(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発泡ウレタンの1インチあたりのポア数は、55ppi〜130ppi(pore per inch/21.7〜51.2個/cm)である、請求項1に記載の化粧料組成物担体。
前記不織布は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、シルク、竹繊維および綿のうち一つ以上を含有する、請求項8に記載の化粧料組成物担体。
前記化粧料組成物担体は、最上層と最下層の周縁部が、超音波、熱、バインダー(binder)または接着剤によって縫合されている、請求項1に記載の化粧料組成物担体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一側面は、発泡ウレタンの層構造を含む化粧料組成物担体を提供する。以前にも、発泡ウレタンからなる化粧料組成物担体自体は知られているが、本願発明のように層構造の化粧料組成物担体は開示されたことがない。従前の発泡ウレタンを含む化粧料組成物担体は、それに含有されている化粧料組成物を約50%以上取り出すと、化粧料組成物の排出程度が急激に低下するという短所がある。これに対し、本発明の一側面による化粧料組成物担体は、発泡ウレタンの層構造を含むことにより、最初から50%以上使用する時までの間も、従前の化粧料組成物担体よりも化粧料組成物の排出程度を均一に調節することができる。
【0012】
本明細書において、「担体」とは、組成物を例として挙げることのできる任意の物質または成分を担持することができることを意味し、「担持体」、「媒介体」または「運搬体」とも表現され得る。本明細書において、「担持能」とは、任意の物質または成分を担持して保持することのできる能力を意味する。
【0013】
本明細書において、「発泡ウレタン」とは、ポリウレタンを発泡させた後に固化させたものであって、「ウレタンフォーム」とも表現され得る。本発明の一側面において、発泡ウレタンは、ポリエーテル系発泡ウレタンを含む。ポリエーテル系発泡ウレタンは、ポリエステル系発泡ウレタンに比べてポアサイズが大きく、空気透過性が高く、ふかふかさ、柔らかさ、柔軟性、弾力性に優れる。
【0014】
本発明の一側面において、発泡ウレタンは、微細ポアを有する網状構造であってよい。網状構造の場合、網状構造でない場合に比べ、化粧料組成物を均質に担持させることができ、その担持効率も高い。
【0015】
本発明の一側面による化粧料組成物担体は、多層、具体的に2〜20、より具体的に2〜10、さらに具体的に2〜5の層を含む層構造を含んでよい。
【0016】
本発明の一側面において、化粧料組成物担体の層構造は、発泡ウレタン層を少なくとも一つ以上含み、前記発泡ウレタン層は、発泡ウレタンの類型、発泡ウレタンの1インチあたりのポア数、ポアサイズおよび層厚のうち一つ以上が互いに異なってよい。
【0017】
本発明において、発泡ウレタンは、ポリエーテル系発泡ウレタンを含み、このポリエーテル系発泡ウレタンは、ポリエーテル系乾式発泡ウレタンとポリエーテル系湿式発泡ウレタンを含む。本発明において、発泡ウレタンの類型は、前記ポリエーテル系乾式発泡ウレタンとポリエーテル系湿式発泡ウレタンを含むものである。一般的に、湿式発泡ウレタンは、乾式発泡ウレタンよりもポアサイズが小さい。
【0018】
本明細書において、発泡ウレタンの「ポア」とは、網状構造を有する発泡ウレタン組織のポアを意味してよい。
【0019】
本発明の一側面において、「ポア数」とは、発泡ウレタンの1インチあたりのポアの数をいうものであって、1インチあたりのポアの数は、55ppi〜130ppi、具体的に70ppi〜120ppi、より具体的に80ppi〜110ppiであってよい。前記においてppi(pore per inch)とは、1インチあたりのポアの数を意味する。本発明の他の一側面において、発泡ウレタンは、それぞれ異なるポア数、すなわち、1インチあたりのポアの数を有し、そのうちポア数の多い発泡ウレタンの1インチあたりのポアの数は100ppi〜130ppi、ポア数の少ない発泡ウレタンの1インチあたりのポアの数は55ppi〜95ppiであってよい。湿式発泡ウレタンおよび乾式発泡ウレタンともに、前記範囲のポア数に該当してよい。
【0020】
本明細書において、ポア数は、WI‐QA‐14(ASTM基準)を利用して、縦、横1インチ線上にあるポアの数を正確に測定して平均を出した数値であってよい。
【0021】
発泡ウレタンの1インチあたりのポアの数が130ppiを超過すると、弾性力が低いため、化粧料組成物の流動性、化粧料組成物の吸収または排出を制御することが困難であり、発泡ウレタンの1インチあたりのポアの数が55ppi未満であると、化粧料組成物担持後に化粧料組成物の担持力が低下し得る。
【0022】
本明細書において、「ポアサイズ」とは、発泡ウレタンのポアの平均直径をいうものであって、ポアサイズは、500〜900μm、具体的に600〜800μmであってよい。ポアサイズが500μm未満である場合には担持力と排出力が低下し、900μm超である場合には弾性力が低くなるため、化粧料組成物の流動性、化粧料組成物の吸収または排出を制御することが困難となり得る。
【0023】
本明細書において、「層厚」とは、発泡ウレタン層それぞれの層の高さをいうものであって、本発明の一側面による化粧料組成物担体の各層の厚みは、0.05mm〜30mm、具体的に0.1mm〜10mm、より具体的に0.5mm〜2.0mm未満であってよい。本発明の他の一側面において、発泡ウレタン層は、互いに異なる層厚を有し、そのうち厚みの薄い発泡ウレタン層の厚みは0.05mm〜0.15mm、厚みの厚い発泡ウレタン層の厚みは0.5mm超過〜3mmであってよい。発泡ウレタン層が前記範囲の層厚を有する場合、本発明の意図した効果を発現するのに適切であるだけでなく、担体の安定性および安全性をいずれも満足することができ、費用対効果の面においても前記範囲であることが適切となり得る。具体的に、層厚が厚ければ化粧料組成物の排出が十分に行われず、薄過ぎれば化粧料組成物を均質に排出することができない。
【0024】
本発明の他の一側面による化粧料組成物担体において、上層の厚みが厚すぎると、下層の存在による影響が減少して層構造を含むことによる本願発明の効果が低下し得、上層が担体の排出能においてより影響を及ぼすものと考えられるため、上層の厚みを調節することが重要であり得る。本発明の他の一側面において、化粧料組成物担体の上層は、0.5mm〜2.5mm、具体的に1mm〜2mm未満の厚みを有してよい。
【0025】
このように、本発明の一側面による化粧料組成物担体は、互いに異なる性質を有する発泡ウレタン層を含むことにより、化粧料組成物を十分に充填する充填能に優れ、化粧料組成物を長期間均質に担持する担持能に優れ、化粧料組成物を取り出すときに適当量の化粧料組成物が排出される排出能が高く、化粧料組成物を担持した後にも優れた耐久性を維持することができる。
【0026】
本発明の一側面において、発泡ウレタンの密度は、0.05〜0.2g/cm
3(3.12〜12.48lb/ft
3)、具体的に0.1〜0.18g/cm
3であってよい。発泡ウレタンの密度が0.05g/cm
3未満である場合、化粧料組成物があまりにも多く排出されるため使用に不便であり、また、密度が0.2g/cm
3を超過すると、化粧料組成物の充填と排出が十分に行われない場合があり得る。
【0027】
本明細書において、密度は、ASTM D3574の方法で測定した数値であってよい。
【0028】
本発明の一側面において、化粧料組成物担体が多層であるときに、多層化粧料組成物担体のアスカー(ASKER、製造元)デュロメータ硬さ(DUROMETER HARDNESS)測定器(F型(Type F))で測定したときの硬さ、すなわち、アスカー硬度が55〜100、具体的に80〜100であってよい。たとえば、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100の中から選択される値であってよい。前記多層化粧料組成物は、好ましくは二重層であってよい。多層化粧料組成物担体の硬度が55未満であると、充填力が低下し、排出力が適正量以上の過量が排出される。多層化粧料組成物担体の硬度が100超であると、充填力が低下し、排出力が適正量以下となって化粧効果が低下し得る。
【0029】
本発明の一側面において、化粧料組成物担体は、発泡ウレタンの層を二つ以上含み、前記発泡ウレタンの層のうち一つは、ポリエーテル系発泡ウレタンを熱プレス工程により圧縮したものであってよい。具体的に、ポリエーテル系発泡ウレタンを発泡した後にスライスして、2〜8mm、好ましくは4〜6mm、最も好ましくは5mm厚のスポンジを2〜3倍、好ましくは2.5倍で熱プレス圧縮したものであってよい。好ましくは、発泡ウレタンの層を2つ含む二重層構造であって、二重層のうち上層がポリエーテル系発泡ウレタンを圧縮したものであってよい。このとき、圧縮は、特に限定されるものではないが、熱プレスによるものであってよい。発泡ウレタンが圧縮されると、同一の気孔数を維持し、吸収力と担持能力が向上し、微細に排出されるため排出力を調整することができる。
【0030】
本発明は、発泡ウレタンの層を二つ含む二重層構造である場合、二重層は、ポリエーテル系乾式発泡ウレタン‐ポリエーテル系湿式発泡ウレタン、ポリエーテル系乾式発泡ウレタン‐ポリエーテル系乾式発泡ウレタン、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン‐ポリエーテル系湿式発泡ウレタン、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン‐ポリエーテル系乾式発泡ウレタンであってよく、前記類型に不織布層が一つ以上さらに含まれてよい。
【0031】
本発明の一側面による化粧料組成物担体の層構造は、不織布層を含んでよい。本発明の他の一側面において、不織布は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、シルク、竹繊維および綿(cotton)のうち一つ以上を含有してよい。このように、本発明の一側面による化粧料組成物担体が、発泡ウレタン層とは構成成分が異なる不織布層をともに含むことにより、化粧料組成物が十分に充填される充填能に優れ、化粧料組成物を長期間均質に担持する担持能に優れ、化粧料組成物を取り出すときに適当量の化粧料組成物が排出される排出能が高く、化粧料組成物を担持した後にも優れた耐久性を維持することができる。本発明のまた他の一側面において、不織布層は、不織布重量全体を基準として50〜80重量%のレーヨンと20〜40重量%のポリエステルを含んでよい。本発明のまた他の一側面において、不織布層は、不織布重量全体を基準として75〜95重量%の綿と5〜25重量%のポリエチレンとを含んでよい。
【0032】
本発明の一側面において、不織布層の不織布は、30g/m
2〜100g/m
2、具体的に65〜80g/m
2の重量を有してよい。不織布の重量が30g/m
2未満であると不織布層の表面が均一でなく、100g/m
2を超過すると化粧料組成物の充填および排出が容易でない場合があり得る。
【0033】
本発明の一側面において、前記不織布層の位置は特に限定されず、最外殻であってもよく、層間であってもよい。たとえば、不織布‐ポリエーテル系乾式発泡ウレタン、ポリエーテル系乾式発泡ウレタン‐不織布、不織布‐ポリエーテル系湿式発泡ウレタン、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン‐不織布、不織布‐ポリエーテル系乾式発泡ウレタン‐不織布、不織布‐ポリエーテル系湿式発泡ウレタン‐不織布、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン‐不織布‐ポリエーテル系湿式発泡ウレタン、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン‐不織布‐ポリエーテル系乾式発泡ウレタン、ポリエーテル系乾式発泡ウレタン‐不織布‐ポリエーテル系湿式発泡ウレタン、および、ポリエーテル系乾式発泡ウレタン‐不織布‐ポリエーテル系乾式発泡ウレタン等であってよい。
【0034】
本発明の一側面による化粧料組成物担体の層は、超音波、熱、バインダー(binder)または接着剤で縫合されてよい。前記において、バインダーで縫合されるというのは、バインダー製剤を溶かして均一に発泡ウレタン層の表面に分散することで層を結合させるボンディング縫合(Bonding sealing)を意味する。ボンディング縫合は、人体に無害であり、かつ接着力に優れた粘着剤により多数個の異なるスポンジを接合する方法である。前記において、超音波縫合とは、超音波を利用して複数の異なるスポンジの接続部位に走査して粘着する方法である。
【0035】
一方、一般的に、層間縫合は、発泡ウレタン層の表面を溶かして一体化させる方法を使用してよい。そこで、本発明の一側面による化粧料組成物担体は、最上層と最下層の構成成分を同一にし、最上層と最下層の周縁部を超音波、熱、バインダーまたは接着剤で縫合することにより、層構造における層を互いに結合させてよい。すなわち、本発明の一側面は、2つ以上、具体的に3つ以上の層を含む化粧料組成物担体を提供する。本発明の他の一側面は、最上層と最下層は不織布層であり、その間の中間層は発泡ウレタン層または不織布層である、層構造の化粧料組成物担体を提供する。本発明のまた他の一側面は、最上層と最下層が乾式発泡ウレタン層または湿式発泡ウレタン層である化粧料組成物担体を提供する。このような化粧料組成物担体は、周縁部のみを縫合するので、縫合方法によって化粧料組成物が影響を受けず、縫合方法による、皮膚に及ぼす影響を取り除くことができる。
【0036】
本発明の一側面による化粧料組成物担体に適用され得る化粧料組成物は、液相であってよい。化粧料組成物が固相である場合に比べ、液相である場合は、携帯および保管が困難な傾向が高いが、本発明の一側面による化粧料組成物担体を利用する場合、液相である化粧料組成物も安定かつ安全に保管および携帯することができるという点において好ましい。本発明の他の一側面において、化粧料組成物の剤形は、溶液、エマルジョンまたは懸濁液を含むが、これらに限定されるものではない。
【0037】
本発明の一側面による化粧料組成物担体に適用され得る化粧料組成物は、乳化型組成物、具体的に、油中水(W/O)型または水中油(O/W)型組成物であってよい。
【0038】
本発明の一側面において、乳化型化粧料組成物は、低い粘度を有してよく、具体的に5,000〜15,000cps(Centi Poise)、より具体的に6,000〜10,000cpsの粘度を有してよい。乳化型化粧料組成物の粘度が5,000cps未満であると、乳化型化粧料組成物を製造した直後に油相と水相の分離が起こるため、ウレタンフォームに均一に含浸させることが困難であり得、粘度が15,000cpsを超過すると、皮膚に塗布した際に粘り付いて重い使用感を示すため、使用がはばかられ得る。
【0039】
本発明の一側面において、前記粘度の測定機器は、LVDVII+ PROであって、スピンドルNO.63、スピンドル速度5RPMで測定してよい。
【0040】
本発明の一側面による化粧料組成物は、たとえば、メイクアッププライマー、メイクアップベース、液相または固相ファンデーション、コンシーラー、リップスティック、リップグロス、パウダー、リップライナー、アイブロウ、アイシャドウ、ブラッシャー(blusher)、ツインケーキ、紫外線遮断剤、ローション、クリームまたはエッセンス等に製剤化されてよいが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本発明の一側面は、化粧料組成物を含有した前記化粧料組成物担体を含む化粧品を提供する。前記化粧品は、化粧料組成物を本発明の一側面による化粧料組成物担体に適用することにより、化粧料組成物が十分に充填され、化粧料組成物を長期間均質に担持することができ、化粧料組成物を取り出すときに適当量の化粧料組成物が排出されると同時に、長期間優れた耐久性を維持することができる。本発明の他の一側面による化粧品は、化粧料組成物担体を収納し得る下部および鏡等が取り付けられ得る蓋の上部を含む容器、一般的に、簡略に「パクト」と呼ばれる化粧品用容器で提供されてよい。
【0042】
以下、実施例、参考例および実験例を挙げつつ、本発明の構成および効果についてより具体的に説明する。しかし、以下の実施例、参考例および実験例は、本発明の理解を助けるための例示の目的としてのみ提供されたものであり、本発明の範囲および範囲がそれらによって限定されるものではない。
【0043】
[製造例]W/O型乳化組成物の製造
当業界における通常的な方法で、W/O乳化型化粧料組成物を製造した。製造された化粧料組成物の粘度は、7,338cpsであった。
【0044】
[実施例]化粧料組成物担体の製造および評価
ポリエーテル系乾式発泡ウレタン、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン、70%のレーヨンと30%のポリエステルで製造した不織布、85%の綿と15%のポリエチレンで製造した不織布を利用して、乾式発泡ウレタン層、湿式発泡ウレタン層または不織布層をそれぞれ製造した。これらを縫合させて化粧料組成物担体を製造した後、担体に前記製造例において製造した化粧料組成物を担持させた。その後、化粧料組成物を担持した担体について、化粧料組成物が十分に充填されているかどうか(充填能)、担体が化粧料組成物を長期間均質に担持するかどうか(担持能)、担体から化粧料組成物を取り出そうとしたときに適当量が排出されるかどうか(排出能)、および化粧料組成物担持後の担体の耐久性について評価した。
なお、実施例5および6は、本発明に含まれない。
【0045】
充填能(充填力)は、化粧料15gが充填される時間で測定し、排出能(排出力)は、担持体に担持された化粧料を、パフを使用して1回の塗布時に取り出される化粧料の量を測定した。担持能(担持力)は、化粧料15gを充填して、フォームが保有している化粧料の量を測定した。また、縫合方法において、ボンディング縫合は、人体に無害で、かつ接着性に優れた粘着剤であって、2つの異なるスポンジを接合する方法である。前記において、超音波縫合は、超音波を利用して、2つの異なるスポンジの連結部位に走査して粘着する方法である。
【0046】
製造した化粧料組成物担体の特性および各評価結果を、下記表に整理した。
【0050】
以上に示されたところのように、化粧料組成物担体の各層の構成成分が異なる(湿式発泡ウレタン、乾式発泡ウレタンまたは不織布)、および、各層の発泡ウレタンのポアサイズが異なる場合、担体に化粧料組成物が十分に充填され、担体が化粧料組成物を長期間均質に担持することができ、担体から適当量の化粧料組成物が排出され、化粧料組成物担持後の担体の耐久性に優れていた。
【0051】
[実験例1]発泡ウレタンのポア数による、担体の能力評価
実施例と実質的に同一の方法で発泡ウレタン層を含む層構造の化粧料組成物担体を製造するが、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン(ルビーセル、テクノポーラス(登録商標))で上層を製造し、ポア数が異なる乾式発泡ウレタンで下層を製造した後、それぞれの担体に製造例の化粧料組成物を担持し、その効果を評価した。
【0053】
前記結果から見られるように、下層の乾式発泡ウレタンの1インチあたりのポア数がより多い実施例7の化粧料組成物担体が、より優れた効果を示している。
【0054】
[実験例2]発泡ウレタンの類型および層厚による、担体の能力評価
実施例と実質的に同一の方法で発泡ウレタン層を含む層構造の化粧料組成物担体を製造するが、ポア数が95ppi(pore per inch)の網状構造のポリエーテル系発泡ウレタンで下層を製造し、構成成分および厚みを異ならせて上層を製造した後、それぞれの担体に製造例の化粧料組成物を担持し、その効果を評価した。
【0056】
前記結果から見られるように、上層の発泡ウレタンの類型、1インチあたりのポア数、または厚みを調節することにより、化粧料組成物担体の効果が変わる。
【0057】
[実験例3]発泡ウレタンのポアサイズによる、担体の能力評価
実施例と実質的に同一の方法で発泡ウレタン層を含む層構造の化粧料組成物担体を製造するが、ポリエーテル系湿式発泡ウレタン(ルビーセル、テクノポーラス(登録商標))またはポアサイズを大幅に調節したポリエーテル系湿式発泡ウレタン(テクノポーラス(登録商標))で上層を製造し、乾式発泡ウレタンで下層を製造して、それぞれの担体に製造例の化粧料組成物を担持し、その効果を評価した。
【0059】
前記結果から見られるように、上層の発泡ウレタンのポアサイズを増加させると、発泡ウレタン層を含む層構造を有する化粧料組成物担体の効果もまた高くなる。
【0060】
[実験例4]発泡ウレタン層の厚みによる、担体の能力評価
実施例と実質的に同一の方法で発泡ウレタン層を含む層構造の化粧料組成物担体を製造するが、乾式発泡ウレタンで下層を製造し、ポアサイズを大幅に調節したポリエーテル系湿式発泡ウレタン(テクノポーラス(登録商標))で異なる厚みを有するように上層を製造した後、それぞれの担体に製造例の化粧料組成物を担持し、その効果を評価した。
【0062】
表1〜7において、◎は非常によい、○は良い、△は普通、そして、×は悪い、をそれぞれ意味する。
【0063】
前記結果から見られるように、上層ポリエーテル系湿式発泡ウレタン層の厚みを1〜1.5mmとした実施例11および実施例12が、上層のポリエーテル系湿式発泡ウレタン層の厚みを2〜2.5mmとした実施例7、実施例9および実施例10よりも優れた排出能を示した。このことを基に、発泡ウレタン上層の厚み調節を通じて、本願発明に係る化粧料組成物担体の性能を向上させられることが分かる。
【0064】
[実験例5]発泡ウレタン層の性質による、担体の能力評価
実施例と実質的に同一の方法で発泡ウレタン層を含む層構造の化粧料組成物担体を製造するが、ポリエーテル系発泡ウレタンを発泡後にスライスして、5mm厚のスポンジを熱プレス工程により2.5倍圧縮して上層を製造し、担体に製造例の化粧料組成物を担持し、その効果を評価した。
【0066】
[実験例6]均一な排出程度についての評価
ポリエーテル系発泡ウレタン単一層からなる化粧料組成物担体を製造して比較例とし、ポリエーテル系発泡ウレタンの二重層からなる化粧料組成物担体として前記実施例9を使用した。比較例と実施例9および実施例13に製造例のW/O乳化型化粧料組成物を担持させた後に容器に入れ、化粧料組成物を排出させてその回数に基づく排出程度を評価した。その結果を下記表および
図1に示した。下記において、排出程度とは、担持させた化粧料組成物全体を1としたときの、各排出回数に排出される排出量を示したものである。
【0067】
下記表9において、ペイオフ回数は、担体から化粧料組成物を取り出した回数を意味し、初期はペイオフ回数1〜25回、中期は35ないし55回、後期は65ないし85回である。
【0069】
前記結果から見られるように、本発明の一側面による層構造を含む化粧料組成物担体は、従前の単一層の化粧料組成物担体に比べて、長い期間均一に化粧料組成物を排出するため、使用の際、長期間一定の量の化粧料組成物を取り出すことを可能にする。