特許第6296809号(P6296809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許62968093次元プリンタ支援プログラム、及び、3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体、並びに、3次元プリンタ支援プログラムを記憶する3次元プリンタ支援装置。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296809
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】3次元プリンタ支援プログラム、及び、3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体、並びに、3次元プリンタ支援プログラムを記憶する3次元プリンタ支援装置。
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20180312BHJP
   G06F 17/50 20060101ALI20180312BHJP
   B29C 67/00 20170101ALI20180312BHJP
【FI】
   G06T19/00 A
   G06F17/50 624F
   B29C67/00
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-10740(P2014-10740)
(22)【出願日】2014年1月23日
(65)【公開番号】特開2015-138471(P2015-138471A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100097560
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 寛
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 政之
【審査官】 岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−248692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00−19/20
B29C 67/00
G06F 17/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元作図手段で作成された3次元CADデータに基づき3次元プリンタ制御用データを生成し、積層成型方式の3次元プリンタを制御して立体物を成形するに際、当該3次元プリンタの成形特性データに応じて前記立体物のイメージ画像を作成する3次元プリンタ支援プログラムであって、
3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータを入力させるステップと、
入力された前記3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータに基づいて、3次元プリンタで前記立体物を成形したときの積層ピッチに起因する成形物表面の粗さをシミュレートするイメージデータを作成する演算処理を行うステップと、
前記演算処理で作成されたイメージデータを描画してイメージ画像とする描画処理を行うステップと、
前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行うステップと、
を含むことを特徴とする3次元プリンタ支援プログラム。
【請求項2】
請求項1記載の3次元プリンタ支援プログラムであって、
前記描画処理において前記3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行い、
前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理は、前記3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行うことを特徴とする3次元プリンタ支援プログラム。
【請求項3】
3次元作図手段で作成された3次元CADデータに基づき3次元プリンタ制御用データを生成し、積層成型方式の3次元プリンタを制御して立体物を成形するに際当該3次元プリンタの成形特性データに応じて前記立体物のイメージ画像を作成する3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体であって、
3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータを入力させるステップと、入力された前記3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータに基づいて、3次元プリンタで前記立体物を成形したときの積層ピッチに起因する成形物表面の粗さをシミュレートするイメージデータを作成する演算処理を行うステップと、前記演算処理で作成されたイメージデータを描画してイメージ画像とする描画処理を行うステップと、前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行うステップと、を含む3次元プリンタ支援プログラムを格納することを特徴とする媒体。
【請求項4】
請求項3記載の3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体であって、前記描画処理において前記3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行い、前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理は、前記3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行う3次元プリンタ支援プログラムを格納することを特徴とする媒体。
【請求項5】
種々のアプリケーションソフトを記憶部に備えてメモリ上で展開して実行する処理部、入力部及び表示部を少なくとも有し、当該記憶部に備えられる3次元作図アプリケーションソフトの3次元作図手段で作成された3次元CADデータに基づき3次元プリンタ制御用データを生成し、積層成型方式の3次元プリンタを制御して立体物を成形させる3次元プリンタ支援装置であって、
前記入力部より入力される前記3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータに基づいて、3次元プリンタで前記立体物を成形したときのイメージデータを作成する演算処理を行い、当該演算処理で作成された積層ピッチに起因する成形物表面の粗さをシミュレートするイメージデータを描画してイメージ画像とする描画処理を行い、当該描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行って前記表示部で表示させる3次元プリンタ支援プログラムが前記記憶部に記憶されることを特徴とする3次元プリンタ支援装置。
【請求項6】
請求項5記載の3次元プリンタ支援装置であって、前記3次元プリンタ支援プログラムは、前記描画処理において前記3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行い、当該描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理は、当該3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行うことを特徴とする3次元プリンタ支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元作図データに基づいて積層成型方式の3次元プリンタで成形するに際してデータ作成者を支援する3次元プリンタ支援プログラム及び3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体並びに3次元プリンタ支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元CADや3次元スキャナなどで作成した制御用データに基づいて立体物を成形(プリント)する3次元プリンタが安価になりつつあって普及してきている。3次元プリンタは、その方式によって制御用データ作成時のイメージ画像と異なる成形形態となることから、プリントするまでもなく成形形態を作成者に認識させることが望まれる。
【0003】
従来、3次元プリンタには成形するに際して種々のプリント方式がある。例えば、光学造形方式、粉末焼結積層造形方式、熱溶解積層方式、石膏3次元成形方式、インクジェット方式などがある。このうち、積層方式については以下の特許文献で基本技術が開示されている。
【0004】
特許文献1には、形成される3次元物体の断面を表す断面データを発生させ、前に形成された媒体層に隣接して次に硬化される媒体層を形成し、反応性材料を次に硬化される媒体層の少なくとも一部分上に断面データに従って投与することで次に硬化される媒体層の少なくとも一部分を選択的に硬化させて、媒体と反応性材料を含む結合により媒体が硬化し、媒体の複数の硬化層から3次元物体を形成することが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、3次元物体を造形する選択的積層成形方法に使用される流体媒質の組成物として、広い融点範囲及び分子量範囲を有する複数のワックスを含有する半結晶質成分混合物であって、周囲温度で固体であり、周囲温度よりも高い温度で液体となる媒質を用いて、熱溶解して造形することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−064049号公報
【特許文献2】特開2000−309703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、3次元プリンタは、業務用の高性能機種からホビー用や個人ユースの低価格機種まで多くの製品が市場に投入されている。しかしながら、低価格機種においては、得られる成型物の品質に関して、実際に3次元プリンタを作動させて成形するまでは制御用データ作成時のイメージ画像と異なることが多い。特に、積層ピッチは、低価格の各機種において、0.025mmMAX、0.1mm、0.05mm〜0.35mmなどとされており、粗さによってはオリジナル3次元作図データ(制御用データ)には存在しなかった段差が成形物の表面に顕著に表れるためにユーザにとっては成型物の印象が意図したものと大きく異なってしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、成形物表面の粗さをリアルにシミュレートして3次元成形物を3次元プリンタで実際に成形するまでもなく確認可能とする3次元プリンタ支援プログラム、及び、3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体、並びに、3次元プリンタ支援プログラムを記憶する3次元プリンタ支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、3次元作図手段で作成された3次元CADデータに基づき3次元プリンタ制御用データを生成し、積層成型方式の3次元プリンタを制御して立体物を成形するに際、当該3次元プリンタの成形特性データに応じて前記立体物のイメージ画像を作成する3次元プリンタ支援プログラムであって、3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータを入力させるステップと、入力された前記3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータに基づいて、3次元プリンタで前記立体物を成形したときの積層ピッチに起因する成形物表面の粗さをシミュレートするイメージデータを作成する演算処理を行うステップと、前記演算処理で作成されたイメージデータを描画してイメージ画像とする描画処理を行うステップと、前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行うステップと、を含む構成とする。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1記載の3次元プリンタ支援プログラムであって、前記描画処理において前記3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行い、前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理は、前記3CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行う構成とする。
【0011】
請求項3の発明では、3次元作図手段で作成された3次元CADデータに基づき3次元プリンタ制御用データを生成し、積層成型方式の3次元プリンタを制御して立体物を成形するに際当該3次元プリンタの成形特性データに応じて前記立体物のイメージ画像を作成する3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体であって、3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータを入力させるステップと、入力された前記3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータに基づいて、3次元プリンタで前記立体物を成形したときの積層ピッチに起因する成形物表面の粗さをシミュレートするイメージデータを作成する演算処理を行うステップと、前記演算処理で作成されたイメージデータを描画してイメージ画像とする描画処理を行うステップと、前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行うステップと、を含む3次元プリンタ支援プログラムを格納する構成とする。
【0012】
請求項4の発明では、請求項3記載の3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体であって、前記描画処理において前記3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行い、前記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理は、前記3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行う3次元プリンタ支援プログラムを格納する構成とする。
【0013】
請求項5の発明では、種々のアプリケーションソフトを記憶部に備えてメモリ上で展開して実行する処理部、入力部及び表示部を少なくとも有し、当該記憶部に備えられる3次元作図アプリケーションソフトの3次元作図手段で作成された3次元CADデータに基づき3次元プリンタ制御用データを生成し、積層成型方式の3次元プリンタを制御して立体物を成形させる3次元プリンタ支援装置であって、前記入力部より入力される前記3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び当該3次元プリンタの積層ピッチデータに基づいて、3次元プリンタで前記立体物を成形したときのイメージデータを作成する演算処理を行い、当該演算処理で作成された積層ピッチに起因する成形物表面の粗さをシミュレートするイメージデータを描画してイメージ画像とする描画処理を行い、当該描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行って前記表示部で表示させる3次元プリンタ支援プログラムが前記記憶部に記憶される構成とする。
【0014】
請求項6の発明では、請求項5記載の3次元プリンタ支援装置であって、前記3次元プリンタ支援プログラムは、前記描画処理において前記3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行い、当該描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理は、当該3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行う3次元プリンタ支援装置の構成とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1,3,5の発明によれば、3次元作図手段で作成された3次元CADデータに基づいて生成された3次元プリンタ制御用データ又は当該3次元CADデータ、及び積層成型方式の3次元プリンタの積層ピッチデータを入力させ、入力された3次元プリンタ制御用データ又は3次元CADデータ、及び3次元プリンタの積層ピッチデータに基づいて3次元プリンタで成形したときの積層ピッチに起因する成形物表面の粗さをシミュレートするイメージデータを作成する演算処理を行い、演算処理で作成されたイメージデータを描画してイメージ画像とする描画処理を行い、描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行う構成とすることにより、成形物表面の粗さをリアルにシミュレートして3次元成形物を3次元プリンタで実際に成形するまでもなく確認可能することができ、作業者の便に利することができるものである。
【0016】
請求項2,4,6の発明によれば、描画処理において3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行い、描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理において3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行う構成とすることにより、3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタで成形したときのイメージ画像との違いを比較させて認識させることができ、更なる作業者の便に利することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る3次元プリンタ支援装置のブロック構成図である。
図2図1の3次元プリンタ支援におけるプログラム動作の流れ図である。
図3】本発明に係る3次元プリンタ支援の表示形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係る3次元プリンタ支援装置のブロック構成図を示す。図1(A)において、3次元プリンタ支援装置としてパーソナルコンピュータ11を適用しており、基本的なハードウェア(一部のハードウェア、ソフトウェアは図示せず)を有する。すなわち、種々のアプリケーションソフトを記憶部22に備えてメモリ上で展開して実行する処理部21、入力部23及び表示部24を少なくとも有する。そして、パーソナルコンピュータ11には3次元プリンタ13が接続される。当該3次元プリンタ13は、汎用のもので特に説明しないが、低価格の機種とすることで本発明の効果が顕著となる。
【0019】
パーソナルコンピュータ11における上記処理部21は、コンピュータのマザーボード上に搭載され、この装置を統括的に処理制御する物理的なCPUであり、図示しないROMに記憶されているプログラムに基づくアルゴリズム処理を行う。上記記憶部22は、例えばハードディスクであり、種々のアプリケーションソフトを記憶する(後述する)。上記入力部23は、データ入力のためのもので、キーボードが一般的である。
【0020】
上記表示部24は、コンピュータ操作を表示するディスプレイであり、液晶ディスプレイ(LCD)が一般的である。なお、当該LCDとタッチセンサとを積層して入出力用とし、表示されるアイコン等に対応して当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるGUIのユーザインタフェース機能を有するものとして、入力部23と兼用させてもよい。
【0021】
上記記憶部22には、少なくとも3次元作図アプリケーションソフトとして3次元CADアプリケーションソフト25、3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト26及び3次元プリンタ支援アプリケーションソフト27が記憶される。当該3次元プリンタ支援アプリケーションソフト27に本発明における3次元支援プログラムが含まれる。また、3次元スキャナでデータを取り込むものも3次元作図アプリケーションソフトとしてあるが、ここでは3次元CADアプリケーションソフトとして説明する。
【0022】
上記3次元CADアプリケーションソフト25は、当該ソフトウェアで作成した図形に基づく3次元CADデータ(X,X,Z位置データ)を、3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト26に出力する。3次元CADアプリケーションソフト25は、初級者用の低価格のもの、多機能高価格のもの何れでもよい。上記3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト26は、3次元プリンタ13に対応したソフトウェアであり、読み込んだ3次元CADデータに基づき、3次元プリンタ13用のドライバ(図示しない)を介して3次元プリンタ13を制御する。上記ドライバは、3次元プリンタ13をパーソナルコンピュータ11より駆動するためのインタフェースである。
【0023】
そして、上記3次元プリンタ支援アプリケーションソフト27は、3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト26が3次元プリンタ制御用データに基づいて3次元プリンタを制御するに際、当該3次元プリンタ制御用データ(3次元CADデータでもよい)から当該3次元プリンタの成形特性データに応じてイメージ画像を作成する3次元プリンタ支援プログラムを主とするものであって、図1(B)に示す機能手段を備える。
【0024】
すなわち、図1(B)に示すように、3次元プリンタ支援プログラムの機能手段として、3次元プリンタ制御用データ入力手段31、3次元プリンタ特性データ入力手段32、イメージデータ演算手段33,イメージ画像描画手段34及び表示制御手段35を備える。また、3次元プリンタ特性データ入力手段32では、ここでは積層ピッチ41、フィラメント色42を入力させるものとしている。
【0025】
上記3次元プリンタ制御用データ入力手段31では、上記3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト26で生成された3次元プリンタ制御用データを、作業者の入力部23からの指示により取得する。上記3次元プリンタ特性データ入力手段32は、上記3次元プリンタ13特有の性能として積層ピッチ及びフィラメント色を作業者の入力部23からの入力により取得するもので、積層ピッチ41及びフィラメント色42として一時記憶される。
【0026】
上記イメージデータ演算手段33は、入力された3次元プリンタ制御用データ(3次元CADデータでもよい)及び3次元プリンタ13の成形特性データ(積層ピッチ41、フィラメント色42)に基づいて、3次元プリンタ13で成形したときのイメージデータを作成する演算処理を行う。上記イメージ画像描画手段34は、演算処理で作成されたイメージデータを描画してフィラメント色に応じた色彩のイメージ画像とする描画処理を行うもので、このイメージ描画画像が3次元プリンタ13で作成される造形となる。そして、上記表示制御手段35は、描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御データを作成する表示制御処理を行うものである。
【0027】
上記のような3次元プリンタ支援プログラムは、コンピュータ(3次元プリンタ支援装置)に対してインストール可能に、CDやDVD、ブルーレイディスクなどの媒体に格納され、若しくはインターネットなどの通信媒体上に置かれ、又は、当該媒体を介してコンピュータ(3次元プリンタ支援装置)にインストールされ、若しくは予めコンピュータ(3次元プリンタ支援装置)にインストールされている形態で使用される。
【0028】
そこで、図2図1の3次元プリンタ支援におけるプログラム動作の流れ図を示すと共に、図3に本発明に係る3次元プリンタ支援の表示形態の説明図を示す。図2において、まず、作業者の入力部23からの入力により3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト26で生成された3次元プリンタ制御用データを入力すると共に、作業者の入力部23からの入力により3次元プリンタ13特有の積層ピッチ(数値)及びフィラメント色を入力し、積層ピッチ41及びフィラメント色42として一時記憶する(ステップ(S1))。
【0029】
続いて、イメージデータ演算手段33において、入力された3次元プリンタ制御用データ及び3次元プリンタ13の積層ピッチ41及びフィラメント色42のデータに基づいて3次元プリンタ13で成形したときのイメージデータを作成する演算処理を行う(S2)。
【0030】
次に、イメージ画像描画手段34において、演算処理で作成されたイメージデータを描画処理してフィラメント色42に応じた色彩のイメージ描画画像とする(S3)。そして、表示制御手段35において描画処理したイメージ描画画像を表示するための表示制御データを作成して表示部24に送出する(S4)。表示部24では、図3(A)に示すように、3次元プリンタ13で成形したときのイメージ画像を表示するものである(S5)。ところで、イメージデータ演算手段33における演算処理を3次元CADデータ及び3次元プリンタの成形特性データに基づくものであってもよい。すなわち、3次元CADデータを使用することにより、3次元プリンタ及び専用の3次元プリンタ制御用アプリケーションソフトを用意したり起動したりすることなく、3次元CADデータから成形物表面の粗さをシミュレートできるため、使用あるいは購入すべき3次元プリンタの選定を事前に的確に行うことができるものである。なお、イメージデータ演算手段33における演算処理を、3次元プリンタ制御用データ及び3次元プリンタの成形特性データに基づいて行う場合には、3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト26により設定された、成形する立体物の傾きやサポート材の構成まで反映されたシミュレートが可能となる。
【0031】
すなわち、3次元CADアプリケーションソフト25で作成した図形が3次元プリンタ13で成形される場合に、本来直線的な斜線において、3次元プリンタ13固有の積層ピッチの数値から、特に低価格の機種では段差が視覚化されるものである。なお、表示部24での表示では、入力されたフィラメント色42で彩色される。イメージデータ演算処理(S2)、イメージ画像描画処理(S3)、表示制御処理(S4)は、従来の3次元CADアプリケーションソフトにおける処理と同様でよい。
【0032】
ところで、イメージ画像描画手段34では、描画処理において前記3次元CADデータを描画して第2のイメージ画像とする処理をも行わせ、表示制御手段35では、記描画処理したイメージ画像を表示するための表示制御処理を、3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタ13で成形したときのイメージ描画画像とを並列表示又は重ね表示させる表示制御データを作成する処理を行わせることもできる。
【0033】
例えば、図3(B)に示すように、3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタ13で成形したときのイメージ描画画像とを並列表示させる。また、図3(C)に示すように、3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタ13で成形したときのイメージ描画画像とを重ね表示させるものである。これによって、作業者にこれらの違いを比較させて認識させることができるものである。
【0034】
このように、成形物表面の粗さをリアルにシミュレートして3次元成形物を3次元プリンタ13で実際に成形するまでもなく確認可能することができ、作業者の便に利することができるものである。また、3次元CADデータに基づく第2のイメージ画像と3次元プリンタ13で成形したときのイメージ画像とを並列表示又は重ね表示させることで更なる作業者の便に利することができるものである。
【0035】
なお、3次元プリンタ特性データの入力として、上述では積層ピッチ及びフィラメント色として説明したが、フィラメント材質、溶解温度、室温などを入力させて成型物の表面態様をさらに細かくシミュレートしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の3次元プリンタ支援プログラム、及び、3次元プリンタ支援プログラムを格納する媒体、並びに、3次元プリンタ支援プログラムを記憶する3次元プリンタ支援装置は、積層成型方式の3次元プリンタで成形する際の3次元作図アプリケーションソフトが搭載される装置の製造産業及びプログラム作成産業、プログラムを格納したCD、DVD製造の産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
11 3次元プリンタ支援装置(パーソナルコンピュータ)
12 3次元プリンタ
21 処理部
22 記憶部
23 入力部
24 表示部
25 3次元CADアプリケーションソフト
26 3次元プリンタ制御用アプリケーションソフト
27 3次元プリンタ支援アプリケーションソフト
31 3次元プリンタ制御用データ入力手段
32 3次元プリンタ特性データ入力手段
33 イメージデータ演算手段
34 イメージ画像描画手段
35 表示制御手段
図1
図2
図3