(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉体装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉手段として上下に開閉動作されるシャッター装置を例に説明する。
図1は、本発明に係るシャッター装置の概略構成の一例を示す図である。
図1において、開閉体装置20は出入口の開口部を開閉するシャッター装置である。
【0014】
開閉体装置20は、建物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、巻取シャフト5、チェーン6、モータ7、開閉制御装置8、3点式の押しボタンスイッチ90などを含んで構成される。この開閉体装置20は、通常時には、押しボタンスイッチ90の操作に応じて、開閉機であるモータ7を駆動して開閉制御するようになっている。さらに、この開閉体装置20では、シャッターカーテン2が巻取シャフト5に巻き取られている開放状態を機械的な保持機構(図示せず)によって保持しており、この開放状態で外部から火災の発生などを示す非常信号などが開閉制御装置8に入力された場合には、その保持機構による開放状態の保持が解除されて、シャッターカーテン2は、その自重で自然降下して開口部を自動閉鎖する機能を備えていてもよい。
【0015】
ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材又はこれと同等の部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。巻取シャフト5は、シャッターケース1の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン2を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン6は、モータ7の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト5の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ7の回転駆動力は、チェーン6を介して巻取シャフト5側に伝達され、モータ7が回転すると、チェーン6を介して巻取シャフト5が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0016】
モータ7は、その回転位置すなわちシャッターカーテン2の開閉位置と開閉状態を検出するための位置検出装置(図示せず)を備えている。この位置検出装置は、パルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成される。モータ7の回転に応じたパルス信号が開閉制御装置8に出力されるので、モータ7の回転位置やシャッターカーテン2の閉鎖側先端部の開口部における位置などは、このパルスの発生状況に基づいて開閉制御装置8が演算にて求めることになる。
【0017】
開閉制御装置8は、マイクロコンピュータ構成になっており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。開閉制御装置8は、押しボタンスイッチ90の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号やモータ7に設けられた位置検出装置からの信号やプロテクタからの信号などに基づいてモータ7の回転を制御する。押しボタンスイッチ90は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)スイッチ90A、停止(停)スイッチ90B、下降(閉)スイッチ90Cをそれぞれ有し、これら各スイッチの操作状態に応じた制御信号を開閉制御装置8に出力する。
【0018】
障害物感知器11は、送信機がシャッターカーテン2の下端部(座板)に設けられたもので、障害物感知時には、内蔵された座板スイッチの移動に対応した感知信号を開閉制御装置8に送信し、また、その後の障害物の除去により座板スイッチの復帰移動時には、復帰信号を送信する構成となっている。障害物感知器11の送信機から開閉制御装置8への信号の送信は、図のような有線方式に限らず、電池を電源として作動する無線方式のものでもよい。また、シャッターカーテン2の下端部に障害物の接触で移動する座板スイッチを設け、障害物接触時の座板の移動力でガイドレールの高さ方向に沿って設けられたテープスイッチを押圧する構成や、テープスイッチから制御手段に対し感知信号を有線出力する構成としてもよい。この他、開口部に光電管やLED等の投受光センサを設け、画像認識等により障害物を非接触で感知する構成としてもよい。
【0019】
図2は、第1の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図であり、3点式操作の押しボタンスイッチが接続された状態を示す。開閉制御装置8は、マイクロコンピュータを備えて構成されている。なお、図示していないが、開閉制御装置8は、モータ7を駆動制御するモータドライブ回路や操作者に異常を報知するLED・ブザーなどを備えている。開閉制御装置8には、電源ラインACを介して100[V]の電力が供給されている。開閉制御装置8は、押しボタンスイッチ90上の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号、及び障害物感知器11の座板スイッチ11Aからの感知信号、上限用リミットスイッチ8A及び下限用リミットスイッチ8Bからの接点信号に基づいて、図示していないモータドライブ回路を介してモータ7の回転を制御する。モータ7には、過熱保護装置のひとつであるサーマルプロテクタ71が接続されている。
【0020】
押しボタンスイッチ90は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして機能する開スイッチ90A、停止スイッチ90B及び閉スイッチ90C、並びにこれらの各スイッチを3点式操作の切り替えスイッチとして機能させるためのディップスイッチなどの状態保持タイプの制御切替スイッチ90Dを備えている。押しボタンスイッチ90は、各ボタンの操作状態に応じた制御信号を開閉制御装置8に出力する。
図2の実施の形態では、開スイッチ90A、停止スイッチ90B及び閉スイッチ90Cがそれぞれ手動操作自動復帰型のa接点で構成され、制御切替スイッチ90Dは、手動操作残留型スイッチで構成されている。
図2では、制御切替スイッチ90Dはオン状態にある。
【0021】
上限用リミットスイッチ8A及び下限用リミットスイッチ8Bは、モータ7の回転位置に応じてオン・オフ状態を維持するものであり、シャッターカーテン2が上限又は下限位置に達すると、上限用リミットスイッチ8A又は下限用リミットスイッチ8Bの接点が開いて、シャッターカーテン2がこの上限位置又は下限位置に達したことを開閉制御装置8に通知する。開閉制御装置8は、シャッターカーテン2が上限又は下限位置に達すると、シャッターカーテン2を上限又は下限位置で停止させる。
【0022】
図3は、第1の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図であり、1点式操作の押しボタンスイッチが接続された状態を示す。
図3において、
図2と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。
図3のものが
図2のものと異なる点は、押しボタンスイッチ91が開閉停の動作を順次切り替えるための動作切替用スイッチ91Aと、この動作切替用スイッチ91Aを1点式操作の切り替えスイッチとして機能させるためのディップスイッチなどの状態保持タイプの制御切替スイッチ91Dを備えている点である。押しボタンスイッチ91は、ボタンの押圧状態に応じた制御信号を開閉制御装置8に出力する。
図3の実施の形態では、動作切替用スイッチ91Aは、手動操作自動復帰型のa接点で構成され、制御切替スイッチ91Dは、手動操作残留型スイッチで構成されている。
図3では、制御切替スイッチ91Dはオフ状態にある。
【0023】
図4は、
図2の3点式操作の押しボタンスイッチが接続された場合、又は
図3の1点式操作の押しボタンスイッチが接続された場合に実行される処理の詳細を示す図である。以下、このフローチャートを用いて開閉体装置の動作を説明する。ステップS41では、開閉制御装置8に接続された押しボタンスイッチ90又は91の制御切替スイッチ90D又は91Dの切替状態がオン状態(ON)であるか否かの判定を行い、オン状態(yes)の場合はステップS42に進み、オフ状態(no)の場合はステップS43に進む。ステップS42では、開閉制御装置8には3点式操作の押しボタンスイッチ90が接続されたものとして、開閉制御装置8は3点式操作の押しボタン対応の制御を実行する。ステップS43では、開閉制御装置8には1点式操作の押しボタンスイッチ91が接続されたものとして、開閉制御装置8は1点式操作の押しボタン対応の制御を実行する。この実施の形態においては、開スイッチ90A、停止スイッチ90B及び閉スイッチ90C、並びに動作切替用スイッチ91Aがそれぞれa接点の場合について説明したが、これに限定されることはなく、a接点、b接点のいずれで構成されていてもよい。
【0024】
他の判定方法として、制御切替スイッチ90Dと制御切替スイッチ91D各々の状態を判断し、どちらか一方のみが切替状態を示していれば、その切替に対応した3点式操作又は1点式操作の押しボタンスイッチ対応の制御を実行し、そうでなければ、すなわち両方切替状態を示しているか、または両方切替状態を示していない場合には、異常として例えばエラー表示などをしてもよいし、どちらかが一方的に切り替えられていると見なして当初切替に対応した押しボタン対応の制御を実行してもよい。
【0025】
図5は、第2の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図であり、3点式操作の押しボタンスイッチが接続された状態を示す。
図5において、
図2と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。
図5のものが
図2のものと異なる点は、押しボタンスイッチ92の開スイッチ92A及び閉スイッチ92Cがそれぞれ手動操作自動復帰型のa接点で構成され、停止スイッチ92Bが手動操作自動復帰型のb接点で構成され、
図2の制御切替スイッチ90Dが省略されている点である。
【0026】
図6は、第2の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図であり、1点式操作の押しボタンスイッチが接続された状態を示す。
図6において、
図3と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。
図6のものが
図3のものと異なる点は、押しボタンスイッチ93が開閉停の動作を順次切り替えるための動作切替用スイッチ93Aのみを備え、
図3の制御切替スイッチ91Dが省略されている点である。押しボタンスイッチ93の動作切替用スイッチ93Aは、手動操作自動復帰型のa接点で構成されている。
【0027】
押しボタンスイッチ92の停止スイッチ92Bは、b接点で構成されているので、開閉制御装置8は、この停止スイッチ92Bが接続されている端子の状態(短絡状態)を検出して、3点式操作の押しボタンスイッチが接続されていることを認識する。一方、押しボタンスイッチ93が接続された場合、端子間は開放状態にあるので、開閉制御装置8は、この端子間の状態(開放状態)を検出して、1点式操作の押しボタンスイッチが接続されていることを認識する。
図5及び
図6では、押しボタンスイッチ92の停止スイッチ92Bのみをb接点として、これ以外をa接点として混合させているが、これに限定されることなく、開閉制御装置8に3点式及び1点式のどちらの押しボタンスイッチスイッチが接続されているのかを認識することができるように、各スイッチをa接点又はb接点で構成するようにすればよい。
【0028】
図7は、
図5の3点式操作の押しボタンスイッチが接続された場合、又は
図6の1点式操作の押しボタンスイッチが接続された場合に実行される処理の詳細を示す図である。以下、このフローチャートを用いて開閉体装置の動作を説明する。ステップS71では、開閉制御装置8は所定の端子に電流を流し、短絡状態にあるのか、開放状態にあるのかの判定を行い、短絡状態(yes)の場合は
図5の3点式操作の押しボタンスイッチが接続されたものとして、ステップS72に進み、開放状態(no)の場合は
図6の1点式操作の押しボタンスイッチが接続されたものとして、ステップS73に進む。ステップS72では、開閉制御装置8には3点式操作の押しボタンスイッチ92が接続されたものとして、開閉制御装置8は3点式操作の押しボタン対応の制御を実行する。ステップS73では、開閉制御装置8には1点式操作の押しボタンスイッチ93が接続されたものとして、開閉制御装置8は1点式操作の押しボタン対応の制御を実行する。
【0029】
図8は、第3の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図であり、3点式操作の押しボタンスイッチ及び1点式操作の押しボタンスイッチの両方が接続された状態を示す。
図8において、
図2と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。
図8のものが
図2のものと異なる点は、開閉制御装置8に3点式操作の押しボタンスイッチ94及び/又は1点式操作の押しボタンスイッチ95が接続可能であり、開閉制御装置8がいずれのスイッチの操作にも対応している点である。
【0030】
3点式操作の押しボタンスイッチ94は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして機能する開スイッチ94A、停止スイッチ94B及び閉スイッチ94Cを備えている。開スイッチ94A、停止スイッチ94B及び閉スイッチ94Cは、それぞれ手動操作自動復帰型のa接点で構成されている。1点式操作の押しボタンスイッチ95は、開閉停の動作を順次切り替えるための動作切替用スイッチ95Aを備えている。押しボタンスイッチ95の動作切替用スイッチ95Aは、手動操作自動復帰型のa接点で構成されている。
図8の実施の形態では、押しボタンスイッチはa接点及びb接点のいずれでもよく、開閉制御装置8の接続端子に対して接続される押しボタンスイッチの端子がそれぞれ対応付けてあることが必要である。
【0031】
図9は、
図8の3点式操作の押しボタンスイッチ及び/又は1点式操作の押しボタンスイッチが接続された場合に実行される処理の詳細を示す図である。以下、このフローチャートを用いて開閉体装置の動作を説明する。ステップS90〜S94では、シャッターカーテン2が上限停止中、下限停止中、中間停止中、上昇中、下降中のいずれであるかを判定し、上限停止中の場合はステップS95の上限停止処理に、下限停止中の場合はステップS96の下限停止処理に、中間停止中の場合はステップS97の中間停止処理に、上昇中の場合はステップS98の中間停止処理に、下降中の場合はステップS99の下降中処理にそれぞれ移行して対応する処理を実行する。
【0032】
図10は、
図9のステップS95の上限停止処理の一例を示す図である。ステップS951〜S954では、
図8に示すように開閉制御装置8に接続されている3点式操作の押しボタンスイッチ94の開スイッチ94A、停止スイッチ94B及び閉スイッチ94C並びに1点式操作の押しボタンスイッチ95の動作切替用スイッチ95Aのいずれがオン状態(ON)であるかを判定し、それぞれのオン状態に対応した処理を実行する。従って、開スイッチ94Aがオンの場合はステップS955の停止処理、停止スイッチ94Bがオンの場合はステップS956の停止処理をそれぞれ実行する。ステップS955又はステップS956の停止処理の結果、シャッターカーテン2は上限位置に停止したままの状態となる。閉スイッチ94Cがオンの場合はステップS957の下降開始処理、動作切替用スイッチ95Aがオンの場合はステップS958の下降開始処理をそれぞれ実行する。ステップS957又はステップS958の下降開始処理の実行によって、シャッターカーテン2は上限停止位置から下降動作を開始する。すなわち、シャッターカーテン2が上限位置に停止中の場合は、閉スイッチ94C又は動作切替用スイッチ95Aのいずれかがオン状態になった場合にシャッターカーテン2の下降を開始し、それ以外の場合は上限に停止した状態をそのまま維持する。
【0033】
図11は、
図9のステップS96の下限停止処理の一例を示す図である。ステップS961〜S964では、上述と同様に開スイッチ94A、停止スイッチ94B、閉スイッチ94C及び動作切替用スイッチ95Aのいずれがオン状態(ON)であるかを判定し、それぞれのオン状態に対応した処理を実行する。従って、開スイッチ94Aがオンの場合はステップS965の上昇開始処理、動作切替用スイッチ95Aがオンの場合はステップS968の上昇開始処理をそれぞれ実行する。ステップS965又はステップS968の上昇開始処理の実行によって、シャッターカーテン2は下限停止位置から上昇動作を開始する。停止スイッチ94Bがオンの場合はステップS966の停止処理、閉スイッチ94Cがオンの場合はステップS967の停止処理をそれぞれ実行する。ステップS966又はステップS967の停止処理の結果、シャッターカーテン2は下限位置に停止したままの状態となる。すなわち、シャッターカーテン2が下限位置に停止中の場合は、開スイッチ94A又は動作切替用スイッチ95Aのいずれかがオン状態になった場合にシャッターカーテン2の上昇を開始し、それ以外の場合は下限に停止した状態をそのまま維持する。
【0034】
図12は、
図9のステップS97の中間停止処理の一例を示す図である。ステップS971〜S974では、上述と同様に開スイッチ94A、停止スイッチ94B、閉スイッチ94C及び動作切替用スイッチ95Aのいずれがオン状態(ON)であるかを判定し、それぞれのオン状態に対応した処理を実行する。従って、開スイッチ94Aがオンの場合はステップS975の上昇開始処理、動作切替用スイッチ95Aがオンの場合はステップS978の上昇開始処理をそれぞれ実行する。ステップS975又はステップS978の上昇開始処理の実行によって、シャッターカーテン2は中間停止位置から上昇動作を開始する。停止スイッチ94Bがオンの場合はステップS976の停止処理を実行する。ステップS976の停止処理の結果、シャッターカーテン2は中間停止位置に停止したままの状態となる。閉スイッチ94Cがオンの場合はステップS977の下降開始処理を実行する。ステップS977の下降開始処理の結果、シャッターカーテン2は中間停止位置から下降動作を開始する。すなわち、シャッターカーテン2が中間位置に停止中の場合は、開スイッチ94A又は動作切替用スイッチ95Aのいずれかがオン状態になった場合にシャッターカーテン2の上昇を開始し、閉スイッチ94Cがオン状態になった場合にシャッターカーテン2の下降を開始し、停止スイッチ94Bがオン状態になった場合には中間に停止した状態をそのまま維持する。
【0035】
図13は、
図9のステップS98の上昇中処理の一例を示す図である。ステップS981〜S984では、上述と同様に開スイッチ94A、停止スイッチ94B、閉スイッチ94C及び動作切替用スイッチ95Aのいずれがオン状態(ON)であるかを判定し、それぞれのオン状態に対応した処理を実行する。従って、開スイッチ94Aがオンの場合はステップS985の上昇状態を保持する上昇保持処理、閉スイッチ94Cがオンの場合はステップS987の上昇保持処理をそれぞれ実行する。ステップS985又はステップS987の上昇保持処理の実行によって、シャッターカーテン2はそのまま上昇動作を継続する。停止スイッチ94Bがオンの場合はステップS986の停止処理、動作切替用スイッチ95Aがオンの場合はステップS988の停止処理をそれぞれ実行する。ステップS986又はステップS988の停止処理の結果、シャッターカーテン2は上昇動作を停止し中間位置に停止する。すなわち、シャッターカーテン2が上昇動作中の場合は、開スイッチ94A又は閉スイッチ94Cのいずれかがオン状態になった場合にはシャッターカーテン2の上昇動作を保持し、停止スイッチ94B又は動作切替用スイッチ95Aがオン状態になった場合には上昇動作中のシャッターカーテン2をその場に停止させる。
【0036】
図14は、
図9のステップS99の下降中処理の一例を示す図である。ステップS990〜S994では、上述と同様に開スイッチ94A、停止スイッチ94B、閉スイッチ94C及び動作切替用スイッチ95Aのいずれがオン状態(ON)であるか、また障害物感知器11から障害物感知を示す信号がオン状態(ON)であるかを判定し、それぞれのオン状態に対応した処理を実行する。従って、開スイッチ94Aがオンの場合はステップS995の停止後上昇開始処理、動作切替用スイッチ95Aがオンの場合はステップS998の停止後上昇開始処理、障害物感知信号がオンの場合はステップS999の停止後上昇開始処理をそれぞれ実行する。ステップS995、ステップS997又はステップS999の停止後上昇開始処理の実行によって、シャッターカーテン2はその位置で一旦停止し、その後に上昇動作を開始する。停止スイッチ94Bがオンの場合はステップS996の停止処理を実行する。ステップS996の停止処理の結果、シャッターカーテン2は下降動作を停止し中間位置に停止する。閉スイッチ94Cがオンの場合はステップS997の下降保持処理を実行する。ステップS997の下降保持処理の実行によって、シャッターカーテン2はそのまま下降動作を継続する。すなわち、シャッターカーテン2が下降動作中の場合は、開スイッチ94A、動作切替用スイッチ95Aのいずれかがオン状態になった場合及び障害物感知器11がオン状態になった場合にはシャッターカーテン2の下降動作を直ちに停止させ上昇動作を開始し、停止スイッチ94Bがオン状態になった場合には下降動作中のシャッターカーテン2をその場に停止させ、閉スイッチ94Cがオン状態になった場合にはシャッターカーテン2の下降動作を保持する。
【0037】
上述の第3の実施の形態では、
図8に示すように3点式操作の押しボタンスイッチ94及び1点式操作の押しボタンスイッチ95の両方が接続された場合を示したが、いずれか一方が接続された場合でも上述の処理にて対応可能である。
また、上述の第3の実行の形態では、
図12の中間停止処理において、1点式操作の押しボタンスイッチ95の動作切替用スイッチ95Aがオン状態になった場合に、上昇動作を優先させてシャッターカーテン2の上昇を開始するようにしたが、中間位置に停止する前の動作が上昇動作なのか下降動作なのかを記憶しておき、停止前の動作を継続して実行するようにしてもよい。
【0038】
図13に示す実施の形態では、正逆2方向に開閉移動する開閉部材の開閉移動のいずれか一方の移動を優先させて、開閉部材を優先方向とは逆方向移動に対応した押しボタンスイッチが操作された場合には、その操作された押しボタンスイッチに対応した処理を実行しないように構成した。すなわち、
図13に示すように、開口部の開放(上昇)処理が優先される場合には、開閉部材の開放(上昇)処理中に閉スイッチが操作された場合、その閉スイッチの操作は実行されることなく、開閉部材の開放(上昇)処理が優先的に実行される。また、
図12に示すように、中間停止中に1点式操作の押しボタンスイッチ95が操作された場合には、停止前の動作に関わらず上昇開始処理を優先的に実行するようにしてもよい。これによって、操作者の意図に応じた開閉動作のいずれか一方の処理が優先的に実行されるようになり、信頼性の高い開閉動作を行うことができるという効果を奏する。なお、逆に、開口部の閉鎖(下降)処理が優先される場合には、開閉部材の閉鎖(下降)処理中に開スイッチが操作された場合、その開スイッチの操作は実行されることなく、開閉部材の閉鎖(下降)処理が優先的に実行されるようにしてもよい。
【0039】
上述の第1の実施の形態の前提として、開閉制御装置8は3点式操作の押しボタンスイッチに関する制御と1点式操作の押しボタンスイッチに関する制御に関する両方システムを備えている。このことについては、第2の実施の形態と第3の実施の形態についても同様である。特に第3の実施の形態の場合には、開閉制御装置8に3点式操作の押しボタンスイッチと1点式操作の押しボタンスイッチ両者が接続されており、押されたタイミングによっては開閉停の各押しボタンスイッチの信号と1点式の押しボタンスイッチの信号について開閉制御装置8に通知される順序はランダムである。あくまでも一例であるが、例えば開ボタンスイッチの信号の通知後に1点式の押しボタンスイッチの信号が通知され、その後に開ボタンスイッチの信号が通知されるような場合がある。
図2及び
図5には、開閉制御装置8に3点式操作の押しボタンスイッチ関連のみが接続されていて1点式操作の押しボタンスイッチ関連は接続されていない場合が示してあり、
図3及び
図6には、開閉制御装置8に1点式操作の押しボタンスイッチ関連のみが接続されていて3点式操作の押しボタンスイッチ関連は接続されていない場合が示してある。
【0040】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉体装置としては、例えば、シャッター装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。