【実施例】
【0028】
以下に、本発明の好適な適用例について説明する。なお、実験例3が本発明の実施例に相当し、実験例1,2,4が比較例に相当する。
【0029】
[実験例1〜3]
粉末化工程としての高圧Arガスアトマイズ法で作製したCu−Zr合金粉末を用い、これらを106μm以下に篩い分けした。Zrの含有量は、1at%、3at%、5at%とし、それぞれ実験例1〜3の合金粉末とした。合金粉末の粒度は、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−3000J)を用いて測定した。この粉末の酸素含有量は0.100mass%であった。焼結工程としてのSPS(放電プラズマ焼結)は、SPSシンテックス(株)製放電プラズマ焼結装置(Model:SPS−3.2MK−IV)を用いて行った。50×50×10mmのキャビティを持つ黒鉛型内に粉末225gを入れ、3kA〜4kAの直流パルス通電を行い、昇温速度0.4K/s、焼結温度1173K(約0.9Tm;Tmは合金の融点)、保持時間15min、加圧30MPaで実験例1〜3の銅合金(SPS材)を作製した。得られたSPS材を切削加工して直径10mm、長さ50mmの丸棒材とし、これを伸線加工した。スウェージング、溝ロールおよびローラーダイスを組み合わせ、923Kでの中間焼鈍を途中6回繰り返しながら、直径1mm(伸線加工度η=4.6)から、最小直径0.037mm(伸線加工度η=11.2)まで冷間線加工を行った。得られたものを実験例1〜3の銅合金伸線材とした。なお、ここでは、伸線加工度η=A
0/A(A
0は加工前、Aは加工後の断面積)とし、伸線加工度η=0、4.6、5.2、7.0、8.0、10.5および11.2で順次、伸線加工を行った。
【0030】
[実験例4〜6]
銅鋳型鋳造法で銅合金を作製した。Cu−4at%Zr銅合金、Cu−4.5at%Zr銅合金、およびCu−5.89at%Zr銅合金をそれぞれ実験例4〜6とした。まず、上記含有量となるZrと残部CuとからなるCu−Zr二元系合金をArガス雰囲気下でレビテーション溶解した。次に、直径10mmの丸棒状のキャビティを彫り込んだ純銅鋳型に塗型をし、約1200℃の溶湯を注湯して丸棒インゴットを鋳造した。このインゴットについて、マイクロメーターで直径を測定して、直径が10mmであることを確認した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを常温で、順次穴径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径が1mmとなるように伸線加工を行い、実験例4〜6の伸線材を得た。このとき、伸線速度は20m/minとした。この銅合金線材について、マイクロメーターで直径を測定して、直径が1mmであることを確認した。
【0031】
(ミクロ組織の観察)
ミクロ組織の観察は、走査型電子顕微鏡(SEM)と走査型透過電子顕微鏡(STEM)、およびナノビーム電子線回折法(NBD)を用いて行った。
【0032】
(XRD測定)
化合物相の同定は、Co−Kα線を用いてX線回折法により行った。
【0033】
(電気的特性評価)
得られた実験例のSPS材および伸線材の電気的性質は、常温においてプローブ式導電率測定および長さ500mmでの四端子法電気抵抗測定によって調べた。導電率はJISH0505に準じて銅合金の体積抵抗を測定し、焼き鈍した純銅の抵抗値(1.7241μΩcm)との比を計算して導電率(%IACS)に換算した。換算には、以下の式を用いた。導電率γ(%IACS)=1.7241÷体積抵抗ρ×100。
【0034】
(機械特性評価)
また機械的性質は、島津製作所製AG−I(JIS B7721 0.5級)精密万能試験機を用いてJISZ2201に準じて測定した。そして、最大荷重を銅合金線材の初期の断面積で除した値である引張強さを求めた。
【0035】
(Cu−Zr化合物相の特性評価)
実験例3の銅合金に含まれるCu−Zr化合物相に対してヤング率E及びナノインデンテーション法による硬さHの測定を行った。測定装置は、Agilent Technologies社製Nano Indenter XP/DCMを用い、インデンターヘッドとしてXP、圧子をダイヤモンド製バーコビッチ型を用いた。また、解析ソフトはAgilent Technologies社のTest Works4を用いた。測定条件は、測定モードをCSM(連続剛性測定)とし、励起振動周波数を45Hz、励起振動振幅を2nm、歪速度を0.05s
-1、押し込み深さを1000nm、測定点数Nを5、測定点間隔を5μm、測定温度を23℃、標準試料をフューズドシリカとした。サンプルをクロスセクションポリッシャ(CP)により断面加工を行い、熱溶融性接着剤を用いて試料台及びサンプルを100℃、30秒加熱してサンプルを試料台に固定し、これを測定装置に装着してCu−Zr化合物相のヤング率E及びナノインデンテーション法による硬さHを測定した。ここでは、5点測定した平均値をヤング率E及びナノインデンテーション法による硬さHとした。
【0036】
(結果と考察)
(銅合金粉末)
高圧Arガスアトマイズ法で作製したCu−5at%Zr合金粉末(これはその後106μm以下に篩分けした)の断面SEM−BEI像を
図2に示す.粒子径は36μmであった。急冷によって凝固途中で終結したと思われるデンドライトが観察された。2次DAS(Dendrite Arm Spacing)を任意の4ヶ所で測定し、その平均値を求めると0.81μmであった。この値は、銅鋳型鋳造法で作製したCu−4at%Zr合金の2.7μmに比べて1桁小さく、急冷効果を示している。この粉末では、多少凝集した状態が観察されたが、噴霧チャンバー壁への衝突で生じるフレーク状のものは取り除かれて少なかった。Cu−1、Cu−3、Cu−5at%Zr合金粉末の平均粒子径は、それぞれ26μm、23μmおよび19μm、標準偏差は0.25μm、0.28μmおよび0.32μmであった。どの組成の粒子径も、測定限界の1μmから106μmまでの範囲でほぼ対数正規分布していた。次に、Cu−5at%Zr合金粉末をX線回折法で調べた結果を
図3に示す。母相であるα−Cu相と共晶相内のCu
5Zr化合物相のX線回折ピークが観測された。また、これ以外に、Cu−Zr系化合物相としては、Cu
9Zr
2と思われる回折ピークが若干量観測された。
【0037】
(SPS材)
図4は、Cu−Zr合金粉末をSPSした角板のSEM−BEI像であり、
図4(a)がCu−1at%Zr合金、
図4(b)がCu−3at%Zr合金、
図4(c)がCu−5at%Zr合金である。
図4に示したSPS材の組織は、均一で緻密な二相組織となっていた。これは、特許文献2〜4にある銅鋳型鋳造法で作製したCu−Zr合金の鋳造組織とは異なるものである。このような二相組織は、こののちに伸線加工又は圧延加工を行う上で良好な加工性を期待することができる。これは急冷された粉末粒子をSPSによる固相結合して生成した組織での最大の特徴といえる。また、実験例3のSPS材の各相をSEM−EDX分析すると、灰色の母相内ではCuと痕跡程度のZrが検出され、α−Cu相であることが分かった。一方、白色の第二相内で分析したZrの量は16.9at%であった。実験例3のSPS材では、化学量論的にもCu
5Zr化合物相(Zr比は16.7at%)とよく一致し、第二相はCu
5Zr化合物を含むことが分かった。すなわち、粉末材で観察されたCu
5Zr化合物相は、SPS後も維持されていた。また、
図4に示したCu−1、3、5at%Zr合金のSPS材の比重をアルキメデス法に測定した結果、それぞれ8.92、8.85および8.79であり、SPS材は十分、緻密化していることがわかった。
【0038】
図5は、Cu−5at%Zr合金(実験例3のSPS材)のFE−SEM像であり、
図5(a)が実験例3のSPS材をツインジェット法による電解研磨をして薄膜とした試料のFE−SEM像であり、
図5(b)が
図5(a)のArea−AをSTEM観察したBF像であり、
図4(c)が
図4(b)のArea−BをSTEM観察したBF像である。また、
図5(d)が
図5(c)のPoint−1のNDBパターン、
図5(e)が
図5(c)のPoint−2のNDBパターン、
図5(f)が
図5(c)のPoint−3のNDBパターンである。ツインジェット法による電解研磨では、電解液には硝酸30体積%とメタノール70体積%の混合液を用いた。この電解研磨によると、Cu相のエッチングレートが速いことにより二相組織が顕著に観察できた。図中に示した矢印で挟まれる曲線上には粉末粒子界面の痕跡が残り、この界面に沿って酸化物と思われる微細な粒子が点在していた。この他の視野においては、このような粒子界面からCu相内に向かって走る双晶が観察され、またごく僅かではあるが大きさ50〜100nmのボイドの存在も確認された。
図5(b)のα−Cu相内には、黒いCu
5Zr化合物を含む相がモザイク状に分散していた。Cu相内には転位は僅かしか見られず、十分な回復または再結晶して粗大化したと思われる組織を呈していた。
図5(c)では、粉末粒子界面に沿って、大きさ約30〜80nmの酸化物粒子が点在していた。
【0039】
図5(c)に示したPoint−1〜3の矢印先端をEDX点分析した結果を表1に示す。Point1は、Cu
5Zr化合物相であるものと推定された。また、Point−2はCu相であった。この、Point−2の測定結果では、分析精度上の理由から今回は検出できなかったが、0.3at%程度に過飽和状態のZrを含んでいるものと推定された。一方、Point−3の棒状酸化物の分析結果からは、この酸化物がCuとZrとを含む複合的な酸化物であることが分かった。
図5(d)〜(f)に示すように、それぞれd1、d2およびd3で示した異なる回折斑点が得られており、これらから求めた格子面間隔を表2に示す。表2には、比較としてこれまで亜共晶組成のCu−0.5〜5at%Zr合金線材で観察された、Cu
5Zr、Cu
9Zr
2及びCu
8Zr
3化合物と、Cu、Cu
8O
7、Cu
4O
3およびCu
2O
2酸化物との特定結晶面で計算した格子定数も示した。Point−1のNBDパターンは、Cu
5Zr化合物の格子定数とほぼ一致した。Point−2では、Cuの格子定数とほぼ一致した。一方、Point−3のNBDパターンは、どのCu酸化物の格子定数とも一致しなかった。したがって、Point−3では、粉末粒子界面上の微小粒子がZr原子を含む複合的な酸化物となっている可能性が考えられた。
図5(a)〜(c)および表2の結果から、Point−1はCu
5Zr化合物単相、Point−2はα−Cu相、Point−3の粒子はCuとZrとを含む酸化物であると分かった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
このように、SPS材で観察されるCu
5Zr化合物は単相であり、銅鋳型鋳造法で作製した試料の共晶相(Cu+Cu
9Zr
2)とは異なっていた。すなわち、粉末材で観察されたα−Cu相と共晶相(Cu+Cu
5Zr)とのデンドライト組織が、SPSによってα−Cu相とCu
5Zr化合物単相との二相組織に変化した。この際に働く機構は、定かではないが、例えば、SPS法で1173Kまでの昇温中およびこの温度での15分保持中に、大電流通電で与えられる巨大な電気エネルギーと加圧によって、Cu原子の急速な拡散移動が起こり、Cu相の回復、動的もしくは静的な再結晶および二次成長を促した結果、二相分離した可能性が考えられる。また粉末粒子表面上の酸化皮膜については、黒鉛型内でのSPSによって還元され、あるいは破壊分断されるものの、活性なZrを含む合金によってしても還元しきれなかったところが酸化物粒子としてSPS材に残存するものと考えられた。
【0043】
図6は、Cu−5at%Zr合金(実験例3のSPS材)のX線回折測定結果である。このSPS材は、粉末材と同様にCu相とCu
5Zr化合物相を含有しており、各回折ピークの位置は粉末に対して僅かに低角度側へシフトしていた。すなわち、SPS材の格子定数が粉末材よりも大きくなっていることを示した。これは、高圧ガスアトマイズ法の急冷によって粉末材に導入された格子歪みが、SPS中の加熱保持により緩和されたことに起因するものと考えられた。
【0044】
図7は、Cu−1、3、5at%Zr合金のSPS材の加圧方向に平行な切断面から採取した試料の引張強度(UTS)および導電率(EC)の測定結果である。Zr量に対して、強度はZr含有量の増加に伴い増加し、導電率はZr含有量の増加に伴い低下した。SPS材の導電率は、例えば、銅鋳型鋳造法で作製したCu−4%Zr合金as−cast材の導電率28%(IACS)に比べて高い値を示した。これは粉末粒子中のCu相同士がSPSによって緻密なネットワーク状に結合したためと考えられた。
【0045】
銅合金に含まれるCu−Zr化合物相の微構造に対して、ヤング率E及びナノインデンテーション法による硬さHを測定した結果を表3に示す。表3に示すように、Cu−Zr化合物相のヤング率Eは、159.5GPaと高く、ナノインデンテーション法による硬さHは、6.336GPaと高かった。なお、この硬さHは、ISO 141577-1 Metallic Materials-Instrumented indentation test for hardness and materials parameters−Part 1:Test Methods, 2002に基づいて、換算式:Hv=0.0924×Hにより、ビッカース硬度Hvに変換すると585程度であった。このCu−Zr化合物相の存在により機械的強度を高めることができるものと推察された。なお、Cu−14.2at%Zr合金についても同様に測定したが、Cu−Zr化合物相のヤング率Eは176.8GPa、硬さHは9.216GPaと更に高かった。
【0046】
【表3】
【0047】
(銅合金伸線材)
直径10mmのCu−1、3、5at%Zr合金のSPS材を断線することなく、伸線加工度η=4.6、直径1mmまで伸線加工することができた。銅鋳型鋳造法で作製した5at%のZrを含む銅合金においては、伸線加工がしにくいのに対し、SPS材では伸線加工することができた。なお、今回の銅鋳型鋳造法で作製した5.89at%のZrを含む銅合金(実験例6)では、断線が生じ、伸線加工できなかった。
図8は、伸線加工度η=4.6の銅合金伸線材のSEM−BEI像である。
図8に示すように、Cu相とCu
5Zr化合物相とが伸線軸(D.A.)方向にそれぞれ伸長した組織が観察された。なお、
図8に点在する黒点は研磨材の残存であり、ボイドの発生などは観察されなかった。
図9は、伸線加工度η=4.6のCu−5at%Zr銅合金伸線材の引張強度、0.2%耐力および導電率の測定結果である。引張強度と0.2%耐力は、どちらも3回測定した平均値とした。伸線材の引張強度、0.2%耐力は、いずれもSPS材よりも高かった。これはSPS材の二相組織からせん断変形によってCu
5Zr化合物自体の変形と分断が起こり、さらに緻密な二相分散組織に変化したためと考えられる。一方、同程度の加工度で伸線加工した、銅鋳型鋳造法で作製したCu−4at%Zr銅合金伸線材に比して、Cu−5at%Zr銅合金伸線材の値は低かった。これは、前者がCu相と共晶相とがせん断変形し、層状組織が発達しているのに対し、本材の組織ではCu
5Zr化合物単相がせん断変形を強いられ、その変形能に違いがあるため、層状組織の発達が遅れるものと考えられる。さらに、伸線材の導電率は、SPS材よりも高かった。これは、SPS材で見られたネットワーク状のCu相がせん断変形によって伸長したため、互いの接触長さが増えることにより導電率が増加したものと考えられた。これらの導電率は、同程度の加工度で伸線加工した、銅鋳型鋳造法で作製したCu−4at%Zr銅合金伸線材に比べても、約10%IACS高くなっていた。このように、SPS材から伸線加工したCu−1、3、5at%Zr銅合金は、銅鋳型鋳造材から伸線加工する場合よりも高い導電率を持つ線材を得ることができることがわかった。これは、同じ合金組成であっても、SPS法によりネットワーク状につながるα−Cu相とその中でモザイク状に分散するCu
5Zr化合物単相との二相組織を生成することから生じた結果であり、この線材の大きな特徴であるものと考えられた。なお、Cu−14.2at%Zr合金のSPS材についても同様に伸線加工を試みたが、加工性が極めて低く伸線加工できなかった。例えば、Zrの含有量が8.6at%を超えると(
図1の二元系状態図参照)、CuとCu−Zr化合物との共晶相(主相)の中にCu−Zr化合物が存在する組織構造となり、伸線や圧延などの加工性が極端に低下するものと推察された。
【0048】
図10は、Cu−1、3、5at%Zr銅合金伸線材の伸線加工度ηおよびZr含有量Xに対する引張強度(UTS)および導電率(EC)の測定結果である。
図10に示すように、実験例1〜3の銅合金伸線材は、伸線加工度ηの増加に伴い、引張強度が増加する傾向にあることがわかった。また、実験例1〜3の銅合金伸線材は、Zr含有量Xの増加に伴い、引張強度が増加する傾向にあることがわかった。特に、実験例3の銅合金伸線材は、その傾向が顕著であった。また、実験例3の銅合金伸線材は、伸線加工度ηの増加に伴い、導電率が増加する傾向にあることがわかった。すなわち、Zr含有量のより高い、Cu−5at%Zr銅合金の伸線材では、伸線加工度ηを高めると、加工性を高めることができると共に、導電率や引張強度をより高めることができることが明らかになった。
【0049】
SPS法で作製した亜共晶組成Cu−1、3、5at%Zr銅合金を伸線加工した伸線材の組織、電気的・機械的性質を調べ、下記の結果を得た。高圧ガスアトマイズ法で作製した亜共晶Cu−1、3、5at%Zr合金粉末の平均粒子径は、19〜26μmであった。Cu−5at%Zr銅合金粉末では、Cu相と共晶相とのデンドライト組織となり、2次DASは平均0.81μmであった。この粉末のSPS材は、ネットワーク状の回復または再結晶したCu相とモザイク状に分散したCu
5Zr化合物単相との緻密な二相組織に変化した。Cu
5Zr化合物相の量は、Zr量の増加とともに多くなった.Zr添加量の増加に対して、SPS材の引張強度は比例し、導電率は反比例した。Cu−1、3、5at%Zr銅合金(SPS材)から伸線加工した直径1mmの伸線材は、伸長したCu相とCu
5Zr化合物相の緻密な二相組織を呈した。これら線材の強度および導電率は、共にSPS材よりも高い値を示した。特に、Zrの含有量の多い実験例3(Cu−5at%Zr銅合金)においても伸線加工することができた。このネットワーク状の回復または再結晶したCu相とモザイク状に分散したCu
5Zr化合物単相との緻密な二相組織を有すれば、従来の銅鋳型鋳造法などでは伸線加工及び圧延加工がより困難である、例えば、Cu−8at%Zr銅合金など、更にZrの含有量が高い銅合金においても伸線加工及び圧延加工を行うことができるものと推察された。
【0050】
本出願は、2012年11月1日に出願された日本国特許出願第2012−241712号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。