特許第6296837号(P6296837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296837
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】タンクのシール構造
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/10 20060101AFI20180312BHJP
   F28D 9/00 20060101ALI20180312BHJP
   F28D 1/03 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   F28F3/10
   F28D9/00
   F28D1/03
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-44879(P2014-44879)
(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公開番号】特開2015-169379(P2015-169379A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】大久保 厚
(72)【発明者】
【氏名】坂井 耐事
(72)【発明者】
【氏名】文後 卓也
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−514513(JP,A)
【文献】 特開2012−137251(JP,A)
【文献】 特開2008−275244(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02968753(FR,A1)
【文献】 特開2014−055711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00− 9/26
F28D 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の偏平チューブ(1)の積層体からなり、その端部の横断面の外周が矩形に形成されたコア(2)と、
そのコア(2)の外周に被嵌され、端部に矩形の開口を有するケーシング(3)と、
そのケーシング(3)の開口端部の内周に整合して位置され、平面枠形で断面クランク状に形成されたタンク受け(9)と、
そのタンク受け(9)とケーシング(3)との間に形成された環状溝(4)と、
シール材(5)を介して環状溝(4)に端部が圧入されて、外周がカシメにより固定されるタンク(6)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1)は、端部が厚み方向に拡開されている拡開部(1b)を有する一対の溝状プレートを嵌着してなり、各偏平チューブ(1)の前記拡開部(1b)において互いに接触してコア(2)が形成されているタンクのシール構造。
【請求項2】
請求項1に記載のタンクのシール構造において、
前記環状溝(4)は、略矩形の四隅に、他の部分より幅広で円弧状に湾曲した隅部(7)を有し、
前記シール材(5)は、断面円形の互いに平行な一対の短辺部(5a)と一対の長辺部(5b)と、それらの間を連結して四隅に形成され、断面円形な芯部(5c)およびそれに一体に形成された鍔部(8)とを有し、その鍔部(8)が四隅方向外側に突設されており、
そのシール材(5)は、前記四隅で芯部(5c)と鍔部(8)とが共に前記環状溝(4)に嵌入されており、
前記タンク(6)は、前記シール材(5)を介して、ケーシング(3)の環状溝(4)に圧入されて、カシメにより固定されているタンクのシール構造。
【請求項3】
多数の偏平チューブ(1)の積層体からなり、その端部の横断面の外周が矩形に形成されたコア(2)と、
そのコア(2)の外周に被嵌され、端部に矩形の開口を有するケーシング(3)と、
そのケーシング(3)の開口端部の内周に整合して位置され、平面枠形で断面クランク状に形成されたタンク受け(9)と、
そのタンク受け(9)とケーシング(3)との間に形成された環状溝(4)と、
シール材(5)を介して環状溝(4)に端部が圧入されて、外周がカシメにより固定されるタンク(6)と、を具備し、
前記環状溝(4)は、略矩形の四隅に、他の部分より幅広で円弧状に湾曲した隅部(7)を有し、
前記シール材(5)は、断面円形の互いに平行な一対の短辺部(5a)と一対の長辺部(5b)と、それらの間を連結して四隅に形成され、断面円形な芯部(5c)およびそれに一体に形成された鍔部(8)とを有し、その鍔部(8)が四隅方向外側に突設されており
そのシール材(5)は、前記四隅で芯部(5c)と鍔部(8)とが共に前記環状溝(4)に嵌入されており
前記タンク(6)は、前記シール材(5)を介して、ケーシング(3)の環状溝(4)に圧入されて、カシメにより固定されているタンクのシール構造。
【請求項4】
請求項2または請求項3のいずれかに記載のタンクのシール構造において、
前記タンク(6)は、ケーシング(3)の環状溝(4)の前記隅部(7)を除いて、そのケーシング(3)の外側からカシメにより固定されているタンクのシール構造。
【請求項5】
請求項2または請求項3のいずれかに記載のタンクのシール構造において、
前記タンク(6)は、そのケーシング(3)の外側から、ケーシング(3)に設けた多数の爪をタンク(6)側に直角に折り曲げることによるカシメで、環状溝(4)に固定されているタンクのシール構造。
【請求項6】
請求項2または請求項3のいずれかに記載のタンクのシール構造において、
前記タンク(6)の外周に多数の凹部(20)が窓状に並列され、ケーシング(3)の前記開口の端部の外周に定間隔にスリット(10)が形成され、そのケーシング(3)のスリット(10)より開口端側が凹部(20)側に平行に押し込まれて、タンク(6)がカシメ固定されているタンクのシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏平チューブを積層してコアを形成し、そのコアの外周にケーシングを被嵌した熱交換器のタンクとケーシングとの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、偏平チューブを積層してコアを形成し、コアの外周にケーシングを被嵌し、そのケーシングの両端部にタンクをろう付固定した熱交換器が記載されている。
下記特許文献2および特許文献3には、タンクとコアとをカシメにより接続する構造の熱交換器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−163642号公報
【特許文献2】特開2004−66283号公報
【特許文献3】特開2006−250413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている熱交換器は、両端が拡開された偏平チューブを積層してコアを形成し、そのコアの外周に横断面方形の筒状のケーシングを被嵌し、そのケーシングの両端にタンクの端部をろう付固定したものである。
このろう付に代えて、特許文献2、特許文献3によるタンクとケーシングとのカシメ構造を利用することが考えられる。その場合、チューブプレートを必要とする。さらには、ケーシングの外周に環状の突出部が形成されてしまい、コンパクト性に欠けると共に、成形が複雑になる欠点がある。
そこで、本発明は構造が簡単で、シール性のよいタンクのシール構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明は、多数の偏平チューブ(1)の積層体からなり、その端部の横断面の外周が矩形に形成されたコア(2)と、
そのコア(2)の外周に被嵌され、端部に矩形の開口を有するケーシング(3)と、
そのケーシング(3)の開口端部の内周に整合して位置され、平面枠形で断面クランク状に形成されたタンク受け(9)と、
そのタンク受け(9)とケーシング(3)との間に形成された環状溝(4)と、
シール材(5)を介して環状溝(4)に端部が圧入されて、外周がカシメにより固定されるタンク(6)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1)は、端部が厚み方向に拡開されている拡開部(1b)を有する一対の溝状プレートを嵌着してなり、各偏平チューブ(1)の前記拡開部(1b)において互いに接触してコア(2)が形成されているタンクのシール構造である。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のタンクのシール構造において、
前記環状溝(4)は、略矩形の四隅に、他の部分より幅広で円弧状に湾曲した隅部(7)を有し、
前記シール材(5)は、断面円形の互いに平行な一対の短辺部(5a)と一対の長辺部(5b)と、それらの間を連結して四隅に形成され、断面円形な芯部(5c)およびそれに一体に形成された鍔部(8)とを有し、その鍔部(8)が四隅方向外側に突設されており、
そのシール材(5)は、前記四隅で芯部(5c)と鍔部(8)とが共に前記環状溝(4)に嵌入されており、
前記タンク(6)は、前記シール材(5)を介して、ケーシング(3)の環状溝(4)に圧入されて、カシメにより固定されているタンクのシール構造である。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、多数の偏平チューブ(1)の積層体からなり、その端部の横断面の外周が矩形に形成されたコア(2)と、
そのコア(2)の外周に被嵌され、端部に矩形の開口を有するケーシング(3)と、
そのケーシング(3)の開口端部の内周に整合して位置され、平面枠形で断面クランク状に形成されたタンク受け(9)と、
そのタンク受け(9)とケーシング(3)との間に形成された環状溝(4)と、
シール材(5)を介して環状溝(4)に端部が圧入されて、外周がカシメにより固定されるタンク(6)と、を具備し、
前記環状溝(4)は、略矩形の四隅に、他の部分より幅広で円弧状に湾曲した隅部(7)を有し、
前記シール材(5)は、断面円形の互いに平行な一対の短辺部(5a)と一対の長辺部(5b)と、それらの間を連結して四隅に形成され、断面円形な芯部(5c)およびそれに一体に形成された鍔部(8)とを有し、その鍔部(8)が四隅方向外側に突設されており
そのシール材(5)は、前記四隅で芯部(5c)と鍔部(8)とが共に前記環状溝(4)に嵌入されており
前記タンク(6)は、前記シール材(5)を介して、ケーシング(3)の環状溝(4)に圧入されて、カシメにより固定されているタンクのシール構造である。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、請求項2または請求項3のいずれかに記載のタンクのシール構造において、
前記タンク(6)は、ケーシング(3)の環状溝(4)の前記隅部(7)を除いて、そのケーシング(3)の外側からカシメにより固定されているタンクのシール構造である。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、請求項2または請求項3のいずれかに記載のタンクのシール構造において、
前記タンク(6)は、そのケーシング(3)の外側から、ケーシング(3)に設けた多数の爪をタンク(6)側に直角に折り曲げることによるカシメで、環状溝(4)に固定されているタンクのシール構造である。
請求項6に記載の本発明は、請求項2または請求項3のいずれかに記載のタンクのシール構造において、
前記タンク(6)の外周に多数の凹部(20)が窓状に並列され、ケーシング(3)の前記開口の端部の外周に定間隔にスリット(10)が形成され、そのケーシング(3)のスリット(10)より開口端側が凹部(20)側に平行に押し込まれて、タンク(6)がカシメ固定されているタンクのシール構造である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、端部が厚み方向に拡開されている拡開部1bを有する多数の偏平チューブ1を、その拡開部1bにおいて互いに接触させた積層体からなる矩形のコア2に、ケーシング3を被嵌し、そのケーシング3の開口端部の内周に、平面枠形で断面クランク状に形成されたタンク受け9を設ける。そして、タンク受け9とケーシング3との間に形成された環状溝4に、シール材5を介しタンク6がカシメにより固定されたものである。そのため、コンパクトで構造の簡単なシール構造を形成できる。
【0012】
請求項2または請求項3のいずれかに記載の本発明のタンクのシール構造は、上記構成において、平面が略方形のシール材5の四隅に、芯部5cと一体の鍔部8が突設し、その鍔部8を芯部5cと共に環状溝4の隅部7に嵌入したものである。
この本発明は、シール材5の四隅に鍔部8を設けたので、その四隅でシール材5が移動することを防止して、シール性のよいタンクのシール構造となる。
【0013】
請求項4に記載の発明のように、ケーシング3の環状溝4の隅部7を除いて、タンク6をそのケーシング3にカシメ固定した場合には、カシメ作業が容易で且つ、シール効果の高いタンクの固定構造となる。
請求項5に記載の発明のように、ケーシング3に設けた多数の爪をタンク6側に直角に折り曲げてタンクを固定した場合には、カシメ作業を容易に行える。
請求項6に記載の発明のように、タンク6の外周に多数の凹部20を窓状に並列し、ケーシング3の前記開口の端部の外周に定間隔にスリット10を形成し、スリット10より開口端側を凹部20側に平行に押し込んで、タンク6をカシメ固定した場合には、構造が簡単で、強度の大きなシール構造となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のタンクのシール構造の分解斜視図。
図2】同シール構造に用いられるシール材5であって、(A)はその平面図、(B)は(A)のD−D矢視断面図。
図3】同組立て状態を示す斜視図。
図4】本シール構造の取付手順を示すものであって、図3のIV−IV矢視におけるシール構造の取付手順を示し、(A)はその取付け前の状態、(B)は同取付け後の状態を示す。
図5】同シール構造の縦断面図。
図6】同平面図。
図7】本発明のシール構造の第2実施例に用いられるシール材5であって、(A)はその平面図、(B)は(A)のB−B矢視断面図、(C)は要部斜視図、(D)は(A)のD−D矢視図。
図8】同シール構造の分解斜視図。
図9】同シール構造の四隅における取付け前と、その後の状態を夫々示す縦断面図。
図10】さらに他の実施例のシール構造を示す断面図。
図11】(A)(B)は通常のシール材の欠点を説明する取付け説明図、(C)は(A)のC−C断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
この例のタンクのシール構造は、図1及び図2に示す如く、多数の偏平チューブ1を積層してコア2を形成し、コア2の外周にケーシング3を被嵌する。そして、そのケーシング3の開口端の内側に、タンク受け9を設ける。このタンク受け9は、外周がケーシング3の開口端部の内周に整合する外枠形に折り曲げ形成され、内周がバーリンク加工により内枠状に立ち上げ形成され、全体の平面が枠形で断面クランク状のものである。
そのタンク受け9とケーシング3との間に環状溝4が形成されている。そして、その環状溝4に、図1図2に示す、シール材5を嵌着し、そのシール材5を介して、タンク6の一端を、ケーシング3にカシメによって締結固定するものである。
【0016】
コア2を構成する偏平チューブ1は、上下一対の溝状プレートを嵌着したものである。
偏平チューブ1の両開口端部は厚み方向に拡開され、拡開部1bを形成する。偏平チューブの外面の中央部分には、液体をUターンさせるための仕切部1aが外方に突設されている。この仕切部1aの高さは、拡開部1bの拡開高さと同一である。また、偏平チューブ1には、図1に示す如く、多数のディンプル14が外方に向けて突設されている。
各偏平チューブ1の拡開部1bと仕切部1aとが互いに接触するように積層されて、コア2を形成する。
コア2の外周は方形に形成され、その外周にケーシング3が被嵌される。このケーシング3は、溝形に形成されたケーシング本体3aと、その側壁間を閉塞する蓋材3bとからなる。ケーシング本体3aの側壁には一対のパイプ15が突設されている。
仕切部1aやディンプル14は、場合により形成しなくてもよい。仕切部1aを設けない場合、各偏平チューブ1の拡開部1bが互いに接触するように積層されてコア2が形成される。
【0017】
ケーシング3の端部には、多数のスリット10が一定間隔に形成される。
図3に示す如く、そのケーシング3のスリット10より先端側が、凹陥されカシメ部17がタンク6の側壁に平行に形成される。なお、ケーシング3の外周にはスリット10に隣接して直線状の凸条11がケーシング3の内面側に突出されている。そして、シール材5は、図4(B)に示す如く、タンク6の先端部と凸条11との間に圧入される。
この例では、スリット10及び凸条11はケーシング3の四隅部には形成されていない。
【0018】
(実施例2)
次に、図7は本発明の他のシール構造に用いるシール材5の平面図、各断面図、要部斜視図である。図8はそのシール構造の組立て斜視図で、シール材5以外、前記実施例と同一である。この例でも、ケーシング3の両端部には、一対のタンク受け9が介装されて、そのケーシング3の開口端の内側に環状溝4を形成する。
このシール材5は、図7 (A)に示す如く、一対の短辺部5aと、一対の長辺部5bとを有する。そして、(D)に示す如く、それら短辺部5aと長辺部5bの断面は円形に形成され、(B),(C)に示す如く、それら短辺部5aと長辺部5b を連結する芯部5cの部分には鍔部8が一体に突設されている。
そして、環状溝4の四隅においては、図9(A)に示す如く、このシール材5の鍔部8が、環状溝4の隅部7に挿入される。
また、環状溝4の隅部7以外の位置では、シール材5は断面円形である(図7(D))。
【0019】
次に、このタンク6は図1及び図8に示す如く、その外周に多数の凹部20が窓状に並列され、その凹部20にケーシング3の端部が図3に示す如く圧入されてカシメられる。ケーシング3の四隅部では、カシメがされない。加工が面倒であることに基づく。
その四隅の隅部7は、その幅が他の部分よりも広く形成されている(図11(C)参照)。このタンク受け9は金属板を加工し、外枠が平面方形に折り曲げられ、その内周枠がプレス成形されて、リブ状に立ち上げられたものである。
そのため、立ち上げのコーナー部は弧状に形成されている。即ち、環状溝4の隅部7は扇状に形成される。そのため、環状溝4の幅は、隅部7において広く幅広部4aに形成され、それ以外では狭く形成されている。
【0020】
本発明のシール構造に用いられるシール材5は、その四隅部に鍔部8が形成され、その鍔部8の端部が、図9(A)(B)に示す如く、ケーシング3の内面に圧着して、環状溝4の隅部7においてシール材5を位置決めする。そのため、ケーシング3のコーナー部において、その内面とタンク6の端部との間に図9(B)のように隙間が生じていても、シール材5が環状溝4の隅部7から外れることがない。即ち、図11(A)から(B)のように環状溝4内を移動することを防止できる。それにより、環状溝4の隅部7においてのシール性が向上する。
このようにしてなる熱交換器は、そのタンク6のフランジ16にシール材を介して図示しないダクトが接続され、コア2の各偏平チューブ1内を気体18が流通し、その外周に液体19が流通して、気体18と液体19との間に熱交換が行われる。
【0021】
(実施例3)
図10は、本発明の他の実施例を示すものであり、それが上記実施例と異なるところは、カシメの方法およびタンク形状である。前記の例では、スリット10より先端部を押圧してカシメ部17を形成したが、それに替えて、ケーシング3の両開口端縁に一定間隔で爪を設け、その爪をタンクの外壁側に曲折することでカシメ部17を形成している。
なお、タンクを固定するためのカシメ方法は、上記に限定されるものではない。
また、タンクの形状は、特に限定されず、この例は、一端が開口する細長い弁当型のものである。
【符号の説明】
【0022】
1 偏平チューブ
1a 仕切部
1b 拡開部
2 コア
3 ケーシング
3a ケーシング本体
3b 蓋材
4 環状溝
4a 幅広部
【0023】
5 シール材
5a 短辺部
5b 長辺部
5c 芯部
6 タンク
7 隅部
8 鍔部
9 タンク受け
10 スリット
【0024】
11 凸条
14 ディンプル
15 パイプ
16 フランジ部
17 カシメ部
18 気体
19 液体
20 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11