特許第6296758号(P6296758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 文化シヤッター株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6296758-開閉体装置 図000002
  • 特許6296758-開閉体装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296758
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】開閉体装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/603 20150101AFI20180312BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   E05F15/603
   E06B9/68 A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-228627(P2013-228627)
(22)【出願日】2013年11月1日
(65)【公開番号】特開2015-86660(P2015-86660A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】和気 亮二
(72)【発明者】
【氏名】高井 邦治
(72)【発明者】
【氏名】尾登 宏幸
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−063883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00−15/79
E06B 9/00− 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉するように正逆2方向に移動する前記開口部の周縁部に設けられた開閉手段と、
開閉停の各押しボタンスイッチを備えたスイッチ手段と、
前記スイッチ手段の操作状態に応じて前記開閉手段の開閉停の各動作を電動で制御する開閉制御手段であって、
前記開閉手段が正方向に移動中に、前記開閉手段の正方向移動に対応した押しボタンスイッチ又は停止に対応した押しボタンスイッチが操作された場合は、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行し、前記開閉手段の逆方向移動に対応した押しボタンスイッチが操作された場合には、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行せず、
前記開閉手段が逆方向に移動中に、前記開閉手段の正方向移動に対応した押しボタンスイッチが操作された場合は、前記逆方向の移動を停止し、その後に前記開閉手段を前記正方向に移動し、前記開閉手段の逆方向移動に対応した押しボタンスイッチ又は停止に対応した押しボタンスイッチが操作された場合は、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行する開閉制御手段と
前記正方向及び逆方向を切り替えることのできる切替指定スイッチ手段と
を備えたことを特徴とする開閉体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉体装置において、前記切替指定スイッチ手段は、前記開閉制御手段に設けられたディップスイッチで構成されることを特徴とする開閉体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の開閉体装置において、前記開閉制御手段は、前記開閉手段を前記正方向に移動することによって前記開口部を開放する開動作を実行し、前記開閉手段を前記逆正方向に移動することによって前記開口部を閉鎖する閉動作を実行することを特徴とする開閉体装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の開閉体装置において、前記開閉制御手段は、前記開閉手段を前記正方向に移動することによって前記開口部を閉鎖する閉動作を実行し、前記開閉手段を前記逆正方向に移動することによって前記開口部を開放する開動作を実行することを特徴とする開閉体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部などをシャッターなどの開閉体を用いて仕切るように構成された開閉体装置に係り、特に有線及び無線の押しボタンスイッチの操作に応じて開閉停の動作を制御する開閉体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンなどのような開閉体装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構造物躯体の開口部や窓部あるいは内部の通路や空間などの開口部に設置され、その開閉体を移動させることによってその開口部を開放、閉鎖するものである。開閉体装置は、開口部の上部から開閉部材であるシャッターカーテンを徐々に繰り出し下降させて開口部全体を閉鎖する。この開閉体装置は、開閉停の3種類のスイッチを備えた有線スイッチやリモコンスイッチなどの無線スイッチの各操作に対応して、シャッターカーテンの開閉動作を制御する。このような開閉体装置として、特許文献1に記載のようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−162318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような開閉体装置は、開動作中に閉スイッチが入ると閉動作に移行する。例えば、リモコンスイッチがハンドバックやダッシュボードなどに格納されている場合に、閉スイッチが何らかの物体に当接して誤って押されることがある。この場合、開動作中のシャッターが突如閉動作に移行する可能性がある。このような動作は、ユーザーの意図しない動作である。このような場合、シャッターが下降して障害物を挟んだりする可能性があり好ましくない。また、ユーザーが複数名存在する場合に、誰かが有線スイッチにて開動作をさせた後に、他の誰かがリモコンスイッチで閉動作を操作する可能性がある。このような動作は、有線スイッチを操作したユーザーにとっては、意図しない動作であり、好ましくない。すなわち、開放動作を優先させたいときに、意図しない閉スイッチの操作によって、意図しない閉動作が開始することは好ましくない。また、逆の場合も同様に、閉鎖動作を優先させたいときに、意図しない開スイッチの操作によって、意図しない開動作が開始することは好ましくない。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、開閉体の開閉移動のいずれか一方の動作を優先させたい場合に、操作者の意図に応じた優先動作を信頼性高く行うことができる開閉体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開閉体装置の第1の特徴は、開口部を開閉するように正逆2方向に移動する前記開口部の周縁部に設けられた開閉手段と、開閉停の各押しボタンスイッチを備えたスイッチ手段と、前記スイッチ手段の操作状態に応じて前記開閉手段の開閉停の各動作を電動で制御する開閉制御手段であって、前記開閉手段が正方向に移動中に、前記開閉手段の正方向移動に対応した押しボタンスイッチ又は停止に対応した押しボタンスイッチが操作された場合は、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行し、前記開閉手段の逆方向移動に対応した押しボタンスイッチが操作された場合には、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行せず、前記開閉手段が逆方向に移動中に、前記押しボタンスイッチが操作された場合は、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行する開閉制御手段とを備えたことにある。
開閉手段は、ビル、住宅、工場、倉庫等の建物などの構造物における、出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部などを電動で正逆2方向に開閉移動するシャッターカーテンなどの開閉部材で構成される。開閉手段が、シャッターカーテンの場合には、建物などの開口部の周縁部の一つである上部に収納され、まぐさなどを通過してシャッターカーテンが下降し、開口部を電動で開閉動作する。これ以外にも開閉手段が開口部の側部に収納され電動横引き方式で開閉移動し、開口部の下部に収納され電動上昇方式で開閉移動する。このような開閉体装置の場合、正方向が開動作に対応する移動方向の場合は、逆方向はその反対の閉動作に対応する移動方向となる。逆に、正方向が閉動作に対応する移動方向の場合は、正方向はその反対の開動作に対応する移動方向となる。また、開閉手段には、閉鎖によって開口部を全閉できるものも全閉できないものも含む。この発明は、正逆2方向に開閉移動する開閉部材の開閉移動のいずれか一方の移動を優先させて、開閉部材を優先方向とは逆方向移動に対応した押しボタンスイッチが操作された場合には、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行しないように構成した。これによって、開口部の閉鎖処理が優先される場合には、開閉部材の閉鎖処理中に開スイッチが操作された場合、その開スイッチの操作は実行されることなく、開閉部材の閉鎖処理が優先的に実行される。逆に、開口部の開放処理が優先される場合には、開閉部材の開放処理中に閉スイッチが操作された場合、その閉スイッチの操作は実行されることなく、開閉部材の開放処理が優先的に実行される。これによって、操作者の意図に応じた開閉動作のいずれか一方の処理が優先的に実行されるようになり、信頼性の高い開閉動作を行うことができるという効果を奏する。なお、開閉停の各押しボタンスイッチには、開閉停の各々に割り当てられたスイッチのことを含むのは当然のことであり、3つ以外の個数や開閉停の個別指示以外の方法によるスイッチの場合をも含むものとする。例えば、開と閉のスイッチは1つのみで共用とし、押した回数が奇数若しくは3回以上の奇数回であれば開を、押した回数が2回以上の偶数回であれば閉を操作したものなどのように判定し、停スイッチは個別に設けるようにしてもよいし、さらには開閉停スイッチを共用とし、例えば、1回目は開、2回目は閉、3回目は停とし、後はこの繰り返しなどのように、その押す回数で開閉停を判定するようにしてもよい。
【0007】
本発明の開閉体装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉体装置において、前記開閉制御手段は、前記開閉手段が逆方向に移動中に、前記開閉手段の正方向移動に対応した押しボタンスイッチが操作された場合は、前記逆方向の移動を停止し、その後に前記開閉手段を前記正方向に移動することにある。これは、逆方向移動中に正方向の移動が実行される場合には、一旦停止動作を実行してから正方向の移動を開始するようにしたものである。
【0008】
本発明の開閉体装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の開閉体装置において、前記開閉制御手段は、前記開閉手段を前記正方向に移動することによって前記開口部を開放する開動作を実行し、前記開閉手段を前記逆正方向に移動することによって前記開口部を閉鎖する閉動作を実行することにある。これは、開閉体の開移動を優先的な移動方向としたものである。
【0009】
本発明の開閉体装置の第4の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の開閉体装置において、前記開閉制御手段は、前記開閉手段を前記正方向に移動することによって前記開口部を閉鎖する閉動作を実行し、前記開閉手段を前記逆正方向に移動することによって前記開口部を開放する開動作を実行することにある。これは、開閉体の閉移動を優先的な移動方向としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の開閉体装置によれば、開閉体の開閉移動のいずれか一方の動作を優先させたい場合に、操作者の意図に応じた優先動作を信頼性高く行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るシャッター装置の概略構成の一例を示す図である。
図2図1の制御装置が実行する開閉停スイッチの処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉体装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉手段として上下に開閉動作されるシャッター装置を例に説明する。図1は、本発明に係るシャッター装置の概略構成の一例を示す図である。図1において、開閉体装置20は出入口の開口部を開閉するシャッター装置である。
【0013】
開閉体装置20は、建物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、巻取シャフト5、チェーン6、モータ7、制御装置8、操作スイッチ9、リモコン操作スイッチ10などを含んで構成される。この開閉体装置20は、通常時には、操作スイッチ9の操作に応じて、開閉機であるモータ7を駆動して開閉制御するようになっている。さらに、この開閉体装置20では、シャッターカーテン2が巻取シャフト5に巻き取られている開放状態を機械的な保持機構(図示せず)によって保持しており、この開放状態で外部から火災の発生などを示す非常信号などが制御装置8に入力された場合には、その保持機構による開放状態の保持が解除されて、シャッターカーテン2は、その自重で自然降下して開口部を自動閉鎖する機能を備えていてもよい。
【0014】
ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材又はこれと同等の部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。巻取シャフト5は、シャッターケース1の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン2を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン6は、モータ7の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト5の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ7の回転駆動力は、チェーン6を介して巻取シャフト5側に伝達され、モータ7が回転すると、チェーン6を介して巻取シャフト5が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。モータ7には、その回転位置すなわちシャッターカーテン2の開閉位置と開閉状態を検出するための位置検出装置(図示せず)が設けられている。この位置検出装置は、パルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成される。モータ7の回転に応じたパルス信号が制御装置8に出力されるので、モータ7の回転位置やシャッターカーテン2の閉鎖側先端部の開口部における位置などは、このパルスの発生状況に基づいて制御装置8が演算にて求めることになる。
【0015】
制御装置8は、マイクロコンピューター構成になっており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。制御装置8は、リモコン操作スイッチ10からの制御信号を受信するリモコン用アンテナ81を備えている。リモコン用アンテナ81は、リモコン操作スイッチ10の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号を無線にて受信する。制御装置8は、操作スイッチ9又はリモコン操作スイッチ10の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号やモータ7に設けられた位置検出装置からの信号やプロテクタからの信号などに基づいてモータ7の回転を制御する。
【0016】
操作スイッチ9は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン、停止(停)ボタン、下降(閉)ボタンをそれぞれ有し、これら各ボタンの操作状態に応じた制御信号を制御装置8に出力する。リモコン操作スイッチ10は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン、停止(停)ボタン、下降(閉)ボタンを備えたシャッター装置専用の無線方式の操作子である。リモコン操作スイッチ10は、各ボタンの操作状態に応じた制御信号を、リモコン用アンテナ81を介して制御装置8に出力する。開閉停の各々に個別に割り当てられたスイッチでない場合には、操作スイッチ9やリモコン操作スイッチ10で、スイッチが押された回数等の予め定められた規則に基づいて判定された開閉停の各動作に応じた制御信号を出力する。なお、この判定は操作スイッチ9やリモコン操作スイッチ10側ではなく、スイッチが押されたことを示す信号を受信した制御装置8側で行ってもよい。
【0017】
障害物感知器11は、送信機がシャッターカーテン2の下端部(座板)に設けられたもので、障害物感知時には、内蔵された座板スイッチの移動に対応した感知信号を制御装置8に送信し、また、その後の障害物の除去により座板スイッチの復帰移動時には、復帰信号を送信する構成となっている。障害物感知器11の送信機から制御装置8への信号の送信は、図のような有線方式に限らず、電池を電源として作動する無線方式のものでもよい。また、シャッターカーテン2の下端部に障害物の接触で移動する座板スイッチを設け、障害物接触時の座板の移動力でガイドレールの高さ方向に沿って設けられたテープスイッチを押圧する構成や、テープスイッチから制御手段に対し感知信号を有線出力する構成としてもよい。この他、開口部に光電管やLED等の投受光センサを設け、画像認識等により障害物を非接触で感知する構成としてもよい。
【0018】
図2は、図1の制御装置が実行する開閉停スイッチの処理の一例を示すフローチャート図である。ステップS21では、停止スイッチの入力か否かの判定を行い、停止スイッチ(yes)の場合は次のステップS22に進み、停止スイッチ以外(no)の場合はステップS24に進む。ステップS22では、現在のシャッターカーテン2の動作が開閉動作中か、否(停止中)かの判定を行い、開閉動作中(yes)の場合は次のステップS23に進み、停止中(no)の場合はステップS21にリターンする。ステップS23では、開閉動作中なので、その動作を停止し、ステップS21にリターンする。なお、ここでは、シャッターカーテン2の開動作中における移動を正方向移動とし、閉動作中における移動を逆方向移動とする。
【0019】
ステップS24では、開スイッチの入力か否かの判定を行い、開スイッチ(yes)の場合は次のステップS25に進み、開スイッチ以外(no)の場合はステップS28に進む。ステップS25では、現在のシャッターカーテン2の動作が閉動作中か否(開動作中又は停止中)かの判定を行い、閉動作中(yes)の場合は次のステップS26に進み、開動作中又は停止中(no)の場合はステップS27に進む。ステップS26では、閉動作中なので、閉動作を停止し、その後開動作を開始し、ステップS21にリターンする。ステップS27では、開動作中の場合は、そのまま開動作を継続し、停止中の場合は開動作を開始し、ステップS21にリターンする。
【0020】
ステップS28では、閉スイッチの入力か否かの判定を行い、閉スイッチ(yes)の場合は次のステップS29に進み、閉スイッチ以外(no)の場合はステップS21にリターンする。ステップS29では、現在のシャッターカーテン2の動作が開動作中か否(閉動作中又は停止中)かの判定を行い、開動作中(yes)の場合はステップS21にリターンし、閉動作中又は停止中(no)の場合はステップS2Aに進む。ステップS2Aでは、閉動作中の場合は、そのまま開動作を継続し、停止中の場合は閉動作を開始し、ステップS21にリターンする。
【0021】
すなわち、シャッターカーテン2の開閉動作中に停止スイッチが操作された場合は、ステップS21〜23に従って、その動作を停止する。一方、シャッターカーテン2の閉動作中に開スイッチが操作された場合は、閉動作停止後に開動作を開始し、シャッターカーテン2の開動作中に開スイッチが操作された場合は、開動作をそのまま維持し、シャッターカーテン2の停止中に開スイッチが操作された場合は、開動作を開始する。ここまでは通常の開閉体装置の動作であるが、この実施の形態では、シャッターカーテン2の開動作中に閉スイッチが操作された場合は、その閉スイッチの操作を無視し、開動作を継続させ、シャッターカーテン2の停止中に閉スイッチが操作された場合は、閉動作を開始するという処理を行う。
【0022】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉体装置としては、例えば、シャッター装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【0023】
上述の実施の形態では、シャッターカーテンが全開後に閉スイッチが操作されれば、直ちに閉動作を開始するが、全開後の所定時間(任意設定可能)が経過するまで、閉スイッチの操作を無視するようにしてもよい。また、閉スイッチの操作があった旨を記憶しておいて、全開完了後の所定時間経過後にその閉スイッチの操作が反映されるようにしてもよい。さらに、何度も閉スイッチが操作された場合は1回分のみを記憶する。このとき、停スイッチの操作があった場合や障害物感知があった場合は、その記憶をキャンセルする。
【0024】
上述の実施の形態では、開動作中に閉スイッチが操作された場合に、その閉スイッチの操作を無視して、開動作を優先させる場合、すなわち、シャッターカーテン2の開動作中における移動を正方向移動とし、閉動作中における移動を逆方向移動とする場合について説明したが、その逆の場合も同様に可能である。すなわち、シャッターカーテン2の閉動作中における移動を正方向移動とし、開動作中における移動を逆方向移動とし、閉動作中に開スイッチが操作された場合に、その開スイッチの操作を無視して、閉動作を優先させるようにしてもよい。
【0025】
閉スイッチの操作を無視して、開動作を優先させる制御を実行するか、あるいはこの逆の制御を実行するかは予め決められていてもよいし、どちらの制御を実行するかを他の手段にて指定できるように、例えば、制御装置8にディップスイッチなどを設けて切替可能としたり、操作スイッチ9やリモコン操作スイッチ10に切替指定スイッチを設けて、このディップスイッチや切替指定スイッチ等の操作によって指定変更できるようにしてもよい。なお、ステップS26では、あくまでも開動作(正方向移動)を優先させるため、閉動作中なので、閉動作(逆方向移動)を停止し、その後に開動作(正方向移動)を開始しているが、現状動作している移動方向(逆方向移動)を優先させる場合には、閉動作の停止と開動作の処理を行わずに閉動作を継続させる処理を行えばよい。この処理についてもディップスイッチや切替指定スイッチからの切替信号等でその要否を指定できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1…シャッターケース
10…リモコン操作スイッチ
11…障害物感知器
2…シャッターカーテン
20…開閉体装置
3…ガイドレール
5…巻取シャフト
6…チェーン
7…モータ
8…制御装置
81…リモコン用アンテナ
9…操作スイッチ
図1
図2