(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296543
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】コイル部品及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20180312BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
H01F17/00 B
H01F15/10 C
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-77026(P2014-77026)
(22)【出願日】2014年4月3日
(65)【公開番号】特開2015-130472(P2015-130472A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2015年12月14日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0001734
(32)【優先日】2014年1月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン、チャン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ハーン、ジン ウー
【審査官】
久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】
実開平06−009121(JP,U)
【文献】
特開2003−031416(JP,A)
【文献】
特開2012−169410(JP,A)
【文献】
特開2006−086460(JP,A)
【文献】
実開昭60−166137(JP,U)
【文献】
国際公開第2013/136936(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/114859(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/020025(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00−19/08、27/28−27/30
H01F 30/10、37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板を含む磁性体本体と、
前記磁性体本体の第1面に形成された第1及び第2外部電極、及び前記磁性体本体の前記第1面と対向する第2面に形成された第3及び第4外部電極と、を含み、
前記磁性体本体は、前記絶縁基板の一方側及び他方側に配置され、絶縁膜で囲まれた第1コイル部、第2コイル部、第3コイル部、及び第4コイル部を含み、
前記第1コイル部と前記第2コイル部は前記絶縁基板の一方側に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルであり、
前記第3コイル部と前記第4コイル部は前記絶縁基板の他方側に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルであり、
前記第1コイル部の一端は前記磁性体本体の前記第1面に露出するとともに前記第2コイル部の一端は前記磁性体本体の前記第2面に露出し、前記第3コイル部の一端は前記磁性体本体の前記第2面に露出するとともに前記第4コイル部の一端は前記磁性体本体の前記第1面に露出して、前記第1コイル部の一端は前記第1外部電極と接続され、前記第2コイル部の一端は前記第4外部電極に接続され、前記第3コイル部の一端は前記第3外部電極に接続され、前記第4コイル部の一端は前記第2外部電極に接続され、
前記第1コイル部と前記第3コイル部とはビアにより互いに連結され、前記第2コイル部と前記第4コイル部とはビアにより互いに連結されており、
前記第1及び第2外部電極は入力端子で、前記第3及び第4外部電極は出力端子であり、
前記入力端子である前記第1及び第2外部電極は前記磁性体本体の前記第1面に配置され、前記出力端子である第3及び第4外部電極は前記磁性体本体の前記第1面と対向する前記第2面に配置される、コイル部品。
【請求項2】
前記第1コイル部と前記第2コイル部は前記磁性体本体の中心を基準に対称で、前記第3コイル部と前記第4コイル部は前記磁性体本体の中心を基準に対称である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1コイル部、第2コイル部、第3コイル部、及び第4コイル部の長さは同一である、請求項1または2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1コイル部、第2コイル部、第3コイル部、及び第4コイル部は、金、銀、白金、銅、ニッケル、パラジウム及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上を含む、請求項1から3の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記絶縁基板は磁性体基板である、請求項1から4の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記絶縁膜は感光性ポリマーを含む、請求項1から5の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項7】
一方側に複数の電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に設けられた、請求項1から6の何れか1項に記載のコイル部品と、を含むコイル部品の実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品及びその実装基板に関し、具体的には、結合係数の値が大きく、且つ二つのコイルの磁束が相殺されるコイル部品及びその実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルTV、スマートフォン、ノート型パソコンなどの電子製品では高周波帯域におけるデータ送受信の機能が広く用いられており、今後も、このようなIT電子製品は、一つの機器だけでなく、USBまたはその他通信ポートを通じ連結して多機能化及び複合化することで、活用頻度が高くなるものと予想される。
【0003】
スマートフォンが進化するにつれて、高電流用であり、高効率及び高性能化した小型の薄型化したパワーインダクタの需要が増加している。
【0004】
よって、従来では2520サイズの1mm厚さの製品が採用されたが、現在では2016サイズの1mm厚さの製品が採用されており、今後、1608サイズの0.8mm厚さまで減少したサイズに小型化される見込みである。
【0005】
これとともに、実装面積を低減させることができる長所を有するアレイに対する需要も増加している。
【0006】
最近では、効率、減少した電磁気放射(Reduced Electromagnetic Emission)及び過度応答(Transient Response)の側面から、DC−DCコンバータ(Converter)の性能を向上させるためにインターリーブDC−DCコンバータ(Interleaved DC−DC Converter)に関する関心が高まっている。
【0007】
上記インターリーブDC−DCコンバータ(Interleaved DC−DC Converter)は、位相が反対である二つのコンバータを並列駆動して、高密度及び高出力でありながら、電流雑音を相殺させるという長所がある。
【0008】
しかし、インターリーブDC−DCコンバータ(Interleaved DC−DC Converter)に個別のインダクタを適用してシステムを構成すると、システムの価格が上昇し、集積化も困難である。
【0009】
従って、上記インターリーブDC−DCコンバータと結合インダクタ(Coupled Inductor)を組み合わせると、コンバータの性能、価格及びサイズの側面で有利である。
【0010】
このとき、負結合インダクタ(Negatively coupled Inductor、磁束の方向が逆の結合インダクタ)は、正結合インダクタ(Positively coupled Inductor、磁束の方向が同一の結合インダクタ)より小さいインダクタリップル電流と低いDCフラックスレベル(DC Flux Level)を有するというメリットがある。
【0011】
一方、正結合インダクタは、負結合インダクタより小さい入力リップル電流(Input Ripple Current)と低いACフラックスレベル(AC Flux Level)を有するというメリットがある。
【0012】
しかし、高出力アプリケーションでは、コア飽和(Core Saturation)の問題、磁性体体積及び重さ減少の側面においてメリットがある、負結合インダクタが有利である。
【0013】
これにより、パワーインダクタアレイ製品が発売されているが、この場合、コイル間の磁束の差及び結合係数の低下により、電子部品の効率が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国公開特許2005−0011090
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、結合係数の値が大きく、且つ二つのコイルの磁束が相殺されるコイル部品及びその実装基板に関する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施形態では、絶縁基板を含む磁性体本体と、上記磁性体本体の一面に形成された第1及び第2外部電極、及び上記磁性体本体の一面と対向する他面に形成された第3及び第4外部電極と、を含み、上記磁性体本体は上記絶縁基板の上部及び下部に配置され、絶縁膜で囲まれた第1〜第4コイル部を含み、上記第1コイル部と第2コイル部は上記絶縁基板の上部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルで、上記第3コイル部と第4コイル部は上記絶縁基板の下部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルであり、上記第1コイル部と第2コイル部の一端は上記磁性体本体の一面と他面にそれぞれ露出し、上記第3コイル部と第4コイル部の一端は上記磁性体本体の一面と他面にそれぞれ露出して、上記第1〜第4外部電極に接続されるコイル部品を提供する。
【0017】
上記第1コイル部と第2コイル部は上記磁性体本体の中心を基準に対称で、上記第3コイル部と第4コイル部は上記磁性体本体の中心を基準に対称であってもよい。
【0018】
上記第1コイル部と第3コイル部はビアにより連結されてもよい。
【0019】
上記第2コイル部と第4コイル部はビアにより連結されてもよい。
【0020】
上記第1及び第2外部電極は入力端子で、第3及び第4外部電極は出力端子であってもよい。
【0021】
上記第1〜第4コイル部の長さは同一であってもよい。
【0022】
上記第1〜第4コイル部は金、銀、白金、銅、ニッケル、パラジウム及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上を含んでもよい。
【0023】
上記絶縁基板は磁性体基板であってもよい。
【0024】
上記絶縁膜は感光性ポリマーを含んでもよい。
【0025】
本発明の他の実施形態は、上部に複数の電極パッドを有する印刷回路基板と、上記印刷回路基板上に設けられたコイル部品と、を含み、上記コイル部品は絶縁基板を含む磁性体本体と、上記磁性体本体の一面に形成された第1及び第2外部電極、及び上記磁性体本体の一面と対向する他面に形成された第3及び第4外部電極と、を含み、上記磁性体本体は上記絶縁基板の上部及び下部に配置され、絶縁膜で囲まれた第1〜第4コイル部を含み、上記第1コイル部と第2コイル部は上記絶縁基板の上部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルで、上記第3コイル部と第4コイル部は上記絶縁基板の下部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルであり、上記第1コイル部と第2コイル部の一端は上記磁性体本体の一面と他面にそれぞれ露出し、上記第3コイル部と第4コイル部の一端は上記磁性体本体の一面と他面にそれぞれ露出して、上記第1〜第4外部電極に接続されるコイル部品の実装基板を提供する。
【0026】
上記第1コイル部と第2コイル部は上記磁性体本体の中心を基準に対称で、上記第3コイル部と第4コイル部は上記磁性体本体の中心を基準に対称であってもよい。
【0027】
上記第1コイル部と第3コイル部はビアにより連結されてもよい。
【0028】
上記第2コイル部と第4コイル部はビアにより連結されてもよい。
【0029】
上記第1及び第2外部電極は入力端子で、第3及び第4外部電極は出力端子であってもよい。
【0030】
上記第1〜第4コイル部の長さは同一であってもよい。
【0031】
上記第1〜第4コイル部は金、銀、白金、銅、ニッケル、パラジウム及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上を含んでもよい。
【0032】
上記絶縁基板は磁性体基板であってもよい。
【0033】
上記絶縁膜は感光性ポリマーを含んでもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によるコイル部品は、二つのコイルが対称の構造であり、同じインダクタンス値を有し、負結合型(Negatively coupled type)であるため、磁束が相殺され、二つのコイルがコアを共有して互いに隣接するように形成されることで、非常に大きい結合係数の値を有することができ、ロス(Loss)が減少し、効率に優れたコイル部品及びその実装基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態によるコイル部品の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるコイル部品の内部を概略的に示す斜視図である。
【
図6】
図1のコイル部品が印刷回路基板に実装された様子を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0037】
コイル部品
図1は本発明の一実施形態によるコイル部品の斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるコイル部品の内部を概略的に示す斜視図であり、
図3は
図1の平面図であり、
図4は
図1の分解斜視図であり、
図5は
図1のX−X'による断面図である。
【0038】
図1〜
図5を参照すると、本発明の一実施形態であるコイル部品は、絶縁基板11を含む磁性体本体10と、上記磁性体本体10の一面に形成された第1及び第2外部電極31、32、及び上記磁性体本体10の一面と対向する他面に形成された第3及び第4外部電極33、34と、を含み、上記磁性体本体10は上記絶縁基板11の上部及び下部に配置され、絶縁膜で囲まれた第1〜第4コイル部21、22、23、24を含み、上記第1コイル部21と第2コイル部22は上記絶縁基板11の上部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルで、上記第3コイル部23と第4コイル部24は上記絶縁基板11の下部に配置され、同一平面上に平らに同じ方向に巻かれた二重コイルであり、上記第1コイル部21と第2コイル部22の一端は上記磁性体本体10の一面と他面にそれぞれ露出し、上記第3コイル部23と第4コイル部24の一端は上記磁性体本体10の一面と他面にそれぞれ露出して上記第1〜第4外部電極31、32、33、34に接続されることができる。
【0039】
本実施形態における「第1」ないし「第4」という限定は、その対象を区分するためのものに過ぎず、上記順序に限定されない。
【0040】
磁性体本体10は六面体であってもよく、「L方向」を「長さ方向」、「W方向」を「幅方向」、「T方向」を「厚さ方向」とすることができる。
【0041】
磁性体本体10は絶縁基板11を含み、上記絶縁基板11の上部及び下部に配置され、絶縁膜で囲まれた第1〜第4コイル部21、22、23、24を含んでもよい。
【0042】
また、本発明の一実施形態であるコイル部品は、上記磁性体本体10の一面に形成された第1及び第2外部電極31、32と、上記磁性体本体10の一面と対向する他面に形成された第3及び第4外部電極33、34と、を含んでもよい。
【0043】
以下では、
図1〜
図5を参照して、第1〜第4コイル部21、22、23、24及び第1〜第4外部電極31、32、33、34について説明する。
【0044】
上記第1コイル部21と第2コイル部22は上記絶縁基板11の上部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルであり、上記第3コイル部23と第4コイル部24は上記絶縁基板11の下部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルであってもよい。
【0045】
即ち、上記第1コイル部21と第2コイル部22は、上記絶縁基板11の上部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた結合コイルの形態であってもよい。
【0046】
また、上記第3コイル部23と第4コイル部24は、上記絶縁基板11の下部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた結合コイルの形態であってもよい。
【0047】
上記第1コイル部21と第2コイル部22は上記磁性体本体の中心を基準に対称であってもよく、上記第3コイル部23と第4コイル部24は上記磁性体本体の中心を基準に対称であってもよい。
【0048】
上記磁性体本体の中心は、上記第1〜第4コイル部に巻かれた形状において内部の磁性体中心を意味し、コアと称することができ、以下では、同じ概念で使用する。
【0049】
本発明の一実施形態によると、上記第1コイル部21と第2コイル部22は上記磁性体本体の中心を基準に対称で、上記第3コイル部23と第4コイル部24は上記磁性体本体の中心を基準に対称の構造であるため、同じインダクタンス値を有することができる。
【0050】
また、上記第1コイル部21と第2コイル部22の一端は上記磁性体本体10の一面と他面にそれぞれ露出し、上記第3コイル部23と第4コイル部24の一端は上記磁性体本体10の一面と他面にそれぞれ露出して、上記第1〜第4外部電極31、32、33、34に接続されてもよい。
【0051】
即ち、上記第1コイル部21の一端が上記磁性体本体10の第1面S2に露出すると、上記第1コイル部21と同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた上記第2コイル部22の一端は、上記磁性体本体10の第1面S2と対向する第2面S5に露出することができる。
【0052】
また、上記第1コイル部21と第2コイル部22は、上記磁性体本体10の中心を基準に対称の形状であってもよい。
【0053】
上記のような特徴により、上記第1コイル部21と第2コイル部22の長さは同一であってもよい。
【0054】
同様に、上記第3コイル部23の一端が上記磁性体本体10の第2面S5の上記第2コイル部22の露出位置と離隔した位置に露出すると、上記第3コイル23と同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた上記第4コイル部24の一端は、上記磁性体本体10の第2面S5と対向する第1面S2の上記第1コイル部21の露出位置と離隔した位置に露出することができる。
【0055】
また、上記第3コイル部23と第4コイル部24は、上記磁性体本体10の中心を基準に対称の形状であってもよい。
【0056】
上記のような特徴により、上記第3コイル部23と第4コイル部24の長さは同一であってもよい。
【0057】
上記のように、第1〜第4コイル部21、22、23、24が上記磁性体本体10の一面と他面に相互離隔して露出することにより、上記第1〜第4外部電極31、32、33、34とそれぞれ接続されることができる。
【0058】
具体的には、上記第1コイル部21は、上記磁性体本体10の第1面S2に露出し、上記第1外部電極31と接続されてもよい。
【0059】
また、上記第2コイル部22は、上記磁性体本体10の第2面S5に露出し、上記第4外部電極34と接続されてもよい。
【0060】
また、上記第3コイル部23は、上記磁性体本体10の第2面S5に露出し、上記第3外部電極33と接続されてもよい。
【0061】
上記第4コイル部24は、上記磁性体本体10の第1面S2に露出し、上記第2外部電極32と接続されてもよい。
【0062】
上記第1及び第2外部電極31、32は入力端子で、第3及び第4外部電極33、34は出力端子であってもよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0063】
一方、上記第1コイル部21と第2コイル部22は上記絶縁基板11の上部に配置され、同一平面上に形成されてもよく、上記第3コイル部23と第4コイル部24は上記絶縁基板11の下部に配置され、同一平面上に形成されてもよく、上記第1コイル部21と第3コイル部23はビア41により連結されてもよい。
【0064】
同様に、上記第2コイル部22と第4コイル部24も、ビア41により連結されてもよい。
【0065】
従って、電流は、第1コイル部21と第3コイル部23を介して、入力端子である第1外部電極31から上記第1コイル部21、ビア41及び第3コイル部23を通過して出力端子である第3外部電極33に流れる。
【0066】
同様に、電流は、第2コイル部22と第4コイル部24を介して、入力端子である第2外部電極32から上記第4コイル部24、ビア41及び第2コイル部22を通過して出力端子である第4外部電極34に流れる。
【0067】
上記のように、第1コイル部21と第3コイル部23による電流の流れと、第2コイル部22と第4コイル部24による電流の流れによって、磁束の方向が相互反対になるため、負結合型のコイル部品を具現することができる。
【0068】
上記第1コイル部21と第2コイル部22は上記磁性体本体の中心を基準に対称で、上記第3コイル部23と第4コイル部24は上記磁性体本体の中心を基準に対称の構造であるため、上記反対方向の磁束は、互いに相殺(Negatively coupled)されることができる。
【0069】
即ち、第1コイル部21と第3コイル部23に電流が流れ、また第2コイル部22と第4コイル部24に電流が流れると、反対の磁束が発生し、同じ大きさと間隔の間で発生した磁束は、互いに相殺(Negatively coupled)されることができる。
【0070】
また、上記第1コイル部21と第2コイル部22は上記絶縁基板11の上部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルの形状で、上記第3コイル部23と第4コイル部24は上記絶縁基板11の下部に配置され、同一平面上に並んで同じ方向に巻かれた二重コイルの形状であるため、非常に大きい結合係数の値を有することができる。
【0071】
即ち、二つのコイルがコアを共有しながら、相互隣接して形成されることにより、非常に大きい結合係数の値を有することができる。
【0072】
上記のように、本発明の一実施形態によるコイル部品は、非常に大きい結合係数の値を有し、負結合型(Negatively coupled type)でロス(Loss)が減少し、効率に優れるという効果がある。
【0073】
上記第1〜第4コイル部21、22、23、24は金、銀、白金、銅、ニッケル、パラジウム及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上を含んでもよい。
【0074】
上記第1〜第4コイル部21、22、23、24はコイルに伝導性を付与することができる材料からなればよく、上記羅列した金属に限定されない。
【0075】
また、上記第1〜第4コイル部21、22、23、24は多角形、円形、楕円形または不規則な形であってもよく、その形態は特に制限されない。
【0076】
上記第1〜第4コイル部21、22、23、24は、それぞれ引出端子(不図示)を介して上記第1〜第4外部電極31、32、33、34に接続されてもよい。
【0077】
上記外部電極は、第1〜第4外部電極31、32、33、34を含んでもよい。
【0078】
上記第1〜第4外部電極31、32、33、34は磁性体本体10の厚さ方向(「T方向」)に延長形成されてもよい。
【0079】
上記第1〜第4外部電極31、32、33、34は、相互離隔されて配置され電気的に分離されていてもよい。
【0080】
上記第1〜第4外部電極31、32、33、34は、磁性体本体10の上面S1及び下面S4の一部に延長形成されてもよい。
【0081】
上記第1〜第4外部電極31、32、33、34はアングル状であるため、第1〜第4外部電極31、32、33、34と磁性体本体10の固着力が向上することができ、外部衝撃等に耐える性能が向上することができる。
【0082】
上記第1〜第4外部電極31、32、33、34を構成する金属は、第1〜第4外部電極31、32、33、34に電気伝導性を付与することができる金属であれば、特に制限されない。
【0083】
具体的には、第1〜第4外部電極31、32、33、34は金、銀、白金、銅、ニッケル、パラジウム及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上を含んでもよい。
【0084】
金、銀、白金、パラジウムは高価であるが、安定的であるという長所があり、銅、ニッケルは安価であるが、焼結中に酸化されて電気伝導性を低下させるという短所がある。
【0085】
本発明の一実施形態によるコイル部品における上記磁性体本体の厚さは1.2mm以下であってもよいが、これに制限されず、多様な厚さに製作されてもよい。
【0086】
図5を参照すると、上記絶縁基板11は磁性体基板であってもよく、磁性体はニッケル−亜鉛−銅フェライトを含むことができる。
【0087】
上記絶縁膜は感光性ポリマーを含んでもよい。また、隣接するコイルの間には感光性絶縁材料が介在されており、絶縁基板の上部及び下部に配置されたコイルはビア41により接続されてもよい。
【0088】
上記絶縁基板11の一面と反対面に、上記第1〜第4コイル部21、22、23、24を形成することができる。
【0089】
上部及び下部コイルは、ビア41により接続されるように形成されてもよい。
【0090】
下表1には、本発明の一実施形態によるコイル部品で、負結合インダクタのインダクタンス、結合係数及び直流抵抗(Rdc)の値を示した。
【0092】
上記表1を参照すると、本発明の一実施形態による負結合インダクタの場合、二つのコイルが対称の構造で、同じインダクタンス値を有し、二つのコイルがコアを共有しながら、相互隣接するように形成されることにより、非常に大きい結合係数を有することが分かる。
【0093】
結合係数は、kが1に近い値であるほど、結合係数が大きく、(−)符号は負結合を意味する。
【0094】
コイル部品の実装基板
図6は、
図1のコイル部品が印刷回路基板に実装された様子を示した斜視図である。
【0095】
図6を参照すると、本実施形態によるコイル部品の実装基板200は、コイル部品が水平になるよう実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に相互離隔されて形成された複数の電極パッド220と、を含む。
【0096】
このとき、コイル部品は、第1〜第4外部電極31、32、33、34がそれぞれ電極パッド220上に接触するように位置した状態で、半田付けにより印刷回路基板210と電気的に連結されることができる。
【0097】
上記した説明を除き、上述した本発明の一実施形態によるコイル部品の特徴と重複する説明は、ここでは省略する。
【0098】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0099】
10 磁性体本体
11 絶縁基板
21、22、23、24 第1〜第4コイル部
31、32、33、34 第1〜第4外部電極
41 ビア
200 実装基板
210 印刷回路基板
220 電極パッド
S1〜S6 磁性体本体の外側面