(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
気体供給手段は貫通孔の内周側又は恒温装置の断熱領域側から気体を供給するものであり、当該気体は貫通孔を経由して前記覆い部材で覆われる空間に至ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の試験装置。
貫通孔内には、貫通孔の軸線に対して垂直方向の断面積が他に比べて大きいサブチャンバー領域があり、前記低露点の気体が前記サブチャンバー領域に供給されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の試験装置。
前記覆い部材は貫通孔の軸方向に伸縮性を有し、一部を他の部材に固定する固定手段を有し、他の部材の移動に応じて覆い部材が伸縮することを特徴とする請求項7に記載の恒温装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の試験装置1は、複合試験装置であり、より詳細には複合型の引っ張り試験装置である。
試験装置1は、恒温装置2と、外力付与装置3によって構成されている。また本実施形態で採用する恒温装置2は、恒温装置本体5と空調機部6が分離されており、それぞれ独立した装置となっている。
図3に示す様に、恒温装置本体5には上部側覆い部材200と、下部側覆い部材201が装着されている。
また本実施形態の試験装置1は、補助器材として外力付与装置載置台130と、設置架台131を有している。
【0039】
恒温装置2の恒温装置本体5は、
図3の様に断熱壁10で覆われた筐体であり、本体側筐体部7と、扉9を有している。
本体側筐体部7は、天面壁11、底面壁12、奥面壁13、左右側面壁15,16を有しており、前面側が開口している。そして本体側筐体部7の開口部分に扉9が取り付けられている。
そのため扉9を閉じることによって本体側筐体部7が閉空間となる。
恒温装置本体5内は、天面壁11、底面壁12、奥面壁13、左右側面壁15,16及び扉9で囲まれた断熱領域17となっている。
【0040】
恒温装置本体5の本体側筐体部7には、外部と連通する部位が4か所設けられている。
即ち天面壁11と底面壁12に、ロッド挿通用貫通孔20,21が設けられている。
また奥面壁13に空気吐出側貫通孔22と、空気吸引側貫通孔23が設けられている。
【0041】
天面壁11に設けられたロッド挿通用貫通孔20は、
図2、
図3の様に、断面形状が円形の孔である。ロッド挿通用貫通孔20は、天面壁11に設けられたものであって鉛直方向に延び、その軸線は、後記する試験室8の中心線に略一致する。
ロッド挿通用貫通孔20は、天面壁11を貫通し、一方の開口は断熱領域17に開いている。またロッド挿通用貫通孔20の他方の開口は、恒温装置本体5の外に開いている。
即ちロッド挿通用貫通孔20には、断熱領域側開口18と、外部側開口26がある。
ロッド挿通用貫通孔20の特徴的構成として、中間部にロッド挿通用貫通孔20より断面積が大きいサブチャンバー領域27が設けられている。
【0042】
サブチャンバー領域27は、
図3,5,6,7の様に、断熱領域側開口18及び外部側開口26よりも内径が大きく作られている。サブチャンバー領域27の内径は、断熱領域側開口18及び外部側開口26の1.2倍から5倍程度の大きさである。またサブチャンバー領域27の内径は、少なくとも断熱領域側開口18及び外部側開口26の小さい方の内径よりも1cm以上大きい。
サブチャンバー領域27の天地方向の長さは、天面壁11の厚さの6分の1から4分の3であり、より望ましくは、4分の1から2分の1である。本実施形態では、サブチャンバー領域27の天地方向の長さは、天面壁11の厚さの約3分の1である。サブチャンバー領域27の高さ方向の位置は、天面壁11の外側にやや寄った位置である。
尚、本実施例においてはサブチャンバー領域27以外の部分の内径は、いずれの部分についても同一である。以下の説明において、ロッド挿通用貫通孔20のサブチャンバー領域27以外の部分を小径部と称することがある。
【0043】
天面壁11には、
図5、
図7に示す様に配管28が埋設されており、当該配管28の端部がサブチャンバー領域27内に開いている。配管28は、ロッド挿通用貫通孔20内に外気又は試験室8内の空気よりも低露点の気体を供給する気体供給手段である。
【0044】
ロッド挿通用貫通孔20の具体的な構造は
図8の様であり、本体側筐体部7の天面壁11の一部と後記する仕切り部材46の一部に切り欠き部30が設けられ、当該切り欠き部30にブロック状の嵌合片42が嵌め込まれたものである。
即ち切り欠き部30は、半円筒部31と、保持部33によって構成されている。保持部33は、略直方体形状の切り欠き部分である。半円筒部31は、保持部33の奥辺34の中央部をさらに切り欠いた部位であり、切り欠かれた部位の形状は、半円筒形状である。
また半円筒部31の内周には、他の部位に比べて内径が大きく成形されたサブチャンバー構成部35がある。
【0045】
嵌合片42は、略直方体であり、前記した切り欠き部30の保持部33と合致する形状に成形されている。
そして嵌合片42の一辺側に、半円筒部36が設けられている。半円筒部36にはサブチャンバー構成部37(
図3)が形成されている。
嵌合片42には仕切り部材46の一部を構成する板47が設けられている。嵌合片42は、切り欠き部30に嵌め込まれ、嵌合片42の半円筒部36と天面壁11側の半円筒部31が合致して円筒形のロッド挿通用貫通孔20が構成されている。
【0046】
底面壁12に設けられたロッド挿通用貫通孔21の構造は、天面壁11に設けられたロッド挿通用貫通孔20と同一であり、底面壁12を貫通し、中間部にロッド挿通用貫通孔21より断面積が大きいサブチャンバー領域27が設けられている。底面壁12には、配管(気体供給部手段)28が埋設されており、当該配管28の端部がサブチャンバー領域27内に開いている。
ロッド挿通用貫通孔21の構造は、天面壁11に設けられたロッド挿通用貫通孔20と同一であるから、同一の部材に同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
次に奥面壁13に形成された空気吐出側貫通孔22と空気吸引側貫通孔23について説明する。
空気吐出側貫通孔22と空気吸引側貫通孔23は、空気を流通させるための孔であり、いずれも奥面壁13に大径の管38,39が挿通されて形成されている。
管38,39は、いずれも奥面壁13を貫通する。管38,39の断熱領域17側の開口端40,41は、奥面壁13と同一の平面にある。
これに対して管38,39の外部側の開口端43,45は、恒温装置本体5の背面側に突出している。
【0048】
空気吐出側貫通孔22は、奥面壁13に設けられたものであって水平方向に延び、その軸線は、後記する試験室8の中心線と略直交する。
空気吸引側貫通孔23は、空気吐出側貫通孔22の真下にずれた位置に設けられている。
【0049】
次に断熱領域17の内部構造について説明する。断熱領域17の内部には、仕切り部材46が設けられ、断熱領域17は当該仕切り部材46によって試験室8と、流路形成部55とに区切られている。
仕切り部材46の形状は、
図3、
図4の通りであり、天面対向部50と、奥面対向部51及び底面対向部52を有している。また仕切り部材46は、天面対向部50と底面対向部52の自由端側が外側に折り曲げられて末端封鎖部53が形成されている。
【0050】
仕切り部材46は、断熱領域17の内壁と平行であって断熱領域17の内壁から一定の距離をおいた位置に設置されている。
即ち仕切り部材46の天面対向部50は、断熱領域17の天面壁11に対して一定の距離をおいて平行に対峙している。同様に、奥面対向部51は奥面壁13と対峙し、底面対向部52は底面壁12と対峙している。そして仕切り部材46の末端封鎖部53が、本体側筐体部7の開口辺に取り付けられている。
そのため断熱領域17の内壁と、仕切り部材46によって流路形成部55が形成されている。
【0051】
仕切り部材46の天面対向部50と底面対向部52には、
図3、
図4の様に大孔56,57が設けられている。
大孔56,57の大きさは、前記したロッド挿通用貫通孔20,21と同等である。大孔56,57の中心軸線は、ロッド挿通用貫通孔20,21の中心軸線と一致する。即ちロッド挿通用貫通孔20と、大孔56,57と、ロッド挿通用貫通孔21の各軸線は、垂直であって一致する。
【0052】
また仕切り部材46の天面対向部50と底面対向部52には通気用の小孔58が多数設けられている。天面対向部50と底面対向部52に設けられた通気用の小孔58は、天面対向部50と底面対向部52に一様に設けられている。なお本実施形態では、天面対向部50と底面対向部52がパンチングメタルで作られており、パンチングメタルの開口が通気用の小孔58として機能する。
仕切り部材46の奥面対向部51にも通気用の小孔60が設けられている。奥面対向部51に設けられた通気用の小孔60は、奥面対向部51の中心部に集中的に設けられている。
【0053】
そして本体側筐体部7の空気吐出側貫通孔22と、仕切り部材46の奥面対向部51の小孔60が設けられた領域との間が、接続ダクト61で接続されている。接続ダクト61は外観形状がテーパー状であり、空気吐出側貫通孔22に接続される部位の内径が小さく、仕切り部材46に接続される側の内径は大きい。
空気吐出側貫通孔22と、奥面対向部51の小孔60が設けられた領域との間が、接続ダクト61で接続されているから、空気吐出側貫通孔22は、奥面対向部51の小孔60とのみ連通し、天面対向部50及び底面対向部52に設けられた通気用の小孔58とは連通しない。
逆に空気吸引側貫通孔23は、天面対向部50と底面対向部52に設けられた通気用の小孔58とのみ連通し、奥面対向部51の小孔60とは連通しない。
【0054】
この様に本実施形態では、断熱領域17内であって試験室8の外側に流路形成部55があり、さらに流路形成部55は、接続ダクト61によって2系統の流路に分割されている。即ち流路形成部55は、
図5に示すように空気吐出側貫通孔22から接続ダクト61を経て奥面対向部51の小孔60に繋がり、試験室8に至る往き側空気流通路110と、試験室8と連通する小孔58(天面対向部50及び底面対向部52に設けられた通気用の小孔58)と、空気吸引側貫通孔23とを繋ぐ戻り側空気流通路111に分かれている。
後記する様に、試験中においては、空気は、空気吐出側貫通孔22、接続ダクト61、小孔60を順次通過して試験室8に入り、試験室8から小孔58、流路形成部55(戻り側空気流通路111)、空気吸引側貫通孔23を順次通過して恒温装置本体5から排出される。そのため本実施形態の試験装置1では、戻り側空気流通路111は、試験室8に対して常に下流側となる。
【0055】
次に空調機部6について説明する。空調機部6は、
図5の様に、内部に一連の空気流路63を有している。空気流路63は、断熱壁64で覆われている。
本実施形態では、図面下側の開口が空気戻り口65であり、上側の開口が空気往き口66として機能する。そして空気流路63内には、空気戻り口65から順にプレクーラ67、メインクーラ68及び加熱器70が設置されている。また加熱器70と空気往き口66との間に送風機71が設けられている。
空調機部6は、空気戻り口65から空気を導入し、プレクーラ67、メインクーラ68及び加熱器70を通過させて空気を所定の温度に調整して空気往き口66から排出するものである。
【0056】
次に外力付与装置3について説明する。
外力付与装置3は、引っ張り試験機である。外力付与装置3は、
図2に示すように基台部72と、門型フレーム73を有している。
門型フレーム73には、図示しないガイドレールがあり、門型フレーム73のガイドレールに昇降桟(駆動部)75が係合している。
そして昇降桟75の下部に上ロッド76が設けられており、当該上ロッド76の先端に上側掴み具(作用部)77が設けられている。即ち駆動部たる昇降桟75に、上ロッド76を介して作用部たる上側掴み具77が取り付けられている。
【0057】
また基台部72には、下ロッド78が設けられており、当該下ロッド78の先端に下側掴み具(作用部)79が設けられている。
外力付与装置3には、公知の引っ張り試験機と同様に、上側掴み具77を上方に移動させる移動装置と、掴み具の移動量を検知する伸び量計と、引っ張り荷重を検知する荷重計を有している(いずれも図示せず)。
【0058】
次に上部側覆い部材200及び下部側覆い部材201について説明する。
上部側覆い部材200は、上下が連通したジャバラである。
上部側覆い部材200は、
図2、
図11の様に、一端に円環状の上部フランジ202を有する。また上部側覆い部材200の他端にも円環状の下部フランジ203がある。そして上部フランジ202と下部フランジ203の間がジャバラ204で結合されている。
そのため上部側覆い部材200は、両端が開口するとともに、両端が連通した部材であり、内部は空洞である。
上部側覆い部材200は、ジャバラ204の作用によって全長が伸縮する。
上部フランジ202及び下部フランジ203には磁石205が取り付けられている。
【0059】
下部側覆い部材201は、
図3に示すように全長の短い円筒であり、両端が開口するとともに、両端が連通した部材であり、内部は空洞である。
【0060】
次に補助器材について説明する。本実施形態の試験装置1は、補助器材として外力付与装置載置台130と、設置架台131を有している。
外力付与装置載置台130は、単なるテーブルであり、外力付与装置3を載せる載置板132と、載置板132を中空に支持する脚部133とを有している。
【0061】
設置架台131は、台座部135と、テレスコピックガイド136を有している。台座部135は、略立法体であり、ある程度の重量を有している。
テレスコピックガイド136は、台座部135の上面に配されたものであり、2本の伸縮棹137a,137bが平行に設けられたものである。伸縮棹137a,137bは、固定側部材と可動側部材を有しており、固定側部材に対して可動側部が直線方向に移動可能である。従って伸縮棹137a,137bは、可動側部を移動させることによってその全長を伸縮させることができる。
テレスコピックガイド136は、各伸縮棹137a,137bの固定側部材が台座部135の上面に固定されている。そして伸縮棹137a,137bの全長を伸ばすと、可動側部が台座部135から片持ち状に張り出す。
【0062】
次に試験装置1を構成する各部材間の関係について説明する。
本実施形態の試験装置1は、前記した様に恒温装置2と、外力付与装置3によって構成されており、さらに恒温装置2は、恒温装置本体5と上部側覆い部材200と下部側覆い部材201及び空調機部6によって構成されている。
恒温装置2を構成する恒温装置本体5と空調機部6とは、
図5の様に2本のダクト80,81によって接続されている。
即ち恒温装置本体5の空気吸引側貫通孔23を構成する管39と、空調機部6の空気戻り口65が、戻り側ダクト81によって接続されている。
また恒温装置本体5の空気吐出側貫通孔22を構成する管38と、空調機部6の空気往き口66が、往き側ダクト80によって接続されている。
そのため恒温装置本体5の断熱領域17と、空調機部6の空気流路63は、一連の循環流路を構成する。
また、往き側ダクト80を含む空気吐出側ダクト、戻り側ダクト81を含む空気吸引側ダクトには、それぞれ断熱材501,502が施工され、エネルギーロスが少なくなっている。
【0063】
外力付与装置3は、
図1、
図2の様に、外力付与装置載置台130の載置板132上に載置されている。
恒温装置2の恒温装置本体5は、外力付与装置3の門型フレーム73に囲まれた空間に設置されている。
より詳細には、
図1、
図2の様に、外力付与装置3の背面側に設置架台131が配置されており、設置架台131のテレスコピックガイド136の可動側部によって恒温装置本体5が設置架台131の台座部135から張出した状態で支持されている。そして恒温装置本体5は、設置架台131のテレスコピックガイド136で片持ち状に支持され、外力付与装置3の門型フレーム73内に差し入れられている。
恒温装置本体5は、設置架台131によって中空に支持されて外力付与装置3の門型フレーム73内に配置されており、外力付与装置の基台部72とは接していない。
【0064】
そして外力付与装置3の上ロッド76が、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔20を貫通し、先端の上側掴み具77が、試験室8の中央に至っている。
より詳細には、上ロッド76は、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔20と仕切り部材46の天面対向部50に設けられた大孔56を連通し、上側掴み具77が、奥面対向部51の小孔60の高さ近傍に至っている。
【0065】
また外力付与装置3の下ロッド78が、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔21を貫通し、先端の下側掴み具79が、試験室8の中央近傍であって、中央よりもやや底面対向部52に近い位置に至っている。
より詳細には、下ロッド78は、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔21と仕切り部材46の底面対向部52に設けられた大孔57を連通し、下側掴み具79が、奥面対向部51の小孔60の高さ近傍に至っている。
【0066】
また
図1、
図7、
図11の様に、上部側覆い部材200が、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔20の外側の開口端と、昇降桟(駆動部)75の間に装着されている。
前記した様に、ロッド挿通用貫通孔20は、天面壁11を貫通し、一方の開口(断熱領域側開口18)は断熱領域17に開き、他方の開口(外部側開口26)は、恒温装置本体5の外に開口している。
本実施形態では、外部側開口26の開口の周囲に上部側覆い部材200の下部フランジ203が取り付けられている。下部フランジ203は、磁石205によって恒温装置本体5の天面に固定されている。
また上部側覆い部材200の上部フランジ202が、昇降桟(駆動部)75の下面に磁石205で固定されている。
【0067】
前記した様に、上部側覆い部材200は、両端が開口するとともに、両端が連通した部材であり、内部は空洞であるから、ロッド挿通用貫通孔20の外側であってロッド挿通用貫通孔20を軸方向に延長した領域の空間210の周囲が上部側覆い部材200で覆われている。
そして上部側覆い部材200で覆われた空間210内を上ロッド76が通過している。
言い換えると、本実施形態ではロッド挿通用貫通孔20の外側であって上部に、上ロッド76が配される空間210がある。この空間210は、ロッド挿通用貫通孔20を軸方向に延長した位置にある。
そして本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔20を軸方向に延長した位置にある上ロッド76が配される空間210の周囲を覆う上部側覆い部材200があり、外力付与装置3の一部たる上ロッド76が上部側覆い部材200で覆われている。
【0068】
また
図7の様に、下部側覆い部材201が、恒温装置本体5の下側のロッド挿通用貫通孔21の外側の開口端と、恒温装置本体5の基台部72の間に装着されている。
前記した様に、ロッド挿通用貫通孔21は、底面壁12を貫通し、一方の開口は断熱領域17に開き、他方の開口(外部側開口26)は、恒温装置本体5の外に開口している。
本実施形態では、外部側開口26の周囲に下部側覆い部材201の一端が取り付けられている。
また下部側覆い部材201の他端側が、恒温装置本体5の基台部72に固定されている。
前記した様に、下部側覆い部材201は、両端が開口するとともに、両端が連通した部材であり、内部は空洞であるから、ロッド挿通用貫通孔21の外側であってロッド挿通用貫通孔21を軸方向に延長した領域の空間215の周囲が下部側覆い部材201で覆われている。
そして下部側覆い部材201で覆われた空間215内を下ロッド78が通過している。
言い換えると、本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔21の外側であって下部に、下ロッド78が配される空間215がある。この空間215は、ロッド挿通用貫通孔21を軸方向に延長した位置にある。
そして本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔21を軸方向に延長した位置にある下ロッド78が配される空間215の周囲を覆う下部側覆い部材201があり、外力付与装置3の一部たる下ロッド78が下部側覆い部材201で覆われている。
【0069】
本実施形態では、上側掴み具77と下側掴み具79で試料(被試験物)の両端が保持される。そのため試料は、試験室8内であって特に上側掴み具77と下側掴み具79の間の領域に設置されることとなる。従って本実施形態の試験装置1では、上側掴み具77と下側掴み具79の間の領域が、被試験物設置領域115となる。
【0070】
また恒温装置本体5の天面壁11及び底面壁12に埋設された配管(気体供給手段)28に、図示しない減圧弁と、開閉弁85を介して、窒素ボンベ86が接続されている。周知の通り、窒素ボンベ86から供給される窒素ガスは、露点が極めて低い。窒素ボンベ86から供給される窒素ガスの露点は、大気の露点よりも低く、さらに試験室8内の環境温度よりも低い。
【0071】
次に、本実施形態の試験装置1の作用について説明する。
本実施形態の試験装置1を使用して引っ張り試験を行う場合は、試料(被試験物)を所定の形状に成形する。そして恒温装置本体5の扉9を開き、試料の両端を上側掴み具77と下側掴み具79で掴む。そして恒温装置本体5の扉9を閉じる。
その後、開閉弁85を開いて窒素ボンベ86から配管(気体供給手段)28に窒素を供給し、配管28の末端からロッド挿通用貫通孔20,21のサブチャンバー領域27に窒素を導入する。
また空調機部6を起動して、所定の温度に調整された空気を試験室8に供給し、試験室8内を所定の温度環境に維持する。
そして外力付与装置3を起動し、上ロッド76を一定の速度で上昇させて試料(被試験物)に引っ張り荷重を掛け、破断する。そしてその間の試料の伸びと荷重の関係を記録する。
【0072】
試験中における恒温装置2(恒温装置本体5と空調機部6)の空気の流れは、
図5の矢印の通りである。即ち空調機部6の送風機71を起動することにより、恒温装置本体5の空気吸引側貫通孔23から戻り側ダクト81を経由して断熱領域17内の空気が空調機部6に導入される。そして空調機部6に導入された空気は、空調機部6の空気流路63を流れ、その間に所望の温度に調整される。そして調整後の空気が、往き側ダクト80を経由して、恒温装置本体5の空気吐出側貫通孔22に導入される。
【0073】
ここで空気吐出側貫通孔22は、接続ダクト61で、直接的に仕切り部材46の奥面対向部51の小孔60が形成された部位に接続されている。即ち空気吐出側貫通孔22から接続ダクト61を経由して小孔60に繋がり、試験室8に至る往き側空気流通路110は、流路形成部55の他の領域から遮断された空気流路となっている。そのため空調機部6から恒温装置本体5に供給された空気は、仕切り部材46の奥面対向部51に設けられた小孔60からのみ試験室8内に供給される。
【0074】
試験室8内には奥面対向部51に設けられた小孔60から次々と空気が供給されるので、試験室8内は高圧雰囲気となり、仕切り部材46の天面対向部50と底面対向部52に設けられた小孔58から、試験室8の外側に形成された流路形成部55に空気が流れ込む。ここで天面対向部50と底面対向部52に設けられた小孔58と連通する流路形成部55は、戻り側空気流通路111の一部であり、断熱領域17の奥面壁13に設けられた空気吸引側貫通孔23に連通している。また空気吸引側貫通孔23は、空調機部6の空気戻り口65に連通しており、当該空気戻り口65は、送風機71の機能によって負圧傾向となっている。
【0075】
そのため小孔58から流路形成部55の戻り側空気流通路111に流れ込んだ空気は、その全てが空気吸引側貫通孔23側に向かって流れる。即ち流路形成部55(戻り側空気流通路111)内の空気の流れは、空気吸引側貫通孔23に向かう一方通行状態となる。
【0076】
また試験中は、前記した様に、窒素ボンベ86からロッド挿通用貫通孔20,21のサブチャンバー領域27に窒素ガスが導入され続ける。即ち気体供給手段たる配管28から、ロッド挿通用貫通孔20,21内に試験室8内の空気よりも低露点の気体が供給され続ける。
気体の供給量の目安は、断熱領域側開口18と、外部側開口26の双方から常にわずかずつ窒素ガスがオーバーフローする程度であり、ロッド挿通用貫通孔20,21の内径と、ロッドの径によって決まる。気体の供給量は、概ね3L/minから30L/min程度であり、通常は5L/minから15L/min程度である。
【0077】
ここで上部側のロッド挿通用貫通孔20には、上ロッド76が挿通されているから、ロッド挿通用貫通孔20の小径部と、上ロッド76の外周部との間の隙間112は狭い。下部側のロッド挿通用貫通孔21についても同様であり、下ロッド78が挿通されているから、ロッド挿通用貫通孔21の小径部分と、下ロッド78の外周部との間の隙間112も狭い。
これに対して、サブチャンバー領域27は、内径が他の部位に比べて大きいから、サブチャンバー領域27が窒素ガスで満たされる。
【0078】
そして窒素ガスは、上ロッド76及び下ロッド78と、ロッド挿通用貫通孔20,21の小径部の間の狭い空隙を流れ、一部は、ロッド挿通用貫通孔20,21の外部側開口26から外部に放出される。
なお窒素ガスは、埋設された配管28からある程度の流速をもってサブチャンバー領域27に供給されるが、サブチャンバー領域27には、上ロッド76及び下ロッド78との間に、配管28やロッド挿通用貫通孔20,21の他の領域に比べて大きな空間があるから、サブチャンバー領域27内において窒素ガスの動圧は消失し、サブチャンバー領域27内の圧力が均一化する。そして圧力が均一になった後に、窒素ガスが上ロッド76,下ロッド78と、ロッド挿通用貫通孔20,21の小径部の間の隙間112に入る。そのため隙間112を流れる窒素ガスの流速が周方向に均一化する。
【0079】
また上ロッド76及び下ロッド78の中心線と、ロッド挿通用貫通孔20,21の中心線は、必ずしも一致せず、上ロッド76及び下ロッド78がロッド挿通用貫通孔20,21に対して多少偏心している場合もあり、隙間112は周方向の位置によって一定ではないこともあるが、窒素ガスは動圧が消失して均圧化した後に、隙間112を流れるので、窒素ガスは、ロッド76,78の全周を取り巻いて流れる。
即ちサブチャンバー領域27が無い場合は、隙間112の広い部分にだけ窒素ガスが流れ、隙間112が狭い部分には窒素ガスが流れないことが懸念されるが、サブチャンバー領域27を設けることによって、ロッド76,78の全周を窒素ガスで包むことができる。
【0080】
また前記した様に窒素ガスは、上ロッド76及び下ロッド78と、ロッド挿通用貫通孔20,21の小径部の間の狭い空隙を流れ、一部は、ロッド挿通用貫通孔20,21の外部側開口26から外部に放出されるが、本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔20の外部側開口26の近傍には上部側覆い部材200がある。同様にロッド挿通用貫通孔21の外部側開口26の近傍には下部側覆い部材201がある。
そのため本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔20,21から外部に放出された窒素ガスは、ロッド挿通用貫通孔20,21の外部側開口26から上部側覆い部材200又は下部側覆い部材201で囲まれた空間210,215に入る。
【0081】
上ロッド76側について説明すると、余剰の窒素ガスは、上ロッド76とロッド挿通用貫通孔20の間を満たし、余剰の部分がロッド挿通用貫通孔20の外部側開口26から外部に放出される。
ここで本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔20の外部側開口26の近傍は、上部側覆い部材200で覆われており、気密性は高くないものの、上部側覆い部材200で囲まれた空間210は、閉塞された空間となっている。そのため余剰の窒素ガスは、空間210内に留まり、上部側覆い部材200で囲まれた空間210内が窒素雰囲気となる。
また下ロッド76の一部であって恒温装置本体5から露出した部分が窒素ガスで包まれる。
【0082】
下ロッド78側についても同様であり、余剰の窒素ガスが、下部側覆い部材201で覆われた空間215に入って留まり、下部側覆い部材201で囲まれた空間215内が窒素雰囲気となる。
下ロッド78の恒温装置本体5から露出した部分についても窒素ガスで包まれる。
【0083】
また窒素ガスの残部は、ロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18から断熱領域17に入る。ここでロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18は、試験室8の外側に形成された流路形成部55であって、戻り側空気流通路111内に開いている。また前記した様に流路形成部55内の空気の流れは、空気吸引側貫通孔23に向かう一方通行状態となっている。流路形成部55内には大きな空気の流れがあり、それに比べてロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18から入りこんで来る窒素の量は、極僅かである。
【0084】
そのためロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18から断熱領域17に入った窒素ガスは、その全てが空気と共に空気吸引側貫通孔23に向かって流れ、試験室8側には流れないことが多い。
即ち試験中における恒温装置本体5内の空気の流れは、空気吐出側貫通孔22から接続ダクト61を経由して小孔60に至り、小孔60から、試験室8の中央の被試験物設置領域115に入る。さらに空気は、試験室8の中央の被試験物設置領域115から試験室8の天面対向部50側と底面対向部52側に分かれて流れ、通気用の小孔58に入り、戻り側空気流通路111に入る。さらに空気は、戻り側空気流通路111から空気吸引側貫通孔23に向かって流れ、恒温装置本体5から出てゆく。
【0085】
この様に、戻り側空気流通路111は、試験室8に対して空気の流れ方向の下流である。少なくとも、戻り側空気流通路111は、試験室8の被試験物設置領域115から下流にあたる。そのためロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18から断熱領域17に入った窒素ガスは、試験室8側に流れ込まない。少なくとも試験室8の被試験物設置領域115には流れ込まない。そのためロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18から断熱領域17に入った窒素ガスは、試験室8、特に被試験物設置領域115の環境に影響
を与えない。
【0086】
またロッド挿通用貫通孔20,21と上ロッド76及び下ロッド78の間の空隙は、窒素ガスが満たされている。特に、サブチャンバー領域27には、厚い窒素層がある。そのため断熱領域17と外部とは、窒素ガスによって遮蔽される。従って断熱領域17の空気が外に漏れにくい。また外の空気は、断熱領域17内に入り込み難い。
そのため仮に断熱領域17内の空気が極低温であったとしても、断熱領域17内の空気が直接外気と接触することはなく、外気を冷却することは少ない。そのため外気中の水蒸気が凝縮することは少なく、結露や結氷が発生しにくい。また外部側開口26の周囲には、少量ずつ窒素ガスがオーバーフローするので、外部側開口26は、低露点ガス雰囲気となり、結露や結氷が発生しにくい。
特に本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔20,21の外部側開口26の近傍は、上部側覆い部材200及び下部側覆い部材201によって空間210,215が囲まれ、略閉塞空間となっている。そして空間210,215は窒素雰囲気となり、外部の空気が侵入しにくい状態となっているから、結露や結氷が発生しにくい。
またボンベ86から供給される窒素は、断熱領域17側にも流れ込むことがあるが、ボンベ86から供給される窒素ガスは、露点が摂氏マイナス45度程度であって極めて低く、仮に断熱領域17が極低温であったとしても、結露や結氷が生じ難い。
【0087】
また上ロッド76及び下ロッド78と、ロッド挿通用貫通孔20,21は、直接的に接触しない。そのため引っ張り試験の実施中は、上ロッド76又は下ロッド78が上又は下に移動するが、接触による抵抗は発生せず、荷重計は、試料に掛けられた引っ張り荷重を正確に検知することができる。
【0088】
また被試験物が破断に至った場合は、上ロッド76が急に移動し、
図11(a)の状態から
図11(b)の様に変化し、恒温装置本体5と、昇降桟(駆動部)75の間の間隔が急激に広がるが、本実施形態で採用する上部側覆い部材200は、ジャバラ構造であって軸方向に伸縮する。そのため上ロッド76の移動に上部側覆い部材200が追従し、上ロッド76の周囲の窒素雰囲気を維持する。
【0089】
以上説明した実施形態では、恒温装置2は、恒温装置本体5と空調機部6が分離されており、それぞれ独立した装置となっている。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、
図18に示す試験装置90の様に、一つの断熱筐体91内に、空調機部92が内蔵された恒温装置88を採用してもよい。
図18に示す試験装置90で採用する恒温装置88では、断熱筐体91によって断熱領域93が形成されている。断熱筐体91の中央には仕切り箱95があり、仕切り箱95の内部が試験室96となっている。また試験室96を構成する仕切り箱95と、断熱領域93の内壁との間には空間があり、当該空間内に、加湿装置97と、冷却器98と、ヒータ100及び送風機101が設けられている。本実施形態では、これらの機器が内蔵された部位によって空調機部92が形成されている。
また送風機101の吐出口は、試験室96内に開いている。
【0090】
仕切り箱95の天面対向部102と、底面対向部103には、前記した実施形態と同様に、大孔116が設けられている。また仕切り箱95の天面対向部102と、底面対向部103には、前記した実施形態と同様に、通気用の小孔117が多数設けられている。
【0091】
本実施形態の試験装置90においても、恒温装置88の断熱筐体91の天面壁120と底面壁121に、ロッド挿通用貫通孔20,21が設けられている。ロッド挿通用貫通孔20,21の形状は、前記した実施形態と同一である。また本実施形態の試験装置90においても、上部側覆い部材200と下部側覆い部材201を有している。
【0092】
上記した実施形態では、ロッドを挿通する貫通孔20,21を上下に2個設けた例を示したが、貫通孔は、天面壁又は底面壁のいずれかだけに設けられていてもよい。側面壁に貫通孔が設けられていてもよい。また3以上の貫通孔を有していてもよい。
【0093】
上記した実施形態は、いずれも複合型の引っ張り試験機であるが、本発明は、引っ張り試験機に限定されるものではなく、圧縮試験機、剪断試験機、硬さ試験機、衝撃試験機等にも応用することができる。
【0094】
本実施形態では、ロッド挿通用貫通孔20,21に窒素ボンベ86から窒素ガスを供給したが、露点の低い気体であれば必ずしも窒素ガスでなくてもよい。例えば、乾燥機によって含有する水蒸気を除去したり低下させた空気をロッド挿通用貫通孔20,21に供給してもよい。
気体の露点は、少なくとも外気よりも低いことが必要である。また気体の露点は、試験室8内の環境温度よりも低いことが望ましい。
【0095】
上記した二つの恒温装置2、88の内、最初に説明した恒温装置2は、温度環境を調整する機能を持つが、湿度については調整する機能を持たない例を示している。これに対して後者の恒温装置88は、温度環境を調整する機能と湿度環境を調整する機能を有している例を示している。
本発明で採用可能な恒温装置は、上記のものに限定されず、温度と湿度のいずれか、もしくは両方を調整することができるものであればよい。
【0096】
以上説明した実施形態では、上部側覆い部材200としてジャバラ構造のものを例示したが、同様の作用が期待できるものとして、
図12の様な弛みを持った上部側覆い部材220や、
図13の様な弾性による伸縮性を持った上部側覆い部材221を採用することもできる。
また上記した実施形態では、上部側覆い部材200は、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔20の外側の開口端と、昇降桟(駆動部)75の間を包み込んでしまうものであったが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、
図14に示す上部側覆い部材222の様に、端部が開放されていてもよい。
ただし端部の開口面積は小さいほうが望ましく、
図15に示す上部側覆い部材223の様に、開口部が狭くなっていることが望ましい。
上部側覆い部材200等の断面形状は任意であり、円形に限らない。
【0097】
上記した実施形態では窒素ボンベ86からロッド挿通用貫通孔20,21のサブチャンバー領域27に窒素ガスが導入されるが、
図16の様に、上部側覆い部材200等に配管28を接続し、空間210,215内に直接窒素ガスや乾燥気体を導入してもよい。
また
図17の様に、断熱領域側開口18側から窒素ガスや乾燥気体を導入してもよい。
【0098】
以上説明した実施形態では、断熱領域17内に仕切り部材46が設けられ、試験室8と、流路形成部55とに区切ったが、仕切り部材46は必ずしも必要ではない。
また以上説明した実施形態では、仕切り部材46は
図3、
図4の様に、天面対向部50と、奥面対向部51及び底面対向部52を有しているが、天面対向部50と、底面対向部52が無くても試験室8内の空気の流れは大きくは変わらない。
【0099】
図19乃至22に本発明の変形例として、天面対向部50と、底面対向部52を持たない仕切り部材230を採用した試験装置231を開示する。
試験装置231は、仕切り部材230の構造が異なるだけであるから、先の実施形態と同一の部材に同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
試験装置231についてもロッド挿通用貫通孔20,21は、試験室8に対して空気の流れ方向の下流となる。そのためロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18から断熱領域17に入った窒素ガスは、試験室8側に流れ込まない。少なくとも試験室8の被試験物設置領域115には流れ込まない。そのためロッド挿通用貫通孔20,21の断熱領域側開口18から断熱領域17に入った窒素ガスは、試験室8、特に被試験物設置領域115の環境に影響を与えない。
【0100】
上記した実施形態では、下部側覆い部材201として、伸縮性を持たない円筒を採用したが、ジャバラその他の伸縮性を有する部材を下部側覆い部材201としてもよい。下部側覆い部材201として、前述した全ての構造を採用可能であり、
図12の様な弛みを有する構造、
図13の様な弾性を利用する構造、
図14、
図15の様な端部が開放された構造であってもよい。
また窒素ガスや乾燥空気の導入位置についても、
図16の様な覆い部材等に配管28を接続して空間内に直接窒素ガスや乾燥気体を導入する構造や、
図17の様に断熱領域側開口18側から窒素ガスや乾燥気体を導入する構造であってもよい。
また下部側覆い部材201の取り付けに磁石を使用してもよい。
上記した実施形態では、上部側覆い部材200の両端に磁石205を設け、磁石205で上部側覆い部材200を恒温装置本体5の天面及び昇降桟(駆動部)75の下面に取り付けたが、一方または双方をネジ等の公知の接合手段によって取り付けてもよい。
【0101】
上記した実施形態で例示した、外力付与装置3は、恒温装置本体5の上部から上ロッド76を挿通し、上ロッド76を引き上げることによって試料(被試験物)を引っ張るものであるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば逆に下ロッド78を引き下げて試料(被試験物)を引っ張るものであってもよい。即ち移動側のロッドは上にあっても下にあってもよい。 もちろん上ロッド76と下ロッド78が共に移動するものであってもよい。
またロッド等が水平方向に配され、試料(被試験物)に対して横方向に力を加えるものであってもよい。
また外力付与装置3は、引っ張り試験を行うものに限定されるものではなく、圧縮試験や硬さ試験その他を行うものであってもよい。圧縮試験や硬さ試験を行う場合は、外力付与装置3のロッド等は、試料(被試験物)を押圧することとなる。