(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
≪第1の実施形態≫
図1は、第1の実施形態における照明制御システム100を示す概略の構成図である。
第1の実施形態の照明制御システム100は、コントローラである調光器10と、調光調色制御装置20と、第1点灯回路30aおよび第2点灯回路30bと、照明光源200とを含んで構成される。
【0013】
調光器10(コントローラ)は、例えば壁面取り付け用の汎用のPWM(Pulse Width Modulation)調光器であり、回動可能なダイヤル11と、不図示のオンオフスイッチとを備えている。調光器10は、商用電源50から交流電力ACが供給され、ダイヤル11の指標の位置に基づく調光調色情報を調光調色制御装置20に出力する。調光器10は更に、交流電力ACを調光調色制御装置20と、第1点灯回路30aと、第2点灯回路30bとに供給する。
調光調色制御装置20は、タイマ21と、メモリ22(記憶部)と、情報判断部23と、調光信号生成部24とを備える。
【0014】
タイマ21は、所謂ウォッチドッグタイマであり、設定された時間経過を検知する。
メモリ22は、例えばROM(Read Only Memory)であり、複数の調光調色カーブ情報SAを記憶する。
【0015】
情報判断部23は、調光器10より入力される調光調色情報の変化に基づき、メモリ22に記憶された複数の調光調色カーブ情報SAから、いずれかを選択して出力する。これにより、調光調色制御装置20は、調光調色カーブの切り替えスイッチなどを設けることなく、調光調色カーブを切り替え可能である。
調光信号生成部24は、情報判断部23が選択した調光調色カーブ情報SAに基づき、調光器10の調光調色情報により、2以上の調光信号s1,s2を出力する。
照明光源200は、色温度が異なる2つの光源である第1光源部40aと第2光源部40bとを備える。なお、照明光源200は、2つ以上の光源を備えていればよく、限定されない。
第1点灯回路30aは第1光源部40aに接続され、調光信号s1に基づいて第1光源部40aを駆動する。第2点灯回路30bは第2光源部40bに接続され、調光信号s2に基づいて第2光源部40bを駆動する。
【0016】
図2は、調光器10を示す正面図である。
調光器10(コントローラ)は、壁面取り付け用の汎用のPWM調光器である。調光器10は、上部のダイヤル11が、その下部にオンオフ用のスイッチ13が設けられている。
【0017】
ダイヤル11は、略円筒形であり、回転操作可能に構成されている。ダイヤル11は、現在の操作が容易に把握できるように指標12が刻印されている。指標12は、角度0°から角度300°まで回転可能である。なおダイヤル11の指標12は、ダイヤル11に視認可能に刻印されていなくてもよい。ダイヤル11は、例えば角度0°よりも小さい方向への回転と角度300°よりも大きい方向への回転とを規制することで、ユーザに指標12を触覚的に認識可能としてもよく、限定されない。
ここでエリア#2(特定の操作範囲)は、60°から240°まで指標12の角度である。エリア#1(一方の操作範囲)は、0°から60°まで指標12の角度である。エリア#3(他方の操作範囲)は、240°から300°まで指標12の角度である。本実施形態では、ダイヤル11が操作可能なエリアを3つに分けて、エリア#1とエリア#3との往復回数をカウントしている。通常の調光操作では、このようなエリア#1とエリア#3との往復が短時間に発生することはない。よって、通常の調光操作と、調光調色カーブを切り替える特定の操作とを区別可能である。
また、このようにダイヤル11が操作可能なエリアを3つに分けることにより、ダイヤル11のチャタリングが往復操作と誤認識されることがなくなる。逆にいうと、操作可能なエリアを2つとして、この2つのエリアの往復回数をカウントすると、ダイヤル11のチャタリングで誤動作するおそれがある。
ダイヤル11は、この指標12の位置に応じたデューティ比を有するPWM信号S0を生成する。PWM信号S0は、例えば、1[kHz]の周波数の信号であり、指標12の位置に応じてオンデューティが5%から95%の間で変更される。
【0018】
スイッチ13は、点灯部14を備えた蛍スイッチであり、商用電源50から調光調色制御装置20、第1点灯回路30a、および第2点灯回路30bへの交流電力ACの供給のオン/オフを制御する。スイッチ13は更に、調光器10から調光調色制御装置20へのPWM信号S0の出力のオン/オフも制御する。
【0019】
ユーザがスイッチ13の点灯部14側を押下すると、調光器10から調光調色制御装置20にPWM信号S0が出力されると共に、交流電力ACが調光調色制御装置20と第1点灯回路30aと第2点灯回路30bに供給される。これにより照明光源200が点灯する。このとき、点灯部14は消灯している。
【0020】
ユーザがスイッチ13の点灯部14の反対側を押下すると、点灯部14が点灯し、PWM信号S0の出力が停止すると共に、調光調色制御装置20と第1点灯回路30aと第2点灯回路30bへの交流電力ACの供給が止まる。これにより照明光源200が消灯する。
なお、本発明では、調光器10として、PWM式の調光器に限定されず、0〜10[V]のDC電圧を出力するタイプの調光器を用いてもよい。
【0021】
第1点灯回路30aおよび第2点灯回路30bは、商用電源50を所望の直流電圧に変換する交流/直流変換回路である。第1点灯回路30aおよび第2点灯回路30bは、調光信号s1,s2に基づいて、照明光源200に直流電流を供給する。なお、調光信号s1,s2は、例えばPWM信号であるが、これに限定されず、PAM(pulse-amplitude modulation)などの任意のパルス変調方式であってもよい。
【0022】
照明光源200は、互いに色温度の異なるLED(Light Emitting Diode)モジュールである第1光源部40aと第2光源部40bとで構成されている。よって、照明光源200から出射される光の色温度と光量は、第1光源部40aと第2光源部40bからそれぞれ出射される光量で決まる。なお、第1実施形態において第1光源部40aの色温度は2800Kである。第2光源部40bの色温度は、6500Kである。
【0023】
調光調色制御装置20は、ダイヤル11から指標12の位置に応じたPWM信号S0が入力される。調光調色制御装置20は、そのPWM信号S0と調光調色カーブ情報SAとに基づき、調光信号s1,s2を生成する。また、調光調色制御装置20は、ユーザがダイヤル11で特定の回動操作を実施すると、それに対応した調光調色カーブ情報SAを選択する。
【0024】
≪調光調色カーブ情報SAの例≫
図3は、第1の実施形態における調光調色カーブ情報SAと光量および色温度の関係を説明するグラフである。
調光調色カーブ情報SAは、カーブAからカーブDまでの4つの調光調色カーブである。
グラフの縦軸は、照明光源200から出射される光の光量である。グラフ横軸は照明光源200から出射される光の色温度である。色温度が2800Kのときは、電球色という。電球色で光量50%の明るさは、くつろぎに最適である。色温度が5000Kのときは、昼白色といい、光量100%の明るさを提供可能である。色温度が6500Kのときは、昼光色といい、朝のお目覚め時や昼間の補助光に適する。
【0025】
調光調色制御装置20がカーブAを選択しているとき、ユーザがダイヤル11の指標12を300°から0°に回動させると、照明光源200の光量と色温度はポイントb→d→eへと遷移する。指標12の位置が300°のとき(ポイントb)、照明光源200は、昼光色と昼白色の中間の色温度である。指標12の位置が300°から0°に回動すると、照明光源200は、先ず色温度のみが低下し、そののち光量50%に低下かつ色温度が電球色となる。
【0026】
調光調色制御装置20がカーブBを選択しているとき、ユーザがダイヤル11の指標12を300°から0°に回動させると、照明光源200の光量と色温度はポイントc→f→gと遷移する。指標12の位置が300°のとき(ポイントc)、照明光源200は、昼白色かつ光量を100%である。指標12の位置が300°から0°に回動すると、照明光源200は、先ず光量のみが1%まで低下し、そののち光量1%のまま色温度が電球色となる。
【0027】
調光調色制御装置20がカーブCを選択しているとき、ユーザがダイヤル11の指標12を300°から0°に回動させると、照明光源200の光量と色温度はポイントa→b→c→d→eと遷移する。指標12の位置が300°のとき(ポイントa)、照明光源200は、光量50%の昼光色である。指標12の位置が300°から0°に回動すると、照明光源200は、先ず光量が増大かつ色温度が低下して光量100%の昼白色となり、更に光量が減少かつ色温度が低下して光量50%の電球色となる。
【0028】
調光調色制御装置20がカーブDを選択しているとき、ユーザがダイヤル11の指標12を300°から0°に回動させると、照明光源200の光量と色温度はポイントa→f→eと遷移する。指標12の位置が300°のとき(ポイントa)、照明光源200は、光量50%の昼光色である。指標12の位置が300°から0°に回動すると、照明光源200は、先ず光量が減少かつ色温度が低下して光量1%の昼白色となり、更に光量が増大かつ色温度が低下して光量50%の電球色となる。
このように、調光調色制御装置20がカーブA〜Dのうち1つを選択することにより、ユーザは、所望の調光調色制御を行うことができる。
なお、調光調色カーブは、
図3に示したカーブA〜Dに限定されない。
【0029】
図4(a),(b)は、カーブAにおける各点灯回路の出力電流とダイヤル11の回転角との関係を示す図である。適宜
図1、
図2を参照して説明する。
図4(a)は、各点灯回路の出力電流とダイヤル11の回転角とを示すグラフである。グラフの縦軸は、出力電流Ia,Ibを示している。グラフの横軸は、ダイヤル11の回転角を示している。
ユーザがダイヤル11を300°から0°に回動させると、第1点灯回路30aの出力電流Iaは、ポイントA1→B1→C1へと遷移する。第2点灯回路30bの出力電流Ibは、ポイントA2→B2→C2へと遷移する。
【0030】
図4(b)は、カーブAにおける各点灯回路の出力電流とダイヤル11の回転角との関係を示す図である。
ダイヤル11の指標12の位置が300°のときは、
図3のポイントbに相当する。このとき、第1点灯回路30aの出力電流Iaは350[mA]であり、第2点灯回路30bの出力電流Ibは700[mA]であり、合計1050[mA]である。
ダイヤル11の指標12の位置が150°のときは、
図3のポイントdに相当する。このとき、第1点灯回路30aの出力電流Iaは700[mA]であり、第2点灯回路30bの出力電流Ibは350[mA]であり、合計1050[mA]である。
ダイヤル11の指標12の位置が0°のときは、
図3のポイントeに相当する。このとき、第1点灯回路30aの出力電流Iaは700[mA]であり、第2点灯回路30bの出力電流Ibは0[mA]であり、合計700[mA]である。
カーブB〜Dの場合も同様に「ダイヤル11の回転角に応じて出力電流Ia,Ibが変化して、調光調色が行われる。
【0031】
図5は、調光調色カーブの選択処理を示すフローチャートである。
情報判断部23は、
図5に示す選択処理により、特定の調光調色カーブ情報SAを選択する。
図5の選択処理は、例えば所定の時間間隔で呼び出されて実行される。
【0032】
ステップS10において、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12が選択モード開始の位置であるエリア#2に位置しているか否かを判断する。情報判断部23は、指標12がエリア#2に位置していたならば、ステップS11の処理に進み、指標12がエリア#1、#3に位置していたならば、
図5の処理を終了する。
【0033】
ステップS11において、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12が回動動作によってエリア#2から外れたか否かを判断する。情報判断部23は、指標12がエリア#2に位置していたならば(Yes)、ステップS11の処理に戻り、それ以外ならば(No)、ステップS12の処理に進む。
【0034】
ステップS12において、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12が回動動作によってエリア#2からエリア#1、#3のいずれかに移動したか否かを判断する。すなわち、情報判断部23は、指標12がエリア#1に移動したのか、または、エリア#3に移動したのかを判断している。情報判断部23は、指標12がエリア#1に移動したならば、ステップS13の処理に進み、指標12がエリア#3に移動したならば、ステップS19の処理に進む。
ステップS13において、情報判断部23は、タイマ21を設定すると共に、タイマ21により時間のカウントを開始する。
ステップS14において、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12の往復回数をカウントする。ここで往復回数とは、ダイヤル11の指標12がエリア#1からエリア#3に移動したのち、エリア#1に戻る回数をいう。具体的にいうと、ユーザは、所望の調光調色カーブに対応する回数だけ、ダイヤル11の指標12を往復させる。
【0035】
ステップS15において、情報判断部23は、タイマ21によりタイムアウト(第1所定時間の経過)を判断する。情報判断部23は、タイムアウトしていないと判断したならば(No)、ステップS14の処理に戻り、タイムアウトしていると判断したならば(Yes)、ステップS16の処理に進む。
すなわち、ステップS13〜S15の処理において、情報判断部23は、第1所定時間内にダイヤル11の指標12がエリア#1とエリア#3との間を何回往復したかをカウントしている。すなわち情報判断部23は、第1所定時間内におけるPWM信号S0(調光調色情報)の変化が予め定めた特定の変化と一致するか否かを判断している。
なお、第1所定時間は、例えば3秒程度に設定されている。これは、通常の調光調色の操作では行われない特殊な操作である。よって、ユーザが意図せずに調光調色カーブを切り替えることを抑止可能である。
【0036】
ステップS16において、情報判断部23は、カウントした往復回数に基づいて、メモリ22に予め記憶されている4種類の調光調色カーブ情報SAのうち、いずれか1つを選択する。情報判断部23は、移動回数が2回ならば、ステップS17の処理に進み、移動回数が3回ならば、ステップS18に進む。
ステップS17において、情報判断部23は、カーブAを選択し、
図5の処理を終了する。ステップS18において、情報判断部23は、カーブBを選択し、
図5の処理を終了する。情報判断部23は、PWM信号S0の特定の変化に対応する調光調色カーブ情報を選択する、
具体的にいうと、ユーザは、ダイヤル11の指標12をエリア#2からエリア#1に移動させ、3秒以内の指標12の往復操作により、カーブAまたはカーブBを選択する。ユーザは、ダイヤル11の指標12の2回の往復操作により、カーブAを選択することができる。ユーザは、ダイヤル11の指標12の3回の往復操作により、カーブBを選択することができる。
なお、誤動作または意図しない調光調色カーブの切り替わりを避けるために、情報判断部23には、往復回数が1回となる分岐や、極めて多数の往復回数の分岐は設定しないことが好ましい。
【0037】
ステップS19〜S22の処理は、エリア#1とエリア#3とが入れ替わるほかは、前記したステップS13〜S16の処理と同様である。
ステップS23において、情報判断部23は、カーブCを選択し、
図5の処理を終了する。ステップS24において、情報判断部23は、カーブDを選択し、
図5の処理を終了する。具体的にいうと、ユーザは、ダイヤル11の指標12をエリア#2からエリア#3に移動させ、3秒以内の指標12の往復操作により、カーブCまたはカーブDを選択する。ユーザは、往復操作を2回実施したときカーブCを選択し、この往復操作を3回実施したときカーブDを選択する。
図5に示す選択処理によって、いずれかの調光調色カーブが選択されたならば、他の調光調色カーブが選択されるまでは、選択された調光調色カーブが照明器具に適用される。
【0038】
以下、ダイヤル11による調光調色カーブ情報SAの具体的な選択操作の例として、カーブAを選択する場合を説明する。
(操作#1) ユーザは、ダイヤル11の指標12をエリア#2に設定する。
(操作#2) ユーザは、ダイヤル11の指標12をエリア#1に移動させる。このときに、情報判断部23は、タイマ21によるカウントを開始する。
(操作#3) ユーザは、ダイヤル11の指標12を、エリア#1からエリア#3に移動させた後に、再びエリア#1に戻す。ユーザは、この動作を第1所定時間内(3秒程度)に2回繰り返す。これにより、第1所定時間の経過と共に、照明制御システム100が記憶する複数の調光調色カーブ情報SAのうち、カーブAが選択される。なお、この第1所定時間は、ダイヤル11の指標12がエリア#2(特定の操作範囲)からエリア#1(一方の操作範囲)またはエリア#3(他方の操作範囲)に移動したタイミングを起点とする。
このように、照明制御システム100は、汎用の調光器10(コントローラ)を採用しても、ダイヤル11の操作のみで所望の調光調色カーブに切り替えることができる。
【0039】
≪第2の実施形態≫
図6は、第2の実施形態における照明制御システム100Aの概略を示す構成図である。
図1に示す第1の実施形態の照明制御システム100と同一の要素には同一の符号を付与している。
第2の実施形態の照明制御システム100Aは、第1の実施形態とは異なる調光器10Aと、調光調色制御装置20Aとを備えており、それ以外は第1の実施形態と同様である。
調光器10A(コントローラ)は、例えば壁面取り付け用の汎用のAC電圧の調光器である。調光器10Aは、第1の実施形態の調光器10とは異なり、ダイヤル11により、調光調色制御装置20Aに印加する交流電圧を調整可能である。
調光調色制御装置20Aは、第1実施形態とは異なる情報判断部23A、瞬断対策部25を備える。
【0040】
第2の実施形態の情報判断部23Aは、位相制御された交流電力AC2からその位相(電気角)を検出して調光信号(PWM信号)を生成する変換回路が設けられている。これにより、調光調色制御を行うことができる。
瞬断対策部25は、例えば二次電池や電気二重層コンデンサなどであり、電力の瞬断が発生したときに、調光調色制御装置20Aに継続して電力を供給する。これにより、調光器10Aのダイヤル11の操作により、調光調色制御装置20Aに供給される電力の瞬断が発生しても、継続して動作可能である。
第2の実施形態の照明制御システム100Aは、PWM信号S0のオンデューティに代えて、交流電力AC2の位相によって、ダイヤル11の指標12の操作情報を取得可能である。情報判断部23Aは、この操作情報に基づき、調光調色カーブ情報SAのいずれかを選択して、調光調色カーブを切り替えることができる。
これにより、壁面取り付け用の汎用のAC電圧の調光器を用いて、調光調色カーブを切り替え可能な照明器具または照明制御システム100Aを実現可能である。
【0041】
≪第3の実施形態≫
第3の実施形態の調光調色制御装置20は、調光器10のダイヤル11の特定の操作に基づき、照明装置の色温度を選択したのち、従来の調光器と同様な機能である調光モードに遷移するものである。第3の実施形態の調光調色制御装置20は、第1の実施形態(
図1参照)と同様に構成されている。
以下、ダイヤル11による調光調色カーブ情報SAの具体的な選択操作の例を説明する。
(操作#1) ユーザは、調光器10のスイッチ13(
図2参照)をオンし、第3所定時間内(例えば3秒以内)にダイヤル11の指標12を、エリア#2からエリア#1またはエリア#3を2回以上往復させる。これにより調光調色制御装置20は、色温度選定モードに遷移する。このように遷移条件を限定しているので、調光調色制御装置20は、通常の調光操作によって、意図せずに色温度選定モードに遷移することはない。
なお、調光調色制御装置20は、スイッチ13がオンされた直後でなくとも、所定の往復操作のみで色温度選定モードに遷移してもよい。また、色温度選定モードに遷移する条件は、第3所定時間内に予め定められた特定の調光操作が実行されればよく、限定されない。
(操作#2) ユーザは、ダイヤル11の指標12を調整して、好みの色温度に合わせる。調光調色制御装置20が色温度選定モードに遷移したのち、第4所定時間(例えば3秒)が経過すると、その時点での色温度に固定され、かつ調光モードに遷移する。
(操作#3) 調光モードに遷移した後、ユーザは、ダイヤル11の指標12を調整して、好みの調光を行う。
【0042】
図7は、第3の実施形態における調光調色カーブ情報と光量および色温度の関係を説明するグラフである。
カーブPは、色温度選定モードにおける調光調色カーブ情報である。このときユーザは、ダイヤル11の操作により、好みの色温度に合わせることができる。
カーブQ〜Uは、調光モードにおける調光調色カーブ情報である。このときユーザは、ダイヤル11の操作により、好みの調光を行うことができる。
カーブQは、例えば色温度選定モードにおいて、指標12の角度を0°に設定することで選択可能である。カーブQのとき、照明は電球色である。
カーブRは、例えば色温度選定モードにおいて、指標12の角度を75°に設定することで選択可能である。カーブRのとき、照明は電球色と昼白色の中間である。
カーブSは、例えば色温度選定モードにおいて、指標12の角度を150°に設定することで選択可能である。カーブSのとき、照明は昼白色である。
【0043】
カーブTは、例えば色温度選定モードにおいて、指標12の角度を225°に設定することで選択可能である。カーブTのとき、照明は昼白色と昼光色の中間である。
カーブUは、例えば色温度選定モードにおいて、指標12の角度を300°に設定することで選択可能である。カーブUのとき、照明は昼光色である。
このように、スイッチ13のオン直後のみ色温度を選定するようにした。これにより、通常時は従来の調光器と同様に動作するので、ユーザに戸惑いを与えることがなくなる。また、スイッチ13のオン直後の特定の動作により、色温度を選定することが可能となる。
【0044】
図8は、第3の実施形態における調光調色カーブ情報の選択処理のフローチャートである。
情報判断部23は、
図8に示す処理により、色温度選択処理を呼び出す。
図8の選択処理は、電源オン時に呼び出されて実行される。
ステップS30において、情報判断部23は、タイマ21を設定すると共に、タイマ21により時間(第3所定時間)のカウントを開始する。
ステップS31において、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12が選択モード開始の位置であるエリア#2に位置しているか否かを判断する。情報判断部23は、指標12がエリア#2に位置していたならば、ステップS32に進み、指標12がエリア#1、#3に位置していたならば、
図8の処理を終了する。
【0045】
ステップS32において、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12が選択モード開始の位置であるエリア#2に位置しているか否かを判断する。情報判断部23は、指標12がエリア#2に位置していたならば、ステップS33の処理に進み、指標12がエリア#1、#3に位置していたならば、ステップS34の処理に進む。
ステップS33において、情報判断部23は、タイマ21によりタイムアウト(第3所定時間の経過)を判断する。情報判断部23は、タイムアウトしていないと判断したならば(No)、ステップS32の処理に戻り、タイムアウトしていると判断したならば(Yes)、
図8の処理を終了する。
【0046】
ステップS34において、情報判断部23は、タイマ21を設定すると共に、タイマ21により時間のカウントを開始する。ここで設定する時間は、例えば3秒などである。
ステップS35において、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12の往復回数をカウントする。ここで往復回数とは、ダイヤル11の指標12がエリア#1からエリア#3に移動したのちにエリア#1に戻る回数、または、エリア#3からエリア#1に移動したのちにエリア#3に戻る回数をいう。
ステップS36において、情報判断部23は、タイマ21によりタイムアウト(第3所定時間の経過)を判断する。情報判断部23は、タイムアウトしていないと判断したならば(No)、ステップS35の処理に戻り、タイムアウトしていると判断したならば(Yes)、ステップS37の処理に進む。
【0047】
ステップS37において、情報判断部23は、カウントした往復回数を判断する。情報判断部23は、カウントした往復回数が2回であったならば、色温度選択処理ステップS38(
図9参照)を呼び出し、カウントした往復回数が1回または3回以上であったならば、
図8の処理を終了する。具体的にいうと、ユーザは、ダイヤル11の指標12を2回だけ往復させると色温度選択処理を呼び出す。
色温度選択処理ステップS38を終了すると、調光調色制御装置20は調光モードに遷移する。ユーザがダイヤル11の指標12を調整すると、調光調色制御装置20は、調光のみを行う。
なお、
図8のステップS34において、情報判断部23は、タイマ21を再設定しているが、これに限定されず、この処理を実行しなくてもよい。このとき、情報判断部23は、ステップS30で設定したタイマの時間により、往復回数をカウントする。
【0048】
図9は、色温度選択処理のフローチャートである。
ステップS40において、情報判断部23は、全ての色温度が再現される調色カーブに設定する。
ステップS41において、情報判断部23は、タイマ21を設定すると共に、タイマ21により時間(第4所定時間)のカウントを開始する。
【0049】
ステップS42において、情報判断部23は、タイマ21によりタイムアウト(第4所定時間の経過)を判断する。情報判断部23は、タイムアウトしていないと判断したならば(No)、ステップS42の処理に戻る。このときにユーザがダイヤル11の指標12を調整すると、調光調色制御装置20は、設定された調色カーブに基づき、色温度で照明を制御する。情報判断部23は、タイムアウトしていると判断したならば(Yes)、ステップS43の処理に進む。
ステップS43において、情報判断部23は、選択された色温度に基づいて調光カーブを選択し、
図9の処理を終了する。以降、調光調色制御装置20は調光モードに遷移する。ユーザがダイヤル11の指標12を調整すると、調光調色制御装置20は、調光のみを行う。調光モードに遷移したのちは、従来の調光装置と同様に動作するので、ユーザに戸惑いを与えることがなくなる。
【0050】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(f)のようなものがある。
(a)
図5に示した選択処理のフローチャートによれば、ステップS15,S21において、タイマ21により第1所定時間(例えば3秒)の経過を判断したとき、情報判断部23は、往復回数に基づいて調光調色カーブを選択している。しかし、これに限られず、往復回数が所定回数(2回または3回)であることをカウントしたならば、すぐさま調光調色カーブを選択してもよい。これにより、第1所定時間のタイムアウトを待たずとも、すぐさま選択した調光調色カーブを適用することができる。
【0051】
(b) タイマ21の設定とカウントを開始する条件は、ダイヤル11の指標12がエリア1からエリア2へ移動したときであってもよい。この場合、往復回数をカウントする条件は、エリア#2⇒#3⇒#2⇒#1⇒#2となる。
(c) タイマ21の設定とカウントを開始する条件は、ダイヤル11の指標12がエリア3からエリア2へ移動したときであってもよい。この場合、往復回数をカウントする条件は、エリア#2⇒#1⇒#2⇒#3⇒#2となる。
【0052】
(d) 照明装置の調光調色カーブの選択は、第1所定時間内のダイヤル11の指標12の所定値(所定間隔:例えば90度)以上の正方向移動と負方向移動との往復動作の繰り返し回数に基づいて実施してもよい。これにより、ダイヤル11に指標12が物理的に刻印されていなくても、ユーザは、所定間隔の往復動作によって容易に調光調色カーブを切り替えることができる。
(e) 照明装置の調光調色カーブの選択は、第1所定時間内における調光器10の出力信号の変化の繰り返し回数に基づいて実施してもよい。これにより、任意の調光器に対応可能とすることができる。
市販されている調光器は、調光器のダイヤルの指標位置と出力信号の変化との対応関係は様々である。具体的にいうと、例えばAC電圧を制御する調光器は、ダイヤルの指標位置を最小に絞ったときでも所定の明るさで照明するように、所定の最小電圧を出力するものや、この最小電圧を設定可能なものが存在する。このような調光器を用いた場合でも、調光器の出力信号の変化を検知して、その繰り返し回数に基づいて調光調色カーブを選択することにより、本発明を適用可能である。
【0053】
(f) 上記実施形態で、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12の往復回数に応じた調光調色カーブを選択する。しかし、これに限られず、情報判断部23は、ダイヤル11の指標12の往復回数ごとに、複数の調光調色カーブから順番に選択してもよい。情報判断部23は、例えば、ダイヤル11の指標12をエリア#1とエリア#3との間を2回往復させる度に、カーブA⇒B⇒C⇒D⇒A…のように順番に選択してもよい。これにより、第1所定時間内に3回の往復することなしにカーブBやカーブDを選択可能となり、手の力の弱い老人や子供や障碍者でも容易に操作可能となる。
【0054】
(g) 調光調色制御装置20は、調光器10のスイッチ13をオンした直後の所定期間(第2所定時間:例えば10秒)に限り、調光器10のダイヤル11の特定の操作に基づき、照明装置の調光調色カーブを選択するように構成してもよい。これにより、通常の調光操作時に誤って調光調色カーブを変更することがなくなる。
【0055】
(h) 調光器10は、ダイヤル11の代わりに、スライド式やタッチ式の操作部を設けて、上記実施形態と同様な操作情報を生成するものであってもよい。