(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296714
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】有機電界発光装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/12 20060101AFI20180312BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20180312BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20180312BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20180312BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20180312BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20180312BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
H05B33/12 E
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/14 B
H05B33/04
G02B5/20 101
H01L27/32
G09F9/30 365
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-143322(P2013-143322)
(22)【出願日】2013年7月9日
(65)【公開番号】特開2014-107266(P2014-107266A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2016年7月4日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0137234
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】金 正 ▲かん▼
(72)【発明者】
【氏名】尹 柱 善
【審査官】
大竹 秀紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−119091(JP,A)
【文献】
特開2004−281402(JP,A)
【文献】
特開2003−316291(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/022123(WO,A1)
【文献】
特開2010−122520(JP,A)
【文献】
特開2003−317971(JP,A)
【文献】
特開2007−141844(JP,A)
【文献】
特開2006−278212(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/125801(WO,A1)
【文献】
特開2011−145686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/12
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された複数の画素定義膜と、
前記基板と前記画素定義膜で定義される空間に形成される第1電極と、
前記第1電極と前記画素定義膜で定義される空間に形成される白色発光層と、
前記白色発光層上に形成される第2電極と、
前記第2電極上に形成される第1ブラックマトリックスと、
前記第1ブラックマトリックス上に当該第1ブラックマトリックスと離隔して位置する
カラーフィルタ層を含み、
前記カラーフィルタ層は、複数のカラーフィルタを有し、隣り合う2つの前記カラーフィルタは、互いに接しており、
前記第1ブラックマトリックスは、前記画素定義膜に垂直方向に対応する位置であって、かつ前記隣り合う2つのカラーフィルタの境界と対向する位置に配置され、
前記第1ブラックマトリックスと前記カラーフィルタ層との間は、充填剤によって満たされ、
前記第1ブラックマトリックスおよび前記カラーフィルタ層は前記充填剤と接している、有機電界発光装置。
【請求項2】
前記第2電極と第1ブラックマトリックスとの間に形成される封止膜または封止基板を
さらに含む、請求項1に記載の有機電界発光装置。
【請求項3】
前記カラーフィルタ層は、前記白色発光層に垂直方向に対応する位置に赤色、緑色および青色のカラーフィルタの中から選択される一つを含む、請求項1または2に記載の有機電界発光装置。
【請求項4】
前記カラーフィルタ層は、赤色、緑色および青色カラーフィルタが順次に配列されている、請求項3に記載の有機電界発光装置。
【請求項5】
基板上に形成された複数の画素定義膜と、
前記基板と前記画素定義膜で定義される空間に形成される第1電極と、
前記第1電極と前記画素定義膜で定義される空間に形成される白色発光層と、
前記白色発光層上に形成される第2電極と、
前記基板の下部に形成される第1ブラックマトリックスと、
前記第1ブラックマトリックスの下部に当該第1ブラックマトリックスと離隔して位置するカラーフィルタ層を含み、
前記カラーフィルタ層は、複数のカラーフィルタを有し、隣り合う2つの前記カラーフィルタは、互いに接しており、
前記第1ブラックマトリックスは、前記画素定義膜に垂直方向に対応する位置であって、かつ前記隣り合う2つのカラーフィルタの境界と対向する位置に配置され、
前記第1ブラックマトリックスと前記カラーフィルタ層との間は、充填剤によって満たされ、
前記第1ブラックマトリックスおよび前記カラーフィルタ層は前記充填剤と接している、有機電界発光装置。
【請求項6】
前記カラーフィルタ層は、前記白色発光層に垂直方向に対応する位置に赤色、緑色および青色カラーフィルタの中から選択される一つを含む、請求項5に記載の有機電界発光
装置。
【請求項7】
前記カラーフィルタ層は、赤色、緑色および青色カラーフィルタが順次に配列されている、請求項6に記載の有機電界発光装置。
【請求項8】
基板上に形成された複数の画素定義膜と、
前記基板と前記画素定義膜で定義される空間に形成される第1電極と、
前記第1電極と前記画素定義膜で定義される空間に形成される白色発光層と、
前記白色発光層上に形成される第2電極と、
前記第2電極上に形成される第1ブラックマトリックスと、
前記第1ブラックマトリックス上に当該第1ブラックマトリックスと離隔して位置するカラーフィルタ層を含み、
前記カラーフィルタ層は、複数のカラーフィルタを有し、隣り合う2つの前記カラーフィルタは、互いに接しており、
前記第1ブラックマトリックスは、前記画素定義膜に垂直方向に対応する位置であって、かつ前記隣り合う2つのカラーフィルタの境界と対向する位置に配置され、
前記第1ブラックマトリックスと前記カラーフィルタ層との間は、充填剤によって満たされ、
前記第1ブラックマトリックスおよび前記カラーフィルタ層は前記充填剤と接しており、
前記第1ブラックマトリックスは、
前記第1ブラックマトリックスの垂直方向に対応して位置する画素定義膜を介して隣接する二つの白色発光層の互いに隣接しない側面の中心点と前記第1ブラックマトリックスの垂直方向の上部に位置するカラーフィルタの界面の下点を各々連結する直線と交差する、有機電界発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ(display)分野の急速な発展につれ、薄型化、軽量化、低消費電力化において優れた性能を有する様々な平板表示装置が開発され、従来のブラウン管(Cathode Ray Tube:CRT)を取って代わっている。
【0003】
このような平板表示装置の具体的な例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device:LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel Device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display Device:FED)、有機電界発光装置(Organic Electroluminescence Device)などが挙げられる。
【0004】
その中で、別途の光源を要求せず、装置のコンパクト化および鮮明なカラーを表示できるという点から有機電界発光装置が注目されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
白色有機電界発光装置は、生成された白色光を、カラーフィルタを利用して特定カラーに変換して発光するようにするが、発光された画素領域の光は隣接するカラーフィルタにより混色が発生し得る。このため、カラーフィルタ界面にブラックマトリックスを設けるが前記ブラックマトリックスによって開口透過率が減少するという問題がある。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、ブラックマトリックスを最小化し、かつ混色を防止できる有機電界発光装置を提供することである。
【0007】
本発明の課題は、以上で言及した技術的課題に制限されない。言及されていない他の技術的課題は、次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための本発明の有機電界発光装置は、基板上に形成された複数の画素定義膜(PDL:Pixel Defining Layer)、前記基板と前記画素定義膜で定義される空間に形成される第1電極、前記第1電極と画素定義膜で定義される空間に形成される白色発光層、前記白色発光層上に形成される第2電極、前記第2電極上に形成される第1ブラックマトリックス、および前記第1ブラックマトリックス上に当該第1ブラックマトリックスと離隔して位置するカラーフィルタ層を含
み、前記カラーフィルタ層は複数のカラーフィルタを有し、隣り合う2つの前記カラーフィルタは互いに接しており、前記第1ブラックマトリックスは前記画素定義膜に垂直方向に対応する位置であって、かつ前記隣り合う2つのカラーフィルタの境界と対向する位置に配置され、前記第1ブラックマトリックスと前記カラーフィルタ層との間は充填剤によって満たされ、前記第1ブラックマトリックスおよび前記カラーフィルタ層は前記充填剤と接している。
【0009】
前記課題を達成するための本発明の有機電界発光装置は、基板上に形成された複数の画素定義膜、前記基板と画素定義膜で定義される空間に形成される第1電極、前記第1電極とPDLで定義される空間に形成される白色発光層、前記白色発光層上に形成される第2電極、前記基板の下部に形成される第1ブラックマトリックス、および前記第1ブラックマトリックス下部に当該第1ブラックマトリックスと離隔して位置するカラーフィルタ層を含
み、前記カラーフィルタ層は複数のカラーフィルタを有し、隣り合う2つの前記カラーフィルタは互いに接しており、前記第1ブラックマトリックスは前記画素定義膜に垂直方向に対応する位置であって、かつ前記隣り合う2つのカラーフィルタの境界と対向する位置に配置され、前記第1ブラックマトリックスと前記カラーフィルタ層との間は充填剤によって満たされ、前記第1ブラックマトリックスおよび前記カラーフィルタ層は前記充填剤と接している。
【0010】
前記課題を達成するための本発明の有機電界発光装置は、基板上に形成された複数の画素定義膜、前記基板と画素定義膜で定義される空間に形成される第1電極、前記第1電極と画素定義膜で定義される空間に形成される白色発光層、前記白色発光層上に形成される第2電極、前記第2電極上に形成される第1ブラックマトリックス、および前記第1ブラックマトリックス上に当該第1ブラックマトリックスと離隔して位置するカラーフィルタ層を含み、
前記カラーフィルタ層は、複数のカラーフィルタを有し、隣り合う2つの前記カラーフィルタは、互いに接しており、前記第1ブラックマトリックスは、前記画素定義膜に垂直方向に対応する位置であって、かつ前記隣り合う2つのカラーフィルタの境界と対向する位置に配置され、前記第1ブラックマトリックスと前記カラーフィルタ層との間は、充填剤によって満たされ、前記第1ブラックマトリックスおよび前記カラーフィルタ層は前記充填剤と接しており、前記第1ブラックマトリックスは、前記第1ブラックマトリックスの垂直方向に対応して位置する画素定義膜を介して隣接する二つの白色発光層の互いに隣接しない側面の中心点と前記第1ブラックマトリックスの垂直方向の上部に位置するカラーフィルタの界面の下点を各々連結する直線と交差する。
【0011】
その他、実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば少なくとも次のような効果がある。
【0013】
すなわち、ブラックマトリックスを最小化して開口透過率を最大化すると共に、混色を防止することができる。
【0014】
本発明による効果は、以上で例示した内容によって制限されるものではなく、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
【
図2】
図1の有機電界発光装置の一つの変形例の概略的な断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
【
図4】
図3の有機電界発光装置の一つの変形例の概略的な断面図である。
【
図5】本発明のまた他の実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
【
図6】本発明のまた他の実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、これらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態において明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されるものであり、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲によってのみ定義される。
【0017】
素子(elements)または層が、他の素子または層の「上(on)」と称されることは、他の素子の真上または中間に他の素子を介在する場合をすべて含む。明細書全体にかけて同一参照符号は同一構成要素を指示する。
【0018】
第1、第2などが多様な素子、構成要素を記述するために使用されるが、これら素子、構成要素はこれらの用語によって制限されないことはいうまでもない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得ることはいうまでもない。
【0019】
また、本明細書で記述する製造方法を構成する段階は、順次的または連続的であることの明示または特に言及されなければ、一つの製造方法を構成する一つの段階と他の段階は明細書上に記述された順序に制限されると解釈されない。したがって、当業者が容易に理解できる範囲内で製造方法の構成段階の順序を変化させることができ、この場合、それに伴う当業者に自明な変更は本発明の範囲に含まれる。
【0020】
以下、本発明の一実施形態による有機電界発光装置について
図1を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
図1に図示するように、有機電界発光装置は、下部基板110、下部基板110上に形成される画素定義膜120、下部基板110と画素定義膜120で定義される空間に形成される第1電極130、第1電極130と画素定義膜120で定義される空間で第1電極130上に形成される白色発光層140、白色発光層140上に形成される第2電極150、第2電極150上に形成される第1ブラックマトリックス160および隣り合う第1ブラックマトリックス160の間に位置する保護層161、および第1ブラックマトリックス160上に第1ブラックマトリックス160と離隔して位置するカラーフィルタ層180を含む。
【0022】
好ましくは、下部基板110は、他の部材と第1電極130との間を絶縁するための絶縁基板であり得る。また、下部基板110は、透明素材からなるが、反射素材を使用してカラーフィルタ層180の方向に光を反射させることもできる。
【0023】
下部基板110上には画素領域を定義する画素定義膜120が形成されている。画素定義膜120は例えば、光が透過しない物質からなるか、またはこれらからなる層を含む多層構造で形成され得る。
【0024】
第1電極130は、画素定義膜120により区分される各々の画素領域で下部基板110上に形成される。第1電極130は、導電性を有して電極として使用され得る物質であればとくに制限されることなく使用され得る。場合によっては、第1電極130は透明電極で構成され、第1電極130を通過した光が下部基板110で反射し、カラーフィルタ層180の方向に出射され得る。または、第1電極130は反射電極で構成され、白色発光層140から放出された光が第1電極130で反射し、カラーフィルタ層180の方向に出射され得る。前記透明電極として使用される物質は、例えば、ITOまたはIZOなどがある。一例として、第1電極130はアノード(anode)であり得る。
【0025】
白色発光層140は、画素定義膜120により区分される各々の画素領域で第1電極130と第2電極150との間に形成される。白色発光層140は、正孔伝達層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層を含むスタック(図示せず)を含む。白色発光層140は、前記スタックを一つまたはそれ以上含み得る。前記スタックは内部に発光層を一つまたはそれ以上含み得る。前記スタック内部の発光層は、それ自体白色発光するか、または白色以外の色を発光することもでき、白色以外の色を発光する場合には混色して白色になる色の組合せにより発光層が構成され得る。
【0026】
白色発光層140上には第2電極150が形成される。第2電極150は、例えば、画素領域および画素定義膜上で共通して形成され得る。第2電極150も第1電極130と同様に導電性を有して電極として使用され得る物質であれば特に制限されず使用され得るが、白色発光層140から放出された光が出射する通路に位置するため、第2電極は透明電極で構成されるのが好ましい。前記透明電極として使用される物質は、例えば、ITOまたはIZOなどがある。一例として、第2電極150はカソード(cathode)であり得る。
【0027】
第2電極150上の画素定義膜120に垂直方向に対応する位置に第1ブラックマトリックス160が形成される。第1ブラックマトリックス160は、一つの画素領域で発光した光が隣接した画素領域のカラーフィルタに出射することを防ぐために形成される。第1ブラックマトリックス160が画素領域上に形成される場合、光子の放出面積が物理的に減少するようになるため、画素定義膜120に垂直方向に対応する位置に形成されるのが好ましい。
【0028】
従来の有機電界発光装置は、カラーフィルタ層の各カラーフィルタ界面にブラックマトリックス層を形成した。この場合、一つの画素領域で発光した光が隣接した画素領域のカラーフィルタに出射することを防ぐために広い面積のブラックマトリックスが必要であった。前記ブラックマトリックスの面積が増加することにより、光子の放出面積、すなわち開口透過率が減少するようになり、有機電界発光装置の輝度低下が発生する。
【0029】
隣り合う第1ブラックマトリックス160の間の空間には第2電極150を保護する保護層161が形成され得る。保護層161は、隣り合う第1ブラックマトリックス160の間の空間の第2電極表面を覆う構成であり得、第2電極150および第1ブラックマトリックス160の何れを覆う構成であり得る。保護層161は、特に素材の制限はないが、白色発光層140から放出された光が出射する通路に位置するため、透明素材からなるのが好ましい。
【0030】
カラーフィルタ層180は、第1ブラックマトリックス160上に第1ブラックマトリックス160と離隔して形成される。前記離隔空間には空気または充填剤170が満たされる。カラーフィルタ層180は、各画素領域において、垂直方向に対応する位置に赤色(R)、緑色(G)および青色(B)カラーフィルタの中から選択される一つを含み、隣接したカラーフィルタとは互いに異なる色相のカラーフィルタを有する。カラーフィルタ層180は、赤色181r、緑色181g、および青色181bのカラーフィルタが順次に配列されるのが好ましい。カラーフィルタ(181r,181g,181b)の界面は、画素定義膜120および第1ブラックマトリックス160に垂直方向に対応する位置に形成される。カラーフィルタ層180はカラーフィルタ(181r,181g,181b)上に上部基板182を含み得る。
【0031】
従来の有機電界発光装置では、例えば、緑色のみを表示するため、緑色カラーフィルタ181gに対応する画素領域で光を発光するとき、発光した光が隣接する赤色181rまたは青色181bのカラーフィルタを透過して出射する場合、混色が起きるため、ディスプレイ上には赤色、緑色、青色が混合した色相として表現される問題が発生する。
【0032】
本発明は、上述したように第1ブラックマトリックスの面積を最小化し、かつ隣接するカラーフィルタに出射する光を遮蔽できる構造にすることにより前記問題を解決する。
【0033】
図2は、
図1の有機電界発光装置の一つの変形例の概略的な断面図である。
【0034】
図2の有機電界発光装置は、
図1の有機電界発光装置の構造でカラーフィルタ層180に第2ブラックマトリックス183をさらに含む構成である。
【0035】
第2ブラックマトリックス183は、第1ブラックマトリックス160で遮蔽されずに隣接するカラーフィルタで出射する光を遮蔽する役割を果たす。このため、第2ブラックマトリックス183はカラーフィルタ(181r,181g,181b)の界面に形成され得る。
【0036】
第2ブラックマトリックス183の幅は、第1ブラックマトリックス160の幅より小さい。第2ブラックマトリックス183の幅が大きいほどカラーフィルタ(181r,181g,181b)の透過領域が小さくなるため、開口透過率が減少する。したがって、第2ブラックマトリックスの幅が最小化されるのが好ましい。
【0037】
図3は、本発明の他の実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
図3に図示するように、有機電界発光装置は、下部基板210、下部基板210上に形成される画素定義膜220、下部基板210と画素定義膜220で定義される空間に形成される第1電極230、第1電極230と画素定義膜220で定義される空間で第1電極230上に形成される白色発光層240、白色発光層240上に形成される第2電極250、第2電極250上に形成される封止膜261、封止膜261上に形成される第1ブラックマトリックス260、および第1ブラックマトリックス260および封止膜261上に離隔して位置するカラーフィルタ層280を含む。
【0038】
下部基板210から第2電極250までの構成は、
図1に示す実施形態と同一の構成であるため、以下では説明を省略する。
【0039】
第2電極250上には封止膜261が第2電極250を覆う構造で形成される。封止膜261の素材は特に限定されず、膜形態ではなく封止基板形態で形成することもできる。封止膜261は白色発光層240から放出された光が出射する経路に位置するため、透明素材で形成されるのが好ましい。
【0040】
第1ブラックマトリックス260は、開口透過率を最大に維持しつつ、隣接するカラーフィルタへの光の出射を遮蔽するために封止膜261上の画素定義膜220に垂直方向に対応する位置に形成される。
【0041】
カラーフィルタ層280は、
図1に示す実施形態のカラーフィルタ層180と同一であるため、以下では説明を省略する。
【0042】
図4は、
図3の有機電界発光装置の一つの変形例の概略的な断面図である。
図4の有機電界発光装置は、
図3の有機電界発光装置の構造でカラーフィルタ層に第2ブラックマトリックス283をさらに含む構成である。
【0043】
第2ブラックマトリックス283の構成および説明は、
図2に示す実施形態の第2ブラックマトリックス183の構成および説明と同様であるため、これに係る説明は省略する。
【0044】
図5は、本発明のまた他の実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
図5に図示するように、有機電界発光装置は、基板310、基板310上に形成される画素定義膜320、基板310と画素定義膜320で定義される空間に形成される第1電極330、第1電極330と画素定義膜320で定義される空間で第1電極330上に形成される白色発光層340、白色発光層340上に形成される第2電極350、第2電極上に形成される封止膜390、基板310の下面に形成される第1ブラックマトリックス360、および第1ブラックマトリックス360および基板310と離隔して位置するカラーフィルタ層380を含む。
【0045】
第1ブラックマトリックス360が基板310の下面に位置し、第1ブラックマトリックス360および基板310と離隔してカラーフィルタ層380が形成されること以外は、
図1の構成と同様である。
【0046】
上述のような構造であるため、第1電極330は白色発光層340から放出された光が出射する経路に位置するため、透明電極で構成されるのが好ましい。これに対し、第2電極350は透明電極または反射電極で構成され得、第2電極350が透明電極の場合、第2電極350を通過した光が封止膜390で反射し、カラーフィルタ層380の方向に出射され得る。この場合、封止膜390は、反射する素材で形成される。
【0047】
図6は、本発明のまた他の実施形態による有機電界発光装置の概略的な断面図である。
図6に図示するように、有機電界発光装置は下部基板410、下部基板410上に形成される画素定義膜420、下部基板410と画素定義膜420で定義される空間に形成される第1電極430、第1電極430と画素定義膜420で定義される空間で第1電極430上に形成される白色発光層440、白色発光層440上に形成される第2電極450、第2電極450上に形成される封止膜461、封止膜461上に形成される第1ブラックマトリックス460、および第1ブラックマトリックス460および封止膜461上に第1ブラックマトリックス460および封止膜461と離隔して位置するカラーフィルタ層480を含む。
【0048】
第1ブラックマトリックス460は、第1ブラックマトリックス460の垂直方向に対応して位置する画素定義膜420を介して隣接する二つの白色発光層440の互いに隣接しない側面の中心点と、第1ブラックマトリックスの垂直方向の上部に位置するカラーフィルタ(481r,481g,481b)の界面の下点と、を各々連結した直線(
図6の破線の三角形)と交差するように構成される。
【0049】
換言すれば、第1ブラックマトリックス460の垂直方向に対応して位置する一の画素定義膜420に隣り合う二つの他の画素定義膜420の前記一の画素定義膜420に対向する側面の中心点と、第1ブラックマトリックスの垂直方向の上部に位置するカラーフィルタ(481r,481g,481b)の界面の下点と、を各々連結した直線(
図6の破線の三角形)と交差するように構成される。
【0050】
図示していないが、第1ブラックマトリックスが前記直線と交差しない場合、追加的に第2ブラックマトリックスをカラーフィルタ層480に含み、混色になることを防止することができる。
【0051】
以上で説明した実施形態はすべて例示的なものであり、互いに異なる実施形態は互に組合せて適用されるはもちろんである。
【0052】
以上添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更しない範囲で、他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、上記実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0053】
110,210,410 下部基板、
120,220,320,420 画素定義膜、
130,230,330,430 第1電極、
140,240,340,440 白色発光層、
150,250,350,450 第2電極、
160,260,360,460 第1ブラックマトリックス、
170,270,370,470 充填剤、
180,280,380,480 カラーフィルタ層、
183,283 第2ブラックマトリックス。