特許第6297069号(P6297069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6297069栄養特性および官能特性を向上させるための共製品の飲料への含有およびその調製
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297069
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】栄養特性および官能特性を向上させるための共製品の飲料への含有およびその調製
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/52 20060101AFI20180312BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20180312BHJP
   A23L 2/06 20060101ALI20180312BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   A23L2/00 F
   A23L2/02 B
   A23L2/06
   A23L2/00 B
   A23L2/02 A
   A23L2/02 C
   A23L2/02 Z
   A23L2/02 E
   A23L2/02 F
【請求項の数】43
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2015-558040(P2015-558040)
(86)(22)【出願日】2014年2月7日
(65)【公表番号】特表2016-506758(P2016-506758A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】US2014015326
(87)【国際公開番号】WO2014126806
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2015年8月26日
(31)【優先権主張番号】61/765,274
(32)【優先日】2013年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593203701
【氏名又は名称】ペプシコ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PepsiCo Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】バラサブラマニアン,サンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヒッチコック,ブライアン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】シェイ,モンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン,レイチェル リサ
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ,ジェフリー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】リヴェラ,テオドロ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ジン−イー
(72)【発明者】
【氏名】スモール,ウィリアム ビー セカンド
【審査官】 太田 雄三
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0135109(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/045045(WO,A1)
【文献】 米国特許第04988530(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0088015(US,A1)
【文献】 特開平10−210956(JP,A)
【文献】 特開2012−039997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
WPIDS/WPIX(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料において、
ジュース、および
ジュース抽出からの共製品であって、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する共製品、
を有してなる飲料。
【請求項2】
前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品を含む、請求項1記載の飲料。
【請求項3】
前記ジュースがオレンジジュースを含む、請求項2記載の飲料。
【請求項4】
前記飲料が一杯8オンス(240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維を含む、請求項1記載の飲料。
【請求項5】
前記飲料が一杯8オンス(240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含む、請求項4記載の飲料。
【請求項6】
前記共製品が6質量%と20質量%の間の繊維を含み、該共製品の繊維が不溶性繊維と可溶性繊維の両方を含む、請求項1記載の飲料。
【請求項7】
前記共製品の繊維が、1:2の可溶性繊維対不溶性繊維の比を有する、請求項6記載の飲料。
【請求項8】
前記共製品が1マイクロメートルと250マイクロメートルの間の数平均粒径を有する、請求項1記載の飲料。
【請求項9】
前記共製品が、該共製品100グラム当たり少なくとも20ミリグラムのビタミンCを含む、請求項1記載の飲料。
【請求項10】
前記共製品が、ハムリンオレンジの搾りかすの共製品、バレンシアオレンジの搾りかすの共製品、ペラオレンジの搾りかすの共製品、ネーブルオレンジの搾りかすの共製品、パーソンブラウンオレンジの搾りかすの共製品、カラオレンジの搾りかすの共製品、パイナップルオレンジの搾りかすの共製品、またはそれらの組合せを含む、請求項2記載の飲料。
【請求項11】
前記共製品が0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、請求項1記載の飲料。
【請求項12】
前記飲料が、非濃縮還元オレンジジュース、柑橘類の搾りかすの共製品、および少なくとも1種類の添加香料から実質的になる、請求項1記載の飲料。
【請求項13】
前記ポリフェノールが、ヘスペリジン、リモニン、ナリルチン、ノビレチン、ジジミン、シネンセチン、タンゲレチン、ノミリン、またはそれらの任意のものの組合せを含む、請求項1記載の飲料。
【請求項14】
前記飲料が、20℃でブルックフィールド粘度計を用いて測定して、300センチポアズと3000センチポアズの間の粘度を有する、請求項1記載の飲料。
【請求項15】
前記共製品が、オレンジ、リンゴ、グレープフルーツ、レモン、ライム、ブドウ、クランベリー、ブルーベリー、モモ、西洋ナシ、パイナップル、トマト、イチゴ、タンジェリン、マンダリンオレンジ、タンジェロ、ザボン、セロリ、ビート、レタス、ホウレン草、キャベツ、チョウセンアザミ、ブロッコリ、芽キャベツ、カリフラワー、クレソン、エンドウ豆、豆、レンズ豆、アスパラガス、タマネギ、ニラネギ、コールラビ、大根、カブ、ルタバガ、ダイオウ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、ナス、バナナ、グアバ、アプリコット、スイカ、サスカトゥーンベリー、プレインズベリー、プレイリーベリー、マルベリー、エルダーベリー、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、チョークチェリー、ナツメヤシ、ココナッツ、オリーブ、ラズベリー、イチゴ、ハックルベリー、ローガンベリー、スグリ、デューベリー、ボイゼンベリー、キウイ、チェリー、ブラックベリー、マルメロ、クロウメモドキ、パッションフルーツ、リンボク、ナナカマド、グーズベリー、ザクロ、柿、マンゴ、パパイヤ、ライチ、プラム、プルーン、イチジク、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される果物または野菜のジュース抽出副産物を含む、請求項1記載の飲料。
【請求項16】
飲料を製造する方法において、
共製品を調製する工程であって、
ジュース抽出から副産物を得ること、
前記副産物から種子を除去すること、
微粉砕、均質化、およびそれらの組合せによって前記副産物の粒径を減少させること、および
前記共製品を低温殺菌すること、
を含む、工程と、
前記共製品をジュースに加える工程と、
を有してなり、前記共製品が、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、方法。
【請求項17】
前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記種子が前記副産物から機械的に除去される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記ジュースがオレンジジュースを含む、請求項16記載の方法。
【請求項20】
飲料において、
5質量%と90質量%の間のジュース、
添加水、
少なくとも1種類の非栄養性甘味料、
少なくとも1種類の香料、および
ジュース抽出からの共製品であって、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する共製品、
を有してなり、
5ブリックスと9ブリックスの間のブリックスを有する飲料。
【請求項21】
前記ジュースがオレンジジュースを含み、前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品を含む、請求項20記載の飲料。
【請求項22】
前記飲料が、20〜60%のジュース、40〜80%の水、および5〜25%の共製品を含む、請求項20記載の飲料。
【請求項23】
前記飲料が一杯8オンス(240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維を含む、請求項20記載の飲料。
【請求項24】
前記飲料が一杯8オンス(240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含む、請求項23記載の飲料。
【請求項25】
前記共製品が6質量%と15質量%の間の総繊維を含み、該共製品の繊維が不溶性繊維と可溶性繊維の両方を含む、請求項20記載の飲料。
【請求項26】
前記繊維が、1:2の可溶性繊維対不溶性繊維の比を有する、請求項25記載の飲料。
【請求項27】
前記共製品が1マイクロメートルと250マイクロメートルの間の数平均粒径を有する、請求項20記載の飲料。
【請求項28】
前記共製品が、該共製品100グラム当たり少なくとも20ミリグラムのビタミンCを含む、請求項21記載の飲料。
【請求項29】
前記共製品が、ハムリンオレンジの搾りかすの共製品、バレンシアオレンジの搾りかすの共製品、ペラオレンジの搾りかすの共製品、ネーブルオレンジの搾りかすの共製品、パーソンブラウンオレンジの搾りかすの共製品、カラオレンジの搾りかすの共製品、パイナップルオレンジの搾りかすの共製品、またはそれらの組合せを含む、請求項20記載の飲料。
【請求項30】
前記共製品が0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、請求項20記載の飲料。
【請求項31】
前記飲料が、50センチポアズと1500センチポアズの間の粘度を有する、請求項20記載の飲料。
【請求項32】
飲料において、
水、
少なくとも1種類の甘味料、
少なくとも1種類の酸味料、
少なくとも1種類の香料、
少なくとも1種類の着色料、および
ジュース抽出からの共製品であって、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する共製品、
を有してなる飲料。
【請求項33】
前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品を含む、請求項32記載の飲料。
【請求項34】
前記飲料が65〜95%の水および5〜25%の共製品を含む、請求項32記載の飲料。
【請求項35】
前記飲料が一杯8オンス(240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維を含む、請求項32記載の飲料。
【請求項36】
前記飲料が一杯8オンス(240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含む、請求項35記載の飲料。
【請求項37】
前記共製品が6質量%と15質量%の間の総繊維を含み、該共製品の繊維が不溶性繊維と可溶性繊維の両方を含む、請求項32記載の飲料。
【請求項38】
前記繊維が、1:2の可溶性繊維対不溶性繊維の比を有する、請求項37記載の飲料。
【請求項39】
前記共製品が1マイクロメートルと250マイクロメートルの間の数平均粒径を有する、請求項32記載の飲料。
【請求項40】
前記共製品が、該共製品100グラム当たり少なくとも20ミリグラムのビタミンCを含む、請求項33記載の飲料。
【請求項41】
前記共製品が、ハムリンオレンジの搾りかすの共製品、バレンシアオレンジの搾りかすの共製品、ペラオレンジの搾りかすの共製品、ネーブルオレンジの搾りかすの共製品、パーソンブラウンオレンジの搾りかすの共製品、カラオレンジの搾りかすの共製品、パイナップルオレンジの搾りかすの共製品、またはそれらの組合せを含む、請求項33記載の飲料。
【請求項42】
前記共製品が0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、請求項33記載の飲料。
【請求項43】
前記飲料が、10センチポアズと90センチポアズの間の粘度を有する、請求項32記載の飲料。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その開示がここに明白に引用される、2013年2月15日に出願された米国仮特許出願第61/765274号に優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、果物および野菜のジュース(juice)抽出物から得られる共製品(co-products)の加工と使用に関する。より詳しくは、本発明は、飲料製品および食品に栄養特徴および官能特徴を与えるための、その飲料製品および食品における果物と野菜のジュース抽出副産物(by-products)から得られる共製品の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
果物ジュースと野菜ジュースは、消費者にとって都合のよい人気のある飲料である。ジュースを摂取することの欠点は、大抵、そのジュース抽出プロセスで、そうでなければ、果物または野菜が丸ごとの形態で食べられた場合に摂取されるであろう丸ごとの果物または野菜の部分が除かれることである。例えば、オレンジの皮を剥いて食べる消費者は、ある量の食用材料(例えば、セルロース系材料、薄皮、アルベド、果肉など)を摂取し、これは、消費者が代わりにオレンジから抽出されたジュースを飲んだ場合、必ずしも存在しないであろう。したがって、多くの果物ジュースと野菜ジュースは、丸ごとの果物または野菜の食用部分の総計に含まれる栄養素のいくつかを欠いている。そのような栄養素の例としては、繊維質、植物性栄養素、およびビタミンが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
果物ジュースと野菜ジュースに、繊維質などの追加の栄養素を補給する試みが行われてきた。例えば、食物の食用部分および/または典型的に非食用部分から得られる繊維粉末が市販されている;しかしながら、そのような粉末は、ジュースに望ましくない風味を与える傾向にあるか、またはそれらの粉末は、ジュースが実際に追加の粉末を含有していると消費者が考えるのを困難にするほど完全に溶解する。不溶性繊維の大きい断片をジュースに含ませる労力により、一般に、望ましくない色、風味、および繊維質テキスチャーがジュースに含まれていた。ある場合には、粉末への転化により、脱水に必要な加えられた熱のために、そのような副産物の栄養素が劣化してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様において、本発明は、ジュースおよびジュース抽出からの共製品を含む飲料に関する。その共製品は、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する。
【0006】
別の態様において、本発明は、共製品を、ジュース抽出から副産物を得、その副産物から非食用材料を除去し、微粉砕、均質化、およびそれらの組合せによってその副産物の粒径を減少させ、その共製品を低温殺菌することにより、調製する工程、およびその共製品をジュースに加える工程によって、飲料を調製する方法に関する。その共製品は、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する。
【0007】
別の態様において、本発明は、約5質量%から約90質量%のジュース、添加水、少なくとも1種類の非栄養性甘味料、少なくとも1種類の香料、およびジュース抽出からの共製品含む飲料に関する。
【0008】
別の態様において、本発明は、水、少なくとも1種類の甘味料、少なくとも1種類の酸味料、少なくとも1種類の香料、少なくとも1種類の着色料、およびジュース抽出からの共製品を含む飲料に関する。
【0009】
所望の外観性、味覚性および健康性を有する飲料および他の飲料製品を提供することが本発明の利点である。改良された栄養特徴および官能特徴を含む、改善された配合を有するジュース飲料を提供することが、本発明の少なくとも特定の実施の形態の利点である。経済的なジュース飲料を提供することが本発明の別の利点である。1種類以上の別個の果物および野菜に由来する成分を組み合わせて、特有の味プロファイルおよび見た目を有する製品を提供することが、本発明のさらに別の利点である。本発明の、または本発明の特定の実施の形態のこれらと他の利点および特徴は、以下の開示および例示の実施の形態の記載から、当業者に明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】共製品が添加されたジュース飲料に関する、一杯8オンス(約240cc)当たりの繊維のグラム数に対する測定粘度のグラフ
図2A】本発明の少なくとも1つの態様による高収率プロセスを示す流れ図
図2B】本発明の少なくとも1つの態様による中から低収率のプロセスを示す流れ図
【発明を実施するための形態】
【0011】
ジュース飲料は、丸ごとの果物または野菜を摂取したときにしばしば伴う準備の量並びにそれらの一般的な傷みやすさと比べて、その味、携帯性、栄養、および便利さなどの数多くの理由のために消費者に人気がある。上述したように、果物ジュースおよび/または野菜ジュースを摂取することの欠点は、大抵、そのジュース抽出プロセスで、そうでなければ、果物または野菜を丸ごとの形態で食べられた場合に摂取されるであろう果物または野菜の部分が除かれることである。ジュース抽出から得られる果物および野菜の食用部分を加工して、果物ジュースおよび野菜ジュースの栄養特性および他の特性を向上させるための、有用な食物成分、すなわち「共製品」を提供することが有益であろう。さらに、そのような共製品を採用することにより、ジュース抽出プロセスからの廃物が最小になる。
【0012】
本発明の実施の形態によれば、最終的なジュース製品から典型的に除かれる果物と野菜の食用部分からの栄養素が、1種類以上の共製品の形態でジュース製品と再び組み合わされる。特定の実施の形態において、共製品のタイプと量は、そのジュースが得られる丸ごとの果物または野菜と少なくとも同じ栄養素を含む、ジュースと共製品を含む最終的な飲料を製造するために選択される。
【0013】
ここに用いたように、「共製品(co-product)」という用語は、粉砕と低温殺菌が施されてきた、果物および/または野菜からのジュースの抽出からの食用副産物(by-products)を称する。「ジュース抽出の食用副産物」により、一般に食べられる果物および/または野菜の任意の部分と全ての部分を意味する。ジュース抽出の「食用」副産物と見なされる特定の部分は、特定の果物または野菜に応じて様々であろう;例えば、西洋ナシが摂取されるときに、皮は一般に食べられるが、種子とへたは捨てられる。多くのベリー類は、皮と種子を含み丸ごと食べられるのに対し、バナナの皮は一般に摂取されない。当業者は、食用と考えられる特定の果物および野菜の部分に馴染みがある。同様に、粉砕プロセス条件および低温殺菌条件は、その食用副産物の個々の物理的特徴と化学的特徴に応じて、共製品を形成するためのジュース抽出の特定の食用副産物について選択される。ジュース抽出から得られる果物および野菜の食用部分から結果として得られる加工共製品は、有用な食物成分を提供し、これは、果物ジュースおよび野菜ジュースの栄養特性および他の特性を向上させるために採用されることがある。そのような共製品を採用することにより、ジュース抽出プロセスからの廃物が最小となり、安価な栄養豊富な食用材料が使用可能になることが都合よい。
【0014】
特定の実施の形態によれば、その共製品は、搾りかす、例えば、柑橘類の袋の白いすじと称されることもある、柑橘類の搾りかすを含む。ここに用いたように、「搾りかす(pomace)」という用語は、果物ジュースまたは野菜ジュースのプレスプロセス、ワインの圧搾操作、裏ごしおよび濃縮操作、缶詰プロセスおよび他の食品製造プロセスの後に残る副産物を称する。搾りかすは、例えば、皮、果肉、種子、およびリンゴやニンジンなどの果物と野菜のへたの食用部分を含むことがある。ある場合には、搾りかすは、鞘、柄、花、根、葉、および塊茎などの、果物および野菜の他の部分に由来またはそれらを含有し得る。ジュース抽出プロセスにおいて、搾りかすは、一般に、プレスケーキの一部分の形態にある。特定の果物または野菜に応じて、搾りかすは、食用ではない果物または野菜の部分を含むことがある。その結果、どの非食用部分も、共製品に加工される前に、搾りかすから除去される。
【0015】
柑橘類の搾りかすが共製品として採用される実施の形態において、どの種子または皮片も、粉砕前に除去される。ここに用いたように、任意の柑橘類の果物の「皮」は、フラベド、または皮の着色外皮を称する。反対に、ある量のアルベドは、一般に食用と考えられるので、共製品に含まれることがある。
【0016】
トマトケチャップおよびペーストの加工からのトマトの皮と種子などのすりつぶしおよび裏ごしプロセスからの副産物も、ジュース抽出物からの副産物ではないけれども、搾りかすに含まれる。缶詰プロセスからの果皮も食用副産物である。以後、搾りかすは、果物と野菜の搾り、すりつぶし、裏ごしおよび缶詰プロセスからの全ての副産物を含む。
【0017】
副流成分、例えば、搾りかすは、一般に、高い総食物繊維含量(例えば、50質量パーセント以上)、少量の糖類(例えば、一般に、湿った搾りかすの5質量%未満であるが、通常は、2質量%未満)、および様々な量の必須ビタミン、ミネラルおよび植物性栄養素(果物/野菜および適用されたプロセスのタイプに応じて)を含有する。例えば、クランベリーの搾りかすは、クランベリータイプのカクテルおよびジュースおよび濃縮物のためのジュースの圧搾後に残る。これらのクランベリーの搾りかす材料は、不溶性繊維対可溶性繊維の比が9または10対1(湿量基準)の70%から75%の繊維、5%未満〜10%のタンパク質、および5%未満の糖類とデンプンを含有することが分かった。一般に、副産物は、ジュース飲料を生成するときのテキスチャーと風味に関する難題のために、搾りプロセスから除去される。同様に、丸ごとの果物および野菜も、抽出されたジュース製品よりもずっと高い繊維および栄養素含量を含有し、それゆえ、ずっと健康的である。
【0018】
搾りかすは、例えば、肥料および微生物の増殖のための基質として使用され、乾燥搾りかすは、スープおよびスナックなどの食品に限定的利用法があり、また、栄養補助食品業界においても使用されてきた。しかしながら、搾りかすは、一般に、ザラザラしたテキスチャー、沈降、繊維性、高い不溶性繊維含量、強烈な風味およびデンプンとタンパク質の欠如のために食品には使用されていない。それゆえ、搾りかすは、一般に、果物および野菜の業界において廃棄副産物と見なされている。
【0019】
上述したように、一般に、穀物、種子または根の成分から供給される様々な市販の繊維粉末が食品および飲料の添加物として使用されている;しかしながら、そのような粉末は少なくとも1つの欠陥を被る傾向がある。特に、繊維粉末が、無味であり、ジュースの見た目または口当たり(例えば、テキスチャー、濃さ、こくなど)を変えない場合、消費者は、そのジュースが実際に添加繊維を含有することを理解しない、または信じないであろう。他方で、特定の繊維粉末は、繊維源の加工のために、ジュースに望ましくない風味および/またはゴム状のテキスチャー示す傾向にあり、これは、最終的なジュース飲料の官能特性に悪影響を与える。不溶性繊維の大きい断片をジュースに含ませると、一般に、搾りかすについて先に論じたように、ジュースに、望ましくない風味、色、および繊維性テキスチャーを含ませることになる。
【0020】
意外なことに、共製品を形成するためのジュース抽出の食用副産物を加工することにより、最終的な飲料製品の栄養特性および官能特性を同時に向上させる、液体に加えるべき栄養素の供給源が提供されることが見出された。この加工は、ジュース抽出の非食用副産物の除去、その後の粉砕と低温殺菌を含むことが重要である。例えば、柑橘類の搾りかすジュース抽出副産物は、一般に、種子および大抵は皮片を含有し、これらは、食用であると考えられない。それゆえ、ジュース抽出副産物の加工により、10質量%以下の種子、または5質量%以下の種子、または2質量%以下の種子、および5質量%以下の皮、または1質量%以下の皮などの、粉砕前に最大量の種子および皮を含有する共製品が得られる。その共製品を柑橘類の搾りかすから得る場合、皮と種子の合計の最大量は20%である、または皮と種子の合計は、全共製品の約0.01質量%と約20質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約10質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約5質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約2質量%の間を占める。
【0021】
特定の実施の形態によれば、果物または野菜のジュース抽出副産物の加工は、残留するジュース抽出副産物から得られた共製品が、20質量%以下の非食用材料を含む、または非食用材料が、全共製品の約0.01質量%と約20質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約10質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約5質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約2質量%の間を占めるように、非食用部分を除去する工程を含む。
【0022】
特定の実施の形態によれば、果物または野菜のジュース抽出副産物は、食用と考えられる皮および/または種子を含む。そのような実施の形態において、果物または野菜のジュース抽出副産物の加工は、残留するジュース抽出副産物から得られた共製品が、80質量%以下の皮と種子の合計を含む、または皮と種子の合計が、全共製品の約0.01質量%と約80質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約60質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約40質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約20質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約10質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約5質量%の間、または全共製品の約0.01質量%と約2質量%の間を占めるように、非食用部分を除去する工程を含む。
【0023】
ジュース抽出の副産物からの非食用材料の除去により、多くの非食用材料はかなりの量の繊維、植物性栄養素、およびビタミンを含むので、最終的な共製品の栄養価が同時に減少してしまう。さらに、ジュース抽出副産物中の食用材料から非食用材料を分離することは、必ずしも単純な作業ではない。例えば、柑橘類の搾りかすから種を取り除くための現在公知の機械的方法は、通常、種子および繊維性材料の絡み合いのために、回収される全食用材料の約30〜40%の非常に低い収率を有し、食用材料の多くは、分離するのが難しく、それゆえ、種子と共に捨てられてしまう。そのような方法は、標準的なジュース加工フィニッシャースクリーン、スクリュー式フィニッシャー、およびパドル式フィニッシャーの使用を含む。果物加工において皮を除去するために、絞り器が使用される。他の非食用材料は、当業者に公知の洗浄および重力方法の使用などの密度の差の利用によって、分離されることもある。
【0024】
図2Aおよび2Bは、概して、ユニット操作が、ここに記載された特定の実施の形態にしたがってどのように流れるかを示している。図2Aは、流入する果物に、抽出、種取り、および仕上げが施される高収率プロセスを示している。図2Bは、流入する果物に、抽出、仕上げ、次いで、種取りが施される中から低収率のプロセスを示している。
【0025】
本発明による飲料および飲料製品は、少なくとも液体成分および共製品成分を含む。この液体成分は、一般に、水または特定の果物または野菜から得られるであろうどのような液体も含む。その液体は、例えば、制限するものではなく、水、炭酸水、ジュース、漿液、濃縮ジュース、浄化ジュース、濃度100%(single strength)のジュース、非濃縮還元ジュース、果物または野菜の水、ピューレ、ネクターおよびそれらの組合せであってよい。特定の実施の形態において、その液体は、著しい風味を示さない。代わりの実施の形態において、その液体は、ジュース飲料の特定可能な風味を提供する。特定の実施の形態において、その液体は、ジュース飲料における複数の特定可能な風味の内の1つを提供する。
【0026】
ここに用いたように、1種類以上の果物および/または野菜に関する「特定可能な」という用語は、訓練を受けた官能パネルにより少なくとも1種類の果物および/または野菜として認識可能であると判定されているジュース飲料の、味、または香り、または感じ、または見た目、またはそれらの組合せとして定義される。官能パネルは、当業者に周知であり、食料品の官能特性を評価するために訓練された試験者から構成される。一般に、官能パネリストは、その人達の味覚力についてスクリーニングされ、多種多様な製品の見た目、芳香、風味、口当たりおよび後味を表現するための標準化された語彙の使用、並びに特性を定量化するための尺度構成法において広範囲に亘って訓練されている。次いで、官能パネルの試験者により作成された数値データが、その統計的有意性について解析される。
【0027】
果物および野菜から得られる共製品が、本発明の実施の形態による組成物に、マクロ栄養素、マイクロ栄養素、またはそれらの組合せを提供することが都合よい。ここに用いたように、「マクロ栄養素」という用語は、比較的多量の栄養素、例えば、制限するものではなく、繊維、タンパク質、炭水化物、脂肪、およびそれらの組合せを提供する成分を称する。ここに用いたように、「マイクロ栄養素」という用語は、比較的少量の栄養素、例えば、制限するものではなく、ビタミン、電解質、ミネラル、微量ミネラル、フラボノイド、リモノイド、カロチノイドなどの植物性栄養素、およびそれらの組合せを提供する成分を称する。例えば、制限するものではなく、固形物は、繊維、ビタミンCおよびビタミンAなどのビタミン、フラボノイド、リコピンなどのカロチノイド、およびそれらの組合せを提供することがある。植物性栄養素は植物化学物質とも称され、これらの用語は、ここでは置き換え可能に使用される。したがって、本発明の実施の形態における組成物のマクロ栄養素、マイクロ栄養素、またはその両方は、特定の果物、野菜、またはそれらの組合せに由来する共製品を選択し、その共製品を所定の量でその組成物中に含ませることによって扱ってもよい。例えば、繊維およびフラボノイドを含む組成物を提供することが望ましい場合、柑橘類の共製品を組成物に含んでもよい。組成物に特定のレベルの繊維が望ましい場合、加えられる共製品の量は、加えられる共製品のタイプの繊維含量に応じて、その量の繊維を提供するように選択されるであろう。
【0028】
少なくとも特定の実施の形態によれば、ジュースおよびジュース抽出からの共製品を含む飲料であって、その共製品が、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および5質量%の間の最大種子含量を有する、飲料が提供される。ある態様において、そのジュースはオレンジジュースを含み、その共製品は柑橘類の搾りかすの共製品を含む。この飲料は、必要に応じて、果物または野菜から得られる成分のみを含有し、それゆえ、地域法および地方条例に応じて、「100%果物」、または「100%野菜」、または「100%ジュース」、「100%果物ピューレ」、「100%果物または野菜繊維」と分類することができる。例えば、ある実施の形態において、その飲料は、非濃縮還元オレンジジュース、柑橘類の搾りかすの共製品、および少なくとも1種類の添加香料から実質的になる。
【0029】
ある実施の形態において、前記飲料は、一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも2.5グラムの食物繊維を含み、これは、米国食品医薬品局(「FDA」)により規定された「良好な繊維供給源」と等しい(連邦規則集21巻を参照のこと)。同様に、ある実施の形態において、その飲料は、一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含み、これは、FDAにより規定された「優れた繊維供給源」と等しい。例えば、前記共製品は、必要に応じて、約6質量%と約15質量%の間の総繊維を含む。特定の実施の形態において、その共製品の繊維は、不溶性繊維と可溶性繊維の両方を含み、その繊維は、約1:2の可溶性繊維対不溶性繊維の比からなる。総繊維の他の量および可溶性繊維対不溶性繊維の他の比も、適している。
【0030】
前記共製品の粒径は、ジュース抽出からの共製品副産物の粉砕により成し遂げられる。特定の実施の形態において、その共製品は、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間、1マイクロメートルと700マイクロメートルの間、または1マイクロメートルと500マイクロメートルの間、または1マイクロメートルと250マイクロメートルの間、または1マイクロメートルと125マイクロメートルの間、または38マイクロメートルと125マイクロメートルの間、または25マイクロメートルと250マイクロメートルの間の数平均粒径を有する。
【0031】
前記共製品がオレンジジュース抽出副産物から得られる場合、その共製品は、1種類以上のオレンジ栽培品種、例えば、制限するものではなく、ハムリンオレンジの搾りかすの共製品、バレンシアオレンジの搾りかすの共製品、ペラ(Pera)オレンジの搾りかすの共製品、ネーブルオレンジの搾りかすの共製品、パーソンブラウンオレンジの搾りかすの共製品、カラオレンジの搾りかすの共製品、パイナップルオレンジの搾りかすの共製品、またはそれらの任意のものの組合せを含む。上述したように、ここに提供された共製品の少なくとも特定の態様の利点は、飲料製品への栄養素の添加である。共製品がオレンジの搾りかすの共製品を含む実施の形態において、その共製品は、1種類以上のポリフェノールおよびリモノイド、例えば、制限するものではなく、ヘスペリジン、リモニン、ナリルチン、ノビレチン、ジジミン、シネンセチン、タンゲレチン、ノミリン、およびそれらの任意のものの組合せを含む植物性栄養素を提供する。その共製品がオレンジの搾りかすの共製品を含む場合、その共製品は、必要に応じて、100グラムの共製品当たり少なくとも30mg、または100グラムの共製品当たり少なくとも40mg、または100グラムの共製品当たり少なくとも50mgなどの100グラムの共製品当たり少なくとも20ミリグラム(mg)のビタミンCを含む。さらに、共製品がオレンジの搾りかすの共製品を含む場合、「良好な繊維供給源」である飲料を製造するために、脱水粉末とは異なり−「湿量基準」、または「そのまま」の共製品−飲料を構成する共製品の約10質量パーセントが、オレンジの搾りかすの共製品である必要があるであろう。同様に、「優れたな繊維供給源」である飲料を製造するために、飲料を構成する共製品の約20質量パーセントが、オレンジの搾りかすの共製品である必要があるであろう。
【0032】
上述したように、特定の市販の繊維添加物は、最終的な飲料製品の粘度に影響を与えずに、飲料中に溶解または分散する。対照的に、本発明の実施の形態は、液体および共製品を含む飲料であって、約1センチポアズと約100,000センチポアズ(cP)の間、または約80cPと約6000cPの間、または約90cPと約5000cPの間、または約100cPと約4000cPの間、または約120cPと約3500cPの間、または約300cPと約3000cPの間、または約500cPと約2000cPの間、または約700cPと約1750cPの間の(ニュートン)粘度を有する飲料を含む。その粘度は、例えば、ASTM WK31279試験法を使用し、25℃の温度でブルックフィールド回転粘度計を用いて、測定できる。
【0033】
特定の実施の形態において、特に、多量の共製品を含む実施の形態において、前記飲料は、1cPと100,000cPの間(すなわち、0.001Pa・sと100Pa・sの間)の流動粘稠性指数(K)範囲および0.10から0.80の流動挙動指数(n)範囲を有する、非ニュートンベキ乗則流体として最も正確に記述される。非ニュートンベキ乗則流体(すなわち、オストワルド−de Waeleの関係)は、以下の等式により数学的に記述することができる:τ=K(∂u/∂y)n 、式中、τ=剪断応力、K=粘稠度、∂u/∂y=剪断比(s-1)、およびn=ベキ乗指数。
【0034】
同様に、特定の実施の形態において、特に、多量の共製品を含む実施の形態において、前記飲料は、1Paと1000Paの間の降伏応力(τ0)、1cPと100,000cPの間(すなわち、0.001Pa・sと100Pa・sの間)の流動粘稠度指数(K)範囲、および0.10から0.80の流動挙動指数(n)範囲を有する、非ニュートン性ハーシェル・バークレー流体として最も正確に記述される。ハーシェル・バークレー流体は、以下の方程式により数学的に記述することができる:τ=τ0+K(γ)n、式中、τ=剪断応力、τ0=降伏応力、K=粘稠度、γ=剪断速度、およびn=ベキ乗指数。
【0035】
特定の実施の形態において、共製品を含む飲料を製造する方法が提供される。この方法は、共製品を調製する工程であって、ジュース抽出から副産物を得、その副産物から非食用材料を除去し、微粉砕、均質化、またはそれらの組合せによってその副産物の粒径を減少させ、その共製品を低温殺菌することを含む、工程を有してなる。この共製品は、ジュースに加えられ、この共製品は、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および5質量%の間の最大種子含量を有する。ジュース抽出の副産物からの非食用材料の除去は、必要に応じて、種子、皮、へた、およびそれらの組合せの除去を含む。例えば、種子は、副産物から機械的に除去される。
【0036】
ある態様において、前記方法のジュースはオレンジジュースであり、共製品は柑橘類の搾りかすの共製品である。必要に応じて、そのジュースは、100%ジュースから構成され、果物、野菜、およびそれらの組合せから得られる成分のみを含有する。
【0037】
ある実施の形態によれば、約5質量%から約90質量%のジュース(約30質量%から約70質量%のジュースなど)、添加水、少なくとも1種類の非栄養性甘味料、少なくとも1種類の香料、およびジュース抽出からの共製品を含む「ネクター飲料」であって、この共製品が、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および5質量%の間の最大種子含量を有するものである、「ネクター」飲料が提供される。この飲料は、約5ブリックスと約9ブリックスの間のブリックスを有する。ここに用いたように、「ネクター」という用語は、ジュースおよび添加水を含む飲料であって、飲料中に含まれるジュースのブリックスより低いブリックスを有する飲料を称する。質量パーセントのジュースは、濃度100%のジュース基準で計算される。必要に応じて、そのジュースは、5質量%と90質量%の間の濃度100%のジュースを提供するための量で加えられた濃縮還元ジュースを含む。特定のジュースの識別ブリックス値の基準は、FDAにより確立されている。
【0038】
特定の実施の形態において、前記ネクター飲料製品は、約10質量%から約75質量%、または約15質量%から約50質量%、または約20質量%から約60質量%、40〜80%の水、または約20質量%から約40質量%、または約20質量%から約30質量%などの飲料製品の約5質量%から約90質量%の量でジュース(例えば、柑橘類ジュース、オレンジジュースなど)を含む。
【0039】
特定の実施の形態において、前記ネクター飲料に、飲料製品の約0質量%から約90質量%のレベル、例えば、約15質量%から約80質量%、約40質量%から約80質量%、または約40質量%から約60質量%のレベルで、水が加えられる。
【0040】
特定の実施の形態において、前記ネクター飲料は、約2質量%と約30質量%の間の共製品、または約5質量%と約25質量%の間の共製品、または約5質量%と約20質量%の共製品、または約7質量%と約20質量%の共製品、または約5質量%と約15質量%の共製品、または約10質量%と約20質量%の共製品を含む。
【0041】
前記ネクター飲料のある態様において、前記共製品は、柑橘類の搾りかすの共製品を含む。そのような態様において、前記ジュースは必要に応じてオレンジジュースを含む。そのネクター飲料は、一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維、または一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含むことがある。以前の公知のネクター飲料において、味と口当たりの目的のために、均質化果肉が用いられてきた;しかしながら、本発明の共製品を使用して、そのような均質化果肉のいくらかまたは全てを置き換えてもよい。均質化果肉の代わりに共製品を含ませることの利点は、ジュース抽出副産物が、果肉より費用がかからないことである。
【0042】
特定の実施の形態において、ネクター飲料は、約1cPと約100,000cPの間、または約10cPと約1500cPの間、または約10cPと約1000cPの間、または約10cPと約500cPの間、または約20cPと約750cPの間、または約30cPと約500cPの間、または約50cPと約300cPの間、または約75cPと約200cPの間の粘度を有する。その粘度は、例えば、ASTM WK31279試験法を使用し、25℃の温度でブルックフィールド回転粘度計を用いて、測定できる。
【0043】
ある実施の形態によれば、水、0質量%と30質量%の間のジュース(約5質量%と約30質量%の間のジュースなど)、少なくとも1種類の甘味料、少なくとも1種類の酸味料、少なくとも1種類の香料、およびジュース抽出からの共製品を含む「ジュースドリンク飲料」であって、その共製品が、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および5質量%の間の最大種子含量を有するものである、「ジュースドリンク」飲料が提供される。ここに用いたように、「ジュースドリンク」という用語は、共製品を含有するドリンクであって、少なくとも微量のジュースを提供するドリンクを称する。必要に応じて、そのジュースドリンク飲料は、2質量%と30質量%の間の濃度100%のジュースを提供する量で加えられたジュースをさらに含む。一般に、ジュースドリンクが約5%未満のジュースを含有するが、少なくとも1種類の果物香料、少なくとも1種類の野菜香料、またはそれらの組合せを含む場合、そのドリンクは、ジュース飲料の一般分類を満たす。特定のジュースの識別ブリックス値の基準は、FDAにより確立されている。前記共製品は、必要に応じて、オレンジの搾りかすの共製品などの柑橘類の搾りかすの共製品を含む。
【0044】
特定の実施の形態において、このジュースドリンク製品は、約5質量%から約30質量%、または約2質量%から約20質量%、または約2質量%から約15質量%、または約2質量%から約10質量%などの飲料製品の約2質量%から約30質量%の量でジュース(例えば、柑橘類ジュース、オレンジジュースなど)を含む。
【0045】
特定の実施の形態において、このジュースドリンクに、飲料製品の約0質量%から約90質量%のレベル、例えば、約25質量%から約90質量%、約40質量%から約90質量%、または約65質量%から約95質量%のレベルで、水が加えられる。
【0046】
特定の実施の形態において、このジュースドリンクは、約2質量%と約30質量%の間の共製品、または約5質量%と約25質量%の間の共製品、または約5質量%と約20質量%の共製品、または約7質量%と約20質量%の共製品、または約5質量%と約15質量%の共製品、または約10質量%と約20質量%の共製品を含む。
【0047】
実施の形態において、このジュースドリンク中のジュースと共製品の量は、反比例する。すなわち、ジュースドリンク中に含まれる共製品が多いほど、ジュースドリンク中により少ないジュースが含まれる。同様に、ジュースドリンク中に含まれる共製品が少ないほど、ジュースドリンク中により多くのジュースが含まれる。より多量の共製品およびより少ないジュースを含ませることの利点は、その共製品が得られるジュース抽出副産物が、ほとんどのジュースよりも費用がかからないことである。ある態様において、そのジュースドリンクは、一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維などの、一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維を含む。
【0048】
特定の実施の形態において、ジュースドリンクは、約1cPと約100,000cPの間、または約10cPと約100cPの間、または約10cPと約90cPの間、または約10cPと約80cPの間、または約10cPと約70cPの間、または約10cPと約50cPの間、または約15cPと約90cPの間、または約20cPと約90cPの間の粘度を有する。その粘度は、例えば、ASTM WK31279試験法を使用し、25℃の温度でブルックフィールド回転粘度計を用いて、測定できる。
【0049】
ジュースが得られ、ジュース抽出副産物が得られる、果物および野菜は、以下に限られないが、ニンジン、クランベリー、オレンジ、ブルーベリー、トマト、リンゴ、レモン、ライム、ブドウ、イチゴ、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリンオレンジ、タンジェロ、ザボン、セロリ、ビート、レタス、ホウレン草、キャベツ、チョウセンアザミ、ブロッコリ、芽キャベツ、カリフラワー、クレソン、エンドウ豆、豆、レンズ豆、アスパラガス、タマネギ、ニラネギ、コールラビ、大根、カブ、ルタバガ、ダイオウ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、ナス、パイナップル、モモ、バナナ、西洋ナシ、グアバ、アプリコット、スイカ、サスカトゥーンベリー、ブルーベリー、プレインズベリー(plaines berry)、プレイリーベリー、マルベリー、エルダーベリー、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、チョークチェリー、ナツメヤシ、ココナッツ、オリーブ、ラズベリー、イチゴ、ハックルベリー、ローガンベリー、スグリ、デューベリー、ボイゼンベリー、キウイ、チェリー、ブラックベリー、マルメロ、クロウメモドキ、パッションフルーツ、リンボク、ナナカマド、グーズベリー、ザクロ、柿、マンゴ、パパイヤ、ライチ、プラム、プルーン、イチジク、またはそれらの任意の組合せなどの任意の適切な果物または野菜から独立して選択してよい。
【0050】
上述したように、果物および/または野菜からのジュースの抽出からの天然副産物は、天然栄養素(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどの植物性栄養素、および酸化防止剤など)、香料、元の果物および野菜の色素、および多量の天然(例えば、未加工の)繊維を含有する。ほとんどのジュース抽出副産物は、50質量%を超える(無水ベースで)食物繊維、ほとんど不溶性の繊維を含有する。食品中の搾りかすの使用は、繊維およびビタミンと酸化防止剤などの天然に存在する栄養素を強化する。さらに、ジュース抽出副産物は、十分に利用されておらず、ジュース業界からは廃物と考えられているので、一般に、低コスト成分である。
【0051】
本発明の実施の形態による共製品は、副流成分を生成するどのようなジュース抽出加工方法から得てもよい。例えば、搾りかすなどの副産物は、ジュース抽出プロセス後のプレスケーキから得てもよい;しかしながら、そのような副産物は、一般に、幅広い範囲の粒径と繊維サイズを有し、相当な量が大粒子である。例えば、ジュース抽出副産物の粒径または繊維サイズは、抽出される果物または野菜の特定のサイズに応じて、100マイクロメートルから5センチメートルまでに及ぶことがある。より大きい粒子および繊維、および/または粒径または繊維サイズの広い分布を有する副産物は、滑らかなテキスチャーを有していない。したがって、そのようなジュース抽出副産物を飲料配合物に混ぜ込むと、液体ベースの製品において、歯ごたえのある、砂のような、ザラザラしたテキスチャー、並びに不均質な分散を与える。議論を容易にするために、「粒径」という用語は、粒径と繊維サイズの両方を称する。
【0052】
ここに用いたように、「搾りかす」という用語は、「べたつくもの(goo)」または例えば、ジュースを浄化するときに、抽出プロセスの濾過工程から形成された保持液も含んでよい。この濾過の保持液は、例えば、ニンジンジュースまたはクランベリージュースなどの任意の適切な果物ジュースまたは野菜ジュースからの副産物として得られるであろう。この保持液またはべたつくものは、例えば、プレスケーキから得た搾りかすに加えてもよく、以後、集合的に、搾りかすと称される。「そのままの」搾りかす(濾過の保持液を含む)は、繊維、色素、栄養素、口当たり、風味を提供する。
【0053】
ジュース抽出副産物を処理して、粒(繊維を含む)径を減少させ、製品中の結果として得られる共製品のテキスチャーと分散能力が改善されるであろうことを発見した。ジュース抽出副産物の粉砕により、香料、色素、および可溶性炭水化物などの成分が放出され、粒子のテキスチャーが、粉砕以前よりも滑らかに感じられる。
【0054】
湿った副産物または凍結した副産物などの、ジュース抽出副産物のどのような適切な形態を使用して、所望の共製品を得てもよい。湿ったまたは凍結したジュース抽出副産物は、再水和が必要なく、湿った副産物は、ジュース抽出プロセスからプレスケーキまたは他の形態として、直接採取できる。副産物の含水率は、含水率が様々であろうから、果物または野菜に依存する。粉砕、または破砕は、微粉砕、切断、切り刻み、薄切り、研削、剪断、押出し、均質化、細砕、粉砕、または超音波周波数への曝露などのどのような適切な機械的または化学的プロセスにより行われてもよい。1つの態様において、破砕は、微粉砕により行われる。
【0055】
皮、種子などが除去された果物および野菜などの果物および野菜の部分を裏ごしするために、微粉砕が一般に使用される。このプロセスは、単位操作において、供給プロセス、研削プロセス、およびメッシュスクリーニングまたは濾過プロセスを含む。したがって、その結果は、メッシュスクリーニングプロセスを行わない無作為研削より、制御され均質なサイズ分布を有する。この微粉砕プロセスは、高い栄養価を提供するために、食品、特に、飲料製品に添加するのに非常に適した製品を提供する。さらに破砕するために、微粉砕された製品は、必要に応じて、当業者に周知のような、乳製品またはディップ用ソースホモジナイザなどの加圧ホモジナイザに通過させられる。異なる翼(粗い、中くらい、微細および超微細)および翼端速度(15〜60Hzの間)の構成で微粉砕機を使用して、0.1から2000マイクロメートルの粒径に及ぶ異なる口当たりテキスチャーの果物および野菜製品を製造することができるであろう。微粉砕機により製造される製品は、滑らかな粘稠度の製品を形成するために、1200から2500psi(約8.3から17MPa)の圧力で作動するホモジナイザを使用することによつて、均質に製造できるであろう。
【0056】
理想的には、ジュース抽出副産物の平均粒径は、250マイクロメートル未満などの、滑らかなテキスチャーおよび分散性を有する微粉砕された製品を提供するための1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間に減少し、一方で、最も滑らかな官能結果のためには、125マイクロメートル未満が推奨される。いくつかの例において、粒径は、75マイクロメートル未満または38マイクロメートル未満に減少させてもよい。38マイクロメートルから125マイクロメートルの範囲が、特に、飲料における分散特徴と口当たり特徴の両方を改善する。
【0057】
質量流量を使用して、ジュース抽出副産物の微粉砕および均質化加工条件を記述してもよい。本発明の実施の形態によれば、微粉砕プロセスおよび随意的な均質化プロセスの各々は、所望の平均粒径を有する共製品を得るために、毎分約2ガロンと約100ガロンの間(約7.6リットルと約360リットルの間)、または毎分約100ガロンと約200ガロンの間(約360リットルと約720リットルの間)、または毎分約50ガロンと約150ガロンの間(約180リットルと約540リットルの間)などの毎分約2ガロンと約200ガロンの間(約7.6リットルと約720リットルの間)の質量流量で行われる。質量流量は、一般に、毎分2ガロンと10ガロンの間(約7.6リットルと約36リットルの間)または毎分2ガロンと20ガロンの間(約7.6リットルと約72リットルの間)または毎分2ガロンと35ガロンの間(約7.6リットルと約130リットルの間)である。Brandentonの低温殺菌装置は、毎分約33ガロン(約125リットル)の質量流量を有する。
【0058】
機械式研削方法は、AOAC法により、より大きい粒子中に捕らえられるために、一般に検出不可能な繊維の検出を可能にするようである。微粉砕および随意的な均質化に続いて、共製品を製造するプロセスは低温殺菌を含む。低温殺菌も、毎分約2ガロンと約200ガロンの間(約7.6リットルと約720リットルの間)の質量流量で前記共製品に行ってよい。共製品の低温殺菌は、微生物安定性を提供し、その共製品を、保存寿命が延長された飲料製品および食品に使用することを可能にする。特定の低温殺菌条件に依存して、共製品中の少なくともいくらかの天然に存在する酵素が、低温殺菌中に不活性化される。例えば、リモノイドD環ラクトンヒドロラーゼなどの高耐熱性酵素は、低温殺菌プロセス中に不活性化されそうにない。
【0059】
本発明の別の態様において、ジュース抽出副産物は、その副産物に水を添加することによって、凍結剪断のために準備される。水の量は、その副産物が得られる果物または野菜のタイプによる。例えば、クランベリーの搾りかすは20:1の水:搾りかすの比が必要であるのに対し、ブルーベリーの搾りかすは、10:1の水対搾りかすの比が必要である。凍結剪断のために副産物を準備するのに必要な水の量は、実施例において以下に概説されたプロセスに従うことによって容易に決定される。基本的に、約5分間に亘りVitamixまたは他の適切なブレンダ内で渦を形成し、維持するのに十分な水が加えられる。凍結したときに、そのような水和副産物は、凍結剪断のための理想的な基質を提供する。
【0060】
次いで、その混合物は、適切に凍結されるまで、典型的に12〜20時間に亘り0から−20℃、例えば、−9℃で凍結される。次いで、凍結ピューレに、Pacojet剪断プロセスなどの剪断のサイクルを少なくとも1回施す。その結果は、食べたときに、未処理のピューレ/スラリーに経験するザラザラ感をほとんどまたは全く示さない、滑らかな凍結ピューレとなる。室温で解凍した際に、乳製品プディングの粘稠度を有する滑らかでどろっとしたピューレを得ることができる。この搾りかすの連続的な水和と剪断により、粘度と皮膜形成能力が高まる。この予期せぬ結果は、果物または野菜の繊維をわずかに変更して、有用な食品成分を作り出すために、剪断および水和を使用できることを示す。
【0061】
前記共製品のpHは、約2.0から約10.0、または約2.0から約8.0、または約2.0から約6.0、または約2.0から約4.などの約2.0から約14.0に及ぶ。
【0062】
この共製品は、果物および野菜の飲料製品または食品の主成分として使用しても、向上した栄養および色、風味、および口当たりなどの他の特徴を提供するために様々な飲料製品または食品に含まれてもよい。適切な食品としては、以下に限られないが、飲料、スープ、スプレッド、プディング、スムージー、スナック食品、ヨーグルト、およびシリアルが挙げられる。
【0063】
共製品は、果物の利益と粘度の両方を提供できるので、増粘剤(ガム)と果物ジュースまたは濃縮ジュースとの組合せのための代替物として使用してもよい。その共製品は、果物ジュースまたは野菜ジュース、果物のスムージー、果物飲料およびフルーツカクテルなどの様々なタイプの飲料に加えてよい。これにより、天然繊維および植物化学物質の含量が高まり、粘度、滑らかさおよび口当たりが増加する。
【0064】
以下の表1に示されるように、様々な搾りかす成分(処理せず)は、一般に、ADMによる加工コーンスターチであるFIBERSOL−2または繊維の他の一般的な供給源よりも、分子量が高く、可溶性と分散性がより低い。しかしながら、粒径を減少させるためにジュース抽出副産物についてここに記載されたように搾りかすを処理することによって、増加した溶解度およびより大きい栄養価を有する搾りかすが提供される。
【0065】
【表1】
【0066】
食物繊維は、食用植物細胞、多糖類、リグニン、およびヒトの消化酵素による(加水分解)消化に対して耐性である関連物質(炭水化物)の残部を含む。
【0067】
食品成分中の繊維の量を検出するために、AOAC繊維分析が使用される。これは、食物繊維の量が、成分/栄養素含有量の開示に正確に報告されることがあるように重要である。本発明の別の態様において、前記搾りかすは、その搾りかす中に存在する果物または野菜の成分中に存在する天然酵素を不活性化するために予熱される。この搾りかすは、少なくとも約70℃から約100℃の温度に予熱される。この予熱は、繊維の検出を最大にし、搾りかすスラリーを安定化させるために、AOAC繊維分析の前に行われる。その加熱は、粒子の破砕の前、後、その両方に行っても、全く行わなくてもよい。
【0068】
100%ジュースを含有するジュース飲料は、その栄養プロファイルおよび添加水の欠如などの数多くの理由のために、消費者に人気がある。これらのジュース飲料は、識別基準の特定の規格を満たさなければならない。米国食品医薬品局は、ジュースの表示付けを含む食品の表示付けの規格を設定している。連邦規則集21巻のセクション101.30は、非ジュース成分の存在が製品の識別の告知の一部として公表されている場合、この語句は100パーセントジュースの公表を伴う必要がないことを除いて、「100パーセントジュース」およびジュースの可溶性固形物の減少をもたらさない、または圧搾されたジュースの場合、体積の変化をもたらさない非ジュース成分を含有する飲料は、100パーセントジュースの公表が、成分の告知を有していないラベルのパネルに表示される場合、「 が添加」という語句を伴わなければならない、この空白は、必要に応じて、「成分」、「保存料」、または「甘味料」などの用語で満たされる(例えば、「甘味料が添加された100%ジュース」)。その結果、果物または野菜に由来する固形物は、ジュース、果物、または野菜の識別の基準内に含まれる成分であるので、本発明の特定の実施の形態のジュース飲料は、「100パーセントジュース」と表示付けられる。固形物のいくつかが、典型的に、ジュース中に見られない場合、本発明の特定の実施の形態のジュース飲料は、地域法および地方条例に従って、「100パーセント果物」、または「100パーセント野菜」と表示付けられる。
【0069】
特定の実施の形態によれば、共製品のタイプと量は、丸ごと摂取した場合に同じ果物または野菜により供給される栄養素の全てと少なくとも同じくらいを含む完成した飲料製品を提供するために、ジュースに加えられるように選択される。例えば、丸ごとの皮を剥いたオレンジは、通常、約3グラムの繊維を含むのに対し、非濃縮還元オレンジジュースの8オンス(約240cc)のグラスは、通常、1グラム未満の繊維しか含まない。このように、本発明のある実施の形態によれば、少なくとも3グラムの繊維を含有する最終飲料を提供するために十分な共製品(オレンジジュース抽出副産物から得た)が加えられる非濃縮還元オレンジジュースを含むジュース飲料が調製される。
【0070】
本発明の実施の形態による飲料製品の利点は、その製品が、丸ごとの果物および/または野菜に含まれる栄養素と同じレベルか非常に近いレベル、または丸ごとの果物および/または野菜に含まれる植物性栄養素の場合には、それより高いレベルを含むが、いくつかの新鮮な果物または野菜の場合の数日とは対照的に、ある場合には、数週間または数ヶ月の保存寿命に亘り;低温殺菌プロセスのためにそれほど傷みやすくなく、どのような追加の準備も必要なく、例えば、皮むき、切断、調理などが必要なく、摂取するのに都合よいいことである。
【0071】
非濃縮還元(NFC)ジュースは、その新鮮な味と栄養プロファイルなどの数多くの理由のために、消費者に人気がある。これらのNFCジュースも、識別基準の特定の規格を満たさなければならない。これらの基準の中に、ブリックスの最小値およびブリックス対酸の比率の最小値がある。例えば、米国食品医薬品局は、そのようなオレンジジュースなどのジュースの規格を設定した。この点に関して、ここに引用する連邦規則集21巻のセクション146.140には、完成した低温殺菌オレンジジュースは、どのような添加甘味成分の固形物も除いて、オレンジジュースの可溶性固形物を10.5質量パーセント以上含有しなければならないと述べられている。このFDAの規則には、100mlのジュース当たりブリックス対クエン酸のグラム数の比が10対1の比以上であることがさらに述べられている。ジュース産業では、低温殺菌オレンジジュースまたは濃度100%のオレンジジュースに関するこれらの基準を、NFCオレンジジュースに適用されるものとして認識している。識別基準のこれらの規格が、NFCオレンジジュースまたは低温殺菌された濃度100%のオレンジジュースに関してここに使用されることが理解されよう。識別基準の規格のこの同じ概念が、他の低温殺菌された濃度100%のジュースに同様に適用される。特定の実施の形態において、本発明によるジュース飲料は、必要に応じて、NFCジュースの基準を満たす。
【0072】
特定の実施の形態において、1種類以上の果物および/または野菜に由来する液体およびその液体の供給源とは異なる1種類以上の果物および/または野菜に由来する固形物を含むジュース飲料が提供される。果物および野菜に由来するジュースが、本発明の実施の形態による組成物に、主要栄養素、微量栄養素、またはそれらの組合せを提供することが都合よい。前記共製品はジュース飲料に繊維を提供し、これにより、典型的なジュース飲料と比べて、飲料の摂取後の満腹感が大きくなり得、ジュースに対して丸ごとの果物を食べることの全体的な栄養上の利点をよりよく模倣することができる。
【0073】
栄養特性および官能特性を提供するために、ジュース飲料の大部分としての安価な液体の共製品との組合せを含む経済的なジュース飲料を提供することも、本発明の特定の態様の利点である。
【0074】
特定の実施の形態において、そのジュース飲料は、約3度と約16度の間のブリックスを有する低炭水化物または低糖飲料である。ここに用いたように、「ブリックス」という用語は、液体100ミリリットル当たりのグラムで表された、ショ糖の質量パーセントを称する。他の実施の形態において、前記ジュース飲料は、約4度と約12度の間、または約5度と約9度の間、または約6度と約8度の間のブリックスを有する。本発明の特定の態様において、前記ジュース飲料は、一杯8オンス(約240cc)当たり100カロリー未満を提供する。本発明のある実施の形態において、ジュース飲料は、一杯8オンス(約240cc)当たり80カロリー未満、または一杯8オンス(約240cc)当たり70カロリー未満、または一杯8オンス(約240cc)当たり60カロリー未満、または一杯8オンス(約240cc)当たり50カロリー未満を提供する。
【0075】
1種類以上の果物、1種類以上の野菜、およびそれらの組合せに由来する液体が、ここに開示されたジュース飲料における基本成分であり、典型的に、残りの成分がその中に溶解する、乳化される、懸濁される、または分散されるビヒクルまたは主要液状部分である。ここに開示された飲料製品の少なくとも特定の例示の実施の形態に使用するのに適した液体の例としては、果物ジュース、野菜ジュース、およびベリージュースが挙げられる。液体は、濃度100%のジュース、NFCジュース、100%純粋なジュース、濃縮ジュース、漿液(serum)、浄化ジュース、果物または野菜の水、浄化漿液の形態、または他の適した形態で本発明に用いることができる。ここに用いた「浄化」は、濾過または遠心分離を使用して固体物質が除去された液体を称する。一般に、濾過は、直径0.1マイクロメートルほど小さい固体物質の除去を含む。ここに用いた「漿液」という用語は、果物または野菜などの植物の流体の薄い透明部分を称する。ここに用いた「水」という用語は、果物または野菜から抽出された透明液体を称する。ここに用いた「ジュース(juice)」という用語は、濃度100%の果物ジュース(ベリーを含む)または野菜ジュース、並びに濃縮物、乳、および他の形態を含む。異なる果物および/または野菜に由来する多数の液体を組み合わせて、所望の栄養素を有するジュース飲料を生成することができる。
【0076】
代わりの実施の形態において、100%ジュースではないジュース飲料を調製してもよい。例えば、ジュース飲料は濃縮還元(FC)ジュースを含んでもよく、これは、水を除去するために以前に濃縮され、次いで、ジュースのタイプに応じて、少なくとも最小の規定ブリックスを提供するために希釈されたジュースである。例えば、オレンジジュースは、11.8の最小ブリックスレベルを有さなければならず、一方で、グレープフルーツジュースは、10.0の最小ブリックスレベルを有さなければならない。さらに別の実施の形態は、減カロリー、ライト、または低カロリージュースを含むジュース飲料を含む。そのような飲料は、一般に、ジュース、添加水、および大抵、非栄養性甘味料などの、所望の味を提供するための他の添加成分を含む。
【0077】
適切な仕上機(finisher)が、Brown International Corporation(フロリダ州、ウィンターヘブン所在)またはJBT Corporation(イリノイ州、シカゴ所在)から得られる。ジュース抽出副産物から種子を分離するためにも、仕上機が使用される。この仕上スクリーンは、必要に応じて、典型的な円形開口を備える代わりに、縦方向に向けられたスロット型開口を備えるように改良されている。縦方向に1から5インチ(約2.5から12.5cm)の長さおよび幅方向の1/16から1/4インチ(約1.7から6.3mm)に及ぶスロットを使用することができる。そのようなスロット形状が、予期せずに、ジュース抽出副産物の残りからの種子並びに皮片の分離収率を改善することができ、また除去プロセス中の種子への損傷を最小にすることが発見された。このような種の取除きは、種抜き搾りかすを回収する収率を25〜40%から70〜95%に改善した。重要なことには、種子へのどんな損傷も、苦味化合物などの望ましくない化合物を種子から放出することになり得る。縦方向に向けられたスロット開口を備えた仕上スクリーンの使用により、皮と種子の合計量が0.01質量%と2.0質量%の間、または0.01質量%と1.0質量%の間である柑橘類のジュース抽出副産物から得られた共製品を得ることができる。
【0078】
本開示によるジュース飲料および他のジュース飲料製品は、数多くの異なる特定の配合または構成のいずれを有してもよいことを理解すべきである。一般に、本開示によるNFCおよび/または100%の果物または野菜飲料は、一般に、果物または野菜のみの液体および果物または野菜のジュース抽出副産物から得られる共製品から実質的になる。本開示による飲料製品の配合は、製品の意図する市場区分、所望の栄養特徴、味プロファイルなどの要因に応じて、ある程度、変動しても差し支えない。
【0079】
例えば、一般に、特に、ジュース飲料が識別の特定の規格を満たす必要がない場合、下記に記載された飲料配合のいずれかを含む、特定の飲料の実施の形態の配合にさらに別の成分を添加することが選択肢である。追加の(すなわち、それ以上のおよび/または他の)甘味料を添加してよく、味、口当たり、栄養特徴などを変えるために、香味料、含有物(例えば、果物片または野菜片、繊維、エン麦粉またはナッツ)、電解質、ビタミン、タンパク質、安定剤、植物性栄養素、機能成分、味物質(tastants)、マスキング剤など、調味料、および/または炭酸を、典型的に、そのような任意の配合に添加しても差し支えない。
【0080】
ジュース飲料が100%ジュースではないまたは濃縮物からのものである実施の形態において、水が、代わりに、残りの成分を中に含むビヒクルまたは主要液状部分であってもよい。精製水を、ここに開示された飲料の特定の実施の形態の製造に使用して差し支えなく、飲料の味、臭い、または見た目に悪影響を及ぼさないように、標準的な飲料品質の水を使用することができる。その水は、典型的に、透明、無色、好ましくないミネラル、味および臭いを含まず、有機物を含まず、アルカリ度が低く、飲料の製造時に適用される業界および政府の基準に基づいて許容される微生物学的品質のものである。特定の実施の形態において、水は、飲料の約1質量%から約99.9質量%までのレベルで存在する。少なくとも特定の例示の実施の形態において、ここに開示された飲料および濃縮物に使用される水は「処理水」であり、これは、例えば、米国特許第7052725号明細書に開示されたようなカルシウムを随意的に補給する前に、水の総溶解固形物を減少させるために処理された水を称する。処理水を製造する方法が、当業者に公知であり、中でも、脱イオン化、蒸留、濾過および逆浸透(「r−o」)を含む。「処理水」、「精製水」、「脱塩水」、「蒸留水」、「r−o水」という用語は、この議論においては一般に同義であると理解され、実質的に全てのミネラル含有分が除去された、典型的に、約500ppm以下の総溶解固形物、例えば、250ppmの総溶解固形物を含有する水を称する。
【0081】
ここに開示された飲料に使用される酸は、例えば、抗酸化活性を提供する、飲料の味に酸味を与える、美味しさを向上させる、喉の渇きを癒す効果を増す、甘さを変更する、および微生物安定性を提供することによって穏やかな保存料として働くことを含む、いくつかの機能の任意の1つ以上を果たすことができる。一般に「ビタミンC」と称されるアスコルビン酸が、しばしば、消費者にビタミンを提供するためにも飲料における酸味料として利用される。任意の適切な食用酸、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、アスコルビン酸、乳酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸および/またはアジピン酸を使用してよい。
【0082】
その酸は、固体または溶液形態で、飲料の所望のpHを提供するのに十分な量で使用できる。典型的に、例えば、酸味料の1種類以上の酸は、使用される酸味料、所望のpH、使用される他の成分などに応じて、合計で、飲料の約0.01質量%から約1.0質量%、例えば、飲料の0.1質量%から0.25質量%などの飲料の約0.05質量%から約0.5質量%の量で使用される。飲料濃縮ゲル中の酸の量は、その飲料濃縮ゲルの約1.0質量%から約2.5質量%、または約1.5質量%と約2.0質量%の間に及んでよく、もしくは約1.8質量%であってよい。本発明の特定の実施の形態において、飲料組成物中に含まれる酸の全ては、クエン酸により提供してもよい。
【0083】
ここに開示された飲料の少なくとも特定の例示の実施の形態のpHは、2.5から4.0の範囲内の値であり得る。特定の例示の実施の形態における酸は、飲料の風味を向上させることができる。酸が多すぎると、飲料の風味を損ない、酸っぱさまたは他の異味となり得る一方で、酸が少なすぎると、飲料の味がぼやけ、製品の微生物安全性が低減し得る。本開示の恩恵を考えると、ここに開示された飲料製品の任意の特定の実施の形態の酸味料成分に、適切な酸または酸の組合せおよびそのような酸の量を選択することは、当業者の能力に含まれる。
【0084】
ここに開示された飲料の様々な実施の形態に使用するのに適した甘味料は、栄養性および非栄養性、天然および人工すなわち合成の甘味料を含む。ここに開示された飲料の少なくとも特定の例示の実施の形態において、甘味料成分としては、リンゴ、チコリ、ハチミツなど、例えば、異性化糖、転化糖、メープルシロップ、メープルシュガー、ハチミツ、黒砂糖糖蜜、例えば、マイルドモラセス、ダークモラセス、黒糖蜜、および砂糖大根糖蜜などのサトウキビ糖蜜、サトウモロコシシロップ、ラカンカ濃縮ジュースおよび/または他のものなどの天然源からのスクロース、液体スクロース、フルクトース、液体フルクトース、グルコース、液体グルコース、果糖ブドウ糖液糖などの栄養性の天然結晶質または液体甘味料が挙げられる。典型的に、そのような甘味料は、約15から約25質量%などの、約0.5質量%から約35質量%の量で飲料濃縮ゲル中に存在する。さらに、そのような甘味料は、飲料の甘味料の所望のレベルに応じて、約6質量%から約16質量%などの、完成飲料の約0.1質量%から約20質量%の量で存在する。所望の飲料の均一性、テキスチャーおよび味を達成するために、ここに開示された天然飲料製品の特定の例示の実施の形態において、飲料業界で一般に用いられている標準的な液糖を使用することができる。典型的に、そのような標準的な甘味料は、飲料の風味、色または粘稠度に悪影響を及ぼし得る微量の非糖固形物を含まない。
【0085】
適切な非栄養性甘味料および甘味料の組合せが、所望の栄養特徴、飲料の味プロファイル、口当たりおよび他の官能要因のために選択される。少なくとも特定の例示の実施の形態に適した非栄養性甘味料の例としては、以下に限られないが、ペプチド系甘味料、例えば、アスパルテーム、ネオテーム、およびアリテーム、および非ペプチド系甘味料、例えば、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、およびスクラロースが挙げられる。特定の実施の形態において、甘味料はアセスルファムカリウムを含む。少なくとも特定の例示の実施の形態に適した他の非栄養性甘味料の例としては、ステビア(Stevia rebaudiana)抽出物、レバウディオサイドA、レバウディオサイドD、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、グリチルリチン、D−タガトース、エリトリトール、メソ・エリトリトール、マルチトール、マルトース、ラクトース、フラクトオリゴ糖、ラカンカ粉末、キシロース、アラビノース、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、およびリボース、並びにタウマチン、モネリン、ブラゼイン、L−アラニンおよびグリシンなどのタンパク質甘味料、関連する化合物、およびそれらの任意のものの混合物が挙げられる。ラカンカ、ステビア抽出物、レバウディオサイドA、およびモナチン並びに関連する化合物は、天然の非栄養性の強力な甘味料である。
【0086】
非栄養性の高効力の甘味料は、典型的に、その甘味力、飲料を売り込むべき国の任意の適用される規制対策、飲料の甘味の所望のレベルなどにしたがって、飲料の液量オンス(29.57cc)当たりミリグラムのレベルで使用される。本開示の恩恵を考えると、ここに開示された飲料製品の様々な実施の形態に使用するための適切な追加のまたは代わりの甘味料を選択することは、当業者の能力に含まれる。
【0087】
ここに開示された飲料の特定の実施の形態において、保存料を使用してもよい。すなわち、特定の例示の実施の形態は、随意的な溶解した保存料系を含有する。4.6未満のpHを有する溶液、特にpH3未満の溶液は、典型的に、「微生物安定性(microstable)」である、すなわち、それらの溶液は、微生物の成長に抵抗し、それゆえ、さらに別の保存料を必要とせずに、摂取前の長期間の貯蔵に適している。しかしながら、所望であれば、追加の保存料系を使用しても差し支えない。さらに、酸度の低いジュース飲料の実施の形態は、一般に、保存料系を含む。保存料系を使用する場合、保存料系は、製造中の任意の適切な時に、例えば、ある場合には、甘味料の添加前に、飲料製品に添加することができる。ここに用いたように、「保存料系」または「保存料」という用語は、制限するものではなく、安息香酸、安息香酸塩、例えば、安息香酸ナトリウム、カルシウムおよびカリウム、ソルビン酸塩、例えば、ソルビン酸ナトリウム、カルシウムおよびカリウム、クエン酸塩、例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸カリウム、ポリリン酸塩、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ラウリルアルギネートエステル(lauryl arginate ester)、桂皮酸、例えば、桂皮酸ナトリウムおよびカリウム、ポリリシン、および抗菌性精油、二炭酸ジメチル、およびそれらの混合物、並びにアスコルビン酸、EDTA、BHA、BHT、TBHQ、EMIQ、デヒドロ酢酸、エトキシキン、ヘプチルパラベンなどの抗酸化剤、およびそれらの組合せなどの公知の化学保存料を含む食品組成物および飲料組成物への使用が認可された全ての適切な保存料を含む。
【0088】
保存料は、適用される法律および規則の下で指定された最大レベルを超えない量で使用できる。使用される保存料のレベルは、典型的に、計画された最終製品のpH、並びに特定の飲料配合物の微生物腐敗可能性の評価にしたがって、調節される。使用される最大レベルは、典型的に、飲料の約0.05質量%である。本開示の恩恵を考えると、本開示による飲料のために適切な保存料または保存料の組合せを選択することは、当業者の能力に含まれる。本発明の特定の実施の形態において、飲料製品の保存料として、飲料濃縮ゲルの0.1質量%未満の量などで、ソルビン酸またはその塩(ソルビン酸塩)を使用してよい。
【0089】
そのまま飲める(ready-to-drink)飲料などの、ここに開示された飲料製品の少なくとも特定の例示の実施の形態に適した飲料を保存する他の方法は、例えば、高温充填およびトンネル低温殺菌などの、無菌包装および/または熱処理または熱加工工程を含む。そのような工程を使用して、飲料製品における酵母、カビおよび微生物の成長を低減することができる。例えば、Braun等の米国特許第4830862号明細書には、果汁飲料の製造における低温殺菌の使用、並びに炭酸飲料における適切な保存料の使用が開示されている。Kastinの米国特許第4925686号明細書には、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムを含有する加熱殺菌した凍結可能な果汁組成物が開示されている。一般に、熱処理は、典型的に、短期間に亘る高温、例えば、10秒間に亘り約190°F(約88℃)を使用した高温充填法、典型的により長い時間に亘りより低温、例えば、10〜15分間に亘る約160°F(約71℃)を使用したトンネル低温殺菌法、および典型的に、例えば、高圧、すなわち、1気圧超の圧力で3〜5分間に亘り約250°F(約121℃)を使用したレトルト法を含む。
【0090】
ここに開示された飲料製品は、必要に応じて、香料組成物、例えば、天然と合成の果物香料、植物香料、他の香料、およびそれらの混合物を含有する。ここに用いたように、「果物香料」という用語は、一般に、種子植物の食用生殖部分に由来する香料を称する。甘い果肉が種子に関連するもの、例えば、バナナ、トマト、クランベリーなどと、小さい多肉質のベリーを有するものの両方が含まれる。ベリーという用語は、集合体の果物、すなわち、「本物の」ベリーではないが、通常、ベリーとして受け入れられているものを含むためにここに使用されている。天然源由来の果物香料をシミュレーションするために合成により調製された香料も、「果物香料」という用語に含まれる。適切な果物またはベリー源の例としては、ベリー全体またはその部分、ベリージュース、ベリー濃縮ジュース、ベリーピューレおよびそのブレンド、乾燥ベリー粉末、乾燥ベリージュース粉末などが挙げられる。
【0091】
例示の果物香料としては、柑橘類香料、例えば、オレンジ、レモン、ライムおよびグレープフルーツ、並びにリンゴ、ザクロ、ブドウ、チェリー、およびパイナップル香料などの香料、およびそれらの混合物が挙げられる。特定の例示の実施ジュースの形態において、飲料濃縮物および飲料は、果物香料成分、例えば、濃縮ジュースまたはジュースを含む。ここに用いたように、「植物香料」という用語は、果物以外の植物の部分に由来する香料を称する。それゆえ、植物香料は、ナッツ、樹皮、根および葉の精油および抽出物に由来する香料を含み得る。天然源由来の植物香料をシミュレーションするために合成により調製された香料も、「植物香料」という用語に含まれる。そのような香料の例としては、コーラ香料、お茶香料などと、それらの混合物が挙げられる。香料成分は、上述した香料のブレンドをさらに含んで差し支えない。本発明の飲料に香料の特徴を与えるのに有用な香料成分の特定の量は、選択される香料、望ましい香料の印象、および香料成分の形態に依存する。本開示の恩恵を考えると、当業者には、所望の香料の印象を達成するために使用される任意の特定の香料成分の量を容易に決定できるであろう。
【0092】
ここに開示された飲料製品の少なくとも特定の例示の実施の形態に使用するのに適した他の香味料の例としては、ミント、桂皮、クローヴ、シナモン、コショウ、生姜、バニラスパイス香味料、カルダモン、コリアンダー、ルートビア、サッサフラス、朝鮮人参などのスパイス香味料が挙げられる。少なくとも特定の例示の実施の形態に使用するのに適した数多くの追加のおよび代わりの香味料が、本開示の恩恵を考えると、当業者には明白であろう。香味料は、抽出物、含油樹脂、濃縮ジュース、瓶詰め業者のベース、または当該技術分野において公知の他の形態にあってよい。少なくとも特定の例示の実施の形態において、そのようなスパイスまたは他の香料は、ジュースまたはジュースの組合せの香料を引き立たせる。
【0093】
1種類以上の香味料をエマルジョンの形態で使用して差し支えない。香味料エマルジョンは、香味料のいくつかまたは全てを、必要に応じて飲料の他の成分と共に、乳化剤と混合することによって調製することができる。この乳化剤は、香味料を一緒に混合するときにまたはその後に加えてもよい。特定の例示の実施の形態において、乳化剤は水溶性である。例示の適した乳化剤としては、アカシアゴム、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース、トラガカント、ガティガム(gum ghatti)および他の適切なゴムが挙げられる。追加の適切な乳化剤は、本開示の恩恵を考えると、飲料配合物の当業者にとって明白であろう。例示の実施の形態における乳化剤は、香味料および乳化剤の混合物の約3%超を構成する。特定の例示の実施の形態において、乳化剤は、混合物の約5%から約30%である。
【0094】
例えば、ネクター飲料、ジュースドリンク、およびフローズン・スラッシュ飲料などの、ここに開示された飲料の特定の例示の実施の形態に泡立ちを与えるために、二酸化炭素を使用することができる。飲料に炭酸を含ませるための当該技術分野に公知の技法および炭酸化装置のいずれのものを使用しても差し支えない。二酸化炭素は、飲料の味と見た目を向上させ、好ましくない細菌を抑制し破壊することによって、飲料の純度を守るのに役立つことができる。特定の実施の形態において、例えば、飲料は、約7.0体積までの二酸化炭素のCO2レベルを有する。典型的な実施の形態は、例えば、約0.5から5.0体積の二酸化炭素を有するであろう。ここと、独立請求項に用いられるように、1体積の二酸化炭素は、60°F(16℃)の温度および大気圧で、任意の所定の量の水により吸収される二酸化炭素の量として定義される。気体の体積は、その気体を吸収する水が占めるのと同じ空間を占める。二酸化炭素含量は、泡立ちの所望のレベルおよび飲料の味または口当たりへの二酸化炭素の影響に基づいて、当業者が選択することができる。炭酸化は、天然であっても、合成であっても差し支えない。
【0095】
ここに開示されたジュース飲料は、一般に、飲料配合物中に典型的に見つかるもののいずれをも含む、追加の成分を含有してもよい。そのような追加の成分の例としては、以下に限られないが、塩、カフェイン、カラメルおよび他の着色料、または染料、消泡剤、ガム、乳化剤、お茶固形分、濁り成分、並びにミネラルおよび非ミネラル栄養補助物質が挙げられる。非ミネラルの栄養補給成分の例が、当業者に知られており、その例としては、ビタミンA、D、E(トコフェロール)、C(アスコルビン酸)、B1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B3(ニコチンアミド)、B4(アデニン)、B5(パントテン酸、カルシウム)、B6(ピリドキシンHCl)、B12(シアノコバラミン)、およびK1(フィロキノン)、ナイアシン、葉酸、ビオチン、並びにそれらの組合せが挙げられる。随意的な非ミネラル栄養補給物質は、典型的に、良好な製造慣例の下で一般に許容される量で存在する。RDVが確立されている場合には、例示の量は、約1%から約100%のRDVの間である。特定の実施の形態において、非ミネラル栄養補給成分は、確立されている場合、約5%から約20%のRDVの量で存在する。
【0096】
特許請求の範囲にかかわらず、本発明は、以下の条項によっても定義される。
【0097】
条項1:飲料において、
ジュース、および
ジュース抽出からの共製品であって、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する共製品、
を有してなる飲料。
【0098】
条項2:前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品を含む、条項1の飲料。
【0099】
条項3:前記ジュースがオレンジジュースを含む、条項1または2の飲料。
【0100】
条項4:前記飲料が一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維を含む、条項1〜3いずれかの飲料。
【0101】
条項5:前記飲料が一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含む、条項1〜4いずれかの飲料。
【0102】
条項6:前記共製品が約6質量%と約20質量%の間の繊維を含み、該共製品の繊維が不溶性繊維と可溶性繊維の両方を含む、条項1〜5いずれかの飲料。
【0103】
条項7:前記共製品の繊維が、約1:2の可溶性繊維対不溶性繊維の比を有する、条項6の飲料。
【0104】
条項8:前記共製品が1マイクロメートルと250マイクロメートルの数平均粒径を有する、条項1〜7いずれかの飲料。
【0105】
条項9:前記共製品が、該共製品100グラム当たり少なくとも20ミリグラムのビタミンCを含む、条項1〜8いずれかの飲料。
【0106】
条項10:前記共製品が、ハムリンオレンジの搾りかすの共製品、バレンシアオレンジの搾りかすの共製品、ペラオレンジの搾りかすの共製品、ネーブルオレンジの搾りかすの共製品、パーソンブラウンオレンジの搾りかすの共製品、カラオレンジの搾りかすの共製品、パイナップルオレンジの搾りかすの共製品、またはそれらの組合せを含む、条項2の飲料。
【0107】
条項11:前記共製品が0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、条項1〜10いずれかの飲料。
【0108】
条項12:前記飲料が、非濃縮還元オレンジジュース、柑橘類の搾りかすの共製品、および少なくとも1種類の添加香料から実質的になる、条項1〜11いずれかの飲料。
【0109】
条項13:前記ポリフェノールが、ヘスペリジン、リモニン、ナリルチン、ノビレチン、ジジミン、シネンセチン、タンゲレチン、ノミリン、またはそれらの任意のものの組合せを含む、条項1〜12いずれかの飲料。
【0110】
条項14:前記飲料が、20℃でブルックフィールド粘度計を用いて測定して、約300センチポアズと約3000センチポアズの間の粘度を有する、条項1〜13いずれかの飲料。
【0111】
条項15:前記共製品が、オレンジ、リンゴ、グレープフルーツ、レモン、ライム、ブドウ、クランベリー、ブルーベリー、モモ、西洋ナシ、パイナップル、トマト、イチゴ、タンジェリン、マンダリンオレンジ、タンジェロ、ザボン、セロリ、ビート、レタス、ホウレン草、キャベツ、チョウセンアザミ、ブロッコリ、芽キャベツ、カリフラワー、クレソン、エンドウ豆、豆、レンズ豆、アスパラガス、タマネギ、ニラネギ、コールラビ、大根、カブ、ルタバガ、ダイオウ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、ナス、バナナ、グアバ、アプリコット、スイカ、サスカトゥーンベリー、プレインズベリー、プレイリーベリー、マルベリー、エルダーベリー、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、チョークチェリー、ナツメヤシ、ココナッツ、オリーブ、ラズベリー、イチゴ、ハックルベリー、ローガンベリー、スグリ、デューベリー、ボイゼンベリー、キウイ、チェリー、ブラックベリー、マルメロ、クロウメモドキ、パッションフルーツ、リンボク、ナナカマド、グーズベリー、ザクロ、柿、マンゴ、パパイヤ、ライチ、プラム、プルーン、イチジク、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される果物または野菜のジュース抽出副産物を含む、条項1〜14いずれかの飲料。
【0112】
条項16:飲料を製造する方法において、
共製品を調製する工程であって、
ジュース抽出から副産物を得ること、
前記副産物から種子を除去すること、
微粉砕、均質化、およびそれらの組合せによって前記副産物の粒径を減少させること、および
前記共製品を低温殺菌すること、
を含む、工程と、
前記共製品をジュースに加える工程と、
を有してなり、前記共製品が、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、方法。
【0113】
条項17:前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品である、条項16の方法。
【0114】
条項18:前記種子が前記副産物から機械的に除去される、条項16または17の方法。
【0115】
条項19:前記ジュースがオレンジジュースを含む、条項16〜18いずれかの方法。
【0116】
条項20:飲料において、
5質量%と90質量%の間のジュース、
添加水、
少なくとも1種類の非栄養性甘味料、
少なくとも1種類の香料、および
ジュース抽出からの共製品であって、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する共製品、
を有してなり、
約5ブリックスと約9ブリックスの間のブリックスを有する飲料。
【0117】
条項21:前記ジュースがオレンジジュースを含み、前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品を含む、条項21の飲料。
【0118】
条項22:前記飲料が、20〜60%のジュース、40〜80%の水、および5〜25%の共製品を含む、条項20または21の飲料。
【0119】
条項23:前記飲料が一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維を含む、条項20〜22いずれかの飲料。
【0120】
条項24:前記飲料が一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含む、条項23の飲料。
【0121】
条項25:前記共製品が約6質量%と約15質量%の間の総繊維を含み、該共製品の繊維が不溶性繊維と可溶性繊維の両方を含む、条項20〜24いずれかの飲料。
【0122】
条項26:前記繊維が、約1:2の可溶性繊維対不溶性繊維の比を有する、条項25の飲料。
【0123】
条項27:前記共製品が1マイクロメートルと250マイクロメートルの数平均粒径を有する、条項20〜26いずれかの飲料。
【0124】
条項28:前記共製品が、該共製品100グラム当たり少なくとも20ミリグラムのビタミンCを含む、条項21の飲料。
【0125】
条項29:前記共製品が、ハムリンオレンジの搾りかすの共製品、バレンシアオレンジの搾りかすの共製品、ペラオレンジの搾りかすの共製品、ネーブルオレンジの搾りかすの共製品、パーソンブラウンオレンジの搾りかすの共製品、カラオレンジの搾りかすの共製品、パイナップルオレンジの搾りかすの共製品、またはそれらの組合せを含む、条項20〜28いずれかの飲料。
【0126】
条項30:前記共製品が0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、条項20〜29いずれかの飲料。
【0127】
条項31:前記飲料が、約50センチポアズと約1500センチポアズの間の粘度を有する、条項20〜30いずれかの飲料。
【0128】
条項32:飲料において、
水、
少なくとも1種類の甘味料、
少なくとも1種類の酸味料、
少なくとも1種類の香料、
少なくとも1種類の着色料、および
ジュース抽出からの共製品であって、0.1マイクロメートルと2000マイクロメートルの間の数平均粒径、少なくとも2500ppmの総ポリフェノール含量、70質量%と85質量%の間の含水率、および0.01質量%と20質量%の間の皮と種子の合計含量を有する共製品、
を有してなる飲料。
【0129】
条項33:前記共製品が柑橘類の搾りかすの共製品を含む、条項32の飲料。
【0130】
条項34:前記飲料が65〜95%の水および5〜25%の共製品を含む、条項32または33の飲料。
【0131】
条項35:前記飲料が一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも2.5グラムの繊維を含む、条項32〜34いずれかの飲料。
【0132】
条項36:前記飲料が一杯8オンス(約240cc)当たり少なくとも5グラムの繊維を含む、条項35の飲料。
【0133】
条項37:前記共製品が約6質量%と約15質量%の間の総繊維を含み、該共製品の繊維が不溶性繊維と可溶性繊維の両方を含む、条項32〜36いずれかの飲料。
【0134】
条項38:前記繊維が、約1:2の可溶性繊維対不溶性繊維の比を有する、条項37の飲料。
【0135】
条項39:前記共製品が1マイクロメートルと250マイクロメートルの数平均粒径を有する、条項32〜38いずれかの飲料。
【0136】
条項40:前記共製品が、該共製品100グラム当たり少なくとも20ミリグラムのビタミンCを含む、条項33の飲料。
【0137】
条項41:前記共製品が、ハムリンオレンジの搾りかすの共製品、バレンシアオレンジの搾りかすの共製品、ペラオレンジの搾りかすの共製品、ネーブルオレンジの搾りかすの共製品、パーソンブラウンオレンジの搾りかすの共製品、カラオレンジの搾りかすの共製品、パイナップルオレンジの搾りかすの共製品、またはそれらの組合せを含む、条項33の飲料。
【0138】
条項42:前記共製品が0.01質量%と2質量%の間の皮と種子の合計含量を有する、条項33の飲料。
【0139】
条項43:前記飲料が、約10センチポアズと約90センチポアズの間の粘度を有する、条項32〜42いずれかの飲料。
【実施例1】
【0140】
ハムリンオレンジおよびバレンシアオレンジの両方に関するオレンジの搾りかすの共製品により提供される栄養素の典型的な量を、オレンジが成長するワンシーズンの過程に亘り実験的に決定した。そのオレンジの搾りかすの共製品は、オレンジの搾りかすから非食用材料を除去し、約250マイクロメートル未満の数平均粒径が達成されるまでその搾りかすを微粉砕し、その搾りかすを均質化し、その搾りかすを低温殺菌することによって、調製した。この搾りかすのプリブレンドを、様々な翼形状および翼端速度(15から60Hzに及ぶ)を使用して微粉化した。次に、この微粉化/微粉砕した搾りかすのプリブレンドを、1200から2500psi(約8.3から17MPa)の圧力で均質化して、均一な粘稠度の均質で滑らかな製品を形成した。ハムリンオレンジとバレンシアオレンジに関する初期、最盛期および後期の各々の結果が、下記の表2に与えられている。
【0141】
【表2】
【実施例2】
【0142】
湿量基準のオレンジの搾りかすの共製品(実施例のプロセスにしたがって調製された)によりジュースの10質量パーセント、15質量パーセント、または20質量パーセントが置き換えられた、非濃縮還元オレンジジュース(NFC OJ)を含む3種類の100%果物製品を調製した。完成したジュース製品を、ブリックス、pH、滴定酸、粘度、および剪断速度について分析した。配合および測定した特徴が、下記の表3に示されている。
【0143】
それらの結果から、オレンジの搾りかすの共製品を添加すると、NFC OJに添加される共製品の量の10質量%から15質量%への増加により、測定粘度が340センチポアズから1147.5センチポアズへと3.375倍に増加したように、測定粘度がほぼ指数関数的に増加することが分かる。同様に、NFC OJに添加される共製品の量の10質量%から20質量%への増加により、測定粘度が340センチポアズから3454.2センチポアズへと10.16倍に増加した。オレンジの搾りかすの共製品の添加により、pHがわずかに減少し、ブリックスが増加し、滴定酸が増加した。
【0144】
【表3】
【実施例3】
【0145】
非濃縮還元オレンジジュース(NFC OJ)、水、甘味料、酸味料、ビタミン、および香料を含み、0、5、7.5、10、および15質量パーセントのオレンジの搾りかすの共製品を含有するネクタージュース飲料製品を調製した。このオレンジの搾りかすの共製品は、実施例のプロセスにしたがって調製した。完成したジュース製品を、ブリックス、pH、滴定酸、粘度、および剪断速度について分析した。配合および測定した特徴が、下記の表4に示されている。
【0146】
それらの結果から、ネクタージュース製品にオレンジの搾りかすの共製品の量を多く添加すると、ネクタージュース製品の測定粘度が増加することが分かる。搾りかすが添加されると、搾りかすは著しい「濁り(cloud)」をもたらすので、ネクター飲料の見た目は、より不透明(turbid)になるまたはかすむ(hazy)。その粘稠度も、搾りかすのレベルが増加するにつれて増し、例えば、より粘性でどろどろしたテキスチャーに見え、100%ジュースに似たより粘性の強い口当たりを有し、このネクターの栄養素含量も増加する。
【0147】
【表4】
【実施例4】
【0148】
水、甘味料、酸味料、香料、色素、濃縮還元オレンジジュース(FC OJ)および/またはオレンジの搾りかすの共製品を含む6種類のジュースドリンク飲料を調製した。このオレンジの搾りかすの共製品は、実施例のプロセスにしたがって調製した。具体的には、対照のジュースドリンク飲料については、20質量パーセントの濃度100%のオレンジジュースを提供するために、十分なFC OJが含まれ、5質量パーセント、10質量パーセント、または15質量パーセントのジュースがオレンジの搾りかすの共製品により置き換えられているジュースドリンク飲料を3種類製造した。さらに、20質量パーセントのジュース全てがオレンジの搾りかすの共製品により置き換えられた飲料を1種類調製し、ジュースが0%で5質量パーセントのオレンジの搾りかすの共製品を有する飲料を1種類調製した。完成したジュースドリンク飲料を、ブリックス、pH、滴定酸、粘度、および剪断速度について分析した。完全な配合および測定した特徴が、下記の表5に示されている。
【0149】
それらの結果から、オレンジの搾りかすの共製品を添加すると、測定粘度、剪断速度、酸度、ブリックス、およびpHの各々が増加することが分かる。ジュースドリンク飲料に添加される共製品の量を10質量%から15質量%に増やすと、測定粘度が16.1センチポアズから32.2センチポアズへと2倍に増加した。同様に、添加される共製品の量を10質量%から20質量%に増やすと、測定粘度が16.1センチポアズから84.6センチポアズへと5.37倍に増加した。約72質量パーセントの水を含有するジュースドリンク飲料へのオレンジの搾りかすの共製品の添加による測定粘度への影響は、NFC OJへのオレンジの搾りかすの共製品の添加による測定粘度への影響よりも著しく小さかった。搾りかすが加えられると、搾りかすは著しい「濁り」をもたらすので、ジュースドリンク飲料の見た目は、より不透明になるまたはかすむ。これらの飲料は、よりオレンジ色にもなる。飲料の見た目も、搾りかす材料が添加されたときに、「微粒子」または微細な搾りかす/果肉のレベルが増す。粘稠度も、搾りかすのレベルが増えるにつれて、増加する、例えば、より粘性でどろどろしたテキスチャーに見える。搾りかす材料を含有するジュースドリンクの口当たりも、より粘性であるように増加し、完成したジュースドリンクの全体の栄養も増す。
【0150】
【表5】
【実施例5】
【0151】
異なる量のオレンジの搾りかすの共製品の添加によるNFC OJの様々な特徴への影響を測定した。十分な量のオレンジの搾りかすの共製品をNFC OJのサンプルに添加して、最終的なジュースの一杯8オンス(約240cc)当たり0、1、2、3、4、5、6、および7グラムの繊維の各々を提供した。ブリックス、pH、酸、測定粘度、剪断速度、および沈降果肉の量への影響を測定し、それが下記の表6に示されている。
【0152】
表6から、オレンジの搾りかすの共製品を添加すると、ブリックス、沈降果肉、剪断速度、および粘度が増加する一方で、pHは変化しないか、または非常にわずかに増加し、酸の量は変化しないか、またはわずかに増加することが分かる。先の実施例4と同様に、測定粘度への添加されたオレンジの搾りかすの共製品の影響は、線形ではなく、むしろ、図1のグラフに示されるように、ほぼ指数関数的である。
【0153】
【表6】
【実施例6】
【0154】
ベース液体が、濃縮還元オレンジジュースまたは非濃縮還元オレンジジュースである、ジュース、ネクター、およびジュースドリンクを調製し、味見する。先の実施例と同様に、他のジュースへの共製品の添加により、完成した飲料に、知覚できる視覚効果および向上した口当たりが与えられる。
【実施例7】
【0155】
4ガロン(15.14リットル)のクランベリーの微細な搾りかすをクランベリージュースと混合した。この材料1部を4部の濃縮ジュースおよび水(16ガロン(約61リットル))と混合した。得られたスラリーに3工程の減少を施した。工程1では、125マイクロメートルの製品のための212084−1微細切断ヘッドを使用し、この工程により、クランベリー液の上部に約4インチ(約10cm)の「泡」が生じた。この結果は、クランベリーの「果皮」を含む微細なクランベリーの果肉の良好な減少を示した。
【0156】
工程2では、工程1の製品を、75マイクロメートルの製品のための21608−1微細切断ヘッドで処理した。工程2では、それほど多くの泡は生じなかった。この結果は、クランベリーの果肉の良好なさらなる減少がこの工程で行われたことを示した。
【0157】
工程3では、工程2の製品を、35マイクロメートルの製品のための216084微細切断ヘッドで処理した。この最後の工程では、ほとんど全く泡は生じなかった。この結果は、クランベリージュース/水におけるクランベリーの果肉の良好な最終的な減少を示した。
【実施例8】
【0158】
Brown Extractorを使用して、900ポンド(約408kg)のオレンジを搾った。桶内のジュースを収集し、縦方向のサイズが2インチ(約5cm)であり、幅方向のサイズが5/32インチ(約4mm)であり、センターが1/2インチ(約1.25cm)の長穴が開けられたスクリーンを備え、パドルピッチが3/8インチ(約9.4mm)のパドル・フィニッシャーに送った。桶内のジュースをポンプにより毎分23.4ガロン(約89リットル)の速度でパドル・フィニッシャーに送り込んだ。このパドルは、650rpmの回転速度に設定した。このジュースをパドル内で仕上げ、収集し、次いで、標準的なスクリュー・フィニッシャーに送った。この標準的なスクリュー・フィニッシャーは、1200rpmの速度に設定されており、0.020インチ(約0.5mm)のスクリーンを備え付えていた。この運転条件からのジュースおよび搾りかすは、標準的なスクリュー・フィニッシャーのみのプロセスからのもの以下のリモニンレベルを有することが分かった。種を除いた搾りかすの収率は74%であることが分かった。
【0159】
先の開示および例示の実施の形態の説明の恩恵を考えると、ここに開示された本発明の一般的な原理と調和しながら、数多くの代替の実施の形態および異なる実施の形態が可能であることが当業者には明白であろう。そのような様々な改変および代わりの実施の形態の全てが、本発明の本当の範囲および精神に含まれることが当業者に認識されるであろう。付随の特許請求の範囲は、そのような改変および代わりの実施の形態の全てに及ぶことが意図されている。本開示および以下の特許請求の範囲における単数形の使用は、特定の例において、その用語が、その特定の例において、具体的に1つおよび唯一を意味することが意図されていることが文脈から明らかではない限り、「少なくとも1つ」を意味する特許における慣習的な手法に従う。同様に、「含む(comprising)」という用語は、制限がなく、追加の項目、特徴、成分などを排除するものではない。
図1
図2A
図2B