特許第6296992号(P6296992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6296992
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】試薬カード位置合わせ装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   G01N35/04 E
【請求項の数】15
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-547458(P2014-547458)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-505049(P2015-505049A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】US2012069621
(87)【国際公開番号】WO2013090655
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年8月31日
(31)【優先権主張番号】61/576,503
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507269175
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス マイルスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ エヌ. ザントス
【審査官】 土岐 和雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−032388(JP,A)
【文献】 特開2002−257837(JP,A)
【文献】 特開平05−302931(JP,A)
【文献】 特開平07−190940(JP,A)
【文献】 特表2007−528491(JP,A)
【文献】 特開2000−356597(JP,A)
【文献】 特公平06−043996(JP,B2)
【文献】 特開2002−196009(JP,A)
【文献】 特開2005−098937(JP,A)
【文献】 特開平07−005110(JP,A)
【文献】 特公昭54−030315(JP,B1)
【文献】 特開平01−134262(JP,A)
【文献】 特開昭63−075644(JP,A)
【文献】 特開平09−318544(JP,A)
【文献】 特公昭55−033544(JP,B2)
【文献】 特開2000−137028(JP,A)
【文献】 米国特許第6736553(US,B1)
【文献】 特表平04−504002(JP,A)
【文献】 米国特許第6750962(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0223673(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/62〜21/74、31/00〜31/22、33/48〜33/98、35/00〜37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬カード分析装置であって、
所定の強度を有する光信号を送信する光信号源と、
前記光信号源から送信される前記光信号の光信号経路を前記光信号源と共に定めるように、前記光信号源から所定の距離を置いて配置され、かつ、前記光信号を検出して該光信号の強度を表す電気信号を出力するように構成された光信号検出器と、
試薬カードの試薬パッドを読み出すように構成されたリーダと、
前端及び後端を有する試薬パッドを含む1つもしくは複数の試薬カードが前記光信号経路を通過して前記リーダへ向かうように、前記試薬カードを前記光信号源と前記光信号検出器との間を通って搬送する、試薬カード搬送装置と、
前記光信号検出器に電気的に結合されており、前記光信号検出器からの前記電気信号を受信し、前記試薬カードが前記光信号経路を通過する際に前記試薬パッドの前端及び後端の少なくとも一方を表すパッド検出信号を出力するように構成された光信号検出器インタフェースと
を含む
ことを特徴とする試薬カード分析装置。
【請求項2】
前記光信号経路が第1の位置に存在し、さらに、該第1の位置から既知の距離だけ離れた第2の位置に、所定容積の試料を分配するように構成された試料分配装置が設けられており、前記カード搬送装置は、前記パッド検出信号に基づき、前記1つもしくは複数の試薬カードを移動させて、前記1つもしくは複数の試薬パッドを実質的に前記第2の位置に位置させるように構成されている、請求項1記載の分析装置。
【請求項3】
前記1つもしくは複数の試薬パッドは中央領域を有しており、前記試料分配装置は前記所定容積の試料を前記1つもしくは複数の試薬パッドの前記中央領域に分配するように構成されている、請求項2記載の分析装置。
【請求項4】
前記リーダは、前記1つもしくは複数の試薬パッドの画像を、前記第1の位置から既知の距離だけ離れた第3の位置で取得するように構成された撮像装置を含んでおり、前記カード搬送装置は、前記パッド検出信号に基づき、前記1つもしくは複数の試薬カードを移動させて、前記1つもしくは複数の試薬パッドを実質的に前記第3の位置に位置させるように構成されている、請求項2記載の分析装置。
【請求項5】
前記光信号は約850nmの波長を有する、請求項1記載の分析装置。
【請求項6】
前記光信号源はヴァーティカルキャビティ面発光レーザーを含む、請求項1記載の分析装置。
【請求項7】
前記ヴァーティカルキャビティ面発光レーザーは、約2°未満の拡散角度を有するビームを含む光信号を送信するように構成されている、請求項6記載の分析装置。
【請求項8】
試薬カード分析装置であって、
支持体に取り付けられており、所定の強度を有する光信号を送信するように構成された光信号源と、
前記光信号源と共に光信号経路を第1の位置において定めるように、前記光信号源から所定の距離を置いて前記支持体に取り付けられ、かつ、前記光信号を検出して該光信号を表す電気信号を形成するように構成された光信号検出器と、
前記第1の位置から既知の距離だけ離れた第2の位置に配置されており、試薬カードの1つもしくは複数の試薬パッドを読み出すように構成されたリーダと、
第3の位置に配置されており、前記試薬カードの前記1つもしくは複数の試薬パッドに所定容積の試料を分配するように構成された試料分配装置と、
前記光信号源と前記光信号検出器との間を前記試薬カードが通過することで、前記試薬カードが前記光信号を妨げ、さらに、前記1つもしくは複数の試薬パッドが実質的に前記第2の位置及び前記第3の位置に位置するように、前記試薬カードを移動させる、カード搬送装置と、
前記光信号検出器に電気的に結合されており、前記光信号検出器からの電気信号を受信し、前記試薬カードが前記光信号源と前記光信号検出器との間を通過する際に、前記試薬パッドの前端及び後端の少なくとも一方を表すパッド検出信号を出力するように構成された光信号検出器インタフェースと、
前記リーダ及び前記試料分配装置及び前記カード搬送装置を制御するように構成されており、前記光信号検出器インタフェースに電気的に結合されており、前記パッド検出センサ信号に基づき、前記カード搬送装置を操作して前記1つもしくは複数の試薬カードを移動させて、前記1つもしくは複数の試薬パッドを実質的に前記第2の位置又は前記第3の位置に位置させるように構成されたコントローラと
を含む
ことを特徴とする試薬カード分析装置。
【請求項9】
前記1つもしくは複数の試薬パッドは中央領域を有しており、前記試料分配装置は前記所定容積の試料を前記1つもしくは複数の試薬パッドの前記中央領域に分配するように構成されている、請求項8記載の分析装置。
【請求項10】
前記リーダは、前記1つもしくは複数の試薬パッドの画像を前記第3の位置で取得するように構成された撮像装置を含む、請求項8記載の分析装置。
【請求項11】
前記光信号は約850nmの波長を有する、請求項8記載の分析装置。
【請求項12】
前記光信号源はヴァーティカルキャビティ面発光レーザーを含む、請求項8記載の分析装置。
【請求項13】
前記ヴァーティカルキャビティ面発光レーザーは、約2°未満の拡散角度を有するビームを含む光信号を送信するように構成されている、請求項12記載の分析装置。
【請求項14】
それぞれ前端及び後端を有する試薬パッドの列を含む試薬カードが、相互に所定の距離を置いて配置された光信号源と光信号検出器とによって定められる光信号経路を通過するように、前記試薬カードを前記光信号源と前記光信号検出器との間を移動させるステップと、
前記光信号検出器に電気的に結合されて前記光信号検出器からの電気信号を受信するように構成された光信号検出器インタフェースを介して、前記光信号検出器からの電気信号を受信するステップと、
前記試薬カードが前記光信号経路を通過する際に、前記試薬パッドの前記前端及び前記後端の少なくとも一方を表すパッド検出信号列を出力するステップと
を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
光信号が分析装置内の予め定められたカード搬送経路に交差する配向となるように、試料分配装置の上流で、光信号源及び光信号検出器を前記分析装置の支持体に取り付けるステップと、
前記光信号検出器からの電気信号を受信し、試薬カードが前記光信号源と前記光信号検出器との間を通過する際に、試薬パッドの前端及び後端の少なくとも一方を表すパッド検出信号を出力するように構成された光信号検出器インタフェースを、前記光信号検出器と前記分析装置のコントローラとに結合するステップと
を含む
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参考文献
本願には、2011年12月16日付提出の米国出願第61/576503号の開示内容が全体として引用により含まれるものとする。
【0002】
技術的背景
1.発明の属する技術分野
本発明は、広くは非接触での位置検出に関し、より詳細には、本発明を限定するものではないが、試薬カード位置合わせ装置による、医用診断のための試薬パッドの光学的な位置検出及び分析に関する。
【0003】
2.関連技術の簡単な説明
試薬条片は医用及び診療化学の分野で広汎に利用されている。試験条片は通常1つもしくは複数の試験領域を有し、各試験領域は液体試料との接触に応じてその色を変化させる。液体試料は通常1つもしくは複数の関心成分もしくは関心物質もしくは関心特性を含む。試料中のこうした関心成分の有無及び濃度を、試験条片で発生した色変化を分析することにより求めることができる。通常、こうした分析では試験領域もしくは試験パッドと色標準もしくは色スケールとの間での色比較が行われる。このようにして、医師らは試薬条片を用いて疾患その他の健康上の問題に対する診断を行う。
【0004】
医療分野並びに醸造工業及び化学製造などの拡張技術での需要を満足するために、多くの分析プロシージャ及び合成法及びツールが開発されており、そこにはいわゆる「ディップアンドリード」式の試薬試験装置も含まれる。ディップアンドリード式の試験装置が生物学的液体乃至生体組織の分析に用いられるか、又は、商業用乃至工業用の液体もしくは物質の分析に用いられるかに関係なく、通常のプロシージャとして、試験装置はテストすべき試料もしくは検体に接触し、手動もしくは機械による分析を行う。
【0005】
試験ツール及び試験プロセスは、複数回の試験を経済的かつ迅速に行えるよう、特に自動処理を用いる方式のなかから模索されている。自動分析装置は、試験当たりの費用、試験での取り扱い容積、及び/又は、試験結果もしくはその他の情報の取得速度に関して、手動試験に比べて有利である。
【0006】
最近の開発段階では、マルチプロフィル試薬カード、及び、マルチプロフィル自動分析装置が導入されている。マルチプロフィル試薬カードとは、ほぼカード状の試験装置であって、基板と、この基板上に配置された、複数の試薬を浸み込ませた試薬パッド(もしくは試薬マトリクス)とを含み、複数の検体の分析を同時にもしくは連続して実行するためのものである。これは例えば米国特許第4526753号に説明されており、この文献の開示内容は全体として引用により本願に含まれるものとする。
【0007】
マルチプロフィル試薬カードにより、効率的かつ経済的で、迅速簡便に自動分析の実行手段が得られる。自動分析装置はマルチプロフィル試薬カードを利用するように構成されており、典型的には、マルチプロフィル試薬カードを例えばストレージドロワーもしくはカセットから取り出し、カード搬送装置を介して分析装置の搬送面を移動させる。カード搬送装置は、例えば、コンベヤベルト、ラチェット機構、スライディング傾斜路、カード把持機構もしくはカード引き出し機構などから成る。マルチプロフィル試薬カードが搬送面に沿って移動もしくは搬送される際に、1つもしくは複数の試料分配装置(例えば手動もしくは自動のピペットもしくはピペットブーム)によって、1つもしくは複数の試料又は試薬が1つもしくは複数の試薬パッドへ施与もしくは分配される。次に、マルチプロフィル試薬カードが例えば手動もしくは自動で分析され、試験結果が光学撮像装置、顕微鏡、分光計などによって表示される。最後に、使用済の試薬カードが分析装置から除去され、適切な手法で廃棄される。
【0008】
マルチプロフィル試薬カードの製造中、試薬パッドはふつう試薬カードの基板上へ列状に取り付けられる(例えば1つもしくは複数の試験条片が形成される)。ただし、典型的な製造差により、試薬カードの基板に対する試薬パッドの列の相対位置に約2mmの偏差が生じうる。このため、試薬パッドの隣り合う列どうしは典型的には相互に約5mmの間隔で配置される。
【0009】
また、試薬パッドはふつう長方形状をなしており、試薬パッドのほぼ中央もしくは中央領域内に試料を施与するのが最適である。このようにすれば、試薬パッドが試料で完全飽和されることが保証され、さらに、試料が試薬パッドから基板や別の試薬パッドへ漏れ出すことが防止される。
【0010】
試料を試薬パッド上に正確に分配すべきであるという必要性と、試薬カード上の試薬パッドの位置にかなりの大きさの製造差が付随するという事実とのために、自動分析装置では、試料分配前にマルチプロフィル試薬カードでの試薬パッドの位置を正確に特定することが重要である。
【0011】
従来のシステムでもこの問題を解決する試みは幾つかなされてきたが、あまり成功していない。こうしたシステムのなかには複雑かつ不正確な接触式のシステムがあり、接触によって試薬カードの誤送や試薬カードもしくは試薬パッドの損傷を生じることもある。
【0012】
よって、従来技術において、試薬カードの位置乃至試薬カード上の1つもしくは複数の試薬パッドの位置を正確に求めることのできる、非接触の光学的手法及び位置合わせ装置が要求されている。こうした光学的手法及び位置合わせ機構を提供することが本発明の課題である。
【0013】
発明の概要
本発明の第1の特徴は、光信号源と光信号検出器とリーダと試薬カード搬送装置と光信号検出器インタフェースとを含む試薬カード分析装置に関する。光信号源は、所定の強度を有する光信号を送信する。光信号検出器は、光信号源と共に光信号源から送信される光信号の光信号経路を定めるよう、光信号源から所定の距離を置いて配置されている。光信号検出器は、さらに、光信号を検出してこの光信号の強度を表す電気信号を出力するように構成されている。リーダは、試薬カードの試薬パッドを読み出すように構成されている。試薬カード搬送装置は、前端及び後端を有する試薬パッドを含む1つもしくは複数の試薬カードが光信号経路を通過してリーダへ向かうように、試薬カードを搬送する。光信号検出器インタフェースは、光信号検出器に電気的に結合されており、光信号検出器からの電気信号を受信し、試薬カードが光信号経路を通過する際に、試薬パッドの前端及び後端の少なくとも一方を表すパッド検出センサ信号を出力するように構成されている。
【0014】
光信号経路は第1の位置に存在し、さらに、この第1の位置から既知の距離だけ離れた第2の位置に、所定容積の試料を分配するように構成された試料分配装置が設けられる。カード搬送装置は、パッド検出センサ信号に基づき、1つもしくは複数の試薬カードを移動させて、1つもしくは複数の試薬パッドを実質的に第2の位置に位置させるように構成されている。有利な実施形態では、1つもしくは複数の試薬パッドが中央領域を有し、試料分配装置が所定容積の試料を1つもしくは複数の試薬パッドの中央領域に分配するように構成される。また、リーダは、1つもしくは複数の試薬パッドの画像を、第1の位置から既知の距離だけ離れた第3の位置で取得するように構成された撮像装置を含んでもよい。カード搬送装置は、1つもしくは複数の試薬カードを移動させることにより、パッド検出センサ信号に基づき、1つもしくは複数の試薬パッドを実質的に第3の位置に位置させるように構成されていてよい。有利には、光信号は約850nmの波長を有する。光信号源はヴァーティカルキャビティ面発光レーザーを含む。ヴァーティカルキャビティ面発光レーザーは、約2°未満の拡散角度を有するビームを含む光信号を送信するように構成される。
【0015】
本発明の第2の特徴は、光信号源と光信号検出器とリーダと試料分配装置とカード搬送装置と光信号検出器インタフェースとコントローラとを含む試薬カード分析装置に関する。光信号源は、支持体に取り付けられており、所定の強度を有する光信号を送信するように構成されている。光信号検出器は、光信号源と共に光信号経路を第1の位置において定めるよう、光信号源から所定の距離を置いて支持体に取り付けられており、かつ、光信号を検出してこの光信号を表す電気信号を出力するように構成されている。リーダは、第1の位置から既知の距離だけ離れた第2の位置に配置された試薬カードの1つもしくは複数の試薬パッドを読み出すように構成されている。試料分配装置は、第3の位置に配置されており、試薬カードの1つもしくは複数の試薬パッドに所定容積の試料を分配するように構成されている。カード搬送装置は、光信号源と光信号検出器との間を試薬カードが通過することで試薬カードが光信号を妨げ、さらに、1つもしくは複数の試薬パッドが実質的に第2の位置及び第3の位置に位置するように、試薬カードを移動させる。光信号検出器インタフェースは、光信号検出器に電気的に結合されており、光信号検出器からの電気信号を受信して、試薬カードが光信号源と光信号検出器との間を通過する際に、試薬パッドの前端及び後端の少なくとも一方を表すパッド検出センサ信号を出力する。コントローラは、リーダ及び試料分配装置及びカード搬送装置を制御するように構成されている。コントローラはさらに、光信号検出器インタフェースに電気的に結合されており、カード搬送装置を操作して1つもしくは複数の試薬カードを移動させ、パッド検出センサ信号に基づき、1つもしくは複数の試薬パッドを実質的に第2の位置又は第3の位置に位置させるように構成されている。
【0016】
有利には、1つもしくは複数の試薬パッドは中央領域を有しており、試料分配装置は所定容積の試料を1つもしくは複数の試薬パッドの中央領域に分配するように構成される。有利には、リーダは、1つもしくは複数の試薬パッドの画像を第3の位置で取得するように構成された撮像装置を含む。有利には、光信号は約850nmの波長を有する。有利には、光信号源はヴァーティカルキャビティ面発光レーザーを含む。ヴァーティカルキャビティ面発光レーザーは、約2°未満の拡散角度を有するビームを含む光信号を送信するように構成される。
【0017】
本発明の第3の特徴は、それぞれ前端及び後端を有する試薬パッドの列を含む試薬カードが、相互に所定の距離を置いて配置された光信号源と光信号検出器とによって定められる光信号経路を通るように移動させるステップと、光信号検出器に電気的に結合されており光信号検出器からの電気信号を受信するように構成された光信号検出器インタフェースを介して、光信号検出器からの電気信号を受信するステップと、試薬カードが光信号経路を通って移動する際に、試薬パッドの前端及び後端のうち少なくとも一方を表すパッド検出センサ信号列を出力するステップとを含む方法である。
【0018】
本発明の第4の特徴は、光信号が分析装置内の所定のカード搬送経路に交差する配向となるよう、試料分配装置の上流で、光信号源と光信号検出器とを分析装置の支持体に取り付けるステップと、光信号検出器からの電気信号を受信し、試薬カードが光信号源と光信号検出器との間を通過する際に、試薬パッドの前端及び後端の少なくとも一方を表すパッド検出センサ信号を出力するように構成された光信号検出器インタフェースを、光信号検出器と分析装置のコントローラとに結合するステップとを含む方法である。
【0019】
本発明の実現形態をより良く理解してもらうため、以下に、添付の図乃至グラフを参照しながら、詳細に説明する。図は必ずしも縮尺通りには描かれておらず、むしろ、明瞭化及び簡単化のために、意図的に拡大乃至強調乃至模式化して描かれていることがある点に注意されたい。図中、同じ要素乃至類似の機能を有する要素には同様の参照番号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるカード分析装置の実施例を示す斜視図である。ただし、わかりやすくするために外部ケーシングは示していない。
図2図1のカード分析装置のうち本発明によるカード位置合わせ装置の実施例を示す斜視図である。
図3図2のカード位置合わせ装置を第1の方向から見た図である。
図4図2のカード位置合わせ装置を第2の方向から見た図である。
図5図3のカード位置合わせ装置を示す別の斜視図である。
図6】本発明によるカード位置合わせ装置のためのコントローラの実施例を示す図である。
図7】本発明にしたがって信号比較回路で処理された電気信号の特性を示すグラフである。
図8】本発明による分析装置において、光信号源と光信号検出器との間にカードの縁が位置している様子を示す図である。
図9図8の分析装置において、光信号源と光信号検出器との間にパッドの前端が位置している様子を示す図である。
図10図8の分析装置において、試薬カードが搬送平面に沿って移動し、試薬パッドに試料が分配される様子を示す図である。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施例を詳細に説明する前に、本発明の適用形態が以下の説明及び図の構造乃至装置又はその要素や方法又はそのステップに限定されるものでないことを理解されたい。本発明は別の実施例として種々の方式で実行できる。また、本明細書で用いている語句乃至概念は説明のためのものであり、同様に特許請求の範囲に規定される本発明を限定するものでない。
【0022】
以下の本発明の実施例の説明では、本発明をより良く理解してもらうために特定の事象を挙げるが、当業者であれば本発明がこれらの事象なしでも実現できることを理解できるはずである。また、周知の特徴は不要な煩雑さを避けるために本明細書では説明していない。
【0023】
ここで用いている「含む」「有する」「備える」なる語及びこれに類似の語は、非排他的な含有の意を有する。例えば、一連の要素を含むプロセスもしくは方法もしくは物体もしくは装置は、必ずしも記載された要素のみに限定されず、明示されていない要素を含有していたり内在させていたりしてよい。
【0024】
また、特別のことわりないかぎり、「又は」なる語は、包括選択もしくは非排他的選択の意を有する。例えば、条件「A又はB」は、Aが真であり(存在し)かつBが偽である(存在しない)ケース、Aが偽であり(存在せず)かつBが真である(存在する)ケース、A,Bとも真である(存在する)ケースのいずれによっても満足される。
【0025】
これに加えて、「1つの」「或る」なる語は、実施例の個々の要素乃至部品を記述するために用いられる。これは単に簡便性のために本発明の一般的意味を表している。これらの語は、1つのみのケース、少なくとも1つのケース、表記としては単独であるが他と衝突しないかぎり複数ありうるケースなどのいずれの意も含む。
【0026】
さらに、本明細書での「実施例」「実施形態」への言及は、関連して説明される特定の要素、特徴、構造もしくは特性などが少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。「或る実施例では」という語句も本明細書中に登場するが、これは必ずしもそのつど同じ実施例を表しているというわけではない。
【0027】
なお、「約」「ほぼ」「実質的に」等の語は、各事項の量が正確な1つの値に特定されず、測定誤差、製造差、種々の部位にかかる応力、摩耗及び劣化等やこれらの組み合わせによって引き起こされる小さな変動量もしくは偏差を有しうることを意味する。
【0028】
本発明は、広くは医用診断システムに関しており、より具体的には、本発明を限定するものではないが、非接触式の試薬カード位置合わせ機構及びマルチプロフィル試薬カード自動分析装置の構成方法及び使用方法に関する。本発明の幾つかの実施例では、非接触式の方法及び装置は、マルチプロフィル試薬カード(以下、試薬カードもしくはカードとも称する)の基板の縁位置、及び、試薬カードの基板に取り付けられた1つもしくは複数の試薬パッドの端部位置を、約0.2mm以内の誤差でほぼ正確に求めることができる。
【0029】
本発明は、光信号(例えばレーザー信号)に基づいて試薬カードの基板の縁位置及び試薬パッドの端部位置を求める方法を基礎としている。例えば、光信号源が試薬カードの搬送面の上方に、光信号検出器が試薬カードの搬送面の下方に配置されて、これにより、試薬カードが光信号源と光信号検出器との間に位置決めされて搬送面に沿って進行する。光信号源は光信号を放出もしくは送信し、この光信号が光信号検出器で検出される。試薬カードが光信号源と光信号検出器との間に存在しない場合、光信号検出器によって検出される光信号は、光信号源から放出されて光信号検出器に達するまで空気の影響しか受けないため、比較的強いものとなる。光信号検出器はこの比較的強い光信号を検出すると、当該強い光信号を表す比較的強い第1の電気信号を形成する。当該第1の電気信号は、後述するように、光信号検出器インタフェースへ送信される。
【0030】
試薬カードの前縁が少なくとも部分的に光信号源と光信号検出器との間に位置決めされて搬送面を進行する際、当該試薬カードの基板が光信号源から放出された光信号を妨げるので、光信号検出器に達する光信号が強度低下を起こす。基板は透光性のプラスティック又は光学ディフューザとしてふるまうその他の材料から形成され、例えば光信号源と光信号検出器との間で光信号を拡散させる。これに応じて、光信号検出器は、カードが光信号源と光信号検出器との間に存在しない場合の強い信号に比べて弱い光信号を検出する。このとき、光信号検出器はこの比較的弱い光信号を表す比較的弱い第2の電気信号を形成する。光信号検出器は当該第2の電気信号を例えば光信号検出器インタフェースへ送信する。
【0031】
試薬カードがさらにその搬送面を進行すると、試薬パッドの前端が少なくとも部分的に光信号源と光信号検出器との間に位置し、試薬パッドが光信号源から放出された光信号を妨げるので、光信号検出器に達する光信号が強度低下を起こす。光信号検出器は、この比較的弱い光信号を検出し、これを表す第3の電気信号を形成する。光信号検出器は当該第3の電気信号を例えば光信号検出器インタフェースへ送信する。
【0032】
第2の電気信号と第3の電気信号との差は小さいので、第2の電気信号及び第3の電気信号については、光信号検出器インタフェースで、増幅もしくはオフセット処理もしくはその他の処理が後述するように行われる。例えば、試薬カードのどの部分が光信号源と光信号検出器との間にあるかを表す情報を形成する処理が行われる。
【0033】
光信号検出器インタフェースの回路は、最小の測定信号を下回る値範囲を受信信号から減算し、得られた信号を(例えば約2.5倍に)増幅して、到来する第1の電気信号及び第2の電気信号及び第3の電気信号のオフセット処理を行うことにより、試薬カードのどの部分がその時点で光信号を妨げているかを表す処理信号を形成することができる。
【0034】
このように、試薬カードの基板の縁、及び、試薬パッドの前端及び後端のほぼ正確な位置を検出および/または識別できる。当該情報は試料分配装置の既知の位置と結合されて、試薬カード搬送装置の動作に用いられるので、これにより、例えば試薬カードが搬送面を移動し、試薬パッドが試料分配装置の下方へ実質的にセンタリングされる。試料は1つもしくは複数の試薬パッドの中央領域へ分配される。当該情報は撮像装置の既知の位置と結合されるので、試薬カードを撮像装置の視野内の所望の位置もしくは指定された目標領域へと移動させ、試薬カードおよび/または試薬パッドの1つもしくは複数の画像を撮像装置に撮影させることができる。
【0035】
或る点から見ると、本発明は、ディスポーザブルマルチプロフィル試薬カードを用いる自動分析装置のためのカード位置決め機構に関連する。自動分析装置は基板とこの基板の表面に配置された複数のパッドから成るマトリクスとを有しており、パッドにはそれぞれ種々の試薬が浸み込まされている。試薬カードと試薬パッドとは、パッドの中央領域への最適な試料分配のために正確に位置合わせできる。或る実施例では、パッドはカードに接着されており、許容される偏差は約2mmである。また、この場合、オンボード光学装置又はその他の撮像装置によって、パッド列のディジタル画像が撮影される。オンボード光学装置は例えば試薬カードを読み出す医用診断装置として構成される。なお、試薬カードは試薬ボックスのスタックもしくはカセットに保管されており、一度に1つずつ防湿ゲートを通過して搬送される。いったん防湿ゲートを通過すると、尿などの体液試料がピペットブームなどの試料分配装置によって試薬カードの各パッドに分配される。その後、分析装置内で、目標領域へ搬送された試薬カードの画像が光学装置により撮影される。
【0036】
光学装置による撮影に際して適切な読み出しを行うために、装置はカード乃至パッドの位置を識別及び確認する。これを行うには、レーザーなどの光信号源を含むカード位置合わせ装置と、カード搬送の3種類の状況における光吸収レベルの差を利用して検出を行う光信号検出器とを装置に設けなければならない。つまり、光信号検出器は、カードが存在しない場合(吸収率ゼロ)、カードもしくは基板の縁が存在する場合(吸収率約99.90%から約99.99%)、パッド端部が存在する場合(吸収率約99.90%から約99.99%の範囲の上方のおよそ30%)を識別できる。カードの基板の光特性はカード基板の第1のロットと第2のロットとの間で変化しうるので、カード位置合わせ装置はそのつどの新しいロットもしくは新しいカセットの最初のカードに対して、後述するように較正を行う。光信号源は、有利な実施例では、ヴァーティカルキャビティ面発光レーザーVCSELと称される特別なタイプのレーザーダイオードから成る。当該光信号源は、850nmの不可視の波長で動作し、位置測定にとって有用な、例えば約2度未満の狭い拡散角度を有する円筒状ビームを形成する特性を有する。光信号源と光信号検出器とは、有利な実施例では、適切な読み出しを行えるよう、試薬カード搬送面の上方と下方とに配置される。
【0037】
図1図2には、本発明による自動分析装置100の実施例の斜視図が示されている。自動分析装置100は、1つもしくは複数の試薬カード106を含む試薬カードカセット104を収容するように構成された蓄積装置102と、マルチプロフィル試薬カード106を搬送面110に沿って運動させるように構成されたカード搬送装置108と、試薬カードが通過する試料分配装置112と、撮像装置114とを含む。
【0038】
蓄積装置102は、蓄積室116と、ゲート機構118と、カード離脱機構120と、カード位置合わせ機構122とを含む。
【0039】
蓄積室116は、1つもしくは複数の試薬カード106を受け取って蓄積するように構成された適切な形態のハウジングとして実現でき、これにより、1つもしくは複数の試薬カード106は蓄積室116から1度に1つずつ離脱されて取り出され、後述するように搬送面110を進行する。蓄積室116は試薬カード106のスタックを受け入れて保管するように構成されているか、又は、1つもしくは複数の試薬カード106を含むカートリッジもしくはカセット104を受け入れるように構成されている。
【0040】
蓄積室116はさらに扉124と底部126とを有する。扉124は蓄積室116へのアクセスが可能となるように選択的に開閉され、これにより、1つもしくは複数の試薬カード106もしくはカセット104が蓄積室116へ導入されたりそこから取り出されたりする。本発明の有利な実施例では、蓄積室116および扉124は、蓄積室116内に配置された試薬カード106を蒸気、湿分その他の汚染物から保護するために、実質的に蒸気密に構成されている。このことは本明細書を読む当業者には容易に理解されるはずである。さらに、扉124及びゲート機構118のゲートが実質的に閉じられている間は、蓄積室116は可視領域の光に対して実質的に不透過であり、このため、可視波長領域の光は蓄積室116内に入射せず、そこから出射もされない。また、或る実施例では、蓄積室116は実質的に不可視波長領域の光信号に対しても不透過であり、実質的に不可視波長領域の光信号は蓄積室116に入射せず、そこから出射もされない。
【0041】
底部126は適切な部材として構成され、少なくとも部分的に搬送面110を定めている。このことについては本明細書を読む当業者には容易に理解されるはずである。
【0042】
ゲート機構118はゲート128とこのゲートを操作可能なゲート揚降部130とを含む。ゲート128は蓄積室116の一部をなしており、ゲート揚降部130によって選択的に開閉され、これにより1つもしくは複数の試薬カード106が蓄積室116から出て搬送面110を移動できるようになる。幾つかの実施例では、ゲート128は蒸気乃至湿分に対するバリアとして構成され、蓄積室116内部を湿分及び汚染物から保護する。さらに、ゲート128は光に対するバリアとしても動作し、ゲート128が実質的に閉じられている場合には、可視領域の光もしくは不可視領域の光信号が実質的に蓄積室116へ入射せずそこから出射もされない。
【0043】
ゲート128は適切なゲート揚降部130によって手動もしくは自動で操作される。ゲート揚降部130は、例えば、ギヤ機構、サーボ機構、モータ、アクチュエータ及びこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施例では、図示されていないコンピュータプロセッサが実行可能コードを実行することにより、ゲート揚降部130が操作されてゲート128が揚降し、カード離脱機構120が操作されて1つもしくは複数の試薬カード106が移動し、部分的にもしくは実質的に完全にゲート128を通過して搬送面110へ送出される。
【0044】
カード離脱機構120は少なくとも部分的に蓄積室116内へ延在しており、1つもしくは複数の試薬カード106を蓄積室116(例えばカセット104もしくはスタック)から離脱させるかもしくは取り出して、少なくとも部分的にゲート128を通過するように進行させる。
【0045】
幾つかの実施例では、カード離脱機構120は試薬カード106を蓄積室116から取り出し、ゲート128が部分的にもしくは完全に揚開されている場合に、試薬カード106が少なくとも部分的にもしくは実質的に完全にゲート128を通過するように進行させる。なお、ゲート128は試薬カード106が蓄積室116から出て部分的に進行しはじめると、試薬カード106のほうへ向かって降閉される。
【0046】
カード離脱機構120は、内部にカード離脱突起134が形成されたコンベヤベルトなどの適切な機構もしくは可動プレート132又はこれらの組み合わせ装置を含む。可動プレート132は蓄積室116の底部126に沿ってもしくはこれに接するように運動し、カード離脱突起134が試薬カード106の前縁に関連して試薬カード106をゲート128まで移動させ、ゲート128が揚開されたときに少なくとも部分的にゲート128を通過させる。当業者であれば容易に理解できるように、可動プレート132は、モータ、キャリッジ、サーボ機構、アクチュエータもしくはこれらの組み合わせなどを含む適切な駆動機構によって駆動される。駆動機構は可動プレート132を運動させ、底部126に沿ってもしくはこれに接するように構成される。
【0047】
本発明の幾つかの実施例では、カード離脱機構120を省略し、1つもしくは複数の試薬カード106が重力もしくはコンベヤベルトもしくはばね式排出機構もしくはラチェット機構などを利用した適切な手段又は手動又はこれらの組み合わせによってゲート128を通過するように構成可能である。また、幾つかの実施例では、蓄積室116を省略し、1つもしくは複数の試薬カード106をロールとして手動挿入もしくは手動供給又はこれらの組み合わせによって分析装置100の搬送面110へ導入してもよい。
【0048】
1つもしくは複数の試薬カード106は前縁136及び後縁138を有する基板135を含み、各基板135では、1つもしくは複数の試薬パッド140が配置され、1つもしくは複数の試薬パッド140が位置合わせされて各試薬条片142が定められている。図2に示されているように、各試薬パッド140は前端144及び後端146を有し、相互に所定の間隔を置いて配置されている。
【0049】
図3から図5によれば、カード位置合わせ機構122に光信号源150が含まれており、この光信号源150は、ゲート128に接続され、ケーシング152によって支持されている。光信号検出器154は、ベース156内に収容され、蓄積室116の底部126によって支持されている。このため、光信号源150と光信号検出器154とは相互に所定の距離を置いて配置されている。つまり、光信号検出器154が搬送面110のレベルもしくはその下方に、光信号源150が搬送面110の上方に配置される(又はこの逆の状態で配置される)。光信号源150及び光信号検出器154は、両者間に図5の光信号経路158が定められるよう、相互に位置決めされている。
【0050】
本発明の幾つかの実施例において、光信号源150が底部126で支持され、光信号検出器154がゲート128に接続されてもよいことは、当業者には容易に理解されるはずである。また、幾つかの実施例では、光信号源150及び光信号検出器154が搬送面110の上方及び下方で支持され、所望に応じた光信号経路158を定めている。例えば、光信号経路158は分析装置100の所望の要素もしくは構造体に接続されるか又はこれらによって支持される。この場合、試薬カード106がゲート128へ進行してこれを通過し、及び/又は、搬送面110に沿って進行する際に、少なくとも部分的に光信号経路158内に位置するように構成される。
【0051】
光信号源150は、光信号を放出もしくは送信するように構成された適切な装置、例えばヴァーティカルキャビティ面発光レーザーとして実現できる。光信号源150は、比較的狭い径(例えば約2°未満の狭い拡散角度)と所望の波長(例えば約850nmの波長)とを有する光ビームを含む光信号を放出するように構成される。本発明の幾つかの実施例では、光信号源150は約800nmから約900nmまでの所望の波長を有する光信号を放出もしくは送信できる。光信号源150は、実質的に一定に調整可能な任意の波長を有する適切なデバイス、例えば発光ダイオードもしくはレーザーもしくは量子井戸エミッタ又はこれらの組み合わせによって実現される。さらに、光信号源150は、約0°から約5°乃至それ以上の範囲で変化する拡散角度を有する所望の大きさの光ビームを放出する。当業者に容易に理解されるように、カード位置合わせ機構の精度は、光信号源150によって放出される光ビームの幅及び/又は拡散角度が低下するにつれて増大する。
【0052】
光信号源150は、適切な手段で、例えば接着剤、溶接ボルト、シーム、ジョイント又はこれらの組み合わせによって、ケーシング152に取り付けられる。幾つかの実施例では、光信号源150及びケーシング152は一体に構成される。ただし、ケーシング152を省略して、光信号源150を直接にゲート128又は分析装置100の他のいずれかの要素に取り付けてもよい。
【0053】
同様に、ケーシング152は適切な手段によってゲート128に取り付けられる。図5の付加的な電気コネクタ160は所望のコネクタ160として実現され、光信号源150への給電のため、及び、光信号源150から放出される光信号の強度もしくは輝度を制御するために、光信号源150と適切な電源及び/又は制御信号源(例えば図6のコントローラ162)とに電気的に結合される。当業者に容易に理解されるように、光信号源150は相対的にもしくは実質的に一定の強度もしくは輝度を有する光信号を放出するが、こうした強度もしくは輝度はカード位置合わせ機構122の較正のために調整可能である。この目的のために、図6のコントローラ162は光信号源150に操作可能に結合されており、これにより光信号源150が実質的に一定の光信号を放出でき、及び/又は、光信号源150を後述のように較正できる。
【0054】
本明細書を読む当業者には容易に理解されるように、光信号源150から放出される光信号は、光信号検出器154で検出される前に、処理、調整、フィルタリング、拡散、偏向等が可能であり、1つもしくは複数の図示されていないレンズ、フィルタ、コリメータ、ディフューザ、屈折レンズ、鏡、プリズム等の要素乃至これらの組み合わせによって調整を行うことができる。
【0055】
さらに、本発明の有利な実施例では、光信号源150は、搬送面110の上方で、例えば適切な手段で(ジョイント、シーム、ボルト、ブラケット、ファスナー、溶接部もしくはこれらの組み合わせを介して)ゲート128に接続されることによって支持されるか、又は、分析装置100の所望の要素、例えば蓄積室116等によって支持される。
【0056】
当業者には容易に理解されるように、本発明の幾つかの実施例では、2つ以上の光信号源150を構成可能であり、例えば2つもしくは3つ以上の光信号源150が用いられる。
【0057】
さらに、光ローラ機構164をケーシング152に取り付けることができる。光ローラ機構164は、試薬カード106が光信号経路158へ進入してここを通過する際に試薬カード106に沿って回転するように構成されたローラ166を備えており、これにより、試薬カード106の基板135が光信号源150及び/又は光信号検出器154から所定の被制御距離を置いた位置に保持されることが保証される。試薬カード106が光信号源150と光信号検出器154との間に存在しないときには、光ローラ機構164は光信号検出器154のベース156に接触している。本発明の幾つかの実施例では、光ローラ機構164はスイッチとして動作するように構成され、これにより、光ローラ機構164がベース156もしくは試薬カード106に接触していない場合、光信号源150はオフとなり、光ローラ機構164がベース156もしくは試薬カード106に接触すると、光信号源150がオンとなる。光ローラ機構164は図6のコントローラ162に操作可能に結合される。
【0058】
光信号検出器154は、光信号を検出してこれを電気信号へ変換する適切なデバイス、例えばシリコンPINダイオード検出器もしくはCCD等として実現される。光信号検出器154は、光信号源150から放出された光信号を検出し、検出された光信号の強度もしくは輝度(もしくはその他の量、特性、属性)を表す電気信号を形成する。例えば、幾つかの実施例では、光信号検出器154は、検出された光信号の強度もしくは輝度に比例する電流を形成する。光信号検出器154は、得られる信号雑音比を高めるために、比較的狭いアパーチャもしくは検出領域、例えば約1mmのアパーチャもしくは検出領域を有することが望ましい。なお、光信号検出器154で使用されるアパーチャもしくは検出領域のサイズは約0mmから約5mm以上の間で選定されると有利である。
【0059】
光信号検出器154は、適切な支持構造体として構成されたベース156を介して底部126に接続されており、ベース156と底部126とは適切な手段で、例えばねじもしくは接着剤もしくはボルトもしくはジョイントもしくはシームもしくはブラケットもしくはこれらの組み合わせによって接合されている。ベース156は光信号検出器154を配設するための上面168を有する。幾つかの実施例では、当業者に容易に理解されるように、光信号検出器154は部分的に上面168の下方もしくは上方へ延在してもよい。本発明の幾つかの実施例では、ベース156は、1つもしくは複数の試薬カード106が蓄積室116から出るときにベース156上をスライドしていくように構成されている。また、別の実施例として、ベース156の上面168が少なくとも部分的に搬送面110を定めるか、又は、ベース156の上面168が搬送面110と実質的に同等のレベルもしくは搬送面に接するレベルに位置するように構成することもできる。
【0060】
当業者に容易に理解されるように、幾つかの実施例では、ベース156を省略してもよいし、又は、ベース156と底部126とが一体となるように構成してもよい。さらに別の実施例では、2つ以上の光信号検出器154、例えば2つもしくは3つ以上の光信号検出器154を構成してもよい。
【0061】
光信号検出器154は、後述するように、図6のコントローラ162に操作可能に結合される。
【0062】
図1図2に戻って考察する。カード搬送装置108は、試薬カード106を搬送面110に沿って移動させるように構成されている。
【0063】
カード搬送装置108は、試薬カード106を把持してスライドさせるかもしくはその他の手段により、試薬カード106を搬送面110に沿って移動させるように構成された可動のカード把持機構170を含む。カード搬送装置108は、例えば可動キャリッジを介して、搬送面110に対して相対的にかつ実質的に縦方向に運動することができる。カード把持機構170は、試薬カード106がゲート128を通過する際に、試薬カード106の一部を把持もしくは捕捉するか又はこれに係合するように構成されている。
【0064】
搬送面110はベース172によって支持されており、例えば搬送面110上のスライド運動によって試薬カード106が搬送されるよう、実質的に平坦な面として構成される。搬送面110はゲート128に接するように実質的に水平に延在し、これにより試薬カード106がゲート128を通過して搬送面110を進行できる。幾つかの実施例では、搬送面110の一部はゲート128を通過して蓄積室116内まで延在しているので、ゲート128を搬送面110へ降閉することができる。このことは本明細書を読む当業者には容易に理解されるはずである。
【0065】
搬送面110は、例えばプラスティック、金属、非金属、熱可塑性材料、ガラス、樹脂もしくはこれらの組み合わせなどの適切な材料から形成される。搬送面110は、射出成形、ダイカスト成形、マシニング、3D印刷もしくはこれらの組み合わせなどの適切な技術を用いて構成される。
【0066】
試料分配装置112は、所定容積の試料を試薬パッド140及び/又は試薬カード106に分配もしくは施与するために、試料ディスペンサ174(例えば自動ピペットブーム、手動ピペット、ポート、シリンジ、液体ポンプ又はこれらの組み合わせ)を含む適切な装置として構成される。試料ディスペンサ174は、蓄積室116の外の搬送面110の上方に可動に支持されており、これにより搬送面110に対して横方向もしくは横断方向で所定のライン176に沿って運動可能である。試料ディスペンサ174は所定容積の試料を搬送面110のライン176に沿って分配もしくは施与する。ライン176は試料分配位置もしくは試料分配ラインに関連しており、試薬カード106もしくは試薬パッド140もしくは試験条片142が試料ディスペンサ174の位置に来たとき、所定容積の試料をライン176に沿った任意のポイントでこれらへ分配もしくは施与することができる。
【0067】
カード位置合わせ機構122はカード離脱機構120と協働し、1つもしくは複数の試薬パッド140もしくは試験条片142をライン176上に正確に位置決めし、これにより所定容積の試料がライン176において試料ディスペンサ174の下方で試薬パッド140もしくは試験条片142へ実質的にセンタリングされた状態で分配される。このことについては後述する。試料は試薬パッド140の中央領域に分配されるが、この中央領域は、試薬パッド140の中心点を含みかつこれを包囲する領域であって、試薬パッド140の中心点の周囲に試薬パッド140の幅(試薬パッド140の前端144から後端146までの距離)の約0%から約50%までの所定の広がりで延在する。1つもしくは複数の所定容積の試料を1つもしくは複数の試薬パッド140に実質的にセンタリングして分配することにより、分配された試料が1つもしくは複数の試薬パッド140に実質的に吸収され、試薬カード106の基板135へ漏れ出さず、隣接する試薬パッド140乃至試薬カード106の汚染の回避が保証される。このことは、本明細書を読む当業者には容易に理解されるはずである。
【0068】
当業者には容易に理解されるように、本発明の幾つかの実施例においては、試料ディスペンサ174を定置してもよいし、及び/又は、2つ以上の試料ディスペンサ174をライン176に沿って配置して、所定容積の試料がライン176上で実質的にセンタリングされた状態で2つ以上の試薬パッド140に分配されるように構成してもよい。
【0069】
撮像装置114は、搬送面110の上方の所定の位置に支持されて、適切なリーダとして動作するように構成されており、試薬パッド140の画像が撮像装置114によって取得される。撮像装置114は試薬パッド140の画像を搬送面110に沿った所望の目標位置もしくは目標領域で取得する。ここで、搬送面110は、ライン176又は他の1つもしくは複数の所望の位置もしくは領域を含む。当業者に容易に理解されるように、各試薬パッド140がライン176上で正確に位置決めされることにより、分析装置100は試薬カード106の位置又は各試薬パッド140の位置を搬送面110に沿った所望の位置で正確に求めることができ、撮像装置114によって試薬カード106もしくは試薬パッド140の所望の部分の画像が撮影される。幾つかの有利な実施例では、撮像装置114は試薬パッド140がライン176の位置に来たときに試薬パッド140の画像を撮影するが、別の実施例として、試薬パッド140がライン176を通過するときに画像を撮影したり、これら2つの手段を組み合わせたりしてもよい。また、撮像装置114は、試薬パッド140が搬送面110の詳細には図示されていない指定された目標位置もしくは目標領域に来たときに試薬パッド140の画像を撮影するように構成されてもよい。ここで、指定された目標位置もしくは目標領域は、ライン176を含む搬送面110の任意の位置もしくは領域であってよい。
【0070】
撮像装置114は、ディジタルカメラ、アナログカメラ、CMOS撮像装置、ダイオード又はこれらの組み合わせなどの所望のディジタル撮像装置もしくはアナログ撮像装置を含むことができる。撮像装置114は適切な照明源及び/又はレンズ系を含んでよい。さらに、撮像装置114は可視スペクトルの光学撮像装置に限定されず、例えばマイクロ波撮像装置やX線撮像装置などの他の適切な撮像装置であってもよい。
【0071】
図6図7によれば、分析装置100にはさらに光信号源インタフェース180と光信号検出器インタフェース182とが設けられている。一般に、光信号源インタフェース180は、制御線路184を介してコントローラ162からの作動信号を受信するアナログ回路及び/又はディジタル回路を含む。コントローラ162からの作動信号の受信に応じて、光信号源インタフェース180は制御信号を形成し、この制御信号を、制御線路186を介して光信号源150へ供給する。特に、制御信号は、光信号源150の構成に依存して予め定められた電流信号もしくは電圧信号のいずれかであってよい。どちらの場合にも、光信号源150で形成されてそこから放出される光信号が予め定められた実質的に固定の大きさもしくは強度を有するよう、制御信号は一定の大きさもしくは一定の強度を形成するように制御される。或る実施例では、制御線路186が所定量の電流を光信号源150へ供給するのに対し、制御線路188は光信号源150に対する電流シンクとして機能する。付加的に、コントローラ162を、制御線路190を介して光信号源インタフェース180へ電気的に結合し、コントローラ162から基準信号が光信号源インタフェース180へ供給されるようにしてもよい。基準信号は光信号源インタフェース180から光信号源150へ供給される制御信号の大きさを設定するために用いられる。
【0072】
通常、光信号検出器インタフェース182は、線路194を介して光信号検出器154から信号を受信するアナログ回路及び/又はディジタル回路を含む。当該アナログ回路及び/又はディジタル回路は、この信号を解釈して、線路196を介してコントローラ162へカード検出センサ信号を供給し、制御線路198を介してパッド検出センサ信号をコントローラ162へ供給する。光信号検出器154から受信された信号は、望ましくは、光信号源150で形成された光信号の大きさもしくは強度に対応する線形特性を有する電気信号である。或る実施例では、光信号検出器154はフォトダイオードである。いずれの場合にも、光信号検出器154から受信された信号は、光信号検出器154で受信された光信号の強度を表す大きさを有する電気信号となる。
【0073】
或る実施例によれば、光信号検出器インタフェース182には、増幅器200とカード比較器202とパッド検出器204とが設けられている。光信号検出器154で形成された電気信号は線路194を介して増幅器200へ供給される。増幅器200はこの電気信号を受信して増幅するが、ここでの増幅は、信号の変化が、基板135の前縁136及び後縁138を検出するためにカード比較器202が解釈できる程度、かつ、試薬パッド140の前端144及び後端146を検出するためにパッド検出器204が解釈できる程度の大きさとなるように行われる。増幅器200は、電流を電圧へ変換する増幅器として構成されたオペアンプを含む。
【0074】
図7には、増幅器200の出力を表す波形208の例が示されている。上述したように、基板135の前縁136は搬送面110に沿って進行し、少なくとも部分的に光信号源150と光信号検出器154との間(光信号経路158の所定点)に到来する。このとき、試薬カード106の基板135が光信号を妨げ始めるため、光信号検出器154に到達する光信号の強度が低下する。増幅器200は、試薬カード106が光信号源150と光信号検出器154との間に位置していない場合に飽和する第1の電気信号210を形成するように構成されている。図示の例では、第1の電気信号210の電圧は約5Vである。
【0075】
基板135は、例えば光学ディフューザとして動作する透光性プラスティックから成っており、光信号源150と光信号検出器154との間で光信号を拡散させる。このため、光信号検出器154は、試薬カード106が光信号源150と光信号検出器154との間に到来していない場合の光信号に比べて弱い光信号を受信する。光信号検出器154はこの弱い光信号を表す弱い信号を形成し、この信号を、線路194を介して増幅器200へ送信する。これに応じて増幅器200は第2の電気信号212を形成する。当該第2の電気信号212は、図7の実施例では、約3Vから約3.5Vまでのレベルの電圧を有する。
【0076】
増幅器200によって形成された第1の電気信号210及び第2の電気信号212を含む電気信号は、線路216を介してカード比較器202へ供給され、また、線路218を介してパッド検出器204へ供給される。一般に、カード比較器202は、増幅器200で形成された電気信号の大きさと固定のもしくはプログラミング可能な基準電圧とを比較する比較器を形成するアナログ回路及び/又はディジタル回路を含む。図6の実施例では、固定基準電圧がカード比較器202へ供給されている。固定基準電圧は、第1の電気信号210と第2の電気信号212との間の大きさ、すなわち、約5Vから約3.5Vの範囲の大きさを有するように選定される。この実施例では、固定基準電圧は、カード比較器202が基板135の前縁136を検出できるよう、約4.5Vに選定されている。カード比較器202の出力量は制御線路196を介してコントローラ162へ供給され、コントローラ162は制御線路196を監視して、基板135の前縁136が光信号経路158へ進入する時点を判別する。
【0077】
試薬カード106がさらに搬送面110に沿って進行すると、試薬パッド140の前端144が少なくとも部分的に光信号源150と光信号検出器154との間に到来し(光信号経路158に進入し)、これにより試薬パッド140が光信号を妨げ始め、光信号検出器154に達する光信号の強度が低下する。光信号検出器154はこの比較的弱い光信号を検出し、これを表す電気信号を形成する。光信号検出器154は電気信号を光信号検出器インタフェース182の増幅器200へ送信する。増幅器200はこれに応じて第3の電気信号220を図7に示されているように形成する。
【0078】
第2の電気信号212と第3の電気信号220との間の差が小さいので、これらの電気信号が有する電気的オフセットが除去された後に、パッド検出器204による試薬パッド140の前端144及び後端146の検出を支援するため、第2の電気信号212と第3の電気信号220との間の差が増幅される。
【0079】
図6の実施例では、パッド検出器204には、オフセット除去回路230と第1の増幅回路232とパッド比較回路234と第2の増幅回路236とが設けられている。オフセット除去回路230は線路240を介して第1の増幅回路232に電気的に結合されている。第1の増幅回路232は線路242を介してパッド比較回路234に電気的に結合されている。パッド比較回路234には線路244を介して第2の増幅回路236が電気的に結合されている。
【0080】
通常、パッド検出器204の感度を上述したように増大するために、オフセット除去回路230は、固定のもしくはプログラミング可能な電圧量を増幅器200から出力された電気信号から除去するように構成されている。オフセット除去回路230の出力は線路240を介して第1の増幅回路232へ供給される。第1の増幅回路232はオフセット除去回路230の出力を受信し、当該出力を増幅する。第1の増幅回路232で増幅された信号は線路242を介してパッド比較回路234へ供給される。さらに、第2の増幅回路236で形成された基準電圧が線路244を介してパッド比較回路234へ供給される。
【0081】
パッド比較回路234は線路242,244を介して電気信号を受信し、これらの信号の大きさを比較して、図7の実施例に示されているようなパッド検出センサ信号250を形成する。パッド検出センサ信号250は制御線路198を介してコントローラ162へ供給される。なお、第2の増幅回路236からパッド比較回路234へ供給される基準信号のレベルは、コントローラ162により制御線路252を介して制御される。
【0082】
或る実施例では、オフセット除去回路230は増幅器200から供給される電気信号から1.235Vを除去するように構成される。第1の増幅回路232はオフセット除去回路230からの電気信号を係数3.57倍で増幅し、第2の増幅回路236はコントローラ162からの電気信号を係数2.0倍で増幅するように構成される。当業者に容易に理解されるように、オフセット量と、第1の増幅回路232及び第2の増幅回路236で用いられる増幅係数とを含むパラメータは、分析装置100で処理すべき試薬カード106の個々のタイプに基づいて変更可能であり及び/又は較正される。例えば、オフセット除去回路230は、最小の測定信号を下回る値範囲を受信信号から減算することによって到来信号をオフセットし、得られた信号を(例えば約2.5倍に)増幅して、試薬カードが現に光信号に妨げている場合又は光信号経路158に進入した場合に、試薬カードの一部を表す処理信号を形成する。
【0083】
ゆえに、試薬カード106の基板135の前縁136と試薬パッド140の前端144及び後端146とのほぼ正確な位置が検出され、これらの情報が試料ディスペンサ174の既知の位置と結合されて、カード搬送装置108及び/又はカード離脱機構120が操作される。これにより、試薬カード106は、搬送面110を所定の距離だけ進行させ、試薬パッド140が試料ディスペンサ174の下方(すなわちライン176)へ実質的にセンタリングされて達する。「実質的にセンタリングされて」とは、試薬パッド140がライン176に対して試薬パッド140の幅の約0%から約30%までの偏差でセンタリングされることを意味すると理解されたい。さらに、上述した情報は、撮像装置114の既知の位置に結合されて、1つもしくは複数の試薬パッド140を搬送面110に沿った指定の目標位置もしくは目標領域に到達させるために用いられ、これにより、撮像装置114が1つもしくは複数の試薬パッド140の1つもしくは複数の静止画像ないし動画像を撮影できる。
【0084】
よって、コントローラ162は、基板135の前縁136及び後縁138の正確な位置を表すカード検出センサ信号と、基板135によって支持されている試薬パッド140の前端144及び後端146の正確な位置を表すパッド検出センサ信号との双方を受信する。コントローラ162は受信されたカード検出センサ信号及びパッド検出センサ信号からの情報とカード搬送装置108からの情報とを相関させる。例えば、カード搬送装置108に試薬カード106を運動させるねじ巻き機構が含まれている場合、コントローラ162は試薬パッド140の前端144から後端146までの距離分だけ試薬カード106を進行させる際のねじ巻き機構の回転の回数を計数して、このねじ巻き機構の回転数を求める。例えば、ねじ巻き機構の回転の監視に用いられる信号254を表す波形が図7に示されている。図示の実施例では、ねじ巻き機構は、光信号経路158に試薬パッド140の前端144が到来する第1の位置から光信号検出器158に試薬パッド140の後端146が到来する第2の位置まで試薬カード106を運動させる際に、7回回転する。この情報により、コントローラ162及び分析装置100は、試薬パッド140の前端144から後端146までの距離を測定することにより、試薬パッド140の幅を計算して求める。
【0085】
試薬カード106を試薬パッド140の前端144から後端146までの距離分だけ運動させるための回転数を用いて、コントローラ162により試薬カード106を進行させるカード搬送装置108が操作され、試料ディスペンサ174の下方へ試薬パッド140が実質的にセンタリングされ、撮像装置114が試薬パッド140の画像を撮影できる指定位置まで試薬パッド140が運動してくる。
【0086】
当業者に容易に理解されるように、保管されている試薬カード106の基板135の吸収率は、約99.90%から約99.99%の間で変化する。したがって、光信号源150から放出される光信号の強度もしくは大きさの較正が、光信号源インタフェース180及び/又はコントローラ162によって、試薬カード106の新たなカセット104もしくは新たなバッチの投入とともに行われる。図示の実施例では、当該較正は、試薬カード106の前縁136の位置を上述したように特定し、ついで試薬カード106を光信号経路158に沿って所定の距離だけ進行させて、第1の試験条片142と第2の試験条片142との間(第1の試薬パッド140と第2の試薬パッド140との間)に実質的に位置させることにより行われる。このとき、光信号検出器154で検出された光信号を表す電気信号が増幅器200の出力を飽和せず、ただし、試薬パッド140の前端144及び後端146を検出するのに充分なエネルギを有するように、光信号源インタフェース180から制御線路186を介して光信号源150へ供給される電流が変更もしくは調整される。光信号源150から放出された光信号の強度もしくは大きさは、制御線路186へ供給される電流量を変化させることにより、例えばカードの基板135のロットごとに制御される。このようにして、較正により、光信号の所望のレベル、ひいては、正確な検出のための閾値が得られる。
【0087】
図7から図10によれば、分析装置100は次のように動作する。まず、1つもしくは複数のカード106を含むカートリッジもしくはカセット104が蓄積室116にローディングされる。これは、例えば扉124が開放され、カセット104が蓄積室116へ挿入されることによって行われる。扉124は蓄積室116の保護のために閉鎖される。
【0088】
次に、光信号源150が光信号を放出するように作動され、この光信号が第1の光信号として光信号検出器154で検出される。当業者に容易に理解されるように、この段階では、試薬カード106は光信号源150と光信号検出器154との間(すなわち光信号経路158の所定点)に到来していない。ここで、光信号検出器154は、光信号源150によって放出された光信号を検出し、検出された第1の光信号を表す第1の電気信号を形成する。第1の電気信号は光信号検出器インタフェース182へ送信され、図6図7に関連して説明したようにコントローラ162によって処理される。
【0089】
ついで、分析装置100がカード離脱機構120を操作して、試薬カード106をカセット104から少なくとも部分的に取り出し、(例えば可動プレート132を介して)ゲート128の方へ進行させる。試薬カード106が進行して、その前縁136が少なくとも部分的に光信号源150と光信号検出器154との間に到来する(つまり、前縁136が少なくとも部分的に光信号経路158へ進入する)と、試薬カード106が光信号を妨げるので、結果として光信号検出器154は第1の光信号よりも弱い第2の光信号を検出し、これを表す第2の電気信号を形成する。第2の電気信号は光信号検出器インタフェース182へ送信され、コントローラ162によって処理される。
【0090】
試薬カード106がゲート128へ向かってさらに進行すると、試薬パッド140の前端144が光信号源150と光信号検出器154との間に到来して(つまり、前端144が少なくとも部分的に光信号経路158へ進入して)、試薬パッド140が光信号検出器154によって検出される光信号を妨げるようになる。このとき、光信号検出器154は上述した第2の光信号よりも弱い第3の光信号を検出し、これを表す第3の電気信号を形成して、図6図7に関連して説明したように、この第3の光信号を光信号検出器インタフェース182もしくはコントローラ162へ送信する。
【0091】
さらに、試薬カード106はカード離脱機構120によって進行する。なお、試薬カード106が新たなロット及び/又は新たなカセット104の最初の試薬カード106である場合には、カード位置合わせ機構122が光信号源150によって上述したように較正される。続いて、ゲート揚降部130が分析装置100によって作動もしくは操作されて少なくとも部分的にゲート128を揚開させ、試薬カード106が少なくとも部分的にゲート128を通過して搬送面110を進行していく。例えば、1つもしくは複数の試薬パッド140もしくは試験条片142がゲート128を通過して進行する。その後ゲート128は試薬カード106へ向かって隣の試薬パッド140との間へ降閉する。これらのことは本明細書を読む当業者には容易に理解されるはずである。
【0092】
試薬パッド140の前端146が光信号経路158を通過してそこから出ると、光信号検出器154で検出される光信号の強度が増大し、第2の光信号にほぼ相応するようになる。したがって、光信号検出器154は第2の電気信号にほぼ同等もしくは同レベルの電気信号を形成し、これを上述したように光信号検出器インタフェース182へ送信する。当業者に容易に理解されるように、後続の試薬パッド140が次々に光信号経路158へ進入してくるので、光信号検出器154は交互に第2の光信号と第3の光信号とを検出することになり、交互に第2の電気信号と第3の電気信号とを形成してこれらを光信号検出器インタフェース182へ出力する。やがて、第1の試薬カード106の後縁138が光信号経路158を通過すると、第2の試薬カード106の前縁136が少なくとも部分的に光信号経路158に進入するまで、光信号検出器154は第1の光信号を検出し、第1の電気信号にほぼ同等もしくは同レベルの電気信号を形成して、これを上述したように光信号検出器インタフェース182へ出力する。
【0093】
試薬カード106が少なくとも部分的にゲート128を通過する際には、カード把持機構170が試薬カード106に係合し、試薬カード106がカード搬送装置108のカード把持機構170によって把持されて搬送面110を進行する。
【0094】
コントローラ162はカード搬送装置108を操作して、試薬カード106を、搬送面110に沿って、光信号経路158から第1の距離だけ離れた指定位置へ進行させる。例えば、試薬カード106が搬送面110に沿って進行する距離は、試薬パッド140の幅が既知である場合、この幅の1/2に上述した第1の距離を加えた距離にほぼ相当する。他の実施例として、試薬カード106が搬送面110に沿って進行する距離が、コントローラ162によって上述のように求められた試薬パッド140の前端144から後端146までの距離の約1/2に上述した第1の距離を加えたものにほぼ相当するようにしてもよい。
【0095】
1つもしくは複数の試薬パッド140が試薬パッド140の幅(前端144から後端146までの距離)の約0%から約50%までの偏差でライン176に実質的にセンタリングされた状態で、試薬カード106が搬送面110を進行する場合、図10に示されているように、試料ディスペンサ174によって1つもしくは複数の試薬パッド140の中央領域に所定容積の試料を分配できる。1つもしくは複数の試薬パッド140のほぼ正確な位置がコントローラ162によって上述したように求められる。なお、撮像装置114は、所定容積の試料が1つもしくは複数の試薬パッド140へ分配された後であればいつでも、搬送面110における試薬カード106の位置に関係なく、1つもしくは複数の試薬パッド140の1つもしくは複数の画像を撮影できる。有利な実施形態として、撮像装置114による1つもしくは複数の試薬パッド140の撮影を、1つもしくは複数の試薬パッド140の試料の分配前、又は、分配と同時、又は、分配直後、又は、分配から所定時間後、又はこれらの組み合わせによって、行うことができる。別の実施例では、1つもしくは複数の試薬パッド140が搬送面110に沿って進行するとき、及び、所定容積の試料が1つもしくは複数の試薬パッド140に分配されるときに、1つもしくは複数の試薬パッド140の動画像もしくは静止画像シーケンスが撮影される。
【0096】
有利な実施例では、撮像装置114は、1つもしくは複数の試薬パッド140がライン176又は搬送面110に沿った図示されていない指定の目標位置もしくは目標領域に位置したときに、1つもしくは複数の試薬パッド140の単独もしくは一連の静止画像もしくは動画像を撮影する。
【0097】
試薬カード106がカード把持機構170によって把持されて搬送面110に沿って進行し、試薬カード106の後縁138が撮像装置114を通過すると、例えばカード把持機構170による搬送面110の縁からの押出しによって、試薬カード106は搬送面110から除去され、適切な手段で廃棄される。試薬カード106は図示されていない廃棄コンテナへ落とされるかもしくは手動で分析装置100から取り除かれるか又はこれらの組み合わせによって廃棄される。
【0098】
2つ以上の試薬カード106を上述した手法もしくはこれと同様の手法によって分析装置100を通して運動させることができる。必要に応じてもしくは所望に応じて、先行のカセット104に収容されている試薬カード106が空になった時点で、又は、分析装置100で試料分析を行うべき別の試薬カード106が指示された時点で、交換カセット104が蓄積室116へ導入される。この場合、新しいカセット104ごとに較正プロシージャが上述したように行われる。
【0099】
本発明を図示の幾つかの実施例に則して説明したが、これらは本発明を限定するものではなく、同等の実施例に種々の修正ないし追加事項を加えて、発明のコンセプトから離れることなく本発明と同様の機能を実行可能であることを理解されたい。つまり、本発明は単独の実施例に限定されず、特許請求の範囲にしたがった発明の範囲において任意に実現できる。また、特許請求の範囲は本発明の種々の実施形態及び実施例を含むので、当業者は本発明の範囲から離れることなく実現できる。
【0100】
上述の説明から、本発明が、課題の解決のために、上述した利点及び発明に内在する利点の双方が得られるように適合化されることが理解される。本発明の幾つかの実施例を説明したが、特許請求の範囲に規定された発明のコンセプトの観点で実現可能な種々の変更を行えることは、当業者に容易に理解されるはずである。
図1
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