特許第6296706号(P6296706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296706
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】有機発光表示パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/12 20060101AFI20180312BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180312BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20180312BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20180312BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20180312BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   H05B33/12 B
   H05B33/14 A
   H05B33/22 Z
   H05B33/10
   H05B33/22 A
   H05B33/22 C
   H01L27/32
   G09F9/30 365
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-118038(P2013-118038)
(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公開番号】特開2014-63719(P2014-63719A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2016年5月30日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0105410
(32)【優先日】2012年9月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金 載勳
(72)【発明者】
【氏名】金 聖雄
【審査官】 中山 佳美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−192215(JP,A)
【文献】 特開2012−109138(JP,A)
【文献】 特開2003−257650(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/109877(WO,A1)
【文献】 特開2011−171268(JP,A)
【文献】 特開2004−361491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50−51/56
H01L 27/32
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板上に複数個の第1電極を含む第1電極層を形成する段階と、
前記複数個の第1電極を各々露出させる複数個の開口部及び上面の一部が上方に延伸するように形成された隔壁を含む画素定義膜を形成する段階と、
前記複数個の第1電極及び前記画素定義膜をカバーする第1共通層を形成する段階と、
前記複数個の開口部に対応する領域に液相の有機発光物質を提供して複数個の有機発光パターンを含む有機発光層を形成する段階と、
前記有機発光層上に第2電極層を形成する段階と、を含み、
前記隔壁は、前記有機発光層の上面よりも上方に突出し、
前記第2電極層は、前記隔壁の上部において前記第1共通層上に配置され、
平面上において前記隔壁は、前記複数個の開口部を囲み、
前記隔壁は、前記複数個の開口部のいずれかの開口部に提供された液状の有機発光物質が、前記いずれかの開口部に隣接した他の開口部に溢れることを防止し、
前記画素定義膜を形成する段階は、
前記ベース基板上に前記複数個の第1電極をカバーする基底膜を形成する段階と、
前記複数個の開口部に対応する透過領域、前記隔壁に対応する遮断領域、及び前記透過領域と前記遮断領域に隣接する半透過領域を含むマスクを使用して前記基底膜をパターニングする段階と、を含む有機発光表示パネルの製造方法。
【請求項2】
前記有機発光層を形成する段階と前記第2電極層を形成する段階との間に前記有機発光層をカバーする第2共通層を形成する段階をさらに含む請求項1に記載の有機発光表示パネルの製造方法。
【請求項3】
前記有機発光層を形成する段階で、
前記複数個の開口部に対応する領域の中で一部の領域と他の一部領域には互に異なる液相の有機発光物質が提供されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示パネルの製造方法。
【請求項4】
前記第1共通層は、正孔注入層と正孔輸送層との中で少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示パネルの製造方法。
【請求項5】
前記第2共通層は、電子注入層と電子輸送層との中で少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項2に記載の有機発光表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光表示パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は有機発光表示パネルとこれを制御する駆動部を含む。前記有機発光表示パネルは複数個の画素を含む。前記複数個の画素の各々は有機発光素子を具備する。前記有機発光素子は光を放出する有機発光パターン及び前記有機発光パターンへ駆動電圧を印加する電極を含む。また、前記有機発光パターンと前記電極との間に共通層が配置される。
【0003】
前記複数個の画素の中で一部と他の一部は互に異なる物質で構成された有機発光パターンを含む。例えば、一部の有機発光パターンは赤色を発光するための物質を含み、他の一部の有機発光パターンは緑色を発光するための物質を含み、その他の一部の有機発光パターンは青色を発光するための物質を含む。その他の一部の有機発光パターンは白色を発光するための物質を包含することもあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2011−0105534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は画素不良が減少された有機発光表示パネルと、前記有機発光表示パネルの製造方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、有機発光表示パネルはベース基板、第1電極層、画素定義膜、第1共通層、有機発光層、及び第2電極層を含む。前記第1電極層は前記ベース基板上に配置された複数個の第1電極を含む。前記画素定義膜は前記複数個の第1電極を各々露出させる複数個の開口部を含む。前記第1共通層は前記複数個の第1電極及び前記画素定義膜をカバーする。前記有機発光層は前記複数個の第1電極に各々重畳する複数個の有機発光パターンを含み、前記第1共通層上に配置される。前記第2電極層は前記有機発光層上に配置される。
【0007】
前記画素定義膜と前記第1共通層の中でいずれか1つは一面から突出された隔壁を含んでもよい。前記隔壁は前記画素定義膜又は前記第1共通層と同一な物質で構成されてもよい。
【0008】
前記複数個の第1電極は行列形態に配列され、前記隔壁は行方向に延長された第1部分と列方向に延長された第2部分を含んでもよい。前記第1部分と前記第2部分は一体の形状を有することができる。前記第1部分は平面上で前記複数個の第1電極の中で前記列方向に隣接する2つの電極の間に複数個が配置され得る。前記第2部分は平面上で前記複数個の第1電極の中で前記行方向に隣接する2つの電極の間に複数個が配置され得る。
【0009】
前記第1共通層は前記正孔注入層及び前記正孔注入層上に配置された正孔輸送層を含んでもよい。前記隔壁は前記正孔輸送層から突出され得る。前記隔壁は前記正孔輸送層と同一な物質で構成されてもよい。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、有機発光表示パネルの製造方法はベース基板上に第1電極層を形成する段階と、前記複数個の第1電極を各々露出させる複数個の開口部を含む画素定義膜を形成する段階と、第1共通層を形成する段階と、複数個の有機発光パターンを含む有機発光層を形成する段階と、第2電極層を形成する段階と、を含む。
【0011】
前記第1共通層は前記複数個の第1電極及び前記画素定義膜をカバーし、前記複数個の開口部に対応する領域に液相の有機発光物質を提供して前記複数個の有機発光パターンを形成すてもよい。
【0012】
前記画素定義膜又は前記第1共通層は一面から突出された隔壁を含んでもよい。マスクを使用して前記隔壁を形成してもよい。
【0013】
前記隔壁を含む前記画素定義膜を形成する段階は前記ベース基板上に前記複数個の第1電極をカバーする基底膜を形成する段階と、前記複数個の開口部に対応する透過領域、前記隔壁に対応する遮断領域、及び前記透過領域と前記遮断領域に隣接する半透過領域を含むマスクを使用して前記基底膜をパターニングする段階を含んでもよい。
【0014】
前記隔壁を含む前記第1共通層を形成する段階は前記ベース基板上に前記複数個の第1電極をカバーする基底膜を形成する段階と、前記隔壁に対応する遮断領域、及び前記遮断領域に隣接する透過領域又は半透過領域を含むマスクを使用して前記基底膜をパターニングする段階を含んでもよい。
【0015】
前記基底膜は正孔注入物質で構成された第1層及び前記第1層上に積層され、正孔注入物質で構成された第2層を包含することができる。前記隔壁は前記第2層の一部の領域が厚さ方向に一部除去されて形成されてもよい。
【0016】
前記有機発光層を形成する段階と前記第2電極層を形成する段階との間に前記有機発光層をカバーする第2共通層を形成する段階をさらに包含できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、画素不良が減少された有機発光表示パネルと、前記有機発光表示パネルの製造方法とが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による有機発光表示装置のブロック図である。
図2図1に図示された画素の等価回路図である。
図3】本発明の一実施形態による表示パネルの平面図である。
図4図3のI−I’に対応する断面図である。
図5A】本発明の一実施形態による表示パネルの平面図である。
図5B】本発明の一実施形態による表示パネルの平面図である。
図5C】本発明の一実施形態による表示パネルの平面図である。
図6A】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図6B】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図6C】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図6D】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図6E】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図6F】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図6G】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図6H】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図7】本発明の一実施形態による表示パネルの平面図である。
図8図7のI−I’に対応する断面図である。
図9】本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。
図10A】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図10B】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図10C】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図10D】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図10E】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図10F】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図10G】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
図10H】本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
図面では様々な層及び領域を明確に表現するために一部構成要素のスケールを誇張するか、或いは縮小して示した。明細書の全体に掛けて類似な参照符号は類似な構成要素を称する。そして、いずれかの層が他の層の‘上に’形成される(配置される)ことは、2層が接している場合のみならず、2層の間に他の層が存在する場合も含む。また、図面でいずれかの層の一面が平らに図示されたが、必ず平らであることを要求しなく、積層工程で下部層の表面形状によって上部層の表面に段差が発生することもあり得る。また、以下で‘ライン’という用語は導電性物質からなされた信号配線を意味する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態による有機発光表示装置のブロック図であり、図2図1に図示された画素の等価回路図である。
【0022】
図1を参照すれば、本発明の実施形態による有機発光表示装置は有機発光表示パネル(DP、以下、表示パネル)、タイミング制御部100、走査駆動部200、及びデータ駆動部300を含む。
【0023】
前記表示パネルDPはベース基板(BS:図4参照)、前記ベース基板BS上に配置された複数個の走査ラインS1〜Sn、複数個のデータラインD1〜Dm、及び複数個の画素PX11〜PXnmを含む。複数個の画素PX11〜PXnmは、前記複数個の走査ラインS1〜Snとの中で対応する走査ラインと複数個のデータラインD1〜Dmとの中で対応するデータラインに連結される。
【0024】
複数個の走査ラインS1〜Snは前記ベース基板BSの一面上で第1方向(H)に延長され、前記第1方向(H)と交差する第2方向(V)に配列される。前記複数個のデータラインD1〜Dmは前記複数個の走査ラインS1〜Snと絶縁されるように交差する。前記複数個のデータラインD1〜Dmは前記第2方向(V)に延長され、前記第1方向(H)に配列される。
【0025】
前記表示パネルDPは外部から第1電源電圧ELVDD及び第2電源電圧ELVSSを受信する。前記複数個の画素PX11〜PXnmの各々は対応する走査信号に応答してターンオンされる。前記複数個の画素PX11〜PXnmの各々は前記第1電源電圧ELVDD及び前記第2電源電圧ELVSSを受信し、対応するデータ信号に応答して光を生成する。前記第1電源電圧ELVDDは前記第2電源電圧ELVSSより高いレベルの電圧である。
【0026】
前記複数個の画素PX11〜PXnmの各々は少なくとも1つのトランジスター、少なくとも1つのキャパシター、及び有機発光素子を含む。図2には前記複数個の走査ラインS1〜Snの中でi番目走査ラインSiと複数個のデータラインD1〜Dmの中でj番目のデータラインDjに連結された画素PXijの等価回路を例示的に図示した。
【0027】
前記画素PXijは第1トランジスターTFT1、第2トランジスターTFT2、キャパシターCap、及び有機発光素子OLEDijを含む。前記第1トランジスターTFT1は前記i番目走査ラインSiに連結された制御電極、前記j番目データラインDjに連結された入力電極、及び出力電極を含む。前記第1トランジスターTFT1は前記i番目走査ラインSiへ印加された走査信号に応答して前記j番目データラインDjへ印加されたデータ信号を出力する。
【0028】
前記キャパシターCapは前記第1トランジスターTFT1に連結された第1電極及び前記第1電源電圧ELVDDを受信する第2電極を含む。前記キャパシターCapは前記第1トランジスターTFT1から受信した前記データ信号に対応する電圧と前記第1電源電圧ELVDDの差異に対応する電荷量を充電する。
【0029】
前記第2トランジスターTFT2は前記第1トランジスターTFT1の前記出力電極及び前記キャパシターCapの前記第1電極に連結された制御電極、前記第1電源電圧ELVDDを受信する入力電極、及び出力電極を含む。前記第2トランジスターTFT2の前記出力電極は前記有機発光素子OLEDijに連結される。
【0030】
前記第2トランジスターTFT2は前記キャパシターCapに格納された電荷量に対応して前記有機発光素子OLEDijへ流れる駆動電流を制御する。前記キャパシターCapに充電された電荷量にしたがって前記第2トランジスターTFT2のターンオン時間が決定される。実質的に前記第2トランジスターTFT2の前記出力電極は前記有機発光素子OLEDijへ前記第1電源電圧ELVDDより低いレベルの電圧を供給する。
【0031】
前記有機発光素子OLEDijは前記第2トランジスターTFT2に連結された第1電極及び前記第2電源電圧ELVSSを受信する第2電極を含む。前記有機発光素子OLEDijは前記第1電極と前記第2電極の間に配置された第1共通層、有機発光パターン、及び第2共通層を包含することができる。前記有機発光素子OLEDijは前記第2トランジスターTFT2のターンオン区間の間に発光される。前記有機発光素子OLEDijで生成された光のカラーは前記有機発光パターンをなす物質によって決定される。例えば、前記有機発光素子OLEDijで生成された光のカラーは赤色、緑色、青色、白色の中でいずれか1つであり得る。
【0032】
前記タイミング制御部100は入力映像信号を受信し、前記表示パネルDPの動作モードに合うように変換された映像データIDATAと各種制御信号SCS、DCSを出力する。
【0033】
前記走査駆動部200はタイミング制御部100から走査駆動制御信号SCSを受信する。前記走査駆動制御信号SCSを受信する前記走査駆動部200は複数個の走査信号を生成する。前記複数個の走査信号は前記複数個の走査ラインS1〜Snへ順次的に供給される。
【0034】
前記データ駆動部300は前記タイミング制御部100からデータ駆動制御信号DCS及び前記変換された映像データIDATAを受信する。前記データ駆動部300は前記データ駆動制御信号DCSと前記変換された映像データIDATAに基づいて複数個のデータ信号を生成する。前記複数個のデータ信号は前記複数個のデータラインD1〜Dmへ供給される。
【0035】
図3は本発明の一実施形態による表示パネルの平面図であり、図4図3のI−I’に対応する断面図である。図3は6つの開口部OP22〜OP34に対応する6つの発光領域PXA22〜PXA34を例示的に図示した。図4はいずれか1つの発光領域PXA23の断面を例示的に図示した。
【0036】
図3に示したように、前記表示パネルDPは複数個の発光領域PXA22〜PXA34と前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34に隣接する非発光領域NPXAとに区分される。前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34は前記非発光領域NPXAによって囲まれる。前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34には前記複数個の画素PX11〜PXnmの有機発光素子の第1電極が各々配置される。
【0037】
図4に示したように、前記ベース基板BSの一面上に絶縁層INLが配置される。具体的に図示せずが、前記絶縁層INLは複数個の薄膜を包含することができる。前記複数個の薄膜は無機薄膜及び/又は有機薄膜を含む。前記ベース基板BSの一面と前記絶縁層INLとの間に薄膜トランジスターが形成され得る。前記薄膜トランジスターは前記第1トランジスター(TFT1:図2参照)及び前記第2トランジスター(TFT2:図2参照)であり得る。
【0038】
前記絶縁層INL上に開口部OP23を含む画素定義膜PDLが配置される。前記開口部OP23は前記発光領域PXA23に対応する。前記絶縁層INL上に前記有機発光素子OLED23が配置される。前記有機発光素子OLED23は第1電極OE1、第1共通層FL1、有機発光パターンEMP、第2共通層FL2、第2電極OE2を含む。本実施形態で前記第1電極OE1は陽極として、前記第2電極OE2は陰極として説明される。
【0039】
前記発光領域PXA23に対応するように前記第1電極OE1が配置される。前記第1電極OE1は前記第1電源電圧(ELVDD:図1参照)を受信する。前記開口部OP23は前記第1電極OE1の少なくとも一部分を露出させる。図示しないが、前記複数個の発光領域(PXA22〜PXA34図3参照)に配置された第1電極は表示パネル次元で第1電極層を構成する。
【0040】
前記画素定義膜PDLは一面上で突出された隔壁PDL−Wを具備する。前記隔壁PDL−Wは前記画素定義膜PDLと同一な物質で構成されることができる。前記画素定義膜PDLに重畳する前記隔壁PDL−Wは前記非発光領域NPXAに配置される。
【0041】
再び図3を参照すれば、前記隔壁PDL−Wは行方向(H)に延長された第1部分PDL−Hと列方向(V)に延長された第2部分PDL−Vを含む。前記第1部分PDL−Hと前記第2部分PDL−Vは各々複数個が提供され得る。前記複数個の第1部分PDL−Hと前記複数個の第2部分PDL−Vは一体の形状を有することができる。この時、平面上で前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34の各々は前記隔壁PDL−Wによって囲まれる。
【0042】
図4に示したように、前記第1電極OE1及び前記画素定義膜PDL上に前記第1共通層FL1が配置される。図示しないが、前記複数個の発光領域(PXA22〜PXA34図3参照)及び前記非発光領域NPXAには一体の形状の前記第1共通層FL1が配置される。
【0043】
前記隔壁PDL−Wによって転写された前記第1共通層FL1は前記非発光領域NPXAで段差になった形状を有する。前記第1共通層FL1は正孔注入層を含む。前記正孔注入層は前記第1電極OE1に接触する。また、前記第1共通層FL1は前記正孔注入層上に配置された正孔輸送層をさらに包含できる。
【0044】
前記発光領域PXA23に対応するように前記第1共通層FL1上に前記有機発光パターンEMPが配置される。図示しないが、前記複数個の発光領域(PXA22〜PXA34図3参照)に配置された複数個の有機発光パターンは表示パネル次元で有機発光層を構成する。
【0045】
前記有機発光パターンEMP及び前記第1共通層FL1上に前記第2共通層FL2が配置される。図示せずが、前記複数個の発光領域(PXA22〜PXA34図3参照)及び前記非発光領域NPXAには一体の形状の前記第2共通層FL2が配置される。前記第2共通層FL2は電子注入層を含む。また、前記第2共通層FL2は前記有機発光パターンEMPと前記電子注入層との間に配置された電子輸送層をさらに包含できる。一方、本発明の他の実施形態で、前記第2共通層FL2は省略され得る。
【0046】
前記発光領域PXA23に対応するように前記第2共通層FL2上に前記第2電極OE2が配置される。図示しないが、前記複数個の発光領域(PXA22〜PXA34図3参照)に配置された複数個の第2電極は表示パネル次元で第2電極層を構成する。前記第2電極OE2は前記第2電源電圧(ELVSS:図1参照)を受信する。
【0047】
また、前記第2電極OE2上に保護層及び/又はカラーフィルター層が配置され得る。前記第2電極OE2上に前記ベース基板BSと対向するその他のベース基板が配置され得る。前記その他のベース基板は前記複数個の画素PX11〜PXnmを保護する封止基板であり得る。
【0048】
図5A乃至図5Cは本発明の一実施形態による表示パネルの平面図である。
【0049】
図5Aに示したように、前記隔壁PDL−Wは複数個の第1部分PDL−H1、PDL−H2と複数個の第2部分PDL−V1、PDL−V2を包含することができる。
【0050】
前記複数個の第1部分PDL−H1、PDL−H2は平面上で前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34の中で前記列方向(V)に隣接する2つの発光領域の間に配置され得る。また、前記複数個の第2部分PDL−V1、PDL−V2は平面上で前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34の中で前記行方向(H)に隣接する2つの発光領域の間に配置され得る。前記複数個の第1部分PDL−H1、PDL−H2と前記複数個の第2部分PDL−V1、PDL−V2は一体の形状を有することができる。
【0051】
図5Bに示したように、前記隔壁PDL−Wは複数個の第1部分PDL−H1、PDL−H2と複数個の第2部分PDL−V1、PDL−V2を含む。前記隔壁PDL−Wは前記複数個の第1部分PDL−H1、PDL−H2を連結する第1ブリッジ部分PDL−B1をさらに含む。また、前記隔壁PDL−Wは前記複数個の第2部分PDL−V1、PDL−V2を連結する第2ブリッジ部分PDL−B2をさらに含む。
【0052】
図5Cに示したように、前記第1部分PDL−Hは互いに離隔されて配置された複数個の第1パターンPDL−HPを包含することができる。前記第1部分PDL−Hのように、前記第2部分PDL−Vも互いに離隔されて配置された複数個の第2パターンPDL−VPを包含することができる。平面上で前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34の各々は一部の前記第1パターンPDL−HPと一部の前記第2パターンPDL−VPによって囲まれる。
【0053】
図6A乃至図6Hは本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。図6A乃至図6H図4に図示された発光領域PXA23に対応する断面を図示している。
【0054】
図6Aに示したように、ベース基板BS上に第1電極OE1を形成する。前記ベース基板BS上で前記第1電極OE1が配置された領域は発光領域PXA23として定義され、前記発光領域PXA23に隣接する領域は非発光領域NPXAとして定義される。前記ベース基板BS上に配置された絶縁層INL上に前記第1電極OE1が配置され得る。
【0055】
前記絶縁層INLは順次的に積層された複数個の薄膜を包含することができる。また、前記第1電極OE1を形成される以前に前記ベース基板BSの上には薄膜トランジスターが形成され得る。前記薄膜トランジスターは蒸着、露光、現像工程を通じて形成される。前記薄膜トランジスターの形成工程は当業者に明確であるので、詳細な説明は省略する。一方、前記絶縁層INLに含まれた複数個の薄膜の中でいずれか1つは前記薄膜トランジスターの一部を構成することができる。
【0056】
図6Bに示したように、前記絶縁層INL上に前記第1電極OE1をカバーする基底膜BL10を形成する。前記基底膜BL10をパターニングして開口部と隔壁が具備された画素定義膜を形成する。
【0057】
図6Cに示したように、マスクMA10を使用する露光工程及び現像工程を経て前記基底膜BL10をパターニングする。前記マスクMA10はスリットマスクや回折マスクとして、透過領域TR、遮断領域BR、及び前記透過領域TRと前記遮断領域BRに隣接する半透過領域HRを含む。前記透過領域TRは入射光を全て透過させ、前記遮断領域BRは前記入射光を遮断させ、前記半透過領域HRは前記入射光の一部を透過させる。図6Cの矢印は入射光を示す。
【0058】
前記透過領域TRは前記基底膜BL10の開口部が形成される領域に対応するように配置され、前記遮断領域BRは前記隔壁が形成される領域に対応するように配置され、前記半透過領域HRは残りの領域に対応するように配置される。前記開口部が形成される領域は前記発光領域PXA23に対応し、前記隔壁が形成される領域と前記残りの領域は前記非発光領域NPXAに対応する。
【0059】
図6Dは前記露光工程の以後に現像された前記基底膜BL10を図示した。前記基底膜BL10から前記開口部OP23と前記隔壁PDL−Wを含む画素定義膜PDLが形成された。領域にしたがって、前記基底膜BL10の除去された厚さが異なる。前記開口部OP23は厚さの方向に前記基底膜BL10が完全に除去された領域であり、前記隔壁PDL−Wは前記基底膜BL10の除去されなかった領域であり、前記画素定義膜PDLの一面PDL−USをなす部分は前記基底膜BL10の一部が除去された領域である。
【0060】
図6Eに示したように、前記画素定義膜PDL上に第1共通層FL1を形成する。前記第1共通層FL1は正孔注入層を含む。また、前記第1共通層FL1は前記正孔注入層上に積層された正孔輸送層をさらに包含できる。
【0061】
図6Fに示したように、前記第1共通層FL1上に液相の有機発光物質EMを提供する。前記液相の前記有機発光物質EMは前記画素定義膜PDLの前記開口部OP23に対応する領域に提供される。前記液相の前記有機発光物質EMはインクジェットプリンティング又はノズルプリンティング方式に提供され得る。
【0062】
前記隔壁PDL−Wは前記有機発光物質EMが基準量より若干多くに前記発光領域PXA23へ提供されても、隣接する発光領域(PXA22、PXA24図3参照)に溢れることを防止する。前記基準量は前記開口部OP23の面積又は有機発光パターンの面積等によって設定される。図5A乃至図5Cに図示された隔壁PDL−Wの機能もこれと同一である。一方、前記隣接する発光領域PXA22、PXA24は前記発光領域PXA23と異なる物質で構成された有機発光物質が提供される。
【0063】
図6Gはソルベントが除去された前記有機発光物質EMを図示する。前記ソルベントが除去された有機発光物質は有機発光パターンEMPを形成する。
【0064】
以後、前記第1共通層FL1上に前記有機発光パターンEMPをカバーする第2共通層FL2を形成し、前記第2共通層FL2上に第2電極OE2を形成する。前記工程が完了されれば、図6Hに図示されたように、有機発光表示パネルが製造される。前記第2共通層FL2は電子注入層及び電子輸送層の中で少なくとも1つ以上を含む。また、前記第2共通層FL2は省略され得る。
【0065】
図7は本発明の一実施形態による表示パネルの平面図である。図8図7のI−I’に対応する断面図である。図1乃至図5Cを参照して説明した表示パネルと同一な構成に対する詳細な説明は省略する。
【0066】
図7に示したように、表示パネルDP10は複数個の発光領域PXA22〜PXA34と前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34に隣接する非発光領域NPXAとに区分される。前記複数個の発光領域PXA22〜PXA34は前記非発光領域NPXAによって囲まれる。
【0067】
図8に示したように、前記ベース基板BSの一面上に絶縁層INLが配置される。具体的に図示しないが、前記絶縁層INLは複数個の薄膜を包含することができる。
【0068】
前記絶縁層INL上に開口部OP23を含む画素定義膜PDLが配置される。前記開口部OP23は前記発光領域PXA23に対応する。前記絶縁層INL上に前記有機発光素子OLED23が配置される。
【0069】
前記発光領域PXA23に対応するように前記第1電極OE1が配置される。前記第1電極OE1は前記第1電源電圧(ELVDD:図1参照)を受信する。前記開口部OP23は前記第1電極OE1の少なくとも一部分を露出させる。
【0070】
前記第1電極OE1及び前記画素定義膜PDL上に前記第1共通層FL1が配置される。前記第1共通層FL1は正孔注入層を含む。前記複数個の発光領域(PXA22〜PXA34図7参照)には一体の形状の前記第1共通層FL1が配置される。のみでなく、前記第1共通層FL1は前記非発光領域NPXAにも配置される。
【0071】
前記第1共通層FL1は一面上で突出された隔壁FL1−Wを具備する。前記隔壁FL1−Wは前記第1共通層FL1と同一な物質で構成されることができる。前記隔壁FL1−Wは前記画素定義膜PDLに重畳する。即ち、隔壁FL1−Wは前記非発光領域NPXAに配置される。
【0072】
再び図7を参照すれば、前記隔壁FL1−Wは行方向(H)に延長された第1部分FL1−Hと列方向(V)に延長された第2部分FL1−Vを含む。その以外に前記隔壁FL1−Wは図5A乃至図5Cに図示されたように形状を有することができる。
【0073】
図8に示したように、前記発光領域PXA23に対応するように前記第1共通層FL1上に前記有機発光パターンEMPが配置される。前記有機発光パターンEMP及び前記第1共通層FL1上に前記第2共通層FL2が配置される。一方、本発明の他の実施形態で、前記第2共通層FL2は省略され得る。
【0074】
前記第2共通層FL2上に前記第2電極OE2が配置される。前記第2電極OE2は前記第2電源電圧(ELVSS:図1参照)を受信する。
【0075】
図9は本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。図7及び図8を参照して説明した表示パネルと同一な構成に対する詳細な説明は省略する。
【0076】
前記第1共通層FL1は前記第1電極OE1と前記画素定義膜PDL上に配置された正孔注入層HIL及び前記正孔注入層HIL上に配置された正孔輸送層HTLを含む。前記正孔輸送層HTLは一面から突出された隔壁HTL−Wを含む。前記隔壁HTL−Wは前記正孔輸送層HTLと同一な物質で構成される。前記隔壁HTL−Wによって転写された前記第2共通層FL2は前記非発光領域NPXAで段差になった形状を有することができる。
【0077】
図10A乃至図10Hは本発明の一実施形態による表示パネルの製造方法を示した断面図である。図6A乃至図6Hを参照して説明した表示パネルの製造方法と同一な構成に対する詳細な説明は省略する。
【0078】
図10Aに示したように、ベース基板BS上に第1電極OE1を形成する。前記ベース基板BS上で前記第1電極OE1が配置された領域は発光領域PXA23として定義され、前記発光領域に隣接する領域は非発光領域NPXAとして定義される。前記ベース基板BS上に配置された絶縁層INL上に前記第1電極OE1が形成され得る。
【0079】
図10Bに示したように、前記絶縁層INL上に開口部OP23が具備された画素定義膜PDLを形成する。マスク(図示せず)を使用する露光工程、及び現像工程を経て基底膜から前記画素定義膜PDLを形成する。前記マスクはスリットマスクや回折マスクとして、透過領域及び遮断領域を含む。前記マスクの透過領域に対応して前記開口部OP23が形成され、前記マスクの遮断領域に対応して前記開口部OP23以外の領域が形成される。
【0080】
図10Cに示したように、前記絶縁層INL上に前記画素定義膜PDL及び前記第1電極OE1をカバーする基底膜FL0を形成する。前記基底膜は正孔注入物質で構成され第1厚さを有する。前記基底膜FL0は正孔注入物質で構成された第1層と前記第1層上に積層され、正孔輸送物質で構成された第2層を包含することができる。
【0081】
露光及び現像工程を通じて前記基底膜FL0をパターニングする。図10Dに示したように、透過領域TR及び遮断領域BRを含むマスクMA20を使用する前記基底膜FL0を露光する。前記遮断領域BRは前記隔壁が形成される領域に対応するように配置され、前記透過領域TRは残りの領域に対応するように配置される。
【0082】
図10Eは前記露光工程の以後に現像された前記基底膜FL0を図示した。前記基底膜FL0から前記隔壁FL1−Wを含む第1共通層FL1が形成された。領域にしたがって前記基底膜BL10の除去された厚さが異なる。前記隔壁FL1−Wは前記基底膜BL10の除去されなかった領域に前記第1厚さを有する。前記第1共通層FL1の一面FL1−USをなす部分は前記基底膜FL0の一部が除去された領域に前記第1厚さより小さい第2厚さを有する。
【0083】
図10Fに示したように、前記第1共通層FL1上に液相の有機発光物質EMを提供する。前記液相の前記有機発光物質EMは前記画素定義膜PDLの前記開口部OP23に対応する領域に提供される。前記液相の前記有機発光物質EMはインクジェットプリンティング又はノズルプリンティング方式に提供され得る。
【0084】
前記隔壁PDL−Wは前記発光領域PXA23へ提供された前記有機発光物質EMが隣接する発光領域(PXA22、PXA24図7参照)に溢れることを防止する。
【0085】
図10Gはソルベントが除去された前記有機発光物質EMを図示する。前記ソルベントが除去された有機発光物質は有機発光パターンEMPを形成する。
【0086】
以後、前記第1共通層FL1上に前記有機発光パターンEMPをカバーする第2共通層FL2を形成し、前記第2共通層FL2上に第2電極OE2を形成する。前記工程が完了されれば、図10Hに図示されたように、有機発光表示パネルが製造される。前記第2共通層FL2は電子注入層及び電子輸送層の中で少なくとも1つ以上を含む。また、前記第2共通層FL2は省略され得る。
【0087】
以上説明したように、本発明の一実施形態による有機発光表示パネルは、隣接する発光領域の間に互に異なる有機発光物質が混合されることを防止する隔壁を含む。したがって、前記発光領域に各々配置された有機発光パターンから目的とするカラーの光が生成される。
【0088】
また、本発明の一実施形態による有機発光表示パネルの製造方法は液相の有機発光物質を前記複数個の開口部に対応する領域へ提供する。前記隔壁はいずれか1つの開口部上に配置された有機発光物質と前記いずれか1つの開口部に隣接する他の開口部上に配置された有機発光物質が混合されることを防止する。
【0089】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0090】
したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることではなく、特許請求の範囲によって定まれなければならない
【符号の説明】
【0091】
100・・・タイミング制御部
200・・・走査駆動部
300・・・データ駆動部
DP・・・表示パネル
OLED・・・有機発光素子
ELVDD・・・第1電源電圧
ELVSS・・・第2電源電圧
Vref・・・基準電圧
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H