(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記湿式洗煙手段は、前記低温液体と液体を接触させた後のガスとを熱交換させ、前記排出ガスに含まれる水蒸気量を低減する除湿機能を有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のガス処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載されたガス処理システムでは、湿式洗煙装置において温度が低下した後の排出ガスから熱を回収し、回収した熱をヒートポンプを介して排出ガスに伝えるものである。このため、ヒートポンプを用いているものの、排出ガスの温度が十分に上昇せず、また、排出ガス中の水蒸気量も十分に下がらないため、白煙の発生を抑えることが難しい。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、白煙の発生を十分に抑えることができるガス処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決する本発明の第1のガス処理システムは
、
受け入れた高温のガスに液体を接触させることで該ガスに含まれた有害成分を除去するとともに該ガスの温度低下を行う湿式洗煙手段と、
前記湿式洗煙手段から排出された排出ガスに含まれる水蒸気量よりも少ない水蒸気量を含んだ気体を昇温用熱交換器によって該排出ガスよりも高い温度まで加熱して高温気体を得るとともに、受入液体を降温用熱交換器によって該受入液体よりも低い温度まで低下させ低温液体を得るヒートポンプと、
大気中に排気する排気手段と、
前記低温液体および前記湿式洗煙手段において前記高温のガスに液体を接触させることで生じるドレンが供給され、供給された液体を貯留する貯留手段とを備え、
前記排気手段は、前記高温気体が混合された前記排出ガスを大気中に排気するものであり、
前記ヒートポンプは、前記受入液体として、前記貯留手段に貯留されている液体を受け入れるものであり、
さらに、前記ヒートポンプから前記貯留手段に供給する前記低温液体の供給量を調整する低温液体調整手段を備えたことを特徴とする。
上記目的を解決する本発明の第2のガス処理システムは、
受け入れた高温のガスに液体を接触させることで該ガスに含まれた有害成分を除去するとともに該ガスの温度低下を行う湿式洗煙手段と、
前記湿式洗煙手段から排出された排出ガスを、昇温用熱交換器によって該排出ガスよりも高い温度まで加熱し高温気体を得るとともに、受入液体を降温用熱交換器によって該受入液体よりも低い温度まで低下させ低温液体を得るヒートポンプと、
大気中に排気する排気手段と、
前記低温液体および前記湿式洗煙手段において前記高温のガスに液体を接触させることで生じるドレンが供給され、供給された液体を貯留する貯留手段とを備え、
前記排気手段は、前記高温気体を大気中に排気するものであり、
前記ヒートポンプは、前記受入液体として、前記貯留手段に貯留されている液体を受け入れるものであり、
さらに、前記ヒートポンプから前記貯留手段に供給する前記低温液体の供給量を調整する低温液体調整手段を備えたことを特徴とする。
また、第1態様のガス処理システムは、受け入れた高温のガスに液体を接触させることで該ガスに含まれた有害成分を除去するとともに該ガスの温度低下を行う湿式洗煙手段と、
前記湿式洗煙手段から排出された排出ガスに含まれる水蒸気量よりも少ない水蒸気量を含んだ気体を昇温用熱交換器によって該排出ガスよりも高い温度まで加熱して高温気体を得るとともに、受入液体を降温用熱交換器によって該受入液体よりも低い温度まで低下させ低温液体を得るヒートポンプと、
大気中に排気する排気手段とを備え、
前記排気手段は、前記高温気体が混合された前記排出ガスを大気中に排気するものであることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記高温のガスは、焼却炉で汚泥等の被焼却物を焼却した際に発生する焼却炉排ガスであってもよいし、ボイラで発生する排ガスであってもよい。また、前記排気手段は、煙突であってもよく、この煙突内で前記排出ガスと前記高温気体とを混合させてもよい。
【0011】
第1態様のガス処理システムによれば、前記ヒートポンプによって、前記排出ガスに含まれる水蒸気量よりも少ない水蒸気量を含んだ気体を、該排出ガスよりも高い温度まで加熱した高温気体を得る。前記排気手段から大気中に排気される前記排出ガスは、前記高温気体が混合されたものであるため、低温湿潤な排ガスよりは高温で水蒸気量の少ない状態になり、煙突などから排出されても白煙の発生を十分に抑えることができる。
【0012】
第2態様のガス処理システムは、受け入れた高温のガスに液体を接触させることで該ガスに含まれた有害成分を除去するとともに該ガスの温度低下を行う湿式洗煙手段と、
前記湿式洗煙手段から排出された排出ガスを、昇温用熱交換器によって該排出ガスよりも高い温度まで加熱し高温気体を得るとともに、受入液体を降温用熱交換器によって該受入液体よりも低い温度まで低下させ低温液体を得るヒートポンプと、
大気中に排気する排気手段とを備え、
前記排気手段は、前記高温気体を大気中に排気するものであることを特徴とする。
【0013】
第2態様のガス処理システムによれば、前記ヒートポンプの前記昇温用熱交換器によって、前記排出ガスの温度を十分に上昇させ、前記高温気体を得ることができる。前記排気手段は、前記高温気体を大気中に排気するものであるため、該高温気体が該排気手段から排気される際の白煙の発生を十分に抑えることができる。
【0014】
また、
第1態様のガス処理システム、および
第2態様のガス処理システムにおいて、前記湿式洗煙手段は、受け入れた高温のガスに、前記低温液体を接触させるものであってもよい。
【0015】
こうすることで、前記受入液体を前記降温用熱交換器によって該受入液体よりも低い温度まで低下させて得た前記低温液体を、前記湿式洗煙手段が受け入れた高温のガスの洗浄に利用することができる。また、前記湿式洗煙手段に受け入れる高温のガスをより低温化できるので有害成分を除去する効果が高められ、さらに、前記湿式洗煙手段からの排出ガス中の水蒸気量が下がるので白煙がより生じ難くなる。
【0016】
さらにまた、
第1態様のガス処理システム、および
第2態様のガス処理システムでは、前記湿式洗煙手段において、高温のガスに液体を接触させることで生じるドレンと、前記低温液体とを熱交換する熱交換手段を備え、
前記ヒートポンプは、前記受入液体として、前記熱交換手段によって得た相対的に温度の高い温水を受け入れるものであり、
前記湿式洗煙手段は、受け入れた高温のガスに、前記熱交換手段によって得た相対的に温度の低い冷水を接触させるものであってもよい。
【0017】
前記ヒートポンプは、前記受入液体として、前記低温液体が前記熱交換手段で前記ドレンと熱交換されて得た相対的に温度の高い温水を受け入れるものである。この結果、前記ドレンを前記ヒートポンプの前記降温用熱交換器に受入れる必要がなくなる。このため、前記ドレンがダスト等の汚れを含むものであったとしても、清掃が比較的困難な前記降温用熱交換器が、該ドレンに含まれるダスト等によって汚れてしまうことを防止することができる。また、前記熱交換手段で前記ドレンと前記低温液体とを熱交換することで、前記湿式洗煙手段が受け入れた高温のガスから該ドレンが回収した熱を前記排出ガスの加熱に利用することができる。
【0018】
またさらに、
第1態様のガス処理システム、および
第2態様のガス処理システムにおいて、前記湿式洗煙手段は、前記低温液体と液体を噴霧した後のガスとを熱交換させ、前記排出ガスに含まれる水蒸気量を低減する除湿機能を有するものであってもよい。
【0019】
ここで、前記除湿機能は、前記低温液体を流す流路の一部を前記湿式洗煙手段内に配置し、該流路の一部に、液体と接触させた後のガスを接触させることで、該低温液体と該ガスとを熱交換させるものであってもよい。
【0020】
前記湿式洗煙手段が前記除湿機能を有するものとすることで、該除湿機能によって前記ガスに含まれる水蒸気量を低減することができ、前記排出ガスが前記排気手段から排気される際の白煙の発生をより抑えることができる。
【0021】
さらにまた、
第1態様のガス処理システム、および
第2態様のガス処理システムでは、前記低温液体および前記湿式洗煙手段において高温のガスに液体を接触させることで生じるドレンが供給され、供給された液体を貯留する貯留手段を備え、
前記ヒートポンプは、前記受入液体として、前記貯留手段に貯留されている液体を受け入れるものであってもよい。
【0022】
ここで、前記貯留手段は、前記ヒートポンプの受入液体を貯留しておくものであって、前記湿式洗煙手段において高温のガスに液体を接触させることで生じるドレンと、前記低温液体とを受入可能なものであってもよい。
【0023】
前記貯留手段に、前記低温液体および前記湿式洗煙手段において高温のガスに液体を接触させることで生じるドレンが貯留され、前記ヒートポンプは、前記受入液体として、前記貯留手段に貯留されている液体を受け入れるものとすることで、前記湿式洗煙手段に受け入れた高温のガスから前記ドレンによって回収した熱を前記排出ガスの加熱に利用することができる。また、前記貯留手段によって、前記ヒートポンプが受け入れる前記受入液体の温度を一定に保つことが容易になり、該ヒートポンプの能力を安定させやすくなる。
【0024】
またさらに、
第1態様のガス処理システム、および
第2態様のガス処理システムにおいて、制御手段と、
前記貯留手段に貯留されている液体の温度を検出する温度検出手段と、
前記ヒートポンプから前記貯留手段に供給する前記低温液体の供給量を、前記制御手段からの制御により調整する低温液体調整手段と、
前記湿式洗煙手段から前記貯留手段に供給する前記ドレンの供給量を、前記制御手段からの制御により調整するドレン調整手段とを備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記貯留手段に貯留されている液体の温度が管理温度を下回った場合には前記低温液体の供給量よりも前記ドレンの供給量が多くなるように前記低温液
体調整手段および前記ドレ
ン調整手段のうちの少なくとも一方を制御し、前記貯留手段に貯留されている液体の温度が管理温度を上回った場合には前記ドレンの供給量よりも前記低温液体の供給量が多くなるように前記低温液
体調整手段および前記ドレ
ン調整手段のうちの少なくとも一方を制御するものであってもよい。
【0025】
こうすることで、前記制御手段によって、前記貯留手段に貯留されている液体の温度を制御することができ、前記ヒートポンプが受け入れる前記受入液体の温度を、前記管理温度に維持する管理が可能になる。
【0026】
さらに、前記貯留手段に貯留されている液体の水位を検出する水位検出手段を備え、
前記制御手段は、前記水位検出手段の検出結果および前記温度検出手段の検出結果の双方に基づいて、前記低温液
体調整手段および前記ドレ
ン調整手段のうちの少なくとも一方を制御するものであってもよい。
【0027】
こうすることで、前記貯留手段に貯留されている液体の量も制御することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、白煙の発生を十分に抑えることができる、ヒートポンプを用いた省エネルギーなガス処理システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明の一実施形態であるガス処理システムは、汚泥等を焼却炉で焼却した際に生じる焼却炉排ガスや、ボイラで発生する排ガス等の高温のガスを処理して大気中に排気するものである。
【0031】
図1は、本発明の第1のガス処理システムにおける第1実施形態を示す系統図である。
【0032】
図1に示すように、第1のガス処理システム10は、湿式洗煙塔2と、ヒートポンプ3と、煙突4と、タンク5を備えている。湿式洗煙塔2は、焼却炉排ガス等の高温のガスを受入れ、受け入れた高温のガスに水を噴霧して高温のガスと水を接触させることで、高温のガスに含まれた有害成分を除去するとともに、高温のガスの温度低下を行うものである。すなわち、湿式洗煙塔2は、本発明にいう湿式洗煙手段の一例に相当する。
【0033】
湿式洗煙塔2は、ラシヒリング21と、ミストセパレータ22と、複数の噴霧ノズル23を有している。ラシヒリング21は、高温のガスと噴霧される水との接触面積を大きくし、気液の接触効率を向上させるための充填材である。複数の噴霧ノズル23は、ラシヒリング21の上方に配置され、本実施形態では、給水源に接続した第1噴霧ノズル231、後述するタンク側分岐路623に接続した第2噴霧ノズル232、および後述する洗煙塔側循環路61に接続した第3噴霧ノズル233を有している。ミストセパレータ22は、例えば、波板が積層されて構成されたものであり、複数の噴霧ノズル23の上方に配置されている。このミストセパレータ22は、湿式洗煙塔2内を上昇するガスとともに上昇してくる水滴を衝突させ、水滴が、ガスの流れにおける下流側に流れ込むことを防ぐものである。
【0034】
湿式洗煙塔2には、焼却炉排ガス等の高温のガスが、ファンFによってラシヒリング21の下方に送り込まれる。この高温のガスは、汚泥等を不図示の焼却炉で焼却した際に生じる、温度が700℃〜800℃程度の焼却炉排ガスが、不図示の熱交換器等によって熱交換され、例えば温度が200℃前後に低下したガスである。また、高温のガスには、硫黄酸化物や窒素酸化物等の有害成分が含まれている。
【0035】
湿式洗煙塔2に送り込まれた高温のガスは、湿式洗煙塔2内を上昇する。また、複数の噴霧ノズル23から水が噴霧され、ラシヒリング21によって高温のガスと水との接触が効率よく行われる。これによって、高温のガスは、有害成分が除去されるとともに温度低下する。また、複数の噴霧ノズル23から噴霧された水は、高温のガスに接触した後、ドレンになって湿式洗煙塔2の底側に貯留する。このドレンは、例えば温度が60℃程度であり、ポンプPを備えた洗煙塔側循環路61を流れて、第3噴霧ノズル233から噴霧される。湿式洗煙塔2の底側には、ボールタップ等を備えた排水管63が接続され、湿式洗煙塔2に貯留したドレンが所定量を越えると、この所定量を越えたドレンが排水管63から排水される。なお、洗浄に伴い、湿式洗煙塔2の底部に高温のガス中に含まれるダスト等による泥状物が溜まるような場合は、図示はしないが、湿式洗煙塔2の底部に、泥状物を適宜排出できる排出口等も設けられるものである。
【0036】
ラシヒリング21で水と接触したガスは、湿式洗煙塔2内をさらに上昇する。この際、上昇するガスとともに噴霧ノズル23から噴霧された水も細かな水滴になって上昇するが、この細かな水滴はミストセパレータ22に衝突して落下する。ミストセパレータ22を通過したガスは、湿式洗煙塔2から排出される。この排出されたガスが、本発明にいう排出ガスの一例に相当し、以下、排出ガスと称する。排出ガスは、相対湿度が100%RHに近く、温度が、例えば60℃程度に低下した、低温湿潤のガスである。排出ガスは、ファンFによって煙道64を流れて煙突4に送られる。煙突4は、排出ガスを、後述する高温気体と混合して大気中に排気するものであり、本発明の排気手段の一例に相当する。
【0037】
洗煙塔側循環路61には、第1三方弁66が設けられ、この第1三方弁66には、ドレン分岐路611が接続されている。洗煙塔側循環路61を流れるドレンは、温度が60℃程度の温水であり、第1三方弁66によって、第3噴霧ノズル233に流れる量と、ドレン分岐路611に流れる量が調整される。第1三方弁66は、本発明にいうドレン調整手段の一例に相当する。ドレン分岐路611を流れるドレンは、タンク5に供給される。
【0038】
タンク5は、本発明にいう貯留手段の一例に相当するものであり、以下、タンク5に貯留された水をタンク貯留水と称することがある。タンク5は、タンク貯留水の温度を検出する温度センサTIと、タンク貯留水の水位を検出する液位計51を備えている。すなわち、温度センサTIが、本発明にいう温度検出手段の一例に相当し、液位計51が、本発明にいう水位検出手段の一例に相当する。なお、液位計51の種類は限定されるものではないが、本実施形態では、最適な水位に設定された基準水位、タンク貯留水の水位の上限に設定された上限水位、およびタンク貯留水の水位の下限に設定された下限水位の3つの水位を検出できる液位計51を用いている。また、タンク5には、電磁弁を備えた給水管68が接続されている。
【0039】
タンク5とヒートポンプ3とは、タンク側循環往路621とタンク側循環復路622で接続されている。また、タンク側循環復路622には、第2三方弁67が設けられ、この第2三方弁67には、タンク側分岐路623が接続されている。タンク側分岐路623は、第2噴霧ノズル232に接続している。タンク貯留水は、ポンプPによってタンク側循環往路621を流れてヒートポンプ3に送られ、ヒートポンプ3からタンク側循環復路622を流れタンク5に戻る。また、第2三方弁67によってヒートポンプ3から流れてきた水の一部が、タンク側分岐路623を流れて第2噴霧ノズル232にも送られる。
【0040】
図2は、
図1に示すヒートポンプの構造を示す系統図である。
【0041】
図2に示すように、ヒートポンプ3は、昇温用熱交換器31と、降温用熱交換器32と、昇温用熱交換器31から降温用熱交換器32に接続する第1循環路33と、第1循環路33に設けられた膨張弁34と、降温用熱交換器32から昇温用熱交換器31に接続する第2循環路35と、第2循環路35に設けられた圧縮機36を備えている。本実施形態のヒートポンプ3では、循環媒体として二酸化炭素を用いている。図では太い矢印で示すように、循環媒体としての二酸化炭素は、昇温用熱交換器31から第1循環路33を通って降温用熱交換器32に流れ、降温用熱交換器32から第2循環路35を通って昇温用熱交換器31に流れる。また、昇温用熱交換器31には、ファンF(
図1参照)によって外気が供給され、降温用熱交換器32には、ポンプPによってタンク貯留水がタンク側循環往路621を流れて供給される(
図1参照)。この降温用熱交換器32に供給される水が、本発明にいう受入液体の一例に相当し、以下、受入水と称することがある。受入水は、降温用熱交換器32によって循環媒体の二酸化炭素と熱交換され、受入水の熱が二酸化炭素に回収される。これによって、例えば、温度が30℃〜35℃の受入水は、温度が25℃〜30℃程度まで低下し、低温水となってタンク側循環復路622に流れる(
図1参照)。なお、ここでいう低温水とは、受入水が降温用熱交換器32によって受入水よりも低い温度まで低下した、受入水よりも相対的に温度が低い水を意味する。この低温水が、本発明にいう低温液体に相当する。
【0042】
一方、降温用熱交換器32によって、受入水から熱を回収した二酸化炭素は、第2循環路35の圧縮機36によって圧縮されることで高圧高温のガスになり、昇温用熱交換器31に流れる。
【0043】
昇温用熱交換器31に供給された外気は、昇温用熱交換器31によって高圧高温の二酸化炭素と熱交換されることで、例えば120℃程度に加熱されて高温気体になる。この高温気体は、外気と同じ水蒸気量を含んでいる。前述したように、排出ガスは、相対湿度が100%RHに近く、温度が60℃程度のガスである。すなわち、昇温用熱交換器31は、排出ガスに含まれる水蒸気量よりも少ない水蒸気量を含んだ気体を、排出ガスよりも高い温度まで加熱して高温気体を得るものである。一方、昇温用熱交換器31によって放熱した二酸化炭素は、第1循環路33を流れて膨張弁34に送られる。二酸化炭素が膨張弁34を通過すると断熱膨張して冷却され、二酸化炭素は低温の液体状態になり、この状態で、降温用熱交換器32に流れる。
【0044】
昇温用熱交換器31によって加熱された高温気体は煙突4に供給され、煙突4内で、煙道64を流れてきた排出ガスに高温気体が混合される。高温気体が混合された排出ガスは、低温湿潤な排ガスよりは高温で水蒸気量の少ない状態のガスとなり、煙突4から排出されても白煙の発生を抑えることができる。
【0045】
本実施形態では、ヒートポンプ3が、受入水から熱を回収し、回収した熱を用いて、効率的に高温気体を得ることができる。受入水の熱は、湿式洗煙塔2において、高温のガスに噴霧ノズル23から水を噴霧することによって生じたドレンが回収した熱である。このため、高温気体を得るための外気の加熱に、湿式洗煙塔2に受け入れた高温のガスからドレンによって回収した熱が用いられ、高温のガスから回収した熱の利用も図られている。さらに、外気を加熱しているため、外気と同じ水蒸気量を含んだ高温気体を得ることができる。このため、この高温気体を排出ガスに混合させることで、低温湿潤な排ガスよりは高温で水蒸気量の少ない状態のガスとなり、煙突4から排出されても白煙の発生を抑えることができる。特に冬場などは、外気に含まれる水蒸気量も少なく、この結果高温気体に含まれる水蒸気量も少なくなり、白煙が発生しやすい冬場であっても、白煙の発生を十分に抑えることができる。
【0046】
図1に示すように、タンク側循環復路622に流れてきた低温水は、タンク5に戻され、タンク貯留水に混合される。また、第2三方弁67によって、タンク側循環復路622を流れてきた低温水の一部がタンク側分岐路623にも流され、第2噴霧ノズル232から噴霧される。すなわち、第2三方弁67は、本発明にいう低温液体調整手段の一例に相当する。このように、低温水を、高温のガスに噴霧する水に用いることによって、給水源から供給されて第1噴霧ノズル231から噴霧する水の量を少なくすることができる。
【0047】
ここで、ヒートポンプ3に供給される受入水は、ヒートポンプ3の能力を安定させるため、例えば、30℃〜35℃の一定の温度に保つことが好ましい。このため、本実施形態では、ドレン分岐路611からタンク5に供給されるドレンの量(ドレン供給量)と、タンク側循環復路622を流れてタンク5に供給される低温水の量(低温水供給量)を調整することで、受入水としてヒートポンプ3に受け入れられるタンク貯留水の温度が、一定の管理温度に維持されるように制御している。さらに、タンク貯留水の量も併せて制御している。
【0048】
次いで、タンク貯留水の、温度と量の制御について説明する。
【0049】
図3は、本発明の第1のガス処理システムにおける、タンク貯留水の、温度と量の制御を行うための回路構成の一例を表すブロック図である。なお、
図3では、タンク貯留水の、温度と量の制御を行う回路以外の回路構成は省略している。
【0050】
制御部9は、第1三方弁制御回路93、第2三方弁制御回路94、温度センサTI、液位計51および操作部95それぞれに接続されている。また、制御部9は、内部にCPU(中央演算処理装置)91とメモリ92を備えている。このメモリ92には、ガス処理システム10の動作プログラムが記憶されている。CPU91は、メモリ92に記憶された動作プログラムを読み出し、その動作プログラムに従って各制御回路に指令を出すものである。
【0051】
第1三方弁制御回路93は、制御部9からの指令に従い第1三方弁66のアクチュエータの動作を制御する回路である。第2三方弁制御回路94は、制御部9からの指令に従い第2三方弁67のアクチュエータの動作を制御する回路である。また、操作部95には、ガス処理システム10の操作者による操作を受け付ける各種の操作子が設けられている。
【0052】
続いて、タンク貯留水の、温度と量の制御動作を説明する。
【0053】
あらかじめ操作者が、操作部95を操作して、タンク貯留水の管理温度を、例えば30℃〜35℃の範囲で入力する。ガス処理システム10が稼働して、タンク5に水が貯留されると、制御部9は、温度センサTIで計測される、タンク貯留水の温度を監視する。
【0054】
制御部9は、タンク貯留水の温度が管理温度を下回った場合には、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94それぞれに指令を出し、第1三方弁66のアクチュエータを駆動させて、例えば温度が60℃程度のドレンのドレン供給量を増加させるとともに、第2三方弁67のアクチュエータを駆動させて、例えば温度が25℃程度の低温水の低温水供給量を減少あるいは低温水の供給を停止させる。これにより、低温水供給量よりもドレン供給量が多くなり、タンク貯留水の温度が上昇する。制御部9から第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94それぞれに対する指令は、タンク貯留水の温度が管理温度に達するまで継続される。なお、制御部9は、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94のうちどちらか一方に指令を出し、ドレン供給量を増加させるか、あるいは、低温水供給量を減少あるいは低温水の供給を停止させることで、低温水供給量よりもドレン供給量を多くしてもよい。
【0055】
一方、制御部9は、タンク貯留水の温度が管理温度を上回った場合には、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94それぞれに指令を出し、第1三方弁66のアクチュエータを駆動させてドレン供給量を減少あるいはドレンの供給を停止させるとともに、第2三方弁67のアクチュエータを駆動させて低温水供給量を増加させる。これにより、ドレン供給量よりも低温水供給量が多くなり、タンク貯留水の温度が低下する。制御部9から第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94それぞれに対する指令は、タンク貯留水の温度が管理温度に低下するまで継続される。なお、制御部9は、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94のうちどちらか一方に指令を出し、低温水供給量を増加させるか、あるいは、ドレン供給量を減少あるいはドレンの供給を停止させることで、ドレン供給量よりも低温水供給量を多くしてもよい。また、併せて、給水管68からタンク5に水を供給してもよい。
【0056】
さらに制御部9は、液位計51で検出される、タンク貯留水の水位を監視する。液位計51では、基準になる基準水位、タンク貯留水の上限に設定された上限水位、およびタンク貯留水の下限に設定された下限水位が検出される。
【0057】
制御部9は、タンク貯留水の水位が上限水位まで上昇した場合には、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94それぞれに指令を出し、第1三方弁66のアクチュエータを駆動させてドレン供給量を減少あるいはドレンの供給を停止させるとともに、第2三方弁67のアクチュエータを駆動させて低温水供給量を減少あるいは低温水の供給を停止させる。これにより、タンク貯留水の量が減少する。制御部9から第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94それぞれに対する指令は、タンク貯留水の水位が基準水位に低下するまで継続される。なお、制御部9は、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94のうちどちらか一方に指令を出し、ドレンまたは低温水のうちいずれか一方の、供給量を減少あるいは供給を停止させることで、タンク貯留水の量を減少させてもよい。
【0058】
一方、制御部9は、タンク貯留水の水位が下限水位まで低下した場合には、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94それぞれに指令を出し、第1三方弁66のアクチュエータを駆動させてドレン供給量を増加させるとともに、第2三方弁67のアクチュエータを駆動させて低温水供給量を増加させる。これにより、タンク貯留水の量が増加する。制御部9から第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94への指令は、タンク貯留水の水位が基準水位に上昇するまで継続される。なお、制御部9は、第1三方弁制御回路93と第2三方弁制御回路94のうちどちらか一方に指令を出し、ドレンまたは低温水のうちいずれか一方の、供給量を増加させることで、タンク貯留水の量を増加させてもよい。
【0059】
上述した、タンク貯留水の、温度と量の制御動作は、一定時間毎に温度の制御と量の制御を切り替えて実施される。あるいは、事前に定められた優先順位に従い、例えばタンク貯留水の水位が下限水位まで低下した場合は、量の制御を優先して実施し、基準水位に達した時点で、前述の、一定時間毎に温度の制御と量の制御を切り替える制御に戻すという手段で実施してもよい。これによってタンク貯留水の温度を管理温度に維持することができ、この結果、ヒートポンプ3に供給される受入水の温度を一定にして、ヒートポンプ3の能力を安定させることができる。また、タンク貯留水の量も、最高水位と最低水位の間で維持することができる。
【0060】
次に、本発明における第1のガス処理システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態の説明では、
図1に示す、第1のガス処理システムの第1実施形態との相違点を中心に説明し、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0061】
図4は、本発明の第1のガス処理システムにおける第2実施形態を示す系統図である。
【0062】
図4に示すように、第2実施形態のガス処理システム11では、湿式洗煙塔2とタンク5との間に、熱交換器7が設けられている。湿式洗煙塔2と熱交換器7は、ポンプPを備えた洗煙塔側循環往路612と洗煙塔側循環復路613によって接続されている。また、低温水分岐路624は、第2三方弁67から熱交換器7に接続し、熱交換器7からタンク5に接続する温水供給路625が設けられている。
【0063】
湿式洗煙塔2内で高温のガスに噴霧することで生じた、例えば温度が60℃程度のドレンは、ポンプPによって洗煙塔側循環往路612を流れて熱交換器7に供給される。また、ヒートポンプ3で得た、例えば温度が25℃程度の低温水は、タンク側循環復路622を流れ、第2三方弁67によってその一部が低温水分岐路624に流され熱交換器7に供給される。熱交換器7では、ドレンと低温水の間で熱交換され、ドレンは、温度が例えば25℃程度に低下し、熱交換器7から洗煙塔側循環復路613を流れて第3噴霧ノズル233から湿式洗煙塔2内に噴霧される。これにより、湿式洗煙塔2に受け入れられた高温のガスに、温度低下したドレンを接触させ、有害成分をより効率よく除去することができる。この温度低下したドレンは、本発明にいう、熱交換手段によって得た相対的に温度の低い冷水に相当する。
【0064】
また、熱交換器7で、ドレンと熱交換された低温水は、温度上昇して例えば60℃程度の温水になり、温水供給路625を流れてタンク5に供給される。この温水が、本発明にいう、熱交換手段によって得た相対的に温度の高い温水に相当する。タンク5には、タンク側循環復路622を流れて温度が25℃程度の低温水も供給され、これらによって、温度が30℃〜35℃程度のタンク貯留水がタンク5に貯留される。このタンク貯留水は、ポンプPによってタンク側循環往路621を流れて受入水としてヒートポンプ3に受け入れられ、ヒートポンプ3では、
図1に示す第1実施形態と同様にして外気が加熱され、高温気体が得られる。これにより、
図1に示す第1実施形態のガス処理システム10と同様の効果を得ることができる。
【0065】
さらに、第2実施形態のガス処理システム11では、ドレンが湿式洗煙塔2と熱交換器7との間を循環し、ヒートポンプ3に受け入れられることがなくなる。このため、ドレンがダスト等の汚れを含むものであったとしても、清掃が比較的困難な、ヒートポンプ3の降温用熱交換器32(
図2参照)が、ドレンに含まれるダスト等によって汚れてしまうことを防止することができる。なお、熱交換器7が、ドレンに含まれるダスト等によって汚れてしまう場合があるが、熱交換器7は、ヒートポンプ3の降温用熱交換器32と比べて清掃がし易い構造のものを適用することにより、ヒートポンプ3の降温用熱交換器32が汚れてしまう場合よりも支障は少ない。
【0066】
第2実施形態のガス処理システム11では、タンク貯留水が循環するため、タンク貯留水の量はそれほど変わらない。このため、タンク5には、
図1および
図3に示す液位計51は設けられておらず、タンク貯留水の温度だけが制御される。なお、タンク貯留水が自然蒸発した分は、給水管68から水が補給される。
【0067】
次いで、
図3も参照しつつ、第2実施形態のガス処理システム11における、タンク貯留水の温度の制御動作を説明する。第2実施形態のガス処理システム11では、
図3に示す回路構成のうち、液位計51と第1三方弁制御回路93を除いた構成を採用している。
【0068】
あらかじめ操作者が、操作部95を操作して、タンク貯留水の管理温度を、例えば、30℃〜35℃の範囲で入力する。電源が投入され第1のガス処理システム11が稼働すると、制御部9は、温度センサTIで計測される、タンク貯留水の温度を監視する。
【0069】
制御部9は、タンク貯留水の温度が管理温度を下回った場合には、第2三方弁制御回路94に指令を出し、第2三方弁67のアクチュエータを駆動させて、低温水分岐路624に流れる低温水の量を増加させる。これにより、第2三方弁67からタンク5に供給される、例えば温度が25℃程度の低温水の量が減少するとともに、熱交換器7で熱交換され、温水供給路625からタンク5に供給される、例えば温度が60℃程度の温水の量が増加し、タンク貯留水の温度が上昇する。制御部9から第2三方弁制御回路94への指令は、タンク貯留水の温度が管理温度に達するまで継続される。
【0070】
一方、制御部9は、タンク貯留水の温度が管理温度を上回った場合には、第2三方弁制御回路94に指令を出し、第2三方弁67のアクチュエータを駆動させて、低温水分岐路624に流れる低温水の量を減少させる。これにより、第2三方弁67からタンク5に供給される低温水の量が増加するとともに、温水供給路625からタンク5に供給される温水の量が減少し、タンク貯留水の温度が低下する。制御部9から第2三方弁制御回路94への指令は、タンク貯留水の温度が管理温度に低下するまで継続される。これらによってタンク貯留水の温度を管理温度に維持することができる。
【0071】
次いで、本発明における第1のガス処理システムの第3実施形態について説明する。第3実施形態の説明では、
図4に示す、第1のガス処理システムの第2実施形態との相違点を中心に説明し、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0072】
図5は、本発明の第1のガス処理システムにおける第3実施形態を示す系統図である。第3実施形態のガス処理システム12は、
図4に示す第2実施形態のガス処理システム11に除湿機能を追加したものである。
【0073】
図5に示すように、第3実施形態のガス処理システム12では、タンク側循環復路622の一部が湿式洗煙塔2内に入り込み、この入り込んだ部分がコイル状に巻回されて除湿部622aが形成されている。除湿部622aは、湿式洗煙塔2内において、噴霧ノズル23とミストセパレータ22の間に配置されている。
【0074】
ヒートポンプ3で得た低温水は、タンク側循環復路622を流れ、湿式洗煙塔2内に入り込んだ除湿部622aを通過する。湿式洗煙塔2に受け入れられた高温のガスは、ラシヒリング21において、噴霧ノズル23から噴霧される水と接触し、例えば温度が60℃程度、相対湿度が100%RHに近い低温湿潤のガスになって湿式洗煙塔2内を上昇し、除湿部622aに接触する。除湿部622aには、例えば温度が25℃程度の低温水が流れているため、除湿部622aに接触したガスと除湿部622aの間で熱交換され、このガスに含まれる水蒸気が凝縮して、除湿部622aの表面で結露する。これにより、ガスの水蒸気量を低減し除湿することができる。除湿部622aで除湿されたガスは、ミストセパレータ22を通過した後、湿式洗煙塔2から排出される。すなわち、第3実施形態のガス処理システム12における湿式洗煙塔2は、排出ガスに含まれる水蒸気量を低減する除湿機能を有するものである。
【0075】
湿式洗煙塔2から排出された排出ガスは、ファンFによって煙道64を煙突4まで送られ、ヒートポンプ3で得た高温気体と混合された後、煙突4から排気される。なお、ヒートポンプ3は、得られる低温水の温度を、25℃よりも低温の、例えば10℃程度まで低下させることができる。このため、除湿部622aに温度が10℃程度の低温水を流すことによって、除湿部622aに接触するガスの水蒸気量をより低減させる態様も採用することができる。また、第3実施形態のガス処理システム12では、除湿部622aをミストセパレータ22の下方に配置しているが、除湿部622aをミストセパレータ22の上方に配置する構成を採用してもよい。第3実施形態のガス処理システム12によれば、排出ガスに含まれる水蒸気量を低減できるので、煙突4から排気される際の白煙の発生をより抑えることができる。
【0076】
図6は、本発明の第1のガス処理システムにおける第4実施形態を示す系統図である。
【0077】
図6に示すように、第4実施形態のガス処理システム13では、湿式洗煙装置2’を採用している。この湿式洗煙装置2’は、水が貯留された液溜り2aと、液溜り2aに貯留された水の水面に向けて設けられたスロート部2bと、スロート部2bの上方に設けられたスクラビング部2cを有している。湿式洗煙装置2’では、ファンによって吹き込まれた高温のガスがスロート部2bを通過する際、液溜り2aに貯留された水がスクラビング部2cに巻き上げられる。スクラビング部2cに巻き上げられた水は、図の細い矢印で示すように高温のガスとともに過流になって高温のガスと水が接触し、高温のガスから有害成分が除去される。このように、本発明のガス処理システムでは、高温のガスに水等の液体を噴霧するのではなく、液溜り2aに貯留されている水に高温のガスを直接吹き込むことで高温のガスと液体を接触させ、高温のガスから有害成分を除去する構成を採用することもできる。
【0078】
以上説明した第1のガス処理システム10,11,12,13によれば、白煙の発生を十分に抑えることができる。
【0079】
次に、本発明における第2のガス処理システムの実施形態について説明する。
【0080】
図7は、本発明の第2のガス処理システムにおける実施形態を示す系統図である。第2のガス処理システム14は、第1のガス処理システム10,11,12に比べて、排出ガスを、ヒートポンプの昇温用熱交換器によって加熱する点が主に相違する。なお、第2のガス処理システム14は、
図4に示す、第1のガス処理システムの第2実施形態における基本的な構成を採用している。このため、
図4に示す、第1のガス処理システムの第2実施形態との相違点を中心に説明し、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0081】
図7に示すように、第2のガス処理システム14では、湿式洗煙塔2から、ヒートポンプ3’の昇温用熱交換器31に煙道64が接続している。また、ヒートポンプ3’の昇温用熱交換器31から煙突4に接続する第2煙道641が設けられている。
【0082】
タンク側循環往路621を流れて降温用熱交換器32に受け入れられた、例えば温度が30℃〜35℃程度の受入水は、降温用熱交換器32で熱交換され、例えば温度が25℃〜30℃程度の低温水が得られる。一方、煙道64を流れて昇温用熱交換器31に受け入れられた、例えば温度が60℃程度の排出ガスは、昇温用熱交換器31で熱交換されることで加熱される。この加熱された排出ガスが、本発明にいう高温気体に相当する。高温気体になった排出ガスは、煙突4まで第2煙道641を流れ、煙突4から排気される。排出ガスは、高温気体になっているため、煙突4から排気される際に、白煙の発生が抑えられる。
【0083】
以上説明した第2のガス処理システム14によっても、白煙の発生を十分に抑えることができる。
【0084】
本発明は上述の実施の形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、上述の第1のガス処理システム10,11,12,13では、煙突4内で、排出ガスと高温気体を混合させているが、煙道64に高温気体を供給して煙道64内で排出ガスと高温気体を混合してもよく、煙道64に適宜の混合部を設け、この混合部で排出ガスと高温気体を混合してもよい。また、第2のガス処理システム14における、排出ガスを加熱するヒートポンプ3’を、第1のガス処理システム10,11,12,13に設け、ヒートポンプ3とヒートポンプ3’を備えた構成を採用してもよい。
【0085】
なお、以上説明した第1のガス処理システムの各実施形態や第2のガス処理システムの実施形態の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、他の実施形態に適用してもよい。