(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
操作対象物の手動操作に対してアクチュエータにより補助力を付与している場合において、操作範囲の終端位置(ドアの全開位置や全閉位置など)付近で、操作対象物の移動速度が速いと、操作対象物が終端位置に到達したときに、衝撃が生じる。また、終端位置付近で、アクチュエータの駆動力が大きくても、操作対象物が終端位置に到達したときに、衝撃が生じる。
【0007】
本発明の課題は、操作対象物が手動で操作されて操作範囲の終端位置に到達したときに、衝撃が生じるのを防止することができる操作補助制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による操作補助制御装置は、操作対象物の位置を検出する位置検出部と、位置検出部が検出した位置の時間変化に基づいて、操作対象物の移動速度を算出する速度算出部と、位置検出部が検出した位置と速度算出部が算出した移動速度とに基づいて、アクチュエータの駆動を制御するための制御値を算出する制御値算出部とを備え、
制御値算出部が算出した制御値に基づいて、アクチュエータの駆動を制御して、操作対象物の操作に対して補助力を付与する。この構成において、制御値算出部が算出した制御値を、位置検出部が検出した位置
が操作対象物の操作範囲の終端付近に到ると、小さく制限する制御値制限部
と、制御値を制限するための値であって、操作対象物の位置に応じた第1制限値を記憶する記憶部とがさらに設けられる。制御値制限部は、位置検出部が検出した位置に応じた第1制限値を記憶部から読み出し、第1制限値と所定の第1最大制御値のうち最小値を制限値とし、この制限値と制御値算出部が算出した制御値のうち最小値を制限後の制御値として出力する。記憶部に記憶された第1制限値は、操作対象物の位置が操作範囲の終端付近に到ると小さくなるように設定されていてもよい。
【0009】
上記によると、操作対象物が手動で操作されて操作範囲の終端位置付近に到ると、アクチュエータの駆動を制御するための制御値が、制御値制限部により小さく制限されて、該制限後の制御値に基づいてアクチュエータの駆動が制御される。このため、終端位置付近で、操作対象物の移動速度とアクチュエータの駆動力が大きくなるのを抑えて、操作対象物が終端位置に到達したときに、衝撃が生じるのを防止することができる。
【0011】
または、本発明では
、操作対象物の位置に応じた制限速度を記憶する記憶部を
設けてもよい。この場合、制御値制限部は、位置検出部が検出した位置に応じた制限速度を記憶部から読み出して、該制限速度と速度算出部が算出した移動速度とに基づいて、前記制御値を制限するための第2制限値を算出し、該第2制限値と所定の第1最大制御値のうち最小値を制限値とし、該制限値と制御値算出部が算出した制御値のうち最小値を制限後の制御値として出力
する。また、記憶部に記憶された制限速度は、操作対象物の位置が操作範囲の終端付近に到ると小さくなるように設定されていてもよい。
【0012】
または、本発明では
、操作対象物の位置に応じた第1制限値と制限速度とを記憶する記憶部を
設けてもよい。この場合、制御値制限部は、位置検出部が検出した位置に応じ
た第1制限値と制限速度とを記憶部から読み出し、該制限速度と速度算出部が算出した移動速度とに基づいて第2制限値を算出し、第1制限値と第2制限値と所定の第1最大制御値のうち最小値を制限値とし、さらに該制限値と制御値算出部が算出した制御値のうち最小値を制限後の制御値として出力
する。また、記憶部に記憶された第1制限値と制限速度とは、操作対象物の位置が操作範囲の終端付近に到ると小さくなるようにそれぞれ設定されてもよい。
【0013】
また、制御値制限部は、速度算出部が算出した移動速度と記憶部から読み出した制限速度とを比較し、該比較結果と、移動速度と、制限速度と、所定の第2最大制御値とに基づいて、第2制限値を算出してもよい。
【0014】
また、本発明では、上記操作補助制御装置において、アクチュエータに流れる電流を検出する電流検出部をさらに備え、制御値算出部は、位置検出部が検出した位置と、速度算出部が算出した移動速度と、電流検出部が検出した電流とに基づいて、前記制御値を算出してもよい。
【0015】
また、本発明では、上記操作補助制御装置において、アクチュエータを駆動するための駆動部をさらに備え、制御値算出部は、前記制御値として、駆動部からアクチュエータに対して出力する電圧値を算出してもよい。
【0016】
さらに、本発明では、操作対象物は車両のバックドアから成り、アクチュエータは、モータから成り、操作補助制御装置は、バックドアの手動による開閉操作に対して、モータにより補助力を付与するパワーバックドア制御装置から構成してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作対象物が手動で操作されて操作範囲の終端位置に到達したときに、衝撃が生じるのを防止することができる操作補助制御装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0020】
まず、本実施形態の構成を、
図1および
図2を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、パワーバックドア制御装置10の構成を示した図である。
図2は、バックドア30の一例を示した図である。
【0022】
図1において、パワーバックドア制御装置10は、モータ7とBD(バックドア)開閉機構8とバックドア30とともに、パワーバックドアシステム100に組み込まれている。このパワーバックドアシステム100は、自動四輪車に搭載されている。
【0023】
パワーバックドア制御装置10は、
図2の車体31に設けられている。バックドア30を開閉させるためのBD開閉機構8は、車体31やバックドア30に設けられている。モータ7は、BD開閉機構8の動力源であり、車体31に設けられている。
【0024】
バックドア30は、
図2に示すように、自動四輪車の車体31の後面に設けられた、跳ね上げ式のドアから成る。バックドア30は、上端部にある回転軸32を中心にして、下端部が上方へ揺動することで開いて行き、逆に下端部が下方へ揺動することで閉まって行く。
図2では、全閉位置にあるバックドア30を実線で示し、全開位置にあるバックドア30を1点鎖線で示し、全閉位置と全開位置の間の中間位置にあるバックドア30を2点鎖線で示している。
【0025】
バックドア30は、下端部や把持部(図示省略)をつかんで、手動で開閉操作することができる。バックドア30が手動で開閉操作された場合に、パワーバックドア制御装置10は、モータ7により補助力を付与して、操作者が小さな力でバックドア30を開閉操作できるようにする(パワーアシスト処理)。
【0026】
また、パワーバックドア制御装置10は、モータ7を正転または逆転で駆動して、BD開閉機構8を作動させ、バックドア30を自動で開閉させる(オート開閉処理)。
【0027】
パワーバックドア制御装置10は、本発明の「操作補助制御装置」の一例である。バックドア30は、本発明の「操作対象物」の一例である。モータ7は、本発明の「アクチュエータ」の一例である。
【0028】
パワーバックドア制御装置10には、制御部1、モータ駆動部2、操作部3、車両通信部4、パルス発生器5、および全閉・全開検出SW(スイッチ)6が備わっている。
【0029】
制御部1は、マイクロコンピュータから成る。制御部1には、記憶部11、位置検出部12、速度算出部13、およびパワーアシスト制御部14が設けられている。
【0030】
記憶部11はメモリから構成されている。記憶部11には、後述するように、モータ7の駆動を制御するための情報が記憶されている。
【0031】
位置検出部12、速度算出部13、およびパワーアシスト制御部14は、たとえばソフトウェアにより構成されている。他の例として、これら各部12〜14をハードウェアにより構成してもよい。
【0032】
モータ駆動部2は、モータ7をPWM(パルス幅変調)信号で駆動するためのドライブ回路から成る。制御部1は、モータ駆動部2によりモータ7の駆動を制御する。モータ駆動部2には、モータ7に流れる電流(以下、「モータ電流」という。)を検出する電流検出部2aが設けられている。電流検出部2aによるモータ電流の検出は、適宜または所定の周期で行われる。モータ駆動部2は、本発明の「駆動部」の一例である。
【0033】
操作部3は、自動四輪車の運転席、車体後部、または遠隔操作機に設けられたスイッチや通信回路などから成る。操作部3には、バックドア30の開閉または停止を指示するために操作されるBD開閉SW(スイッチ)3aが設けられている。
【0034】
車両通信部4は、車両側ECU(電子制御装置)40とCAN(Controller Area Network)などにより通信するための回路から成る。
【0035】
パルス発生器5は、たとえば2相式のロータリエンコーダから成り、モータ7またはBD開閉機構8に設けられている。パルス発生器5は、モータ7の回転状態またはBD開閉機構8の作動状態に応じて、位相がずれた2つのパルス信号を制御部1へ出力する。
【0036】
モータ7の回転状態、BD開閉機構8の作動状態、およびバックドア30の開閉状態は連動している。このため、制御部1の位置検出部12は、パルス発生器5から出力される2つのパルス信号を検出し、該パルス信号に基づいてバックドア30の開閉位置(以下「ドア位置」という。)を検出する。
【0037】
速度算出部13は、位置検出部12が検出したドア位置の時間変化に基づいて、バックドア30の開閉移動速度(以下「ドア速度」という。)を算出する。位置検出部12によるドア位置の検出と、速度算出部13によるドア速度の算出とは、適宜または所定の周期で随時行われる。
【0038】
全閉・全開検出SW(スイッチ)6は、車体31の後部に設けられている。全閉・全開検出SW6は、バックドア30が全閉したことと全開したこととを検出して、検出信号を制御部1へ出力する。位置検出部12は、全閉・全開検出SW6からの出力信号に基づいて、バックドア30が全閉位置または全開位置にあることを検出する。
【0039】
制御部1は、BD開閉SW3aの操作に応じて、モータ駆動部2を介してモータ7の駆動を制御して、オート開閉処理を実行する。具体的には、制御部1は、BD開閉SW3aの開閉操作に応じて、モータ駆動部2によりモータ7を回転させる。また、制御部1は、BD開閉SW3aの停止操作に応じて、モータ駆動部2によりモータ7を停止する。これにより、バックドア30が自動で開閉したり、停止したりする。
【0040】
また、制御部1は、速度算出部13が算出したドア速度に基づいて、バックドア30が手動で開閉操作されたことを検出する。具体的には、BD開閉SW3aの操作に応じてモータ7の駆動を制御していないときに、速度算出部13が算出したドア速度が0でなければ、制御部1は、バックドア30が手動で開閉操作されたと判断する。また、制御部1は、位置検出部12が検出したドア位置の変化に基づいて、バックドア30の手動操作方向が開方向か閉方向かを判断する。
【0041】
制御部1がバックドア30の手動開閉操作が有ったことを検出すると、パワーアシスト制御部14が、モータ駆動部2を介してモータ7の駆動を制御して、パワーアシスト処理を実行する。
【0042】
次に、パワーアシスト処理の詳細を、
図3〜
図10を参照しながら説明する。
【0043】
図3は、パワーアシスト処理の詳細を示した制御ブロック図である。各ブロック15〜18は、たとえばパワーアシスト制御部14が実行するソフトウェアにより構成されている。他の例として、これら各ブロック15〜18をハードウェアにより構成してもよい。
【0044】
バックドア30が手動で開閉操作されて、パワーアシスト制御部14がパワーアシスト処理を開始すると、まず、目標電流算出部15が、位置検出部12で検出されたドア位置と、速度算出部13で算出されたドア速度とに基づいて、目標電流を算出する。
【0045】
次に、出力電圧算出部16が、電流検出部2aで検出されたモータ電流と、目標電流算出部15で算出された目標電流とに基づいて、モータ駆動部2からモータ7に出力する出力電圧Va(制限前の出力電圧)を算出する。このとき、出力電圧算出部16は、たとえばモータ電流が目標電流に近づくように、出力電圧Vaを算出する。出力電圧Vaは、モータ7の駆動を制御するための値であって、本発明の「制御値」の一例である。出力電圧算出部16は、本発明の「制御値算出部」の一例である。
【0046】
次に、出力電圧制限部17が、図示しないバッテリなどの電源から供給される電源電圧Vbと、ドア位置と、ドア速度と、出力電圧算出部16で算出された出力電圧Vaとに基づいて、出力電圧制限処理を実行する。この出力電圧制限処理により、出力電圧Vaが制限される。出力電圧制限部17は、本発明の「制御値制限部」の一例である。電源電圧Vbは、本発明の「第1最大制御値」の一例である。
【0047】
図4は、第1実施形態による出力電圧制限処理の詳細を示した制御ブロック図である。各ブロック17a〜17dは、たとえばパワーアシスト制御部14が実行するソフトウェアにより構成されている。他の例として、これら各ブロック17a〜17dをハードウェアにより構成してもよい。
【0048】
出力電圧制限処理が開始されると、第1制限電圧設定部17aが、位置検出部12で検出されたドア位置に基づいて、第1制限電圧Vc1を設定する。第1制限電圧Vc1は、本発明「第1制限値」の一例である。
【0049】
図5は、バックドア30の開操作時の第1制限電圧Vc1を示した図である。
図6は、バックドア30の閉操作時の第1制限電圧Vc1を示した図である。これら開操作時と閉操作時の第1制限電圧Vc1は、モータ7への出力電圧を制限するための値であって、バックドア30の開閉位置に応じて予め設定されて、記憶部11(
図1)にテーブル方式などでそれぞれ記憶されている。
【0050】
図5に示すように、バックドア30の開操作時の第1制限電圧Vc1は、バックドア30の開閉位置が全閉位置から開方向へ向かう一定範囲にあるときは、大きな一定値で推移し、その後徐々に低下して行って、全開位置付近の一定範囲に到達すると、小さな一定値で推移する。
【0051】
図6に示すように、バックドア30の閉操作時の第1制限電圧Vc1は、バックドア30の開閉位置が全開位置から閉方向へ向かう一定範囲にあるときは、大きな一定値で推移し、その後徐々に低下して行って、全閉位置付近の一定範囲に到達すると、小さな一定値で推移する。
【0052】
第1制限電圧設定部17aは、バックドア30の手動操作方向と、位置検出部12で検出されたドア位置とに応じて、記憶部11から第1制限電圧Vc1を読み出して、比較器17c(
図4)へ出力する。
【0053】
また、出力電圧制限処理が開始されると、第2制限電圧設定部17bが、位置検出部12で検出されたドア位置と、速度算出部13で算出されたドア速度とに基づいて、第2制限電圧Vc2を設定する。第2制限電圧Vc2は、本発明「第2制限値」の一例である。
【0054】
図7は、バックドア30の開操作時の制限速度と第2制限電圧Vc2を示した図である。
図8は、バックドア30の閉操作時の制限速度と第2制限電圧Vc2を示した図である。これら開操作時と閉操作時の制限速度は、モータ7への出力電圧を制限するための値であって、バックドア30の開閉位置に応じて予め設定されて、記憶部11(
図1)にテーブル方式などでそれぞれ記憶されている。また、開操作時と閉操作時の第2制限電圧Vc2は、モータ7への出力電圧を制限するための値であって、制限速度とドア速度などに基づいて設定される。
【0055】
図7に示すように、バックドア30の開操作時の制限速度は、バックドア30の開閉位置が全閉位置から開方向へ向かう一定範囲にあるときは、大きな一定値で推移し、その後徐々に低下して行って、全開位置付近の一定範囲に到達すると、小さな一定値で推移する。
【0056】
図8に示すように、バックドア30の閉操作時の制限速度は、バックドア30の開閉位置が全開位置から閉方向へ向かう一定範囲にあるときは、大きな一定値で推移し、その後徐々に低下して行って、全閉位置付近の一定範囲に到達すると、小さな一定値で推移する。
【0057】
第2制限電圧設定部17bは、バックドア30の手動操作方向と、位置検出部12で検出されたドア位置とに応じて、記憶部11から制限速度を読み出す。
【0058】
次に、第2制限電圧設定部17bは、記憶部11から読み出した制限速度を所定の係数により補正する。詳しくは、制限速度から所定の係数(αまたはβ)を減算して、補正値(制限速度−α、制限速度−β)とする。そして、第2制限電圧設定部17bは、その補正値と速度算出部13で算出されたドア速度(実速度)とを比較し、該比較結果、ドア速度、制限速度、および図示しない電源から供給される電源電圧の最大値Vmaxに基づいて、第2制限電圧Vc2を算出する。
【0059】
詳しくは、ドア速度が上記補正値より遅い場合(ドア速度<制限速度−α、ドア速度<制限速度−β)、第2制限電圧設定部17bは、電源電圧の最大値Vmaxを第2制限電圧Vc2とする。すなわち、
開操作時および閉操作時の第2制限電圧Vc2=電源電圧の最大値Vmax
【0060】
一方、ドア速度が上記補正値以上である場合(ドア速度≧制限速度−α、ドア速度≧制限速度−β)、第2制限電圧設定部17bは、電源電圧の最大値Vmaxを所定の係数(αまたはβ)で除算するとともに、制限速度からドア速度を減算する。そして、その除算値と減算値とを乗算した値を第2制限電圧Vc2とする。すなわち、
開操作時の第2制限電圧Vc2=(電源電圧の最大値Vmax÷α)×(制限速度−ドア速度)
閉操作時の第2制限電圧Vc2=(電源電圧の最大値Vmax÷β)×(制限速度−ドア速度)
【0061】
電源電圧の最大値Vmaxは、予め記憶部11に記憶された値であって、本発明の「第2最大制御値」の一例である。第2制限電圧設定部17bは、上記のように設定した第2制限電圧Vc2を比較器17c(
図4)へ出力する。
【0062】
比較器17cは、電源電圧Vbと、第1制限電圧設定部17aで設定された第1制限電圧Vc1と、第2制限電圧設定部17bで設定された第2制限電圧Vc2のうち、最小値を選出する。そして、比較器17cは、その最小値を制限電圧Vcとして、飽和処理部17dへ出力する。制限電圧Vcは、本発明の「制限値」の一例である。
【0063】
飽和処理部17dは、出力電圧算出部16(
図3)が算出した制限前の出力電圧Vaと、比較器17cが出力した制限電圧Vcのうち、最小値を選出する。そして、飽和処理部17dは、その最小値を制限後の出力電圧Vdとして出力する。制限後の出力電圧Vdは、本発明の「制限後の制御値」の一例である。
【0064】
飽和処理部17dから出力された制限後の出力電圧Vdは、
図3の出力電圧制限部17からデューティ算出部18に入力される。デューティ算出部18は、制限後の出力電圧Vdと電源電圧Vbとに基づいて、モータ7をPWMで制御するためのデューティ比を算出する。そして、モータ駆動部2が、デューティ算出部18で算出されたデューティ比のPWM信号でモータ7を駆動することにより、バックドア30の開閉操作に対して補助力が付与される。
【0065】
図9は、バックドア30の開操作時の制限電圧Vcと出力電圧Vdの変化を示した図である。
図10は、バックドア30の閉操作時の制限電圧Vcと出力電圧Vdの変化を示した図である。
【0066】
上述したように
図3および
図4の処理が実行されることで、
図9および
図10に示すように、バックドア30の手動開閉操作時に、モータ駆動部2からモータ7へ出力される出力電圧Vdが制限電圧Vcより小さく抑えられる。また、バックドア30の位置が操作範囲の終端位置(全開位置または全閉位置)の付近に到ると、出力電圧Vdがそれまでより小さく制限される。このため、終端位置付近で、バックドア30の移動速度とモータ7の駆動力が大きくなるのを抑えて、バックドア30が終端位置に到達したときに、衝撃が生じるのを防止することができる。
【0067】
また、ドア位置とドア速度とモータ電流に基づいて、出力電圧Vaを算出し、ドア位置に基づく第1制限電圧Vc1と、ドア位置とドア速度に基づく第2制限電圧Vc2とに基づいて、出力電圧Vaを制限している。このため、バックドア30の操作位置、操作速度、および操作力に応じて、モータ7への出力電圧Vdを決定し、モータ7により操作補助力を付与することができる。
【0068】
また、第1制限電圧Vc1および制限速度は、ドア位置が操作範囲の終端付近に到るまでは、大きな値に設定され、ドア位置が操作範囲の終端付近に到ると、小さい値に設定されている。そして、第2制限電圧Vc2は、制限速度とドア速度に基づいて、ドア位置が操作範囲の終端付近に到るまでは、大きな値に設定され、ドア位置が操作範囲の終端付近に到ると、小さい値に設定される。また、第2制限電圧Vc2は、ドア速度が制限速度より速ければ、小さく制限され、ドア速度が制限速度以下であれば、小さく制限されない。このため、ドア位置が操作範囲の終端付近に到るまでは、バックドア30の移動速度やモータ7の駆動力をあまり小さく制限せず、ドア位置が操作範囲の終端付近に到ると、バックドア30の移動速度やモータ7の駆動力を確実に小さく制限することができる。
【0069】
図4に示した第1実施形態では、出力電圧Vaを制限するために、第1制限電圧Vc1と第2制限電圧Vc2を用いたが、このうち一方を用いて出力電圧Vaを制限してもよい。詳しくは、以下のとおりである。
【0070】
図11は、第2実施形態による出力電圧制限処理の詳細を示した制御ブロック図である。第2実施形態では、出力電圧Vaを制限するために、電源電圧Vbと第1制限電圧Vc1を用いる。前述したように、第1制限電圧設定部17aは、ドア位置に応じた第1制限電圧Vc1を記憶部11から読み出して、比較器17cへ出力する。比較器17cは、電源電圧Vbと第1制限電圧Vc1のうち、最小値を選出して、該最小値を制限電圧Vcとして飽和処理部17dへ出力する。飽和処理部17dは、制限前の出力電圧Vaと制限電圧Vcのうち、最小値を選出して、該最小値を制限後の出力電圧Vdとして出力する。
【0071】
図12は、第3実施形態による出力電圧制限処理の詳細を示した制御ブロック図である。第3実施形態では、出力電圧Vaを制限するために、電源電圧Vbと第2制限電圧Vc2を用いる。前述したように、第2制限電圧設定部17bは、ドア位置に応じた制限速度を記憶部11から読み出して、制限速度とドア速度と電源電圧の最大値Vmaxなどに基づいて、第2制限電圧Vc2を設定して、比較器17cへ出力する。比較器17cは、電源電圧Vbと第2制限電圧Vc2のうち、最小値を選出して、該最小値を制限電圧Vcとして出力する。飽和処理部17dは、制限前の出力電圧Vaと制限電圧Vcのうち、最小値を選出して、該最小値を制限後の出力電圧Vdとして出力する。
【0072】
上記第2および第3実施形態でも、バックドア30の手動開閉操作時に、モータ7への出力電圧Vdが制限電圧Vcより小さく抑えられる。また、バックドア30の位置が操作範囲の終端位置付近に到ると、出力電圧Vdがそれまでより小さく制限される。このため、終端位置付近で、バックドア30の移動速度とモータ7の駆動力が大きくなるのを抑えて、バックドア30が終端位置に到達したときに、衝撃が生じるのを防止することができる。
【0073】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、モータ7の駆動を制御するための制御値として、モータ駆動部2からモータ7に対して出力する電圧値Va、Vdを用いた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえばモータの回転数、モータに流す電流、モータへの駆動指令値、または補助力などのような、他の制御値を用いてもよい。
【0074】
また、以上の実施形態では、パルス発生器5と全閉・全開検出SW6の出力に基づいて、位置検出部12がバックドア30の開閉位置を検出した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、センサやスイッチからの出力、モータに流れる電流、またはモータに流れる電流に含まれるリップルの周波数などに基づいて、位置検出部がバックドアの開閉位置を検出してもよい。
【0075】
また、以上の実施形態では、跳ね上げ式のバックドア30を例に示したが、本発明はこれのみに限定するものではなく、これ以外の方式のバックドアを用いてもよい。
【0076】
さらに、以上の実施形態では、自動四輪車のパワーバックドア制御装置10に本発明を適用した例を挙げたが、これに限るものではない。たとえばスライドドアを開閉させるパワースライドドア制御装置のような操作補助制御装置に対しても、本発明を適用することは可能である。また、モータ以外のアクチュエータにより操作補助力を付与する操作補助制御装置に対しても、本発明を適用することは可能である。