者は、例えば自分のメガネフレームの色および形状を、自分の目下の必要性に適合することができる。
【0007】
切欠部における固定本体の形状的に結合した受け入れとは、固定本体が、メガネレンズの横軸に沿って延在する切欠部に形状的に結合して係合しており、これによりメガネレンズ面での固定本体の運動がメガネレンズの横軸に対して垂直方向には阻止されることであると理解される。好ましくは固定本体の幅の少なくとも三分の一が、切欠部に形状的に結合して受け入れられている。
【0008】
さらに有利には固定本体は、プラスチック、金属またはプラスチックと金属の組み合わせから作製されており、好ましくは少なくとも部分的に透明なプラスチック材料から作製されている。固定本体が透明に構成されている場合、リムレスメガネのメガネレンズへのメガネフレームの接続部は、視覚的にもはやほとんど認識されず、これによりリムレスメガネに対して最少の要素での直接的な固定が得られる。これによりメガネレンズの外側輪郭がメガネフレームの固定によって中断されず、維持される。
【0009】
好ましくは縁部側の切欠部は、U字形またはV字形の断面を有しており、横軸に対して垂直の軸に沿って、かつメガネレンズを受け入れるレンズ面に対して垂直に円錐形に延在する。これにより、リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズへのメガネフレーム部材の特に安定した接続が得られる。
【0010】
さらに有利には、固定本体の外側形状は、縁部側の切欠部の形状に適合されており、縁部側の切欠部に取り付けられる固定本体はメガネレンズと面一に接続されており、好ましくは接着されている。これによりメガネレンズにある切欠部は完全に閉鎖され、面一のメガネレンズ表面が得られる。
【0011】
好ましい一変形実施形態では、スリーブ状の収容チャネルは、横軸に沿って円錐形に延在しており、プラグ状の接続部分は、メガネフレームのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジの少なくとも1つの自由端部分によって形成されており、ここで前記プラグ状の接続部分は、扁平なベルト材料、好ましくは金属または金属合金から作製されている。プラグ状の接続部分がスリーブ状の収容チャネル内で円錐形に案内されることで、解離可能な差込接続をとりわけユーザーフレンドリーに作製することができる。
【0012】
さらに有利には、解離可能な差込接続はロック式差込接続として構成されている。そのためにプラグ状の接続部分はノーズ部分を有しており、固定本体は、スリーブ状の収容チャネルと接続された孔部および/またはこのノーズ部分を少なくとも部分的に受け入れるための半球形の切欠部を有している。さらに有利には、前記孔部は、ネジ手段を受け入れるための内ネジを有することができる。
【0013】
特に有利には縁部側の切欠部は、メガネレンズの少なくとも表側に向かって開放しており、メガネレンズの厚さの少なくとも一部にわたって表側から裏側の方向に延在している。厚さの薄いレンズの場合、縁部側の切欠部は、メガネレンズの裏側に向かっても付加的に開放することができ、メガネレンズの全厚にわたって延在する。
【0014】
同様に有利な一変形実施形態では、プラグ状の接続部分は、キャップ状の接続エレメントによって形成することができ、この接続エレメントは、それぞれのテンプルないしそれぞれのエンドピースの自由端部に、および/またはブリッジの両自由端部に差し込むことができる。これにより有利には、既存のメガネテンプルであっても、本発明の差込接続システムを後から装備することができる。
【0015】
さらに本発明の対象は、リムレスメガネの少なくとも1つのメガネレンズに、メガネフレームの少なくとも1つのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジを直接固定するための方法であり、この方法では、少なくとも1つのメガネレンズに少なくても1つの縁部側の切欠部が取り付けられ、この切欠部はメガネレンズの横軸に沿って延在する。本発明の方法の主要な側面は、縁部側の切欠部に固体本体を形状的に結合して取り付け、かつメガネレンズと緊密に接続し、ここで前記固定本体は、横軸に沿って延在するスリーブ状の収容チャネルを有しており、
前記メガネフレームのテンプル、エンドピースおよび/またはブリッジは、少なくとも1つのプラグ状の接続部分を有しており、解離可能な差込接続を形成するために、前記プラグ状の接続部分を前記スリーブ状の収容チャネルに挿入する、ことである。これによりメガネフレームをリムレスメガネのメガネレンズに、特に簡単かつ迅速に直接取り付けることができる。
【0016】
特に有利には、縁部側の切欠部に形状的に結合して取り付けられる固体本体は、メガネレンズと面一に接続され、好ましくは接着される。
【0017】
「近似的」、「実質的」または「ほぼ」の表現は、本発明では、それぞれ正確な値から±10%、好ましくは±5%の偏差、および/または機能に対して意味の無い変化の形態での偏差を意味する。
【0018】
本発明の発展形態、利点および適用可能性は、実施例の以下の説明および図面からも得られる。ここで、記述されたおよび/または図に示された全ての特徴は、それ自体でもまたは任意の組み合わせでも基本的に本発明の対象であり、請求項またはそれらの引用関係における発明の概要には依存しない。特許請求の範囲の内容は、明細書の構成部分でもある。
【0019】
本発明を以下、図面に基づき実施例について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ワンピースに構成されたメガネテンプルを備える本発明のリムレスメガネの簡素化した正面図である。
図2】1つの丁番エレメントおよびそれぞれ1つのエンドピースを介してメガネレンズと接続されたメガネテンプルを有する本発明のリムレスメガネの簡素化した正面図である。
図3図1によるリムレスメガネのメガネレンズの表側の部分拡大図である。
図4図1によるリムレスメガネのメガネレンズの裏側の部分拡大図である。
図5図3によるメガネレンズの接続部分のラインI−Iに沿った断面図である。
図6】固定本体の第1変形実施形態の縦断面図である。
図7】固定本体の第2変形実施形態の縦断面図である。
図8】(a)〜(d)は、メガネフレーム部材、とりわけメガネテンプルのプラグ状の接続部分の種々の変形実施形態を示す図である。
図9】択一的一変形実施形態における図1によるリムレスメガネのメガネレンズの表側の部分拡大図である。
図10図3によるメガネレンズの接続部分のラインI−Iに沿った断面図であり、ここでは縁部側の切欠部がメガネレンズの厚さに沿って部分的にだけ延在している。
図11図9による変形実施形態で使用するためのメガネフレーム部材、とりわけメガネテンプルのプラグ状の接続部分の一変形実施形態を示す図である。
図12】キャップ状の接続エレメントを備えるプラグ状の接続部分の択一的一変形実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1と2は、2つのメガネレンズ2,2’と複数の部材を含む1つのメガネフレーム3とから成るリムレスメガネの概略的正面をそれぞれ例として示す。
【0022】
例えば図1に示されたメガネフレーム3は、第1および第2のテンプル3.1,3.2およびブリッジ3.3を有し、ここでブリッジ3.3には、メガネ着用者の鼻にリムレスメガネ1を載せるために、好ましくは2つのノーズパッド4,4’が設けられている。したがって、それぞれのテンプル3.1,3.2の自由端部は、メガネレンズ2,2’と直接接続されている。
【0023】
図2の変形実施形態では、第1と第2のテンプル3.1,3.2の自由端部がメガネレンズ2,2’と直接接続されておらず、第1と第2の丁番エレメント3.4,3.5を介し、第1と第2のエンドピース3.6,3.7によって接続されている。これにより本実施例では、第1のテンプル3.1が第1の丁番3.4を介して第1のエンドピース3.6とヒンジ接続されており、第1のエンドピースの自由端部は、正面図で見てリムレスメガネ1の左メガネレンズ2の左外側縁部に直接接続されている。これと同じように、第2のテンプル3.2は第2の丁番エレメント3.5を介して第2のエンドピース3.7とヒンジ接続されており、第2のエンドピースの自由端部は、正面図で見てリムレスメガネ1の右メガネレンズ2’の右外側縁部に直接接続されている。
【0024】
本発明は、図1と2に示されたメガネフレーム3の実施形態に決して制限されるものではなく、リムレスメガネ1のメガネレンズ2,2’に、メガネフレーム3の部材の自由端によって直接固定するのに適したメガネフレーム3の部材の全ての変形実施形態を含むものである。
【0025】
本発明によれば、メガネレンズ2,2’は少なくとも1つの縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’を有する。本実施例では、1つのメガネレンズ2,2’にそれぞれ2つの縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’が、メガネレンズ2,2’の対向する側方縁部部分に設けられており、これによりブリッジ3.3も、第1と第2のテンプル3.1,3.2ないし第1と第2のエンドピース3.6,3.7もメガネレンズ2,2’に直接固定することができる。
【0026】
縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’は、リムレスメガネ1の横軸QAに沿って、好ましくはメガネレンズ2,2’の全厚Sにわたって延在している。すなわち、メガネレンズ2,2’の表側2aから裏側2bに延在している。ここで横軸QAは、メガネレンズ2,2’を受け入れるレンズ面E内に延在している。厚さSの厚いメガネレンズでは、縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’が、メガネレンズ2,2’の少なくとも表側2aに向かって開放しており、図10に示された変形実施形態によれば、メガネレンズ2,2’の厚さSの少なくとも一部にわたって表側2aから裏側2bの方向に延在している。
【0027】
図5に示された変形実施形態では、縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’が、メガネレンズ2,2’の裏側2bに向かっても付加的に開放しており、したがってメガネレンズ2,2’の全厚Sにわたって延在している。これにより、縁部側で開放しており、一次視野の外に存在する連続した開口部が、メガネレンズ2,2’内に形成される。好ましくは縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’は、それぞれ同じ断面形状を有しており、U字形またはV字形または台形の断面を有する。
【0028】
縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’は、本発明によれば、固定本体6,6’,6”,6”’を形状結合して受け入れるように構成されている。縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’に形状的に結合して受け入れられる固定本体6,6’,6”,6”’は、メガネレンズと緊結に接続されており、好ましくはこれと接着または溶接されている。ここで固定本体6,6’,6”,6”’はメガネレンズ2,2’のそれぞれの縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’に、固定本体6,6’,6”,6”’の外側に向けられた表面と、これに接続されていて縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’を取り囲むそれぞれのメガネレンズ2,2’の表面との間に面一の移行部が形成されるように取り付けられる。したがって固定本体6,6’,6”,6”’は、好ましい一変形実施形態では、それぞれの切欠部5,5’,5”,5”’を完全に満たし、これにより閉じた縁部経過を備えるメガネレンズ2,2’が得られる。したがって少なくとも固定本体6,6’,6”,6”’は縁部側の切欠部5,5’,5”,5”’に、この固定本体がメガネレンズ2の表側2aと面一にまたは近似的に面一に延在するように受け入れられている。
【0029】
固定本体6,6’,6”,6”’は、例えば金属、プラスチックまたは金属とプラスチックの組み合わせから作製されている。好ましい一変形実施形態では、少なくとも部分的に透明なプラスチック材料が使用される。完全に透明なプラスチック材料の場合、レンズ表面が閉鎖されている視覚的印象が、とりわけメガネレンズ2,2’の切欠部5,5’,5”,5”’の領域に生じる。
【0030】
図3と4には例えばそれぞれ部分拡大図に、図1図2によるメガネレンズ2の表側2aと裏側2bの側方固定領域の正面図が示されている。このメガネレンズでは1つの縁部側の切欠部5にすでに固定本体6が受け入れられている。ここで形状的に結合して互いに隣接する固定本体6の表面部分は、メガネレンズの縁部側の切欠部5の内面と互いに接着されている。
【0031】
図5は、図3によるメガネレンズ2の、切欠部5を有する固定領域を、軸I−Iに沿った断面で示す。メガネ着用者とは反対の側であるメガネレンズ2の表側2aと、メガネ着用者に向いた側であるメガネレンズ2の裏側2bとは、ここでは縁部側の切欠部5の異なる開口幅を有する。すなわち表側2aにおける切欠部5の開口幅Waは、メガネレンズ2の裏側2bにおける切欠部5の開口幅Wbよりも大きい。これにより切欠部5は、横軸QAとレンズ面Eに対して垂直の軸に沿って円錐形に延在する。固定本体6の上側と下側は相応に適合されており、したがってこれらの側も同様に円錐形に延在する。
【0032】
図6と7には例としてそれぞれ、固定本体6の2つの変形実施形態の縦断面図が示されている。固定本体6には、本発明によれば、横軸QAに沿って延在するスリーブ状の収容チャネル7が設けられている。この収容チャネルは、メガネフレーム3のテンプル3.1,3.2、エンドピース3.6,3.7および/またはブリッジ3.3の少なくとも1つのプラグ状の接続部分7との解離可能な差込接続を形成するように構成されている。さらにメガネフレーム3のテンプル3.1,3.2、エンドピース3.6,3.7および/またはブリッジ3.3のプラグ状の接続部分8は、縁部側の開口部を介してこのスリーブ状の収容チャネル7に挿入可能である。
【0033】
スリーブ状の収容チャネル7は、その形状および寸法に関してはプラグ状の接続部分8に適合されており、この接続部分は、好ましくはメガネフレーム3のテンプル3.1,3.2、エンドピース3.6,3.7および/またはブリッジ3の自由端部分により形成される。スリーブ状の収容チャネル7は、好ましくは横軸QAに沿って、および/または横軸QAとレンズ面Eに対して垂直に延在する軸に沿って円錐形に延在しており、これによりプラグ状の接続部分8をスリーブ状の収容チャネル7に容易に挿入することが保証される。ここでスリーブ状の収容チャネル7は、実質的に長手の形状を有する。
【0034】
ロック式差込接続を形成するために、横軸QAおよびレンズ面Eに対して垂直に延在する孔部9(図6)または半球形の切欠部9’(図7)を固定本体6内に設けることができる。これらは、スリーブ状の収容チャネル7からメガネレンズ2の裏側2bないし表側2aに向かって延在する。孔部9ないし半球形の切欠部9’は、プラグ状の接続部分8に設けられた側方に起立するノーズ部分8’を受け入れるために設けられている。プラグ状の接続部分8をスリーブ状の収容チャネル7に完全に挿入した後、プラグ状の接続部分8のノーズ部分8’は少なくとも部分的に孔部9または半球形の切欠部9’に噛み合い、これにより差込接続の不所望の解離を阻止する。所定の引張力を印加する場合にだけ、前記ロック式差込接続を再び解離することができる。
【0035】
図8の(a)から(d)には、ノーズ部分8’を有するこの種のプラグ状の接続部分8の4つの異なる実施形態が、テンプル3.1の自由端部について示されている。プラグ状の接続部分8は好ましくは、扁平なベルト材料、好ましくは金属または金属合金から作製されており、プラグ状の接続部分にはノーズ部分8’を形成するために半球形の撓み部が取り付けられている。択一的にノーズ部分8’は、半球形の材料部分を取り付け、ベルト状の材料と緊密に接続することによって形成することができる。ノーズ部分8’は、メガネレンズの表側2aまたは裏側2bの方向に、通常は実質的に平坦にまたは直線状に延在するプラグ状の接続部分8から側方に離れるように突き出ることができる。
【0036】
さらなる一変形実施形態では、孔部9が内ネジを有し、この内ネジを介してネジ手段を孔部9にねじ込むことができる。これによりスリーブ状の収容チャネル7および固定本体6,6’,6”,6”’におけるプラグ状の接続部分8の付加的な確保が保証される。
【0037】
図9によるさらなる一変形実施形態では、例えば2つの半球形の切欠部9’を設けることもできる。これらの切欠部はレンズ面E内にまたはレンズ面Eに対して平行に延在する。図11と12は、図9による固定本体6の変形実施形態との差込接続を形成するために2つのノーズ部分8’,8”を有するプラグ状の接続部分8のさらなる変形実施形態を示す。プラグ状の接続部分8は、ここでも好ましくは扁平なベルト材料、好ましくは金属または金属合金から作製されており、2つのノーズ部分8’,8”は、半球形の材料部分を取り付け、ベルト状の材料と緊結に接続することによって形成されている。したがってノーズ部分8’,8”は、テンプル上側および下側に向かって延在している。
【0038】
択一的な一変形実施形態では、プラグ状の接続部分8はキャップ状の接続エレメント10によって形成されている。このキャップ状の接続エレメントは、それぞれのテンプル3.1,3.2ないしそれぞれのエンドピース3.6,3.7の自由端部に、および/またはブリッジ3.3の両自由端部に差し込むことができる。好ましくはキャップ状の接続エレメント10は、プラスチック部材、とりわけプラスチック射出成形部材として構成されており、前記自由端部を受け入れるために内部収容チャネル10.1を有する。キャップ状の接続エレメント10の外部形状は、固定本体6,6’,6”,6”’のスリーブ状の収容チャネル7の内部形状に適合されており、例えば側方に離れるように突き出る2つのノーズ部分8’,8”を形成する。さらにそれぞれのテンプル3.1,3.2ないしそれぞれのエンドピース3.6,3.7の自由端部および/またはブリッジ3.3の両自由端に確保手段を設けることができる。この確保手段は、キャップ状の接続エレメント10が自由端部から不所望に引き離されないように確保する。このことは例えば、自由端部の外側表面を少なくとも部分的に鉤状に表面加工することによって実現することができる。
【0039】
本発明を、上記のように実施例について説明した。本発明の基礎となる発明の思想を逸脱することなしに、多数の変形および変更が可能であることが理解される。
【符号の説明】
【0040】
1 リムレスメガネ
2,2’ メガネ着用者
2a 表側
2b 裏側
3 メガネフレーム
3.1 第1のテンプル
3.2 第2のテンプル
3.3 ブリッジ
3.4 第1の丁番エレメント
3.5 第2の丁番エレメント
3.6 第1のエンドピース
3.7 第2のエンドピース
4,4’ ノーズパッド
5,5’,5”,5”’ 縁部側の切欠部
6,6’,6”,6”’ 固定本体
7 スリーブ状の収容チャネル
8 プラグ状の接続部分
8’,8” ノーズ部分
9 孔部
9’ 半球形の切欠部
10 キャップ状の接続エレメント
10.1 内部収容チャネル
QA 横軸
E レンズ面
S レンズの厚さ
Wa 表側の開口幅
Wb 裏側の開口幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図9
図10
図11
図12