【文献】
TRUSH M A 外2名,Myeloperoxidase as a Biomarker of Skin Irritation and Inflammation,Food and Chemical Toxicology,1994年,Vol.32, No.2,Page.143-147
【文献】
HAY R J、外1名,Dandruff and Seborrhoeic Dermatitis: Causes and Management,Clinical and Experimental Dermatology,1997年,Vol.22,Page.3-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出されたバイオマーカーの前記レベルが、前記バイオマーカーを前記接着物品上のタンパク質の量で除して、又は前記(±)−9−ヒドロキシ−10E,12Z−オクタデカジエン酸及び前記(±)−13−ヒドロキシ−10E,12Z−オクタデカジエン酸については対応する非酸化親脂質の量で除して正規化される、請求項2又は3に記載の方法。
適用前の基準レベルのバイオマーカーと比較したとき、抗真菌毛髪トリートメントの適用後に正規化バイオマーカーの基準からの変化がある、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
適用前の基準バイオマーカーと比較したとき、フケ防止シャンプーの適用後3週間の期間にわたり少なくとも40%の正規化バイオマーカーの減少がある、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
適用前のミエロペルオキシダーゼバイオマーカーの基準レベルと比較したとき、フケ防止シャンプーの適用後3週間の期間にわたりミエロペルオキシダーゼ正規化バイオマーカーの87%の減少がある、請求項4〜8のいずれか一項に記載の方法。
適用前のバイオマーカーの基準レベルと比較したとき、ジンクピリチオンシャンプーの適用後に正規化バイオマーカーの変化がある、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。
適用前のバイオマーカーの基準レベルと比較したとき、硫化セレンシャンプーの適用後に正規化分子バイオマーカーの変化がある、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を特定し明確に請求する請求項により完結しているが、本発明は、以下の説明により、よりよく理解されると考えられる。
【0011】
本発明は、本明細書に記載する本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載する追加若しくは任意の成分、構成成分又は制限事項のいずれも含むことができ、これらからなることができ、又はこれらから本質的になることができる。
【0012】
特に断らない限り、比率、部、及び比は全て、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0013】
以下では、本発明の様々な実施形態の構成成分及び/又は工程を、任意に加えてもよいものを含めて、詳細に記載する。
【0014】
引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【0015】
特に記載しない限り、全ての比率は重量比である。
【0016】
特に記載のない限り、全ての温度は摂氏である。
【0017】
特に指摘される場合を除き、分量、百分率、部分、及び割合を含む全ての量は、「約」という語により修正されていると理解され、量は有効桁を示すことを意図しない。
【0018】
特に記載する場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は、「1以上」を意味する。
【0019】
本明細書において「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が含まれる。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載する発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加若しくは任意の成分、構成成分、工程、又は制限事項のいずれをも含むことができ、これらからなることができ、及びこれらから本質的になることができる。
【0020】
本明細書において「有効な」とは、処置する症状の著しく好ましい改善をもたらすのに十分高い対象活性物質の量を意味する。対象活性物質の有効量は、処置する特定の症状、症状の重さ、処置期間、併用している処置の性質及び同様の要因により変化する。
【0021】
本明細書で使用される用語、生体分子の「示差的レベル」は、任意の増大したレベル又は減少したレベルを含み得る。一実施形態では、示差的レベルは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、又はそれより多く増大したレベルを意味する。別の実施形態では、示差的レベルは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%減少したレベルを意味する。生体分子は、統計的に有意(即ち、スチューデントT試験、ウェルチT試験、又はマッチドペアT試験のいずれかを用いて決定した際に0.2未満のp値(両側))である示差的レベルで発現される。
【0022】
「皮膚」という用語は、脊椎動物の外皮を意味し、2層の細胞、つまり厚い内層(真皮)及び薄い外層(表皮)からなる。表皮は、皮膚の外側の非血管層である。表皮は5層の上皮で構成されており、これらは、内から外へ(1)基底層(表皮基底層)、(2)有棘層(表皮有棘層)、(3)顆粒層(表皮顆粒層)、(4)透明層(表皮透明層)、及び(5)角質層(表皮角質層)である。
【0023】
「サンプル」という用語は、被験者の皮膚又は表皮からの任意の標本を指す。
【0024】
「非侵襲的」という用語は、診断又は治療のために皮膚又は身体開口部に器具又は装置を挿入することを必要としない手順を意味する。
【0025】
「接着デバイス」とは、基材上の接着剤又は接着性物質を用いることにより皮膚の表皮層の除去に用いられるデバイスを意味する。例えば、D−Squame(登録商標)(ポリアクリレートエステル接着剤、CuDerm(Dallas,TX))、Durapor、Sebutape(商標)(アクリル酸ポリマーフィルム、CuDern(Dallas,TX))、Tegaderm(商標)、Ductテープ(333ダクトテープ、Nashuaテープ製品)、Scotch(登録商標)Tape(3M Scotch 810(St.Paul,Minn.)、Diamond(商標)(The Sellotape Company(Eindhoven,Netherlands)、Sentega(商標)(ポリプロピレンテープ、Sentega Eiketten BV(Utrecht,Netherlands)などの接着テープを備える皮膚サンプルを用いることができる。接着剤は、一般に用いられる感圧タイプの接着剤のいずれか又は皮膚含有物(skin content)上で直ちに凝固するもの(シアノアクリレートなど)であってよい。接着剤は、サンプル採取を容易にするために、可撓性又は固形の裏材上にあってよい。定圧装置(例えばDesquame Pressure Instrument(CuDerm(Dallas,TX))を用いて、サンプル採取中に接着デバイスに圧力を加えてよい。
【0026】
組織からのサンプルは、当該技術分野において周知のあらゆる方法によって分離させることができる。サンプルを分離させるための侵襲的方法には、例えば血液採取中の針の使用、並びに様々な組織の生検、ブリスター法及びレーザーポレーションが挙げられる。これらの方法の侵襲的性質が原因で、死亡及び罹患リスクが増加する。更に、侵襲的方法は、皮膚の状態に悪影響を及ぼす場合があり、不正確な結果又は誤った結果をもたらし得る。その上更に、侵襲的方法は、大規模な集団での実行が困難である。侵襲的方法は、参加者に不快感をもたらす場合があり、また感染又は他の副作用の可能性を増大させ得る。本発明は、皮膚から酸化的ストレス及び酸化的損傷のバイオマーカーを測定するための非侵襲的方法を提供する。
【0027】
「客観的に」という用語は、偏り又は先入観がないことを意味する。あるいは、専門家による評価又は自己評価はいずれも、本質的に「主観的」である。
【0028】
「正常化」及び/又は「正常化された」という用語は、フケ患者の集団が、正常な集団の状態に近づく程度を意味する。
【0029】
「正規化」及び/又は「正規化された」という用語は、ミエロペルオキシダーゼの場合、対応する接着剤又は接着物品上で測定されたタンパク質の量に対して表されるバイオマーカーの値を意味する。酸化脂質の場合、正規化は、酸化脂質の値が対応する非酸化親脂質に対して表されることを意味する。例としては、ng酸化脂質/ng親脂質、又はpgミエロペルオキシダーゼ/μg可溶性タンパク質であるが、これらに限定されない。
【0030】
「基準時」という用語は、調査開始時に収集され、調査で見出された変化を測定する基となる情報を意味する。
【0031】
本発明の更なる実施形態では、使用され得る代替の「非侵襲的」サンプル採取法が多く存在する。
【0032】
Sebutape(商標):これは、Sebutape(商標)(アクリルポリマーフィルム、CuDerm(Dallas,TX))が極めて弱い粘着性であり、目に見えて炎症を起こしている皮膚にも不快感を与えずに貼付し、除去することができる、非侵襲的手法である。この技術により回収/アッセイされるバイオマーカーは、タンパク質(例えばサイトカイン)、ペプチド(例えば神経ペプチド)、及び小分子(脂質)を含んだ。従来このテープは、皮脂採集のために製造及び販売され、それゆえ脂質分析に有用であり得る。
【0033】
D−Squame(登録商標):D−Squame(登録商標)テープはポリアクリレートエステル接着剤であり、これもまたCuDermが製造している。このテープは、Sebutape(商標)と同じバイオマーカーの回収に用いられ得るが、特定の表皮構造タンパク質(例えばケラチン、インボルクリン)も除去する。このテープは、全身炎症反応マーカーとしてのコルチゾール及び血清アルブミン、並びに小分子(ヒスタミン)及び角質層脂質の回収にも用いられてきた。
【0034】
カップスクラブ:カップスクラブは通常、緩衝液、非イオン性界面活性剤、又は有機溶媒(例えばエタノール)の存在下で、皮膚の表面から直接的にタンパク質を抽出する。カップスクラブは、主にサイトカインなど可溶性バイオマーカーの回収に用いられるが、有機小分子の回収にも用いることができる。カップスクラブは、テープストリップよりも多くのサイトカインを回収し、定量化することができる。これには、いくつかの理由が考えられる。(a)洗剤の存在及びそれらの液体性質のため、カップスクラブは大概、テープストリップがサンプル採取するのとは異なるタンパク質集団をサンプル採取する。(b)カップスクラブでは、サイトカインは、既に溶液中にあるので、サンプル採集後に更に抽出される必要はない。
【0035】
毛髪プラック:毛髪を引き抜くことは、通常はピンセットで所有者の身体からその要素を機械的に引くことによりヒト又は動物の毛を除去するプロセスである。毛髪プラックの小胞領域は、通常、可溶性タンパク質バイオマーカー、例えばサイトカインの回収のために緩衝液及び非イオン性界面活性剤の存在下で抽出され、また、脂質のような小有機分子の回収のためには有機溶媒で抽出され得る。
【0036】
動物(即ち、イヌ)採集法:D−Squame(登録商標):D−Squame(商標)テープサンプルは、イヌの毛皮を(剃毛せずに)分けて、イヌの皮膚で採集される。皮膚の炎症、分化、及びバリアの完全性に関する様々なバイオマーカー、例えば、総タンパク量、可溶性タンパク質、皮膚多項目同時解析(皮膚MAP)、皮膚サイトカイン、及び角質層脂質(セラミド、コレステロール、脂肪酸)などをテープから分析することができる。
【0037】
本発明の一実施形態では、本発明は、ミエロペルオキシダーゼ及び酸化脂質の分離での使用のためのサンプルを非侵襲的に得るための方法及び分析を提供する。
【0038】
ある実施形態では、かかるサンプル採取を達成するために、接着デバイスが使用されてよい。
【0039】
フケサンプル採取のためのかかるサンプル採取調査に備えて、認定選別員は、基準時訪問で、被験者ごとに粘着性頭皮フレーク化スコア(ASFS)評価を完了させ、テープストリップサンプルの採取に関する最高フレーク化オクタントを識別する。最高フレーク化オクタントは、基準時及び様々な時点でサンプル採取される。テープストリップサンプルは、各時点で各被験者から採集される。
【0040】
テープストリップによるサンプル採取は、必要に応じて同じ部位で追加回数繰り返され、各D−Squame(登録商標)テープディスクを前回サンプル採取した領域の上に置く。サンプル採取後のD−Squame(登録商標)テープは、ラベル付きプレートの適切にラベルが貼られたウェルに入れる。
【0041】
サンプル採取に続いて、抽出及び定量化手順を実行する。本発明の一実施形態では、D−Squame(登録商標)テープサンプルの抽出物からのミエロペルオキシダーゼ及び酸化脂質の定量化は、抗体系イムノアッセイ又はLC/MS/MSのいずれかによる分析により行うことができる。本発明のこの実施形態では、抗体系分析又はLC/MS/MS分析に備えたサンプル抽出が行われた。
【0042】
ミエロペルオキシダーゼ法については、適切な標準抽出緩衝液を各採集管に加え、次いで30分間の超音波処理を用いて氷上で抽出する。各抽出溶液をテープストリップから分離させ、各サンプルのアリコートを96ウェルのポリプロピレンプレートの指定位置に入れる。次に、D−Squame(登録商標)テープサンプルの抽出物のアリコートにアルブミンなど従来の試薬を補充して実験機器の壁に検体が付着して失われるのを防ぐのを助け、96ウェルのポリプロピレンディープウェルプレートに移し、ミエロペルオキシダーゼ分析に備えて−80℃で凍らせる。別個のアリコートには試薬を補充せず、BCA(商標)Protein Assay Kit(Pierceカタログ番号23227)を用いて可溶性タンパク質を分析する。
【0043】
抽出プロセスに続いて、従来の方法を用いてミエロペルオキシダーゼ標準物質及び対照群を調製することができる。ミエロペルオキシダーゼは、Mesoscale Discoveryからのミエロペルオキシダーゼイムノアッセイキットで定量化される。結果は、ミエロペルオキシダーゼの量/テープストリップとして報告するか、ミエロペルオキシダーゼの量をこれもまたテープストリップ抽出物に見られるタンパク質の量で除して正規化することができる。タンパク質法については、別途記載してある。データ分析は、標準的な統計的手法及び計算によって実行する。
【0044】
本発明の更なる実施形態では、接着物品、テープストリップの抽出物からの酸化脂質の定量化は、勾配逆相高速液体クロマトグラフィー及びタンデム質量分析法(HPLC/MS/MS)を用いて実行できる。
【0045】
ヒト被験者の頭皮から得られたテープストリップ(単一又は多数のテープストリップ)を個々のポリプロピレン琥珀色バイアル又はガラス琥珀色バイアルに入れ、次いで、抽出溶媒(0.1%ブチル化ヒドロキシトルエンを含むメタノール、w/v)で10分間の渦動により抽出する。勾配逆相高速液体クロマトグラフィーをタンデム質量分析(HPLC/MS/MS)とともに用いて、頭皮テープストリップの標準物質及び抽出物を分析する。表1に列挙される検体(酸化又は非酸化脂質)及びISTDを、陽イオン電子噴霧(ESI)によりモニターする。シグナルをプロットすることにより標準曲線を構築し、ここで、標準曲線は、各標準対対応する標準の各検体の質量についての、ピーク面積比(ピーク面積検体/ピーク面積ISTD)又はピーク面積検体のみとして定義される。次に、生成した回帰式を用いて、較正標準物質及びヒト頭皮抽出サンプル中の各検体の質量を逆算する。結果は、酸化脂質の質量/テープストリップとして報告するか、又は酸化脂質の量をこれもまたテープストリップ抽出物中に見られた対応する親非酸化脂質の量で除して正規化してもよい。加えて、結果を、テープストリップ抽出物で見られる対応するタンパク質の量で酸化脂質の量を正規化することにより報告してよい。また、正規化は、除去された細胞を採集し、それらを乾燥させ、それらを計量することにより行うことができる。
【0047】
方法の拡張
用いた抽出手順を上述したが、先に概略された多くの工程に用いることができる別の方法が多数存在するが、これらの方法は、論理的拡張である。テープストリップからミエロペルオキシダーゼ及び酸化脂質を分離させるために用いる抽出溶媒は、好適な回収をもたらす、任意の適切な水性、有機、又は有機/水性混合物であってよい。LC/MS/MS及び抗体系イムノアッセイは概して、それらの高選択性及び感度のために生物学的マトリックスでの有機分子の定量分析のための最先端の手法として認識されている。しかし、要求される感度及び選択性を提供する任意の分析法及び/又は他の方法を用いてよい。例えば、キャピラリー電気泳動、超臨界流体及び他のクロマトグラフィー法、並びに/又はこれらの組み合わせを含む、生体分子を評価するための他の方法が使用されてきた。同様に、また、核磁気共鳴分光法、質量分析法、電気化学及び蛍光アッセイを含む、分離法を伴わない器具手法も使用されてきた。更に、競合及び非競合酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)及びラジオイムノアッセイ(RIA)などリガンド結合法又は他の標識化スキームも用いられてきた。酵素系アッセイには、タンパク質分析において長い使用歴がある。細胞系又は組織系の手法のいずれかを用いるバイオアッセイも、検出手段として用いられてきた。本発明の一実施形態では、毛髪プラックからの酸化的ストレス及び酸化的損傷のバイオマーカーの定量化は、テープストリップサンプルで使用されるのと同じ基本的な抽出及び分析法で行うことができる。
【0048】
テープストリップ抽出物のタンパク質測定:
上述の好適な方法を用いて測定した皮膚のテープストリップサンプル上のミエロペルオキシダーゼのレベルは、テープストリップ抽出物に見られるタンパク質の量を用いて正規化することができる。正規化は、テープストリップ抽出物中のタンパク質の量でミエロペルオキシダーゼの量を除して行う。
【0049】
テープストリップ抽出物又は皮膚上でのミエロペルオキシダーゼレベルの測定に用いた等価マトリックス中のタンパク質の量は、文献に記載される様々なタンパク質定量法を用いて測定することができる。かかる方法の例としては、任意の比色分析法、蛍光法、発光法を使用する総窒素定量、総アミノ酸定量、及びタンパク質定量が挙げられる。これらの方法は、タンパク質定量前のテープストリップ抽出物の更なるサンプル調製を含んでも含まなくてもよい。テープストリップ抽出物中のタンパク質定量のための特定の方法の非限定例については、以下に述べる。タンパク質定量法の包括的なレビュー、適用性、及び制限は、リンクwww.piercenet.com/Files/1601669_PAssayFINAL_Intl.pdfからダウンロードできるThermo Scientific Pierce Protein Assay Technical Handbookに記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。タンパク質測定に関する更なる情報は、Redinbaugh,M.G.and Turley,R.B.(1986)「Adaptation of the bicinchoninic acid protein assay for use with microtiter plates and sucrose gradient fractions」Anal.Biochem.153,267〜271に見ることができ、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
ヒトの皮膚からサンプル採取した接着テープについて、BCA(商標)Protein Assay Kit(Pierce)を用いてタンパク質含有物を抽出し、分析する。ヒトの皮膚からサンプル採取したテープストリップは、従来の抽出緩衝液で抽出される。抽出後、テープ抽出物のアリコートを96ウェルのポリプロピレンディープウェルプレートに移し入れ、タンパク質定量に備えて2〜8℃で保管する。
【0051】
BCA(商標)Protein Assay Kitは、ビシンコニン酸(BCA)によるCu
+1の高感度かつ選択的な比色検出に加えて、アルカリ媒質中のタンパク質によるCu
2+のCu
1+への還元に基づいている。2個のBCA分子と1個のCu
1+イオンのキレート化によって形成された紫色の反応生成物は、波長562nmで強い吸光度を示す。光学密度(OD)は、マイクロプレートリーダーを用いて測定する。1ミリリットル当たりのマイクログラム(μg/mL)で表されるウシ血清アルブミン(BSA)の濃度を増加させて、アッセイ中に較正曲線を生成する。BSA原液から調製された適切なアッセイ用QCを用いて、サンプル分析中のアッセイ性能をモニタリングする。
【0052】
本発明の別の実施形態では、タンパク質測定は、SquameScan(登録商標)850A(CuDerm Corporation(Dallas,Texas))を用いたタンパク質測定値など接着剤又は接着物品上のタンパク質を直接測定することにより行うことができる。
【0053】
本発明の更なる実施形態では、追加の酸化的ストレスマーカー(不飽和脂肪酸ヒドロペルオキシド/ヒドロキシド、コレステロールヒドロペルオキシド/ヒドロキシド、及びスクアレンヒドロペルオキシド/オキシド/ヒドロキシドに加えて)としては、以下のものを含み得る。
【0054】
熱ショックタンパク質(Hsp)27
Hsp27の細胞保護特性は、その活性酸素種を調節する能力及びグルタチオンレベルを上昇させる能力からもたらされる。
【0055】
熱ショックタンパク質27(HSP27)は、小分子量熱ショックタンパク質(HSP)ファミリー(12〜43kDa)に属する。HSP27及び小HSPファミリーの他のメンバーは、保存されたc末端ドメイン、α−クリスタリンドメインを共有するが、これは脊椎動物の眼のレンズのα−クリスタリンと同一である[1]。HSP27は最初に、損傷したタンパク質の適切な再折り畳みを促進するタンパク質シャペロンとして熱ショックに応答して特定された。HSP27の継続調査は、このタンパク質が熱ショック以外の細胞ストレス条件、例えば酸化的ストレス及び化学的ストレスに応答することを明らかにした。酸化的ストレス中、HSP27は、抗酸化剤として機能して、細胞内グルタチオンレベルを上昇させ細胞内鉄レベルを低下させることにより活性酸素種(ROS)のレベルを低下させる。
【0056】
タンパク質の酸化的修飾
生物系におけるタンパク質の酸化は、システイニルチオールの自発的自動酸化、タンパク質の活性酸素種(ROS)との相互作用、及びオキシダーゼにより触媒される意図的かつ制御された反応により起こる。タンパク質のROSとの反応は、システイン、メチオニン、チロシン、フェニルアラニン、及びトリプトファン残基の酸化をもたらし得る。メチオニン酸化はメチオニンスルホキシドの測定により、チロシンの酸化は形成されるジチロシン量により、フェニルアラニンの酸化はo−チロシン及びm−チロシンの形成によりモニターされ、トリプトファン残基の酸化は、N−ホルミルクヌレニン、キヌレニン、及び/又はキノリン酸をモニターすることにより追跡される。また、アルブミンcys34残基の共有結合的及び酸化的修飾は、軽い酸化的ストレスの特異的バイオマーカーであることが示唆されている。通常、これらのタンパク質修飾付加残基は、完全な酵素加水分解又は化学消化後に測定される。
【0057】
タンパク質は、主にリジン、プロリン、及びアルギニン残基から形成されるタンパク質カルボニル基の形成を伴う酸化経路により修飾され得る。リジンは、酸化的脱アミノ化により2−アミノアジピン酸セミアルデヒド(AASA)を形成し、グルタミン酸セミアルデヒド(GSA)は、プロリン及びアルギニン残基の酸化により形成される。AASA及びGSAは、それぞれ6−ヒドロキシ−2−アミノカプロン酸及び5−ヒドロキシ−2−アミノ吉草酸をもたらす還元後に検出することができる。タンパク質カルボニル化は、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンでの誘導後にELISA系手法によっても測定することができる。
【0058】
加えて、タンパク質は、多価不飽和脂肪酸の酸化から形成されるα,β−不飽和アルケナールとの反応による酸化経路のために(「不飽和アルケナールのタンパク質との反応生成物及びメルカプツール酸経路」を参照のこと)、並びに初期糖化付加物(EGA)及び糖との後期糖化生成物(AGE)の形成により(「EGA及びAGE」を参照のこと)、修飾することができる。
【0059】
DNA酸化及びヒドロキシル化ヌクレオチド
1
DNA損傷は概して、酸化的ストレスの1つの物差しであり、主な理由は、内因性活性酸素種(ROS)により引き起こされるフリーラジカル損傷のためである。無傷のDNAへの酸化的損傷は、COMETアッセイを用いて測定することができる。酸化的損傷は、8−オキソデオキシグアノシン(8−oxodG)とも呼ばれる8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8-hydroxydexoygaunosine)(8OHdG)、4,6−ジアミノ−5−ホルム−アミドピリミジン(FapyAde)、及び2,6−ジアミノ−4−ヒドロキシ−5−ホルムアミドピリミジン(FapyGua)を含む、種々のヒドロキシル化ヌクレオチドをモニターすることにより測定することができる。
【0060】
イソプロスタン
1
イソプロスタンは、アラキドン酸(AA)及びω−3−エイコサペンタエン酸(EPA)などの多価不飽和脂肪酸(PUFA)のフリーラジカル触媒酸化から形成される一連のプロスタグランジン様アイソマーであり、典型的にPUFAの酸化はリン脂質形態に起こる。AA酸化に由来するイソプロスタンは、F型プロスタン環(F
2−イソプロスタンと呼ばれる)をもたらし、5−F
2−シリーズIsoP、8−F
2−シリーズIsoP、12−F
2−シリーズIsoP、及び15−F
2−シリーズIsoPs8−シリーズを生じさせる。同様に、D/E−環及びA/J環イソプロスタンも、AAから形成される。F
3−ファミリーのイソプロスタン(Isoprosanes)はEPAから同様に形成され、5−F
3−シリーズ、8−F
3−シリーズ、11−F
3−シリーズ、12−F
3−シリーズ、15−F
3−シリーズ、及び18−F
3−シリーズイソプロスタンを生じさせる。
【0061】
α,β不飽和アルデヒド
1
多価不飽和脂肪酸の酸化は、酸化的ストレスに応答して起こることが多く、脂肪酸ヒドロペルオキシドのラジカル駆動形成をもたらし、これは、更なる反応を経て、生物学系で広い多様性のα,β−不飽和アルケナール、例えばマロンジアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、4−ヒドロキシノネナール、4−ヒドロキシヘキセナール、及び4−オキソ−ノネナールを得ることができる。これらのα,β−不飽和アルケナールは、酸化的ストレスのバイオマーカーとして使用されている。
【0062】
α,β−不飽和アルケナールのタンパク質との反応生成物及びメルカプツール酸経路
α,β−不飽和アルケナールは、反応性求電子試薬であり、ヘキサノイル−リジン、ヘキサノイル−ヒスチジン、Ne−(3−メチルピリジニウム)リジンなどの後期リポキシド化最終生成物(ALE)と呼ばれる共有結合タンパク質付加物などの数多くの求核化合物と、及びメルカプツール酸化合物(グルタチオン、システイン、及びメルカプツール酸)と生成物を形成して、チオエーテル(例えば1,4−ジヒドロノンメルカプツール酸、3−ヒドロキシプロピルメルカプツール酸、及びカルボキシエチルメルカプツール酸)を形成する。
【0063】
初期糖化付加物(EGA)及び後期糖化最終生成物(AGE)
タンパク質の糖化は、集合的にメイラード反応と呼ばれる非酵素複合体シリーズの並発及び連続反応であり、全ての組織及び体液で起こる。糖化付加物は、グルコースと、反応性α−オキソアルデヒド、例えばグリオキサール、メチルグリオキサール、及び3−デオキシグルコソン、並びにその他の糖類誘導体と、のタンパク質の反応により形成することができる。糖化の初期段階反応は、フルクトシル−リジン及びN−末端アミノ酸残基由来フルクトサミンの形成をもたらし、初期糖化付加物(EGA)と呼ばれる。後期段階反応は、後期糖化最終生成物と呼ばれる安定な最終段階付加物、例えばモノリシル付加物(カルボキシメチルリジン(CML)、カルボキシエチルリジン(CEL)、及びピラリン)、モノバリル付加物(カルボキシメチルバリン(CMV)及びカルボキシエチルバリン(CEV))、ヒドロイミダゾロン、ビス(リシル)イミダゾリウム架橋(GOLD、MOLD、DOLD)、及びリジンとアルギニンとの架橋に由来するペントシジンを形成する。EGA及びAGEは、タンパク質がタンパク質分解により分解されたとき又はタンパク質が化学溶解により分解されたとき、放出される。AGEの形成及び蓄積は、加齢関連疾患の進行に関係付けられてきた。ここ20年間にわたる研究は、加齢に関連付けられる疾患のほとんどでAGEを暗示している。CMLは、加齢、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病におけるタンパク質への酸化的ストレス及び長期損傷の一般的マーカーであり得る。
【0064】
酸化的ストレスのバイオマーカーとしての抗酸化剤
1
内因性抗酸化剤は、ラジカル機構により引き起こされる酸化的損傷の制御において鍵となる防御的役割を果たす。鍵となる内因性抗酸化剤は、アスコルビン酸(AsA)、グルタチオン(GSH)、α−トコフェロール、及びコエンザイムQ10(CoQ)を含む。これらの内因性酸化還元(酸化及び還元形態)抗酸化剤のレベルの変化は、酸化的ストレスの測定値として使用することができる。
【0065】
(
1)Biomarkers for Antioxidant Defense and Oxidative Damage:Principles and Practical Applications;G.Aldini,K−J Yeum,E.Niki and R.M.Russell編集(Wiley−Blackwell、Iowa、2010)、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0066】
酸化的ストレス及び酸化的損傷を評価するための基本的手順
被験者を、頭皮の状態を確立するために認定検査員により評価する。フケ被験者について、認定検査員により評価される眼に見えるフレーク化のレベルを特定する。非フケの健康な頭皮の被験者は、各バイオマーカーの正常化レベルを確立するために基準時で評価される。被験者は、2つの別個の臨床研究(調査番号1及び調査番号2)において認定検査員によって認定された。調査番号1には、基準時のMPOレベルで評価される60人の非フケ被験者が含まれる。119人のフケ患者に1% ZPT含有フケ防止シャンプーを適用し、115人のフケ患者に1%硫化セレン含有フケ防止シャンプーを適用し、60人のフケ被験者にフケ防止有効成分を含有しない非フケシャンプーを適用した。被験者を基準時、並びに製品使用の1週間後、2週間後、及び3週間後のMPOレベルについて評価する。調査番号2には、基準時の酸化脂質で評価される30人の非フケ被験者が含まれる。60人のフケ被験者にフケ防止シャンプーを適用し、60人のフケ被験者にフケ防止有効成分を含有しない非フケシャンプーを適用した。被験者を基準時、及び製品使用の3週間後に再び酸化脂質について評価した。
【0067】
被験者は、フケ防止シャンプーを使用する治療期間前に、コンディショニング剤を含まない従来の非フケシャンプーを使用する2週間の休薬期間を経る。フケ被験者は、フケ防止シャンプー(ジンクピリチオン又は硫化セレンを含有するシャンプー組成物)又はフケ防止有効成分を含まない非フケシャンプーで3週間の治療期間を受け、テープストリップサンプルを認定検査員による基準時訪問で決定される最高フレーク化オクタントから採集する。フケ被験者については、頭皮のテープストリップを、基準時及び製品治療後に回収する。非フケ被験者については、頭皮テープストリップは、基準時にのみ回収する。テープは、抽出されるまで−80℃に保つ。フケが関与する部位は、髪を分け、D−Squame(登録商標)テープ(CuDerm Corporation)を貼付し、必要に応じてテープを擦りつけることによりサンプル採取される。非フケ被験者については、フレークのない部位をサンプル採取する。テープは、予めラベル付けされた12ウェルの培養皿に入れて保管する。
【0068】
サンプルは従来の抽出緩衝液を用いて抽出し、氷上で超音波処理する。次いで、D−Squame(登録商標)テープサンプルの抽出物のアリコートを、予めラベル付けされたポリプロピレン採集管に移し、−80℃で凍結して、MPO及び酸化脂質について分析する。別個のアリコートを、MPO抽出物についてのBCA(商標)Protein Assay Kit(Pierceカタログ番号23227)を用いた可溶性タンパク質分析のために定める。
【0069】
抽出後、サンプルを、抗体系イムノアッセイにより又はLC/MS/MSによりミエロペルオキシダーゼ及び酸化脂質について分析する。次いで、化合物について定量化した相対値を、ミエロペルオキシダーゼについて上記に概略されるBCAタンパク質アッセイにより決定される抽出物の可溶性タンパク質量に対して、又は酸化脂質の対応する親非酸化脂質の量により正規化した。フケ防止シャンプー治療群からのサンプルについては基準時及び治療後に、並びに非フケ群については基準時のみについて、分析を行う。マッチドペアT試験を非フケ(健康)、フケ基準時、及びフケ治療被験者間の相違を分析するために使用した。フケ治療被験者を、非フケと比較して、フケ防止製品で治療した際の正常化の程度を決定した。
【0070】
結果の概要
データの統計分析:データは、基準時及び治療後のフケ被験者並びに基準時の非フケ被験者について収集した。被験者間並びに被験者内(基準時→治療)での検体レベルの大幅な多様性を考慮すると、分析前にデータをlog10スケールに変換することがより効率的である。統計分析は、同等のlog10比値(即ち、log10(第3週/基準時)に基づいて実行した。次に、報告された最終結果を元のスケール(又は、基準時値からの%変化)に再変換して、解釈を容易にする。全ての統計分析は、SAS JMP(バージョン7.0.2)ソフトウェアを用いて実行した。統計的有意性の判定には、p値は≦0.20(両側)を用いた。
【0071】
図1のデータは、フケ被験者MPOレベルが、非フケ被験者レベルより著しく高かったことを示す(p値は=0.0005)。上述の好適な方法を用いて測定したヒト頭皮のテープストリップサンプル上のMPOレベルは、テープストリップの抽出物に見られるタンパク質の量を用いて正規化することができる。MPOレベルを独立した非フケ群から測定して、正常な皮膚MPOレベルを定める。MPOレベルの正規化は、MPOレベルをテープストリップ抽出物中のタンパク質の量で割ることにより行う。
【0072】
図2のデータは、基準レベルと比較して、1週間のフケ防止シャンプーでの治療後にMPOレベルの77%の減少、2週間の治療後に87%の減少、及び3週間の期間にわたり89%の減少があったことを示す(p値<0.0001)。MPOの減少は、レベルを非フケ集団と比較することにより示される改善と一致する。フケ防止シャンプーは、全ての治療時点で非フケシャンプーと比較して顕著な改善を示した(p値<0.0001)。これらのMPOレベルは、テープストリップ抽出物中のタンパク質の量で正規化されている。
【0073】
図3のデータは、フケ防止治療が上記の
図1で説明される非フケ群のレベルまでMPOレベルを回復させたことを示す。フケに悩む人々は正常な状態及び/又は健康的な状態に戻ることを望むため、これは、効果を伝える有用な手段である。
【0074】
図4のデータは、フケ被験者HODEレベルが、非フケ被験者レベルより著しく高かったことを示す(p値<0.001)。
図4のデータは、フケ被験者SQOOHレベルが、非フケ被験者レベルより著しく高かったことを示す(p値=0.13)。上術の好適な方法を用いて測定されるヒト頭皮のテープストリップサンプル上の酸化脂質は、酸化脂質をテープストリップ抽出物中のその対応する親非酸化脂質で除して正規化することができる。HODEレベルは、HODEレベルをテープ抽出物中のリノール酸の量で除して正規化されており、SQOOHは、テープストリップ抽出物中のスクアレンの量で除して正規化されている。
【0075】
図5のデータは、基準時と比較したフケ防止シャンプーでの3週間の治療後に測定された正規化酸化リノール酸(HODE)の顕著な減少を示す(p値<0.01)。減少は、レベルを非フケ集団と比較することにより示される改善と一致する。フケ防止シャンプーは、非フケシャンプーと比較して顕著な改善を示した(p値=0.005)。
図5のデータは、基準時と比較したフケ防止シャンプーでの3週間の治療後に測定された正規化スクアレンヒドロペルオキシドの顕著な減少を示す(p値<0.01)。減少は、レベルを非フケ集団と比較することにより示される改善と一致する。フケ防止シャンプーは、非フケシャンプーと比較して顕著な改善を示した(p値=0.013)。
【0076】
特定の実施形態では、そのような性能評価は、フケ防止組成物での治療前後の被験者の皮膚の健康状態を比較するために有利であり得る。例えば、いくつかのフケ防止組成物は、被験者が特定のフケ防止組成物又はレジメンに切り替え、それを維持する場合に、被験者が経験する軽減をより速いスピードに促進することができる。被験者の特定の皮膚の健康利益の客観的測定を可能にする評価は、特定のフケ防止組成物又はレジメンでの治療前の被験者の状態と、被験者が特定のフケ防止組成物又はレジメンに切り替えた後と、の比較を可能にすることができる。加えて、このような評価は、特定の治療又はレジメンが促進する特定の皮膚の健康利益の主張を支持する支持証明ツールとして使用することができる。例えば、特定の組成物又はレジメンが、掻痒の症状を減少させることを促進する場合、本明細書に開示される評価は、掻痒からの被験者の不快感が減少されたことを示すという、特定の健康利益の主張を支持するために使用することができる。フケ防止組成物及びレジメンにより利益を受け得る皮膚の健康の要素としては、掻痒、フレーク化、刺激、皮膚バリア完全性、乾燥、酸化的ストレス及び酸化的損傷、自己防御、自然な保護を含むが、これらに限定されない。
【0077】
また、多くの分析の結果は、特定の製品、製品の組み合わせ、及び技術の有効性を促進するためのマーケティング情報又は広告情報としても使用することができる。本発明により具体化され得る製品包装上に置かれ得る広告の主張の例としては、確立の主張(例えば「臨床的に証明された」又は「試験が示す」)、前後の主張(例えば「使用後に50%フケが減った」)、単項の主張、比較の主張、倍数の主張(例えば「フケが3倍減少」)、並びに予防及び治療の主張を含むが、これらに限定されない。例えば、製品包装は、分析について言及し、製品の客観的に証明された有効性又は比較を示してもよい。また、分析データは、異なる製品又は製品群と組み合わせて使用され得る又は使用され得ない異なるレジメンと関連した臨床情報で使用してもよい。
【0078】
更なる実施形態としては、適用前のバイオマーカーの基準レベルと比較したとき、ジンクピリチオンシャンプーの適用後に正規化バイオマーカーの変化がある場合が挙げられる。別の実施形態では、適用前のバイオマーカーの基準レベルと比較したとき、硫化セレンシャンプーの適用後に正規化分子バイオマーカーの変化がある。更なる実施形態では、治療後に正常集団と比較して少なくとも5%の皮膚健康の改善を確立するバイオマーカーの測定値が存在し得る。更なる実施形態では、治療後に正常集団と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、及び更に100%の皮膚健康の改善が存在し得る。別の実施形態では、フケ被験者と非フケ被験者(治療なし)との間で少なくとも5%の差が存在し得る。更に、フケ被験者と非フケ被験者との間の少なくとも10%の差、フケ被験者と非フケ被験者との間の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%の差、及び更にフケ被験者と非フケ被験者との間の100%以上の差が存在し得る。
【0079】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0080】
「発明を実施するための形態」で引用する全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本明細書中の用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献中の同一用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本明細書においてその用語に与えられた意味又は定義を適用する。
【0081】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。