特許第6296871号(P6296871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296871
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】液晶表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1337 20060101AFI20180312BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   G02F1/1337 525
   G02F1/1343
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-82882(P2014-82882)
(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公開番号】特開2014-215614(P2014-215614A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0046229
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】李 角 錫
(72)【発明者】
【氏名】徐 徳 鍾
(72)【発明者】
【氏名】安 賢 九
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲けい▼ 兌
(72)【発明者】
【氏名】李 宅 ▲しゅん▼
(72)【発明者】
【氏名】鄭 承 娟
【審査官】 廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−194538(JP,A)
【文献】 特開2009−288298(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0081652(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1337
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板を形成する段階と、
第2基板を形成する段階と、
次いで前記第1及び第2基板の各々に第1官能基を有する配向物質、熱安定剤、及び溶媒を含む配向液を塗布する段階と、
次いで前記配向液内の前記溶媒を除去する段階と、
次いで前記第1及び第2基板との間に液晶層を形成する段階と、
次いで前記第1官能基に光を照射して前記第1官能基を重合する段階と、を含む液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記熱安定剤は、前記配向液の全重量に対して0超過3重量%以下の量で含まれる請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記溶媒を除去する段階は、第1温度で実行される第1ベーク段階及び前記第1温度と異なる第2温度で実行される第2ベーク段階を含む請求項1または2に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記熱安定剤は、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ハイドロキノン及びアルキル化ハイドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、1価又は多価アルコール、1価又は多価アルコールとβ−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−(3、5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールと3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、β−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸、及びアミン熱安定剤からなる群から選択された少なくとも1つである請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記配向液を塗布する前に前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも1つに電極部を形成する段階を含み、
前記第1官能基を重合する段階で前記電極部に電界が印加される請求項1〜4の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1官能基は、炭素数1乃至18の脂肪族アルキレン基を含むビニル基(alkylated vinyl group)又は炭素数1乃至18の脂肪族アルキレン基を含むシンナモイル基(alkylated cinnamoyl group)の少なくとも1つである請求項1〜5の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1官能基は、
【化1】
又は
【化2】
の少なくとも1つである請求項6に記載の液晶表示装置の製造方法。
(ここで、nは1乃至18、
はアルキレン基(alkylene)、エーテル基(ether;−O−)、又はエステル基(ester;−COO−)、
はメチル基(methyl)又は水素、
はメチレン基、エーテル基、エステル基、フェニレン基(phenylene)、シクロへキシレン基(cyclohexylene)、又は下記式で表されるフェニルエステル基(phenylester)(ここで、*は結合部位を意味する)、
【化3】
及びYは炭素数1乃至10のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基(biphenyl)、シクロヘキシル基、ビシクロヘキシル基(bicyclohexyl)、又はフェニルシクロヘキシル基(phenylcyclohexyl)である。)
【請求項8】
前記第1官能基は、
【化4】
である請求項6に記載の液晶表示装置の製造方法。
(ここで、nは1乃至18、
はメチレン基、エーテル基、エステル基、フェニレン基(phenylene)、シクロへキシレン基(cyclohexylene)、又は下記式で表されるフェニルエステル基(phenylester)(ここで、*は結合部位を意味する)、
【化5】
及びYは炭素数1乃至10のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基(biphenyl)、シクロヘキシル基、ビシクロヘキシル基(bicyclohexyl)、又はフェニルシクロヘキシル基(phenylcyclohexyl)である。)
【請求項9】
前記配向物質は、前記液晶分子を垂直配向させる第2官能基をさらに有する請求項1〜8の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2官能基は、酸素原子と結合するアルキル基が炭素数1乃至25の脂肪族アルキル基(aliphatic alkyl group)であるアルコキシ基(alkoxy group)、コレステリック基(cholesteric group)、炭素数1乃至10の脂肪族アルキル基により置換された脂環式基(alicyclic group)、又は炭素数1乃至10の脂肪族アルキル基により置換された芳香族基(aromatic group)の少なくとも1つである請求項9に記載の液晶表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置の製造方法に関し、電圧維持比が高くて欠陥が減少した液晶表示装置を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置は液晶層の特徴によってツイステッドネマティック型液晶表示装置、水平電界型液晶表示装置、又は垂直配向型液晶表示装置等に区分される。
【0003】
前記垂直配向型液晶表示装置は電界が印加されない状態で所定方向に配向され、液晶分子の長軸が前記基板面と垂直に配列される。これにより、広い視野角と大きなコントラスト比を有する。
【0004】
前記液晶分子を所定方向に配向させるための方法としてはラビング法や光配向法等がある。前記垂直配向型液晶表示装置において、光配向法の中の1つは反応性メソゲンを利用して前記液晶分子を所定方向に配向させることができる。前記反応性メソゲンは未硬化の状態で液晶層に包含され、光が照射されて硬化される段階を経て前記液晶分子を配向させるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0021141号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0187283号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は応答速度が速くて低階調での色ムラが改善された高品質の液晶表示装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は前記液晶表示装置を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による液晶表示装置は、第1基板、前記第1基板上に提供された第1配向膜、前記第1基板に対向する第2基板、前記第2基板上に提供された第2配向膜、及び前記第1基板と前記第2基板との間に提供され液晶分子を含む液晶層を含む。前記第1配向膜及び第2配向膜の各々は、基礎配向膜と前記基礎配向膜上に提供された配向形成層を含み、前記配向形成層は、熱安定剤と重合されて前記液晶分子を初期配向する第1官能基を含むことができる。
【0009】
前記熱安定剤は、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ハイドロキノン及びアルキル化ハイドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、1価又は多価アルコール、1価又は多価アルコールとβ−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−3、5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールと3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、β−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸、及びアミン熱安定剤からなる群から選択された少なくとも1つであり得る。
【0010】
前記第1官能基は、炭素数1乃至18の脂肪族アルキレン基を含むビニル基(alkylated vinyl group)又は炭素数1乃至18の脂肪族アルキレン基を含むシンナモイル基(alkylated cinnamoyl group)の中で少なくとも1つであり得る。
【0011】
前記第1配向膜及び第2配向膜の各々は、前記液晶分子を垂直配向させる第2官能基をさらに有することができる。
【0012】
前記液晶表示装置は、第1基板を形成し、第2基板を形成し、次いで前記第1及び第2基板の各々に第1官能基を有する配向物質、熱安定剤、及び溶媒が含まれた配向液を塗布し、次いで前記配向液内の前記溶媒を除去し、次いで前記第1及び第2基板との間に液晶層を形成した後、前記第1官能基に光を照射して前記第1官能基を重合して製造することができる。
【0013】
前記熱安定剤は、前記配向液に前記配向液重量に対して0超過3重量%以下に含有することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態による液晶表示装置は応答速度が速くて低階調での色ムラが減少される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】複数の画素を有する本発明の第1実施形態による液晶表示装置の一部を示した平面図である。
図2図1に示すI−I’線に沿って切断した液晶表示装置の断面図である。
図3】本発明の一実施形態による表示装置を製造する方法を示したフローチャートである。
図4】温度と未反応反応性メソゲン(RMは反応性メソゲンを表す)の含量の相対値の関係を示したグラフである。
図5】各段階と未反応反応性メソゲン(RMは反応性メソゲンを表す)の含量の相対値の関係を示したグラフである。
図6】熱安定剤含量と未反応反応性メソゲン(RMは反応性メソゲンを表す)の含量、及びプレチルト角の関係を示したグラフである。
図7】未反応反応性メソゲン(RMは反応性メソゲンを表す)の含量と最終的な表示装置においての応答速度の関係を示したことである。
図8】未反応反応性メソゲン(RMは反応性メソゲンを表す)の含量と電圧V−透過率T曲線においての平均勾配の関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるので、特定実施形態を図面に例示し、本文で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとすることでなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全て変更、均等物及び代替は本実施形態に含まれることとして理解しなければならない。
【0017】
図面中の類似な参照数字は類似な構成要素を示す。添付された図面において、構造物の寸法は本発明を明確に説明するために実際より拡大して示した。第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、構成要素は用語によって限定されない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しなくて第1構成要素は第2構成要素と称され得り、類似に第2構成要素も第1構成要素と称され得る。単数の表現は文脈の上に明確に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0018】
本出願で、「包含」又は「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせが存在することを意味するが、1つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせが存在できる又は付加できる可能性を排除しないことを意味するとして理解しなければならない。また、層、膜、領域、板等の部分が他の部分「上に」あるとする場合、これは他の部分「直ちに上に」にある場合のみでなく、その中間にその他の部分がある場合も含む。反対に層、膜、領域、板等の部分が他の部分「下に」あるとする場合、これは他の部分「直ちに下に」にある場合のみでなく、その中間にその他の部分がある場合も含む。
【0019】
図1は複数の画素を有する本発明の第1実施形態による液晶表示装置の一部を示した平面図である。
【0020】
図2図1に示すI−I’線に沿って切断した液晶表示装置の断面図である。
【0021】
図1及び図2を参照すれば、前記表示装置は第1基板SUB1と、前記第1基板SUB1上に提供された第1配向膜ALN1、前記第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2、前記第2基板SUB2上に提供された第2配向膜ALN2、及び前記第1配向膜ALN1と前記第2配向膜ALN2との間に形成された液晶層LCLを含む。
【0022】
前記第1基板SUB1は第1ベース基板BS1、複数のゲートラインGLn、複数のデータラインDLm、及び複数の画素PXLを含む。
【0023】
ここで、図1及び図2では説明を簡単にするために、多数のゲートワードラインの中のn番目のゲートラインGLn、多数のデータワードラインの中のm番目のデータラインDLm、及び1つの画素を図示した。しかし、本発明の第1実施形態による液晶表示装置において、残る画素もこれと類似な構造を有し、以下ではn番目のゲートラインGLn及びm番目のデータラインDLmを各々データライン及びデータラインと称する。
【0024】
前記第1ベース基板BS1は大略方形状を有し、透明絶縁材料から作られる。
【0025】
前記ゲートラインGLnは前記第1ベース基板BS1上に第1方向D1に延長されて形成される。前記データラインDLmは前記ゲートラインGLnとゲート絶縁膜GIを介して前記第1方向D1と交差する第2方向D2に延長されて提供される。前記ゲート絶縁膜GIは前記第1ベース基板BS1の全面に提供され、前記ゲートラインGLnをカバーする。
【0026】
前記各画素PXLは前記ゲートワードラインの中の対応するゲートラインGLnと前記データワードラインの中の対応するデータラインDLmに連結される。前記各画素PXLは薄膜トランジスターTr、前記薄膜トランジスターTrに連結された画素電極PE、及びストレージ電極部を含む。前記薄膜トランジスターTrはゲート電極GE、ゲート絶縁膜GI、半導体パターンSM、ソース電極SE、及びドレーン電極DEを含む。前記ストレージ電極部は前記第1方向D1に延長されたストレージラインSLnと、前記ストレージラインSLnから分岐されて前記第2方向D2に延長された第1及び第2分岐電極LSLn、RSLnとをさらに含む。
【0027】
前記ゲート電極GEは前記ゲートラインGLnから突出させるか、或いは前記ゲートラインGLnの一部領域上に提供される。
【0028】
前記ゲート電極GEは金属から構成され得る。前記ゲート電極GEはニッケル、クロム、モリブデン、アルミニウム、チタニウム、銅、タングステン、及びこれらの合金から構成され得る。前記ゲート電極GEは前記金属を利用する単一膜又は多重膜に形成され得る。例えば、前記ゲート電極GEはモリブデン、アルミニウム、及びモリブデンが順次的に積層された三重膜構造か、又はチタニウムと銅とが順次的に積層された二重膜構造を有し得る。又はチタニウムと銅との合金より構成された単一膜構造を有し得る。
【0029】
前記半導体パターンSMは前記ゲート絶縁膜GI上に提供される。前記半導体パターンSMはゲート絶縁膜GIを介して前記ゲート電極GE上に提供される。前記半導体パターンSMは一部領域が前記ゲート電極GEと重畳される。前記半導体パターンSMは前記ゲート絶縁膜GI上に提供されたアクティブパターン(図示せず)と前記アクティブパターン上に形成されたオーミックコンタクト層(図示せず)とを含む。前記アクティブパターンは非晶質シリコン薄膜から構成されることができ、前記オーミックコンタクト層はn+非晶質シリコン薄膜から構成され得る。前記オーミックコンタクト層は前記アクティブパターンと前記ソース電極SE及びドレーン電極DEの間を各々オーミックコンタクト(ohmic contact)させる。
【0030】
前記ソース電極SEは前記データラインDLmで分枝されて提供される。前記ソース電極SEは前記オーミックコンタクト層上に形成され、一部領域が前記ゲート電極GEと重畳する。
【0031】
前記ドレーン電極DEは前記半導体パターンSMを介して前記ソース電極SEから離隔されて提供される。前記ドレーン電極DEは前記オーミックコンタクト層上に形成され、一部領域が前記ゲート電極GEと重畳するように提供される。
【0032】
前記ソース電極SEと前記ドレーン電極DEとはニッケル、クロム、モリブデン、アルミニウム、チタニウム、銅、タングステン、及びこれらの合金から構成され得る。前記ソース電極SEと前記ドレーン電極DEとは前記金属を利用する単一膜又は多重膜で形成され得る。例えば、前記ソース電極SEと前記ドレーン電極DEとはチタニウムと銅とが順次的に積層された二重膜構造を有し得る。又はチタニウムと銅との合金より構成された単一膜構造を有し得る。
【0033】
これによって、前記ソース電極SEと前記ドレーン電極DEとの間の前記アクティブパターンの上面が露出され、前記ゲート電極GEの電圧印加の可否にしたがって前記ソース電極SEと前記ドレーン電極DEとの間で伝導チャンネル(conductive channel)をなすチャンネル部になる。前記ソース電極SEと前記ドレーン電極DEとは前記ソース電極SEと前記ドレーン電極DEとの間の離隔されて形成されたチャンネル部を除外した領域で前記半導体層SMの一部と重畳する。
【0034】
前記画素電極PEは保護膜PSVを介して前記ドレーン電極DEに連結される。前記画素電極PEは前記ストレージラインSLn、第1及び第2分岐電極LSLn、RSLnと部分的にオーバーラップしてストレージキャパシターを形成する。
【0035】
前記保護膜PSVは前記ソース電極SE、前記ドレーン電極DE、前記チャンネル部、及び前記ゲート絶縁膜GIをカバーし、並びに前記ドレーン電極DEの一部を露出するコンタクトホールCHを有する。前記保護膜PSVは、例えばシリコン窒化物やシリコン酸化物を含み得る。
【0036】
前記画素電極PEは前記保護膜PSVに形成された前記コンタクトホールCHを通じて前記ドレーン電極DEに連結される。
【0037】
前記画素電極PEは幹部PEaと前記幹部PEaから放射形に突出されて延長された複数の枝部PEbとを含む。前記複数の幹部PEa又は複数の枝部PEbの中の一部は前記ドレーン電極DEと前記コンタクトホールCHとを通じて連結される。
【0038】
前記幹部PEaは多様な形状に提供されることができ、一例として本発明の第1実施形態のように十字形状に提供され得る。この場合、前記画素PXLは前記幹部PEaによって複数のドメインに区分され、前記枝部PEbは各ドメインに対応されて、前記各ドメイン毎に互いに異なる方向に延長され得る。本発明の第1実施形態では一例として前記画素が第1乃至第4ドメインDM1、DM2、DM3、DM4からなされたことを図示した。前記複数の枝部PEbは互いに離隔されて隣接する枝部PEbと接触しないようになっており、前記幹部PEaによって区分された領域内では互いに平行な方向に延長される。
【0039】
前記枝部PEbにおいて、互いに隣接する枝部PEbの間はマイクロメーター単位の距離に離隔され、これは前記液晶層LCLの液晶分子を前記ベース基板と平行な平面上の特定方位角に整列させるための手段に該当する。
【0040】
前記画素電極PEは透明な導電性物質で形成される。特に、前記画素電極PEは透明導電性酸化物(Transparent Conductive Oxide)で形成される。前記透明導電性酸化物はITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)等がある。
【0041】
前記第1配向膜ALN1は前記液晶層LCLの液晶分子をプレチルトするためのものであって、前記画素電極PE上に提供される。
【0042】
前記第1配向膜ALN1は前記画素電極PE上に提供された第1基礎配向膜PAL1及び前記第1基礎配向膜PAL1上に提供された第1配向形成層PTL1を含む。
【0043】
前記第1基礎配向膜PAL1はポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミド、ポリアミックイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、又はポリスチレンのような高分子、若しくはこれらの混合物からなされ得る。前記第1基礎配向膜PAL1はラビング法や光配向法を利用して初期配向され得る。
【0044】
前記第1配向形成層は重合されて後述する液晶層の液晶分子を初期配向するための第1官能基を必須に含み、前記液晶分子を垂直配向するための第2官能基をさらに含ことが好ましい。
【0045】
前記第1官能基は重合されて前記第1配向膜ALN1の中で実質的に前記液晶分子をプレチルトさせる液晶反応性メソゲンであり得る。前記「反応性メソゲン(reactive mesogen)」という用語は光硬化粒子、即ち光架橋性低分子又は光架橋性高分子の共重合体を称し、特定波長の光、例えば紫外線が照射されれば、重合反応等の化学反応を起こす。前記反応性メソゲンは、例えばアクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基、オキセタン基、ビニール−エーテル基、スチレン基、又はチオレン基等から構成され、前記重合反応によって一部が架橋されて前記液晶分子を前記第1又は第2基板の一面に対して所定傾斜角を有するようにプレチルトさせる。
【0046】
本発明の一実施形態において、前記反応性メソゲンは炭素数1乃至18の脂肪族アルキレン基を含むビニル基(alkylated vinyl group)又は炭素数1乃至18の脂肪族アルキレン基を含むシンナモイル基(alkylated cinnamoyl group)の中で少なくとも1つであり得る。
【0047】
例えば、前記反応性メソゲンは
【0048】
【化1】
【0049】
(nは1乃至18、Xはアルキレン基(alkylene)、エーテル基(ether;−O−)、又はエステル基(ester;−COO−)、Yはメチル基(methyl)又は水素)、又は
【0050】
【化2】
【0051】
(nは1乃至18、Xはメチレン基、エーテル基、エステル基、フェニレン基(phenylene)、シクロへキシレン基(cyclohexylene)、又は下記式で表されるフェニルエステル基(phenylester)(ここで、*は結合部位を意味する)、
【0052】
【化3】
【0053】
は炭素数1乃至10のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基(biphenyl)、シクロヘキシル基、ビシクロヘキシル基(bicyclohexyl)、又はフェニルシクロヘキシル基(phenylcyclohexyl)の少なくとも1つであり得る。
【0054】
前記第2官能基は酸素原子と結合するアルキル基が炭素数1乃至25の脂肪族アルキル基(aliphatic alkyl group)であるアルコキシ基( alkoxy group)、コレステリック基(cholesteric group)、炭素数1乃至10の脂肪族アルキル基により置換された脂環式基(alicyclic group)、又は炭素数1乃至10の脂肪族アルキル基により置換された芳香族基(aromatic group)の少なくとも1つであり得る。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、前記第1配向膜ALN1は熱安定剤の誘導体を含有する。前記熱安定剤の誘導体は前記第1配向膜ALN1及び前記第2配向膜ALN2の形成の際に熱安定剤から発生する副産物、例えばイオンやラジカルと反応して形成された結果物を意味する。
【0056】
前記熱安定剤はアルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ハイドロキノン及びアルキル化ハイドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、1価又は多価アルコール、1価又は多価アルコールとβ−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−3、5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールと3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、β−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸、及びアミン熱安定剤からなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0057】
前記熱安定剤の実施形態を詳細に説明すれば次の通りである。
【0058】
(1)アルキル化モノフェノール、例えば2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4、6−ジメチルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2、6−ジーシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4、6−ジメチルフェノール、2、6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2、4、6−トリシクロヘキシルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖又は側鎖で分枝されたノニルフェノール、例えば、2、6−ジーノニル−4−メチルフェノール、2、4−ジメチル−6−1’−メチル−ウンデク−1’−イル)−フェノール、2、4−ジメチル−6−1’−メチル−ヘプタデク−1’−イル)−フェノール、2、4−ジメチル−6−1’−メチルトリデク−1’−イル)−フェノール及びこれらの混合物。
【0059】
(2)アルキルチオメチルフェノール、例えば2、4−ジ−オクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2、4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2、4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2、6−ジードデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0060】
(3)ハイドロキノン及びアルキル化ハイドロキノン、例えば2、6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2、5−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノン、2、5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2、6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノン、2、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0061】
(4)トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びこれらの混合物(ビタミンE)
(5)ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、例えば2、2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2、2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4、4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4、4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4、4’−チオビス(3、6−ジ−sec−アミルフェノール)、4、4’−ビス(2、6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0062】
(6)アルキリデンビスフェノール、例えば2、2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2、2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2、2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2、2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2、2’−メチレンビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2、2’−エチリデンビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2、2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2、2’−メチレンビス[6−(α、α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4、4’−メチレンビス2、6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4、4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1、1−ビス5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2、6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1、1、3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1、1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3、3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1、1−ビス−(3、5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2、2−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2、2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1、1、5、5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0063】
(7)O−、N−、及びS−ベンジル化合物、例えば3、5、3’、5’−テトラ−tert−ブチル−4、4’−ジヒドロキシ−ジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0064】
(8)ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル−2、2−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2、2−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−1、1、3、3−テトラメチルブチル)フェニル]−2、2−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0065】
(9)芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1、3、5−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2、4、6−トリメチルベンゼン、1、4−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2、3、5、6−テトラメチルベンゼン、2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0066】
(10)トリアジン化合物、例えば2、4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1、3、5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4、6−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1、3、5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4、6−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1、3、5−トリアジン、2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1、2、3−トリアジン、1、3、5−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1、3、5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1、3、5−トリアジン、1、3、5−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1、3、5−トリアジン、1、3、5−トリス(3、5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0067】
(11)ベンジルホスホネート、例えばジメチル−2、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0068】
(12)アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバマート。
【0069】
(13)1価又は多価アルコールとβ−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、前記1価又は多価アルコールは、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0070】
(14)1価又は多価アルコールとβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸のエステル、前記1価又は多価アルコールは、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ−[2.2.2]オクタン、3、9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1、1−ジメチルエチル]−2、4、8、10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン。
【0071】
(15)1価又は多価アルコールとβ−(3、5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、前記1価又は多価アルコールは、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ−[2.2.2]オクタン。
【0072】
(16)1価又は多価アルコールと3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、前記1価又は多価アルコールは、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ−[2.2.2]オクタン。
【0073】
(17)β−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN、N’−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸)ヘキサメチレンジアミド、N、N’−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N、N’−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N、N’−ビス[2−3−[3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミドNaugard(R)XL−1、ユニロイヤル化学社製)。
【0074】
(18)アスコルビン酸(ビタミンC)
(19)アミン熱安定剤、例えばN、N’−ジ−イソプロパノール−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジ−sec‐ブチル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(1、4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピオニル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1、3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)−ジフェニルアミン、N、N’−ジメチル−N、N’−ジ−sec‐ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p、p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナンオイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2、6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2、4’−ジーアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、N、N、N’、N’−テトラメチル−4、4’−ジ−アミノジフェニルメタン、1、2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1、2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’、3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロパノール/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2、3−ジーヒドロ−3、3−ジメチル−4H−1、4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化−tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N、N、N’、N’−テトラフェニル−1、4−ジアミノブート−2−エン、N、N−ビス2、2、6、6−テトラメチルピペリド−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2、2、6、6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−オル。
【0075】
前記熱安定剤は市販の物質を利用することができる。市販の熱安定剤は次の通りであり、下記の熱安定剤の中で少なくとも1種が使用され得る。
ANOX(R)70(CAS41484−35−9)、ANOX(商標登録)330(CAS1709−70−2)、ANOX(商標登録)1315(CAS171090−93−0)、ANOX(商標登録)PP18(CAS2082−79−3)、LOWINOX(商標登録)1790(CAS40601−76−1)、LOWINOX(商標登録)22M46(CAS119−47−1)、LOWINOX(商標登録)44B25(CAS85−60−9)、LOWINOX(商標登録)CA22(CAS1843−03−4)、LOWINOX(商標登録)CPL(CAS68610−51−5)、LOWINOX(商標登録)GP45(CAS36443−68−2)、LOWINOX(商標登録)HD98(CAS23128−74−7)、LOWINOX(商標登録)TBP6(CAS90−66−4)、LOWINOX(商標登録)WSP(CAS77−62−3)、及びNAUGARD(商標登録)536(CAS7786−17−6)。
【0076】
前記第1基礎配向膜PAL1及び前記第1配向形成層PTL1は前記画素電極PEの第1乃至第4ドメインDM1、DM2、DM3、DM4に対応して配向された複数の領域から構成される。本発明の第1実施形態では一例として第1乃至第4領域になされ、前記液晶分子は前記第1乃至第4領域に対応するドメインDM1、DM2、DM3、DM4で互いに異なる方向に配向される。
【0077】
前記第2基板SUB2は第2絶縁基板INS2、カラーフィルター層CF、及びブラックマトリックスBMを含む。
【0078】
前記カラーフィルターCFは前記第2ベース基板BS2上に形成され、前記液晶層LCLを透過する光に色を提供する。ここで、本発明の第1実施形態では前記カラーフィルターCFが第2基板SUB2に形成されたことを開示したが、これに限定されることはなく、本発明の他の実施形態では前記カラーフィルターCFが前記第2基板SUB2ではない前記第1基板SUB1に提供され得る。
【0079】
前記ブラックマトリックスBMは前記アレイ基板の遮光領域に対応して形成される。前記遮光領域は前記データラインDLm、薄膜トランジスターTr、及び前記ゲートラインGLnが形成された領域に定義され得る。前記遮光領域には通常的に画素電極PEが形成されないので、液晶分子が配向されず、それ故、光漏れが発生する可能性がある。したがって、前記ブラックマトリックスBMは前記遮光領域に形成されて前記光漏れを遮断する。
【0080】
前記共通電極CEは前記カラーフィルターCF上に形成され、前記画素電極PE共に電界を形成することによって前記液晶層LCLを駆動する。前記共通電極CEは透明導電性物質で形成され得る。前記共通電極CEは例えば、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)等の導電性金属酸化物で形成され得る。
【0081】
前記第2配向膜ALN2は前記液晶層LCLの液晶分子をプレチルトするためのことであって、前記共通電極CE上に提供される。
【0082】
前記第2配向膜ALN2は前記共通電極CE上に提供された第2基礎配向膜PAL2及び前記第2基礎配向膜PAL2上に提供された第2配向形成層PTL2を含む。
【0083】
前記第2配向形成層PTL2は前記第1配向形成層PTL1と同一である物質又は前記第1配向形成層PTL1と互いに異なる物質で提供され得る。
【0084】
本発明の一実施形態において、前記第1配向膜ALN1及び前記第2配向膜ALN2は基礎配向膜と配向形成層のすべてを包含するように形成できるが、これに限定されることはなく、前記第1配向膜ALN1及び/又は前記第2配向膜ALN2は一般的な単一配向膜で形成され得る。
【0085】
前記第1基板SUB1と前記第2基板SUB2との間には液晶分子を含む前記液晶層LCLが提供される。前記液晶層LCLは負の誘電率異方性を有することができるが、これに限定されることではなく、正の誘電率異方性を有することができる。
【0086】
前記表示装置において、前記ゲートラインGLnにゲート信号が印加されれば、前記薄膜トランジスターTrがオン状態にされる。したがって、前記データラインDLmに印加された前記データ信号は前記薄膜トランジスターTrを通じて前記画素電極PEに印加される。前記薄膜トランジスターTrがオン状態になって画素電極PEにデータ信号が印加されれば、前記画素電極PEと前記共通電極CEとの間に電界が形成される。前記共通電極CEと前記画素電極PEとに印加される電圧の差異によって生成された電界によって前記液晶分子が駆動される。これによって、前記液晶層LCLを透過する光量が変化されて映像が表示される。
【0087】
一方、本発明の実施形態による表示装置は多様な画素構造を有することができる。例えば、本発明の他の実施形態によれば、1つの画素に2つのゲートラインと1つのデータラインが連結でき、その他の実施形態では1つの画素に1つのゲートラインと2つのデータラインが連結されることもあり得る。又は1つの画素が互いに異なる2つの電圧が印加される2つのサブ画素を有することができる。この場合、1つのサブ画素にはハイ電圧が、他の1つのサブ画素にはロー電圧が印加され得る。また、本発明の一実施形態では複数の微細スリットを有する画素電極と一枚の板状に形成された共通電極が形成された構造を開示したが、これに限定されることではない。例えば、前記画素電極及び前記共通電極に各画素を複数のドメインに分割するドメイン分割手段、例えば、スリットや突起が提供され得る。
【0088】
図3は本発明の一実施形態による表示装置を製造する方法を示したフローチャートである。
【0089】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による表示装置を製造するためには第1基板を形成し(S10)、前記第1基板上に第1配向液を塗布した後(S20)、前記第1配向液内の溶媒を除去して第1配向膜を形成する(S30)。これと別個に、第2基板を形成し(S40)、前記第2基板上に第2配向液を塗布した後(S50)、前記第2配向液内の溶媒を除去して第2配向膜を形成する(S60)。その次に、前記第1基板と前記第2基板との間に液晶層を介在させて液晶パネルを形成する(S70)。次に、前記液晶パネルに光を印加して第1配向膜と第2配向膜内の第1官能基とを反応させる(S80)。
【0090】
以下、本発明の一実施形態による表示装置を製造する方法を図1及び2を参照して詳細に説明する。
【0091】
先ず、第1ベース基板上に画素電極等を形成して第1基板を形成する段階を説明すれば、次の通りである。
【0092】
前記第1ベース基板BS1上にゲートパターンが形成される。前記ゲートパターンは前記ゲートラインGLnとストレージ電極部とを含む。前記ゲートパターンはフォトリソグラフィー工程を利用して形成され得る。
【0093】
前記ゲートパターンの上にはゲート絶縁膜GIが形成される。
【0094】
前記ゲート絶縁膜GIの上には半導体層SMが形成される。前記半導体層SMは前記アクティブパターンと前記アクティブパターン上に形成されたオーミックコンタクト層とを包含することができる。前記半導体層SMはフォトリソグラフィー工程を利用して形成され得る。
【0095】
前記半導体層SM上にデータパターンが形成される。前記データパターンは前記データラインDLm、前記ソース電極SE、及び前記ドレーン電極DEを含む。前記データパターンはフォトリソグラフィー工程を利用して形成され得る。この時、前記半導体層SMと前記データパターンとは1枚のハーフマスクや回折マスク等を利用して形成され得る。
【0096】
前記データパターンの上には保護膜PSVが形成される。前記保護膜PSVは前記ドレーン電極DEの一部を露出するコンタクトホールCHを有し、フォトリソグラフィー工程を利用して形成され得る。
【0097】
前記保護膜PSVの上には前記コンタクトホールCHを通じて前記ドレーン電極DEと連結される前記画素電極PEが形成される。前記画素電極PEはフォトリソグラフィー工程を利用して形成され得る。
【0098】
次に、前記画素電極PE等が形成された前記第1基板SUB1上に第1配向膜ALN1が形成される。前記第1配向膜ALN1は前記第1基板SUB1上に第1配向液を塗布した後、前記第1配向液内の溶媒を除去することによって形成される。
【0099】
前記第1配向液は第1官能基を有することを必須とし、第2官能基をさらに有することができる配向物質、熱安定剤、及び溶媒を含む。前記配向物質はポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミド、ポリアミックイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、又はポリスチレンのような高分子前駆体やこれらの混合物を含むため重合することができ、前記第1官能基及び前記第2官能基は前記高分子前駆体やこれらの混合物に側鎖の形で連結され得る。
【0100】
前記第1官能基は重合されて前記第1配向膜ALN1の中で実質的に前記液晶分子をプレチルトさせる部分として、反応性メソゲンであり得る。前記「反応性メソゲン(reactive mesogen)」という用語は光硬化粒子、即ち光架橋性低分子又は光架橋性高分子共重合体を指称し、前記反応性メソゲンは特定波長の光、例えば紫外線が照射されれば、重合反応等の化学反応を起こす。前記反応性メソゲンは、例えば、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基、オキセタン基、ビニール−エーテル基、スチレン基、又はチオレン基等から構成され得り、前記重合反応によって一部が架橋されて前記液晶分子を前記第1又は第2基板の一面に対して所定傾斜角を有するようにプレチルトさせる。
【0101】
本発明の一実施形態において、前記反応性メソゲンは前記化学式1に示す化合物であり得る。
【0102】
前記第2官能基は酸素原子と結合するアルキル基が炭素数1乃至25の脂肪族アルキル基(aliphatic alkyl group)であるアルコキシ基(alkoxy group)、コレステリック基(cholesteric group)、炭素数1乃至10の脂肪族アルキル基により置換された脂環式基(alicyclic group)、又は炭素数1乃至10の脂肪族アルキル基により置換された芳香族基(aromatic group)の少なくとも1つであり得る。
【0103】
前記熱安定剤は前記第1官能基の反応、特に酸化反応を防止するための酸化防止剤として、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ハイドロキノン、及びアルキル化ハイドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、1価又は多価アルコール、1価又は多価アルコールとβ−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールとβ−(3、5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のエステル、1価又は多価アルコールと3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、β−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸、及びアミン熱安定剤からなされた群から選択された少なくともいずれか1つを包含することができる。
【0104】
前記溶媒は前記配向物質及び前記熱安定剤と混合されて前記配向液をなすことができれば、十分であり、その種類は特に限定されない。
【0105】
前記溶媒は前記第1配向液に熱を加えることによって除去されることができる。この時、前記熱によって前記第1配向液内の前記配向物質の硬化が生じ、第1基礎配向膜PAL1と第1配向形成層PTL1を含む第1配向膜ALN1とが形成される。
【0106】
前記熱を加える段階は単一段階でも行われるが、互いに異なる温度で実行される第1ベーク段階と第2ベーク段階とによって実行され得る。前記第1ベーク段階は約50℃乃至約100℃で実行されることができ、前記第2ベーク段階は約180℃乃至約250℃で実行されることができる。前記第1ベーク段階を通じて前記配向液の溶媒の少なくとも一部が除去され、前記第2ベーク段階を通じて前記高分子前駆体が重合反応する。ここで、前記第1ベーク段階で前記溶媒の大部分が除去され得るが、前記第2ベーク段階で残る溶媒が除去され得る。また、前記第2ベーク段階で前記高分子前駆体が重合反応して高分子を形成できるが、前記第1ベーク段階で一部高分子前駆体が重合反応することができる。前記第1ベーク段階及び前記第2ベーク段階を通じて、前記溶媒が除去され前記高分子が形成されながら、前記第1官能基と及び第2官能基部分は上部方向に、前記第1官能基や第2官能基が無い部分は下部方向に移動する。したがって、前記高分子からなされた第1基礎配向膜PAL1と前記第1官能基や前記第2官能基を有する第1配向形成層PTL1とが分離されて形成される。
【0107】
ここで、第1配向液の溶媒を除去する過程で前記第1官能基が反応することがあり得る。特に、前記第1配向液に熱エネルギーが加えられる場合、前記配向液内の有機物質、例えば基礎配向膜をなす高分子物質が前記熱エネルギーによって酸化されてラジカル及び/又はイオンを形成することができる。前記ラジカル及び/又はイオンは前記第1官能基と反応することができ、これによって前記第1官能基が消費される。前記第1官能基は以後に光によって重合されることによって前記液晶分子を初期配向させる役割を果たすが、前記イオン又はラジカルによって消費される場合、以後に光によって重合される量が減少することによって、初期の配向力が低くなる。
【0108】
前記熱安定剤は前記イオンやラジカルが前記反応性メソゲンと反応する前に前記イオンやラジカルと反応することによって前記反応性メソゲンの消費を防止する。前記熱安定剤はHドナー(doner)やラジカルスカベンジャーとして作用し、これによって他の液晶が前記ラジカル又はイオンと反応することを防止する。例えば、パーオキサイドラジカルのような不安定な自由ラジカルが発生する時に、他の液晶分子等と追加的なラジカル連鎖反応が起きないように前記熱安定剤が前記パーオキサイドラジカルと反応する。
【0109】
下記の化学式1は有機物質が酸化されてラジカルを形成する過程及び発生されたパーオキサイドラジカルとフェノール系熱安定剤との反応を示したものである。
[化学式1]
【0110】
【化4】
【0111】
ここで、Rは単純にパーオキサイドの発生を示すために記載したものであって、配向膜内で発生するパーオキサイドに連結された官能基(例えば、炭素数1乃至12のアルキル基)であれば、十分であり、特別に限定されることはない。また、R乃至Rまたフェノールに連結された置換基(例えば、炭素数1乃至12のアルキル基)を示したことであって、特別に限定されることではない。例えば、前記R及びRは各々ターシャリーブチル基、Rはメチル基であり得る。
【0112】
前記熱安定剤は前記イオンやラジカルに対する反応性が反応性メソゲンより高く、前記反応性メソゲンの種類にしたがって多様に選択され得る。
【0113】
ここで、前記熱安定剤は化学式1のような反応を経て前述した熱安定剤の誘導体に変性される。本発明の一実施形態によれば、最初第1配向液内に含まれた熱安定剤は前記配向液の硬化過程で全て消費され、この場合、最終結果物である第1配向膜内には前記熱安定剤が含有されず、熱安定剤誘導体のみが残る。
【0114】
ここで、本発明の一実施形態において、前記第1配向液は前記イオンや前記ラジカルと反応して全て消費され、最終的には第1配向膜内にはほぼ残らない分量の前記熱安定剤を含有することができる。例えば、前記熱安定剤は前記第1配向液全体重量に対して0超過3重量%以下に含有されることができる。
【0115】
次に、前記第2基板SUB2を形成する段階を説明すれば、次の通りである。
【0116】
前記第2ベース基板BS2の上にはカラーを表示するカラーフィルターCFが形成される。前記カラーフィルターCFの上には共通電極CEが形成される。前記カラーフィルターCFと前記共通電極CEとは各々多様な方法に形成されることができ、フォトリソグラフィー工程を利用して形成され得る。
【0117】
以後、前記共通電極CE等が形成された前記第2基板SUB2上に第2配向膜ALN2が形成される。前記第2配向膜ALN2は前記第1配向膜ALN1の形成方法と実質的に同一の方法によって形成され得る。ここで、前記第2配向膜ALN2は前記第1配向膜ALN1の材料と同一であるか、或いは互いに異なり得る。
【0118】
以後、前記第1基板SUB1と前記第2基板SUB2とを互いに対向させ、前記第1基板SUB1と前記第2基板SUB2との間に液晶層LCLを形成する。
【0119】
その次に、前記液晶層LCLに紫外線のような光が印加されて前記液晶層LCLに含まれた第1官能基を硬化させる。前記液晶層LCLに光を印加して前記第1官能基を硬化させる間、前記液晶層LCLに電界が印加され得る。
【0120】
前記光を照射した後、所定時間が経過すれば、前記第1官能基は前記紫外線によって重合される。これによって、前記第1基礎配向膜PAL1上に前記第1官能基が所定方向を有しながら、重合され、前記第2基礎配向膜PAL2上に前記第2官能基が所定方向を有しながら、重合される。前記第1及び第2配向形成層PTL1、PTL2は前記重合された第1官能基と前記第2官能基とによって前記液晶LCをプレチルトさせることができる。
これを詳細に説明すれば、前記液晶分子に電界が印加されれば、前記第1官能基は前記第1官能基周辺の液晶分子と実質的に同一の方向に配列される。この状態で紫外線が入射されれば、前記紫外線によって前記第1官能基が互いに重合反応することによって、前記複数の第1官能基の間のネットワークを形成する。前記第1官能基は隣接する第1官能基と結合して側鎖を形成することもある。ここで、前記第1官能基は液晶分子が配列された状態で前記ネットワークを形成するので、液晶分子の平均配向方向にしたがって特定な方向性を有する。これによって、前記電界が除去されても前記ネットワークに隣接する液晶分子はプレチルト角を有する。
【0121】
次に硬化された前記第1官能基は電界を除去した状態で追加硬化され得る。前記追加硬化を通じて前記硬化で未硬化であった第1官能基が追加硬化され得る。
【0122】
上述した構造を有し、上述した方法に製造された液晶表示装置は液晶の変性が防止される。これによって、画素の電圧維持費の減少が防止され、液晶の変性によって現われることができる欠陥、例えば、色ムラ、線殘像及び面殘像等が減少されるか、或いは除去される。
【0123】
以上では本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者又は該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変形できることは理解できる。したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることではなく、特許請求の範囲によって定まれなければならない。
【実施例】
【0124】
以下、本発明の具体的な実施形態に対して説明する。
【0125】
1.配向液のベーク温度と未反応反応性メソゲンの含量の関係
図4は第1官能基として反応性メソゲンが使用された配向液を基板上に塗布した後、温度を変化させてベークした時の、ベークの後の未反応反応性メソゲンの含量を相対値に示したグラフである。ここで、用語「未反応反応性メソゲン」は反応性メソゲンが他のイオンやラジカルと反応しない状態を意味する。前記ベークは単一温度で2回ずつ遂行され、各温度を除いて、ベーク条件及びベーク時間は全て同様に維持された。
【0126】
図4を参照すれば、ベークを高温で進行するほど、未反応反応性メソゲンの含量が減少した。これは、前記配向液へ提供される熱エネルギーが高くなるほど、反応性メソゲンの反応量が多くなり、以後に光照射過程で反応する反応性メソゲンの量が少なくなることを意味する。
【0127】
2.第1ベーク及び第2ベークの後の未反応反応性メソゲンの含量
図5は第1官能基として反応性メソゲンが使用された配向液を基板上に塗布した後、第1ベークと第2ベークとを順次的に遂行した時の、ベークの後の未反応反応性メソゲンの含量を相対値に示したグラフである。図5において、A段階は第1及び第2ベークが遂行される以前、B段階は第1ベークが遂行された後、C段階は第2ベークが遂行された後を示す。
【0128】
図5を参照すれば、最初配向液での未反応反応性メソゲンの含量の相対値は1074であったが、第1ベークの後、未反応反応性メソゲンの含量の相対値が896に減少し、第2ベークの後には未反応反応性メソゲンの含量の相対値が100に急減した。
【0129】
したがって、配向液の溶媒を除去することと共にその内部の高分子前駆体を反応させるために熱を加える段階で、付加反応で反応性メソゲンが反応しないようにする必要がある。
【0130】
3.熱安定剤含量と未反応反応性メソゲン含量及びプレチルト角の関係
図6は熱安定剤含量にしたがう未反応反応性メソゲンの含量とプレチルト角を示したグラフである。ここで、前記未反応反応性メソゲンの含量は第1及び第2ベークの後に測定したものであり、前記初期傾斜角は第1及び第2ベーク以後、液晶層を形成し、光照射過程まで遂行した後の最終的な表示装置で測定したものことである。また、本グラフにおいて、熱安定剤が包含されなかった場合の配向液を使用した時の、未反応反応性メソゲン含量を100%と表示した。
図6を参照すれば、熱安定剤が包含されない場合に対比、熱安定剤が含まれた場合に未反応反応性メソゲンの含量が高くなる。特に、未反応反応性メソゲンの含量が配向液の全重量に対して約4重量%になる時まで未反応反応性メソゲンの含量また比例して高くなった。しかし、未反応反応性メソゲンの含量が配向液の全重量に対して約4重量%超過の時には熱安定剤の含量が高くなっても未反応反応性メソゲンの含量は増加しなかった。
図6を再び参照すれば、熱安定剤が包含されない場合に比べて、熱安定剤が包含された場合に前記熱安定剤が配向液の全重量に対して約3重量%になる時までプレチルト角が減少した。しかし、前記熱安定剤が配向液の全重量に対して約4重量%以上になる場合、プレチルト角が増加した。
前記プレチルト角の増加現象は、前記熱安定剤が配向液の全重量に対して約3重量%超過する場合に反応しなかった熱安定剤が第1及び第2ベークの時に消費されないことによって、反応性メソゲンと反応性メソゲンとの間の重合を妨害したことに起因することと評価された。
4.未反応反応性メソゲン含量と応答速度の関係
図7は第1及び第2ベークを遂行した後の配向膜内の未反応反応性メソゲンの含量にしたがう最終的な表示装置においての応答速度を示したことである。図7において、前記上昇時間と下降時間とは各々液晶が電界によって変形される時間と前記変形された液晶が元状態に復元される時間とを意味する。
図7を参照すれば、未反応反応性メソゲンの含量が高い場合、未反応反応性メソゲンの含量が低い場合に比べて下降時間は大きい差が無いが、上昇時間は著しく短くなったことを確認することができる。これによって、本発明の一実施形態では熱安定剤を使用することによって未反応反応性メソゲンの含量が増加し、これにしたがう応答速度が速くなる効果がある。
5.未反応反応性メソゲン含量とV−Tグラフ勾配の関係
図8は未反応反応性メソゲンの含量にしたがう電圧V−透過率T曲線においての平均勾配を示したグラフである。ここで、未反応反応性メソゲンの含量は第1及び第2ベークを遂行した後に測定され、電圧及び透過率グラフは最終的な表示装置において測定された。前記勾配は前記未反応反応性メソゲンの含量が全体配向液重量に対して3.6重量%である場合と6.4重量%場合に分けて測定され、各含量に対して2回に掛けて測定された。図8において、8〜16G及び16〜32Gはグレーレベルを表したものであり、0に近いほど、低階調に相当する。
図8を参照すれば未反応反応性メソゲンの含量が多い時、相対的に高階調16〜32Gで低階調8〜16Gより勾配が大きく減少する。低階調での輝度差は高階調での輝度差より使用者の目に良く視認される点を勘案すれば、V−T曲線の勾配が急激であるほど、輝度の変化幅が大きくなるので、色ムラが視認される可能性が高い。しかし、図8でのように未反応反応性メソゲンの含量が高い場合、低階調の勾配が大きく減少するので、色ムラが視認される可能性が低くなる。即ち、本発明の一実施形態では熱安定剤を使用することによって、未反応反応性メソゲンの含量が増加し、これによって低階調での色ムラが減少する。
【符号の説明】
【0131】
ALN1・・・第1配向膜
ALN2・・・第2配向膜
BM・・・ブラックマトリックス
CE・・・共通電極
CF・・・カラーフィルター
LCL・・・液晶層
PAL1・・・第1基礎配向膜
PAL2・・・第2基礎配向膜
PTL1・・・第1配向形成層
PTL2・・・第2配向形成層
PE・・・画素電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8