(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296757
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】商品の梱包方法
(51)【国際特許分類】
B65B 31/00 20060101AFI20180312BHJP
B65D 81/20 20060101ALI20180312BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20180312BHJP
B65D 33/20 20060101ALI20180312BHJP
B65B 5/04 20060101ALI20180312BHJP
B65D 81/02 20060101ALI20180312BHJP
B65B 25/20 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
B65B31/00 Z
B65D81/20 Z
B65D33/25 A
B65D33/20
B65B5/04
B65D81/02
B65B25/20 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-225201(P2013-225201)
(22)【出願日】2013年10月30日
(65)【公開番号】特開2015-85951(P2015-85951A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】513273812
【氏名又は名称】有限会社全富
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】洪 和 宏
【審査官】
加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−076774(JP,A)
【文献】
特開2005−153948(JP,A)
【文献】
特開2008−280068(JP,A)
【文献】
実開平05−081203(JP,U)
【文献】
特開2009−135144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 31/00
B65B 5/04
B65B 25/20
B65D 33/20
B65D 33/25
B65D 81/02
B65D 81/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバリア性フィルムからなり、対向する一対の面部を有し、商品の出し入れ口となる1辺が開口され他の辺が接合された本体部と、前記出し入れ口を開閉するファスナー部と、からなる袋体を用いた商品の梱包方法であって、
袋体が操作台にファスナー部を開いた状態でセットされ、出し入れ口が開かれた状態にあって、クリップで出し入れ口の下面が挟み込まれ、操作台に留め置かれる段階(A)と、
押し拡げ棒が袋体に挿入され、出し入れ口が開口されると共に、袋体の一方の面部と他方の面部が引き離され、本体部の全体を膨らませる段階(B)と、
商品が袋体の開かれた出し入れ口から挿入される段階(C)と、
押し拡げ棒が袋体から引き抜かれる段階(D)と、
押し拡げ棒が引き抜かれることで、袋体の面部が商品の高さまで下がり、出し入れ口の高さが下がり狭くなる段階(E)と、
空気寄せロールが出し入れ口を塞ぐように降下する段階(F)と、
空気寄せロールが、操作台に押し付けられて回転し、商品の収納方向に進み、ファスナー部の空気を押し出して商品収納部分を空気で膨らませた状態にすると共に、シート片を引きはがして接着帯を露出させる段階(G)と、
スライダーが、ファスナー部の一端にセットされ、スライドして出し入れ口を閉鎖する段階(H)と、
操作台の一端を下げ、袋体の出し入れ口を突き出し状態とする段階(I)と、
クリップを回動して折り返すことで、折り重ね部が商品収納部分に折り重ねられる段階(J)と、
接着帯が商品収納部分に接合される段階(K)と、
折り重ね部の両端に、挟み込みシールが貼り付けられる段階(L)と、を備えることを特徴とする商品の梱包方法。
【請求項2】
前記段階(C)では、前記袋体に挿入される商品に嵩上げ部材が装着されることを特徴とする請求項1に記載の商品の梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の梱包方法及び商品を梱包する袋体に係り、より詳しくは、袋体で商品を梱包し、空気で膨らませた状態を維持して商品を保護するようにした商品の梱包方法及び商品を梱包する袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
帽子などの衣料品をインターネットで注文を受け発送する場合、箱に梱包せず、透明な袋体に挿入して発送する場合が増えてきた。しかしながら、単に袋詰めされているだけで、袋体の空気が十分にクッションとして機能していない。
【0003】
特許文献1には、ダンボール箱の封函方法が示される。段ボール箱の入り口は最後にテープ止めされる。このような梱包は、帽子などの衣料品を梱包するには大掛りすぎる。
【0004】
特許文献2には、医薬品の梱包に使用するノズル付きの袋体が示される。この袋体は二重構造で、空気入れを使用しノズルの箇所から空気を注入する。内側と外側の間に空気が入ると、内側の袋体が内側に膨らんで商品を抑えるとともに、外側の袋体が外側に膨らんでクッションになる。しかしながらこのような袋体を種々の衣料品に適用するには、種類も増え構造が複雑である。
【0005】
特許文献3には、ファスナー付きの袋体が示される。ファスナー部にはスライダーが設けられる。スライダーでファスナーを開閉できる。このような袋体に衣料品を入れても、内部の空気がファスナーを閉じる際に逃げてしまい、一定の空気が袋体に残るものの膨らんでいない状態となる。そのため内部の空気がクッションの役目をしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−156906号公報
【特許文献2】特開2010−89808号公報
【特許文献3】登録新案登録第3077131号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、袋体を膨らませた状態で梱包できる商品の梱包方法及び商品を梱包する袋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による商品の梱包方法は、ガスバリア性フィルムからなり、対向する一対の面部を有し、商品の出し入れ口となる1辺が開口され他の辺が接合された本体部と、前記出し入れ口を開閉するファスナー部と、からなる袋体を用いた商品の梱包方法であって、
袋体が操作台にファスナー部を開いた状態でセットされ、出し入れ口が開かれた状態にあって、クリップで出し入れ口の下面が挟み込まれ、操作台に留め置かれる段階(A)と、押し拡げ棒が袋体に挿入され、出し入れ口が開口されると共に、袋体の一方の面部と他方の面部が引き離され、本体部の全体を膨らませる段階(B)と、商品が袋体の開かれた出し入れ口から挿入される段階(C)と、押し拡げ棒が袋体から引き抜かれる段階(D)と、押し拡げ棒が引き抜かれることで、袋体の面部が商品の高さまで下がり、出し入れ口の高さが下がり狭くなる段階(E)と、空気寄せロールが出し入れ口を塞ぐように降下する段階(F)と、空気寄せロールが、操作台に押し付けられて回転し、商品の収納方向に進み、ファスナー部の空気を押し出して商品収納部分を空気で膨らませた状態にすると共に、シート片を引きはがして接着帯を露出させる段階(G)と、スライダーが、ファスナー部の一端にセットされ、スライドして出し入れ口を閉鎖する段階(H)と、操作台の一端を下げ、袋体の出し入れ口を突き出し状態とする段階(I)と、クリップを回動して折り返すことで、折り重ね部が商品収納部分に折り重ねられる段階(J)と、接着帯が商品収納部分に接合される段階(K)と、折り重ね部の両端に、挟み込みシールが貼り付けられる段階(L)と、が備えられることを特徴とする。
【0009】
前記
段階(C)では、前記袋体に挿入される商品に嵩上げ部材が装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による商品の梱包方法によれば、(1)出し入れ口が開口するように一対の面を引き離して本体部の全体を膨らませ、商品を出し入れ口から袋体に挿入する第1段階を設けたので、袋体の内部に商品と共に空気を多く取り込むことができる。(2)また、ファスナー部の空気を商品が収納されている方向に押し込む第2段階を設けたので、ファスナー部の空気を袋体の商品収納部分に押し込んで膨らませることができ、クッション性を持たせることができる。(3)さらに、商品収納部分を膨らませた状態で、ファスナー部を嵌合して前記出し入れ口を閉じる第3段階と、ファスナー部を商品収納部分の外側に折り重ねる第4段階と、折り重ねた部分を商品収納部分に接合する第5段階と、を設けたので、商品収納部分に押し込んだ空気がファスナー部に戻ることがなく、商品収納部分を膨らませた状態に維持することができる。
【0013】
袋体に挿入される商品に、嵩上げ部材を装着したので、腰が弱く高さが得られないような商品でも、嵩を増やして袋体に多くの空気を取り込むことができる。
【0014】
折り重ね部の左右両端にも上下に挟み込むようにシールを貼り付けたので、折り重ね部の左右両端の浮きあがりが防止でき、商品収納部分に押し込んだ空気をファスナー部に戻りにくくできる。また、袋体の不正な開封を防止できるとの効果もある。
【0015】
本発明による商品を梱包する袋体は、対向する一対の面部を有し、商品の出し入れ口となる1辺が開口され他の辺が接合された本体部と、出し入れ口を開閉するファスナー部と、面部の一方に設けられ、接着剤が塗布され、ファスナー部と並行して幅方向全長に延びる接着帯と、接着帯を覆うと共に、はがして接着帯を露出させるシート片と、を設けたので、袋体に商品を挿入し、ファスナー部を閉じて商品収納部分の外側に折り重ね、折り重ね部の長手方向縁端を商品収納部分に接合する際、テープ止め治具で外側から軟らかい袋体の表面にテーピングする必要がなく、押し付けるだけで簡単に接合できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による商品の梱包方法を示すフローチャートである。
【
図2】本発明による商品の梱包状態を示す。(A)は斜め上方から見た斜視図である。(B)は底面側から見た斜視図である。
【
図5】商品の梱包状方法を示す工程図である。段階(A)〜(D)である。
【
図6】商品の梱包状方法を示す工程図である。段階(E)〜(H)である。
【
図7】商品の梱包状方法を示す工程図である。段階(I)〜(L)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明による商品の梱包方法を詳しく説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明による商品の梱包方法を示すフローチャートである。段階S1は、袋体の出し入れ口を開口し、袋体の一対の面部を引き離して全体を膨らませ、商品を挿入する段階である。段階S2は、ファスナー部側の空気を商品が収納されている方向に押し込む段階である。段階S3は、ファスナー部を嵌合する段階である。段階S4は、ファスナー部を折り返して商品収納部分に折り重ねる段階である。段階S5は、折り重ねた部分を商品収納部分に接合する段階である。ファスナー部の空気を商品が収納されている方向に押し込み、ファスナー部を折り返して商品収納部分に折り重ね、折り重ねた部分を商品収納部分に接合するようにしたので、袋体の商品収納部分を膨らませた状態に維持することができる。なお、段階S3、段階S2の順とし、ファスナーをまず閉じてから、ファスナー部の空気を商品が収納されている方向に押し込んでもよい。
【0019】
図2は、本発明による商品の梱包状態を示す。(A)は斜め上方から見た斜視図である。(B)は底面側から見た斜視図である。本実施例は、ハンチング帽2を例に梱包する。
図2(A)に示すように、ハンチング帽2が袋体1に梱包されている。袋体1の折り重ね部5が下側に折り返され、折り重ねられており、商品収納部分6が空気で膨らんでいる。
図2(B)に示すように、袋体1にはファスナー部4が設けられ、折り重ね部5は、商品収納部分6に折り重ねられ、袋体1の裏面側に設けられた接着帯3で商品収納部分6に接合されている。
【0020】
図3は、袋体1の表面側から見た斜視図である。袋体1は、透明で、ガスバリア性フィルムからなる本体部1aと、出し入れ口7を開閉するファスナー部4からなる。ファスナー部4には凸条体10と凹条体11が設けられ、これらが嵌合すると出し入れ口7が閉じた状態になり、凸条体10と凹条体11が離されると、出し入れ口7が開いた状態になる。袋体1は、一対の面部8、9が対向しており、出し入れ口7となる一辺が開口され、他の辺は接合されている。袋体1は、塩化ビニルデンを含むプラスチックフィルムなので酸素や水蒸気を遮断できる。
【0021】
図4は、袋体1の裏面側から見た斜視図である。袋体1の裏面には、接着剤が塗布され、ファスナー部4と並行して幅方向の全長に延びる灰色で示す接着帯3が設けられる。より詳細には、接着帯3には、これを覆い、はがして接着帯3を露出させるシート片21が設けられる。シート片21は、透明で袋体1と区別がつきにくいため、色付きの表示線21aを刷り込んでいる。シート片21には、はがしやすくするため、接着帯3に沿ってはがし代を設けた。
【0022】
図5〜7は、商品の梱包状方法を示す工程図である。
図1の段階S1〜S5と
図5〜7の段階(A)〜(L)は、1対1に対応するものではなく、段階(A)〜(L)は、S1〜S5より細かい操作となっている。
【0023】
図5は、商品の梱包状方法を示す工程図で、段階(A)〜(D)である。段階(A)では、袋体1が操作台12にファスナー部4を開いた状態でセットされ、出し入れ口7が開かれた状態にある。袋体1は、クリップ13で出し入れ口7の下面が挟み込まれ、操作台12に留め置かれている。段階(B)では、押し拡げ棒14が袋体1に挿入され、出し入れ口が大きく開口されると共に、一方の面部8と他方の面部9が引き離なされ、本体部1aの全体を膨らませる。
【0024】
段階(C)では、ハンチング帽2が袋体1に開かれた出し入れ口7から挿入される。ハンチング帽2の生地が軟らかくてフラットになりやすい場合は、嵩上げ部材15を装着して袋体1に挿入する。これによって袋体1の内部に空気を多く確保できる。段階(D)では、押し拡げ棒14が袋体1から引き抜かれる。
【0025】
図6は、商品の梱包状方法を示す工程図で、段階(E)〜(H)である。段階(E)では、袋体1から押し拡げ棒14が引き抜かれるので、袋体1の面部8は、ハンチング帽2の高さまで下がり、出し入れ口7も下降して狭くなる。段階(F)では、空気寄せロール19が出し入れ口7を塞ぐように降下し、段階(G)では、空気寄せロール19が、操作台12に押し付けられて回転し、ハンチング帽2の収納方向に進み、ファスナー部4の空気を商品収納部分6に押し出す。ここで、ファスナー部4の空気とは、ファスナー部4を含む袋体内部の出し入れ口側の空気を指すものとする。これによって、商品収納部分6を空気で膨らませたよりクッション性のよい状態にできる。また、シート片21を引きはがして、接着帯3を露出させておく。段階(H)では、スライダー16をファスナー部4の一端にセットしてスライドさせ、凸条体10と凹条体11を嵌合して出し入れ口7を閉鎖する。その場合、固定クリップがスライダー16の走行に邪魔になるので袋体1から離しておく。
【0026】
図7は、商品の梱包状方法を示す工程図で、段階(I)〜(L)である。段階(I)では、操作台12の右端を下げ、袋体1の出し入れ口7を突き出し状態とする。そして出し入れ口7が幅を広げたクリップ13で挟み込まれる。段階(J)では、クリップ13が回動して折り返され、折り重ね部5が形成される。折り重ね部5は、商品収納部分6に折り重ねられる。そして接着帯3で、商品収納部分6に接合される。接着帯3の接着剤は、手で引き離せる程度の弱い接着力のものでよい。接合された状態を段階(K)に示す。折り重ね部5を形成したので、商品収納部分6の空気がファスナー部4に戻れないようにできる。段階(L)は、商品の梱包状態を斜め上方から見た斜視図である。ここでは、折り重ね部5の左右両端に、挟み込みシール18を貼り付けるようにした。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、袋体を膨らませた状態で商品の梱包ができる梱包方法として好適である。なお、本実施例では、袋体1は三辺の側面に幅のないものを使用したが、折り畳み可能な幅のあるものを使用してもよい。また、梱包する商品はハンチング帽としたが、梱包によるシワや折り痕が付きやすい商品の保護に適している。
【符号の説明】
【0028】
1 袋体
1a 本体部
2 ハンチング帽
3 接着帯
4 ファスナー部
5 折り重ね部
6 商品収納部分
7 出し入れ口
8、9 面部
10 凸条体
11 凹条体
12 操作台
13 クリップ
14 押し拡げ棒
15 嵩上げ部材
16 スライダー
18 挟み込みシール
19 空気寄せロール
21 シート片
21a 表示線
S1〜S5 商品を梱包する各段階を示す。