特許第6296455号(P6296455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ モレスキン エス.ピー.エー.の特許一覧

特許6296455ノート及びメモをデジタル化するための方法
<>
  • 特許6296455-ノート及びメモをデジタル化するための方法 図000002
  • 特許6296455-ノート及びメモをデジタル化するための方法 図000003
  • 特許6296455-ノート及びメモをデジタル化するための方法 図000004
  • 特許6296455-ノート及びメモをデジタル化するための方法 図000005
  • 特許6296455-ノート及びメモをデジタル化するための方法 図000006
  • 特許6296455-ノート及びメモをデジタル化するための方法 図000007
  • 特許6296455-ノート及びメモをデジタル化するための方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296455
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】ノート及びメモをデジタル化するための方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/00 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   B42D15/00 311B
   B42D15/00 311D
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-527985(P2015-527985)
(86)(22)【出願日】2013年8月12日
(65)【公表番号】特表2015-533674(P2015-533674A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】IB2013056573
(87)【国際公開番号】WO2014030093
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2016年4月27日
(31)【優先権主張番号】MI2012A001441
(32)【優先日】2012年8月24日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515047460
【氏名又は名称】モレスキン エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ザンガリ, ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】デ バティスタ, ルカ
(72)【発明者】
【氏名】マリアーニ, ルカ
(72)【発明者】
【氏名】エスポージト, ステファニア
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3156880(JP,U)
【文献】 特開2001−39055(JP,A)
【文献】 特開2012−68746(JP,A)
【文献】 特開平11−115347(JP,A)
【文献】 特開平3−140283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/00
G06K 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー(2)と共に結束された複数の紙のページ(1)を含み、複数の略垂直線及び/又は略水平線が前記ページ(1)に印刷されたノートにおいて、
前記略垂直線及び/又は前記略水平線は、互いに整列された複数のドット(5)によって形成され、前記複数のドット(5)は、0.21mmから0.35mmまでの間に含まれる最大寸法、特に直径を有し、同じ線の2つの隣接したドット(5)の間の距離は、0.43mmから0.7mmまでの間に含まれ、前記ドット(5)の色は、前記ページ(1)の色より暗く、前記ページ(1)の前記色の4つの4色印刷CMYK値の和は、0から20までの間、特に10から20までの間に含まれ、K値は10より小さく、前記ドット(5)の前記色の4つのCMYK値の和は、15から50までの間、特に25から40までの間に含まれ、値Kは40より小さいことを特徴とする、ノート。
【請求項2】
前記ドット(5)の前記色のCMYK値の和と前記ページ(1)の前記色のCMYK値の和との間の差は、10より大きいことを特徴とする、請求項1に記載のノート。
【請求項3】
前記ドット(5)の前記色の4つのCMYK値は、0/3/6/16から0/5/11/23までの間に含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載のノート。
【請求項4】
所定の形とされた外形を有する及び/又は上に印刷されたグラフィック・シンボル(9)を含む少なくとも1つの粘着ラベル(7、8)を含む少なくとも1つのシート(6)が設けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のノート。
【請求項5】
前記少なくとも1つの粘着ラベル(7)は、矢印形状の外形及び/又はグラフィック・シンボルを有することを特徴とする、請求項4に記載のノート。
【請求項6】
前記粘着ラベル(7、8)及び/又はそれらのグラフィック・シンボル(9)の色の4つのCMYK値の和は、50から150までの間、特に70から150までの間に含まれ、前記K値は50より小さいことを特徴とする、請求項4又は5に記載のノート。
【請求項7】
前記ページ(1)に及び/又は前記カバー(2)に印刷又は付着されたコード(10)が設けられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のノート。
【請求項8】
メモ(12)をデジタル化するための方法において、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のノートの少なくとも1つのページ(1)に少なくとも1つのメモ(12)を書くステップと、
デジタルカメラを用いて前記ページ(1)を撮影するステップと、
前記デジタルカメラによって撮影された前記ページ(1)のデジタル画像を処理して、前記メモ(12)をデジタル・データに変換するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記ページ(1)を撮影する前に、少なくとも1つの粘着ラベル(7、8、11)を前記ページ(1)に付着させることにより、前記ページ(1)の前記デジタル画像を処理するとき、前記粘着ラベル(7、8、11)が、少なくとも1つのデジタル・コマンドに変換されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記粘着ラベル(7)が矢印である及び/又は矢印を含む場合、前記メモ(12)のうち前記矢印が指し示す部分のデータは、前記ページ(1)の前記デジタル画像を処理するとき、前記メモ(12)に対応するデータの残りから抽出されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノートのページに取ったメモのデジタル化に特に適したノートに関する。本発明はまた、前述のノートを用いてメモをデジタル化するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
メモをデジタル化するための既知の方法においては、ユーザは、デジタルカメラでノートのページ上のメモを撮影した後、ローカル・コンピュータ又は遠隔コンピュータによってこのページのデジタル画像を処理し、メモをデジタル・データに変換する。これらの既知の方法は、手書きのメモに不可避の低いグラフィック品質のみならず、デジタルカメラによって撮影されたノートのページの画像内に生じる色収差、歪み、位置合わせ不良、明るさのばらつき、及び/又は他のエラーにも起因するメモの変換エラーに悩まされる。
【0003】
実際のところ、デジタルカメラを用いたノートのページの変換は、スキャナによって獲得した、単一のページ、即ち結束されていないページに書かれたメモの変換用に使用されるものとは実質的に異なるメモ変換用アルゴリズムを必要とし、単一のページは、その変換中、静止したまま及び平らであり、スキャナと密着状態にあるので、前述の変換エラーが存在しないが、この変換は、結束により屈曲する傾向があり、デジタルカメラに対して、明るさ、距離及び角度のばらつきが常にあるノートのページの撮影によっては可能でない。これらの欠点を克服するために、変換アルゴリズムは、既知の縞模様又は格子縞のノートに存在する水平線及び/又は垂直線を利用できるが、この場合、線がメモと混同されることも又はその逆の場合もあり、さらなる変換エラーがもたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、このような欠点のない、メモをデジタル化するための方法を提供することである。前述の目的は、その主な特徴がそれぞれ請求項1及び8に明記され、他の特徴は残りの請求項に明記されるノート及び方法を用いて達成される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特定の色、サイズ及び距離を順に有するドット(点)によって形成される特定の線のおかげで、本発明によるノートを有利に用い、既知のノート及び方法と比較してはるかに正確な方法で、データに変換可能なメモを取ることができる。実際、これらの特定の線は、困難な照明及び配向条件でもメモと混同されないので、メモを整った形で書くためだけではなく、ノートのページの結束又は傾斜に起因するあらゆる変換エラーを修正するための案内グリッドとしての役割を担う。
【0006】
本発明の特定の態様によると、ノートは、メモと共にデジタル・コマンドに変換することができる特殊な粘着ラベルのシートを備える。この構成を用いると、ノートは、電気素子又は電子素子がなくても、データだけでなく、コマンドの完全な入力デバイスに変換され、これにより、経験の浅いユーザが、電子デバイス及びシステム(スマートフォン、タブレットPC、データ・サーバ、クラウド及びウェブ・アプリケーション等)と高度な方法で対話すること、特に、これらのシステムにログインすること若しくはこれらを作動させること、又は獲得したデータのカタログを作成すること及び/又はフォーマットすることも可能になり、従って、獲得したデータをローカル及び/又は遠隔データベースに容易に格納することができる。
【0007】
本発明はまた、ページ、線及びラベルの色の特定の範囲の値にも関し、これは、撮影される画像の変換精度、即ち、ノートのページ上のメモ、線、粘着ラベル及び光反射の間で起こり得る相互混同に起因するエラーの減少に関して、予期しない驚くべき結果をもたらした。
【0008】
本発明によるノート及び方法のさらなる利点及び特徴は、添付図面を参照して、その実施形態の以下の詳細で限定されない説明から、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】閉じたノートの上面図を示す。
図2図1のノートの側面図を示す。
図3】開いたときの図1のノートの上面図を示す。
図4図3の拡大した詳細IVを示す。
図5】粘着ラベルのシートを示す。
図6図1のノートのページの詳細を示す。
図7】幾つかのメモ及びラベルを有した状態の図3のノートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図3を参照すると、ノートが、ノートを閉じたままにするための弾性テープ3を設けることができるカバー2と共に結束された複数の紙のページ1を含むことが分かる。ノートは、ブックマーク4を含むこともできる。複数の略垂直線及び/又は略水平線が、ページ1上に印刷される。
【0011】
同様に図4を参照すると、前述の略垂直線及び/又は略水平線は、0.21mmから0.35mmまでの間に含まれる最大サイズ、特定的には直径を有する、互いに整列された複数のドット5によって形成されることが分かる。同じ線の2つの隣接したドット5の間の距離は、0.43mmから0.7mmまでの間に含まれる。ドット5の色は、ページ1の色よりも暗い。ページ1の色は、白色、又は白色に見える色、具体的には象牙色、明るいベージュ又はバニラ、好ましくは色番号PANTONE 11−0104 TPXである。ページ1の色の4つの4色印刷CMYK値(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの百分率)の和が、0から20までの間、特定的には10から20までの間に含まれ、第4の値K(ブラック)は、10より小さい。代わりに、ドット5の色の4つのCMYK値の和は、15から50までの間、特定的には25から40までの間に含まれ、第4の値K(ブラック)は、40より小さい。ドット5の色のCMYK値の和とページ1の色のCMYK値の和のとの間の差は、10より大きい。ドット5の色の4つのCMYK値は、0/3/6/16から0/5/11/23までの間、即ち色番号PANTONE400Uから401Uまでの間に含まれることが好ましい。
【0012】
図5を参照すると、ノートは、シート6から取り外し、ノートのページ1に付着させることができる少なくとも1つの粘着ラベル7、8を含む、少なくとも1つのシート6も備えることが分かる。粘着ラベル7、8は、所定の形に作られた外形を有する及び/又は該ラベルに印刷されたグラフィック・シンボル9(少なくとも1つの図及び/又は英文字数字)を含む。特に、少なくとも1つの粘着ラベル7は、矢印形状の外形及び/又はグラフィック・シンボルを有する。粘着ラベル7、8及び/又はそれらのグラフィック・シンボル9の色の4つのCMYK値の和は、50から150までの間、特に70から150までの間に含まれ、第4の値K(ブラック)は50より小さく、好ましくは、色番号Pantone 109、1495、232、2665、319、376及びProcess Blueである。
【0013】
図6を参照すると、ノートは、好ましくは、ページ1(ドット5がないこともある)に及び/又はカバー2に印刷されたコード10、特定的には英文字数字のシーケンスも備えることが分かる。特に、コード10は、粘着ラベル11に印刷され、この粘着ラベル11は、ノートのページ1に及び/又はカバー2に付着される。
【0014】
メモをデジタル化する方法は、
ノートの少なくとも1つのページ1に少なくとも1つのメモ12を書くステップと、
ページ1に少なくとも1つの粘着ラベル7、8を付着するステップと、
スマートフォン又はタブレットPC等の別のデジタル機器内に組み込むことができるデジタルカメラ(図には示されない)を用いてページ1を撮影するステップと
を含む。
【0015】
次に、前述のデジタルカメラによって撮影されたページ1のデジタル画像をコンピュータ(スマートフォン、タブレット、ノートブック、PC、ウェブ・サーバ等)によりデジタル処理して、メモ12をデジタル・データに、そして粘着ラベル7、8を、メモ12の内容の分類コマンド(仕事、旅行、家庭等)といったメモ12と関連した少なくとも1つのデジタル・コマンドに変換する。
【0016】
粘着ラベル7が矢印である及び/又は矢印を含む場合、メモ12のうち矢印が指し示す部分のデータが、コンピュータによって、メモ12に対応するデータの残りから、例えばデータベースの別個のフィールド(タイトル、テーマ、アドレス等)内への記憶のために、抽出される。
【0017】
前述の方法の予備的ステップにおいて、ユーザはコード10を撮影し、次に、このコードを走査して、固有のデジタル・コマンド、特にメモ12及びラベル7、8の上記のデジタル処理を行うのに適したウェブ・サービスの起動及び/又は登録の固有コマンドをコンピュータに提供する。
【0018】
当業者により、以下の特許請求の範囲を逸脱しない、本明細書に説明され例証される実施形態に対して、可能な変形及び/又は追加をなすことができる。特に、本発明のさらに別の実施形態は、以下の特許請求の範囲のうちの1つの技術的特徴を含むことができ、本文に説明され及び/又は図に示される、単独で又はいずれかを相互に組み合わせた形で得られる少なくとも1つの技術的特徴の付加を伴うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7