(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296489
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】電子決済端末装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20180312BHJP
G07F 7/08 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
G07F9/00 K
G07F7/08 Q
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-271745(P2013-271745)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-125715(P2015-125715A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】307003777
【氏名又は名称】株式会社日本コンラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】藤野 啓次郎
(72)【発明者】
【氏名】福田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊谷 匡則
【審査官】
中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−020750(JP,A)
【文献】
再公表特許第2012/042680(JP,A1)
【文献】
特開2000−293745(JP,A)
【文献】
特開平09−081842(JP,A)
【文献】
特開2004−334829(JP,A)
【文献】
特開2007−072850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00− 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の主制御部と通信を行なう、前記自動販売機に搭載可能な電子決済端末装置であって、
稼働時間帯毎にグルーピングされた自動販売機へ送信する時刻を算出するための第1の時間情報を取得する取得手段と、
外部装置から第2の時間情報を取得して前記外部装置と自装置の時刻同期を行い、前記取得した第1の時間情報と前記取得した第2の時間情報との演算により第3の時間情報を生成し、前記第3の時間情報を前記主制御部へ出力する制御手段と、
を有し、
前記第1の時間情報は、前記グルーピングされた前記自動販売機毎の稼働時間差情報であり、前記第2の時間情報は現在時刻情報であり、
前記制御手段は、
前記現在時刻情報に前記稼働時間差情報を加算して前記第3の時間情報を生成することを特徴とする電子決済端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記稼働時間差情報を前記外部装置から取得することを特徴とする請求項1記載の電子決済端末装置。
【請求項3】
前記稼働時間差情報が予め記憶された記憶手段を有し、
前記制御手段は、
前記稼働時間差情報を前記記憶手段から取得することを特徴とする請求項1記載の電子決済端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の主制御部と通信を行なう、自動販売機に搭載可能な電子決済端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の飲料用の自販販売機には、電力需要がピークを迎える13時から16時の間に自販販売機の電力の使用量を抑えるために、出荷前に、予め13時から16時の電力のピーク時間は商品の加温や冷却を行なわないようにプログラムされたものがある。また、このプログラムは出荷後変更出来ない。このような自動販売機では、電力需要のピークの前に商品の加温や冷却を行うことになるために、自動販売機の電力のピークが9時から13時の4時間に集中している。このため、昨今の電力事情により、自動販売機業界では、自動販売機全体で見た場合の電力が集中しない様に、自動販売機をグルーピングし、グループ毎に商品の加温や冷却を行う運転時間をずらして(シフトして)電力を平均化させることが行なわれている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
運転時間のシフト方法としては、自動販売機が備える時計機能の時刻を手動で現在時刻からずらした時刻を設定することで行なう。例えば、
図6(a)(b)(c)に示すように、自動販売機100を、A,B,Cの3グループに分割し、Aグループに属する自動販売機100aを現在時刻から−8時間ずらした時刻に設定し、Bグループに属する自動販売機100bを現在時刻に設定し、Cグループに属する自動販売機100cを現在時刻から+8時間ずらした時刻に設定する等、自動販売機10全体におけるピーク時の電力時間帯を分割することで電力消費を平均化している。
【0004】
なお、
図6(a)(b)(c)に示す例において、自動販売機100は、主制御部110の他に、非接触ICカード等の電子マネー記憶媒体との間で電子決済処理を行う電子マネー決済端末140(電子決済端末装置)と、自動販売機100に投入された硬貨の処理を行うコインメック端末120と、同じく投入された紙幣の処理を行うビルバリ端末130とを含む構成として示されている。他に、図示省略した価格表示機や商品選択釦等が多数接続される。
【0005】
上記構成における整時(時刻同期)のシーケンスが
図7に示されている。
図7において、電子マネー決済端末140は、起動時に、通信により主制御部110から自動販売機100の時刻情報を取得する(ステップS301)。すると、受信時刻に基づいて、自動販売機100との時刻同期を行う。続いて、自己の現在の時刻情報を送信自販機時刻として生成する。(ステップS302)。そして、生成した送信自販機時刻を主制御部110へ送信する(ステップS303)。
自動販売機100の主制御部11は、電子マネー決済端末140から受信した送信自販機時刻に基づいて、電子マネー決済端末140と自動販売機100の時刻同期を行う。また、電子マネー決済端末140は、無線通信網経由で接続されるセンターサーバ200から無線通信により現在時刻を取得すると(ステップS304)、その受信時刻に基づいて、センターサーバ200と電子マネー決済端末との時刻同期を行う。続いて、現在時刻を送信自販機時刻とし生成する。(S305)。そして送信自販機時刻を主制御部110へ送信する(S306)。
自動販売機100の主制御部11は、受信した送信自販機時刻に基づいて、電子マネー決済端末140と自動販売機100の時刻同期を行う。
このようにして、電子マネー決済端末を搭載した自動販売機においては、センターサーバ200の時刻と電子マネー決済端末140の時刻と主制御部11の時刻が同じ時刻になるように、時刻同期が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】インターネットURL:http://www.jvma.or.jp/information/peakcut.pdf「夏場の電力供給不足への対策」(平成25年12月3日閲覧)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のように運転時間をシフトできる自動販売機100は、電子マネー決済端末140が搭載されていないタイプに限定される。理由は、電子マネー決済端末140は、センターサーバ200と通信することでセンターサーバ200から取得する時刻情報により電子マネー決済端末140が整時(電子マネー決済端末140の時刻同期)され、その後、電子マネー決済端末140から、時刻情報が送信されると、自動販売機100の整時(自動販売機の時刻同期)が行われるために電子マネー決済端末140が搭載された自動販売機100側では、時刻が手動でシフトされても、電子マネー決済端末140により現在時刻に強制的に戻される。したがって、電力消費の平均化ができないことになる。
【0008】
本発明の課題は、電子決済端末装置を現在時刻で運用しながら、グルーピングされた自動販売機のそれぞれについて運転時刻をずらして電力消費の平均化を実現する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明は、自動販売機の主制御部と通信を行なう、前記自動販売機に搭載可能な電子決済端末装置であって、稼働時間帯毎にグルーピングされた自動販売機へ送信する時刻を算出するための第1の時間情報を取得する取得手段と、外部装置から第2の時間情報を取得して前記外部装置と自装置の時刻同期を行い、前記取得した第1の時間情報と前記取得した第2の時間情報との演算により第3の時間情報を生成し、前記主制御部へ出力する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記第1の時間情報は、前記グルーピングされた前記自動販売機毎の稼働時間差情報であり、前記第2の時間情報は現在時刻情報であり、前記制御手段は、前記現在時刻情報に前記稼働時間差情報を加算して前記第3の時間情報を生成することを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記制御手段は、前記稼働時間差情報を前記外部装置から取得することを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記稼働時間差情報が予め記憶された記憶手段を有し、前記制御手段は、前記稼働時間差情報を前記記憶手段から取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電子決済端末装置を現在時刻で運用しながら、グルーピングされた自動販売機のそれぞれについて運転時刻をずらして電力消費の平均化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る電子決済端末装置が搭載される自動販売機の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る電子決済端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】自動販売機をグルーピングして消費電力平均化運転を行った場合の本実施形態のグループ毎の自動販売機の構成例を示す図である。
【
図4】実施例1に係る電子決済端末装置が搭載される自動販売機の整時シーケンスを示す図である。
【
図5】実施例2に係る電子決済端末装置が搭載される自動販売機の整時シーケンスを示す図である。
【
図6】自動販売機をグルーピングして消費電力平均化運転を行った場合の従来のグループ毎の自動販売機の構成例を示す図である。
【
図7】従来の電子決済端末装置が搭載される自動販売機の整時シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という)について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0016】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係る電子決済端末装置(電子マネー決済端末14)を搭載した自動販売機10の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、自動販売機10は、コインメック端末12と、ビルバリ端末13と、電子マネー決済端末14(電子決済端末装置)等、複数の端末を備え、これら端末12,13,14は主制御部11と通信線15により接続されている。そして自動販売機の主制御11と各端末とは、主制御部11をマスタ端末、各端末12,13,14をスレーブ端末とし、ローカル通信線15を介したシングルマスタ通信を行なっている。
【0018】
なお、電子マネー決済端末14は、更に、例えば、電子マネーの運営事業者が管理運営するセンターに設置されたセンターサーバ20と無線通信網30経由で接続されている。
【0019】
上記構成において、電子マネー決済端末14は、稼働時間帯毎にグルーピングされた自動販売機10へ送信する時刻を算出するための第1の時間情報(稼働時間差情報)を取得し、記憶する。また、無線通信網30経由で接続される外部装置(センターサーバ20)から第2の時間情報(現在時刻情報)を取得すると自装置の時刻同期を行う。その後、電子マネー決済端末14の現在の時刻情報に、稼働時間差情報を加算して第3の時間情報(自販機時刻情報)を生成して主制御部11に送信する。これにより、自動販売機の主制御11の時刻は、第3の時間情報と同じ時刻になる。
【0020】
なお、電子マネー決済端末14は、稼働時間差情報を、センターサーバ20から取得するか、あるいは、工場出荷時にデフォルトで設定されている情報(
図2の記憶部142に記憶されている稼働時間差情報)を取得するものとする。
【0021】
図2に電子マネー決済端末14の内部構成が示されている。
図2に示すように、電子マネー決済端末14は、制御部141と、記憶部142と、第1通信部143と、第2通信部144と、リーダライタ部(R/W部145)と、を含み、これらは、制御部141へ接続されている。なお、第1通信部143は、自動販売機10の主制御部11とはローカル通信線15(
図1)経由で接続され、第2通信部144は、無線通信網30(
図1)経由でセンターサーバ20に接続されている。
【0022】
R/W部145は、自動販売機10の前面略中央下部に設置される図示省略したかざし部にかざされる非接触ICカード等の電子マネー記憶媒体のデータを非接触でリードライトするハードウエアであり、アンテナ経由で決済金額等のデータを電磁波に重畳して送受信する。
【0023】
記憶部142には、SRAMやDRAM、あるいはフラッシュメモリ等が実装されている。記憶部142には、制御部141が実行するプログラムが記憶されるプログラム領域の他に、例えば、工場出荷時に、グルーピングされた自動販売機100へ送信する時刻を算出するための稼働時間差情報等のデータが記憶される固定データ領域、およびプログラムの実行過程で生成されるデータが記憶される作業領域と、が割り当てられている。
【0024】
第1通信部143は、主制御部11との間で通信に使用される通信インタフェースであり、第2通信部144は、無線通信網30経由で外部のセンターサーバ20との通信に使用される通信インタフェースである。
【0025】
なお、制御部141は、電子マネー決済端末14が、稼働時間帯毎にグルーピングされた自動販売機10へ送信する時刻を算出するための稼働時間差情報を取得し、主制御部11から送信される決済要求を受信すると、センターサーバ20から現在時刻情報を取得して自装置14(電子マネー決済端末14)の時刻同期を行う。また、自動販売機10の主制御部11に対して時刻情報を送信する際には、電子マネー決済端末14が保持する時刻情報に対して稼働時間差情報を加算して同期時刻情報(送信自販機情報)を生成し、この同期時刻情報を主制御部11に送信するように、上記したR/W部145、記憶部142、第1通信部143、第2通信部144を制御する。
【0026】
図3(a)(b)(c)は、自動販売機10のそれぞれをグルーピングして電力消費の平均化運転を行った場合のグループ毎の自動販売機の構成例を示す図である。ここでは、自動販売機10を、A,B,Cの3グループに分割し、Aグループに属する自動販売機10aを現在時刻から−8時間ずらした時刻に設定し(
図3(a))、Bグループに属する自動販売機10bを現在時刻に設定し(
図3(b))、Cグループに属する自動販売機10cを現在時刻から+8時間ずらした時刻に設定する(
図3(c))等、自動販売機10全体のピークの電力時間帯を分割することで電力消費を平均化している。
【0027】
(実施形態の動作)
以下、本実施形態に係る電子マネー決済端末14の動作について説明する。ここでは、稼働時間差情報について、デフォルトで設定された値を使用する場合を実施例1とし、センターサーバ20から取得するケースを実施例2とし、それぞれ
図4,
図5に示すシーケンス図を参照しながら実施例毎に詳細説明を行う。
【0028】
(実施例1)
まず、実施例1について、
図4のシーケンス図を参照しながら説明する。実施例1では、記憶部142の固定データ領域に、グルーピングされた自動販売機100へ送信する時刻を算出するための稼働時間差情報が保持されている(ステップS100)。ここでは、自動販売機10は、Aグループに属するものとし、したがって、
図3(a)に示すグルーピングの例にしたがい、現在時刻から−8時間シフトした時刻に設定される。この場合、稼働時間差情報は[−8H]になる。
【0029】
制御部141は、自動販売機10の主制御部11と第1通信部143を介した通信により主制御部11から自動販売機10の時刻情報を取得すると(ステップS101)、その受信自販機時刻を電子マネー決済端末14の現在時刻情報として記憶部142の作業領域に保存する。また自己の現在の時刻情報を送信自販機時刻として生成する(ステップS102)。そして生成した送信自販機時刻を主制御部11に送信する(ステップS103)。
【0030】
一方、制御部141は、無線通信網30経由で接続されるセンターサーバ20と第2通信部144を介した無線通信を行い、センターサーバ20から現在時刻情報を受信すると(ステップS104)、その受信時刻に基づいて電子マネー決済端末14の時刻同期を行う(ステップS105)。そして、主制御部11から決済要求があると、記憶部142の固定データ領域に記憶されてある時間差情報(−8[H])を読み出し、現在時刻情報に時間差情報を加算し、決済情報等を主制御部11へ送信する送信自販機時刻を算出する(ステップS106)。続いて、制御部141は、その送信自販機時刻を第1通信部143経由で自動販売機10の主制御部11へ送信する(ステップS107)。これにより、自動販売機100の時刻は、受信した送信自販機時刻に更新される(時刻同期が行われる)。すなわち、自動販売機の時刻は、センターサーバ20の時刻や電子マネー決済端末14の時刻に対して、−8時間ずれた時刻に更新される。
【0031】
したがって、電子マネー決済端末14は、センターサーバ20から受信した現在時刻で運用を行ない、自動販売機10の主制御部11は、現在時刻に稼働時間差情報が反映された時刻での運用が可能になる。なお、上記した実施例1において、電子マネー決済端末14は、自動販売機10に電源が投入されて以降、少なくとも1回は主制御部11から自販機時刻情報を受信し、この自販機時刻情報を電子マネー決済端末14内部で現在時刻として使用することとし、また、センターサーバ20から現在時刻情報を受信して以降は、主制御部11から自販機時刻情報を受信しても電子マネー決済端末14内部の時刻を更新しないものとする。
【0032】
(実施例1の効果)
実施例1に係る電子マネー決済端末10によれば、制御部141は、自装置内(記憶部142)に稼働時間差情報を保持し、センターサーバ20から現在時刻情報を受信すると、その現在時刻情報を自装置に設定して整時(時刻同期)を行う。そして、その現在時刻情報に、保存してある稼働時間差情報を加算して送信自販機時刻を算出し、自動販売機10の主制御部11へ送信することにより主制御部11との整時(時刻同期)を行う。主制御部11へ送信するタイミングは、主制御部11から決済要求があった場合の決済情報等を送信するときでもよい。
【0033】
このため、実施例1の電子マネー決済端末14を搭載した自動販売機10において、電子マネー決済端末14は、センターサーバ20から取得した現在時刻で運用することが出来、主制御部11は、グルーピングされた自動販売機毎にずらした時刻で運用を行うことが出来る。したがって、実施例1に係る電子マネー決済端末10が搭載された自動販売機10は、手動で時刻をずらした場合であっても電子マネー決済端末10により現在時刻に戻されることが無くなる。
【0034】
なお、上記した実施例1によれば、制御部141が、記憶部142に記憶されている稼働時間差情報を読み出すことにより、「稼働時間帯毎にグルーピングされた自動販売機へ送信する時刻を算出するための第1の時間情報を取得する」取得手段として機能し、制御部141が、「主制御部11から送信される決済要求を受信すると、外部装置から第2の時間情報を取得して自装置(電子マネー決済端末)14の時刻同期を行い、前記取得した第1の時間情報と前記取得した第2の時間情報との演算により第3の時間情報を生成し、前記第3の時間情報を主制御部11へ出力する」制御手段として機能する。実施例1に係る電子決済端末(電子マネー決済端末14)は、グルーピングにより運転時間をシフトして電力を平均化させる自動販売機10の全てにおいて利用することが出来るようになる。
【0035】
(実施例2)
次に、
図5のシーケンス図を参照しながら実施例2に係る電子マネー決済端末10の動作説明を行う。以下に説明する実施例2においても実施例1同様、自動販売機10は、Aグループに属するものとし、したがって、
図3(a)に示すグルーピングの例にしたがい、現在時刻から−8時間シフトした時刻に設定される。この場合、稼働時間差情報は[−8H]になる。
【0036】
制御部141は、自動販売機10の主制御部11と第1通信部143を介して通信を行うことにより主制御部11から自動販売機10の時刻情報を取得すると(ステップS201)、その受信時刻を電子マネー決済端末14の現在時刻情報として保存し(ステップS202)、電子マネー決済端末14の現在時刻を自販機時刻として主制御部へ送信する(ステップS203)。
【0037】
次に、制御部141は、無線通信網30経由で接続されるセンターサーバ20と第2通信部144を介した無線通信を行い、センターサーバ20から現在時刻情報と、自動販売機10が属するグループAの稼働時間差情報(時間差設定値)とを受信する(ステップS204)。続いて、制御部141は、その受信時刻に基づいて電子マネー決済端末14の時刻同期を行い(ステップS205)、つぎに現在時刻と先にセンターサーバ20から受信した時間差設定値と加算し、送信自販機時刻を算出する(ステップS206)。続いて、制御部141は、その算出された送信自販機時刻を第1通信部143経由で自動販売機10の主制御部11へ送信し、主制御部11との時刻同期を行なう(ステップS207)。主制御部11へ送信するタイミングは、主制御部11から決済要求があった場合の決済情報等を送信するときでもよい。
【0038】
したがって、電子マネー決済端末14は、センターサーバ20から受信した現在時刻で運用を行ない、自動販売機10の主制御部11は、現在時刻に稼働時間差情報が反映された時刻での運用が可能になる。なお、上記した実施例2においても実施例1同様、電子マネー決済端末14は、自動販売機10に電源が投入されて以降少なくとも1回は主制御部11から自販機時刻情報を受信し、この自販機時刻情報を電子マネー決済端末14内部で現在時刻として使用すること、およびセンターサーバ20から現在時刻情報を受信して以降は、主制御部11から自販機時刻情報を受信しても電子マネー決済端末14内部の時刻を更新しないものとする。
【0039】
(実施例2の効果)
実施例2に係る電子マネー決済端末10によれば、制御部141は、センターサーバ20から現在時刻情報や稼働時間差情報を受信すると、その現在時刻情報を自装置に設定して整時(時刻同期)を行う。そして、その現在時刻情報にセンターサーバ20から取得した稼働時間差情報を加算して送信自販機時刻を算出し、自動販売機10の主制御部11へ送信することにより主制御部11との整時(時刻同期)を行う。
【0040】
このため、実施例2の電子マネー決済端末14を搭載した自動販売機10において、電子マネー決済端末14は、センターサーバ20から取得した現在時刻で運用することが出来、主制御部11は、グルーピングされた自動販売機毎にシフトした時刻で運用を行うことが出来る。したがって、実施例1に係る電子マネー決済端末10が搭載された自動販売機10は、手動で時刻をずらした場合であっても電子マネー決済端末10により現在時刻に戻されることが無くなる。
【0041】
なお、上記した実施例2によれば、制御部141が、センターサーバ20から送信された、「稼働時間帯毎にグルーピングされた自動販売機へ送信する時刻を算出するための第1の時間情報を取得する」取得手段として機能し、また、制御部141が、「主制御部11から送信される決済要求を受信すると、外部装置から第2の時間情報を取得して自装置(電子マネー決済端末)14の時刻同期を行い、取得した第1の時間情報と前記取得した第2の時間情報との演算により第3の時間情報を生成し、前記第3の時間情報を主制御部11へ出力する」制御手段として機能する。実施例2に係る電子決済端末(電子マネー決済端末14)は、グルーピングにより運転時間をシフトして電力を平均化させる自動販売機10の全てにおいて利用することが出来るようになる。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0043】
10(10a,10b,10c)…自動販売機、11…主制御部、14…電子マネー決済端末(電子決済端末装置)、15…ローカル通信線、20…センターサーバ(外部装置)、30…無線通信網、141…制御部、142…記憶部、143…第1通信部、144…第2通信部、145…R/W部、