【実施例】
【0175】
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、重合体の特性や物性の測定は、下記の方法により行った。
【0176】
〔(1):ブロック共重合体組成物の特性〕
<(1−1)ビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量>
一定量のブロック共重合体をクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)にて測定し、ビニル芳香族化合物成分(スチレン)に起因する吸収波長(262nm)のピーク強度から検量線を用いてビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
【0177】
<評価α:(1−2)重量平均分子量>
成分(a)及び成分(b)の重量平均分子量は、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、クロマトグラムのピークの分子量に基づいて、求めた。測定ソフトとしては、HLC−8320EcoSEC収集を用い、解析ソフトとしてはHLC−8320EcoSEC解析を用いた。(測定条件)
GPC ;HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
検出器 ;RI
検出感度 ;3mV/分
サンプリングピッチ;600msec
カラム ;TSKgel superHZM−N(6mmI.D×15cm)4本(東ソー株式会社製)
溶媒 ;THF
流量 ;0.6mL/分
濃度 ;0.5mg/mL
カラム温度 ;40℃
注入量 ;20μL
【0178】
<評価α:(1−3)重量平均分子量比>
重量平均分子量比(成分(b)/成分(a))は、上記で求めた成分(a)及び成分(b)の重量平均分子量から算出した。
【0179】
<評価α:(1−4)成分(a)及び成分(b)の含有量>
上記(1−2)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する分子量が最も低いピークの面積の割合を成分(a)の含有量とした。また、上記(1−2)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する分子量が成分(a)よりも高いピークの面積の割合を成分(b)の含有量とした。
【0180】
<評価α:(1−5)成分(b−1)、(b−2)、及び(b−3)の面積比>
成分(b)中において、成分(a)の重量平均分子量に対し1.5倍以上2.5倍未満にあるピークを成分(b−1)のピーク、成分(a)の重量平均分子量に対し2.5倍以上3.7倍未満にあるピークを成分(b−2)のピーク、成分(a)の重量平均分子量に対し3.7倍以上4.9倍未満にあるピークを成分(b−3)のピークとした。各ピーク間曲線の変曲点を垂直分割し、成分(b)の総面積に対する各分割面積の比を、それぞれの成分の面積比とした。成分(b−1)、(b−2)、及び(b−3)の各ピーク間変曲点については、EcoSEC波形分離ソフトを用いてガウシアン近似によるフィッティング処理によりピーク分割を行い、各ピークの交差する点を変曲点とした。垂直分割及び分割後各重量平均分子量の算出、面積比算出は、HLC−8320EcoSEC解析ソフトで行った。
【0181】
<評価β:(1−6)重量平均分子量>
成分(a)及び成分(b)の重量平均分子量は、後述の測定条件に基づき、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、クロマトグラムのピークの分子量に基づいて、求めた。水素添加したものについては、水素添加後ポリマーの分子量を測定した。まず、分子量20,000以上の範囲でピークトップ分子量が最も低く、且つブロック共重合体組成物の総ピーク面積に対して、後述のピーク分割によって算出される面積比が0.1以上を有する単独ピークを成分(a)とし、それより高い分子量範囲のピークすべてを成分(b)とした。成分(a),成分(b)の各重量平均分子量は、後述のシステム・ソフトにてGPC曲線各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求められる。ここで、成分(a)、(b)のピーク間変曲点は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。又最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステム・ソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各重量平均分子量及び面積比を算出した。
(測定条件)
GPC;ACQUITY APCシステム(日本ウォーターズ株式会社製)
システム(測定・解析)ソフト;Empower3
検出器;RI
屈折率単位振るスケール;500μRIU
出力フルスケール;2000mV
サンプリングレート;10ポイント数/sec
カラム;ACQUITY APC XT125(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT200(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT900(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT450(4.6mm×150mm);1本
溶媒;THF
流量;1.0mL/分
濃度;0.1mg/mL
カラム温度;40℃
注入量;20μL
【0182】
<評価β:(1−7)重量平均分子量比>
重量平均分子量比(成分(b)/成分(a))は、上記で求めた成分(a)及び成分(b)の重量平均分子量から算出した。
【0183】
<評価β:(1−8)成分(a)及び成分(b)の含有量>
上記(1−6)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する、成分(a)の面積の割合を成分(a)の含有量とした。また、上記(1−6)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する、分子量が成分(a)よりも高い分子量範囲のピークすべての面積の割合を成分(b)の含有量とした。
【0184】
<評価β:(1−9)成分(b−1)、(b−2)、及び(b−3)の面積比>
成分(b)中において、成分(a)の重量平均分子量に対し1.5倍以上2.5倍未満にあるピークトップがあるピークを成分(b−1)、成分(a)の重量平均分子量に対し2.5倍以上3.4倍未満にあるピークトップがあるピークを成分(b−2)、成分(a)の重量平均分子量に対し3.4倍以上4.5倍未満にあるピークトップがあるピークを成分(b−3)とした。成分(b)の総面積に対する、成分(b−1)、成分(b−2)、及び成分(b−3)の面積比および重量平均分子量さらに重量平均分子量比については、上述の装置、及び条件にてGPC測定後、同じく上述のシステム・ソフトにてGPC曲線各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求められる。ここで、成分(b−1)、(b−2)、及び(b−3)の各ピーク間変曲点は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。又最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステム・ソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各重量平均分子量、各重量平均分子量比、面積比を算出した。
【0185】
<(1−10)15質量%トルエン溶液粘度>
15質量%トルエン溶液粘度は、キャノン−フェンスケ粘度管を用いて、25℃の温度に管理された恒温槽中で測定した。
【0186】
<評価γ:(1−11)共役ジエン単量体単位中の平均ビニル結合量>
水素添加前のブロック共重合体組成物を用い、赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−230)を用いて、ハンプトン法により算出した。
【0187】
<評価δ:(1−12)共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量>
成分(a)及び成分(b)の共役ジエン単量体単位のビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、下記の条件で測定した。全ての反応終了後(水添ブロック共重合体については水添反応終了後)の反応液に、大量のメタノールを添加することで、ブロック共重合体を沈殿させて回収した。次いで、ブロック共重合体をアセトンで抽出し、抽出液を真空乾燥し、1H−NMR測定のサンプルとして用いた1H−NMR測定の条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM−LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
サンプル濃度 :50MG/ML
観測周波数 :400MHZ
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
ビニル結合量は、得られたピーク中の共役ジエン単量体単位に関わる全てのピーク(1,2−結合、3,4−結合、1,4−結合)合計面積に対する1,2−結合及び3,4−結合のピーク合計面積の比率により求めることができる。
【0188】
<(1−13)水素添加率>
ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、下記の条件で測定した。まず、水素添加反応後の反応液に、大量のメタノールを添加することで、ブロック共重合体を沈殿させて回収した。次いで、ブロック共重合体をアセトンで抽出し、抽出液を真空乾燥し、1H−NMR測定のサンプルとして用いた1H−NMR測定の条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM−LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
【0189】
〔(2):粘接着剤組成物の物性の測定〕
(粘接着組成物の作製・実施例1〜20、比較例1〜13)
実施例及び比較例のブロック共重合体組成物100質量部と、粘着付与剤としてアルコンM100(荒川化学工業(株)製)300質量部と、軟化剤としてダイアナプロセスオイルPW−90(出光興産(株)製)100質量部と、安定剤として2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート1質量部と、を混合し、180℃、50rpm、30分間、加圧型ニーダー(型式:DR0.5−3MB−E、株式会社モリヤマ)で溶融混練し、均一なホットメルト型粘接着剤組成物を得た。なお、実施例16,17,20、比較例12においては、本実施形態において用いるブロック共重合体以外のポリマーとして、クレイトンD1161(スチレン−イソプレン・ブロック共重合体;クレイトン・ポリマー社製)、クインタック3433N(スチレン−イソプレン・ブロック共重合体;日本ゼオン(株)社製)を併用した。
【0190】
(粘接着組成物の作製・実施例21〜29、比較例14〜18)
実施例及び比較例のブロック共重合体組成物100質量部と、粘着付与剤2としてクイントンR100(日本ゼオン(株)製)140質量部と、軟化剤2としてプロセスオイルNS−90S(出光興産(株)製)30質量部と、安定剤として2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート3質量部と、を混合し、190℃、50rpm、30分間、加圧型ニーダー(型式:DR0.5−3MB−E、株式会社モリヤマ)で溶融混練し、均一なホットメルト型粘接着剤組成物を得た。なお、実施例27においては、本実施形態において用いるブロック共重合体以外のポリマーとして、クレイトンD1161(スチレン−イソプレン・ブロック共重合体;クレイトン・ポリマー社製)、実施例28においては、タフテックH1221(水素添加スチレン−ブタジエン・ブロック共重合体;旭化成ケミカルズ(株)社製)、実施例29においては、クインタック3280(日本ゼオン(株)社製)を併用した。
【0191】
(粘接着組成物の作製・実施例30〜
34、参考例35、実施例36〜38、比較例19〜22)
実施例及び比較例のブロック共重合体組成物100質量部と、粘着付与剤2としてクイントンR100(日本ゼオン(株)製)200質量部と、軟化剤1としてダイアナプロセスオイルPW−90(出光興産(株)製)100質量部と、安定剤として2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート3質量部と、を混合し、185℃、50rpm、30分間、加圧型ニーダー(型式:DR0.5−3MB−E、株式会社モリヤマ)で溶融混練し、均一なホットメルト型粘接着剤組成物を得た。なお、実施例36においては、本実施形態において用いるブロック共重合体以外のポリマーとして、クレイトンD1161(スチレン−イソプレン・ブロック共重合体;クレイトン・ポリマー社製)、実施例37においては、クインタック3433N(日本ゼオン(株)社製)、実施例38においては、セプトン2063(水素添加スチレン−イソプレン・ブロック共重合体;(株)クラレ社製)を併用した。
【0192】
<(2−1)粘接着剤組成物の溶解性>
混合装置として用いた加圧型ニーダー(株式会社モリヤマ製 DR0.5−3MB−E型ニーダー)を用い、実施例1〜20、比較例1〜13においては粘接着剤組成物を160℃、50rpmで混練し、加圧型ニーダーの電流(A)の平均値が0.5A以内になった時間を溶解時間とした。
【0193】
また、実施例21〜29、比較例14〜18においては粘接着剤組成物を180℃、50rpmで混練し、加圧型ニーダーの電流(A)の平均値が0.5A以内になった時間を溶解時間とした。
【0194】
さらに、実施例30〜
34、参考例35、実施例36〜38、比較例19〜22においては粘接着剤組成物を170℃、50rpmで混練し、加圧型ニーダーの電流(A)の平均値が0.5A以内になった時間を溶解時間とした。
【0195】
溶解時間に基づいて、下記評価基準により粘接着剤組成物の溶解性を評価した。
(評価基準)
◎:溶解時間が15分未満
○:溶解時間が15分以上30分未満
△:溶解時間が30以上60分未満
×:溶解時間が60分以上
【0196】
<(2−2)粘接着剤組成物の溶融粘度>
実施例1〜20、比較例1〜13の粘接着剤組成物の溶融粘度は、温度140℃でブルックフィールド型粘度計(ブルックフィールド社製 DV−III)により測定した。
【0197】
また、実施例21〜
34、参考例35、実施例36〜38、比較例14〜22の粘接着剤組成物の溶融粘度は、温度180℃でブルックフィールド型粘度計(ブルックフィールド社製 DV−III)により測定した。
【0198】
<(2−3)粘接着剤組成物の軟化点>
粘接着剤組成物の軟化点は、JIS−K2207に準じて測定した。具体的には、規定の環台に試料を充填し、グリセリン中で水平に支え、試料の中央に3.5gの球を置いた状態で、グリセリンの温度を5℃/minの速さで上昇させたときに、球の重さで試料が環台の底板に触れたときの温度を、粘接着剤組成物の軟化点として測定した。
【0199】
<(2−4)粘接着剤組成物の塗工性>
溶融させた実施例1〜20、比較例1〜13の粘接着剤組成物を、160℃に加熱したホットプレート上に垂らし、160℃に加熱したアプリケーターで塗工した。その後、粘接着剤塗工面全体に対する荒れやムラの生じている面積割合を測定した。
【0200】
また、溶融させた実施例21〜29、比較例14〜18の粘接着剤組成物を、190℃に加熱したホットプレート上に垂らし、190℃に加熱したアプリケーターで塗工した。その後、粘接着剤塗工面全体に対する荒れやムラの生じている面積割合を測定した。
【0201】
さらに、溶融させた実施例30〜
34、参考例35、実施例36〜38、比較例19〜22の粘接着剤組成物を、170℃に加熱したホットプレート上に垂らし、170℃に加熱したアプリケーターで塗工した。その後、粘接着剤塗工面全体に対する荒れやムラの生じている面積割合を測定した。
【0202】
ムラの生じている面積割合に基づいて、下記評価基準により粘接着剤組成物の塗工性を評価した。
(評価基準)
○:荒れやムラの生じている面積割合が10面積%未満
△:荒れやムラの生じている面積割合が10面積%以上40面積%未満
×:荒れやムラの生じている面積割合が40面積%以上
【0203】
(粘着テープの作製)
溶融させた粘接着剤組成物を室温まで冷却し、これをトルエンに溶かした。得られたトルエン溶液をアプリケーターでポリエステルフィルムにコーティングし、その後、室温で30分間、70℃のオーブンで7分間保持し、トルエンを完全に蒸発させて、粘着テープを作製した。なお、実施例1〜20及び比較例1〜13の粘接着剤組成物においては塗工厚さ50μm(基材厚さ50μm)とし、実施例21〜
34、参考例35、実施例36〜38及び比較例14〜22の粘接着剤組成物においては、厚さ25μm(基材厚さ38μm)とした。
【0204】
<(2−5)粘接着剤組成物の粘着性(ループタック)>
実施例1〜10,15〜17及び比較例1〜5,10〜12の粘接着剤組成物を用いて、上記のように250mm長×15mm幅のループ状の粘着テープを作製した。ループ状の粘着テープを、PE(ポリエチレン)板に対し、接触面積:15mm×50mm、接着時間3sec、接着速度500mm/minで接着させた。その後、PE板から粘着テープを引き剥がし速度500mm/minで引き剥がし剥離力を測定した。
【0205】
また、実施例11〜14,18〜20及び比較例6〜9,13の粘接着剤組成物を用いて、上記のように250mm長×15mm幅のループ状の粘着テープを作製した。ループ状の粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:15mm×50mm、接着時間3sec、接着速度500mm/minで接着させた。その後、SUS板から粘着テープを引き剥がし速度500mm/minで引き剥がし剥離力を測定した。
【0206】
剥離力の測定値(N/15mm)が、10以上であれば実用上優れた粘着性を有し、7以上であれば実用上十分な粘着性を有すると判断した。
【0207】
<(2−6)粘接着剤組成物の粘着性(ボールタック)>
JIS Z0237傾斜式ボールタック試験方法に準拠し、試験を行った。実施例21〜29及び比較例14〜18の粘接着剤組成物を用いて、上記のように300mm長×15mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、角度30度のボールタック試験装置(テスター産業(株)社製)に取り付け、ボール位置から10cmまでを助走路とし、PETフィルム(厚さ25μ)を張り付けた。さらに粘着テープのボール位置から20cm(助走路下部末端から10cm)の位置に標線を引いた。斜面上方のボール位置から斜面下方へ向けて剛球(サイズ:1/32〜32/32インチ)を転がした。標線内で止まるボールのサイズの32倍の数値を「ボールナンバー」と呼び、各粘着テープにおいて停止した最大のボールナンバーを測定した。
【0208】
ボールナンバーの測定値(No.)が、10以上であれば実用上優れた粘着性を有し、7以上であれば実用上十分な粘着性を有すると判断した。
【0209】
<(2−7)粘接着剤組成物の粘着性(プローブタック)>
実施例30〜
34、参考例35、実施例36〜38及び比較例19〜22の粘接着剤組成物を用いて、上記のように30mm長×30mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、プローブタック試験機(NTS−4800/テスター産業(株)社製)の10g荷重(筒形)天面に粘着面が下向きになるように張り付けた。粘着面に対し、下方から直径5mmφの円柱(SUS製)を、浮き上がる状態で1秒接着させた。その後、円柱を引きはがした際の剥離力を測定した。接着及び引きはがし速度は10mm/秒で行った。
【0210】
剥離力の測定値(N/5mmφ)が、2以上であれば実用上優れた粘着性を有し、1.5以上であれば実用上十分な粘着性を有すると判断した。
【0211】
<(2−8)粘接着剤組成物の粘着力>
実施例1〜10,15〜17及び比較例1〜5,10〜12の粘接着剤組成物を用いて、上記のように25mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、PE(ポリエチレン)板に貼り付け、引き剥がし速度300mm/minで180°剥離力を測定した。
【0212】
また、実施例11〜14,18〜20及び比較例6〜9,13の粘接着剤組成物を用いて、上記のように25mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に貼り付け、引き剥がし速度300mm/minで180°剥離力を測定した。
【0213】
剥離力の測定値(N/10mm)が、10以上であれば実用上優れた粘着力を有し、8.0以上であれば実用上十分な粘着力を有すると判断した。
【0214】
<(2−9)粘接着剤組成物の保持力>
実施例1〜10,15〜17及び比較例1〜5,10〜12の粘接着剤組成物を用いて、上記のように25mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、PE(ポリエチレン)板に対し、接触面積:25mm×25mmで貼り付けた。その後、粘着テープに対して、40℃で、垂直方向に1kgの荷重を与え、粘着テープがずれ落ちるまでの保持時間を測定した。
【0215】
また、実施例11〜14,18〜20及び比較例6〜9,13の粘接着剤組成物を用いて、上記のように25mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:25mm×25mmで貼り付けた。その後、粘着テープに対して、40℃又は60℃で、垂直方向に1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの保持時間を測定した。
【0216】
さらに、実施例21〜29及び比較例14〜18の粘接着剤組成物を用いて、上記のように15mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:15mm×15mmで貼り付けた。その後、粘着テープに対して、50℃で、垂直方向に1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの保持時間を測定した。
【0217】
また、実施例30〜
34、参考例35、実施例36〜38及び比較例19〜22の粘接着剤組成物を用いて、上記のように15mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:15mm幅×25mmで貼り付けた。その後、粘着テープに対して、50℃で、垂直方向に1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの保持時間を測定した。
【0218】
40℃における保持力としては、保持時間が300分以上であれば実用上優れた保持力を有し、200分以上であれば実用上十分な保持力を有すると判断した。また、60℃における保持力としては、保持時間が20分以上であれば実用上優れた保持力を有し、10分以上であれば実用上十分な保持力を有すると判断した。
【0219】
50℃における保持力としては、実施例21〜29及び比較例14〜18においては、保持時間が200分以上であれば実用上優れた保持力を有し、100分以上であれば実用上十分な保持力を有すると判断した。また、50℃における保持力としては、実施例30〜
34、参考例35、実施例36〜38及び比較例19〜22においては、保持時間が20分以上であれば実用上優れた保持力を有し、10分以上であれば実用上十分な保持力を有すると判断した。
【0220】
<(2−10)溶融粘度と粘接着性能のバランス>
溶融粘度と粘接着性能のバランスは、(2−9)で求めた保持時間(分)を(2−1)の溶融粘度の測定値(mPa・s)で除した値に基づいて判定した。40℃の保持時間(分)を溶融粘度の測定値(mPa・s)で除した値が0.2以上であれば、融粘度と粘接着性能のバランスが優れていると判断した。また、60℃の保持時間(分)を溶融粘度の測定値(mPa・s)で除した値を100倍した値が0.4以上であれば、融粘度と粘接着性能のバランスが優れていると判断した。
【0221】
また、実施例21〜29及び比較例14〜18においては、50℃の保持時間(分)を溶融粘度の測定値(mPa・s)で除した値を100倍した値が0.4以上であれば、融粘度と粘接着性能のバランスが優れていると判断した。また、実施例30〜
34、参考例35、実施例36〜38及び比較例19〜22においては、50℃の保持時間(分)を溶融粘度の測定値(mPa・s)で除した値を100倍した値が0.5以上であれば、融粘度と粘接着性能のバランスが優れていると判断した。
【0222】
<(2−10)メルトフローレート保持率>
熱安定性の指標として、メルトインデクサーL247(TECHNOL SEVEN)を用いて、温度200℃で5分加熱した後の粘接着剤組成物のメルトフローレート(MFR1:測定温度200℃、荷重2.16kg)、及び温度200℃で60分加熱した後の粘接着剤組成物のメルトフローレート(MFR2:測定温度200℃、荷重2.16kg)を測定した。MFR1及びMFR2の値の変化率をMFR保持率とした。
【0223】
保持率が98%以上であれば実用上極めて優れた保持率を有し、90%以上であれば実用上優れた性能、50%以上であれば実用上十分な保持率を有すると判断した。
【0224】
<(2−11)耐光性:粘着力変化率>
耐光性の指標として、サンシャインウエザーメーター(サンシャインスーパーロングウェザーメーターCWEL−SUN−HCH−B型/スガ試験機(株)社製)を用いて、光照射前(初期値)と光照射後の粘着力を測定した。まず、上記のように25mm幅の粘着テープを作製した。作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に貼り付けた。その30分後、光を照射せずに、引き剥がし速度300mm/minでSUS板から粘着テープを引きはがし、180°剥離力を測定した。
【0225】
一方で、作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に張り付け、基材(透明PETフィルム)側に、ブラックパネル温度63℃、雨無しの条件下で、72時間、光を照射した。その後、引き剥がし速度300mm/minでSUS板から粘着テープを引きはがし、180°剥離力を測定した。
【0226】
初期値と72時間光照射後の180°剥離力の変化率を粘着力変化率とした。得られた粘着力変化率を下記評価基準により評価した。
(評価基準)
○:粘着力変化率が±50%未満
×:粘着力変化率が±50%以上
【0227】
<(2−12)耐光性:被着体のり残り>
上記(2−11)において、光を照射後、粘着テープを引きはがしたSUS板の表面を目視にて観察し、下記評価基準により、被着体のり残りを評価した。
(評価基準)
○:剥がした表面に、目視及び指で触り、のり残りなし。
×:剥がした表面に、目視及び指で触り、のり残りあり。
【0228】
〔(3):水素添加触媒の調製〕
後述する実施例及び比較例において、水素添加ブロック共重合体組成物を作製する際に用いる水素添加触媒を、下記の方法により調製した。攪拌装置を具備する反応容器を窒素置換しておき、これに、乾燥及び精製したシクロヘキサンを1L仕込んだ。次に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加した。これを十分に攪拌しながら、トリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。これにより水素添加触媒が得られた。
【0229】
〔(4):ブロック共重合体組成物の調製〕
<ブロック共重合体組成物1>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め精製したスチレン444gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を51℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.66gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0230】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度63℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン756gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度87℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.073(重量で0.64g)となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.3gを加えて反応を失活させた。
【0231】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物1を得た。
【0232】
得られたブロック共重合体組成物1は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が36.7質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.8質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は36.5mPa・sであった。
【0233】
また、得られたブロック共重合体組成物1のその他の物性値を表1に示す。
【0234】
<ブロック共重合体組成物2>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5109g、及び予め精製したスチレン456gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.66gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0235】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度62℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン744gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度85℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.060(重量で0.52g)となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は77℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.3gを加えて反応を失活させた。
【0236】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物2を得た。
【0237】
得られたブロック共重合体組成物2は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が37.8質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.6質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は27.0mPa・sであった。
【0238】
また、得られたブロック共重合体組成物2のその他の物性値を表1に示す。
【0239】
<ブロック共重合体組成物3>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5123g、及び予め精製したスチレン468gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム3.00gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0240】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度63℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン732gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度89℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.060(重量で0.59g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は80℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール1.3gを加えて反応を失活させた。
【0241】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物3を得た。
【0242】
得られたブロック共重合体組成物3は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が38.7質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.7質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は24.5mPa・sであった。
【0243】
また、得られたブロック共重合体組成物3のその他の物性値を表1に示す。
【0244】
<ブロック共重合体組成物4>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5109g、及び予め精製したスチレン456gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.55gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0245】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度63℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン744gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度87℃に達してから3分後に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下「TMEDA」とする。)をn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.36(重量で1.67g)となるように添加し、更に3分後カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.060(重量で0.50g)となるように添加し、40分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は73℃であった。カップリング剤添加より40分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
【0246】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物4を得た。
【0247】
得られたブロック共重合体組成物4は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が38.1質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.6質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は34.1mPa・sであった。
【0248】
また、得られたブロック共重合体組成物4のその他の物性値を表1に示す。
【0249】
<ブロック共重合体組成物5>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4778g、及び予め精製したスチレン180gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム3.24gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0250】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度56℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン1020gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度86℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.123(重量で1.30g)となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は77℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.5gを加えて反応を失活させた。
【0251】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物5を得た。
【0252】
得られたブロック共重合体組成物5は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が15.1質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が11.9質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は57.3mPa・sであった。
【0253】
また、得られたブロック共重合体組成物5のその他の物性値を表1に示す。
【0254】
<ブロック共重合体組成物6>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5181g、及び予め精製したスチレン516gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を51℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.86gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0255】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度68℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン684gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度88℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.053(重量で0.50g)となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は79℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.5gを加えて反応を失活させた。
【0256】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物6を得た。
【0257】
得られたブロック共重合体組成物6は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が43.2質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.5質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は30.5mPa・sであった。
【0258】
また、得られたブロック共重合体組成物6のその他の物性値を表1に示す。
【0259】
<ブロック共重合体組成物7>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5066g、及び予め精製したスチレン420gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を55℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.12gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0260】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度64℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン780gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度89℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.053(重量で0.37g)となるように添加し、15分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は80℃であった。カップリング剤添加より15分後に、メタノール1.0gを加えて反応を失活させた。
【0261】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物7を得た。
【0262】
得られたブロック共重合体組成物7は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が34.5質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が11.5質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は42.1mPa・sであった。
【0263】
また、得られたブロック共重合体組成物7のその他の物性値を表1に示す。
【0264】
<ブロック共重合体組成物8>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5066g、及び予め精製したスチレン420gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を52℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム3.02gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0265】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度62℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン780gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度88℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.120(重量で1.18g)となるように添加し、15分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より15分後に、メタノール1.4gを加えて反応を失活させた。
【0266】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物8を得た。
【0267】
得られたブロック共重合体組成物8は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が35.2質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.4質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は41.3mPa・sであった。
【0268】
また、得られたブロック共重合体組成物8のその他の物性値を表1に示す。
【0269】
<ブロック共重合体組成物9>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5066g、及び予め精製したスチレン420gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を52℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.08gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0270】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度64℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン780gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度86℃に達してから3分後に、カップリング剤として安息香酸エチルをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.15(重量で0.73g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール1.0gを加えて反応を失活させた。
【0271】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物9を得た。
【0272】
得られたブロック共重合体組成物9は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が34.6質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が11.1質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は47.0mPa・sであった。
【0273】
また、得られたブロック共重合体組成物9のその他の物性値を表2に示す。
【0274】
<ブロック共重合体組成物10>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5181g、及び予め精製したスチレン516gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.57gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0275】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度65℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン684gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度89℃に達してから3分後に、カップリング剤として安息香酸エチルをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.185(重量で1.11g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は81℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
【0276】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物10を得た。
【0277】
得られたブロック共重合体組成物10は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が42.8質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.4質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は25.6mPa・sであった。
【0278】
また、得られたブロック共重合体組成物10のその他の物性値を表2に示す。
【0279】
<ブロック共重合体組成物11>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5008g、及び予め精製したスチレン372gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を54℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.44gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0280】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度63℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン828gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度88℃に達してから3分後に、カップリング剤として安息香酸エチルをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.375(重量で1.27g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は81℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール0.7gを加えて反応を失活させた。
【0281】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物11を得た。
【0282】
得られたブロック共重合体組成物11は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が30.5質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が11.6質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は330.0mPa・sであった。
【0283】
また、得られたブロック共重合体組成物11のその他の物性値を表2に示す。
【0284】
<ブロック共重合体組成物12>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5008g、及び予め精製したスチレン456gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.55gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0285】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度62℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン828gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度85℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.06(重量で0.50g)となるように添加し、45分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は68℃であった。カップリング剤添加より45分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
【0286】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物12を得た。
【0287】
得られたブロック共重合体組成物12は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が38.3質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が11.3質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は27.0mPa・sであった。
【0288】
また、得られたブロック共重合体組成物12のその他の物性値を表2に示す。
【0289】
<ブロック共重合体組成物13>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5181g、及び予め精製したスチレン516gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.76gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0290】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度64℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン684gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度89℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.06(重量で0.45g)となるように添加し、70分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は70℃であった。カップリング剤添加より70分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
【0291】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物13を得た。
【0292】
得られたブロック共重合体組成物13は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が42.2質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.4質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は32.0mPa・sであった。
【0293】
また、得られたブロック共重合体組成物13のその他の物性値を表2に示す。
【0294】
<ブロック共重合体組成物14>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5080g、及び予め精製したスチレン432gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を51℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.52gシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0295】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度63℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン768gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度86℃に達してから3分後に、カップリング剤としてメチルトリエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.175(重量で0.61g)となるように添加し、40分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は72℃であった。カップリング剤添加より40分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
【0296】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物14を得た。
【0297】
得られたブロック共重合体組成物14は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が35.9質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が11.2質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は49.2mPa・sであった。
【0298】
また、得られたブロック共重合体組成物14のその他の物性値を表2に示す。
【0299】
<ブロック共重合体組成物15>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め精製したスチレン444gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.76gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0300】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度64℃に達してから5分後、1,3−ブタジエンを含む756gシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度90℃に達してから3分後に、TMEDAをn−ブチルリチウム総mol数に対するmol比が0.70(重量で3.51g)となるように添加し、更に3分後カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.073(重量で0.66g)となるように添加し、35分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は76℃であった。カップリング剤添加より35分後に、メタノール1.3gを加えて反応を失活させた。
【0301】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物15を得た。
【0302】
得られたブロック共重合体組成物15は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が37.3質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.7質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は29.6mPa・sであった。
【0303】
また、得られたブロック共重合体組成物15のその他の物性値を表2に示す。
【0304】
<ブロック共重合体組成物16>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4778g、及び予め精製したスチレン180gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.35(重量で1.22g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を52℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.92gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0305】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度58℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン1020gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度89℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.060(重量で0.37g)となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は81℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール0.9gを加えて反応を失活させた。
【0306】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は44.6質量%であった。
【0307】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物16を得た。
【0308】
得られたブロック共重合体組成物16は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が14.8質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が35.8質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は62.3mPa・sであった。
【0309】
また、得られたブロック共重合体組成物16のその他の物性値を表3に示す。
【0310】
<ブロック共重合体組成物17>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5123g、及び予め精製したスチレン468gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.38(重量で1.90g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.76gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0311】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度62℃に達してから5分後、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度85℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.053(重量で0.48g)となるように添加し、40分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は74℃であった。カップリング剤添加より40分後に、メタノール1.3gを加えて反応を失活させた。
【0312】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度82℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は49.4質量%であった。
【0313】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物17を得た。
【0314】
得られたブロック共重合体組成物17は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が38.8質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が41.5質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は27.6mPa・sであった。
【0315】
また、得られたブロック共重合体組成物17のその他の物性値を表3に示す。
【0316】
<ブロック共重合体組成物18>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5181g、及び予め精製したスチレン516gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.37(重量で2.13g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム3.18gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0317】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度64℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン684gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度89℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.063(重量で0.65g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は80℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール1.5gを加えて反応を失活させた。
【0318】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度84℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は48.8質量%であった。
【0319】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物18を得た。
【0320】
得られたブロック共重合体組成物18は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が43.4質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が38.8質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は24.3mPa・sであった。
【0321】
また、得られたブロック共重合体組成物18のその他の物性値を表3に示す。
【0322】
<ブロック共重合体組成物19>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5109g、及び予め精製したスチレン456gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.34(重量で2.02g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウムを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0323】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度64℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン744gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度91℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.063(重量で0.65g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は81℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール1.6gを加えて反応を失活させた。
【0324】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度87℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は72.3質量%であった。
【0325】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物19を得た。
【0326】
得られたブロック共重合体組成物19は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が37.6質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が40.8質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は61.6mPa・sであった。
【0327】
また、得られたブロック共重合体組成物19のその他の物性値を表3に示す。
【0328】
<ブロック共重合体組成物20>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4994g、及び予め精製したスチレン360gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.20(重量で1.01g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を51℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.80gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0329】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度61℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン840gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度87℃に達してから3分後に、カップリング剤として四塩化ケイ素をn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.063(重量で0.46g)となるように添加し、40分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は74℃であった。カップリング剤添加より40分後に、メタノール1.3gを加えて反応を失活させた。
【0330】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度83℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は36.1質量%であった。
【0331】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物20を得た。
【0332】
得られたブロック共重合体組成物20は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が30.3質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が28.2質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は42.7mPa・sであった。
【0333】
また、得られたブロック共重合体組成物20のその他の物性値を表3に示す。
【0334】
<ブロック共重合体組成物21、22>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5066g、及び予め精製したスチレン420gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.37(重量で1.85g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.76gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0335】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度62℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン780gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度88℃に達してから3分後に、カップリング剤として安息香酸エチルをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.15(重量で0.97g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は79℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール1.3gを加えて反応を失活させた。
【0336】
得られたブロック共重合体溶液の50%をオートクレーブより抜出し、ブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体21を得た。
【0337】
さらに、オートクレーブ中に残ったブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は50.1質量%であった。
【0338】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物22を得た。
【0339】
得られたブロック共重合体組成物21及び22は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が35.2質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が40.9質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度はブロック共重合体21は29.6mPa・s、ブロック共重合体22は36.1mPa・sであった。
【0340】
また、得られたブロック共重合体組成物21及び22のその他の物性値を表3に示す。
【0341】
<ブロック共重合体組成物23>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5080g、及び予め精製したスチレン432gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を51℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.70gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0342】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度58℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン768gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度87℃に達してから3分後に、カップリング剤としてメチルトリクロロシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.083(重量で0.53g)となるように添加し、10分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より10分後に、メタノール0.9gを加えて反応を失活させた。
【0343】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物23を得た。
【0344】
得られたブロック共重合体組成物23は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が36.1質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が10.5質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は24.7mPa・sであった。
【0345】
また、得られたブロック共重合体組成物23のその他の物性値を表3に示す。
【0346】
<ブロック共重合体組成物24>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4793g、及び予め精製したスチレン192gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.27(重量で0.78g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を54℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.58gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0347】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度58℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン1008gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度89℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.114(重量で0.59g)となるように添加し、20分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は83℃であった。カップリング剤添加より20分後に、メタノール0.4gを加えて反応を失活させた。
【0348】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度86℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は40.6質量%であった。
【0349】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物24を得た。
【0350】
得られたブロック共重合体組成物24は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が15.8質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が32.0質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は291.3mPa・sであった。
【0351】
また、得られたブロック共重合体組成物24のその他の物性値を表4に示す。
【0352】
<ブロック共重合体組成物25>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4793g、及び予め精製したスチレン192gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.20(重量で0.61g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を53℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.68gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0353】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度58℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン1008gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度88℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.100(重量で0.55g)となるように添加し、40分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は71℃であった。カップリング剤添加より40分後に、メタノール0.4gを加えて反応を失活させた。
【0354】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度87℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は43.8質量%であった。
【0355】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物25を得た。
【0356】
得られたブロック共重合体組成物25は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が16.2質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が23.6質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は259.6mPa・sであった。
【0357】
また、得られたブロック共重合体組成物25のその他の物性値を表4に示す。
【0358】
<ブロック共重合体組成物26>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4807g、及び予め精製したスチレン204gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.25(重量で0.75g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を52℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.66gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0359】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度55℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン996gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度82℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.133(重量で0.72g)となるように添加し、15分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より15分後に、メタノール0.5gを加えて反応を失活させた。
【0360】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度86℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は42.2質量%であった。
【0361】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物26を得た。
【0362】
得られたブロック共重合体組成物26は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が16.8質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が30.6質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は285.3mPa・sであった。
【0363】
また、得られたブロック共重合体組成物26のその他の物性値を表4に示す。
【0364】
<ブロック共重合体組成物27>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4807g、及び予め精製したスチレン204gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.26(重量で0.76g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を53℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.61gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0365】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度56℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン996gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度83℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.250(重量で1.31g)となるように添加し、10分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は79℃であった。カップリング剤添加より10分後に、メタノール0.2gを加えて反応を失活させた。
【0366】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度83℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は41.3質量%であった。
【0367】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物27を得た。
【0368】
得られたブロック共重合体組成物27は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が16.5質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が30.2質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は539.2mPa・sであった。
【0369】
また、得られたブロック共重合体組成物27のその他の物性値を表4に示す。
【0370】
<ブロック共重合体組成物28>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4879g、及び予め精製したスチレン264gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.26(重量で0.81g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を51℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.72gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0371】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度56℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン936gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度86℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.129(重量で0.72g)となるように添加し、30分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は76℃であった。カップリング剤添加より30分後に、メタノール0.4gを加えて反応を失活させた。
【0372】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は41.1質量%であった。
【0373】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物28を得た。
【0374】
得られたブロック共重合体組成物28は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が21.5質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が32.1質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は321.6mPa・sであった。
【0375】
また、得られたブロック共重合体組成物28のその他の物性値を表4に示す。
【0376】
<ブロック共重合体組成物29>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4936g、及び予め精製したスチレン312gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.26(重量で0.81g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を50℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム1.72gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0377】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度58℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン888gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度87℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.123(重量で0.69g)となるように添加し、15分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は83℃であった。カップリング剤添加より15分後に、メタノール0.4gを加えて反応を失活させた。
【0378】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は40.5質量%であった。
【0379】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物29を得た。
【0380】
得られたブロック共重合体組成物29は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が26.3質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が30.9質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は338.0mPa・sであった。
【0381】
また、得られたブロック共重合体組成物29のその他の物性値を表4に示す。
【0382】
<ブロック共重合体組成物30>
攪拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン4793g、及び予め精製したスチレン192gを仕込み、TMEDAをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.27(重量で1.00g)となるように添加し、ジャケットに温水を通水して内容物を51℃に加温した。次に、n−ブチルリチウム2.04gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
【0383】
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度55℃に達してから5分後、1,3−ブタジエン1008gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度85℃に達してから3分後に、カップリング剤として1,3−ビス(N,N‘−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.108(重量で1.25g)となるように添加し、15分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は79℃であった。カップリング剤添加より15分後に、メタノール0.5gを加えて反応を失活させた。
【0384】
さらに、得られたブロック共重合体組成物に、上記のようにして調製した水素添加触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で50ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度86℃で水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体組成物の水素添加率は40.9質量%であった。
【0385】
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しブロック共重合体組成物30を得た。
【0386】
得られたブロック共重合体組成物30は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が16.1質量%であり、共役ジエン単量体単位の平均ビニル結合量が29.5質量%であり、15質量%トルエン溶液における粘度は187.9mPa・sであった。
【0387】
また、得られたブロック共重合体組成物30のその他の物性値を表4に示す。
【0388】
〔実施例1〜
34、参考例35、実施例36〜38、比較例1〜22〕
以上のようにして得られた各ブロック共重合体組成物を用い、上述した粘接着組成物の作製方法により、均一な、ホットメルト型粘接着剤組成物を得た。得られた粘接着剤組成物を上記方法により評価した。更に、上述した粘着テープの作製方法により、粘着テープを得た。得られた粘着テープを上記方法により評価した。それらの評価結果を、表5〜10に示す。
【0389】
【表1】
*ND;検出されず
【0390】
【表2】
*ND;検出されず
【0391】
【表3】
*ND;検出されず
【0392】
【表4】
*ND;検出されず
【0393】
【表5】
【0394】
【表6】
【0395】
【表7】
※D1161 :クレイトンD1161(クレイトン・ポリマー社製)
※Q3433N:クインタック3433N(日本ゼオン(株)社製)
【0396】
【表8】
※D1161 :クレイトンD1161(クレイトン・ポリマー社製)
【0397】
【表9】
※D1161 :クレイトンD1161(クレイトン・ポリマー社製)
※H1221 :タフテックH1221(旭化成ケミカルズ(株)社製)
※Q3280 :クインタック3280(日本ゼオン(株)社製)
【0398】
【表10】
【0399】
実施例1〜10、15〜17の粘接着剤組成物は、いずれもループタック(粘着性)、粘着力、40℃保持力の各粘接着剤特性が良好で、かつ溶融粘度と40℃保持力の性能バランスに優れていることが分かった。また、実施例11〜14、18〜20の粘接着剤組成物は、前記性能に加えてより高温の60℃保持力、熱安定性が良好で、かつ溶融粘度と40℃保持力の性能バランスに優れていることが分かった。
【0400】
実施例21〜29の粘接着剤組成物は、いずれもボールタック(粘着性)、50℃保持力の各粘接着剤特性が良好で、かつ溶融粘度と50℃保持力の性能バランス、耐光性に優れていることが分かった。
【0401】
実施例30〜38の粘接着剤組成物は、いずれもプローブタック(粘着性)、50℃保持力の各粘接着剤特性が良好で、かつ溶融粘度と50℃保持力の性能バランス、耐光性に優れていることが分かった。
【0402】
本出願は、2014年1月23日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2014−010810)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。